JP2733128B2 - ペイオフリールの自動減速制御方法 - Google Patents

ペイオフリールの自動減速制御方法

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JP2733128B2
JP2733128B2 JP2211499A JP21149990A JP2733128B2 JP 2733128 B2 JP2733128 B2 JP 2733128B2 JP 2211499 A JP2211499 A JP 2211499A JP 21149990 A JP21149990 A JP 21149990A JP 2733128 B2 JP2733128 B2 JP 2733128B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ペイオフリールの自動減速制御方法に係
り、特に簡単にかつ精度よく自動減速を可能とするペイ
オフリールの自動減速制御方法に関する。
〈従来の技術〉 鋼帯などのストリップを処理するプロセスラインにお
いては、第3図のように、ライン入側のペイオフリール
1によりストリップコイルを巻戻してストリップSをプ
ロセス部8に供給して所定の処理を施し、その後ライン
出側のテンションリール9によりストリップSを巻取っ
てストリップコイルとなすのが一般的である。なお、図
中10、11はパルスジェネレータ、12は自動減速制御装
置、13はブライドルロールである。
この場合、ペイオフリールにおけるコイル残長(残巻
数)が所定量になった時点で、ペイオフリールを含むラ
イン入側設備の減速を開始し、設備を停止させる必要が
ある。減速開始タイミングが早すぎると生産能率を低下
させ、逆に遅くなりすぎるとコイル尾端がペイオフリー
ルから離れてしまい、ライン全体の停止、プロセス部で
のストリップ停滞による歩留り低下、設備の破損などの
トラブルが発生する。
そこで、このようなトラブルを防止する方法として
は、例えば、特開昭56-144821号公報には、ペイオフリ
ールとテンションリールの回転数とマンドレル径を基に
ストリップの板厚、コイルの残巻数を演算し、ストリッ
プの走行速度からペイオフリールにおける自動減速開始
タイミングを決定することが開示されている。
また、特開昭56-141253号公報、同56-141255号公報等
にはペイオフリールとブライドルロールに設けられたパ
ルスジェネレータの出力比からペイオフリールのコイル
径を演算し、そのコイル径よりコイル残長を求め、ペイ
オフリールの巻戻速度から自動減速開始タイミングを決
定し、これにもとづいてペイオフリールの自動減速停止
を行うことが開示されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、上記の従来技術には、以下の問題があった。
ライン設備内に、ストリップの速度を制御するルーパ
設備があると、ペイオフリールとテンションリールの回
転数に時間的ズレが生じ、ストリップの板厚を演算でき
ない。
1コイル内で種々の板厚の鋼板を製造するか、または
1コイル内に種々の板厚があるコイルを通板すると、ペ
イオフリールとテンションリールで回転数が異なるた
め、ペイオフリールの残り巻数を演算するのが困難であ
った。
ペイオフリールとブライドルロールに設けたパルスジ
ェネレータの比を使ってペイオフリールの自動減速する
方法では、ストリップの表面に油等が付着していると、
ブライドルロールがスリップし、ペイオフリールのコイ
ル径を正確に演算できない。
本発明は、このような問題を解決したペイオフリール
の自動減速制御方法を提供することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、ペイオフリールにより巻戻されるストリッ
プコイルの外径、内径および板厚の各情報を事前に収集
するとともに、前記ストリップコイルを巻戻している際
のペイオフリールの回転数および回転速度を検出し、前
記コイル情報とペイオフリール回転数の検出値とからペ
イオフリールにおけるコイル残巻数を演算し、ついで該
コイル残巻数と前記コイル内径および板厚情報と、前記
ペイオフリール回転速度の検出値とからストリップの走
行速度を演算してこの演算値からペイオフリールの自動
減速開始時に必要なペイオフリールにおける必要コイル
残長を算出する一方、前記コイル内径および板厚情報
と、前記コイル残巻数とからペイオフリールにおけるコ
イル残長を演算し、このコイル残長と前記必要コイル残
長とが一致するまで上記演算を繰返し、これらが一致し
た時点でペイオフリールの減速を開始することを特徴と
するペイオフリールの自動減速制御方法である。
〈作用〉 本発明では、ペイオフリールから後の情報は全く用い
ずに、ペイオフリールおよびペイオフリール以前の情報
のみを用いてペイオフリールの自動減速制御を行うよう
にしたので、誤差の入り込む余地がなくなり、精度良く
自動減速制御を行うことができる。以下、詳細に説明す
る。
まず、前工程より当該ペイオフリールにより巻戻すス
トリップコイルの巻数N0、コイル内径D0(m)およびス
トリップの板厚h(m)に関する情報を得る。なお、コ
イル巻数N0はコイル高さ調心装置による測定結果より算
出するようにしてもよい。即ち、ライン入側にてコイル
をペイオフリールに挿入する際に、ペイオフリールのマ
ンドレル中心とコイル内径中心とを高さ方向で一致させ
るため、コイル外径を高さ調心装置により測定している
ので、このコイル外径の測定値と既知であるコイル内径
および板厚とから、コイル巻数を算出するようにしても
よい。
次に、ペイオフリールに設けられたパルスジェネレー
タにより、コイル巻戻し開始からペイオフリールの回転
数を検出し、(1)式によりコイル残巻数Niを時々刻々
演算する。
P:ペイオフリール1回転当たりのパルスジェネレータの
発生パルス数 ΣG:巻取り開始からのパルスジェネレータのパルス積算
値 次に、前記パルスジェネレータからペイオフリールの
回転速度Rv(rpm)も検出できるから、(2)式により
ストリップの走行速度vi(m/min)を時々刻々演算す
る。
PR:単位時間当たりのパルスジェネレータの発生パルス
数(パルス/min) 一方、ペイオフリールの自動減速開始時点で必要なコ
イル残長Lr(m)を(3)式により時々刻々演算する。
α:ストリップの減速率(m/min2) L0:ペイオフリールに残しておくコイルの長さ(m) そして、ペイオフリールにおけるコイル残長Li(m)
を(4)式により時々刻々演算し、 (5)式が成立した時点で、自動減速を開始する。
Li=Lr ……(5) 以上を第2図にフローチャートとして示す。
〈実施例〉 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図である。
第1図においては、1はペイオフリール、2はペイオ
フリール1の駆動用モータ、3は駆動用モータ2の回転
数を検出するパルスジェネレータ、4は自動減速制御装
置、5は演算器、6はデフレクタロール、7は鋼帯であ
る。
しかして、まず、ペイオフリール1で巻戻すコイルの
巻数N0、内径D0(m)および板厚h(m)の各情報およ
び高さ調心装置(図示せず)で求めたコイル外径を事前
に演算器5にインプットしておく。そして、ペイオフリ
ール1の巻戻し開始から、パルスジェネレータ3が検出
したパルス数を演算器5でカウントする。
そして、上記カウント値を基に、演算器5でコイル残
巻数Niと鋼帯7の走行速度vi(m/min)を(1)式及び
(2)式で時々刻々演算すると共に、並行してコイル残
り巻数Ni、コイル内径D0(m)及び鋼帯7の板厚h
(m)からペイオフリール1におけるコイル残長Li
(m)を(4)式で時々刻々演算する。さらに、鋼帯7
の走行速度vi(m/min)から(3)式によりペイオフリ
ール1の自動停止に必要なコイル長さLr(m)を演算す
る。
そして、上記データを基に演算器5で、ペイオフリー
ル1におけるコイル残長Li(m)とペイオフリール1の
自動停止に必要なコイル長さLr(m)を比較し、(5)
式により自動減速タイミングを決定する。
制御装置4は、上記で決定した自動減速タイミングで
ペイオフリール1及びライン内の駆動モータに減速指令
を出す。
上記実施例を実際の装置で実施した結果、ペイオフリ
ール1にL0(m)のコイル長さを残して正確に停止し
た。さらに、1コイル内に複数の板厚の鋼帯があって
も、全く問題ないことが判明した。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明はペイオフリールおよび
ペイオフリール以前の情報のみを用いてペイオフリール
の自動減速制御を行うようにしたので、以下の効果を有
する。
自動減速制御装置内のロジックが単純になった。
ライン設備内にルーパ等のスピードを制御する設備が
あっても、自動減速開始点の演算が可能となった。
1コイルに複数の鋼板板厚が混在していても、自動減
速開始点の演算が可能となった。
自動減速の演算精度が向上したことにより、設備破損
の防止およびコイル歩留りが向上する。
ブライドルロールで発生するロールのスリップを考慮
する必要がなくなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図は
本発明の一実施例のフローチャート、第3図は従来のペ
イオフリール自動制御方法の説明図である。 1……ペイオフリール、2……駆動モータ、3……パル
スジェネレータ、4……自動減速制御装置、5……演算
器、6……デフレクタロール、7……鋼帯、8……プロ
セス部、9……テンションリール、10……パルスジェネ
レータ、11……パルスジェネレータ、12……自動減速制
御装置、13……ブライドルロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 孝博 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特公 昭58−2149(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペイオフリールにより巻戻されるストリッ
    プコイルの外径、内径および板厚の各情報を事前に収集
    するとともに、前記ストリップコイルを巻戻している際
    のペイオフリールの回転数および回転速度を検出し、前
    記コイル情報とペイオフリール回転数の検出値とからペ
    イオフリールにおけるコイル残巻数を演算し、ついで該
    コイル残巻数と前記コイル内径および板厚情報と、前記
    ペイオフリール回転速度の検出値とからストリップの走
    行速度を演算してこの演算値からペイオフリールの自動
    減速開始時に必要なペイオフリールにおける必要コイル
    残長を算出する一方、前記コイル内径および板厚情報
    と、前記コイル残巻数とからペイオフリールにおけるコ
    イル残長を演算し、このコイル残長と前記必要コイル残
    長とが一致するまで上記演算を繰返し、これらが一致し
    た時点でペイオフリールの減速を開始することを特徴と
    するペイオフリールの自動減速制御方法。
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