JP2731922B2 - 4輪駆動車のトルク配分制御装置 - Google Patents
4輪駆動車のトルク配分制御装置Info
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- JP2731922B2 JP2731922B2 JP63267732A JP26773288A JP2731922B2 JP 2731922 B2 JP2731922 B2 JP 2731922B2 JP 63267732 A JP63267732 A JP 63267732A JP 26773288 A JP26773288 A JP 26773288A JP 2731922 B2 JP2731922 B2 JP 2731922B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、センターデフ付4輪駆動車において前後輪
のトルク配分を、単に駆動力を向上させるためだけの駆
動力配分にとどまらず、操縦性や安全性を向上させるこ
とを目的に高出力車による加速時や、低摩擦路(低μ
路)において車輪スリップ,ハンドル角,旋回時の横加
速度等に応じて可変制御するトルク配分制御装置に関す
る。
のトルク配分を、単に駆動力を向上させるためだけの駆
動力配分にとどまらず、操縦性や安全性を向上させるこ
とを目的に高出力車による加速時や、低摩擦路(低μ
路)において車輪スリップ,ハンドル角,旋回時の横加
速度等に応じて可変制御するトルク配分制御装置に関す
る。
一般に4輪駆動車の前後輪トルク配分は、駆動力が最
大に発揮されるように前後輪の動的重量配分にほぼ比例
させて設定される。即ち、フロントエンジン・フロント
ドライブベース(FF)の場合は、静的重量配分が略F
(フロント):R(リヤ)≒60:40になっており、加速時
の駆動トルク反力で車重が略10%後方へ移動するので、
結局トルク分配は動的重量配分とほぼ同じF:R≒50:50に
設定される。またフロントエンジン・リヤドライブ(F
R)ベースの場合は、静的状態でF:R≒50:50であるか
ら、加速時を加味してトルク配分が同様F:R≒40:60に設
定される。
大に発揮されるように前後輪の動的重量配分にほぼ比例
させて設定される。即ち、フロントエンジン・フロント
ドライブベース(FF)の場合は、静的重量配分が略F
(フロント):R(リヤ)≒60:40になっており、加速時
の駆動トルク反力で車重が略10%後方へ移動するので、
結局トルク分配は動的重量配分とほぼ同じF:R≒50:50に
設定される。またフロントエンジン・リヤドライブ(F
R)ベースの場合は、静的状態でF:R≒50:50であるか
ら、加速時を加味してトルク配分が同様F:R≒40:60に設
定される。
そこで従来、センターデフ付4輪駆動車に関しては、
例えば特開昭55−72420号公報の先行技術がある。ここ
では一例としてベベルギヤ式センターデフ装置によりエ
ンジン動力を前後輪に配分して4輪駆動化し、デフケー
スと一方のサイドギヤとの間にLSD用クラッチを設ける
ことが示されている。
例えば特開昭55−72420号公報の先行技術がある。ここ
では一例としてベベルギヤ式センターデフ装置によりエ
ンジン動力を前後輪に配分して4輪駆動化し、デフケー
スと一方のサイドギヤとの間にLSD用クラッチを設ける
ことが示されている。
ところで、上記先行技術のものにあっては、センター
デフ装置がベベルギヤ式を例として書かれているから、
前後輪のトルク配分はF:R≒50:50であり、駆動力はFFベ
ースの場合に適したものとして書かれている。一方、ク
ラッチは車輪スリップ等を感知してコントロールされる
が、コントロールの範囲は思わぬ荷重変動に対してもデ
フをロックする処までコントロールできるにすぎず、こ
のため各種路面での走破性を重視したものになってお
り、低μ路等でのスリップ時等において走破性を向上さ
せることに主眼が置かれており、操縦性の面からセンタ
ーデフを適切に制御することまでは考えていない。
デフ装置がベベルギヤ式を例として書かれているから、
前後輪のトルク配分はF:R≒50:50であり、駆動力はFFベ
ースの場合に適したものとして書かれている。一方、ク
ラッチは車輪スリップ等を感知してコントロールされる
が、コントロールの範囲は思わぬ荷重変動に対してもデ
フをロックする処までコントロールできるにすぎず、こ
のため各種路面での走破性を重視したものになってお
り、低μ路等でのスリップ時等において走破性を向上さ
せることに主眼が置かれており、操縦性の面からセンタ
ーデフを適切に制御することまでは考えていない。
ここで4輪駆動車は、特に低μ路等の悪路で多大な機
能を発揮するものであるが、かかる路面ではセンターデ
フ付の場合、容易にスリップが発生する。このスリップ
発生時に単にLSDを働かせると駆動力は確かに向上する
が操縦性が特に向上するわけではなく、高速旋回時等に
おいて4輪が同時にスリップして突然操縦不能になる危
険性もある。このため、スリップ状態でも操縦性を確保
し、4輪同時のスリップを回避するには、センターデフ
でのトルク配分を、前後輪の重量配分に比例するもので
はなく後輪偏重に設定しておく必要がある。このことに
より後輪は前輪より先にスリップ状態になるから、アク
セルペダルの開度により後輪にトルク・スライドを発生
させることが可能で操縦性を向上し得る。
能を発揮するものであるが、かかる路面ではセンターデ
フ付の場合、容易にスリップが発生する。このスリップ
発生時に単にLSDを働かせると駆動力は確かに向上する
が操縦性が特に向上するわけではなく、高速旋回時等に
おいて4輪が同時にスリップして突然操縦不能になる危
険性もある。このため、スリップ状態でも操縦性を確保
し、4輪同時のスリップを回避するには、センターデフ
でのトルク配分を、前後輪の重量配分に比例するもので
はなく後輪偏重に設定しておく必要がある。このことに
より後輪は前輪より先にスリップ状態になるから、アク
セルペダルの開度により後輪にトルク・スライドを発生
させることが可能で操縦性を向上し得る。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、センターデフ式4輪駆動車において
LSD用摩擦クラッチを利用し、各種路面での操縦性と走
破性を共に向上することが可能な4輪駆動車のトルク配
分制御装置を提供することにある。
的とするところは、センターデフ式4輪駆動車において
LSD用摩擦クラッチを利用し、各種路面での操縦性と走
破性を共に向上することが可能な4輪駆動車のトルク配
分制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のトルク配分制御装
置は、変速機出力側に不等トルク配分式センターデフ装
置を配置し、上記センターデフ装置を介して後輪と前輪
への基準トルク配分を、前後輪の重量配分とは無関係に
後輪偏重にすべく伝動構成し、上記センターデフ装置に
は、並列に摩擦クラッチによるLSD手段を配置し、上記
摩擦クラッチの結合力を、後輪と前輪の回転数比の増大
に応じて増加させ、かつ転蛇角の増大に応じて減少補正
するように制御するものである。
置は、変速機出力側に不等トルク配分式センターデフ装
置を配置し、上記センターデフ装置を介して後輪と前輪
への基準トルク配分を、前後輪の重量配分とは無関係に
後輪偏重にすべく伝動構成し、上記センターデフ装置に
は、並列に摩擦クラッチによるLSD手段を配置し、上記
摩擦クラッチの結合力を、後輪と前輪の回転数比の増大
に応じて増加させ、かつ転蛇角の増大に応じて減少補正
するように制御するものである。
上記構成に基づき、センターデフ装置により4輪駆動
の基準トルク配分が後輪偏重になっているので、後輪が
常に先にスリップするので駆動力が過大になっているこ
とや、路面のμが下がってきていることが迅速に検出さ
れる。また、スリップ時には、後輪と前輪の回転数比の
増大に応じて摩擦クラッチの結合力を増加させること
で、後輪から前輪に駆動トルクを移動して前後輪トルク
配分を変更し、スリップを低減すると共に駆動力を確保
する。しかし一方で、上述のように摩擦クラッチの結合
力を増大制御した状態で旋回するとタイトコーナブレー
キング現象が生じて操縦性が悪化するので、制御された
摩擦クラッチの結合力を転蛇角の増大に応じて減少補正
する。これによって、走破性と操縦性を共に充分に発揮
することが可能になる。
の基準トルク配分が後輪偏重になっているので、後輪が
常に先にスリップするので駆動力が過大になっているこ
とや、路面のμが下がってきていることが迅速に検出さ
れる。また、スリップ時には、後輪と前輪の回転数比の
増大に応じて摩擦クラッチの結合力を増加させること
で、後輪から前輪に駆動トルクを移動して前後輪トルク
配分を変更し、スリップを低減すると共に駆動力を確保
する。しかし一方で、上述のように摩擦クラッチの結合
力を増大制御した状態で旋回するとタイトコーナブレー
キング現象が生じて操縦性が悪化するので、制御された
摩擦クラッチの結合力を転蛇角の増大に応じて減少補正
する。これによって、走破性と操縦性を共に充分に発揮
することが可能になる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、本発明のセンターデフ付4輪駆動車
としてFFの場合について述べると、エンジン1,クラッチ
2および変速機3が縦置き配置され、変速機出力軸4に
センターデフ装置20が同軸上に設けられている。センタ
ーデフ装置20から一対のギヤ5,6を介して車体前方に設
置されるフロントドライブ軸7が、フロントデフ装置8,
車軸9を介して左右前輪10に連結し、センターデフ装置
20から車体後方に取出されるリヤドライブ軸11が、プロ
ペラ軸12,リヤデフ装置13,車軸14を介して左右後輪15に
連結する。また、ステアリングホィール16が操舵機構17
を介して前輪10に連結している。
としてFFの場合について述べると、エンジン1,クラッチ
2および変速機3が縦置き配置され、変速機出力軸4に
センターデフ装置20が同軸上に設けられている。センタ
ーデフ装置20から一対のギヤ5,6を介して車体前方に設
置されるフロントドライブ軸7が、フロントデフ装置8,
車軸9を介して左右前輪10に連結し、センターデフ装置
20から車体後方に取出されるリヤドライブ軸11が、プロ
ペラ軸12,リヤデフ装置13,車軸14を介して左右後輪15に
連結する。また、ステアリングホィール16が操舵機構17
を介して前輪10に連結している。
第2図において、センターデフ装置20の部分について
述べる。
述べる。
センターデフ装置20は一例としてプラネタリギヤ式で
あり、プラネタリギヤ21を支持するキャリア22が変速機
出力軸4に一体的にスプライン結合し、サンギヤ23がギ
ヤ5に、リングギヤ24がリヤドライブ軸11に一体的に形
成されて成る。こうして、変速機出力をキャリア22のプ
ラネタリギヤ21からサンギヤ23とリングギヤ24とに配分
して伝達し、かつプラネタリギヤ21の遊星回転によりサ
ンギヤ23とリングギヤ24との回転差を吸収するものであ
る。ここでサンギヤ23とリングギヤ24との各歯面に作用
する力Pは常に等しいもので、サンギヤ23の半径をR1リ
ングギヤ24の半径をR2とすると、前輪出力トルクはP・
R1,後輪出力トルクはP・R2となり、P・R1<P・R2の
関係が成立する。この例では前後輪トルク配分は、F:R
=P・R1:P・R2=35:65の後輪に偏重したトルク配分に
設定されている。
あり、プラネタリギヤ21を支持するキャリア22が変速機
出力軸4に一体的にスプライン結合し、サンギヤ23がギ
ヤ5に、リングギヤ24がリヤドライブ軸11に一体的に形
成されて成る。こうして、変速機出力をキャリア22のプ
ラネタリギヤ21からサンギヤ23とリングギヤ24とに配分
して伝達し、かつプラネタリギヤ21の遊星回転によりサ
ンギヤ23とリングギヤ24との回転差を吸収するものであ
る。ここでサンギヤ23とリングギヤ24との各歯面に作用
する力Pは常に等しいもので、サンギヤ23の半径をR1リ
ングギヤ24の半径をR2とすると、前輪出力トルクはP・
R1,後輪出力トルクはP・R2となり、P・R1<P・R2の
関係が成立する。この例では前後輪トルク配分は、F:R
=P・R1:P・R2=35:65の後輪に偏重したトルク配分に
設定されている。
一方、上記センターデフ装置20には、デフロックを兼
ねたトルク配分制御用油圧クラッチ30が設けられてい
る。この油圧クラッチ30は、筒状のクラッチドラム31が
一端をギヤ5に結合してリングギヤ24の外側および後方
に設置され、ハブ32がリングギヤ24に一体結合してその
後方に突設され、変速機ケース25の後部に接合するエク
ステンションケース26の内部にピストン34が油圧室35を
具備して嵌合し、このピストン34がベアリング36を介し
てプレート33の片側のプレッシャプレート37に結合し、
ピストン34にはリターンスプリング38が付勢されてい
る。こうして油圧室35のクラッチ圧により、ピストン3
4,プレッシャプレート37等を介してプレート33を押圧す
ることでクラッチトルクを生じ、リングギヤ24の後輪出
力トルクの一部を前輪側にバイパス伝達してトルク配分
を制御し、かつサンギヤ23とリングギヤ24とを一体化し
てデフロックするようになっている。
ねたトルク配分制御用油圧クラッチ30が設けられてい
る。この油圧クラッチ30は、筒状のクラッチドラム31が
一端をギヤ5に結合してリングギヤ24の外側および後方
に設置され、ハブ32がリングギヤ24に一体結合してその
後方に突設され、変速機ケース25の後部に接合するエク
ステンションケース26の内部にピストン34が油圧室35を
具備して嵌合し、このピストン34がベアリング36を介し
てプレート33の片側のプレッシャプレート37に結合し、
ピストン34にはリターンスプリング38が付勢されてい
る。こうして油圧室35のクラッチ圧により、ピストン3
4,プレッシャプレート37等を介してプレート33を押圧す
ることでクラッチトルクを生じ、リングギヤ24の後輪出
力トルクの一部を前輪側にバイパス伝達してトルク配分
を制御し、かつサンギヤ23とリングギヤ24とを一体化し
てデフロックするようになっている。
電子制御系について述べると、前後輪側に前輪回転数
センサ40,後輪回転数センサ41を、ステアリング側に舵
角センサ42を有し、これらのセンサ信号がユニット45に
入力する。制御ユニット45は、スリップ発生時に警告装
置43に警告信号を出力し、スリップに応じたクラッチ信
号を油圧回路44に出力する。油圧回路44は、クラッチ信
号に応じたクラッチ圧を油圧クラッチ30に作用するよう
になっている。
センサ40,後輪回転数センサ41を、ステアリング側に舵
角センサ42を有し、これらのセンサ信号がユニット45に
入力する。制御ユニット45は、スリップ発生時に警告装
置43に警告信号を出力し、スリップに応じたクラッチ信
号を油圧回路44に出力する。油圧回路44は、クラッチ信
号に応じたクラッチ圧を油圧クラッチ30に作用するよう
になっている。
第3図において制御ユニット45について述べると、前
輪回転数センサ40,後輪回転数センサ41の前輪回転数N
F,後輪回転数NRが入力するスリップ検出部46を有す
る。ここで、上述のようにセンターデフ装置20により後
輪偏重のトルク配分であるから、常に後輪15の方が先に
スリップを生じる。このためスリップ率Sが、S=NR/
NFにより算出され、S>1の場合でその値によりスリッ
プ状態を検出する。
輪回転数センサ40,後輪回転数センサ41の前輪回転数N
F,後輪回転数NRが入力するスリップ検出部46を有す
る。ここで、上述のようにセンターデフ装置20により後
輪偏重のトルク配分であるから、常に後輪15の方が先に
スリップを生じる。このためスリップ率Sが、S=NR/
NFにより算出され、S>1の場合でその値によりスリッ
プ状態を検出する。
スリップ検出部46のスリップ信号は警告発生部47に入
力し、ドライバに滑り易い路面であることの注意を喚起
し得る所定のスリップ量に達すると、警告信号を発す
る。また、スリップ信号はトルク配分設定部48に入力
し、後輪偏重の基準トルク配分F:R=35:65と、デフロッ
ク時のトルク配分F:R=60:40(厳密には前後輪の重量配
分になる)との間で、スリップ状態に応じてトルク配分
を定める。このトルク配分の信号はクラッチ信号出力部
49に入力し、各トルク配分を達成するクラッチ圧のクラ
ッチ信号を出力するようになっている。
力し、ドライバに滑り易い路面であることの注意を喚起
し得る所定のスリップ量に達すると、警告信号を発す
る。また、スリップ信号はトルク配分設定部48に入力
し、後輪偏重の基準トルク配分F:R=35:65と、デフロッ
ク時のトルク配分F:R=60:40(厳密には前後輪の重量配
分になる)との間で、スリップ状態に応じてトルク配分
を定める。このトルク配分の信号はクラッチ信号出力部
49に入力し、各トルク配分を達成するクラッチ圧のクラ
ッチ信号を出力するようになっている。
一方、スリップ状態での旋回時に、上記スリップ信号
で油圧クラッチ30を、デフをロックする方向に制御する
と、センターデフ装置20の動作が制限されてタイトコー
ナブレーキング現象を生じる。そこで、クラッチ信号出
力部49の出力側に舵角センサ42の舵角θが入力する補正
部50を有し、舵角θの増大に応じてクラッチ信号の値を
減少補正する。
で油圧クラッチ30を、デフをロックする方向に制御する
と、センターデフ装置20の動作が制限されてタイトコー
ナブレーキング現象を生じる。そこで、クラッチ信号出
力部49の出力側に舵角センサ42の舵角θが入力する補正
部50を有し、舵角θの増大に応じてクラッチ信号の値を
減少補正する。
次いで、かかる構成の4輪駆動車のトルク配分作用に
ついて述べる。
ついて述べる。
先ず、エンジン1の動力が変速機3に入力し、変速し
た動力が出力軸4によりセンターデフ装置20のキャリア
22に入力する。そしてサンギヤ23から35%のトルクがギ
ヤ5および6,フロントドライブ軸7,フロントデフ装置8
等を介して前輪10に伝達し、リングギヤ24から65%のト
ルクがリヤドライブ軸11,プロペラ軸12,リヤデフ装置13
等を介して後輪15に伝達するのであり、こうして4輪駆
動走行になる。このとき、前輪回転数NF,後輪回転数NR
が制御ユニット45のスリップ検出部46に入力してスリッ
プ率が算出され、乾燥路面でスリップを生じない場合
は、油圧回路44により油圧クラッチ30がクラッチ圧零で
解放する。そこで、前後輪トルク配分は上述の後輪偏重
に保持されるので、この駆動力によってオーバーステア
気味になるので操縦性が良好に確保される。また旋回時
には、センターデフ装置20が制限を受けることなく動作
することで、前輪10と後輪15との回転差を完全に吸収
し、LSDの結合力により駆動力も最大に発揮される。
た動力が出力軸4によりセンターデフ装置20のキャリア
22に入力する。そしてサンギヤ23から35%のトルクがギ
ヤ5および6,フロントドライブ軸7,フロントデフ装置8
等を介して前輪10に伝達し、リングギヤ24から65%のト
ルクがリヤドライブ軸11,プロペラ軸12,リヤデフ装置13
等を介して後輪15に伝達するのであり、こうして4輪駆
動走行になる。このとき、前輪回転数NF,後輪回転数NR
が制御ユニット45のスリップ検出部46に入力してスリッ
プ率が算出され、乾燥路面でスリップを生じない場合
は、油圧回路44により油圧クラッチ30がクラッチ圧零で
解放する。そこで、前後輪トルク配分は上述の後輪偏重
に保持されるので、この駆動力によってオーバーステア
気味になるので操縦性が良好に確保される。また旋回時
には、センターデフ装置20が制限を受けることなく動作
することで、前輪10と後輪15との回転差を完全に吸収
し、LSDの結合力により駆動力も最大に発揮される。
一方、低μ路での悪路走行時には、常に後輪15が先に
スリップしてこのスリップ状態がスリップ検出部46で検
出され、所定のスリップ量に達すると警告発生部47から
の信号で警告装置43が作動し、ランプ,ブザー等で警告
を発する。また上記スリップ信号はトルク配分設定部48
に入力し、第4図(b)のように所定のスリップ率S1で
P1のクラッチ圧の信号を出力する。このため、油圧回路
44により油圧クラッチ30のクラッチ圧がP1に設定され、
これに応じたクラッチトルクを生じる。そこで、リング
ギヤ24からサンギヤ23側にクラッチトルクに応じてトル
クがバイパスして伝達し、前後輪トルク配分は第4図
(a)のようにF1:R1に変化するのであり、こうして後
輪スリップを低減すると共に、4輪駆動力が前輪トルク
増大で確保される。一方、更に大きいスリップ率S2にな
ると、油圧クラッチ30は直結クラッチ圧P2に制御され、
このためセンターデフ装置20は一体化してデフをロック
するものであり、この場合のトルク配分はその時の前後
輪重量配分に比例したものになって走破性が最大に発揮
される。
スリップしてこのスリップ状態がスリップ検出部46で検
出され、所定のスリップ量に達すると警告発生部47から
の信号で警告装置43が作動し、ランプ,ブザー等で警告
を発する。また上記スリップ信号はトルク配分設定部48
に入力し、第4図(b)のように所定のスリップ率S1で
P1のクラッチ圧の信号を出力する。このため、油圧回路
44により油圧クラッチ30のクラッチ圧がP1に設定され、
これに応じたクラッチトルクを生じる。そこで、リング
ギヤ24からサンギヤ23側にクラッチトルクに応じてトル
クがバイパスして伝達し、前後輪トルク配分は第4図
(a)のようにF1:R1に変化するのであり、こうして後
輪スリップを低減すると共に、4輪駆動力が前輪トルク
増大で確保される。一方、更に大きいスリップ率S2にな
ると、油圧クラッチ30は直結クラッチ圧P2に制御され、
このためセンターデフ装置20は一体化してデフをロック
するものであり、この場合のトルク配分はその時の前後
輪重量配分に比例したものになって走破性が最大に発揮
される。
上記スリップ状態での制御において、旋回時には、補
正部50でクラッチ圧が第4図(b)のように舵角θに応
じて減少補正される。このためセンターデフ装置20は、
油圧クラッチ30の制限の少ない状態で充分に回転差を吸
収作用し、これによりタイトコーナブレーキング現象が
回避され、操縦性も良好に確保される。
正部50でクラッチ圧が第4図(b)のように舵角θに応
じて減少補正される。このためセンターデフ装置20は、
油圧クラッチ30の制限の少ない状態で充分に回転差を吸
収作用し、これによりタイトコーナブレーキング現象が
回避され、操縦性も良好に確保される。
なお、スリップに対する前後輪トルク配分の特性は上
記実施例のみに限定されるものではなく、車種等によっ
て任意に設定し得る。
記実施例のみに限定されるものではなく、車種等によっ
て任意に設定し得る。
また、センターデフ装置20はプラネタリギヤ式とした
が、これに限定されるものではない。そしてLSD手段の
摩擦クラッチは油圧クラッチに限定されない。
が、これに限定されるものではない。そしてLSD手段の
摩擦クラッチは油圧クラッチに限定されない。
以上述べてきたように、本発明によれば、センターデ
フ付4輪駆動車において基準トルクを後輪偏重に設定す
るので、スリップを迅速に検出して警告することができ
る。また、フロントエンジンの車両では乾燥路面での加
速時の操縦性を向上し得る。
フ付4輪駆動車において基準トルクを後輪偏重に設定す
るので、スリップを迅速に検出して警告することができ
る。また、フロントエンジンの車両では乾燥路面での加
速時の操縦性を向上し得る。
さらに、スリップ時には後輪偏重からデフがロックさ
れた状態のトルク配分に制御されるので、駆動力と操縦
性を共に向上し得る。この場合の旋回時には舵角による
補正で、タイトコーナブレーキング現象を防止し得る。
れた状態のトルク配分に制御されるので、駆動力と操縦
性を共に向上し得る。この場合の旋回時には舵角による
補正で、タイトコーナブレーキング現象を防止し得る。
また、トルク配分制御はセンターデフ装置のデフロッ
ク用摩擦クラッチで行う構成であるから、構造が簡素化
し、制御を確実に行い得る。
ク用摩擦クラッチで行う構成であるから、構造が簡素化
し、制御を確実に行い得る。
第1図は本発明の4輪駆動車のトルク配分制御装置の実
施例を示す構成図、 第2図はセンターデフ装置と摩擦クラッチの部分の断面
図、 第3図は制御系のブロック図、 第4図(a),(b)はスリップ時のトルク配分状態を
示す図である。 3……変速機、4……出力軸、10……前輪、15……後
輪、20……センターデフ装置、30……油圧クラッチ、23
……サンギヤ、24……リングギヤ、45……制御ユニット
施例を示す構成図、 第2図はセンターデフ装置と摩擦クラッチの部分の断面
図、 第3図は制御系のブロック図、 第4図(a),(b)はスリップ時のトルク配分状態を
示す図である。 3……変速機、4……出力軸、10……前輪、15……後
輪、20……センターデフ装置、30……油圧クラッチ、23
……サンギヤ、24……リングギヤ、45……制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手▲塚▼ 一成 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富 士重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−8026(JP,A) 特開 昭62−55228(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】変速機出力側に不等トルク配分式センター
デフ装置を配置し、 上記センターデフ装置を介して後輪と前輪への基準トル
ク配分を、前後輪の重量配分とは無関係に後輪偏重にす
べく伝動構成し、上記センターデフ装置には、並列に摩
擦クラッチによるLSD手段を配置し、 上記摩擦クラッチの結合力を、後輪と前輪の回転数比の
増大に応じて増加させ、かつ転蛇角の増大に応じて減少
補正するように制御することを特徴とする4輪駆動車の
トルク配分制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63267732A JP2731922B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 4輪駆動車のトルク配分制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63267732A JP2731922B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 4輪駆動車のトルク配分制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02114021A JPH02114021A (ja) | 1990-04-26 |
JP2731922B2 true JP2731922B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=17448802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63267732A Expired - Lifetime JP2731922B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 4輪駆動車のトルク配分制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2731922B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2715657B2 (ja) * | 1990-11-30 | 1998-02-18 | 三菱自動車工業株式会社 | 差動調整式前後輪トルク配分制御装置 |
JP2903720B2 (ja) * | 1991-01-11 | 1999-06-14 | 日産自動車株式会社 | 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6255228A (ja) * | 1985-09-03 | 1987-03-10 | Toyota Motor Corp | 四輪駆動装置 |
JPH0676022B2 (ja) * | 1986-06-30 | 1994-09-28 | トヨタ自動車株式会社 | 四輪駆動装置の制御方法 |
-
1988
- 1988-10-24 JP JP63267732A patent/JP2731922B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02114021A (ja) | 1990-04-26 |
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