JP2731553B2 - エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂の硬化方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂の硬化方法

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JP2731553B2 JP63285430A JP28543088A JP2731553B2 JP 2731553 B2 JP2731553 B2 JP 2731553B2 JP 63285430 A JP63285430 A JP 63285430A JP 28543088 A JP28543088 A JP 28543088A JP 2731553 B2 JP2731553 B2 JP 2731553B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規エポキシ樹脂組成物とその硬化方法に関
し、更に詳しくはモルタル、コンクリート面への塗布・
含浸用或いはセメント混和剤用として使用されるエポキ
シ樹脂組成物に関する。
〔従来の技術とその課題〕
モルタル及びコンクリートは近年、砂利、砂の枯渇に
よる品質低下と排ガス等による環境悪化によって、しだ
いに短命化しているといわれている。そのためモルタル
及びコンクリートの耐久性を高める材料が求められてい
る。
このような要求を満たす材料の一つとしてエポキシ樹
脂をあげることができるが、程んどのエポキシ樹脂は二
成分系でその都度、計量、混合作業を要するため、作業
上の事故も多い。このため一成分系のエポキシ樹脂の開
発が望まれているがいまだ実現されていない。又、従来
の常温硬化型エポキシ樹脂は程んどのものがアミン系硬
化剤を含んでいるために、変色してアミンブラッシュを
生じ易く、特にモルタル及びコンクリートに用いる場合
にはアミンブラッシュが出易い傾向があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の点に鑑み、二成分系でも一成分系
でも使用できるエポキシ樹脂組成物を得るべき鋭意検討
した結果、エポキシ樹脂と特定のオレフィンカーボネー
トを含有する組成物は、セメント、石灰、珪酸塩等のア
ルカリと反応して硬化することを見出し、本発明を完成
するに至った。
即ち本発明は、エポキシ樹脂、エチレンカーボネート
及びプロピレンカーボネートから選ばれるオレフィンカ
ーボネート並びにアルカリを含有することを特徴とする
エポキシ樹脂組成物を提供するものである。更に本発明
は、エポキシ樹脂並びにエチレンカーボネート及びプロ
ピレンカーボネートから選ばれるオレフィンカーボネー
ト(以下単にオレフィンカーボネートという場合もあ
る)を含有する組成物をアルカリにより硬化させること
を特徴とするエポキシ樹脂の硬化方法を提供するもので
ある。
従来のエポキシ樹脂の硬化方法は硬化剤を直接的にエ
ポキシ樹脂と反応させる方法が多く、一部の熱硬化型エ
ポキシ樹脂にみられる潜在硬化剤でも硬化剤を当モル内
在させ、反応系の外部からは熱のみ供給する硬化方法で
ある。
本発明ではオレフィンカーボネートが一部のアルカリ
と反応して、その生成物がエポキシ樹脂の硬化剤となる
反応機構を利用してもので、外部のアルカリを利用して
いる点で従来のエポキシ樹脂の硬化方法と全く異なって
いる。
即ち、エポキシ樹脂とオレフィンカーボネートを、使
用するときに混合する二成分型と、あらかじめ両者を混
合しておいて使用する一成分型の別なく、外部成分であ
るところのモルタル又はコンクリート面に塗布、含浸さ
せるか、セメントペーストに混合して使用することによ
りエポキシ樹脂を硬化させることができる。
又本発明ではオレフィンカーボネートに加え、従来よ
りエポキシ樹脂の硬化剤として用いられている物質を硬
化助剤として混合して用いることができるので、配合設
計上大きな利点がある。特にアミン系やポリアミド系の
ような含窒素化合物である硬化助剤は、エポキシ樹脂と
混合すると硬化する量であっても、オレフィンカーボネ
ートと混合して、反応もしくは附加せしめたものは、エ
ポキシ樹脂と混合しても硬化することなく、一成分型の
エポキシ樹脂とすることができる。
斯かる本発明における硬化助剤としては、上記アミン
系化合物、アミド系化合物の他、酸無水物、ポリメルカ
プタン、イミダゾール等が挙げられる。
本発明で使用されるエポキシ樹脂は、後述の種々のエ
ポキシ樹脂を使用でき、その代表としてビスフェノール
Aエポキシ樹脂(エポキシ当量180〜200)を例にとり配
合割合を説明すれば、該ビスフェノールAエポキシ樹脂
100部に対しオレフィンカーボネート3〜100部、好まし
くは15〜40部である。又このオレフィンカーボネートと
混合して使用される各種アミン類ではそれぞれのアミン
価によって異なるが、0.1〜50部でオレフィンカーボネ
ートの約1/2量を置換して使用することができる。
又、酸無水物では5〜40部をポリアミドでは1〜50
部、ポリメルカプタンでは3〜40部、イミダゾールでは
1〜20部を各々2種以上混合使用することが可能であっ
て、オレフィンカーボネート硬化物単独よりも上記硬化
助剤を併用することにより、高架橋度の特長ある硬化物
を得ることができる。
又この場合、硬化助剤を二種以上併用すること、例え
ばオレフィンカーボネートと三級アミンと酸無水物、オ
レフィンカーボネートと三級アミンとポリメルカプタン
等の組み合わせをとることもできる。
しかるに二成分型エポキシ樹脂としての用法は、一成
分型エポキシ樹脂のごとき制限はなく、従来の二液型エ
ポキシ樹脂のエポキシ当量:アミン当量の範囲として架
橋度を向上させる用法、或いはアミン当量以下で用いて
アミンブラッシュを防止するとか、反応活性の低い硬化
剤の促進剤として用いるとか、より経済性を高める方法
等、さまざまな方法が行なえる。
かくして得られた硬化剤は暫時の後、エポキシ樹脂に
配合して、一液型エポキシ樹脂として又は二液型エポキ
シ樹脂として使用する。
本発明のエポキシ樹脂は使用方法により、同一配合物
でありながら、塗布・含浸用とセメント混和剤用の双方
に用いることができる。
モルタル、コンクリート塗布・含浸用であれば、アル
カリ量は塗布、含浸面によって異なるが、塗布・含浸量
に比較して、モルタル、コンクリートの絶対量が大であ
るので、これらが極度に中性化していない限り、一液
型、二液型の別なく硬化させることができる。
しかるに硬化が充分でない場合は、少量のセメント、
石灰、珪酸塩等のアルカリをもって処理すれば硬化させ
ることができる。
セメント混和剤としての用法では、ポルトランドセメ
ント100部に対しエポキシ樹脂3〜100部、オレフィンカ
ーボネート0.5〜50部で二液型混和剤とし得る。
又エポキシ樹脂とオレフィンカーボネートの合計量が
ポルトランドセメント100部に対し3〜100部好ましくは
5〜50部となる量で一液型混和剤とすることもできる。
この場合、オレフィンカーボネートの一部を他の混和
剤となしうるもので置換変性した場合はこの限りでな
い。
本発明に好ましいエポキシ樹脂は、液状の脂肪族又は
芳香族アルコールのジ又はポリグリシジルエーテルであ
って、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリシジルエーテル、
グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロ
パンポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル及び下式で示されるエポキシ化合物等が挙げられる。
(Aはビスフェノール残基、Rは水素又はアルキル基、
nは0又は1以上の整数を表わす。) エポキシ化合物は上記の他にもビスフェノールF、ビ
スフェノールS、レゾルシノールなどビスフェノールA
以外の多価フェノールポリグリシジルエーテル、ならび
にシクロヘキセンエポキシ及びビニールシクロヘキセン
エポキシ又はこれらの誘導体、又は複素環式エポキシ、
グリシジルアミン、グリシジルエステル、環式脂肪族等
のエポキシ化合物を単独もしくは二種以上混合して使用
し、必要によりモノエポキシ化合物を配合してもよい。
更にアクリル樹脂、各種合成ゴム、ウレタン樹脂変性
エポキシを用いることができ、液性又は低融点の樹脂が
好ましい。
本発明の硬化剤は基本的にはオレフィンカーボネー
ト、即ちエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネ
ートであって、単独又は二種を混合して使用できる。
更に上記オレフィンカーボネートと混合して使用する
硬化助剤とは、従来エポキシ硬化剤として知られている
ものであり、アミン類としてはエチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチ
ルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、ポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン等の
脂肪族アミン及びメタフェニレンジアミン、ジアミノフ
ェニルメタン、ジアミノジフェニールスルホン、フェニ
レンジアミン、トルエンジアミン等の芳香族ジアミンや
ビススピロ環ジアミン、ポリアミンエポキシ樹脂アダク
ト、ポリアミンエチレンオキシド、ポリプロピレンオキ
シドアミンアダクト、シアノエチル化ポリアミン、ケチ
ミン、及び第三、第二アミン、アルキレンイミンを挙げ
ることができる。
上記アミン類は、オレフィンカーボネートと反応して
附加物を生成したり、β−ヒドロキシエチル化物を与え
るので、オレフィンカーボネート中に共存させると、た
とえエポキシ樹脂と混合して一成分型としてもアルカリ
でオレフィンカーボネートが消費されない限り安定で消
費されると反応が開始される硬化剤を得ることができ
る。
もちろん、これらを別個に加えてエポキシ樹脂硬化物
を得ることもできる。
又、酸無水物のフタール酸誘導体、ポリカルボン酸、
マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸誘導体等を用いることができる。
イミダゾール類、ポリメルカプタン、多価アルコー
ル、多価フェノール類を用いることができる。
更にポリアミド類もオレフィンカーボネートと併用す
ると親水性の良好な硬化剤とすることができる。
尚、オレフィンカーボネートとアルカリ又はオレフィ
ンカーボネートとエチレンオキサイドアルカリから得ら
れるポリカーボネートは反応系から取り出すことなく、
エポキシ樹脂と反応させて硬化剤として利用することが
できるので、あらかじめアルカリ触媒で処理して生成せ
しめたポリカルボン酸とオレフィンカーボネートの混合
物を作って、エポキシ樹脂の硬化剤として提供してもよ
い。但し液状又は低融点の硬化剤が使用し易い。
本発明においてアルカリとは、各種のポルトランドセ
メント、混合セメント、高炉セメント、フライアッシュ
セメント、アルミナセメント、耐酸セメント、マグネシ
アセメント、オキシクロライドセメント等のセメント及
び石灰、ドロマイトプラスターならびに珪酸塩、アルカ
リ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、もしくはアルカ
リ金属酸化物とこれらの硬化物をあげることができる。
又上記の物質は単独あるいは二種以上を混合する使用
法も含まれる。
更に砂利、砂、充填剤、増量剤等は、もちろん上記物
質に混合して用いることができる 尚、使用に際してセメント等に必要な水及び水を含む
合成樹脂エマルジョン、ラテックス等の他界面活性剤な
どの混和剤、エポキシ樹脂、オレフィンカーボネートの
溶剤となり得る物質を配合することができる。
次に本発明のエポキシ樹脂の特徴を説明する。
従来の常温硬化エポキシ樹脂は程んどのものがアミン
系硬化剤を含んでいるために、変色してアミンブラッシ
ュを生じ易かったが、本発明はオレフィンカーボネート
を主たる硬化剤とするので無色透明な硬化物が得られ
る。特にモルタル及びコンクリートに用いる場合、従来
のアミン類の硬化物はアミンブラッシュが出易い傾向が
あるので、本発明の効果が顕著である。
本発明のエポキシ樹脂の主な用途は、セメントと共に
用いることを目的としているために取扱い易いことも条
件であり、二成分で用いてもよいが、一成分の取扱い易
さに大きな利点が生ずるので、出来得る限り一成分で使
用する配合設計が好ましい。
このためにも主たる硬化剤をオレフィンカーボネート
とする必要があり、一成分とした場合の安定性も良好で
ある。
本発明で得られるエポキシ硬化の条件はアルカリが介
在することを条件としており、これはオレフィンカーボ
ネートと作用するには、少量の水分の存在が必要であ
る。例えばコンクリート中に残存する水分によって、ビ
スフェノールAエポキシ樹脂100部に対し、エチレンカ
ーボネート30部の配合樹脂は、塗布すると約10分位で含
浸部は硬化する。上記配合の樹脂10部を白色ポルトラン
ドセメント100部、W/C=0.4(W=水、C=セメント)
で混合すると良好な分散を示して約50秒で凝結する。
このような使用条件では配合樹脂がある程度親水性で
ないと分散が悪く、反応が良好でなくなるおそれがあ
る。この点エチレンカーボネートはエポキシ樹脂の分散
剤ともなるので好都合である。
上記のように50秒で硬化するポットライフでは一部の
用途以外使用困難であるが、この場合は、ポルトランド
セメントの凝結遅延剤を有効な硬化調節剤として使用す
れば良い。
即ちヒドロキシカルボン酸塩、2−ケト酸塩を少量用
いることにより、本発明のエポキシ樹脂、セメント、
水、反応系の硬化速度を自由に調節し、実用性を高める
ことができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は単なる硬化物の物性と
して表示されるものではなく、モルタル及びコンクリー
ト面の塗膜及びポリマーセメントとしての物性で評価さ
れ、本発明のエポキシ樹脂とセメントの硬化物は、透水
性が小さく、表面硬度が高く、曲げ強度が大である。
又、収縮が他の高分子系混和剤より小さく、安定性の
良好なモルタル及びコンクリートを得ることができる。
又、ゴム変性エポキシ樹脂のような樹脂を用いること
により可撓性のある硬化物を得ることもできる。
従って本発明のエポキシ樹脂の用途は土木、建築の分
野のみでも広範囲である。
例えば、セメント混和剤として、従来のアクリルエマ
ルジョン、合成ゴムラテックス、エポキシエマルジョン
の代替品として又、白化防止剤、防水剤、接着剤、防塵
防止剤として用いることが出来るばかりか、セメント急
結剤としての性能を有している。
更に塗布する用途として、コンクリート塗料、撥水剤
等コンクリートの耐久性を高める材料として優れてい
る。しかも従来のアミン硬化剤と比較して安価で安全性
の高い硬化剤である。
このように多くの用途をもった本発明のエポキシ樹脂
配合物を作製するには、各々の用途にあった配合をしな
ければならない。
例えば、ポルトランドセメント100部に対してオレフ
ィンカーボネート量が15部〜50部好ましくは20部〜35部
であるとき混合したセメントペーストは急結性でオレフ
ィンカーボネート量が大になるほど、急結性も大とな
る。もちろん、アミン類の塩基度の大きな硬化剤を併用
するとセメントペーストはより急結性となる。
従って、セメント配合用の配合にあたっては、遅延剤
を組合せるのみならず、硬化剤の量と組成に留意しなけ
ればならない。塗布用の配合では上記のような配慮は必
要としないが、含浸用の場合は含浸の深さと硬化速度の
関係を樹脂粒度と共に検討しなければならない。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 EP−4100(旭電化製ビスフェノールA型エポキシ樹
脂)100部にエチレンカーボネート(東亜合成製)30部
を加温溶解して一液型エポキシ樹脂とする。
この試料を用いて、コンクリートブロックに塗布含浸
させると15分で含浸部は硬化した。
含浸したコンクリートブロックの一週後の圧縮強度は
213kg/cm2、吸水率は3.5%であった。
含浸処理を行なわないコンクリートブロックは圧縮強
度148kg/cm2、吸水率21%であり、本発明の顕著な効果
が明らかである。
又比較のため、EP−4100 100分とEH−240(旭電化製
脂肪族ポリアミン)30分とからなるエポキシ樹脂を同一
のコンクリートブロックに含浸処理したところ、7日後
の圧縮強度245kg/cm2、吸水率3.6%であったが、屋外に
1ケ月放置したところ、黄褐色に変色しアミンブラッシ
ュを生じた。
又、上記一液型エポキシ樹脂10部を早強ポルトランド
セメント100部、標準砂100部、水60部のモルタル中に添
加し混練すると、始発12分、終結16分37秒の急結モルタ
ルとなり、3時間後には脱型できた。
表1にこれらの物性を表示する。
実施例2 EP−4100(旭電化製ビスフェノールAエポキシ樹脂)
100部に、エチレンカーボネート(東亜合成製)20部多
びEHC−30(旭電化製三級アミン)3部を40℃に加温し
て混合したものを24時間後に加えて一液型エポキシ樹脂
とする。
早強ポルトランドセメント100部、標準砂100部、水40
部のモルタル中に上記一液型エポキシ樹脂10部を加える
と始発50秒、終結1分50秒の急結モルタルとなった。
このモルタルはクエン酸ナトリウム0.5部を添加する
と始発23分、終結34分の凝結を示し、上記塩を1.0部添
加すると始発62分、終結78分となった。
上記モルタルの28日強度は曲げ117kg/cm2、圧縮491kg
/cm2であった。
又、EP−4100 100部にエチレンカーボネート20部を加
え、これにEHC−30 3部を直ちに加えると、発熱して硬
化するが、エチレンカーボネートとEHC−30を混合した
ものを24時間以上放置したものは、EP−4100と混合して
も増粘することなく3ケ月後でも安定である。本配合物
は接着性、混和剤に適している。
実施例3 EP−4200(旭電化製ビスフェノールエポキシ樹脂)10
0部にエチレンカーボネート(東亜合成製)20部及びプ
ロピレンカーボネート(昭和電工製)10部を混合しこれ
にアセトン20部を加えて一液型コンクリート含浸用エポ
キシ樹脂とした。
この樹脂をコンクリート板に塗布すると12mmの深さま
で浸透し、撥水性を示した。
比較のためEP−4200 100部にEH−240 40部、アセトン
20部を混合したものをコンクリート板に塗布すると、4m
mしか浸透しなかった。尚、本品の硬化時間は50gスケー
ルで40分であるが粘度上昇が速く、浸透性が悪くなるも
のと考えられる。
実施例4 EP−4100(旭電化製ビスフェノールAエポキシ樹脂エ
ポキシ当量180〜200)100部に、あらかじめ混合してお
いたエチレンカーボネート20部及びEH−240(旭電化製
脂肪族ポリアミン活性水素当量80)10部からなる硬化剤
を加えて、一液型エポキシ樹脂とする。このエポキシ樹
脂10部を早強ポルトランドセメント100部、標準砂200
部、水60部、酒石酸カリソーダ1.0部と混合する。凝結
始発時間は55分で終結時間は74分であった。本エポキシ
樹脂は200〜400PS/25℃と粘度が高く、コンクリートの
打継接着に適している。
接着強度はモルタル板で12kg/cm2(7日後)、母体破
断であった。
実施例5 EP−4023(旭電化製ゴム変性エポキシ樹脂エポキシ当
量230〜270)100部にエチレンカーボネート15部、プロ
ピレンカーボネート5部を混合して、一液型エポキシ樹
脂とした。
上記エポキシ樹脂を材令7日後のS/C=1:1、W/C=0.4
のモルタル面に塗付し、新たに同一配合のモルタルを打
継ぐと7日後の強度は曲げ47kg/cm2であった。
尚本実験のセメントは早強ポルトランドセメントであ
る。
実施例6 EP−4100(旭電化製ビスフェノールAエポキシ樹脂エ
ポキシ当量180〜200)100部に、あらかじめ混合してお
いたエチレンカーボネート20部及びEH−321(旭電化製
ポリアミドアミンエポキシ硬化剤)5部を1日後に混合
して、一液型エポキシ樹脂とした。
上記エポキシ樹脂10部を白色ポルトランドセメント10
0部、標準砂100部、水40部と混練した。
凝結始発時間は51秒、終結時間は1分20秒であり、7
日強度は曲げ96kg/cm2、圧縮強度436kg/cm2でモルタル
は撥水性があり、防水効果が高かった。
実施例7 EP−4100(旭電化製ビスフェノールAエポキシ樹脂エ
ポキシ当量180〜200)100部に、あらかじめ混合してお
いたエチレンカーボネート20部及びEHC−30(旭電化製
三級アミン)1部とEH−317(旭電化製ポリメルカプタ
ン)5部を、EP−4100に混合して一液型エポキシ樹脂と
した。
このエポキシ樹脂をコンクリート板に塗布すると10分
後には含浸して硬化した。
塗布したコンクリート面は撥水性があり、2kg/cm2
水圧で透水試験を行なったが全く透水しなかった。
上記塗布処理を行わない同一のコンクリート板では2.
5cmの深さに迄透水した。
実施例8 EP−4100(旭電化製ビスフェノールAエポキシ樹脂エ
ポキシ当量180〜200)100部に、あらかじめ混合してお
いたエチレンカーボネート20部、EH−700(旭電化製酸
無水物)10部をEP−4100に混合し、一液型エポキシ樹脂
とした。
上記樹脂10部をアルミナセメント100部、標準砂100
部、水40部と混練した。
凝結始発時間は14分で終結時間は21分であった。鉄板
に対する接着力は15kg/cm2で、無添加アルミナセメント
モルタルの3.5kg/cm2に比べ顕著な向上が見られた。
実施例9 EP−4200(旭電化製ビスフェノールAエポキシ樹脂エ
ポキシ当量180〜200)100部に、あらかじめ混合してお
いたエチレンカーボネート20部及びイミダゾール(米山
化学製試薬1級)5部を加えて、一液型エポキシ樹脂と
し、同樹脂にNK−511(旭電化製エポキシ乳化剤)3部
を加えて混合した。
この樹脂をコンクリート湿潤面に塗布すると、8分後
には硬化し、4日間吸水試験を行なったが吸水量は0.89
であった。無処理の同一のコンクリート板による吸水試
験では吸水量16.4であった。
実施例10 EP−4100(旭電化製ビスフェノールAエポキシ樹脂エ
ポキシ当量180〜200)100部をカープレックス#67(塩
野義製薬製湿式硅酸)65部とを混合して吸着させ粉末と
し、これにエチレンカーボネート20部を粉末で加えて、
一成分型粉末エポキシ樹脂とした。この粉末15部を白色
セメント100部、標準砂100部、水40部に加えると凝結時
間が始発50秒終結54秒の急結セメントとなった。これに
更に酒石酸カリ1.0部を加えると始発56分終結68分とな
り、透水性が低いためのタイルの目地セメントに適して
いる。
実施例11 早強ポルトランドセメント100部、標準砂100部、水60
部を混合し、これにEP−4100(旭電化製ビスフェノール
Aエポキシ樹脂エポキシ当量180〜200)10部とエチンレ
ンカーボネート2.0部を別々に同時に加えた。このもの
の凝結始発時間は13分21秒、終結時間16分11秒(20
℃)、1週強度は曲げ強度93kg/cm2、圧縮強度306kg/cm
2であった。
又上記エポキシ樹脂とエチレンカーボネート同一量
(10部)を混合して、一週間室温で放置したものを、早
強ポルトランドセメント100部、標準砂100部、水60部中
に加えて混合すると、凝結始発時間は13分19秒、終結時
間16分10秒(20℃)1週強度は曲げ強度92kg/cm2、圧縮
強度304kg/cm2となった。
更に、早強ポルトランドセメント100部、標準砂100
部、水60部を混合し、これにエチレンカーボネート2.0
部を加えて、更に混合し10分後に上記エポキシ樹脂10部
を加えて混合する。凝結時間は始発14分7秒、終結時間
16分32秒(20℃)1週強度は曲げ90.3kg/cm2、圧縮強度
311kg/cm2であった。
又比較の為、早強ポルトランドセメント100部、標準
砂100部、水60部に上記エポキシ樹脂10部を加えたとこ
ろ、凝結時間は始発3時間21分、終結4時間34分で、無
添加の早強ポルトランドセメントに類似した凝結を示
し、物性的にもエポキシ樹脂添加の効果はなかった。
更に早強ポルトランドセメント100部、標準砂100部、
水60部に上記エチレンカーボネート2.0部を添加し混合
すると、凝結開始15分11秒であるが強度の発生が悪かっ
た。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明の新規なエポキシ樹脂組成物は、
セメント混和剤、コンクリート接着、コンクリート塗
料、コンクリート含浸樹脂として広い用途に利用でき
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂、エチレンカーボネート及び
    プロピレンカーボネートから選ばれるオレフィンカーボ
    ネート並びにアルカリを含有することを特徴とするエポ
    キシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂並びにエチレンカーボネート
    及びプロピレンカーボネートから選ばれるオレフィンカ
    ーボネートを含有する組成物をアルカリにより硬化させ
    ることを特徴とするエポキシ樹脂の硬化方法。
  3. 【請求項3】エポキシ樹脂、エチレンカーボネート及び
    プロピレンカーボネートから選ばれるオレフィンカーボ
    ネート、硬化助剤並びにアルカリを含有することを特徴
    とするエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】エポキシ樹脂、エチレンカーボネート及び
    プロピレンカーボネートから選ばれるオレフィンカーボ
    ネート並びに硬化助剤を含有する組成物をアルカリによ
    り硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂の硬化方
    法。
JP63285430A 1988-11-11 1988-11-11 エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂の硬化方法 Expired - Lifetime JP2731553B2 (ja)

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