JPH0579185A - コンクリート打ち継ぎ用緩衝材及び石材裏面処理材 - Google Patents

コンクリート打ち継ぎ用緩衝材及び石材裏面処理材

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JPH0579185A
JPH0579185A JP5684492A JP5684492A JPH0579185A JP H0579185 A JPH0579185 A JP H0579185A JP 5684492 A JP5684492 A JP 5684492A JP 5684492 A JP5684492 A JP 5684492A JP H0579185 A JPH0579185 A JP H0579185A
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JP
Japan
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polysulfide
concrete
compound
epoxy resin
skeleton
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JP5684492A
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English (en)
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Hiroyoshi Kuramoto
博義 蔵本
Katsumi Ono
勝巳 大野
Kazunori Matsumoto
和則 松本
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Toray Thiokol Co Ltd
Original Assignee
Toray Thiokol Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間柔軟性を保持し、各種被着体に強力に
接着し、アルカリ成分の透過を防止し、しかも生コンク
リートとの打ち継ぎ接着性のよいコンクリート打ち継ぎ
用緩衝材及び石材裏面処理材を提供する。 【構成】 (a) 一般式 【化1】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
m n − で示されるポリサルファイド骨格であ
る。) で示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、
(b) 末端にアミノ基を有する化合物、及び必要に応じ
(c) 末端にメルカプタン基を有するポリサルファイド化
合物の反応で得られる硬化物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート打ち継ぎ用
緩衝材及び石材裏面処理材に関し、特に、長期の使用に
よっても柔軟性を保持してコンクリートのひび割れや地
震などによる被着体とコンクリートとの層間変位に追従
し、さらに、石材、人造石材、結晶化ガラス建材、セラ
ミックス系外装材、タイルなど各種被着体に強力に接着
し、被着体とコンクリートとの熱膨張係数差による歪み
を吸収し、コンクリートからのアルカリ成分の透過を防
止し、しかも生コンクリートの打ち継ぎ接着性のよいコ
ンクリート打ち継ぎ用緩衝材、及び各種石材に強力に接
着し、石材とコンクリートとの熱膨張係数差による歪み
を吸収し、コンクリートから石材へのアルカリ成分の透
過を防止し、しかも生コンクリートとの打ち継ぎ接着性
のよい石材裏面処理材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】コンク
リートを成形するとセメントの水和反応によりコンクリ
ートの強度は経時的に向上するが、それと並行して水和
反応および水の損失による体積収縮が起き、ひび割れが
発生する。そのために、長期の使用によっても柔軟性を
保持してコンクリートのひび割れに追従する必要があ
る。
【0003】また、最近、建物の高級化に伴って、石材
を外壁や内装に使用するケースが増加している。石材
は、見栄えがよいだけでなく、傷つきにくく、例えば、
御影石は耐蝕性がよいことが知られている。現在、高層
建築物などに使用されている石貼りプレキャストコンク
リート(GPC)カーテンウォールは、石材に生コンク
リートを打設した外装材である。
【0004】このような石材や、その他の人造石材、結
晶化ガラス建材、セラミックス系外装材、タイルなどを
使用する場合、ひび割れによる応力を外装材に伝えない
工夫が必要である。
【0005】また、耐震壁などの特殊な構造をもつ建物
では、地震による振動が直接コンクリート壁に伝わる。
このとき、コンクリート壁の外装材として、例えば、セ
ラミックス系外装材など比較的脆い外装材を使用した場
合、地震による応力が外装材に伝わると応力により外装
材がひび割れる危険性があった。
【0006】地震などによる被着体とコンクリートとの
層間変位を吸収し、コンクリートひび割れによる応力を
外装材に伝えないために、コンクリートと外装材との間
に緩衝材を使用するのが通例である。この目的で、例え
ば、ゴムアスファルト系シートが緩衝材として検討され
ているが、ゴムアスファルト系シートは、コンクリー
ト、石材、人造石材、結晶化ガラス建材、セラミックス
系外装材、タイル等の外装材との接着力がほとんどな
い。
【0007】このように、コンクリート打ち継ぎ用緩衝
材としての必須性能は、柔軟性と、外装材及び生コンク
リートとの接着性である。
【0008】またコンクリートは、完全硬化した後でも
水分の存在により水酸化カルシウムなどのアルカリ成分
を溶出する。このとき、コンクリート表面から水が蒸発
するとアルカリ成分が表面に析出し、コンクリート表面
が灰色に汚れる。このため、石材とコンクリートを直接
接着させた場合、コンクリート中のアルカリ成分が外装
材の表面に移行し、石材の表面に汚れが発生する。この
現象はエフロレッセンスと呼ばれ、石材の表面はかなり
見苦しいものとなる。
【0009】このエフロレッセンスを防止するために
は、コンクリートと石材の間に耐アルカリ性がよく、水
分透過率の少ない物質を石材裏面処理材として使用する
のが最適である。主剤にビスフェノール型エポキシ樹
脂、硬化剤にポリサルファイドポリマーを使用したエポ
キシ樹脂硬化物は、水分透過率が少なく、石材、タイ
ル、コンクリートとの接着力が強いので、石材の裏面処
理材として長年使用されている。さらに、現行のビスフ
ェノール型エポキシ樹脂−ポリサルファイドポリマー配
合物を使用したGPCは、工場で石材とコンクリートを
一体化して製作されているため、信頼性があり、現場の
省力化、合理化に有効であって工期の短縮がはかられて
いる。しかし、現行のビスフェノール型エポキシ樹脂−
ポリサルファイドポリマー配合物は、エフロレッセンス
防止には効果的であるが、硬化物の柔軟性が十分ではな
かった。
【0010】石材裏面処理材としての必須の性能は、コ
ンクリートから石材へのアルカリ成分の透過防止と、生
コンクリートとの打ち継ぎ接着性であるが、近年より柔
軟化して石材とコンクリートとの熱膨張による歪み吸収
や、石材とコンクリートとの層間変位追従が望まれるよ
うになった。
【0011】エポキシ樹脂は、接着性、耐薬品性、耐久
性などに優れ、しかも各種の被着体との濡れ性が良いこ
とから、石材、タイル、コンクリートなどの接着剤とし
て広く用いられている。例えば、特公昭62−4594
2号では、エポキシ樹脂をニトリルまたはダイマー酸で
変性した柔軟型エポキシ樹脂接着剤を使用したコンクリ
ート材料の接着方法が提案されている。しかし、特公昭
62−45942号の接着剤は、外装材に接着剤を塗布
し、接着剤の可使時間内に生コンクリートを打設する必
要があった。このため、外壁材を接着させる作業時間が
短く、また接着剤塗布工程と外壁材の接着工程を連続的
に行う必要性があるので、実用性に乏しかった。
【0012】また柔軟性のあるエポキシ樹脂系石材裏面
処理材として、特殊シリコーン変性ポリマーを含有した
ものがあるが、このタイプの石材裏面処理材はオープン
タイムが1日以上経過すると、生コンクリートとの打ち
継ぎ接着性が著しく低下するという問題がある。
【0013】このような事情に鑑み、硬化してしばらく
経過した後でも、生コンクリートを打ち継ぐことができ
る緩衝材あるいは石材裏面処理材が望まれていた。
【0014】従って、本発明の目的は、長期の使用によ
っても柔軟性を保持してコンクリートのひび割れや地震
などによる被着体とコンクリートとの層間変位に追従
し、さらに石材、人造石材、結晶化ガラス建材、セラミ
ックス系外装材、タイルなど各種被着体に強力に接着
し、被着体とコンクリートとの熱膨張係数差による歪み
を吸収し、しかも生コンクリートとの打ち継ぎ接着性の
良好なコンクリート打ち継ぎ用緩衝材を提供することで
ある。
【0015】また、本発明のもう一つの目的は、長期の
使用によっても柔軟性を保持してコンクリートのひび割
れや地震などによる石材とコンクリートとの層間変位に
追従し、さらに各種の石材に強力に接着し、石材とコン
クリートとの熱膨張係数差による歪みを吸収し、コンク
リートから石材へのアルカリ成分の透過を防止し、しか
も生コンクリートとの打ち継ぎ接着性のよい石材裏面処
理材を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、特定のポリサルファイド変性エ
ポキシ樹脂及び末端にアミノ基を有する化合物との反応
で得られる硬化物は、長期の使用によっても柔軟性を保
持してコンクリートのひび割れや地震などによる被着体
とコンクリートとの層間変位に追従し、さらに、石材、
人造石材、結晶化ガラス建材、セラミックス系外装材、
タイルなど各種被着体に強力に接着し、被着体とコンク
リートとの熱膨張係数差による歪みを吸収し、コンクリ
ートから石材へのアルカリ成分の透過を防止し、しかも
生コンクリートの打ち継ぎ接着性が良好であることを見
出し、本発明に想到した。
【0017】すなわち、本発明の第一のコンクリート打
ち継ぎ用緩衝材は、(a) 一般式
【化5】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、及び(b)
末端にアミノ基を有する化合物との反応で得られる硬化
物からなることを特徴とする。
【0018】また、本発明の第二のコンクリート打ち継
ぎ用緩衝材は、(a)一般式
【化6】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(b) 末端
にアミノ基を有する化合物、及び(c) 末端にメルカプタ
ン基を有するポリサルファイド化合物との反応で得られ
る硬化物からなることを特徴とする。
【0019】さらに本発明の第一の石材裏面処理材は、
(a) 一般式
【化7】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、及び(b)
末端にアミノ基を有する化合物との反応で得られる硬化
物からなることを特徴とする。
【0020】また、本発明の第二の石材裏面処理材は、
(a) 一般式
【化8】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(b) 末端
にアミノ基を有する化合物、及び(c) 末端にメルカプタ
ン基を有するポリサルファイド化合物との反応で得られ
る硬化物からなることを特徴とする。
【0021】本発明を以下詳細に説明する。本発明にお
いて使用する(a) ポリサルファイド変性エポキシ樹脂
は、下記一般式(1) により表されるものである。
【化9】
【0022】上記一般式(1) 中のR1 及びR3 はビスフ
ェノール骨格を含む有機基であり、R2 はポリサルファ
イド骨格である。
【0023】上記ビスフェノール骨格を含む有機基
1 、R3 としては、例えばビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハ
ロゲン化ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフ
ェノール骨格と同等の分子構造のビスフェノール骨格を
有するもの、またはこれらと類似の分子構造を有するも
のを挙げることができる。
【0024】また、上記一般式(1) 中のポリサルファイ
ド骨格R2 は、下記一般式(2) により示される。
【化10】
【0025】上記一般式(2) 中において、Sの平均含有
量mの範囲は1〜3であり、好ましくは1.5〜2.5
である。さらにポリサルファイド骨格の平均含有量nの
範囲は1〜50であり、好ましくは2〜30である。ポ
リサルファイド骨格の平均含有量nが1未満であると通
常のビスフェノール型エポキシ樹脂と同等になり、また
nが50を超えると粘度が高くなり、使用しづらくな
る。
【0026】このようなポリサルファイド変性エポキシ
樹脂としては、25℃における粘度が3000ポイズ以
下のものが好ましく、例えば、東レチオコール(株)製
「FLEP−10」、「FLEP−50」、「FLEP
−60」、「FLEP−80」等を挙げることができ
る。
【0027】本発明では、上述したポリサルファイド変
性エポキシ樹脂(a) の他に、末端にアミノ基を有する化
合物(b) を配合する。
【0028】本発明で使用する(b) 末端にアミノ基を有
する化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレンヘキサミン、イソフォロンジアミン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キ
シレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、シ
クロヘキシルアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシ
クロヘキシル)メタン、m−フェニレンジアミン、N−
シアノエチルキシリレンジアミン、N−アミノエチルピ
ペラジン、N−ベンジルエチレンジアミン、1−(2−
アミノエチル)ピペラジン、N−シアノエチルキシリレ
ンジアミン、メンタンジアミン、エポキシ樹脂を過剰な
アミンと反応させて製造されるポリアミンエポキシ樹脂
アダクト、ポリアミン−エチレンオキシドアダクト、ポ
リアミン−プロピレンオキシドアダクト、シアノエチル
化ポリアミン、主鎖がシリコンであるジアミン、また
は、ポリアミン類とフェノール類およびアルデヒド類等
とを反応させて得られる脱水縮合物、変性ポリアミン
(例えば、旭電化工業(株)製の「アデカハードナーE
H−220」、「アデカハードナーEH−221」、
「アデカハードナーEH−227」、「アデカハードナ
ーEH−230」、「アデカハードナーEH−257−
15」、「アデカハードナーEH−303B」、「アデ
カハードナーEH−531」及び「アデカハードナーE
H−752D」、エイ・シー・アイ・ジャパン・リミテ
ッド製「アンカミンMCA」、日本チバガイギー(株)
製「アラルダイドX1101」、油化シェルエポキシ
(株)製の「エピキュア3012」、「エポメートB−
002W」、「エポメートN−001」及び「エポメー
トRX−3」、住友化学工業(株)製「スミキュアーA
F」、大都産業(株)製の「ダイトクラールHD−43
8」、「ダイトクラールHD−801CB」、「ダイト
クラールSK−900FCB」、「ダイトクラールU−
4075」、「ダイトクラールX−1436」、「ダイ
トクラールX−1777A」、「ダイトクラールX−1
942」及び「ダイトクラールX−2392」、富士化
成工業(株)製の「フジキュア#5001」及び「フジ
キュア#5420」、三和化学工業(株)製「サンマイ
ドW−30000」、三洋化成工業(株)製の「リアク
トCA−101」及び「リアクトCA−681」な
ど)、ダイマー酸とポリアミンとの縮合により製造され
るポリアミノアミド(例えば、旭電化工業(株)製「ア
デカハードナーEH−203」、エイ・シー・アイ・ジ
ャパン・リミテッド製「アンカマイド501」、大都産
業(株)製の「ダイトクラールP−4250」及び「ダ
イトクラールP−4730」、富士化成工業(株)製の
「トーマイド#225−ND」、「トーマイド#24
5」及び「トーマイド#2400」、ヘンケル白水
(株)製の「バーサミド#125」、「バーサミド#1
40」及び「ゼナミド#2000」、大日本インキ化学
工業(株)製の「ラッカマイドTD−966」及び「ラ
ッカマイドTD−984」、三洋化成工業(株)製の
「ポリマイドL−45−3」及び「ポリマイドL−55
−3」、三和化学(株)製の「サンマイド315」及び
「サンマイドX−2000」等)が挙げられる。
【0029】上記(b) 末端にアミノ基を有する化合物の
使用量は、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂のエポキ
シ当量(エポキシ基1モル当たりのポリサルファイド変
性エポキシ樹脂の重量)と末端にアミノ基を有する化合
物の活性水素当量(活性水素1モル当たりの化合物の重
量)に応じて変化するが、エポキシ基1モル当たりの活
性水素の化学当量(1モル)の0.3〜3.0倍とする
のが好ましい。末端にアミノ基を有する化合物の使用量
が上記化学当量の3.0倍を超える場合、あるいは化学
当量の0.3未満の場合は、ポリサルファイド変性エポ
キシ樹脂と末端にアミノ基を有する化合物との反応が不
完全となり、接着性、耐久性などが低下するので好まし
くない。
【0030】本発明では、より柔軟なコンクリート打ち
継ぎ用緩衝材及び石材裏面処理材を得る目的で、上述し
た(a) ポリサルファイド変性エポキシ樹脂及び(b) 末端
にアミノ基を有する化合物の他に、(c) 末端にメルカプ
タン基を有するポリサルファイド化合物を反応させるこ
とができる。
【0031】(c) 末端にメルカプタン基を有するポリサ
ルファイド化合物は、通常下記の化学構造式(3) で表さ
れる。
【化11】 (ここで、R4 はエーテル基を1つ以上含む炭素数が1
〜10の有機残基であり、xの平均値は1〜3であり、
yは1〜50である。)
【0032】一般式(3) 中のR4 は、下記一般式(4) に
より示されるアルキレンエーテル基であるのが好まし
い。
【化12】 (ただし、mはアルキレンエーテル基中のSの平均含有
量で、1〜3である。)
【0033】このようなポリサルファイド化合物として
は、25℃における粘度が2000ポイズ以下のものが
好ましく、例えば、東レチオコール(株)製「チオコー
ルLP−70」、「チオコールLP−3」、「チオコー
ルLP−56」、「チオコールLP−55」、「チオコ
ールLP−12」、「チオコールLP−32」、「チオ
コールLP−2」、「チオコールLP−31」等を挙げ
ることができる。
【0034】(a) ポリサルファイド変性エポキシ樹脂の
エポキシ基は、(b) 末端にアミノ基を有する化合物の活
性水素、及び(c) ポリサルファイド化合物のメルカプタ
ン基の両方と反応するので、末端にアミノ基を有する化
合物の使用量は、その活性水素当量から計算される化学
当量(エポキシ基1モル当たりの活性水素1モル)と、
ポリサルファイド化合物のメルカプタン当量(エポキシ
基1モル当たりのメルカプタン基1モル)との合計値に
より決まる。
【0035】具体的には、末端にアミノ基を有する化合
物とポリサルファイド化合物の合計量は、活性水素当量
とメルカプタン当量とから計算される化学当量の合計値
の0.4〜4.0倍(エポキシ基1モル当たり活性水素
及びメルカプタン基の合計モル数が0.4〜4.0モ
ル)となるようにするのが好ましい。上記化学当量の
4.0倍を超えるポリサルファイド化合物および末端に
アミノ基を有する化合物を使用した場合、あるいは、化
学当量の0.4未満のポリサルファイド化合物および末
端にアミノ基を有する化合物を使用した場合は、ポリサ
ルファイド変性エポキシ樹脂とポリサルファイド化合物
および末端にアミノ基を有する化合物を有する化合物と
の反応が不完全となり、接着性、耐久性などが悪化する
ので好ましくない。
【0036】本発明のコンクリート打ち継ぎ用緩衝材及
び石材裏面処理材は、上述の(a) ポリサルファイド変性
エポキシ樹脂、及び(b) 末端にアミノ基を有する化合物
の他に、あるいは、上述の(a) ポリサルファイド変性エ
ポキシ樹脂、(b) 末端にアミノ基を有する化合物、及び
(c) ポリサルファイド化合物の他に、さらに必要に応じ
て(d) 末端にエポキシ基を有する反応性希釈剤を添加し
て反応させることができる。
【0037】末端にエポキシ基を有する反応性希釈剤
は、好ましくは、25℃における粘度が5ポイズ以下の
ものである。このような反応性希釈剤としては、例え
ば、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ス
チレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレ
ジルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルエーテ
ル、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグ
リシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイ
ド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジ
グリシジルアニリン、トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、
旭電化工業(株)製の「アデカグリシロールED−50
1」、「アデカグリシロールED−502」、「アデカ
グリシロールED−503」及び「アデカグリシロール
ED−505」、油化シェルエポキシ(株)製「カーデ
ュラE」等が挙げられる。
【0038】上記反応性希釈剤の使用量は、その種類に
より変化するが、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂1
00重量部に対して50重量部以下が好ましい。反応性
希釈剤の使用量が50重量部を超えると、生コンクリー
トとの打ち継ぎ接着性が低下する。
【0039】本発明のコンクリート打ち継ぎ用緩衝材及
び石材裏面処理材は、必要に応じて、反応中に珪砂を散
布し、生コンクリートとの打ち継ぎ接着性を安定させる
ことができる。このとき使用する珪砂は、特に限定され
ないが、通常2号珪砂または3号珪砂が好ましい。珪砂
の散布量は、通常300g/m2 〜3kg/m2 である。
【0040】本発明のコンクリート打ち継ぎ用緩衝材及
び石材裏面処理材は、上記各成分以外に、さらに必要に
応じて、アルミニウム粉、カーボンブラック、ウォラス
トナイト、カオリン、クレー、酸化チタン、酸化鉄、シ
リカ、シアニンブルー、コールタール、タルク、炭酸カ
ルシウム、亜鉛華、ベントナイト、マイカ、水酸化アル
ミニウム、有機ベントナイト、雲母粉、黄鉛、亜鉛、群
青、石英粉、沈澱性硫酸バリウム、鉄黒、燐片状酸化
鉄、ベンジルアルコールなどの充填材、増量材、補強
材、顔料、たれ止め剤、難燃材など各種の添加剤を配合
することができる。
【0041】
【作用】上述したように、本発明のコンクリート打ち継
ぎ用緩衝材及び石材裏面処理材は、(a) ポリサルファイ
ド変性エポキシ樹脂と、(b) 末端にアミノ基を有する化
合物とを反応させて得られるため、ポリサルファイド変
性エポキシ樹脂の硬化により、コンクリートのひび割れ
や地震などによる被着体とコンクリートとの層間変位に
追従することができ、石材、人造石材、結晶化ガラス建
材、セラミックス系外装材、タイルなどとの接着力が大
きく、被着体とコンクリートとの熱膨張係数差による歪
みを吸収し、アルカリ成分の透過を防止する等の効果を
発揮する。特に本発明のコンクリート打ち継ぎ用緩衝材
及び石材裏面処理材は、生コンクリートとの打ち継ぎが
可能であり、作業性に優れている。
【0042】さらに、上記成分(a) 及び(b) の他に、
(c)末端にメルカプタン基を有するポリサルファイド化
合物を併用することにより、ポリサルファイド変性エポ
キシ樹脂とポリサルファイド化合物との相乗効果によ
り、より柔軟なコンクリート打ち継ぎ用緩衝材及び石材
裏面処理材が得られる。これにより、石材、人造石材、
結晶化ガラス建材、セラミックス系外装材、タイルなど
との接着性が大きくなり、また被着体とコンクリートと
の熱膨張係数差による歪みを吸収し、アルカリ成分の透
過防止性及び生コンクリートの打ち継ぎ接着性を保持し
たまま、より柔軟になり、コンクリートのひび割れ追従
性や被着体とコンクリートとの間の層間変位追従性が向
上する。
【0043】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。実施例1 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−10”)100重量部と、アミ
ノ基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都
産業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)22
重量部とを反応させて硬化物とした。
【0044】実施例2 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−10”)100重量部と、アミ
ノ基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都
産業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)22
重量部と、ポリサルファイド化合物(東レチオコール
(株)製、“チオコールLP−3”)51重量部と、添
加剤として炭酸カルシウム45重量部と、有機ベントナ
イト5重量部とを反応させて硬化物とした。
【0045】実施例3 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−10”)100重量部と、アミ
ノ基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都
産業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)22
重量部と、ポリサルファイド化合物(東レチオコール
(株)製、“チオコールLP−3”)85重量部と、添
加剤として炭酸カルシウム45重量部と、有機ベントナ
イト5重量部とを反応させて硬化物とした。
【0046】実施例4 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−10”)95重量部と、アミノ
基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都産
業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)23重
量部と、ポリサルファイド化合物(東レチオコール
(株)製、“チオコールLP−3”)75重量部と、反
応性希釈剤としてフェニルグリシジルエーテル(長瀬産
業(株)製、“デナコールEX−141”)5重量部
と、添加剤として炭酸カルシウム35重量部とを反応さ
せて硬化物とした。
【0047】実施例5 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−10”)91重量部と、アミノ
基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都産
業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)22重
量部と、ポリサルファイド化合物(東レチオコール
(株)製、“チオコールLP−3”)50重量部と、反
応性希釈剤としてフェニルグリシジルエーテル(長瀬産
業(株)製、“デナコールEX−141”)9重量部
と、添加剤として炭酸カルシウム45重量部と、有機ベ
ントナイト5重量部とを反応させて硬化物とした。
【0048】実施例6 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−10”)91重量部と、アミノ
基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都産
業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)24重
量部と、反応性希釈剤としてフェニルグリシジルエーテ
ル(長瀬産業(株)製、“デナコールEX−141”)
9重量部と、添加剤として炭酸カルシウム45重量部
と、有機ベントナイト5重量部とを反応させて硬化物と
した。
【0049】実施例7 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−10”)91重量部と、アミノ
基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都産
業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)15重
量部と、ポリサルファイド化合物(東レチオコール
(株)製、“チオコールLP−3”)51重量部と、反
応性希釈剤としてフェニルグリシジルエーテル(長瀬産
業(株)製、“デナコールEX−141”)9重量部
と、添加剤として炭酸カルシウム45重量部と、有機ベ
ントナイト5重量部とを反応させて硬化物とした。
【0050】実施例8 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−50”)91重量部と、アミノ
基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都産
業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)24重
量部と、ポリサルファイド化合物(東レチオコール
(株)製、“チオコールLP−3”)60重量部と、反
応性希釈剤としてフェニルグリシジルエーテル(長瀬産
業(株)製、“デナコールEX−141”)9重量部
と、添加剤として炭酸カルシウム45重量部と、有機ベ
ントナイト5重量部とを反応させて硬化物とした。
【0051】実施例9 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−80”)100重量部と、アミ
ノ基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都
産業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)15
重量部と、添加剤として炭酸カルシウム20重量部とを
反応させて硬化物とした。
【0052】比較例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製、“エピコート828”)100重量部と、ア
ミノ基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大
都産業(株)製、“ダイトクラールX−2392”)4
0重量部と、添加剤として炭酸カルシウム45重量部
と、有機ベントナイト5重量部とを反応させて硬化物と
した。
【0053】比較例2 市販のビスフェノールエポキシ樹脂−ポリサルファイド
ポリマー配合物(商品名ハマタイトY−1700−T
M、横浜ゴム(株)製)を反応させて硬化物とした。
【0054】引張り性能の測定 上記各実施例及び比較例の硬化物の引張り性能を評価す
るために、各硬化物を50℃で2日間加熱し、引張強度
及び破断時の伸びを、JIS K 6301「加硫ゴム
物理試験方法」に従って測定した。測定結果を硬化物の
組成とともに表1に示す。
【0055】打ち継ぎ接着性の測定 上記各実施例及び比較例の硬化物の打ち継ぎ接着性を評
価するために、被着体として、40mm×40mm×7
mmのセラミック系外装材を用意した。セラミック系外
装材の上に、各実施例及び比較例の組成物の成分を配合
して、1mmの厚さに塗布し、20℃で4日間放置して
硬化させた。この硬化物に生モルタルを打ち継ぎ、70
℃で6時間、湿度100%の状態で養生をおこなった。
さらに、50℃で3日間モルタルを完全に硬化させた後
に、セラミック系外装材およびモルタルを引張り、打ち
継ぎ接着性の測定を行った。測定結果を表1に示す。
【0056】 表1組成(重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 FLEP−10 100 100 100 95 FLEP−50 − − − − FLEP−80 − − − −ビスフェノール型エポキシ樹脂 エピコート828 − − − −末端にアミノ基を有する化合物 ダイトクラールX−2392 22 22 22 23ポリサルファイド化合物 チオコールLP−3 − 51 85 75反応性希釈剤 フェニルグリシジルエーテル − − − 5添加剤 炭酸カルシウム − 45 45 35 有機ベントナイト − 5 5 −性能 引張強度(kg/cm2 ) 193 34 20 4 破断時の伸び(%) 110 110 220 550 打ち継ぎ接着強度(kg/cm2 ) 9.0 9.6 8.5 7.3
【0057】 表1(続き)組成(重量部) 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 FLEP−10 91 91 91 − FLEP−50 − − − 91 FLEP−80 − − − −ビスフェノール型エポキシ樹脂 エピコート828 − − − −末端にアミノ基を有する化合物 ダイトクラールX−2392 22 24 15 24ポリサルファイド化合物 チオコールLP−3 50 − 51 60反応性希釈剤 フェニルグリシジルエーテル 9 9 9 9添加剤 炭酸カルシウム 45 45 45 45 有機ベントナイト 5 5 5 5性能 引張強度(kg/cm2 ) 14 127 12 17 破断時の伸び(%) 260 90 360 225 打ち継ぎ接着強度(kg/cm2 ) 7.2 9.8 8.1 8.1
【0058】 表1(続き)組成(重量部) 実施例9 比較例1 比較例2 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 FLEP−10 − − − FLEP−50 − − − FLEP−80 100 − −ビスフェノール型エポキシ樹脂 エピコート828 − 100 −末端にアミノ基を有する化合物 ダイトクラールX−2392 15 40 −ポリサルファイド化合物 チオコールLP−3 − − −反応性希釈剤 フェニルグリシジルエーテル − − −添加剤 炭酸カルシウム 20 45 − 有機ベントナイト − 5 −性能 引張強度(kg/cm2 ) 38 358 197 破断時の伸び(%) 130 2 20 打ち継ぎ接着強度(kg/cm2 ) 8.6 0.5 10.0
【0059】表1より明らかなように、本発明の硬化物
は、室温で放置した後に生モルタルを打ち継いでいるに
もかかわらず、打ち継ぎ接着強度が7kg/cm2 以上で、
伸びが80%以上あり、比較例1に比べて打ち継ぎ接着
強度及び硬化物の伸びがともに大きく、また比較例2に
比べても硬化物の伸びが大きく、コンクリート打ち継ぎ
用緩衝材及び石材裏面処理材として極めて良好な性能を
持っている。
【0060】実施例10 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−80”)90重量部と、アミノ
基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都産
業(株)製、“ダイトクラールX−1777A”)20
重量部と、反応性希釈剤としてフェニルグリシジルエー
テル(長瀬産業(株)製、“デナコールEX−14
1”)10重量部と、添加剤として炭酸カルシウム50
重量部とを反応させて硬化物とした。
【0061】実施例11 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコール
(株)製、“FLEP−80”)90重量部と、アミノ
基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(旭電化
工業(株)製、“アデカハードナーEH−257−1
5”)18重量部と、反応性希釈剤としてフェニルグリ
シジルエーテル(長瀬産業(株)製、“デナコールEX
−141”)10重量部と、添加剤として炭酸カルシウ
ム50重量部とを反応させて硬化物とした。
【0062】比較例3 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製、“エピコート828”)90重量部と、アミ
ノ基を有する化合物として変性脂肪族ポリアミン(大都
産業(株)製、“ダイトクラールX−1777A”)5
4重量部と、反応性希釈剤としてフェニルグリシジルエ
ーテル(長瀬産業(株)製、“デナコールEX−14
1”)10重量部と、添加剤として炭酸カルシウム50
重量部とを反応させて硬化物とした。
【0063】比較例4 市販のエポキシ樹脂−特殊シリコーン変性ポリマー配合
物(商品名 MEP−92、セメダイン(株)製)を反
応させて硬化物とした。
【0064】引張り性能の測定 上記実施例10、11及び比較例3、4の硬化物の引張り性
能を評価するために、各硬化物を20℃で7日間養生
し、引張強度及び破断時の伸びを、JIS K6301
「加硫ゴム物理試験方法」に従って測定した。測定結果
を硬化物の組成とともに表2に示す。
【0065】打ち継ぎ接着性の測定 実施例10、11及び比較例3、4の硬化物の打ち継ぎ接着
性を評価するために、被着体として、40mm×40m
m×25mmの石材(稲田石)を用意した。石材の上
に、各実施例及び比較例の組成物の成分を配合して、1
mmの厚さに塗布し、20℃で7日間放置して硬化させ
た。この硬化物に生モルタルを打ち継ぎ、70℃で6時
間、湿度100%の状態で養生を行った。さらに、20
℃で7日間モルタルを完全に硬化させた後に、石材及び
モルタルを引張り、打ち継ぎ接着性の測定を行った。測
定結果を表2に示す。
【0066】 表2組成(重量部) 実施例10 実施例11 比較例3 比較例4 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 FLEP−80 90 90 − −ビスフェノール型エポキシ樹脂 エピコート828 − − 90 −末端にアミノ基を有する化合物 ダイトクラールX−1777A 20 − 54 − アデカハードナーEH-257-15 − 18 − −反応性希釈剤 フェニルグリシジルエーテル 10 10 10 −添加剤 炭酸カルシウム 50 50 50 −性能 引張強度(kg/cm2 ) 21 16 30 20 破断時の伸び(%) 180 180 2 170 打ち継ぎ接着強度(kg/cm2 ) 7.0 7.2 1.2 −* 注)*:モルタルを硬化させた後に接着性の測定を試み
たが、モルタルと剥離したので測定できなかった。
【0067】表2から明らかなように、本発明の硬化物
は、室温で7日間放置した後に、生モルタルを打ち継い
でいるにもかかわらず、打ち継ぎ接着強度が7kg/cm2
以上あった。ところが、比較例3では、打ち継ぎ接着強
度が1.2kg/cm2 と非常に低く、比較例4の硬化物
は、モルタル硬化中に剥離して接着力がでなかった。こ
のように実施例10、11の硬化物は、室温で放置した後で
もコンクリートに対する打ち継ぎ接着性が極めて良好で
あり、コンクリート打ち継ぎ用緩衝材及び石材裏面処理
材として極めて良好な性能を有している。
【0068】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明のコンクリ
ート打ち継ぎ用緩衝材及び石材裏面処理材は、ポリサル
ファイド骨格を有するエポキシ樹脂と、末端にアミノ基
を有する化合物とを反応させて得られるため、石材、人
造石材、結晶化ガラス建材、セラミックス系外装材、タ
イルなど各種被着体にも強力に接着するとともに、耐薬
品性、耐久性に優れている。
【0069】また、本発明のコンクリート打ち継ぎ用緩
衝材及び石材裏面処理材は、すぐに生コンクリートを打
ち継ぐ必要はなく、数日後に生コンクリートを打ち継い
でも良い打ち継ぎ接着性を持つので、工程管理が楽であ
り、余裕をもって作業を行うことができる。
【0070】さらに、本発明のコンクリート打ち継ぎ用
緩衝材及び石材裏面処理材は、長期の使用によっても柔
軟性を保持するので、コンクリートのひび割れや地震な
どによる被着体とコンクリートとの層間変位に追従し、
被着体とコンクリートとの熱膨張係数差による歪みを吸
収することができる。そして、本発明のコンクリート打
ち継ぎ用緩衝材及び石材裏面処理材は、水密性、気密
性、耐アルカリ性に優れているので、コンクリートから
のアルカリ成分の透過を防止し、エフロレッセンスを防
止することができ、石材を汚染することもない。
【0071】このような本発明のコンクリート打ち継ぎ
用緩衝材及び石材裏面処理材は、GPCカーテンウォー
ル用緩衝材、GPCカーテンウォール用石材裏面処理
材、特殊セラミックス系外装材のプレキャストコンクリ
ート打ち継ぎ用緩衝材などとして有効であるとともに、
石材の接着剤、人造石材の接着剤、結晶化ガラス建材の
接着剤、セラミックス系外装材の接着剤、タイルの接着
剤、弾性タイプのコンクリート注入補修材などとしても
良好な性能を持つ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 一般式 【化1】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
    機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
    m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
    し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
    含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
    サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
    示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、及び(b)
    末端にアミノ基を有する化合物との反応で得られる硬化
    物からなることを特徴とするコンクリート打ち継ぎ用緩
    衝材。
  2. 【請求項2】 (a) 一般式 【化2】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
    機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
    m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
    し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
    含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
    サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
    示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、及び(b)
    末端にアミノ基を有する化合物との反応で得られる硬化
    物からなることを特徴とする石材裏面処理材。
  3. 【請求項3】 (a) 一般式 【化3】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
    機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
    m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
    し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
    含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
    サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
    示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(b) 末端
    にアミノ基を有する化合物、及び(c) 末端にメルカプタ
    ン基を有するポリサルファイド化合物との反応で得られ
    る硬化物からなることを特徴とするコンクリート打ち継
    ぎ用緩衝材。
  4. 【請求項4】 (a) 一般式 【化4】 (ただし、R1 及びR3 はビスフェノール骨格を含む有
    機基であり、R2 は(−C2 4 OCH2 OC2 4
    m n − で示されるポリサルファイド骨格(ただ
    し、mは1〜3で、ポリサルファイド骨格中のSの平均
    含有量を表し、nは1〜50で、一分子中におけるポリ
    サルファイド骨格の平均含有量を表す。) である。) で
    示されるポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(b) 末端
    にアミノ基を有する化合物、及び(c) 末端にメルカプタ
    ン基を有するポリサルファイド化合物との反応で得られ
    る硬化物からなることを特徴とする石材裏面処理材。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3に記載のコンクリート打
    ち継ぎ用緩衝材において、引張り伸びが30%〜600
    %であることを特徴とするコンクリート打ち継ぎ用緩衝
    材。
  6. 【請求項6】 請求項2又は4に記載の石材裏面処理材
    において、引張り伸びが30%〜600%であることを
    特徴とする石材裏面処理材。
JP5684492A 1991-05-01 1992-02-07 コンクリート打ち継ぎ用緩衝材及び石材裏面処理材 Pending JPH0579185A (ja)

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JP3-128679 1991-05-01
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1143643A (ja) * 1997-04-11 1999-02-16 Shimizu Corp 低アウトガス性塗料
US5969078A (en) * 1997-08-29 1999-10-19 Freecom Inc. Compositions and methods for a protective surface coating useful to repair damaged surfaces
EP1780006A3 (de) * 2005-10-26 2008-07-16 Planolith GmbH Verbundkörper basierend auf Natur- und/oder Kunststein und Keramik

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1143643A (ja) * 1997-04-11 1999-02-16 Shimizu Corp 低アウトガス性塗料
US5969078A (en) * 1997-08-29 1999-10-19 Freecom Inc. Compositions and methods for a protective surface coating useful to repair damaged surfaces
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