JP2730417B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2730417B2
JP2730417B2 JP4223059A JP22305992A JP2730417B2 JP 2730417 B2 JP2730417 B2 JP 2730417B2 JP 4223059 A JP4223059 A JP 4223059A JP 22305992 A JP22305992 A JP 22305992A JP 2730417 B2 JP2730417 B2 JP 2730417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スリットを出るジェ
ットの薄膜がはためくことによりリードとして働き、こ
れによって生じる空気流とパイプ内の音圧との相互作用
により、楽音を発音するジェットリード楽器の発音機構
をシミュレートする電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、物理モデル音源持続音のアル
ゴリズムは、擦弦、シングルリード(サックス)、リッ
プリードについて検討されてきた。物理モデル音源で
は、自然楽器の発音機構を明確にし、これをモデル化
し、さらに、DSPにインプリメントできるような形の
アルゴリズムを構築する、という手順が取られている。
例えば、従来より、リードを有する管楽器の発音をシミ
ュレートする電子楽器は、非線形部、線形部・非線形部
インターラクションおよび線形部から構成されている。
リード管楽器では、振動を発生するリードがマウスピー
ス内にあるため、マウスピース部をシミュレートする非
線形部と共鳴管をシミュレートする線形部との間で、信
号を直接、授受することにより、楽音信号を発生してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スリットを
出るジェットの薄膜がはためくことによりリードとして
働き、これによって生じる空気流とパイプ内の音圧との
相互作用により楽音を発音するジェットリード楽器で
は、リップから出てくるジェットがマウスピースのスリ
ットに達するまでの遅延時間を有する。さらに、これと
は別に、ジェットが上側リップに衝突することによりエ
ッジトーン、エオルストーン(ノイズ成分)が発生す
る。これら遅延時間やトーンによって楽器が発音する楽
音の特徴が付与される。しかしながら、上述した従来の
電子楽器では、ジェットリード楽器の発音機構を考慮し
ていなかったため、該ジェットリード楽器特有の楽音を
発生することができないという問題を生じた。
【0004】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、ジェットリード楽器特有の楽音を発生すること
ができる電子楽器を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、請求項1記載の発明では、入力される信号に
対して発生しようとする楽音の周波数に対応する遅延を
与えて出力する線形部と、所定の非線形関数に従って、
入力される信号を変換して出力する非線形部とを備え、
前記線形部および非線形部を接続することによりループ
を形成し、該ループに所定の駆動信号を与え、該駆動信
号がループを巡回した信号を楽音信号として取り出すよ
うにした電子楽器において、前記非線形部に挿入された
遅延手段と、 前記遅延手段の遅延時間を演奏情報に応じ
て制御する制御手段とを具備することを特徴とする。ま
た、請求項2記載の発明では、請求項1記載の電子楽器
において、ノイズ発生手段を備え、該ノイズ発生手段が
発生するノイズ信号を前記非線形部に供給することを特
徴とする。
【0006】
【作用】請求項1記載の発明によれば、管楽器の管体部
分は線形部により近似され、また、線形部と非線形部は
ループ接続されることによって相互作用し、所定の駆動
信号がループへ供給される。そして、ループを巡回した
信号が楽音信号として取り出される。制御手段は、非線
形部に挿入された遅延手段の遅延時間を演奏情報に応じ
て制御することで、ジェットリード楽器において、空気
流が管体スリットを出てからエッジに到達するまでの時
がジェット速度に応じて異なる現象をシミュレートす
る。また、請求項2記載の発明によれば、ノイズ発生手
段は、ジェットリード楽器において、ジェットがエッジ
に衝突する際に発生するエオルスストーン、エッジトー
ンをシミュレートする。
【0007】
【実施例】次に図面を参照してこの発明の実施例につい
て説明する。図1はこの発明の一実施例であるジェット
リード楽器の構成を示すブロック図である。この図にお
いて、鍵盤1は、複数の白鍵(以下、キーと呼ぶ)およ
び黒鍵(以下、キーと呼ぶ)から構成されており、各キ
ーには、キー操作(押離鍵)や押離鍵速度(キータッ
チ)などを検出するセンサが設けられている。キーコー
ド検出回路2は、押鍵されたキーに対応するキーコード
KCをデータバスDBへ出力する。また、タッチ検出回
路3は、上記各キーの押離鍵を検出する回路であり、い
ずれかのキーが押鍵されると、そのキーに対応するキー
オン信号KONをデータバスDBへ出力し、離鍵される
と、そのキーに対応するキーオフ信号KOFFをデータ
バスDBへ出力する。
【0008】また、タッチ検出回路3は、上記押鍵され
たキーの押鍵速度、押鍵圧力等に相当するキータッチK
T(一般には補正が行われる)をデータバスDBへ出力す
る。上述したキーオンKON、キーコードKCおよびキ
ータッチKTは、データバスDBを介してCPU(中央
処理装置)4に供給される。CPU4は、ROM(ReadO
nly Memory)5に予め記憶されているプログラムに従っ
て各種処理(後述する)を実行する。また、上記CPU
4は、プログラムの実行の際、RAM(Random
access memory)6に記憶されたパラメー
タに基づいて演算を行うとともに、各種データを該RA
M6に記憶する。
【0009】また、当該楽器に設けられた操作パネルに
は、楽音の音色等を設定するための各種の操作子が設け
られている。操作子には、例えば、図示のモジュレーシ
ョンホイール7、ピッチベンドホイール8およびフット
コントローラ9がある。モジュレーションホイール7
は、楽音にかける変調度合いを加減するためのホイール
状の操作子であり、ホイールの回転状態に応じた信号S
1をインターフェイス10を介してデータバスDBへ出
力する。ピッチベンドホイール8は、楽音のピッチ(音
高)を変化させるためのホイール状の操作子であり、ホ
イールの回転状態に応じた信号S2をインターフェイス
10を介してデータバスDBへ出力する。また、フット
コントローラ9は、ジャックによって電子楽器に接続さ
れたフットペダルの状態を検出し、該状態に応じた信号
S3をインターフェイス10を介してデータバスDBへ
出力する。
【0010】次に、楽音合成回路11は上記CPU4か
ら供給されるパラメータに従って楽音信号(デジタルデ
ータ)を合成し、これをサウンドシステム12へ供給す
る。サウンドシステム12は上記楽音信号のアナログ信
号への変換、増幅等を行なった後、スピーカSPへ供給
する。スピーカSPはアナログの楽音信号を楽音として
発音する。
【0011】次に、上述した楽音合成回路11の構成に
ついて、図2に示すブロック図を参照して説明する。こ
の図において、管楽器の管体部分は線形部13により近
似され、また、ジェットリードとしての働きは、非線形
部14および線形部13と、非線形部14との相互作用
により近似される。線形部13と非線形部14の出力
は、インターラクション部15を介し相互作用して線形
部13の入力および非線形部14の入力を派生する。ま
た、非線形部14への入力は遅延回路16を介して伝搬
する。これは、実際のジェットリード楽器においては、
演奏者の口腔から吹奏した空気流が、ジェットを構成し
ている流体粒子の働きによって運ばれ、これがスリット
(例えば、フルートでは奏者の唇)を出てからエッジに
到達するまでに、ある程度の時間がかかるためである。
【0012】また、エッジトーン(エルストーン)発生
器17は、ジェットリード楽器において、ジェットがエ
ッジに衝突する際に発生するエオルストーン、エッジト
ーンに相当するノイズ成分を励振信号に応じて発生し、
これをループ回路に介挿された加算器18に供給する。
加算器18は、励振信号にノイズ信号を加え、インター
ラクション部15へ供給する。
【0013】次に、ジェットリード楽器のうち、オルガ
ンパイプを例に取り、その発音機構の詳細について、図
3、図4および図5を参照して説明する。ここで、マウ
ス開口上の空気ジェットは、パイプ内部の空気と、パイ
プ外部の空気を分離する一種の薄い隔膜であると仮定す
る。この隔膜は、上下の音圧差pj(N/m2)により揺
動(振動)するものとする。
【0014】この揺動により、ジェットは、パイプ内外
に交番的に吹き分ける。さらに、スリットSlitを初速U
0(m/s)で吹き出したジェットが、エッジEdgeに対
して速度Ue(m/s)で衝突するものとし、スリット
Slit−エッジEdge間ではジェットはその幅および厚みを
変えないものとする。図4(a)に示すように、ジェッ
トによってパイプ内に運ばれて来る空気の直流的な体積
流速は、ジェットの幅をb(m)、厚みをh(m)とす
ると、
【0015】 b(h/2)Ue (m3/s) である。さらに、この直流的な体積流速にジェットの揺
動ξe(m)による体積が交流的に加えられる。この交
流的な体積流速は音響的な駆動源Qe(m3/s)と呼
ばれる。駆動源Qeは非線形関数F(ξe)を用いて、 Qe=b・Ue・F(ξe) と表せる。ここで、Qeはパイプ内部に吹込む体積流速
を正とする。また、ξeはエッジからジェット中心まで
の距離と、ジェットの中心がパイプ外側にある場合の距
離とを正として示す。ただし、ジェットのエッジEdgeで
の速度Ueはジェットの断面bhに沿って一定であると
する。
【0016】エッジEdgeにおいて、ジェットによってパ
イプ内部に運ばれて来る体積流速は、 b(h/2)Ue+Qe であり、一方、パイプ外側へ吹出す体積流速は、 b(h/2)Ue−Qe である。そこで、見掛け上、エッジEdgeにおいてパイプ
外部からパイプ内部へQeという交流的な体積が吹込む
と考えてよい。このQeにより、パイプ内部の音響的流
速場がドライブされる(図4(b),(d)および
(e)参照)。
【0017】上記関数F(ξe)は、図5に示すように
非線形関数であり、ξeがジェットの厚みh/2を越え
る点(図4(c)参照)で飽和する。エッジEdgeにおけ
る揺動変移ξeは、ジェット膜の上下の音圧差pjに比
例する。一方、ジェットの膜は、マウス上の柔らかいふ
たのように振舞うので、ジェットを構成している流体粒
子は、ジェットの揺動ξeにより、横(マウス開口を横
切る)方向の速度成分を有する。マウスにおけるこの速
度成分により運ばれる空気の体積速度は揺動体積流速Q
m(m3/s)と呼ばれる。揺動体積流速Qmは、パイ
プより外側に吹出す体積流速を正とする。また、揺動体
積流速Qmはジェットの膜の揺動変位ξeの時間微分
(揺動速度)をマウスに沿って積分したものである。
【0018】以上より、音圧差pjはエッジEdgeにおい
て、音響的駆動源Qeと揺動体積流Qmをもたらす。一
方、パイプ内には、音響的体積流Qp(m3/s)が存
在する。そこで、図3に示すマウス内部の点における
流速の連続性より、音響的駆動源Qeが音響的体積流Q
pと揺動体積流Qmに分岐するものと考えてよい。した
がって、 Qp=Qe−Qm となる。この分岐は、点からパイプ側のインピーダン
スと、マウス側のインピーダンスにより比率が決定す
る。
【0019】この発振機構をまとめると、まず、音圧差
jが存在すると仮定すると、音圧差pjが揺動変位ξe
を生みだし、該揺動変位ξeが音響的駆動源Qeを生み
だし、そして、音響的駆動源Qeがジェットの膜の揺動
体積流Qmとパイプ内の音響的体積流Qpに分れ、その
中の揺動体積流Qmが、再び、音圧差pjを生み出す、
という循環的な発振機構、すなわち pj→ξe→Qe→Qm(Qp)→pj が得られる。
【0020】ここで、図3の各点,,およびの
圧力をそれぞれp1、p2、p3およびp4とする。ここ
で、点はマウス内の点であり、点およびは、それ
ぞれ、ジェット薄膜直下および直上の点であり、点は
パイプから十分遠方の点であり、p4≒0と表せる。ま
た、ジェット上下の音圧差pjは、 pj=p2−p3 と定義される。この4つの圧力より、次のインピーダン
スを定義する。
【0021】ジェットの揺動インピーダンスZj: Zj=(p2−p3)/Qm=pj/Qm 音響的マウスインピーダンスZm: Zm=(p1−p2)/Qm マウスの放射インピーダンスZr: Zr=(p3−p4)/(Qm−Qe)=−p3/Qp パイプの入力インピーダンスZp: Zp=(p1−p4)/Qp=p1/Qp Zjは、 Zj=pj/Qm=(bUe・W(θe)/ρhω2
−1 と表される。
【0022】また、音響的マウスインピーダンスZmは
短い開管のインピーダンスであり、 Zm=j(ρ・lm/Seff)ω のような空気体積によるイナータンスとなる。ここで、
lm(m)はマウスの実効的長さ、Seff(m2)は実効
的断面積である。マウスの放射インピーダンスZrは、
マウスからの放射をバッフルなしの半径aeff(m)の
ピストンからの放射に等しいとみなすことにより、 Zr=(ρ/4c)・ω2+j(E・ρ/aeff)・ω となる。Eは放射による端補正で、ほぼ0.7であり、
また、c(m2/s)は音速である。
【0023】パイプの入力インピーダンスZpは長さl
(m)の開管のインピーダンスであり、 Zp=Zc[(1+Sv・exp(-j2ωl))/(1-Sv・exp(-j2ω
l))] のように表される。Svは開放端での反射係数であり、
Zcは特性インピーダンス Zc=ρ・c/S である。
【0024】次に、上述した発音機構に基づいて構成し
たジェットリード楽器のアルゴリズムについて、図6に
示すブロック図を参照して説明する。ここで、図2に示
す非線形部14は、ハイパスフィルタ20、図7に示す
形状のデータを有する非線形テーブル21、およびジェ
ットがスリットからエッジに到達するまでの時間に対応
する遅延時間を有するフィードフォワードコムフィルタ
22で構成されている。上記フィードフォワードコムフ
ィルタ22は、遅延回路22a、乗算器22b,22c
および加算器22dから構成されており、入力信号を遅
延回路22aによって遅延し、この遅延した入力信号に
上記入力信号を加算することによって、所定の遅延時間
を得ている。
【0025】ブロックAは、管体の長さを表す遅延素子
23,23、管体における減衰特性を近似するローパス
フィルタ24、管体開放端での音圧の反射をシミュレー
トする乗算器25および特性インピーダンスZcを励振
信号に乗算する乗算器26からなる。また、図2に示す
エッジトーン(またはエオルストーン)発生器17は、
ノイズ発振器27、ローパスフィルタ28、バンドパス
フィルタ29、振幅を決定する乗算器NGAMP30、
ジェット中心面とエッジの距離ξeによって参照される
図8に示すような非線形テーブル31および該非線形テ
ーブル31の値を乗算する乗算器32から構成されてい
る。
【0026】ブロックBは、図2に示すインターラクシ
ョン部15に相当し、加算器35,36、ハイパスフィ
ルタ37、ローパスフィルタ38、乗算器39およびジ
ャンクション40から構成されている。図6ではディレ
イフリーループが存在し、このままでも実現できるが、
ディレイフリーループを除去し、実際的でより詳細なア
ルゴリズムを得るために図9に示すように構成する。
【0027】ここで、図9に示す系がもつパラメータと
しては、以下のものがある。 [線形部] LPFPP……パイプ内の減衰係数を示すローパスフィ
ルタ係数 N ……………パイプの長さを示す遅延量 [非線形部] HPFZJ……ハイパスフィルタ係数 τ ……………ジェットがスリット−エッジ間を進むの
に要する時間を示す遅延量 FFCE0,FFCEN……フィードフォワードコムフ
ィルタ係数 NL_G………非線形テーブル1(NL1)を読み出す
アドレス範囲を制限する乗算係数 OFFSET……非線形テーブルを読み出すアドレスの
オフセット ZZ………………非線形テーブルの出力の大きさを制御
する乗算係数
【0028】[線形部−非線形部相互作用ブロック] HPFXV……ハイパスフィルタ係数 LPFXV……ローパスフィルタ係数 LPFWY……ローパスフィルタ係数 APFWV……オールパスフィルタ係数
【0029】[エッジトーン、エオルストーン発生器] LPFNG……ローパスフィルタ係数 BPFFQ……バンドパスフィルタの中心周波数 BPFQQ……バンドパスフィルタのQ値 NGAMP……エッジトーン、エオルストーンの出力振
幅を制御する乗算係数ここで、OFFSETは、ジェッ
ト中心面とエッジとの距離(傾き)を表し、また、ZZ
はジェットの厚み、もしくは強度を表している。
【0030】上述した図9に示す系は、DSP(デジタ
ル・シグナル・プロセッサ)にインプリメントされる。
次に、上述した系を従来のシンセサイザ鍵盤で演奏する
ことを考える。図10は、このための制御系の構成を示
すブロック図である。操作子としては、ノートオン、ノ
ートオフ、イニシャルタッチ、アフタータッチを出力す
る鍵盤と、ピッチベンドホイール、モジュレーションホ
イール、フットコントローラの4つがある。この4つの
操作子によって、以下のものが変化する。
【0031】鍵盤 キーコード……音程および音色(キースケーリングによ
る) イニシャルタッチ……音量、音質(ジェットの厚みを変
える) アフタータッチ……音量、音質(ジェットの厚みを変え
る) ビブラートの深さ(ジェットのスピードを変える) トレモロの深さ(ジェットの厚みを変える) モジュレーションホール……音質(ジェットのエッジに
対する傾きを変える) ピッチベンドホール……音程、音質(ジェットのスピー
ドを変える) フットコントローラ……エッジトーン、エオルストーン
の音量(可変抵抗、0〜127;MIDI制御)
【0032】図において、制御部40は、操作子からの
各種データ、すなわち、ノートオンオフNON,NOF
F、イニシャルタッチINTT、アフタータッチAF
T、モジュレーションホイールMOD.H、ピッチベン
ドホイールPBENDおよびフットコントローラFCを
処理し、ジェットを記述する3つのパラメータである、
ジェットの厚みJWP、ジェットの速度JSP、ジェッ
トの傾きJAPおよびノイズをコントロールするパラメ
ータNCPに変換し、これらを制御部41へ供給する。
制御部41では、予め各キーコードKC毎に、スケーリ
ングされメモリに蓄えられているアルゴリズムの各パラ
メータに従って、キーコードKCに対応するパラメータ
セットを選択し、これを制御部40からの情報とによ
り、リアルタイムでアルゴリズムパラメータの現在値を
計算し、DSPにインプリメントされたアルゴリズム
(図9に示す音源)42に転送する。
【0033】次に、制御部40における構成および動作
について説明する。まず、ジェットの厚み制御を行なう
場合の制御部40の構成を図11、図12および図13
に示す。 [ジェットの厚み制御]図11において、ノイズ発生器
43はノイズ信号を発生し、これをローパスフィルタ4
4へ供給する。ローパスフィルタ44には、カットオフ
周波数を決定するパラメータWDHNLCが供給されて
おり、該ローパスフィルタ44は、上記パラメータWD
HNLCに従って上記ノイズ信号をフィルタ処理した
後、乗算器M1へ供給する。また、ノイズエンベロープ
発生器45は上記ノイズ信号のエンベロープを決定する
ために、ノートオン信号NOTE ON、イニシャルタ
ッチ信号INTT、アタックレベルWDHNAS、ディ
ケイレートWDHNDRおよびサスティンレベルWDH
NSLに基づいてエンベロープ信号を生成し、これを上
記乗算器M1へ供給する。乗算器M1では、上記ノイズ
信号に、エンベロープ信号を乗算した後、これを乗算器
M2へ供給する。
【0034】また、低周波発振器46は、発振周波数を
決定するスピードWDHLSDに従って所定の周波数の
信号を発生し、これを乗算器M3およびM4へ供給す
る。乗算器M3には、アフタータッチAFTを1/12
7倍した値が、乗算器M5から供給されており、上記所
定の周波数の信号に上記値を乗算し、これを乗算器M6
へ供給する。また、上記乗算器M5の出力は乗算器M7
へも供給されている。乗算器M6では、入力信号にトレ
モロコントロールデュプスWDHTRMを乗算し、これ
を加算器A1へ供給する。次に、低周波エンベロープ発
生器47は、ノートオン信号NOTE ON、イニシャ
ルタッチINTT信号、アタックレベルWDHLAS、
ディケイレートWDHLDRおよびサスティンレベルW
DHLSLに基づいてエンベロープ信号を生成し、これ
を乗算器M4へ供給する。乗算器M4では、上記低周波
発振器46が出力する所定の周波数の信号に上記エンベ
ロープ信号を乗算し、これを乗算器M8へ供給する。
【0035】次に、ジェット幅エンベロープ発生器48
は、ノートオン信号NOTE ON、ノートオフ信号N
OTE OFF、イニシャルタッチINTT、アタック
レートWDHEAR、ディケイレートWDHEDR、サ
スティンレベルWDHESLおよびリリースレートWD
HERRに従ってジェットの幅を制御するエンベロープ
信号を生成し、これを乗算器M2、M8および加算器A
1へ供給する。上述した乗算器M2では、ノイズ信号に
上記エンベロープを乗算し、これを乗算器M9へ供給す
る。乗算器M9は、さらに、上記入力信号にノイズデュ
プスWDHNDPを乗算し、これを加算器A1へ供給す
る。
【0036】また、乗算器M8では、エンベロープが付
与された低周波信号にエンベロープ信号を乗算し、これ
を乗算器M10へ供給する。乗算器M10では、さら
に、上記信号にLFOデュプスWDHLDPを乗算し、
これを加算器A1へ供給する。加算器A1は、上述した
乗算器M6、M7、M9およびM10の出力信号を加算
し、これをジェットの厚みJWPとして図10に示す制
御部41へ供給する。なお、上述した各パラメータは図
12および図13に示している。
【0037】上述した図11に示す構成によれば、ジェ
ットの厚みは、ノートオン/オフ時にジェットの厚みの
時間変化を作り出すジェットエンペロープ発生器(JE
TWIDTH ENVELOPE)48、ノートオン/
オフのトランジェント状態および定常時でのジェットの
厚みの不安定さを出すための低周波発振器46およびノ
イズ発振器43により制御される。また、アフタータッ
チAFTにより音量、音質を変化させるときは、ジェッ
トの厚みを直接増減する。アフタータッチAFTにより
トレモロの深さを制御する場合には、LFO46により
ジェットの厚みを増減する。
【0038】次に、ジェットの速度制御を行なう場合の
制御部40の構成を図14、図15、図16および図1
7に示す。なお、前述した図11に示す同一の構成要件
または同一の機能を有するものには同一の符号を付けて
説明を省略する。 [ジェットの速度制御]ローパスフィルタ44には、カ
ットオフ周波数を決定するためのパラメータとしてカッ
トオフ周波数SPDNLCが供給されている。ローパス
フィルタ44の出力は乗算器M15へ供給されている。
また、ノイズエンベロープ発生器45には、ノートオン
信号NOTE ON、イニシャルタッチINTT、アタ
ックレベルSPDNAS、ディケイレートSPDNDR
およびサスティンレベルSPDNSLが供給されてお
り、これらに基づいたエンベロープ信号を生成し、上記
乗算器M15へ供給する。乗算器M15では、ローパス
フィルタ44の出力信号に上記エンベロープ信号を乗算
し、これを乗算器M16へ供給する。乗算器M16で
は、上記乗算器M15の出力信号にノイズデプスSPD
NDPを乗算し、これを加算器A1に供給する。
【0039】低周波発振器46は、速度制御におけるス
ピードSPDLSDに基づいて所定の周波数の信号を生
成し、これを、乗算器M17およびM18へ供給する。
乗算器M17は、上記所定の周波数の信号にビブラート
デプスVIRDPTを乗算し、これを乗算器M19へ供
給する。該乗算器M19には、乗算器M20を介して1
/127倍されたアフタータッチAFTが供給されてい
る。乗算器M19は、上記アフタータッチAFTを乗算
し、これを加算器A1へ供給する。また、低周波エンベ
ロープ発生器47は、ノートオン信号NOTE ON、
イニシャルタッチINTT、アタックレベルSPDLA
S、ディケイレートSPDLDR、サスティンレベルS
PDLSLに従って、エンベロープ信号を生成し、これ
を乗算器M18へ供給する。乗算器M18は、上記所定
の周波数の信号に上記エンベロープ信号を乗算し、これ
を乗算器M21へ供給する。乗算器M21は、上記エン
ベロープが付与された信号にデプスSPDLDPを乗算
し、これを加算器A1へ供給する。
【0040】次に、ジェット速度エンベロープ発生器4
9は、ノートオン信号NOTE ON、ノートオフ信号
NOTE OFF、イニシャルタッチINTT、ディケ
イレートSPDEDR、サスティンレベルSPDESL
およびリリースレートSPDERRに従って、エンベロ
ープ信号を生成し、これを乗算器M22へ供給する。ま
た、ピッチベンドPBENDがベンドテーブル50を介
して上記乗算器M22へ供給されている。ベンドテーブ
ル50には、図17に示すように、ピッチベンドPBE
NDに対応させた0.5〜2.0までのデータが記憶さ
れており、入力されたピッチベンドPBENDに対応し
たデータを出力するようになっている。上記乗算器M2
2は、上記エンベロープ信号にピッチベンドPBEND
に応じたデータを乗算し、これを加算器A1へ供給す
る。加算器A1は、上述した乗算器M16、M19、M
21およびM22の出力信号を加算し、これをジェット
の速度JSPとして図10に示す制御部41へ供給す
る。なお、上述した各パラメータの詳細は図15および
図16に示している。
【0041】上述した図11に示す構成によれば、ジェ
ットの速度制御は、ジェットの速度をジェットのスリッ
トからエッジに到達するまでの時間(ジェット速度の逆
数)で表している。この制御は、ノートオン時、ジェッ
トの走行時間が無限大からある一定値に近づき、ノート
オフ時に、このある一定値から無限大へと時間変化させ
るためのエンベロープとノートオン時のトランジェント
状態および定常時でのジェット走行時間の不安定さを作
り出すための低周波発振器46およびノイズ発振器43
により行なわれる。また、ピッチベンドにより音程、音
質を変化させるために、ピッチベンドPBENDの値か
らテーブルを参照し、ジェットの走行時間を制御する。
また、アフタータッチAFTによりビブラートの深さを
制御する場合には、低周波発振器46によりジェットの
走行時間を増減する。
【0042】次に、ジェットの傾き制御を行なう場合の
制御部40の構成を図18、図19および図20に示
す。なお、前述した図11、図14に示す同一の構成要
件または同一の機能を有するものには同一の符号を付け
て説明を省略する。 [ジェットの傾き制御]ローパスフィルタ44には、カ
ットオフ周波数を決定するためのパラメータとしてカッ
トオフ周波数ANGNLCが供給されている。ローパス
フィルタ44の出力は乗算器M25へ供給されている。
また、ノイズエンベロープ発生器45には、ノートオン
信号NOTE ON、イニシャルタッチINTT、アタ
ックレベルANGNAS、ディケイレートANGNDR
およびサスティンレベルANGNSLが供給されてお
り、これらに基づいたエンベロープ信号を生成し、上記
乗算器M25へ供給する。乗算器M25では、ローパス
フィルタ44の出力信号に上記エンベロープ信号を乗算
し、これを乗算器M26へ供給する。乗算器M26で
は、上記乗算器M25の出力信号にノイズデプスANG
NDPを乗算し、これを加算器A1に供給する。
【0043】低周波発振器46は、傾き制御におけるス
ピードANGLSDに基づいて所定の周波数の信号を生
成し、これを、乗算器M27へ供給する。また、低周波
エンベロープ発生器47は、ノートオン信号NOTE
ON、イニシャルタッチINTT、アタックレベルAN
GLAS、ディケイレートANGLDR、サスティンレ
ベルANGLSLに従って、エンベロープ信号を生成
し、これを乗算器M27へ供給する。乗算器M27は、
上記所定の周波数の信号に上記エンベロープ信号を乗算
し、これを乗算器M28へ供給する。乗算器M28は、
上記エンベロープが付与された信号にデプスANGLD
Pを乗算し、これを加算器A1へ供給する。
【0044】次に、ジェット傾きエンベロープ発生器5
1は、ノートオン信号NOTE ON、ノートオフ信号
NOTE OFF、イニシャルタッチINTT、アタッ
クレベルANGEAS、ディケイレートANGEDR、
サスティンレベルANGESLおよびリリースレートA
NGERRに従って、エンベロープ信号を生成し、これ
を加算器A1へ供給する。
【0045】また、モジュレーションホイールMODH
が乗算器M29を介して1/127倍された後、乗算器
M30へ供給される。乗算器M30は、上記モジュレー
ションホイールMODHにモードレンジWHLLNGを
乗算し、これを加算器A1へ供給する。加算器A1は、
上述した乗算器M26、M28およびM30の出力信号
を加算し、これをジェットの傾きJAPとして図10に
示す制御部41へ供給する。なお、上述した各パラメー
タの詳細は図19および図20に示している。
【0046】上述した図11に示す構成によれば、ジェ
ットの傾き制御は、ジェット中心面からエッジまでの距
離をノートオン/オフ時の時間変化をコントロールする
ためのエンベロープと、ノートオン時のトランジェント
時および定常時における傾きの不安定さを作り出すため
のLFO46およびノイズ発振器43により行なわれ
る。また、モジュレーションホイールの値MODHは直
接傾きに反映する。
【0047】さらに、エッジトーン、エオルストーンの
制御を行なう場合の制御部40の構成を図21および図
22に示す。 [エッジトーン、エオルストーンの制御]図において、
ノイズ制御エンベロープ発生器52は、ノートオンNO
TE ON、イニシャルタッチINTT、アタックレベ
ルNIZEAS、ディケイレートNIZEDRおよびサ
スティンレベルNIZESLに従って、図22に示すエ
ンベロープ信号を生成し、これを乗算器M31へ供給す
る。乗算器M31は、上記エンベロープ信号にノイズゲ
インNCGAINを乗算し、これを乗算器M32へ供給
する。また、乗算器M33には、FCが供給されてお
り、これを1/127倍した後、上記乗算器M32へ供
給する。乗算器M32では、ノイズゲインNCGAIN
が乗算されたエンベロープ信号に上記FCを乗算し、こ
れをノイズコントロールパラメータNCPとして図10
に示す制御部41へ供給する。
【0048】[制御部41]次に、制御部41における
詳細な構成および動作について説明する。図23は、ジ
ェットの厚みを制御する際の制御部41の構成を示すブ
ロック図である。この図において、乗算器M35は、発
音する音色に応じて与えられたジェットの厚みZZと前
述した制御部40が出力するジェットの厚みJWPとを
乗算して、これをジェットの厚みZZ*として図10に
示すDSP42へ供給する。なお、DSP42には、図
9に示すアルゴリズムがインプリメントされている。ま
た、乗算器M36およびM37には、発音する音色に応
じて与えられたハイパスフィルタ係数HPFXV、ロー
パスフィルタ係数LPFXY、ローパスフィルタ係数L
PFWVおよびオールパスフィルタ係数APFWVが供
給されている。乗算器M36は、上記ハイパスフィルタ
係数HPFXV、ローパスフィルタ係数LPFXY、ロ
ーパスフィルタ係数LPFWVおよびオールパスフィル
タ係数APFWVの各々に、係数(1−a){なお、0
≦a≦1}を乗算し、これらを加算器A2へ供給する。
また、乗算器M37は、上記係数に係数aを乗算し、こ
れらを乗算器M38へ供給する。乗算器M38は、さら
に、前述した制御部40が出力するジェットの厚みJW
Pを乗算し、これらを加算器A2へ供給する。加算器A
2は、上記乗算器M36の出力および乗算器M38の出
力を加算し、それぞれ、ハイパスフィルタ係数HPFX
V*、ローパスフィルタ係数LPFXY*、ローパスフ
ィルタ係数LPFWV*およびオールパスフィルタ係数
APFWV*として図10に示すDSP42へ供給す
る。
【0049】次に、図24は、ジェットの速度を制御す
る際の制御部41の構成を示すブロック図である。この
図において、乗算器M38は、発音する音色に応じて与
えられたジェットがスリット−エッジ間を進むのに要す
る遅延量τDLYと前述した制御部40が出力するジェ
ットの速度JSPとを乗算して、これを乗算器M39へ
供給する。乗算器M39では、上記乗算結果に係数「−
1」を乗算し、これを加算器A3へ供給する。加算器A
3では、さらに、「1」を加えて、これを乗算器M40
へ供給する。乗算器M40では、パイプの長さを示す遅
延量NDLYを乗算した後、これを遅延量τDLY*と
して図10に示すDSP42へ供給する。
【0050】また、乗算器M41およびM42には、発
音する音色に応じて与えられたハイパスフィルタ係数H
PFZJ、フィードフォワードコムファイルタ係数FF
CE0およびFFCENが供給されている。乗算器M4
1は、上記ハイパスフィルタ係数HPFZJ、フィード
フォワードコムファイルタ係数FFCE0およびFFC
ENの各々に、係数(1−a){なお、0≦a≦1}を
乗算し、これらを加算器A4へ供給する。また、乗算器
M42は、上記係数に係数aを乗算し、これらを乗算器
M43へ供給する。乗算器M43は、さらに、前述した
制御部40が出力するジェットの速度JSPを乗算し、
これらを加算器A4へ供給する。加算器A4は、上記乗
算器M41の出力および乗算器M43の出力を加算し、
それぞれ、ハイパスフィルタ係数HPFZJ*、フィー
ドフォワードコムファイルタ係数FFCE0*およびF
FCEN*として図10に示すDSP42へ供給する。
【0051】次に、図25は、ジェットの傾きを制御す
る際の制御部41の構成を示すブロック図である。この
図において、乗算器M44およびM45には、非線形テ
ーブルを読み出すアドレスのオフセットOFFSETが
供給されている。乗算器M44は、上記オフセットOF
FSETに、係数(1−a){なお、0≦a≦1}を乗
算し、これらを加算器A5へ供給する。また、乗算器M
45は、上記オフセットOFFSETに係数aを乗算
し、これらを乗算器M46へ供給する。乗算器M46
は、さらに、前述した制御部40が出力するジェットの
傾きJAPを乗算し、これらを加算器A5へ供給する。
加算器A5は、上記乗算器M44の出力および乗算器M
46の出力を加算し、オフセットOFFSET*として
図10に示すDSP42へ供給する。
【0052】次に、図26はノイズを制御する際の制御
部41の構成を示すブロック図である。この図におい
て、乗算器M47は、エッジトーンおよびエオルストー
ンの出力振幅を制御する乗算係数と制御部40が出力す
るジェットの厚みJWPとを乗算して、これを振幅制御
乗数NGAMP*として図10に示すDSP42へ供給
する。また、乗算器M48およびM49には、ローパス
フィルタ係数LPFNGが供給されている。乗算器M4
8は、上記ローパスフィルタ係数LPFNGに、係数
(1−a){なお、0≦a≦1}を乗算し、これらを加
算器A6へ供給する。また、乗算器M49は、上記ロー
パスフィルタ係数LPFNGに係数aを乗算し、これら
を乗算器M50へ供給する。乗算器M50は、さらに、
前述した制御部40が出力するノイズ制御パラメータN
CPを乗算し、これを加算器A6へ供給する。加算器A
6は、上記乗算器M48の出力および乗算器M50の出
力を加算し、ローパスフィルタ係数LPFNG*として
図10に示すDSP42へ供給する。
【0053】また、図27は図9における遅延量NをD
SP42に与えるための演算部を示すブロック図であ
る。図において、キーコード−遅延量変換回路53は、
供給されたキーコードKCを演算または予め用意された
テーブル値に基づいて、遅延量Nを読み出し、これを図
10に示すDSP42へ供給する。
【0054】このように、制御部41では、受け取った
ジェットに関する3つのパラメータ(厚み、速度、傾
き)とノイズパラメータNCPおよびキーコードKC
(遅延量N)とからDSP42への各パラメータを計算
して供給する。この対応を表1に示す。
【表1】 該表1において、キースケーリングする場合には、全パ
ラメータをDSP42へ供給する。ジェットの厚みを制
御する場合には、非線形テーブルの出力の大きさを制御
する乗算係数であるジェットの厚みZZ,ハイパスフィ
ルタ係数HPFXV,ローパスフィルタ係数LPFX
V,LPFWV,オールパスフィルタ係数APFWVを
供給し、ジェットの速度を制御する場合には、ハイパス
フィルタ係数HPFZJ,フィードフォワードコムフィ
ルタ係数FFCEτ,FFCE0,遅延量τDLY2
供給する。また、ジェットの傾きを制御する場合には、
オフセットOFFSETを供給し、ノイズパラメータN
CPを制御する場合には、ローパスフィルタ係数LPF
NGおよびエッジトーンおよびエオルストーンの出力振
幅を制御する乗算係数NGAMPを供給する。
【0055】なお、上述した実施例において、ジェット
リードの非線形関数は、以下のような関数を直接演算し
てもよい。 NL1 Qe=−Ga・tanh(Gb・ξe) ここで、Ga、Gbは所定の定数である。 NL2 Nac=Gc/(|ξe|)1/2 ここで、ξe≠0であり、Gcは所定の定数である。
【0056】また、線形部のモデルは直管のみでなく、
トーンホール付きの管をモデル化し、ピッチの制御を行
なってもよい。この場合、管体線形部は、図28に示す
構成となる。この図において、シフトレジスタSR1,
SR2,...,SR6は、遅延素子を構成し、加算器
A10はトーンホールにおけるジャンクションを実現す
る。また、非線形部の出力がフルート吹口を考慮して、
管体をプラグ側に分岐して入力されるように構成しても
よい。この場合、図6のブロックBに示す管体線形部は
図29に示す構成となる。この図において、シフトレジ
スタSR7,SR8,...,SR12および加算器A
11は、各々、上記図28と同様に、フルート吹口にお
ける遅延素子を構成するとともにジャンクションを実現
する。
【0057】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1および
2記載の発明によれば、入力される信号に対して発生し
ようとする楽音の周波数に対応する遅延を与えて出力す
る線形部と、所定の非線形関数に従って、入力される信
号を変換して出力する非線形部とを備え、前記線形部お
よび非線形部を接続することによりループを形成し、該
ループに所定の駆動信号を与え、該駆動信号がループを
巡回した信号を楽音信号として取り出すようにした電子
楽器において、前記非線形部に遅延手段を挿入し、制御
手段がこの遅延手段の遅延時間を演奏情報に応じて制御
するため、ジェットリード楽器特有の楽音を発生するこ
とができるという利点が得られる。また、ジェットがス
リット−エッジ間を進むのに要する時間がジェット速度
に応じて異なるという現象を忠実に模倣できるため、ジ
ェットリード楽器を忠実に模倣できるという利点もあ
る。また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載
の発明において、ノイズ発生手段を備え、該ノイズ発生
手段が発生するノイズ信号を前記非線形部に供給するよ
うにしたため、ジェットリード楽器特有の楽音を発生す
ることができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のジェットリード楽器の構
成を示すブロック図である。
【図2】 同実施例の楽音合成回路11の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】 ジェットリード楽器の一例としてのオルガン
パイプの発音機構を説明するための管体断面図である。
【図4】 (a)、(b)、(c)はジェットによって
パイプ内に運ばれて来る空気の直流的な体積流速の機構
を説明するための概念図であり、(d)および(e)は
パイプのエッジに生じる体積流速の機構を説明するため
の概念図である。
【図5】 図4(a)〜(e)における体積流速の駆動
源Qeを表す関数F(ξe)を説明するための図であ
る。
【図6】 ジェットリード楽器のアルゴリズムを示すブ
ロック図である。
【図7】 図2に示す非線形部14を構成する非線形テ
ーブル21のデータを示す図である。
【図8】 図2に示す非線形部14を構成する非線形テ
ーブル31のデータを示す図である。
【図9】 図6に示すアルゴリズムをより実際的で詳細
なアルゴリズムにした場合の構成を示すブロック図であ
る。
【図10】 図6に示す系を従来のシンセサイザ鍵盤で
演奏することを考えた場合の制御系の構成を示すブロッ
ク図である。
【図11】 図10に示す制御部40のジェットの厚み
制御を行なう場合の構成を示すブロック図である。
【図12】 図11に示す構成によって得られるジェッ
ト厚みエンベロープ信号を示す波形図である。
【図13】 図11に示す構成によって得られるノイズ
エンベロープ信号を示す波形図である。
【図14】 図10に示す制御部40のジェットの速度
制御を行なう場合の構成を示すブロック図である。
【図15】 図14に示す構成によて得られるジェット
速度エンベロープ信号の波形図である。
【図16】 図14に示す構成によって得られるノイズ
エンベロープ信号を示す波形図である。
【図17】 図14に示すベンドテーブルの構成を示す
概念図である。
【図18】 図10に示す制御部40のジェットの傾き
制御を行なう場合の構成を示すブロック図である。
【図19】 図17に示す構成によて得られるジェット
傾きエンベロープ信号の波形図である。
【図20】 図17に示す構成によって得られるノイズ
エンベロープ信号を示す波形図である。
【図21】 エッジトーン、エオルストーンの制御を行
なう場合の制御部40の構成を示すブロック図である。
【図22】 図21に示す構成によって得られるノイズ
制御エンベロープ信号の波形図である。
【図23】 ジェットの厚みを制御する際の制御部41
の構成を示すブロック図である。
【図24】 ジェットの速度を制御する際の制御部41
の構成を示すブロック図である。
【図25】 ジェットの傾きを制御する際の制御部41
の構成を示すブロック図である。
【図26】 ノイズを制御する際の制御部41の構成を
示すブロック図である。
【図27】 図9における遅延量NをDSP42に与え
るための演算部を示すブロック図である。
【図28】 線形部がトーンホール付きの管である場合
における、管体線形部の構成を示すブロック図である。
【図29】 非線形部の出力がフルート吹口の場合にお
ける、図6のブロックBに示す管体線形部の構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
13……線形部、14……非線形部、15……インター
ラクション部、16……遅延回路(遅延手段)、17…
…エッジトーン(エオルストーン)発生器(ノイズ発生
手段)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される信号に対して発生しようとす
    る楽音の周波数に対応する遅延を与えて出力する線形部
    と、 所定の非線形関数に従って、入力される信号を変換して
    出力する非線形部とを備え、前記線形部および非線形部
    を接続することによりループを形成し、該ループに所定
    の駆動信号を与え、該駆動信号がループを巡回した信号
    を楽音信号として取り出すようにした電子楽器におい
    て、 前記非線形部に挿入された遅延手段と、 前記遅延手段の遅延時間を演奏情報に応じて制御する制
    御手段とを具備する ことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 ノイズ発生手段を備え、該ノイズ発生手
    段が発生するノイズ信号を前記非線形部に供給すること
    を特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
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