JP2900089B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP2900089B2 JP2317466A JP31746690A JP2900089B2 JP 2900089 B2 JP2900089 B2 JP 2900089B2 JP 2317466 A JP2317466 A JP 2317466A JP 31746690 A JP31746690 A JP 31746690A JP 2900089 B2 JP2900089 B2 JP 2900089B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、特に、自然楽器の管楽器の楽音発生機構
をシミュレートし、自然楽器特有の楽音を合成する楽音
合成装置に関する。
「従来の技術」 従来、純粋に自然楽器音をシミュレートする音源方式
としては、自然楽器のいくつかの状態の波形を記憶手段
に記憶しておき、発音時にそれを読み出すいわゆる“波
形メモリ方式”の音源がある。この種の技術は、例え
ば、特公昭60−4994号などに開示されている。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上述した“波形メモリ方式”においては、
基本的には記憶手段に記憶してある波形以外のものは出
力できず、タッチなどに応じて変化させるためには、膨
大な量の波形メモリを有するか、あるいは上述した公報
にみられるように、複数の波形を補間することによって
さまざまな情報を出力波形に反映させなければならない
という問題を生じる。
また、上述したような方法においても、それぞれの周
波数特性は非常に異なっており、波形形状、周波数特性
および振幅においてもダイナミックレンジの広い波形を
予め用意しておくか、あるいは大きな変化を付加できる
波形変化回路を備えなければ、自然楽器らしい音色変化
を実現することは難しい。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、回
路構成を複雑にすることなく、最終的に変化範囲の広い
楽音が合成できる楽音合成装置を提供することを目的と
している。
「課題を解決するための手段」 上述した問題点を解決するために、請求項1記載の発
明では、少なくとも遅延手段を閉ループ接続した閉ルー
プ手段と、励振信号を発生し、該励振信号を前記閉ルー
プ手段に入力する励振信号発生手段と、前記励振信号に
基づき時変動する波形信号を発生し、該波形信号を前記
閉ループ手段に入力する波形信号発生手段と、を具備
し、前記閉ループ手段を循環する信号を楽音信号として
出力することを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明におい
て、前記波形信号発生手段が、発生すべき楽音信号のピ
ッチに応じた波形信号を発生するものであることを特徴
とする。
「作用」 請求項1記載の発明によれば、励振信号発生手段は励
振信号を発生させ、少なくとも遅延手段が閉ループ接続
された閉ループ手段に対してこの励振信号を入力する。
一方、波形信号発生手段は、励振信号に基づき時変動す
る波形信号を発生させて、この波形信号を閉ループ手段
に入力する。こうして閉ループ手段を信号が循環するよ
うになるので、この信号を楽音信号として出力する。こ
れによれば、例えば閉ループ手段で管楽器の管体内にお
ける空気圧力波の伝播遅延と空気の流れをシミュレート
するとともに、励振信号を口内圧力に対応させて発生さ
せ、この励振信号に基づいて時変動するリード開度に応
じた波形信号を発生させることで、管楽器の励振機構を
忠実にシミュレートすることが可能となる。
また、請求項2記載の発明によれば、波形信号を発生
すべき楽音信号のピッチに応じて発生することができる
ので、より精密な自然楽器の管楽器のシミュレートを行
うことが可能となる。
「実施例」 次に図面を参照してこの発明の実施例について説明す
る。第1図(a)〜(c)はトランペットなどの管楽器
の励振機構をシミュレートする回路の概念図である。
〔シミュレートの概念〕
一般に、トランペットなどの管楽器のマウスピース部
におけるリードの振動は、縦軸にリード開度(スリット
開度)、横軸に時間tをとると、第1図(a)に示すよ
うに正弦波関数となる。すなわち、空気が狭い空間
(唇)およびマウスピースの開口部を通ると、リードは
正弦波関数状に振動する。この波形の一番上がもっとも
空いている状態で、一番下が閉じている状態である。
実際の空気は、上記リード開度に応じてマウスピース
の開口部を通りにくくなったり、通りやすくなったりす
る。すなわち、スリットが閉じているほど、通過する空
気に対する抵抗が大きくなり、スリットが空いているほ
ど抵抗が小さくなる。ここで、リード開度を空気の抵
抗、すなわちインピーダンスに変換する関数として同図
(b)に示すRs(s)を定義する。この関数Rs(s)に
上記リード開度sを通すことによって、該リード開度s
の変化に応じた抵抗変化Rsが得られる。この抵抗変化Rs
を可変抵抗に置き換えることによって、同図(c)の閉
ループ回路が得られる。この閉ループ回路は、管楽器の
発音モデルをシミュレートしたものである。また、電源
Pは、口内圧力(直流情報)をシミュレートしたもので
あり、さらに、インピーダンスZL(ω)は、管体のイ
ンピーダンス、すなわちマウスピースからみた管体の抵
抗である。言い換えると、電流に相当する体積流速fが
唇の振動によるインピーダンスの変化によって変調され
て閉ループ回路を巡回する。
実際には、関数Rs(s)は口内圧力Pに応じた非線形
関数であり、このため同じsでもPの違いによって出力
される抵抗Rsが異なってくる。インピーダンスZL
(ω)は周波数ωの関数である。したがって、上述した
回路は、単純にオームの法則による割算によって解くこ
とはできず、演算量が飛躍的に増加してしまう。
そこで、演算量を減少させて高速演算を可能にするた
めに、第1図に示すモデルを非線形方程式の解として解
く必要がある。次に、これらのことを考慮して実際の回
路への置き換えについて説明する。
〔実際の回路への置換方法〕
あるリード開度sにおける振動を周波数分析すると、
所定の周波数の位置にピークがいくつか現れる。このピ
ークの部分には、当然、振動の周波数情報が多く含まれ
ている。そこで、上記ピーク以外の部分における周波数
情報はないものと見なし、リード開度sがほぼ調和振動
であると仮定する。このように仮定すると、その調和振
動に相当する周波数においては、インピーダンスZL
(ω)は、単なる抵抗であり、リアクタンス成分を含ま
ないものと見なせる。したがって、上記リード開度sの
ピークに重なるようなピークを有する定数ZLPを設定す
ることにより、該定数ZLPによって上記インピーダンス
ZL(ω)を代表することができる。なお、リード開度
sが調和振動であるという仮定は、一方法であって、他
の方法によってもよい。
ここで、管体を流れる空気の体積速度について説明す
る。所定の圧力差が所定の間隙に加わった時の体積速度
fは、次の式によって表される。
f=s・b・sign(p−q)(2・|p−q|/ρ)1/2 ……(1) ここで、sはリード開度、bは実効リード幅、pは口
内圧力、qは口内からみてリード部のすぐ外側のマウス
ピース内の圧力、signは符号を得る関数である。上記マ
ウスピース内圧力qは、第1図において、オームの法則
によりf・ZL(ω)で求められる。また、ρは空気の
密度である。上記(1)式より、ある状態において、口
内圧力pが加えられると、その瞬間にマウスピース内に
は、f=s・b(2・p/ρ)1/2の体積の空気が流れ込
む。この空気は、マウスピースから管体の方に伝播して
いき、その一部は、反射されてマウスピース内に戻り、
該マウスピース内に所定の圧力qを生じさせる。マウス
ピース内の圧力qは、次の式によって求められる。
q=f・ZLP ……(2) 上記(2)式を(1)式に代入すると、帰納的に、次
の体積速度f(閉ループ回路を一巡した後の体積速度
f)が得られる。
以上、説明したことを基本回路に置き換えると、第2
図に示すような構成となる。この図において、口内圧力
pは、減算器1の一方の入力端へ供給される。また、こ
の減算器1の他方の入力端には、閉ループ回路LPを一巡
することによって得られるマウスピース内圧力qが供給
される。減算器1では、上記口内圧力pをマウスピース
内圧力qを減算し、実際の管体を循環する差圧(p−
q)を求める。この差圧は、関数部2へ供給される。こ
の関数部2は、前述した(1)式の(2・p/ρ)1/2
部分を実現するための関数である。したがって、この関
数部2は、(2・|p−q|/ρ)1/2を乗算器3の一方の入
力端へ供給する。
一方、リード開度sは、乗算器4の一方の入力端に供
給される。この乗算器4の他方の入力端には、実効リー
ド幅bが供給される。乗算器4は、リード開度sと実効
リード幅bとを乗算し、この演算結果(s・b)を上述
した乗算器3の他方の入力端に供給する。この乗算器3
では、演算結果(s・b)と(2・|p−q|/ρ)1/2とを
乗算し、体積流速fを求め、これを乗算器5の一方の入
力端へ供給する。乗算器5の他方の入力端には、変数Z
LPが供給されており、この乗算器5では、マウスピース
内圧力qが求められる。このマウスピース内圧力qは、
フィルタ6を介して上述した減算器1の他方に供給され
る。フィルタ6は、本実施例ではフィードバックループ
を有しているので、発振を起こす可能性があるため、こ
れを防ぐために挿入されている。なお、このフィルタ6
の特性は、一般に、低域通過特性(ローパスフィルタ特
性)を有していることが望ましい。また、ディジタル回
路においては、遅延の存在しないループ(ディレイフリ
ーループ)が形成されると、計算が不能になってしまう
ことがある。この実施例では、フィルタ6を挿入するこ
とによって、自動的に遅延回路が挿入されるものとして
いる。また、通常の管楽器は、直流成分の伝達関数は
「0」であるので、それを実現するためにHPF(ハイパ
スフィルタ)を付加してもよい。この場合には、第2図
に示すフィルタ6は、帯域通過特性を有することにな
る。
次に、上述した第2図に示す概念を、より現実的な回
路への置き換えについて、第3図に示すブロック図を参
照して説明する。
〔第1の実施例〕 この図において、第2図に示す概念図と相違点は、リ
ード開度sの合成する回路が付加されたこと、および変
数ZLPを定数で置き換えずにウェーブガイドネットワー
クによって構成している点である。ウェーブガイドネッ
トワークは、周波数の関数になっているため、ZLPをリ
アルタイムで演算できる。
口内圧力pは、減算器1の一方の入力端およびアドレ
ス生成回路7へ供給される。アドレス生成回路7には、
他のキーオン信号KON、キーオフ信号KOFF、ピッチ情報
C(セント情報)およびアンブシュア信号Eが供給され
る。このアドレス生成回路7は、これらの情報に基づい
てアドレスADを生成し、これをパラメータ記憶回路8へ
出力する。パラメータ記憶回路8は、RAM(Ramdam Acce
ss Memory)またはROM(Read Only Memory)などの記憶
素子によって構成されており、この記憶素子には上述し
たキーオン信号KON、キーオフ信号KOFF、ピッチ情報C
(セント情報)およびアンブシュア信号Eの情報に基づ
いたFM合成のための各種パラメータが所定のアドレス毎
に記憶されている。したがって、アドレスADが供給され
ると、該アドレスADに記憶されたパラメータがFM(Freq
uency modulation)合成回路9へ供給される。FM波形合
成法は、簡単なハードウエアと少ないパラメータを用い
て、複雑な倍音構造を有する楽音を生成することができ
る合成方法であり、その性質上、調和倍音の合成に向い
ている。このため、本実施例では、リード開度sの関数
の合成装置として用いている。
FM合成回路9は、上記パラメータに応じてFM波形合成
を行い、その波形をリード開度sとしてローカルフィー
ドバック系の乗算器4の一方の入力端へ与える。なお、
図示のように、ノイズ信号を重畳して乗算器4に与える
ようにしてもよい。
また、アンブシュア信号Eは、変換回路10にも供給さ
れる。変換回路10は、アンブシュア信号Eを実効リード
幅情報bに変換し、これを乗算器4の他方の入力端に供
給する。これは、楽器によっては、アンブシュアの違い
によりリード幅が変化する場合があるので、これをシミ
ュレートするためである。なお、アンブシュア信号Eの
状態によっては、実効リード幅情報bに変化が生じない
場合があり、このような時には、変換回路10を省略する
か、あるいは単に乗算器4によって係数を合せるだけで
もよい。また、フィルタ6の出力は、係数Zを有する乗
算器11およびジャンクションJAを介して管体形成回路
(または、ウエブガイドネットワーク)12へ供給され
る。
ジャンクションJAでは、管体形成回路12の出力信号と
乗算器の出力信号が加算器13によって加算された後に再
び管体形成回路12に供給され、また、加算器13の出力信
号と管体形成回路12の出力信号が加算器14によって加算
されて減算器1の他方の入力端に供給される。
このようにして合成された波形信号は、ジャンクショ
ンJAを介して、管体形成回路12を含めたループ回路を循
環する。この波形信号WSは、この例の場合には、管体形
成回路12から取り出される。
次に、上述した管体形成回路12について、第4図に示
すブロック図を参照して説明する。
〔管体形成回路〕
この図において、管体形成回路12は、共鳴管における
空気圧力波の伝播遅延をシミュレートした遅延回路15−
1,15−1,15−2,15−2,……,15−n,15−nと、これら遅
延回路間に介挿されたジャンクション16−1,16−2,…
…,16−n−1と、ローパスフィルタ17と、共鳴管の終
端部において空気圧力波の反射をシミュレートしたイン
バータ18およびハイパスフィルタ19からなる。上記遅延
回路15−1,15−1,15−2,15−2,……,15−n,15−nは、
シフトレジスタから構成されており、該シフトレジスタ
を構成する段数により遅延量が設定される。遅延量は、
図示しないCPUにより設定され、各々、遅延量d1,d2,…
…dnとして遅延回路15−1,15−1,15−2,15−2,……,15
−n,15−nに供給される。また、上記ジャンクション16
−1,16−2,……,16−n−1には、各々、所定の乗算係
数k1,k2,……,kn−1が供給されており、これらジャン
クション16−1,16−2,……,16−n−1は、共鳴管にお
いて管の径が変化している箇所で発生する空気圧力波の
散乱をシミュレートする。
体積流速fは、最終段の遅延回路15−nから出力され
た後、ローパスフィルタ17を通って管端で反射するもの
と、ハイパスフィルタ19を通って後述する音響信号を得
るための回路へ出力されるものとに分れる。上記ローパ
スフィルタ17およびハイパスフィルタ19には、各々、そ
れぞれのフィルタリング特性を決定するためのフィルタ
係数FC.L,FC.Hが供給される。ここで、ハイパスフィル
タ19を通しているのは、自然楽器からの放射インピーダ
ンス特性が高域通過特性を有しているためである。
なお、上述した遅延量d1,d2,……dn、乗算係数k1,k2,
……,kn−1およびフィルタ係数FC.L,FC.Hは、操作子か
らのキーコードKC、アンプシュアEおよび口内圧力Pな
どに基づいて演算が行なわれた結果、与えられる。
上述した構成によれば、アドレス生成回路7は、口内
圧力p、キーオンKON、キーオフKOFF、セント情報Cお
よびアンブシュア信号Eに基づいてFM合成回路9のパラ
メータを読み出すためのアドレスADを生成し、パラメー
タ記憶回路8へ供給される。口内圧力pが供給されてい
るのは、管楽器によっては、例えば、口内圧力が高い
と、リード開度の波形が変化する(歪む)ためである。
パラメータ記憶回路8は、上記アドレスADによってアク
セスされ、該アドレスADに記憶されているパラメータが
FM合成回路9へ供給される。FM合成回路9では、上記パ
ラメータに基づいてリード開度sを生成し、これを直接
またはノイズ信号を付加して乗算器4へ供給する。
一方、減算器1においては、口内圧力pからジャンク
ションJAを介して供給されるマウスピース内圧力qが減
算される。初期段階においては、マウスピース内圧力q
は、「0」であるため、口内圧力pがそのまま関数部2
へ供給される。関数部2は、(2・|p−q|/ρ)1/2を求
め、これを乗算器3へ供給する。
また、変換回路10は、アンブシュア信号Eを実効リー
ド幅情報bに変換し、これを乗算器4の他方の入力端に
供給する。乗算器4では、リード開度sと実効リード幅
情報bとを乗算し、(s・b)を求め、これを乗算器3
へ供給する。この乗算器3では、上記演算結果の(s・
b)と(2・|p−q|/ρ)1/2とを乗算して体積流速fを
求める。この体積流速fは、フィルタ6、乗算器11およ
びジャンクションJAを介して管体形成回路12へ供給され
る。管体形成回路12では、遅延回路15−1,15−1,15−2,
15−2,……,15−n,15−nおよびジャンクション16−1,1
6−2,……,16−n−1を介して、上記体積流速fが巡回
し、再び、ジャンクションJAを介してマウスピース内圧
力qとして減算器1へ供給される。以下、関数部2、フ
ィルタ6、ジャンクションJAおよび管体形成回路12等か
らなるループ回路を体積流速fが巡回する。また、管体
形成回路12のハイパスフィルタ19は、該管体形成回路12
を巡回する信号を音響信号に変換するための回路へ出力
する。
そして、キーオフ信号KOFFが供給されると、楽音を徐
々に絞っていくような上述した動作と同様の処理が行わ
れる。
ここで、管体を形成するウェーブガイドネットワーク
は、第4図に示すような金管楽器的なものだけでなく、
管の途中に孔をあけることによって音程を形成する木管
楽器的なモデルをも実現することができる。第5図は、
管体に開いた孔をシミュレートする3ポートジャンクシ
ョンの構成を示すブロック図である。
〔3ポートジャンクション〕 この図において、遅延回路20および21は、トーンホー
ルの筒状の部分における空気圧力波の伝播遅延をシミュ
レートしたもので、筒状部分の高さに応じて、その遅延
量が決められている。また、ローパスフィルタ22は、ト
ーンホールの終端部での反射に伴う音響損失をシミュレ
ートする。減算器23および乗算器24により、管体からト
ーンホールへの空気圧力波の流出およびトーンホールか
ら管体への空気圧力波の流入が制御される。
管体における孔の位置およびその数は、キーコードKC
によって決定される。また、これらの情報は、記憶装置
を用いたテーブルに記憶される。
次に、さらに簡略化したモデルを実現する回路につい
て、第6図に示すブロック図を参照して説明する。
〔第2の実施例〕 ここで、簡略化するために、第1図に示す管体のイン
ピーダンスZL(ω)を無視すると、体積流速fは、リ
ードを挟んだ両側(マウスピースと管体)の圧力差をリ
ード通過時の抵抗で除算することによって得られる。そ
こで、第6図に示す構成では、口内圧力pは、減算器1
の一方の入力端およびアドレス生成回路35へ供給され
る。アドレス生成回路35には、他のキーオン信号KON、
キーオフ信号KOFFおよびアンブシュア信号Eが供給され
る。このアドレス生成回路35は、これらの情報に基づい
てアドレスADを生成し、これを波形メモリ36へ出力す
る。波形メモリ36は、RAM(Ramdam Access Memory)ま
たはROM(Read Only Memory)などの記憶素子によって
構成されており、この記憶素子には上述したキーオン信
号KON、キーオフ信号KOFF、ピッチ情報C(セント情
報)およびアンブシュア信号Eの情報に基づいたリード
開度sがアドレス毎に記憶されている。したがって、ア
ドレスADが供給されると、該アドレスADに記憶されたリ
ード開度sが変換回路37へ供給される。
変換回路37は、上記リード開度sを前述したリード通
過時の抵抗Rsに変換し、これを除算器38の一方の入力端
へ供給する。この除算器38の他方の入力端には、減算器
1が出力するマウスピースと管体との圧力差に相当する
信号が供給されており、この圧力差を抵抗Rsで除算する
ことによって体積流速fを算出し、これを除算器11へ供
給する。なお、ジャンクションJAおよび管体形成回路12
は、第3図に示したものと同等である。また、変換回路
37による変換は、単なる逆数演算にすることができるた
め、除算器38と含めて、1つの乗算器で置き換えてもよ
い。ハードウエアによる構成では、除算器より乗算器の
方が簡単に構成できるため、上記のような置き換えは有
用である。
次に、本発明の第3の実施例について、第7図に示す
ブロック図を参照して説明する。
〔第3の実施例〕 第7図は、第2図に示す概念をそのまま回路に置き換
えた構成のブロック図である。この実施例の場合、リー
ドの部分のシミュレートは、第6図と違って、近似を用
いずに、前述した(1)式を実現するような構成となっ
ている。ただし、管体のインピーダンスの形成には、第
3図に示す第1の実施例の管体形成回路12を用いずに、
ZL(ω)を近似した変数ZLPを用いている。該変数ZL
Pは、乗算器5の一方の入力端に供給されている。な
お、波形メモリ36の出力は、口内圧力Pによってスケー
リングしてもよい。
次に、上述した第3図、第6図および第7図に示す励
振系が出力する体積流速fを楽音信号に変換する回路に
ついて、第8図に示すブロック図を参照して説明する。
〔流速fから音響出力を得るための回路〕
この図において、変換部40は、伝達関数ZL(ω)を
有しており、管体形成回路12を巡回している体積流速f
を圧力qに変換し、変換部41へ供給する。変換部41は、
伝達関数HL(ω)を有しており、上記圧力qを管体か
らの放射インピーダンスを示すハイパスフィルタを通す
ことによって楽音信号WSに変換して出力する。
次に、上述した各実施例において用いた管体操作子に
ついて、第9図(a)に示す管体操作子の外観図、同図
(b)に示すマウスピース内部の構造を示す拡大斜視図
を参照して説明する。
〔本実施例に用いた管体操作子〕
第9図(a)において、マウスピース45aの内部に
は、第9図(b)に示すようにカンチレバー45cおよび
圧力センサ45dが設けられている。カンチレバー45cに
は、吹奏者がマウスピース45aを咥えた時にリードへ与
える圧力(アンブシュア)を検出し、これをアンブシュ
ア信号Eとして出力する。一方、圧力センサ45dは、マ
ウスピース45a内へ吹込まれた息圧を検出し、これを吹
奏圧信号Pとして出力する。また、第9図(a)に示す
操作子45bは、吹奏者の演奏に応じてキーコードKCを発
生するスイッチ群(以下、キースイッチと呼ぶ)から構
成されている。これらの信号は、第10図に示す情報変換
回路へ供給される。
〔情報変換回路〕
情報変換回路は、メモリ、インターフェイスおよびA/
D変換器等を有するマイクロコンピュータ(情報変換回
路)46から構成されている。
上記信号は、マイクロコンピュータ46内のA/D変換器
によってデジタル信号に変換され、スケーリングなどの
処理が施された後、音源に与えるそれぞれの信号(アン
ブシュア信号E、吹奏圧信号PおよびキーコードKC)に
変換される。キーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFF
は、圧力センサ45dが検出して信号が予め設定された一
定値を越えているか否かを判断することによって得られ
る。また、セント値Cは、基本的にはキースイッチ45b
の組合せによるキーコードKCから得られるともに、自然
楽器の吹奏感を出すために、他の吹奏圧信号P、アンブ
シュア信号Eによって修飾される。
次に、リード開度sを単独で操作できるようにした第
4の実施例について、第11図に示すブロック図を参照し
て説明する。
〔リード開度をより正確に求める第4の実施例〕 前述した第1ないし第3の実施例では、リード開度s
は直接、波形メモリやFM合成回路から与えるようにした
が、この実施例では、リードに関する特性を単独で操作
できるように構成されている。第11図は、本実施例の構
成の一部を示すブロック図である。
この図において、アドレス生成回路7は、第3図に示
したものと同等の回路であり、キーオン信号KON、キー
オフ信号KOFF、キーコードKC、吹奏圧信号Pおよびアン
ブシュア信号Eに基づいて、波形メモリ50のアドレスAD
を出力する。波形メモリ50には、リードに与える力に相
当する波形が記憶されており、上記アドレスADに応じて
上記信号に対応する波形をフィルタ51へ供給する。
一方、アンブシュア情報変換回路52は、アンブシュア
信号Eに応じて、カットオフ周波数frおよび共振周波数
Qをフィルタ51へ供給するとともに、オフセットOFFを
加算器53の一方の入力端に供給する。したがって、フィ
ルタ51には、アンブシュアEに応じたフィルタ特性が設
定される。
上述したリードに与える力に相当する波形は、フィル
タ51を通ることによってリードの変位に相当する信号
(以下、リード変位信号)に変換されて加算器53の他方
の入力端に供給される。加算器53では、リード変位信号
がオフセットOFFによって補正されてスリットテーブル5
4へ供給する。スリットテーブル54には、リード変位と
リード開度sとの関係が第12図に示す非線形関数として
記憶されており、上記補正されたリード変位信号が供給
されると、該リード変位信号に対応したリード開度sが
出力される。
次に、上述した第4の実施例の変形例について、第13
図に示すブロック図を参照して説明する。
〈フィードバックを追加した変形例〉 第13図は、上述した第11図に示す回路にフィードバッ
クを加え、より自然楽器に近い挙動を示すようにしたも
のである。すなわち、波形メモリ50とフィルタ51との間
に加算器55を介挿し、スリットテーブル54が出力するリ
ード開度sを乗算器56(乗算β)を介して上記加算器55
へフィードバックする。
このようにすることで、静止した状態のリードは動き
にくく、一旦、動き出したリードは動きやすいというヒ
ステリシスの特性が得られる。この結果、より忠実な楽
音合成が実現できる。
なお、フィードバックの代りに、エンベロープ制御さ
れたノイズ信号を付加するようにしてもよい。
また、上述した全実施例において、ノイズ信号を付加
する位置は図示に限定されるものでなく、それぞれの状
況に応じて決めてよい。
「発明の効果」 以上、説明したように、この発明によれば、少なくと
も遅延手段を閉ループ接続した閉ループ手段と、励振信
号を発生し、該励振信号を前記閉ループ手段に入力する
励振信号発生手段と、前記励振信号に基づき時変動する
波形信号を発生し、該波形信号を前記閉ループ手段に入
力する波形信号発生手段と、を具備し、前記閉ループ手
段を循環する信号を楽音信号として出力するようにし
た。したがって、例えば閉ループ手段で管楽器の管体内
における空気圧力波の伝播遅延と空気の流れをシミュレ
ートするとともに、励振信号を口内圧力に対応させて発
生させ、この励振信号に基づいて時変動するリード開度
に応じた波形信号を発生させることにより、簡易な構成
で、自然楽器の管楽器の励振機構を忠実にシミュレート
できる。すなわち、『リードが正弦波関数状に振動する
とともに、この振動が口内圧力によって変化する』とい
う実際の管楽器における現象を忠実にシミュレートでき
るため、自然楽器の管楽器に非常に近似した楽音を合成
することができる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1図(a)〜(c)はトランペットなどの管
楽器の励振機構をシミュレートする回路の概念図、第2
図は第1図に示す概念を基本的な回路に置き換えた場合
の構成を示すブロック図、第3図はさらに現実的な回路
へ置き換えた第1の実施例の構成を示すブロック図、第
4図は管体形成回路の構成を示すブロック図、第5図は
管体に開いた孔をシミュレートする3ポートジャンクシ
ョンの構成を示すブロック図、第6図はさらに簡略化し
たモデルを実現した第2の実施例の構成を示すブロック
図、第7図は第2図に示す概念をそのまま回路に置き換
えた第3の実施例の構成を示すブロック図、第8図は第
3図、第6図および第7図に示す励振系が出力する体積
流速fを楽音信号に変換する回路の構成を示すブロック
図、第9図(a)は管体操作子の外観図、第9図(b)
はマウスピース内部の構造を示す拡大斜視図、第10図は
管体操作子が出力する各種信号を所定の形式に変換する
情報変換回路の構成を示すブロック図、第11図はリード
開度sを単独で操作できるようにした第4の実施例の構
成を示すブロック図、第12図は同実施例のスリットテー
ブル54に記憶されているリード変位とリード開度sとの
関係を示す非線形関数を説明するための図、第13図は第
4の実施例にフィードバックを追加した変形例の構成を
示すブロック図である。 1……減算器(閉ループ手段)、3……乗算器(閉ルー
プ手段)、6……フィルタ(閉ループ手段)、9……FM
合成回路(波形信号発生手段)、12……管体形成回路
(閉ループ手段)、7……アドレス生成回路(波形信号
発生手段)、15−1,15−1,15−2,15−2,…,15−n,15−
n……遅延回路(遅延手段)、16−1,16−2,…,16−n
−1……ジャンクション、35……アドレス生成回路(波
形信号発生手段)、36……波形メモリ(波形信号発生手
段)、38……除算器、45d……圧力センサ(励振信号発
生手段)、p……口内圧力(励振信号)、Rs……抵抗変
化(波形信号)、s……リード開度(波形信号)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも遅延手段を閉ループ接続した閉
    ループ手段と、 励振信号を発生し、該励振信号を前記閉ループ手段に入
    力する励振信号発生手段と、 前記励振信号に基づき時変動する波形信号を発生し、該
    波形信号を前記閉ループ手段に入力する波形信号発生手
    段と、 を具備し、前記閉ループ手段を循環する信号を楽音信号
    として出力することを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】前記波形信号発生手段が、発生すべき楽音
    信号のピッチに応じた波形信号を発生するものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の楽音合成装置。
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