JP2580769B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、特に、電子管楽器に用いて好適な楽音合
成装置に関する。
「従来の技術」 自然楽器の発音メカニズムをシミュレートすることに
より得られたモデルを動作させ、これにより、自然楽器
の楽音を合成する方法が知られている。この種の技術
は、例えば特開昭63−40199号公報に開示されている。
以下、管楽器を例に、その発音メカニズムのモデルを説
明し、次いで、このモデルを用いた楽音合成装置につい
て説明する。
第6図はクラリネット、サクソフォーン等の管楽器の
概略構成を示したものである。同図において、1は管楽
器の共鳴管(管部)、2はリード、THは共鳴管1に形成
された音高操作用のトーンホール(音孔)を示す。
この構成において、吹奏者がリード2に呼気2Aを吹き
込むと、その呼気圧PAおよび自身の弾性特性によりリー
ド2が振動する(矢印2S)。この結果、リード2の管内
側に空気の圧力波(粗密波)が発生し、これが進行圧力
波Fとなって共鳴官1の終端部1Eに向かって送出され
る。そして、進行圧力波Fは共鳴管1内の各所および終
端部1Eにおいて反射され、反射圧力波Rとなってリード
2に戻り、リード2は反射圧力波Rからの圧力PRを受け
る。従って、吹奏中、リード2が受ける全圧力Pは、反
射圧力波Rの圧力をPRとすると、 P=PA−PR ……(1) となり、結局、リード2は自身の弾性特性と上記圧力P
とにより振動する。そして、リード2の振動と共鳴管1
内の圧力波FおよびRの往復運動とが共振状態となるこ
とにより楽音が発生される。
この時の共振周波数は、共鳴管1に形成されたトーン
ホールTHの開閉操作により切り換えられる。すなわち、
トーンホールTHの開閉操作が行われると、それに伴って
トーンホールTH近傍における圧力波の流れが変化し、共
鳴管1の実効的な長さが変化することによって共振周波
数の切換がなされる。
第7図は上述したような管楽器の発音メカニズムをシ
ュミレートすることにより得られた楽音合成装置の構成
例を示したものである。同図において、11はリード2の
動作をシュミレートした非線形素子、12は共鳴管2をシ
ュミレートした共振回路、13はリード2において行われ
る上記式(1)の圧力演算をシュミレートした減算器で
ある。ここで非線形素子11の出力信号は、進行波信号と
して共振回路12に入力され、共振回路12の出力信号、す
なわち、反射波信号は減算器13に入力されるようになっ
ている。
共振回路12において、BD1,BD2,…は、共鳴管1内を伝
播する空気圧力波の伝送遅延をシミュレートした双方向
伝送回路である。また、各双方向伝送回路BD1,BD2,…に
おいて、DFは進行波信号の伝送用の遅延回路、DRは反射
波信号の伝送用の遅延回路を示す。TRMは共鳴管1の終
端部1E(第6図)における圧力波の反射をシミュレート
した終端回路である。ここで、終端回路TRMは、反射に
伴う音響損失をシミュレートしたローパスフィルタML
と、同じく反射に伴って生じる入力信号の位相反転をシ
ミュレートした反転回路IVとからなる。なお、この反転
回路IVは、終端部1Eが開口端の場合のみ必要であり、閉
口端の場合は不要である。
JU1はジャンクションであり、トーンホールTH近傍に
おける圧力波の散乱をシミュレートするものである。こ
こで、M1,M2は乗算器、A1,A2は減算器、Ajは加算器を示
す。加算器Ajには、双方向伝送回路BD1からの進行波信
号が乗算器M1によって係数a1が乗じられて入力されると
共に、双方向伝送回路BD2からの反射波信号が乗算器M2
によって係数a2が乗じされて入力され、入力信号の加算
が行われる。なお、これらの係数a1およびa2については
後述する。そして、この加算結果は、加算器Ajから減算
器A1およびA2に送られる。そして、減算器A1では加算器
Ajの出力信号から進行波信号F1が減算され、減算結果が
反射波信号R2として双方向伝送回路BD1に送られる。ま
た、減算器A2では加算器Ajの出力信号から反射波信号R1
が減算され、減算結果が進行波信号F2として双方向伝送
回路BD2に送られる。
ここで、信号F1およびR1に乗ずる係数について説明す
る。
<トーンホールTHが開状態の場合> 第6図における共鳴管1内のトーンホールTH近傍の点
jにおいて、この点jの空気圧Pjは、 Pj=a1off P1 ++a2off P2 + ……(2) となる。ここで、P1 +は共鳴管1のリード2側から点j
に流入する空気圧力波の圧力、P2 +は共鳴管1の終端部1
E側から点jに流入する空気圧力波の圧力を示す。ま
た、a1off,a2offは、点jに流入する各空気圧力波の大
きさの配分を示す係数で、下記式(3)および(4)で
与えられる。
a1off=2φ1 2/(φ1 2+φ2 2+φ3 2) ……(3) a2off=2φ2 2/(φ1 2+φ2 2+φ3 2) ……(4) となる。ここで、φは共鳴管1のリード2側の部分の
直径、φは共鳴管1の終端部1E側の直径、φはトー
ンホールTHの直径を示す。第7図において、進行波信号
F1は上記圧力P1 +に相当し、反射波信号R1は上記圧力P2 +
に相当する。また、この楽音合成装置では、トーンホー
ルTHが開状態の場合、上記係数a1off、a2offが係数a1,a
2として、乗算器M1、M2に与えられる。従って、加算器A
jからは、上記式(2)の演算結果、すなわち、点jに
おける空気圧力Pjに相当する信号が出力される。
一方、第6図において、点jから共鳴管1のリード2
方向に流出する空気圧力波の圧力P1 -、共鳴管1の終端
部1E方向に流出する空気圧力波の圧力P2 -とすると、こ
れらは各々 P1 -=Pj−P1 + ……(5) P2 -=Pj−P2 + ……(6) となる。これら各圧力P1 -,P2 -に相当する信号は、各
々、減算器A1、A2から出力される。
<トーンホールTHが閉状態の場合> この場合、トーンホールTHの直径φが0になった状
態と等価であると考えられる。従って、上記式(3)お
よび(4)において、φ=0を代入して得られる下記
係数a1on,a2onが、係数a1,a2として加算器A1,A2に与え
られる。
a1on=2φ1 2/(φ1 2+φ2 2) ……(7) a2on=2φ2 2/(φ1 2+φ2 2) ……(8) そして、下記式(9)に従う共鳴管1内の点jの空気
圧Pjに相当する信号が加算器Ajから得られる。
Pj=a1on P1 ++a2on P2 + ……(9) そして、圧力P1 -,P2 -に相当する信号が、各々、演算
器A1、A2から出力される。
このようにして、トーンホールTHの開閉操作に対応し
た共鳴管1内の空気圧力波の散乱状態の変化がシュミレ
ートされる。
この楽音合成装置の例では、吹奏圧PAに応じたバイア
ス値VAが減算器13を介して非線形素子11に与えられる。
非線形素子11の出力信号は、双方向伝送手段BD1,BD2,…
およびこれらに介挿されたジャンクションJU1,…を経て
終端回路TRMに送られる。ここで、ジャンクションJU1,
…では、上述したように対応するトーンホールTHの開閉
操作に対応して係数a1,a2が切り換えられ、これによ
り、当該ジャンクションJU1における散乱状態が切り換
えられる。終端回路TRMに送られた進行波信号は、ロー
パスフィルタMLおよび反転回路IVによって処理され、反
射波信号として、双方向伝送回路BDn,…,BD2,BD1(ただ
し、BDnは図示してない終端回路TRMに最寄りの双方向伝
送回路を示す)およびこれらに介装されたジャンクショ
ンJU1,…を経て、さらに減算器13を介して非線形素子11
に帰還される。このようにして、非線形素子11および共
振回路12が共振状態となる。この時の共振周波数は、ト
ーンホールTHの開閉に対応した各ジャンクションJU1,…
における係数a1,a2の切換により切り換えられる。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、実際の管楽器には、第3図に図示するよう
に、トーンホールに盛り上がりのあるものも存在する。
この場合、共鳴管からトーンホールの開口部への圧力波
の分散およびトーンホールの開口部で反射した反力波の
共鳴管への戻りがあると考えられるが、従来の管楽器を
シミュレートした楽音合成装置では、トーンホールの盛
り上がりは全く考慮しておらず、従って、実際の管楽器
を正確にシミュレーションすることができないという問
題があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、盛
り上がりのあるトーンホールをシミュレーションするこ
とが可能な楽音合成装置を提供することを目的としてい
る。
「課題を解決するための手段」 第1の発明は、各々が入力信号に対して所定の遅延時
間を施して出力する第1乃至第3の信号処理手段と、 前記第1乃至第3の信号処理手段の出力信号を入力信
号として、これらの入力信号の間で所定の演算処理を行
って前記第1乃至第3の信号処理手段の各々に送出する
結合手段と、 楽音制御情報を発生する楽音制御情報発生手段と、 この楽音制御情報発生手段から発生された楽音制御情
報に応じて前記第1乃至第3の信号処理手段の少なくと
も1つの出力信号の符号を周波数に依存せずに反転ある
いは非反転させる制御手段とを備え、 前記第1乃至第3の信号処理手段の少なくとも1つに
演奏に対応した励振信号を入力することにより楽音信号
を発生するようにしたことを特徴としている。
また、第2の発明は、前記楽音情報発生手段から発生
された楽音制御情報が変化したとき、前記第1乃至第3
の信号処理手段の少なくとも1つの出力信号の符号を周
波数に依存せずに反転あるいは非反転させるとともに該
出力信号の大きさを時間経過に従って徐々に変化させる
ことを特徴としている。
また、第3の発明は、各々が入力信号に対して所定時
間の遅延を施して出力する第1および第2の信号処理手
段と、 入力信号に対して周波数帯域制御を施して出力する第
3の信号処理手段と、 前記第1乃至第3の信号処理手段の出力信号を入力信
号として、これらの入力信号の間で所定の演算処理を行
って前記第1乃至第3の信号処理手段の各々に送出する
結合手段と、 楽音制御情報を発生する楽音制御情報発生手段と、 この楽音制御情報発生手段から発生された楽音制御情
報に応じて前記第3の信号処理手段の出力信号の符号を
周波数に依存せずに反転あるいは非反転させる制御手段
とを備え、 前記第1乃至第3の信号処理手段の少なくとも1つに
演奏に対応した励振信号を入力することにより楽音信号
を発生するようにしたことを特徴としている。
また、第4の発明は、前記制御手段は、前記楽音情報
発生手段から発生された楽音制御情報が変化したとき、
前記第3の信号処理手段の出力信号の符号を周波数に依
存せずに反転あるいは非反転させるとともに該出力信号
の大きさを時間経過に従って徐々に変化させることを特
徴としている。
「作用」 上記構成において、第3の信号処理手段はトーンホー
ルの盛り上がり部分を想定したものであり、第1および
第2の信号処理手段はそれぞれリード側に共鳴管および
終端側の共鳴管を想定したものである。しかして、結合
手段により第1乃至第3の信号処理手段を結合すること
により、より正確に管楽器をシミュレートすることがで
きる。
「実施例」 以下、図面を参照し、本発明の一実施例を説明する。
第1図はこの発明の一実施例による楽音合成装置の構
成を示すブロック図である。なお、この図において、前
述した第7図と対応する部分には同一の符号が付してあ
る。同図において、21は楽器本体の装備された各種操作
子(図示せず)の操作を検知し、それに従って楽音制御
情報(トーンホールの開閉信号、吹奏の強弱の程度、ノ
ートオン、ノートオフ等)を発生する楽音制御情報発生
回路である。22は励振回路であり、例えば、前述した第
7図における非線形素子11および減算器13によって構成
される。ここで、励振回路22には、楽音制御情報発生回
路21から供給される吹奏の強弱を示す情報に従った値VA
が供給される。
JA1はトーンホール1個分に相当するジャンクショ
ン、23はトンホール開閉信号に従ってジャンクションJA
1における信号演算処理用の係数を制御するトーンホー
ル制御回路である。ここで、トーンホール制御回路23に
は第4図に示す係数演算回路が内蔵されている。第4図
において、M11,M12,M13は乗算器、A11は加算器、D11
除算器を示す。
なお、第1図では、管楽器のリードから第1個目のト
ーンホールに至るまでの部分と管楽器の終端部に相当す
る部分が例示されており、他の部分ついては図示が省略
されている。図示されていない双方向伝送回路BD2から
終端回路TRMに至るまでの区間には、実際の管楽器の管
の長さに応じて双方向伝送回路BD3,…,BDn(BDnは終端
回路TRMに最寄りの双方向伝送回路)が接続されると共
に、各双方向伝送回路の間のトーンホールの配置に対応
した位置にジャンクションJA1およびトーンホール制御
回路23相当の回路が介挿されている。
第2図はジャンクションJA1の構成を示すブロック図
である。なお、この図において、前述した第7図と対応
する部分には同一の符号が付してある。このジャンクシ
ョンJA1は第3図に示すように管部から盛り上がったト
ーンホールをシミュレートしたものである。このような
トーンホール構造において、トーンホールが開状態の場
合、管内からトーンホールに向けて流出された空気圧力
波(圧力P3 -)は一部が開口部で反射されて再び管内に
流入する(圧力P3 +)。従って、管内のトーンホール近
傍の点jの空気圧Pjは、 Pj=a1P1 ++a2P2 ++a3P3 + ……(10) となる。前述と同様、P1 +はリード側から点jに流入す
る空気圧力波の圧力、P2 +は終端部側から点jに流入す
る空気圧力波の圧力である。この場合、各圧力の係数
は、 a1=2φ1 2/(φ1 2+φ2 2+φ3 2) ……(11) a2=2φ2 2/(φ1 2+φ2 2+φ3 2) ……(12) a3=2φ3 2/(φ1 2+φ2 2+φ3 2) ……(13) となる。一方、トーンホールが閉状態の場合は、 a1=2φ1 2/(φ1 2+φ2 2) ……(14) a2=2φ2 2/(φ1 2+φ2 2) ……(15) a3=0 ……(16) となる。また、点jからリード側に流出する圧力波の圧
力P1 -、終端部側に流出する圧力波の圧力P2 -、トーンホ
ール側に流出する圧力波の圧力P3 -、各々、 P1 -=Pj−P1 + ……(17) P2 -=Pj−P2 + ……(18) P3 -=Pj−P3 + ……(19) となる。
第2図において、遅延回路DTFおよびDTRはトーンホー
ルの筒状の部分における空気圧力波の伝播遅延をシミュ
レートしたもので、筒状部分の高さHに応じてその遅延
量が決められている。遅延回路DTFおよびDTRにおける
l3、双方向伝送回路BD1,BD2内の各遅延回路におけるl1,
l2等は、各々、当該遅延回路をシフトレジスタによって
構成する場合の段数を示している。また、TLはトーンホ
ールの終端部での反射に伴う音響損失をシミュレートし
たローパスフィルタ、M4は乗算器であり、トーンホール
の先端部における空気圧力波の反射をシミュレートした
ものである。A3は減算器、M3は乗算器であり、これらに
より管部からトーンホールへの空気圧力波の流出および
トーンホールから管部への空気圧力波の流入が制御され
る。
以下、この楽音合成装置の動作を説明する。楽音制御
情報発生回路21から吹奏圧を示す情報およびノートオン
信号が発生されると、吹奏圧に対応した値VAが減算器13
を介して非線形素子11に供給されると共に非線形素子11
の出力がイネーブルされて、その出力信号が双方向伝送
回路BD1,ジャンクションJA1,双方向伝送回路BD2,…を介
して終端回路TRMに送られる。そして、終端回路TRMから
の反射波信号が上述と逆の経路をたどり加算器13を介し
て非線形素子11に帰還される。これによって非線形素子
11および共振系の回路(双方向伝送回路BD1から終端回
路TRMに至るまでの回路)が共振状態となり楽音信号が
取り出される。
この状態において楽音制御情報発生回路21からトーン
ホール開閉信号が送られると、トーンホール制御回路23
ではこの信号に従って制御変数xが変化される。ここ
で、トーンホール開閉信号が「トーンホール開」に変化
した場合は、xは時間経過と共に0からφ3 2(φはト
ーンホールの直径)まで徐々に変化する。この変化はト
ーンホールを押さえていた指を離す時の、トーンホール
における実効的な開口部面積の変化に対応する。また、
トーンホール開閉信号が「トーンホール閉」に変化した
場合は、xは時間経過と共にφ3 2から0に徐々に変化す
る。そして、この制御変数xは第4図の係数演算回路に
入力され、同回路によって下記式(20)〜(22)の係数
演算が行われる。
a1(x)=2φ1 2/(φ1 2+φ2 2+x) ……(20) a2(x)=2φ2 2/(φ1 2+φ2 2+x) ……(21) a3(x)=2x/(φ1 2+φ2 2+x) ……(22) そして、演算によって得られた係数a1(x),a
2(x),a3(x)が乗算器M1,M2,M3に与えられ、加算器
Ajへ入力される各信号のレベルが制御される。このよう
にして、トーンホールを徐々に開く場合および徐々に閉
じる場合におけるトーンホール近傍の空気圧力波の散乱
状態の変化に対応した信号処理制御が行われる。
一方、これと同時に、トーンホール制御回路23では、
乗算器M4用の係数f(x)が演算される。なお、この演
算を行う回路については図示を省略した。ここで、係数
fは、x=0(トーンホール閉状態)の場合にf(0)
=1、x=φ3 2(トーンホール開状態)の時にf
(φ3 2)=−1、xが0〜φ3 2の場合、fはxの増加に
従って緩やかに減少する。そして、演算によって得られ
た係数fは乗算器M4に与えられる。このようにして、ト
ーンホールが徐々に開く場合および徐々に閉じる場合に
おけるトーンホール先端部の圧力波の反射特性の変化に
対応した信号制御が行われる。そして、各乗算器におい
て係数a1(x),a2(x),a3(x),f(x)が変化する
ことにより、この楽音合成装置における共振波形が変化
し、トーンホールを徐々に開いた場合あるいは徐々に閉
じた場合に相当する楽音信号の変化が再現される。
以上、第3図に示すようにトーンホールが管部から盛
り上がっている場合を例に説明したが、前述の第6図の
ように管部にただ穴を空けただけ(すなわち、高さH=
0)のトーンホールの場合について説明する。この場
合、ジャンクションは第7図の構成のものを用い、トー
ンホール制御回路23の係数演算器としては第5図に示す
ものを用いる。第5図において、M21,M22は乗算器、A21
は加算器、D21は除算器を示す。この係数演算回路にト
ーンホールの開き具合を示す制御変数xを入力すること
により、上記式(20),(21)の演算が実行され、係数
a1(x),a2(x)が得られる。そして、上記係数a
1(x),a2(x)がa1,a2として乗算器M1,M2に与えられ
る。このようにすることで、上述の第3図のトーンホー
ル構造の場合と同様、第6図のトーンホール構造におい
て、トーンホールを徐々に開いた場合および徐々に閉じ
た場合の楽音の変化が再現される。
以上、本発明を、管楽器をシミュレートした楽音を合
成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば、残響装置で、音場に穴を設け、そ
の穴を開閉させたときに生じる残響効果の変化をシュミ
レートする場合にも利用することができる。さらに、弦
楽器の弦を何か(例えば、指など)で軽く触れたときの
弦の振動のシミュレーションにも応用することができ
る。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、盛り上がり
のあるトーンホールをシミュレートした信号処理手段
と、信号処理手段の出力信号の符号を周波数に依存せず
に反転あるいは非反転させる制御手段を設けたことによ
り、盛り上がりのあるトーンホールに対応した楽音の特
性を、トーンホールの開閉に応じた特性の変化を含めて
正確に模倣することができるので、より正確に管楽器を
シミュレートすることができ、リアルな楽音を合成する
ことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による楽音合成装置の構成
を示すブロック図、第2図は同実施例におけるジャンク
ションJA1の構成を示すブロック図、第3図は同実施例
におけるトーンホールの構造を示す図、第4図は同実施
例におけるトーンホール制御回路23に内蔵される係数演
算回路の構成を示すブロック図、第5図は係数演算回路
の別の例を示す図、第6図は管楽器の概略構成を説明す
る図、第7図は従来の楽音合成装置の構成を示すブロッ
ク図である。 11……非線形素子、BD1,BD2,〜……双方向伝送回路、JA
1……ジャンクション、23……トーンホール制御回路、2
1……楽音制御情報発生回路。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々が入力信号に対して所定の遅延時間を
    施して出力する第1乃至第3の信号処理手段と、 前記第1乃至第3の信号処理手段の出力信号を入力信号
    として、これらの入力信号の間で所定の演算処理を行っ
    て前記第1乃至第3の信号処理手段の各々に送出する結
    合手段と、 楽音制御情報を発生する楽音制御情報発生手段と、 この楽音制御情報発生手段から発生された楽音制御情報
    に応じて前記第1乃至第3の信号処理手段の少なくとも
    1つの出力信号の符号を周波数に依存せずに反転あるい
    は非反転させる制御手段とを備え、 前記第1乃至第3の信号処理手段の少なくとも1つに演
    奏に対応した励振信号を入力することにより楽音信号を
    発生するようにしたことを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記楽音情報発生手段か
    ら発生された楽音制御情報が変化したとき、前記第1乃
    至第3の信号処理手段の少なくとも1つの出力信号の符
    号を周波数に依存せずに反転あるいは非反転させるとと
    もに該出力信号の大きさを時間経過に従って徐々に変化
    させることを特徴とする請求項1記載の楽音合成装置。
  3. 【請求項3】各々が入力信号に対して所定時間の遅延を
    施して出力する第1および第2の信号処理手段と、 入力信号に対して周波数帯域制御を施して出力する第3
    の信号処理手段と、 前記第1乃至第3の信号処理手段の出力信号を入力信号
    として、これらの入力信号の間で所定の演算処理を行っ
    て前記第1乃至第3の信号処理手段の各々に送出する結
    合手段と、 楽音制御情報を発生する楽音制御情報発生手段と、 この楽音制御情報発生手段から発生された楽音制御情報
    に応じて前記第3の信号処理手段の出力信号の符号を周
    波数に依存せずに反転あるいは非反転させる制御手段と
    を備え、 前記第1乃至第3の信号処理手段の少なくとも1つに演
    奏に対応した励振信号を入力することにより楽音信号を
    発生するようにしたことを特徴とする楽音合成装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記楽音情報発生手段か
    ら発生された楽音制御情報が変化したとき、前記第3の
    信号処理手段の出力信号の符号を周波数に依存せずに反
    転あるいは非反転させるとともに該出力信号の大きさを
    時間経過に従って徐々に変化させることを特徴とする請
    求項3記載の楽音合成装置。
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