JP2674208B2 - 残響付与方法 - Google Patents

残響付与方法

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JP2674208B2 JP1116888A JP11688889A JP2674208B2 JP 2674208 B2 JP2674208 B2 JP 2674208B2 JP 1116888 A JP1116888 A JP 1116888A JP 11688889 A JP11688889 A JP 11688889A JP 2674208 B2 JP2674208 B2 JP 2674208B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は電子楽器、残響装置等に用いて好適な残響
付与方法に関する。
「従来の技術」 従来から、自然楽器によって発生される楽音波形を波
形メモリに予め記憶し、演奏者の操作に応じて当該楽音
波形を波形メモリから読み出し、楽音発生を行う電子楽
器がよく知られている。また、高性能な電子楽器におい
ては、波形メモリから読み出された楽音波形に対して演
算を施したり、あるいは複数の楽音波形を合成する処理
が行われ、より自然な楽音の再生が行われている。
しかし、実際の自然楽器の音は、演奏者のくせあるい
は技量、あるいは演奏の環境等により、実に多様に変化
する。例えば、クラリネット等の管楽器においては、音
階が同じであっても、強奏であるか、それとも弱奏であ
るかによって楽音波形が多様に変化し、聴衆には、その
変化が音色の変化となって感じられる。なお、この現象
については、後で詳述する。
このような自然楽器における多様な楽音波形を忠実に
再現する電子楽器を、上述した波形メモリを用いた方式
によって実現しようとすると、多くの種類の波形を記憶
することができる波形メモリ、および複雑な波形処理が
可能な演算手段が必要となり、その実現は困難なものと
なる。
このような背景から、波形メモリ等を用いないで、自
然楽器を発音メカニズムをモデリングし、作成されたモ
デルを動作させることにより、自然楽器の楽音を発生し
ようとする試みが行われた。この種の技術は、例えば特
開昭63−40199号公報に開示されている。
以下、上述の自然楽器のモデリング、およびこのモデ
リングによって得られるモデルを用いた楽音合成装置に
ついて、管楽器を例に挙げて説明する。
管楽器の最も単純なモデルは、第9図に示すように、
共鳴管1(管楽器の管部のモデル)および弾性体による
リード2とを組み合わせることにより構成される。この
構成において、吹奏者がリード2に呼気2Aを吹き込む
と、この呼気圧PAによってリード2が管内側に押される
(矢印2F方向)。また、リード2は弾性体であるので、
呼気2Aが吹きかけられたことにより振動する。この結
果、リード2の管内側に空気の圧力液(粗密液)が発生
し、これが進行圧力波Fとなって共鳴管1の終端部1Eに
向かう。そして、進行圧力波Fは終端部1Eにおいて反射
され、反射圧力液Rとなってリード2に戻り、リード2
は反射圧力波Rからの圧力PRを受ける。この結果、リー
ド2は、 P=PA−PR ……(1) なる圧力Pを受ける。結局、リード2は、この圧力Pお
よびリード2の弾性特性に従って振動することとなる。
第10図はリード2の弾性特性、すなわち、リード2が受
ける圧力P(入力)とリード2の変位量(出力)との関
係を例示したものである。この図に示すように、リード
2の変位量は圧力Pに対して非線形であり、圧力Pがあ
る程度大きくなると変位量は飽和する。
さて、リード2における振動の周波数が以下説明する
共鳴管1の共振周波数に等しい場合に共鳴現象が起こ
り、共鳴管1において大きな圧力波が得られ、これら管
楽器の楽音として出力される。
すなわち、共鳴管1の気柱の寸法Lによって決まる特
定周波数(この周波数が共振周波数と呼ばれる)の空気
振動が発生した場合、共鳴管1内の寸法L方向に空気圧
力波の定在波が発生され、共鳴管1において大きな振動
が得られる。この現象が共鳴現象と呼ばれている。
ここで、共鳴管1の寸法Lと定在波の波長λとの関係
について説明する、。第11図に示すように、共鳴管の両
終端部が開放している場合は、終端部において空気粒子
は自由に動くことができるので、圧力波FおよびRの振
幅は最大値となる。また、この場合、終端部において、
反射圧力波Rは進行圧力波1Fに対して逆相となって反転
される。従って、この場合、共鳴管1において発生し得
る定在波の波長λは、 λ=2L/n ……(2) (ただし、n=1,2,3,…) となる。第11図は、n=1,2,3の場合における定在波の
状態を示したものである。これに対し、第12図に示すよ
うに、共鳴管1の片方の終端部が閉じている場合は、こ
の終端部において空気の粒子は動くことができないので
圧力波FおよびRの振幅が0となる。従って、この場合
の定在波の波長λは、 λ=4L/(2n−1) ……(3) (ただし、n=1,2,3,…) となる。第12図はn=1,2,3の場合における定在波の状
態を示したものである。
そして、このような特性を有する共鳴管1に、リード
2によって、下記式(4)に示す共振周波数fnの空気振
動が与えられると、共鳴管1において上記共鳴現象が発
生する。
fn=c/λ ……(4) (ただし、cは圧力波FおよびRの伝播速度を表す) そして、管楽器では、リード2が共鳴管1内の圧力定
在波に同期して振動することにより、共鳴管1における
共鳴が維持される。すなわち、例えば、リード2が矢印
2F方向に振れ、これにより進行圧力波Fが発生し、これ
が終端部1Eで反射されて反射圧力波Rとなってリード2
に帰還し、これにより、リード2が矢印2R方向に振れ、
進行圧力波Fが発生し、これ終端部1Eで反射されて反射
圧力波Rとなってリード2に帰還し、リード2が再び矢
印2F方向に振れるという具合に、リード2の振動と圧力
波の往復運動(すなわち、定在波の振動)とが同期を保
ちつつ持続する。
このように、管楽器では、リード2と共鳴管2の圧力
定在液とが同期して振動することにより、共鳴が維持さ
れた楽音が発生される。ここで、リード2の振動は非線
形振動であるので、この振動によって得られる圧力波F
およびRは多くの高調波成分を含み、また、共鳴管1も
上記式(2)および(3)において示したように多くの
共振周波数を有する。従って、共鳴管1内では多くの共
振周波数の空気振動が得られる。
第13図は上述したような管楽器の発音メカニズムをシ
ミュレートすることにより得られた楽音合成装置の構成
を示したものである。なお、この楽音合成装置の構成は
管楽器に限らず、弦楽器等の他の楽器にも勿論適用する
ことができる。
第13図において、11はリード2の動作をシミュレート
した非線形素子、12は共鳴管2をシミュレートした共振
回路、13はリード2において行われる上記式(1)の圧
力演算をシミュレートした加算器である。この加算器13
によって、共振回路12からの出力信号(前述の反射圧力
波Rに対応する信号)と呼気圧PAに対応する入力信号VA
とが加算され、非線形素子11に供給される。
この構成によれば、入力信号VAによって、非線形素子
11が直流バイアスされる。そして、非線形素子11の出力
信号が共振回路12に入力され、共振回路12の出力信号が
加算器13を介して再入力されることにより、非線形素子
11が励振される。このようにして、第13図の回路は発振
動作する。
ここで、非線形素子11は、その入出力特性が、前述し
たリード2の非線形特性をシミュレートすることができ
るように設計されている。なお、この非線形素子11はダ
イオード等の非線形素子によって実現する他、例えばRO
Mに所望の非線形関数のデータテーブルを記憶してお
き、それを読み出すようにしてもよい。このように非線
形素子11の入出力特性を実際のシードの非線形特性に合
わせると、以下説明するように、非線形素子11の出力信
号として実際のリードにおける振動波形によく一致した
波形を得ることができる。
第14図は実際のクラリネットにおけるリードの振動波
形を例示したものである。この図に示すように、クラリ
ネット等の管楽器では、音階の同じ楽音を発音する場合
でも、強奏音と弱奏音とでは、振動波形が変化し、異な
った音色になる。さらに詳述すると、弱奏音の場合の波
形は比較的正弦波に近いが、これが強奏音になると、振
幅がリードの弾性限界によって決まる振動範囲LL〜ULに
よって制限されるため、ピークの部分がつぶれて歪んだ
波形となる。この現象は、呼気圧PAに相当する入力信号
VAによって非線形素子11のバイアス点を変えた場合にお
ける出力信号波形の変化として再現することができる。
すなわち、弱奏の場合は呼気圧PAが小さいので非線形素
子11のバイアス点は線形領域内とされ、非線形素子11の
出力信号としては正弦波に近い波形が得られる。これに
対し、強奏の場合は呼気圧PAが大きいので、非線形素子
11のバイアス点は非線形領域内となる。この結果、非線
形素子11からは、高周波成分を多く含んだ歪んだ波形が
得られる。
次に共振回路12について詳述する。この共振回路12
は、実現しようとする管楽器の共鳴管の形状に合わせて
設計される。ここで、実際の自然楽器の共鳴管の伝送量
周波数特性を例示する。第15図はクラリネット管の伝送
量周波数特性、第16図はオーボエ管の伝送量周波数特性
を示したものである。これらの図に示すように、管楽器
の管部は、その形状によって決まる共振周波数を極とす
る多峰性の伝送量周波数特性を有する。なお、この共振
周波数と管形状の関係は上述した通り{式(2),
(3)参照}である。そして、各管楽器のリードで発生
された空気振動が、このような伝送量周波数特性を有す
る共鳴管に供給されることにより、個々の管楽器独特の
音色の楽音が発生される。
第17図は管楽器の管部の伝送量周波数特性をシミュレ
ートした回路を例示したもので、この回路は第13図の共
振回路12として使用される。この図において、DF1〜DFn
およびDR1〜DRnは、各々多段シフトレジスタ(通常、3
段以上のものが用いられる)によって構成される遅延回
路であり、管内における空気圧力波の伝送遅延をシミュ
レートしたものである。ここで、遅延回路DF1およびDRn
が管部における最もリード2側寄りの部分に対応し、遅
延回路DFnおよびDR1が最も終端部1E寄りの部分に対応し
ている。そして、遅延回路DF1には第13図の非線形素子1
1の出力信号が入力され、遅延回路DRnの出力信号が第13
図の加算器13に入力される。
J1〜Jn−はジャンクション(結合回路)てあり、径
の異なる管を連結した箇所において発生する空気圧力波
の散乱現象をシミュレートしたものである。この図では
乗算器M1〜M4および加算器A1,A2により構成される4乗
算型格子を用いた場合が示されている。なお、“1+
k1",“−k1","1−k1",“k1"は、各々乗算器M1〜M4によ
って入力信号に乗算される係数であり、管楽器内におけ
る信号散乱特性に合わせて決められる。そして、このジ
ャンクションJ1〜Jn−を介して、遅延回路DF1〜DFnお
よびDR1〜DRnの内、隣合ったものの間の信号伝送が行わ
れる。例えば、遅延回路DF1の出力信号はジャンクショ
ンJ1の乗算器M1を介して遅延回路DF2に送られ、遅延回
路DRn−の出力信号はジャンクションJ1の乗算器M3を
介して遅延回路DRnに送られる。
TRMは終端回路であり、共鳴管1の終端部1Eをシミュ
レートしたものである。非線形素子11から出力された信
号は、遅延回路DF1〜DFnおよび各遅延回路に介挿された
ジャンクションJ1〜Jn−を経て、この終端回路TRMに
入力される。MLは終端部1Eにおいて圧力液が反射される
場合におけるエネルギー損失をシミュレートしたもの
で、前段の遅延回路DFnの出力信号に損失係数glの乗算
して位相反転器IVに出力する。位相反転回路IVは、管楽
器の終端部1Eが開口している場合に、反射波が進行波に
対して位相反転する現象をシミュレートするものであ
る。なお、終端部1Eが閉じている場合には、この位相反
転器IVは不要である。そして、位相反転器IVの出力信号
は、直流除去回路DCBによって直流成分が除去され、遅
延回路DR1に入力される。そして、遅延回路DR1〜DRnお
よび各遅延回路に介挿されたジャンクションJ1〜Jn−
を経て第13図の加算器13に入力される。
この構成において、遅延回路DF1〜DFnおよびDR1〜DRn
の遅延時間の総和は、発生する楽音の周波数に対応して
決められる。また、実際の管楽器では、進行圧力波Fの
伝播(リードから終端部まで)に要する時間と、反射圧
力波Rの伝播(終端部からリードまで)に要する時間と
が同じであると考えられるので、遅延回路DF1〜DFnの遅
延時間の総和と遅延回路DR1〜DRnの遅延時間の総和はほ
ぼ等しく設計される。
以上のように、実際の管楽器の各部をシミュレートし
て非線形素子11および共振回路12が構成され、所望の管
楽器の楽音が合成される。なお、管楽器以外の楽器、例
えばギダー等の弦楽器の場合は、弦の弾性特性に合せて
非線形素子11を設計し、弦の長さに対応して共振回路12
を設計する。また、楽器の場合と同様、共振回路を用い
ることにより、残響効果装置を構成することができる。
以下、その例を説明する。
第18図は残響効果装置の構成例を示したものである。
この図において、SF1,SR1,SR2,SR2,SF3,SR3は残響音の
伝送遅延をシミュレートしたシフトレジスタ、IV1A,IV1
B,IV2A,IV2B,IV3A,IV3Bは反転回路、MA1,MB1,MA2,MB2,M
A3,MB3は残響音の減衰をシミュレートした乗算器、A1A,
A1B,A2A,A2B,A3A,A3B,A123,B123は音響空間内で行われ
る残響音の重ね合わせをシミュレートした加算器であ
る。ここで、シフトレジスタSF1およびSR1、シフトレジ
スタSF2およびSR2、シフトレジスタSF3およびSR3の各ペ
アが、各々、音響空間における1つの残響音の伝送路に
対応している。また、各シフトレジスタの段数N1,N2,N3
は、シミュレートする残響音伝送路の伝送遅延時間に合
わせて決められている。
以下、この残響効果装置の動作を説明する。楽音に相
当する入力信号は、加算器B123を介し、さらに加算器A1
A,A2A,A3Aを各々介し、シフトレジスタSF1,SF2,SF3に入
力される。シフトレジスタSF1に入力された信号は、所
定時間遅延されて、反転回路IV1Bに入力され、反転され
る。反転回路IV1Bの出力信号は、シフトレジスタSR1
よって所定時間遅延され、反転回路IV1Aを介し、加算器
A1Aに帰還される。このようにして、残響音が伝送路を
往復する現象がシミュレートされる。他の伝送路をシミ
ュレートする回路(シフトレジスタSF2,SR2およびSF3,S
R3によって構成されるループ)においても同様の動作が
行われる。
一方、シフトレジスタSF1,SF2,SF3の出力信号は、各
々乗算器MA1,MA2,MA3によって損失係数α12
乗じられ、加算器Al23によって総合されて加算器A1B,A2
B,A3Bに入力される。また、シフトレジスタSR1,SR2,SR3
の出力信号は、各々乗算器MB1,MB2,MB3によって損失係
数β12が乗じられ、加算器B123によって総合さ
れて加算器A1A,A2A,A3Aに入力される。これにより、各
シフトレジスタを伝播する信号が減衰され、残響音の減
衰がシミュレートされる。そして、このようにし得られ
た残響効果音が加算器A123から出力される。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上述した従来の残響効果装置は、進行波用
の遅延回路DF1〜DFnおよび反射波用の遅延回路DR1〜DRn
を設け、しかも、進行波用および反射波用の遅延回路の
遅延時間をほぼ等しくしていたので、楽音に残響効果を
付与する際に、楽音が残響効果装置に入力されてから、
その信号が遅延回路DF1〜DFnを経るまで待たない残響効
果装置から出力されないので、リアルタイム性が良くな
いという問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みて為されたもので、
リアルタイム性の良い残響付与方法を提供することを目
的とする。
「課題を解決するための手段」 この発明は、楽音信号を取り込む取込手段と、入力信
号を所定時間遅延させて出力する第1および第2の信号
線路を各々有する複数の信号処理手段と、前記複数の信
号処理手段の各第2の信号線路から出力された各信号お
よび前記取込手段により取り込まれた楽音信号を演算処
理し、該演算結果を前記複数の信号処理手段の各第1の
信号線路に入力する第1の演算手段と、前記複数の信号
処理手段の各第1の信号線路から出力された各信号を演
算処理し、該演算結果を前記複数の信号処理手段の各第
2の信号線路に入力するとともに残響効果が付与された
楽音信号として外部に出力する第2の演算手段とを有す
る残響効果装置を用いて残響効果が付与された楽音信号
を発生する残響付与方法において、前記複数の号処理手
段の中のいずれかの信号処理手段の第1の信号線路にお
ける遅延時間を短縮し、該短縮した時間だけ前記複数の
信号処理手段の中の他の信号処理手段の各第1の信号線
路における遅延時間を短縮するとともに、該短縮した時
間だけ前記複数の信号処理手段の第2の信号線路におけ
る遅延時間を延長することを特徴としている。
「作用」 上記構成によれば、最初の残響効果音が出力されるま
での時間が短縮することができる。また、各信号処理手
段間での信号の位相を一致させることができる。
「実施例」 以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明
する。
第1図はこの発明の一実施例による残響付与方法が適
用される楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
同図において、21は楽器本体に装備された各種操作子
(図示せず)の操作を検知し、それに従って楽音制御情
報(音階、吹奏の強弱の程度、ノートオン、ノートオフ
等)を発生する楽音制御情報発生回路である。22は励振
回路である。この励振回路22は、前述した第13図の場合
と同様、非線形素子11および加算器13によって構成して
も良いが、本実施例では、入力信号VA、共振回路23の出
力信号および楽音制御情報に基づき、ROMによって実現
される非線形テーブル22′を参照する構成とした。ここ
で、非線形テーブル22′には、楽音制御情報発生回路21
から供給される吹奏の強弱を示す情報が、直流バイアス
VAとして供給される。23は共鳴管をシミュレートした共
振回路である。この共振回路23の共振周波数は、楽音制
御情報発生回路21から供給される音階を示す情報に従っ
て切り換えられる。この共振周波数切換は、例えば共振
回路23内の遅延回路(この遅延回路については後述す
る)間にセレクタ等のスイッチ手段を介挿し、これを切
り換えることにより、遅延回路の段数を切り換えること
により実施することができる。また、第1図において、
非線形テーブル22′→共振回路23→加算器13→非線形テ
ーブル22′によって構成される閉ループでは、雑音等に
より自走発振が発生されるので、非線形素子11の出力を
ノートオン時のみイネーブルすることにより必要でない
場合(ノートオフ時)における自走発振を止めるように
している。
共振回路23の具体的構成例を第2図(a)および
(b)に示す。なお、これらの図において、前述の第17
図と対応する部分には、同一の符号が付してある。ま
た、ジャンクションJU1,JU2,…としては、前述した4乗
算型格子の他、音声合成の分野でよく用いられる2乗算
型格子{第3図(a)参照}、1乗算型格子{第3図
(b)参照}、正規化4乗算型格子{第3図(b)参
照}を用いてもよい。第2図(a)の共振回路は、進行
波の伝送路のみに遅延回路DFA1〜DFAnが配置されてい
る。また、第2図(b)は反射波の伝送路のみに遅延回
路DFB1〜DFBnが配備されている。第17図の構成の共振回
路と同じ種類の楽音を発生する場合、各遅延回路DFA1
DFAnおよびDFB1〜DFBnの遅延時間は、遅延回路DF1〜DFn
およびDR1〜DRn(第17図)の遅延時間の2倍とする。こ
のようにすることで、第2図(a)および(b)の各共
振回路の伝達量周波数特性を第17図の場合と同じ特性に
することができる。また、第2図(a)および(b)の
構成にすることにより、遅延回路の総数を第17図の場合
の半数で済ませることができる。さらに、第2図(b)
の構成の場合、楽音発生開始の際、リード(非線形テー
ブル22′)を発した最初の信号は遅延回路を介さない
で、終端回路TRMに伝送され、直ちに楽音が発生され
る。なお、この実施例においては、入力信号VAの系への
入力を加算により行っているが、他の種々の演算等によ
って入力信号VAを系に反映させることにより、より複雑
な楽音の合成も可能である。
次にこの楽音合成装置の共振回路の信号処理を信号プ
ロセッサによって実行する場合について説明する。一般
に信号プロセッサは、高速処理が要求されるので、パイ
プライン演算方式により演算を行うようにしている。こ
のようなパイプライン演算方式によれば、複数のマイク
ロ命令のフェッチ、演算等の各段階が、時間的にオーバ
ラップして並列実行されるので、信号処理を高速で行う
ことができる。しかしながら、第2図(a)および
(b)に示すように、ジャンクションの出力が遅延回路
を介さず直接地のジャンクションに接続される場合、各
ジャンクションに対応する積和演算の実行に対し、以下
説明するような特別な配慮を必要とする。
第4図はこの信号プロセッサにより第2図(b)の共
振回路の信号処理を実行する場合の各処理のブロックダ
イヤグラムを示したものである。J1,J2,…は各同ジャン
クション演算処理を示す。これらの処理J1,J2,…は、ジ
ャンクションJU1,JU2,…において行われる信号の加算、
乗算等の動作に対応するものである。ここで、各ジャン
クション演算処理J1,J2,…の結果は、一旦、信号プロセ
ッサ内のテンポラリレジスタに保持され、このテンポラ
リレジスタを介して、他のジャンクション演算処理に引
き渡されるようになっている。D,D,…は、遅延回路DFB1
〜DFBnの動作に対応する遅延処理を示す。第5図は第4
図の各ジャンクション演算処理J1,J2,…を信号プロセッ
サにより実行する場合のALU(演算ユニット)の動作を
示したものである。同図において、ST0〜ST7、ST0〜S
T7、…は、マイクロ命令の実行ステートである。以下の
説明では、この信号プロセッサによって、各ジャンクシ
ョン演算処理J1,J2,…を実行する場合、各演算結果が得
られるのに各々3ステートを要するものとする。また、
信号プロセッサが共振回路各部のデジタル信号の値を演
算し更新する周期、すなわち、サンプル周期は8ステー
ト分の長さを有するものとする。
第5図に示すように、第1番目のサンプル周期TW1
ステートST0において、ジャンクション演算処理J1を開
始したとすると、この処理結果はステートST2にならな
いと得られない。従って、ジャンクション演算処理J2
ステートST3に開始することとなる。同様の理由によ
り、ジャンクション演算処理J3はステートST6に、ジャ
ンクション演算処理J4は第2サンプル周期TW2のステー
トST1に、ジャンクション演算処理J5は第2サンプリン
グ周期TW1のステートST4に、というように各ジャンクシ
ョン演算処理は必要とするデータが得られた時点で開始
されることとなる。
ここで、ジャンクション演算処理J3とジャンクション
演算処理J4とは異なるサンプル周期(TW1およびTW2)内
で実行されるので、以下説明する問題が生じる。すなわ
ち、信号プロセッサでは、サンプル周期毎に遅延時間が
カウントされ、該カウント値に基づいてジャンクション
演算間の演算結果引き渡し(遅延処理D)が行われる。
従って、この場合のように、ジャンクション演算処理J3
からJ4に到るまでの間に、次のサンプル周期に切り換わ
ると、各演算処理結果は実際より単位時間だけ遅れた時
刻において発生したものとして処理されてしまう。そこ
で、この信号プロセッサによる信号処理演算において
は、ジャンクション演算処理の実行の直前にサンプル周
期が切り換わった場合は、当該演算結果の発生時刻を単
位時間だけ前にシフトするようにしている。第4図にお
ける処理Tはそのための時間補正処理を示す。
第6図に示すように、共鳴管が3本の管31、32および
33により結合されている場合は、第7図に示すように空
気圧力波伝播の信号処理を行う。第7図において、J,J,
…はジャンクション演算処理、Tは第4図と同様の時間
補正処理を示す。第6図のような場合、結合部の空気圧
力は、各管31,32および33からの各空気圧力の総和とな
る。加算器34は各空気圧力波の加算をシミュレートする
ものである。反転回路35〜39および係数乗算器41〜43
は、管31、32および33の結合部および管32および33の終
端部における空気圧力波の反射をシミュレートしたもの
である。このような3本の管を連結した共鳴管の場合に
おいても、連続して実行するジャンクション演算J,J,…
に対して時間補正処理T,T,…を介挿することにより、サ
ンプル周期の切り換わりに伴う遅延時間カウントの誤り
を防止することができる。
次に本発明の残響付与方法が応用される残響効果装置
の構成例を第8図を参照して説明する。この残響効果装
置は、第18図におけるシフトレジスタSF1を省略すると
共に、シフトレジスタSR1(N1段),SF2(N2段),SR2(N
2段),SF3(N3段),SR3(N3段)を、各々シフトレジス
タSR1A(2N1段),SF2A(N2−N1段),SR2A(N2+N1段),
SF3A(N3−N1段),SR3A(N3+N1段)に変更している。
他の部分については、第18図と全く同じ構成である。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、信号処理手
段の遅延時間を短縮しているので、最初の残響効果音が
出力されるまでの時間が短縮されるという効果がある。
また、複数の信号処理手段を並列に配設するに際し、
複数の信号処理手段の中のいずれかの信号処理手段の第
1の信号線路における遅延時間を短縮し、該短縮した時
間だけ前記複数の信号処理手段の中の他の信号処理手段
の各第1の信号線路における遅延時間を短縮するととも
に、該短縮した時間だけ前記複数の信号処理手段の各第
2の信号線路における遅延時間を延長するようにしたの
で、各信号処理手段間での信号の位相が一致するという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による残響付与方法が適用
される楽音合成装置の構成を示すブロック図、第2図は
上記楽音合成装置における共振回路の構成例を示すブロ
ック図、第3図は上記楽音合成装置におけるジャンクシ
ョンの構成例を示すブロック図、第4図は第2図の共振
回路の信号処理を信号プロセッサの演算によって実行す
る場合の処理ブローを示す図、第5図は第4図に示され
た演算を行う場合における信号プロセッサ内のALUの動
作を説明する図、第6図および第7図は楽音合成装置の
応用例を示すものであり、第6図は3本の管が結合して
なる共鳴管を示す図、第7図は第6図における信号伝播
を信号プロセッサの演算によって実行する場合の処理フ
ローを示す図、第8図は本発明の残響効果装置への適用
例を示すブロック図、第9図は最も簡単な管楽器のモデ
ルを示す図、第10図は第9図におけるリード2の非線形
特性を示す図、第11図および第12図は共鳴管における定
在波を説明する図、第13図は管楽器をシミュレートした
従来の楽音合成装置のブロック図、第14図はクラリネッ
トのリードの振動波形図、第15図はクラリネット管の伝
送量周波数特性を示す図、第16図はオーボエ管の伝送量
周波数特性を示す図、第17図は第13図における共振回路
12の構成例を示すブロック図、第18図は従来の残響効果
装置の構成を示すブロック図である。 22……励振回路、23……共振回路、DFA1,DFA2,〜,DFB1,
DFB2,〜……遅延回路、JU1,JU2,〜……ジャンクショ
ン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音信号を取り込む取込手段と、 入力信号を所定時間遅延させて出力する第1および第2
    の信号線路を各々有する複数の信号処理手段と、 前記複数の信号処理手段の各第2の信号線路から出力さ
    れた各信号および前記取込手段により取り込まれた楽音
    信号を演算処理し、該演算結果を前記複数の信号処理手
    段の各第1の信号線路に入力する第1の演算手段と、 前記複数の信号処理手段の各第1の信号線路から出力さ
    れた各信号を演算処理し、該演算結果を前記複数の信号
    処理手段の各第2の信号線路に入力するとともに残響効
    果が付与された楽音信号として外部に出力する第2の演
    算手段と を有する残響効果装置を用いて残響効果が付与された楽
    音信号を発生する残響付与方法において、 前記複数の信号処理手段の中のいずれかの信号処理手段
    の第1の信号線路における遅延時間を短縮し、該短縮し
    た時間だけ前記複数の信号処理手段の中の他の信号処理
    手段の各第1の信号線路における遅延時間を短縮すると
    ともに、該短縮した時間だけ前記複数の信号処理手段の
    第2の信号線路における遅延時間を延長することを特徴
    とする残響付与方法。
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