JP2568759B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP2568759B2
JP2568759B2 JP3041637A JP4163791A JP2568759B2 JP 2568759 B2 JP2568759 B2 JP 2568759B2 JP 3041637 A JP3041637 A JP 3041637A JP 4163791 A JP4163791 A JP 4163791A JP 2568759 B2 JP2568759 B2 JP 2568759B2
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大輔 森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器のうちで、特
にアコースティックな、すなわち、自然楽器と同様な音
色を合成する楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子楽器にはディジタル技術によ
る楽音合成方式が導入されて、合成音の品質の向上が著
しい。自然楽器の楽音波形をそのまま記憶しておいて、
再生すべき音高に比例した速度で再生するいわゆるPC
M方式に準じた方式が多く使用されているが、自然楽器
の実際の発音構造を電子回路でシミュレートした楽音合
成方式も数多く提案されている。
【0003】このような機能は、例えば文献(“On
theoscillation of musical
instruments”,M.E.McInt−y
reR.T.Schumacher J.Wo−odh
ouse共著, J.Acoust.soc.Am 7
4(5),November 1983,p1325−
p1345記載)に詳述されている。
【0004】以下に、従来の楽音合成装置について説明
する。図12は従来の楽音合成装置の構成を示すブロッ
ク図である。図12について説明する前に、図9〜図1
1を参照しながら、原理について説明する。
【0005】図9はクラリネットの演奏操作状態におけ
る断面図を示す。図9において、左端Aはマウスピース
ら対応しており、そのリード部分を口腔圧力qmを有す
る口によって覆われているものとする。なお、全てのト
ーンホールは塞がれているものとする。口腔圧力qm
リード直下の管内圧力qとの圧力差によって、リード付
近には流速fが発生する。流速fは管内の特性インピー
ダンスzを介して、進行波圧力qo(=f・z)を形成
する。進行波圧力qoは、図9の左端Aから右端B(開
口端部分)まで進行した後に、右端BIおいて、放射及
び反射が起きる。反射圧力qiは、進行波圧力qoと、図
11に示すような反射係数r(t)とを畳み込み演算す
ることによって得ることができる。反射波圧力qiは、
管内を右端Bから左端Aへ進行し、リード直下の管内圧
力q(=qo+qi)が変動することによって、図10の
ような関係から口腔圧力qmと管内圧力qとから決まる
流速fがリード付近に発生することとなる。上述の動作
を繰り返すことにより、クラリネットの発音が繰り返さ
れることとなる。
【0006】図11の反射係数rは、クラリネットが4
分の1波長管であることから、出力する音高の時間周期
をTとすると、左端Aから右端B、更に、右端Bにおけ
る反射によって、右端Bから左端Aまでの往復経路に相
当する時間長T/2のところに反射のピークが集中して
いることがわかる。
【0007】図10は、リード直下の管内圧力qと口腔
圧力qmと流速fとの関係を示している。図10のq
rは、リードの復元力に対応するものである。
【0008】図12において、120は駆動部、121
は変換部、122は遅延部、123はキーオン処理部で
ある。
【0009】以上のように構成された楽音合成装置につ
いて、以下その動作について説明する。
【0010】ます、楽音合成装置に出力すべき楽音の音
高を指示するノート信号と、発音のタイミングを指示す
るキーオン信号と、出力楽音の強さを指示するタッチ信
号とが入力されると、キーオン処理部123は、キーオ
ン信号のオンに対応して、遅延部122に対してリセッ
ト信号を出力し、所定時間(Tr)経過後に、各部に対
してオン信号を出力し、各部の動作が開始される。駆動
部120は、出力する楽音がピアノなどのパーカッシブ
音のときにはイニシャルタッチ、クラリネットなどのノ
ンパーカッシブ音のときにはアフタータッチのいずれか
のデータqmをキーオン処理部123から出力されるオ
ン信号がオンの間出力し、オン信号がオフのときには零
値を出力する。変換部121への駆動入力であるデータ
mを、駆動部出力として適当な値とするためにスケー
リングをしてもよい。
【0011】変換部121は、例えばず13のように構
成することができる。図13において、130はF
(q)テーブル、131は乗算器、132と133は加
算器である。以上のような構成要素からなる変換部12
1は、直前に出力した進行波圧力qoと遅延部122か
ら出力される反射波圧力qiとが加算器133によって
加算され、リード直下の管内圧力qが得られる。F
(q)テーブル130は図10の関係にしたがって、入
力される管内圧力qに対応する流速fを出力する。
【0012】F(q)テーブルから出力される流速f
は、乗算器131において、管の特性インピーダンスz
と乗算された後に加算器132において反射波圧力qi
と加算されて進行波圧力qoとして出力される。
【0013】遅延部122は、例えば図14のように構
成することができる。図14において、160は反射係
数発生部、161〜163は単位遅延器、171〜17
4は乗算器、165は累算器である。
【0014】反射係数発生部160は、クラリネットの
管形状に基づいて算出された図11に示すような反射係
数r(t)を基準クロックCf〔sec〕ごとにサンプ
リングすることによって得られる反射係数r(i・C
f)を(数1)に基づいて演算した後に、各乗算器17
1〜174へ供給するものとする。但し、i=0,1,
2,・・・,2Nとする。
【0015】
【数1】
【0016】ここで、AとBは想定する管の反射特性に
よって決定される定数である。Nは単位遅延器161〜
163の個数であり、乗算器171〜174の個数より
も1だけ少ない正整数である。ここで、クラリネットの
出力する最低音を例えば100〔Hz〕とし、基準クロ
ックCfの周波数を20〔KHz〕とすると、Nは4分
の1波長管の場合には(数2)のように決定することが
できる。
【0017】
【数2】
【0018】遅延部122において、ノート信号に対応
した音高音を形成するための係数制御は、反射係数発生
部160において、各ノート信号(音高)つまり時間T
に対応させて、(数1)により得られるr(i・Cf)
を演算発生した後に、これらを乗算器171〜174へ
供給することとなる。
【0019】以上のようにして図14の端子180,1
81から出力される進行波圧力qoと反射波圧力qiは、
それぞれデジタル楽音として、あるいは、変換部121
への入力として出力されることとなる。
【0020】なお、図14の端子180から出力される
デジタル楽音を早く出力させるために、端子185から
出力をさせてもよい。
【0021】他のバイオリンの弦、パイプオルガンなど
の楽器についても上述したクラリネットと同様の動作に
よって楽音が合成される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、図9に示すクラリネットにおいて、演奏
者が意図的に音色へんかさせるための演奏操作(例えば
マウスピースをくわえる位置を変える、或は口の締め具
合を変える)に応じた制御を行おうとすると、演奏操作
が行われる部分(口、リード付近)の動作をF(q)テ
ーブル130という回路で近似しているため、F(q)
テーブル130に記憶されたデー他を制御に応じて書き
換えなければならながい、即ち、膨大なメモリ容量が必
要になるという問題点を有していた。別の言い方をする
と、演奏操作によって制御されるパラメータが明確にな
るかたちでシミュレートされていないので、制御が困難
であると言える。
【0023】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、特にトランペットやクラリネットなどの管楽器にお
いて行われる演奏操作(例えば唇の締め具合を変える)
に対応した音色制御が簡単に実現できる楽音合成装置を
て今日することを目的とする。
【0024】
【課題を解決する手段】この目的を達成するために本発
明の楽音合成装置は、管楽器の管内及び演奏者の口内の
音響的振舞い(圧力や体積流速度といった物理量の変
化)をLRC回路でシミュレートした音響的振動シミュ
レート部と、発振源であるリード(唇を含む)の機械的
な振動をバネと質点からなる振動モデルでシミュレート
した機械的振動シミュレート部と、リードの締め具合い
に対応するバネ定数などの物理定数に基づき、前記音響
的振動シミュレート部と前記機械的振動シミュレート部
のフィルタ係数を算出するフィルタ係数発生部とを備
え、前記機械的振動シミュレート部は、前記音響的振動
シミュレート部が発生するリード開閉力に対応する音圧
データを入力としてリードの変位データを算出し、前記
フィルタ係数発生部は、前記変位データに基づいて前記
音響的振動シミュレート部のリードの音響抵抗に相当す
るフィルタ係数を制御する。
【0025】
【作用】本発明は上記した構成により、例えば唇の締め
具合いを変えるといった演奏操作を実現するには、機械
的振動シミュレート部のバネ定数を制御し、それによっ
て変化した唇の振舞いで音響的振動シミュレート部の動
作を制御する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0027】図1は本発明の実施例における楽音合成装
置の構成を示すブロック図である。図1わ説明するまえ
に、図5に示す管楽器(トランペット)の発音構造、図
6に示すとらんぺっとの音響的等価回路、図7に示すト
ランペットにおけるリード(唇)とその機械的等価回
路、図8に示すクラリネットにおけるリード及びマウス
ピースとその機械的等価回路について説明する。
【0028】図5は演奏者(左端)がトランペットを吹
いている状態の断面を表している。演奏者の吹き込み圧
力(肺における圧力)をpo、口内圧力をpi、マウスピ
ース内の圧力をp2、マウスピースと本体の接続部の圧
力をp3、以下本体の右側にいくにつれてp4,p5,・・
・,pnとする。このような音響的等価回路は一般に図6
に示すようなLRC回路で表される。ここで、演奏時に
おいて演奏者の唇が開閉動作しているので、唇の空隙部
分に相当する音響抵抗(L2,R2)は可変抵抗として記
述される。
【0029】このようにLRC回路を用いて表された音
響的等価回路は(数3)の定数係数の微分方程式で表す
ことができる。
【0030】
【数3】
【0031】
【数4】
【0032】
【数5】
【0033】
【数6】
【0034】図7(a)はトランペットにおけるリード
(唇)の断面を表しており、上唇と下唇の間隔を2yと
する。図7(b)はトランペットにおけるリードの機械
的等価回路を表している。ここでは簡単のため、上唇と
下唇は対称的な動作をするものとし、下唇のみを等価回
路で表した。下唇の質量が質点(質量をmとする)に、
下唇のテンション(締め具合い)がハネの弾性(バネ定
数をkとする)に相当する。また、図7(a)の中心線
が図7(b)のx座標の0に相当する。演奏者が吹き込
むことにより口内に圧力p1、マウスピース内に圧力P2
が生じたとする。p1は下唇を下方向(唇を開ける方
向)に働き、p2は下唇を上方向(唇を閉める方向)に
働く。従って、圧力p1,p2を力のディメンジョンと考
えると、質点に働く外力の方向は図7のようになる。ま
た、下唇の空気抵抗などを考慮して、質点には減衰器に
よる減衰項μが働くものとする。
【0035】以上のことから、yは(数7)の定数係数
の微分方程式で表す事ができる。
【0036】
【数7】
【0037】同様に、図8(a)はクラリネットにおけ
るリード(唇)とマウスピースの断面を表しており、マ
ウスピースとリードの間隔をyとする。トランペットの
場合と異なる点はリード(質点)にかかる外力の極性が
逆であることである。即ち、演奏者の口内の圧力p1
リードを閉じる方向に働き、マウスピース内の圧力p2
はリードを開ける方向に働く。
【0038】以上のことから、yは(数8),(数9)
の定数係数の微分方程式で表すことができる。
【0039】
【数8】
【0040】
【数9】
【0041】さて、上述した管楽器の発音構造を電子回
路でシミュレートした楽音合成装置が図1に示すもので
ある。図1において、音響振動シミュレート部11は管
楽器の管内及び演奏者の口内の音響的振舞い(音圧や体
積流速度といった物理量の変化)を図6に示すような音
響的振動も出る(LRC回路)でシミュレートしたブロ
ックであり、演奏者の吹き込み圧力(肺における圧力)
で時間的微分値dp0/dtを入力とし、管楽器から放
射される体積流速度u0(所望の合成音データ)を出力
する。機械的しみゅれーと部12は、発振源であるリー
ド(唇を含む)の機械的な振動を図7,図8に示すよう
な機械的振動モデル(バネと質点からなるモデル)でシ
ミュレートしたブロックであり、音響的振動シミュレー
ト部11から送出される口内圧力p1とマウスピース内
の圧力p2にを入力として、音響的振動シミュレート部
11内の音響抵抗R3,L3を決定する。
【0042】ここで、音響的振動シミュレート部11、
機械的振動シミュレート部12はともにディジタル回路
(ディジタルフィルタ)を用いてシミュレートしてい
る。即ち、図6に示すLRCによる音響的等価回路と図
7(b),図8(b)に示す振動モデルをディジタル回
路(ディジタルフィルタ)に変換して記述している。従
って、図6に示す各パラメータ値Li,Ri,Ci(i=
1,2,・・・,n)及び図7(b),図8(b)に示す
各パラメータ値m,μ,kはディジタルフィルタのフィ
ルタ係数に対応づける必要がある。この対応づけを行う
ブロックがフィルタ係数発生部13である。フィルタ係
数発生部13は予め設定された(変更可能とする)
i,Ri,Ci(i=1,2,4,5,・・・,n)とm,
μ,k、及び機械的振動シミュレート部12から入力さ
れたL3,R3により音響的振動シミュレート部11、機
械的振動しみゅれーと部12内のディジタルフィルタの
フィルタ係数ai,bi,ci(i=1,2,・・・,n)を
算出する。
【0043】図2は本発明の実施例における楽音合成装
置の音響的振動シミュレート部11のディジタル回路図
を示すものである。図2において、2次のディジタルフ
ィルタ21は図6のLRC等価回路における左端の閉ル
ープ(圧力源p0,L1,R1,,C1から構成)に相当す
る回路である。同様にして、2次のディジタルフィルタ
22は図6のLRC等価回路における左端から2番目の
閉ループ(C1,L2,R2,C2から構成)に相当する回
路である。以下同様に、2次のディジタルフィルタ23
〜24が構成される。これらの回路は(数3)〜(数
6)に示す定数係数の微分方程式をz変換することによ
って一般的に求めることができる。2次のディジタルフ
ィルタ21は(数10)〜(数16)により構成され
る。同様にして、2次のディジタルフィルタ22は(数
17)〜(数23)、2次のディジタルフィルタ23は
(数24)〜(数30)、2次のディジタルフィルタ2
4は(数31)〜(数37)で与えられる。
【0044】
【数10】
【0045】
【数11】
【0046】
【数12】
【0047】
【数13】
【0048】
【数14】
【0049】
【数15】
【0050】
【数16】
【0051】
【数17】
【0052】
【数18】
【0053】
【数19】
【0054】
【数20】
【0055】
【数21】
【0056】
【数22】
【0057】
【数23】
【0058】
【数24】
【0059】
【数25】
【0060】
【数26】
【0061】
【数27】
【0062】
【数28】
【0063】
【数29】
【0064】
【数30】
【0065】
【数31】
【0066】
【数32】
【0067】
【数33】
【0068】
【数34】
【0069】
【数35】
【0070】
【数36】
【0071】
【数37】
【0072】2次のディジタルフィルタ21において、
201は(数10)におけるdp0/dtにCIを乗算
する乗算器、乗算器202,205,206と加算機2
03,204と値延器207,208からなるフィード
バック構成の回路は(数11)に示す伝達関数H
I(z)を実行する回路である。なお、フィルタ係数
1,b 1,c1は(数12)〜(数16)により算出さ
れるが、この演算は図4の回路で行われる。また機械的
振動シミュレート部12に送出されるp1,p2はそれぞ
れp1算出部25、p2算出部26で実行される。p1
出部25は(数38)を、p2算出部26は(数39)
を実行する回路である。
【0073】
【数38】
【0074】
【数39】
【0075】図3は本発明の実施例における楽音合成装
置の機械的振動シミュレート部12のディジタル回路図
を示すものである。
【0076】図3において、2次のディジタルフィルタ
31は図7,図8の振動モデルに相当する回路である。
この回路は(数9)に示す定数係数の微分方程式をz変
換することによって一般的に求めることができる。2次
のディジタルフィルタ31は(数40)〜(数46)に
より構成される。
【0077】
【数40】
【0078】
【数41】
【0079】
【数42】
【0080】
【数43】
【0081】
【数44】
【0082】
【数45】
【0083】
【数46】
【0084】選択部32はトランペット(金管楽器)と
クラリネット(木管楽器)の選択を行うブロックであ
る。セレクト信号sによりセレクタ36のA入力が選択
された場合は、2次のディジタルフィルタ31と選択部
32とからなる回路により出力されたyは、等価的に
(数7)を実行したことになる。即ち、図7に示すよう
なトランペットなどの金管楽器のリード(唇)をシミュ
レートしたことになる。これに対して、セレクト信号s
によりセレクタ36のB入力が選択された場合は、2次
のディジタルフィルタ31と選択部32とからなる回路
により出力されたyは、等価的に(数8),(数9)を
実行したことになる。即ち、図7に示すようなクラリネ
ットなどの木管楽器のリードをシミュレートしたことに
なる。テーブはyをアドレスとして図6に示すL2を読
み出すテーブル、テーブル34はyをアドレスとして図
6に示すR2を読み出すテーブルである。
【0085】図4は本発明の実施例における楽音合成装
置のフィルタ係数発生部13のディジタル回路図を示す
ものである。図4において四則演算部41はLi,Ri
i及びm,μ,kに基づきri 2,qi,2qi,k/
m,1/Liiを算出する回路である。この演算は(数
30)に示すような単純な四則演算であるので詳細回路
については省略する。テーブル42はri 2をアドレスと
して{1/(2ri)}{exp(−ri)−exp(−
i)}を読み出すテーブル、テーブル43はq i、2q
iをアドレスとしてそれぞれexp(−qi),exp
(−2qi)を読み出すテーブル、テーブル44はri 2
をアドレスとして{exp(−ri)+exp(−
i)}を読み出すテーブルである。これらの回路によ
りai,bi,ciが算出される。
【0086】以上のように構成された本実施例の楽音合
成装置について、以下その動作について説明する。図1
において、演奏者の吹き込み圧力p0の微分値dp0/d
tが音響的振動シミュレート部11に入力されると、図
2における2次のディジタルフィルタ21がuI、2次
のディジタルフィルタ22がu2、2次のディジタルフ
ィルタ23がu3、2次のディジタルフィルタ24がun
を算出する。u1,u2はp1算出部25に送出されp1
算出される。同様に、u2,u3はp2算出部26に送出
されp2が算出される。p1,p2は機械的振動シミュレ
ート部12に送出される。図3において、図7,図8に
示されるリードの振動をシミュレートする。即ち、(数
7)〜(数9)を実行し、yを算出する。そして、テー
ブル33,34によりL2,R2が読み出され、フィルタ
係数発生部13において(数19)〜(数23)による
一連の演算処理がなされ、a2,b2,c2が算出され
る。同様に外部から設定されたLi,Ri,Ci(i=
1,2,…,n、但しL2,R2を除く),m,μ,kに
基づきフィルタ係数演算部13は、ai,bi,ci(i
=1,2,…,n、但しa2,b2を除く)及びa0
0,c0を算出する。このようにして求められたフィル
タ係数ai,bi,ci(i=1,2,…,n)は音響的
振動シミュレート部11にa0,b0,c0は機械的振動
シミュレート部12に送出され、2次のディジタルフィ
ルタ21,22,23,…,24のフィルタ係数及び2
次のディジタルフィルタ31のフィルタ係数を決定す
る。このようにして音響的振動シミュレート部11は図
5の開口端部分の体積流速度に相当するunを算出す
る。このunは所望の楽音データとして扱うことができ
る。
【0087】以上のように本実施例によれば、例えば実
際の管楽器の演奏操作で行われる唇の締め具合いの制御
に相当するバネ定数kの制御、或は口内を広げたり狭め
たりする容積制御に相当するコンプライアンスC1の制
御により、フィルタ係数発生部13が音響的振動シミュ
レート部11と機械的振動シミュレート部12の内部構
成であるディジタルフィルタの動作を制御し、結果とし
て所望の楽音に相当するunの音色を制御することがで
きる。
【0088】また、機械的振動シミュレート部12にお
いて、図3に示すような選択部32を設けることによ
り、選択部32のセレクト信号sを制御するだけで、ト
ランベット(金管楽器)とクラリネット(木管楽器)を
選択することができる。
【0089】また、フィルタ係数発生部13において、
図4に示すようなテーブル42,44を設け、r2(実
数)をr(複素数)に変換することなくr2をアドレス
としてテーブル42,44を参照することにより複素な
しでai,bi,ciを計算することができる。
【0090】
【発明の効果】以上のように本発明は、管楽器の管内及
び演奏者の口内の音響的振舞い(圧力や体積流速度とい
った物理量の変化)をLRC回路でシュミレートした音
響的振動シュミレート部と、発振源であるリード(唇を
含む)の機械的な振動をバネと質点からなる振動モデル
でシュミレートした機械的振動シュミレート部と、リー
ドの締め具合いに対応するバネ定数などの物理定数に基
づき、音響的振動シミュレート部と機械的振動シュミレ
ート部フィルタ係数を算出するフィルタ係数発生部と
を備えることにより、トランペットやクラリネットなど
の管楽器において行われる演奏操作(例えばリードの締
め具合いを変える)に対応したフィルタ係数算出によ
り、音色制御が簡単に実現できる。
【0091】また、前記機械的振動シミュレート部が、
リードの開閉状態を表すパラメータを選択的に制御する
選択部を備えることにより、簡単な回路構成でトランペ
ット(金管楽器)とクラリネット(木管楽器)を選択す
ることができる。
【0092】また、前記フィルタ係数発生部が、テーブ
ルを備えることにより、複素演算なしでフィルタ係数を
計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における楽音合成装置の構成を
示すブロック図。
【図2】同実施例における音響的振動シミュレート部1
1の内部構成を示す回路図。
【図3】同実施例における機械的振動シミュレート部1
2の内部構成を示す回路図。
【図4】同実施例におけるフィルタ係数発生部13の内
部構成を示す回路図。
【図5】トランペットの発音構造を表す断面図。
【図6】図5の発音構造を電気回路で表現した音響的等
価回路。
【図7】(a)は唇の断面図。(b)は唇を質点、バネ
などで近似的に表した等価モデル図。
【図8】(a)はクラリネットのマウスピースとリード
の断面図。(b)はクラリネットのリードを質点,バネ
などで近似的に表した等価モデル図。
【図9】クラリネットの演奏操作状態を示す断面図。
【図10】クラリネットの演奏操作状態におけるリード
近傍の圧力と流速との関係を示した特性図。
【図11】クラリネットの演奏操作状態における反射係
数特性を示す特性図。
【図12】従来例の楽音合成装置の構成を示すブロック
図。
【図13】同従来例における変換部121の内部構成を
示すブロック図。
【図14】同従来例における遅延部122の内部構成を
示すブロック図。
【符号の説明】
11 音響的振動シミュレート部 12 機械的振動シミュレート部 13 フィルタ係数発生部 21〜24,31 2次のディジタルフィルタ 25 p1算出部 26 p2算出部 32 選択部 33,34,42〜44 テーブル 41 四則演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 隆宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−40199(JP,A) 特開 平2−294692(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管楽器の管内及び演奏者の口内の音響的
    振舞い(圧力や体積流速度といった物理量の変化)をL
    RC回路でシミュレートした音響的振動シミュレート部
    と、 発振源であるリード(唇を含む)の機械的な振動をバネ
    と質点からなる振動モデルでシミュレートした機械的振
    動シミュレート部と、リードの締め具合いに対応するバネ定数などの物理定数
    に基づき、前記音響的振動シミュレート部と前記機械的
    振動シミュレート部のフィルタ係数を算出するフィルタ
    係数発生部とを備え、 前記機械的振動シミュレート部は、前記音響的振動シミ
    ュレート部が発生するリード開閉力に対応する音圧デー
    タを入力としてリードの変位データを算出し、前記フィ
    ルタ係数発生部は、前記変位データに基づいて前記音響
    的振動シミュレート部のリードの音響抵抗に相当するフ
    ィルタ係数を制御することを特徴とする 楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 機械的振動シミュレート部が、リードの
    開閉状態を表すパラメータを金管楽器または木管楽器の
    指定によって選択的に制御する選択部を備えた請求項1
    記載の楽音合成装置。
  3. 【請求項3】 フィルタ係数発生部が、複素数演算をテ
    ーブル参照で代行するテーブルを備えた請求項1記載の
    楽音合成装置。
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