JP3459948B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/471General musical sound synthesis principles, i.e. sound category-independent synthesis methods
    • G10H2250/481Formant synthesis, i.e. simulating the human speech production mechanism by exciting formant resonators, e.g. mimicking vocal tract filtering as in LPC synthesis vocoders, wherein musical instruments may be used as excitation signal to the time-varying filter estimated from a singer's speech
    • G10H2250/501Formant frequency shifting, sliding formants

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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子鍵盤楽器(電
子ピアノ・電子オルガン・電子キーボードなど)やシン
セサイザなどの電子楽器の音源、パソコンに搭載されて
MIDIケーブルを介して演奏情報を送出するときの音
源モジュールなどとして用いられる楽音合成装置に関
し、特に非線形の微分方程式(例えば、レスラーの方程
式やファンデアポールの方程式など)で記述される自励
振動系を楽音の合成原理に応用したものに関する。楽音
とは、一般的には、「楽器の演奏によって奏でられる
音」の意である。ただし、シンセサイザ等の場合には人
の声も含むものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、非線形の微
分方程式で記述される自励振動系をアナログ回路で実現
したものが開示されている(Mayer-Kress:"Musical Sig
nals from Chua's Circuit",IEEETRANSACTIONS ON CIRC
UITS AND SYSTEMS-II:ANALOGAND DIGITAL SIGNAL PROCE
SSING,VOL.40, NO.10, OCTOBER 1993 p688-p695)。
【0003】この文献によれば、非線形の微分方程式で
記述される自励振動系の回路が生成するリミットサイク
ル(安定な周期的振動)やカオス(不安定な非周期的振
動)を楽音に応用した回路例が記載されている。この振
動系の他にも、例えばファンデアポールやローレンツシ
ステムなど、非線形の微分方程式で記述される自励振動
系が一般的に知られている。
【0004】これらのリミットサイクルやカオスはもと
もと自励振動系が潜在的に内在しているものであり、リ
ミットサイクルをどのようにして抽出するのかが問題と
なる。
【0005】また、これらの振動系をデジタルシミュレ
ートしたものも開示されている(Rick-Bidlack:"Chaoti
c Systems as Simple(but Complex)Compositional Algo
rithms",Computer MusicJournal, Vol.16, Number.3, F
all 1992 p33-p47)。この文献によれば、非線形の微分
方程式で記述される自励振動系をオイラーの差分法を用
いて差分方程式に変換することにより、コンピュータ
(デジタル演算)上で自励振動系の振動をシミュレート
した例が紹介されている。これらの振動系は、適当な初
期値を与えたり、外的な強制振動(摂動)を与えること
により、ある種の振動状態(リミットサイクルと呼ばれ
る周期性のある振動や、カオス状態と呼ばれる不安定な
非周期的振動)になったり、また差分方程式中の係数値
(a,b,c)を変更することによりその振動の形態が
変化することが知られている。また、これらの振動系が
カオス状態にならないように制御する方法についても開
示されている(K.Pyragas:"Continuous control of cha
os by self-controllingfeedback",PhysicsLetters A 1
70, 1992 p421-p428:以降、文献Aとする)。この文献
Aによれば、例えばロスラーやローレンツやダフィング
といった振動系に外的強制振動(摂動)を与えたり、自
己フィードバック系にすることにより、系の振動を安定
した周期的振動にすることについて記載されている。な
お、外的強制振動とは、振動系に対して外部から強制的
にさらに振動を加えることであり、摂動と呼ばれること
もある。また、自励振動系に潜在的に内在している周期
性のある振動、ないしは自励振動系の振動を安定した周
期的振動にすることを「リミットサイクル」と称する。
【0006】以下、図面を参照しながら上述したような
従来の楽音合成装置について説明する。
【0007】図11は従来の技術に係る楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。これは上記の文献Aに該
当する。図11において、11は非線形の自励振動系に
相当する演算を行う非線形振動部、12は選択器17の
出力yin から非線形振動部11の出力yn (後述する
式(数2)のyn )を減算する減算器、13は減算器1
2の出力である周期波形bに相当する(yin−yn )
に所定の増幅率であるゲインKn を乗算する乗算器、1
4は例えば電子鍵盤楽器の鍵盤を押したときに生じる発
音フラグKON(「キーオン」と呼ぶ)が入力されてい
る間は非線形振動部11の出力を楽音波形cとして出力
するゲート回路、15は予めメモリに記憶された基準波
形(正弦波形)yhnを発音フラグKONの入力に同期
して読み出して出力する波形発生部、16はゲート回路
14の出力yn をピッチデータdに相当する時間分だけ
遅延させて出力yn (t−D)として出力する遅延器、
17はモード選択フラグMODEが値0のときに遅延器
16の出力yn(t−D)を減算器12に基準波形yin
として送出し、モード選択フラグMODEが値1のと
きに波形発生部15の出力yhn を減算器12に基準波
形yin として送出する選択器である。なお、発音フラ
グKONは例えば電子鍵盤楽器の鍵盤を押したときの発
音時には値1となり、鍵盤の押しを解除したときの消音
時に値0となる。ゲート回路14から出力される楽音波
形cの信号は図示しないD/A変換器、増幅器を含むサ
ウンドシステムを介してスピーカから音声出力される。
【0008】波形発生部15は例えば1周期分の正弦波
を記憶した読み出し専用メモリ(ROM)と、発音フラ
グKONの発生時以降にメモリのアドレスを繰り返し更
新するカウンタとを用いて簡単に構成できるので、内部
構成についての説明は省略する。また遅延器16につい
ても、随時読み書きメモリ(RAM)をリングメモリ形
式(ある番地からある番地までの読み出しをサイクリッ
クに行う)で構成し、その読み出しポインタRPと書き
込みポインタWPの間隔であるピッチデータdを楽器の
操作部にある調整つまみ等の操作で調整することにより
遅延量を制御するものであり、これも簡単に構成できる
ので、内部構成についての説明は省略する。また非線形
振動部11はマイコンやDSP(デジタルシグナルプロ
セッサ)などのプログラマブルなプロセッサを用いて実
現することができる。この楽音合成装置は、例えば1チ
ップのデバイスで構成することができる。
【0009】非線形振動部11が、(数2)に示す差分
方程式f(Δ,Kn )をプログラムあるいはIC構成
としてもち、その差分方程式を演算するものであるとす
る。
【0010】
【数1】
【0011】
【数2】
【0012】(数1)は非線形の微分方程式の1つであ
るレスラーの方程式である。(数2)は(数1)のレス
ラーの方程式を、オイラーの差分法を用いて差分形式に
変換したものである。(数1)のレスラーの方程式はア
ナログ的表現であり、これを(数2)の差分方程式f
(Δ,Kn )に変換することによってデジタル的に表
現している。この変換はあらかじめ人為的に行ってお
り、結果として得られた(数2)の差分方程式f(Δ
,Kn)が非線形振動部11にプログラムとして内蔵
されている。したがって、(数1)から(数2)への変
換手段といったものは、この楽音合成装置には含まれる
ものではない。なお、(数1)、(数2)において、
x,y,zあるいはxn,yn ,zn は、具体的な物理
量ではなく、純粋に数学的なそしてノンディメンジョン
(無次元)の変数であり、また三次元座標軸における変
数ととらえてよいものである。(数2)の第1式ないし
第3式はそれぞれxn,yn ,zn の1次導関数である
ことはいうまでもない。前記のxn,yn ,zn のう
ち、変数yn に対応するものが物理量としての楽音波形
cとして出力されるのであり、xn,zn は特に出力に
は関与しない。Δは時間差分項(イタレーション間
隔)であり、これもノンディメンジョン(無次元)であ
る。a,b,cは係数である。
【0013】以上のように構成された従来の楽音合成装
置について動作説明をする。図12、図13はそれぞれ
従来の楽音合成装置における楽音波形信号の波形図であ
る。横軸、縦軸はそれぞれ時刻、振幅値に対応する軸で
ある。
【0014】非線形振動部11は、すでに(数1)から
変換済みの差分方程式f(Δ,Kn)である(数2)
を演算するものである。1サンプリング時間(楽音波形
信号の1サンプルを算出する時間で、後述する例では
(1/200)×(1/240)sec=20.8μs
ec)に相当する時間間隔で発生するシステムクロック
SCKの発生毎に、(数2)をm回演算する(mは自然
数)。1回の演算に要する時間は1サンプリング時間を
mで割った時間になる。なお、mは任意に設定できる値
であり、例えば、m=8とすると、1回の演算時間は、
2.6μsecとなる。またシステムクロックSCKの
周波数を48kHzとする。これは楽音波形信号のピッ
チデータを200Hzとし、1周期に対するサンプリン
グ数を240としたときに、200×240=4800
0となるからである。システムクロックSCKは遅延器
16にも入力される。
【0015】ここで、乗算器13におけるゲインKn を
値0にした場合、つまり、乗算器13から非線形振動部
11への強制振動波形信号fyn(=Kn (yin −yn
))を無しにし、非線形振動部11に対する外的強制
振動(摂動)を行わないようにした場合、発音フラグK
ONの発生後において、楽音波形cは図12に示すよう
な波形になる(ただし、時間差分項Δ=0.00
5)。この波形はある周期波形に対して、カオス特有の
不規則性を付加したような波形となる。聴感的には、ブ
ラス系(トランペットやトロンボーンなどの金管楽器)
の楽音のような高調波成分を豊富に含んだ音色(「オン
ショク」と読む)であり、かつピッチ感を極端に弱めた
ような音色である。つまり、時間軸方向の周期性が不分
明で、音程(ドレミファソラシド)が分かりにくいもの
となっている。
【0016】前述した文献Aにおいては、非線形振動部
11が発生する波形を安定した周期波形(リミットサイ
クル)にするために、2つの方法を提案している。
【0017】第1の方法は、外的な周期波形(波形発生
部15による)と非線形振動部11の出力波形との差分
値を用いて非線形振動部11を外的強制振動(摂動)
る方法である。この方法をシミュレートするために、モ
ード選択フラグMODEを値1にし、ゲインKn を値
0.3に設定し、さらにピッチデータdを200Hzに
することで、波形発生部15から200Hzの正弦波形
yhn を発生させる。選択器17はこの正弦波形yhn
を基準波形yin として減算器12に出力する。減算器
12は選択器17からの基準波形yin と非線形振動部
11からの振動波形yn の差分をとって周期波形bに相
当する(yin−yn )を乗算器13に出力する。乗算
器13において固定値のゲインKn =0.3が乗算さ
れ、これにより乗算器13からKn (yin −yn )で
表される強制振動波形b′としての強制振動波形信号f
ynが非線形振動部11に出力され、この強制振動波形
信号fyn によって非線形振動部11を外的強制振動
(摂動)する。その結果として、図13に示すような、
12に示す波形が波形発生部15からの正弦波形yh
n(200Hz)の周期に対応する周期性をもつように
なった楽音波形cが得られる。カオスの不規則性は若干
残るものの、ほとんど安定した周期波形が得られ、音程
がはっきりしたものとなり、リミットサイクルとなる。
なお、図12の波形の振幅は、外的強制振動(摂動)
よって減衰も受けている。
【0018】第2の方法は、遅延器16を用いて自己フ
ィードバック系を構成する方法で、yn を、遅延器16
による遅延時間Dだけずらせたyn(t−D)とするも
のである。ここでの括弧は関数(ファンクション)であ
ることを意味している(例えば、f(x)と同様の表現
形態)。なお、楽音波形cのピッチデータdを200H
zとすると、D=(1/200)秒となる。これは、波
形発生部15からの正弦波形yhnの1周期分に相当す
る。これで非線形振動部11の波形に対して正弦波形y
hn の周期性に代えてそれに対応する周期性をもたせる
のである。サンプリング周波数は48kHzであるの
で、遅延器16の遅延段数は48000/200=24
0段となる。これは、正弦波の1周期内に240個入る
ことに相当する。この第2の方法を用いても、図13
示す波形のように安定した周期波形が得られる。
【0019】第1の方法と第2の方法とは、強制振動波
b′としての強制振動波形信号fyn (=Kn (yi
n −yn ))における要素yin の生成方法が異なるだ
けであり、強制振動作用を含めた差分方程式はいずれの
方法でも(数3)で表すことができ、非線形振動部11
と減算器12と乗算器13で構成される閉ループ状の回
路は(数3)を演算するものである。(数3)では、f
yn=Kn *(yin−yn )とし、このfyn をyn の
1次導関数に加算している。
【0020】
【数3】
【0021】次に、非線形振動部11が、(数5)に示
す差分方程式f(Δ,Kn )をプログラムあるいはI
C構成としてもち、その差分方程式を演算するものであ
るとする。
【0022】
【数4】
【0023】
【数5】
【0024】(数4)は非線形の微分方程式の1つであ
るファンデアポールの方程式である。(数5)は数
(4)のファンデアポールの方程式を、オイラーの差分
法を用いて差分形式に変換したものである。(数4)の
ファンデアポールの方程式はアナログ的表現であり、こ
れを(数5)の差分方程式f(Δ,Kn )に変換する
ことによってデジタル的に表現している。この変換はあ
らかじめ人為的に行っており、結果として得られた(数
5)の差分方程式f(Δ,Kn)が非線形振動部11
にプログラムとして内蔵されている。(数4)から(数
5)への変換手段といったものは、この楽音合成装置に
は含まれるものではない。また、強制振動波形信号fy
n(=Kn (yin −yn ))による強制振動作用を含
めた差分方程式は(数6)で表すことができる。そし
て、この場合、非線形振動部11と減算器12と乗算器
13で構成される閉ループ状の回路は(数6)を演算す
るものである。
【0025】
【数6】
【0026】(数6)に基づいて制御される楽音合成装
置において、モード選択フラグMODEを値1として波
形発生部15からの正弦波形yhn を基準波形yin と
して選択し、乗算器13におけるゲインKn を値0とす
ると、楽音波形cは図14に示すような波形となる。ま
た、モード選択フラグMODEを値1とし、ゲインKn
を値0.7とすると、図15に示すような楽音波形cが
得られる。
【0027】以上のように、従来の楽音合成装置は、非
線形振動部11の自励振動系に対して基準波形yinを
融合することにより、非線形振動部11が有するリミッ
トサイクルを基準波形yin の周期性にマッチングする
状態で抽出し、新たな音色(オンショク)を合成するも
のである。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の楽音合成装置では、ピッチデータd(周波数)
の変更によって楽音波形cの基本ピッチを変更しても、
楽音波形cに重畳されたリミットサイクルの周波数は常
に一定しているので、オーボエや人の声などのいわゆる
固定フォルマント系楽音はシミュレートできても、トラ
ンペット・サキソフォン・ピアノ・ギターなどの移動フ
ォルマント系の楽音をシミュレートできないという問題
点を有していた。なお、フォルマントとは、楽器の音色
を特徴付けるスペクトル包絡の形状(横軸に周波数、縦
軸に音量)のことであり、固定フォルマントとは、その
スペクトル包絡の形状が音程を変えても変化しないもの
であり、移動フォルマントとは、音程を変えるとスペク
トル包絡の形状が変化するものである。
【0029】例えば、トランペットなどの金管楽器で
は、楽音のピッチ(管長で変更)に応じて唇の締め具合
を変化させることにより、基本ピッチに対応する基準の
周期波形に重畳される唇の固有振動の周波数(基本ピッ
チより高い周波数)は基本ピッチに準じて変化する。ま
た、サキソフォンなどにおいては、低い音域では通常、
バリトンサキソフォン(あるいはテナーサキソフォン)
の音色が用いられ、高い音域ではソプラノサキソフォン
(あるいはアルトサキソフォン)の音色が用いられる
が、バリトンサキソフォンは大きなリード(リード自体
の固有振動周波数が低いリード)が用いられるので、管
とリードの共鳴によって形成される基準の周期波形に重
畳されるリードの固有振動の周波数(基本ピッチより高
い周波数)は、ソプラノサキソフォンのリードの固有振
動よりも低い周波数になる。即ち、移動フォルマント系
の楽音においては、楽音波形のピッチに応じて、楽音波
形に重畳されるメジャーな高調波成分(リミットサイク
ルに対応)の周波数が変化するといった特徴を有する。
【0030】また、上述した従来の楽音合成装置では、
13や図15に示すように、楽音波形信号の立ち上が
り以降、波形形状(音色)がほぼ一定した波形になるの
で、立ち上がりが非周期的で立ち上がり以降次第に周期
性を帯びてくるといった自然楽音特有の時間的音色変化
をシミュレートできないといった問題点を有していた。
例えば、ピアノ音の立ち上がりにおいては、ハンマーが
弦に当たる際の衝撃音(非周期的であり高調波成分を多
く含む波形)が発生し、立ち上がり以降は弦の振動音
(周期的な波形)が成長してくる。またトランペットな
どの金管楽器音の立ち上がりにおいては、唇(リード)
のみの固有振動(基本ピッチとは異なる周波数の振動)
が発生し、立ち上がり以降は管と唇の共鳴音(基本ピッ
チ)が成長してくる。即ち、自然楽音においては、立ち
上がりは楽音波形信号のピッチとは異なる周波数の波形
もしくは非周期的な波形が発生し、立ち上がり以降は基
本ピッチの周期波形になる。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明に係る楽音合成装置は、非線形振動の微
分方程式を差分形式で表わした差分方程式に従って自励
振動する波形データ列を発生する非線形振動手段に対し
て外部から強制的に楽音波形のピッチに相当する周期の
振動を加えることにより非線形振動手段の振動を安定化
させ所望の楽音波形を合成させるに当たり、所望の楽音
波形のピッチ要素に応じて非線形振動手段の差分方程式
の時間差分項Δの値を変更するように構成してある。
これによって、非線形振動手段の演算上の時間軸を圧縮
伸張させ、非線形振動手段が発生する固有振動(リミッ
トサイクル)の周波数を変化させ、自然楽器音の音色の
音高特性をシミュレートする
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る請求項1ない
し請求項の楽音合成装置の構成を説明する。理解を容
易にするため図1〜図を用いて説明するが、この図示
形態によって本発明は限定されるものではない。
【0033】本発明に係る請求項1の楽音合成装置は、
図1に示すように、非線形振動の微分方程式を差分形式
で表わした差分方程式に従って自励振動する波形データ
列を発生する非線形振動手段aに対して外部から強制的
に楽音波形のピッチに相当す る周期の振動を加えること
により非線形振動手段aの振動を安定化させ所望の楽音
波形cを合成させる楽音合成装置において、前記非線形
振動手段aが演算する差分方程式f(Δ)の時間差分
項Δを楽音波形のピッチ要素dに応じて制御する手段
eを有していることを特徴としている。
【0034】所望の楽音波形のピッチ要素dに応じて非
線形振動手段aの差分方程式f(Δ)の時間差分項Δ
の値を変更することにより非線形振動手段aの演算上
の時間軸を圧縮伸張させ、非線形振動手段aが発生する
固有振動(リミットサイクル)の周波数を変化させ、こ
れによって自然楽器音の音色の音高特性をシミュレート
することができる。
【0035】本発明に係る請求項2の楽音合成装置は、
上記請求項1をより具体的にするものであって、図
示すように、非線形振動の微分方程式を差分形式で表わ
した差分方程式に従って自励振動する波形データ列を発
生する非線形振動手段aと、基準波形を発生する波形発
生手段hと、前記波形発生手段hが発生する基準波形y
in と前記非線形振動手段aが出力する振動波形yn と
の差分(yin −yn)をとることに基づいて非線形振
動手段aに対して外部から強制的に楽音波形のピッチに
相当する周期の振動を加えるための強制振動波形b′を
発生する減算手段iと、所望の楽音波形cのピッチ要素
dに応じて前記非線形振動手段aの差分方程式f(Δ
T,Kn)の時間差分項Δの値を変更することにより
非線形振動手段aの固有振動の周波数を制御する固有振
動周波数制御手段jとを備えていることを特徴としてい
る。
【0036】非線形振動手段aを外的強制振動するため
強制振動波形b′を発生するのに、波形発生手段hに
よる基準波形yin と非線形振動手段aが出力する振動
波形yn とを減算手段iに導いてその差分(yin −y
n )をとることに基づいて強制振動波形b′を発生させ
ている。そして、固有振動周波数制御手段jが楽音波形
cのピッチ要素dに応じて非線形振動手段aの差分方程
式f(Δ,Kn)の時間差分項Δの値を変更するこ
とにより非線形振動手段aの演算上の時間軸を圧縮伸張
させ、非線形振動手段aが発生する固有振動(リミット
サイクル)の周波数を変化させ、これによって自然楽器
音の音色の音高特性をシミュレートすることができる。
【0037】本発明に係る請求項の楽音合成装置は、
上記請求項1をより具体的にするものであって、図
示すように、非線形振動の微分方程式を差分形式で表わ
した差分方程式に従って自励振動する波形データ列を発
生する非線形振動手段aと、前記非線形振動手段aが出
力する振動波形yn を所定時間遅延させた後に基準波形
yin として出力する遅延手段pと、前記遅延手段pが
発生する基準波形yin と前記非線形振動手段aが出力
する振動波形ynとの差分(yin −yn )をとること
に基づいて非線形振動手段aに対して外部から強制的に
楽音波形のピッチに相当する周期の振動を加えるための
強制振動波形b′を発生する減算手段iと、所望の楽音
波形cのピッチ要素dに応じて前記非線形振動手段aの
差分方程式f(ΔT,Kn)の時間差分項Δの値を変
更することにより非線形振動手段aの固有振動の周波数
を制御する固有振動周波数制御手段jとを備えているこ
とを特徴としている。
【0038】非線形振動手段aに対して外部から強制的
に振動を加えるための強制振動波形b′を発生するの
に、非線形振動手段aが出力する振動波形yn を遅延手
段pにより遅延させて生成した基準波形yin と非線形
振動手段aが出力する振動波形yn とを減算手段iに導
いてその差分(yin−yn )をとることに基づいて
制振動波形b′を発生させている。そして、固有振動周
波数制御手段jが楽音波形cのピッチ要素dに応じて非
線形振動手段aの差分方程式f(Δ,Kn)の時間差
分項Δの値を変更することにより非線形振動手段aの
演算上の時間軸を圧縮伸張させ、非線形振動手段aが発
生する固有振動(リミットサイクル)の周波数を変化さ
せ、これによって自然楽器音の音色の音高特性をシミュ
レートすることができる。
【0039】本発明に係る請求項の楽音合成装置は、
上記請求項1より具体的にするものであって、図
示すように、非線形振動の微分方程式を差分形式で表わ
した差分方程式に従って自励振動する波形データ列を発
生する非線形振動手段aと、基準波形を発生する波形発
生手段hと、前記波形発生手段hが発生する基準波形y
in と前記非線形振動手段aが出力する振動波形yn と
の差分(yin −yn)をとることに基づいて非線形振
動手段aに対して外部から強制的に楽音波形のピッチに
相当する周期の振動を加えるための強制振動波形b′を
発生する減算手段iと、所望の楽音波形cのピッチ要素
dに応じて前記非線形振動手段aの差分方程式f(Δ
T,Kn)の時間差分項Δの値を変更することにより
非線形振動手段aの固有振動の周波数を制御する固有振
動周波数制御手段jと、発音開始を起点として時間経過
を計時する計時手段qと、前記計時手段qが計時した時
間データDTに応じて前記減算手段iが出力する強制振
動波形b′のゲインKn を制御するゲイン制御手段rと
を備えていることを特徴としている。
【0040】非線形振動手段aに対して外部から強制的
に振動を加えるための強制振動波形b′を発生するの
に、波形発生手段hによる基準波形yin と非線形振動
手段aが出力する振動波形yn とを減算手段iに導いて
その差分(yin −yn )をとることに基づいて強制振
動波形b′を発生させている。そして、固有振動周波数
制御手段jが楽音波形cのピッチ要素dに応じて非線形
振動手段aの差分方程式f(Δ,Kn)の時間差分項
Δの値を変更することにより非線形振動手段aの演算
上の時間軸を圧縮伸張させ、非線形振動手段aが発生す
る固有振動(リミットサイクル)の周波数を変化させ、
これによって自然楽器音の音色の音高特性をシミュレー
トすることができる。さらに、計時手段qが発音開始時
点から計時した時間データDT即ち時間要素fに応じて
減算手段iが出力する非線形振動手段aの差分方程式f
(Δ,Kn )に対する強制振動波形b′のゲインKn
を変化させることにより、楽音波形の安定度合い(周期
性の度合い)及び楽音波形に重畳されるリミットサイク
ルの量を調整し、楽音波形cの立ち上がりが不安定周期
状態から徐々に安定周期状態に遷移していくといった自
然楽器特有の過渡特性をシミュレートすることができ
る。
【0041】本発明に係る請求項の楽音合成装置は、
上記請求項1より具体的にするものであって、図
示すように、非線形振動の微分方程式を差分形式で表わ
した差分方程式に従って自励振動する波形データ列を発
生する非線形振動手段aと、前記非線形振動手段aが出
力する振動波形yn を所定時間遅延させた後に基準波形
yin として出力する遅延手段pと、前記遅延手段pが
発生する基準波形yin と前記非線形振動手段aが出力
する振動波形ynとの差分(yin −yn )をとること
に基づいて非線形振動手段aに対して外部から強制的に
振動を加える強制振動波形b′を発生する減算手段i
と、発音開始を起点として時間経過を計時する計時手段
qと、前記計時手段qが計時した時間データDTに応じ
て前記減算手段iが出力する強制振動波形b′のゲイン
Kn を制御するゲイン制御手段rと、所望の楽音波形c
のピッチ要素dに応じて前記非線形振動手段aの差分方
程式f(ΔT,Kn)の時間差分項Δの値を変更する
ことにより非線形振動手段aの固有振動の周波数を制御
する固有振動周波数制御手段jとを備えていることを特
徴としている。
【0042】非線形振動手段aに対して外部から強制的
に振動を加える強制振動波形b′を発生するのに、非線
形振動手段aが出力する振動波形yn を遅延手段pによ
り遅延させて生成した基準波形yin と非線形振動手段
aが出力する振動波形yn とを減算手段iに導いてその
差分(yin−yn )をとることに基づいて強制振動波
b′を発生させている。そして、計時手段qが発音開
始時点から計時した時間データDT 即ち時間要素fに応
じて減算手段iが出力する非線形振動手段aの差分方程
式f(Δ,Kn)に対する強制振動波形b′のゲイン
Kn を変化させることにより、楽音波形の安定度合い
(周期性の度合い)及び楽音波形に重畳されるリミット
サイクルの量を調整し、楽音波形cの立ち上がりが不安
定周期状態から徐々に安定周期状態に遷移していくとい
った自然楽器特有の過渡特性をシミュレートすることが
できる。さらに、固有振動周波数制御手段jが楽音波形
cのピッチ要素dに応じて非線形振動手段aの差分方程
式f(Δ,Kn)の時間差分項Δの値を変更するこ
とにより非線形振動手段aの演算上の時間軸を圧縮伸張
させ、非線形振動手段aが発生する固有振動(リミット
サイクル)の周波数を変化させ、これによって自然楽器
音の音色の音高特性をシミュレートすることができる。
【0043】本発明に係る請求項の楽音合成装置は、
上記請求項1より具体的にするものであって、図
示すように、非線形振動の微分方程式を差分形式で表わ
した差分方程式に従って自励振動する波形データ列を発
生する非線形振動手段aと、第1の基準波形yhn を発
生する波形発生手段hと、前記非線形振動手段aが出力
する振動波形yn を所定時間遅延させた後に第2の基準
波形yn (t−D)として出力する遅延手段pと、前記
第1の基準波形yhnと前記第2の基準波形yn(t−
D)とを切り換えて基準波形yin として選択的に出力
する選択手段sと、前記選択手段sが発生する基準波形
yin と前記非線形振動手段aが出力する振動波形yn
との差分(yin −yn )をとることに基づいて非線形
振動手段aに対して外部から強制的に振動を加える強制
振動波形b′を発生する減算手段iと、発音開始を起点
として時間経過を計時する計時手段qと、前記計時手段
qが計時した時間データDTに応じて前記減算手段iが
出力する強制振動波形b′のゲインKn を制御するゲイ
制御手段rと、所望の楽音波形cのピッチ要素dに応
じて前記非線形振動手段aの差分方程式f(ΔT,K
n)の時間差分項Δの値を変更することにより非線形
振動手段aの固有振動の周波数を制御する固有振動周波
数制御手段jとを備えていることを特徴としている。
【0044】選択手段sにおいて波形発生手段hからの
第1の基準波形yhn と遅延手段pからの第2の基準波
形yn(t−D)とのうちいずれかを基準波形yin と
して選択し、減算手段iに出力する。非線形振動手段a
に対して外部から強制的に振動を加えるための強制振動
波形b′を発生するのに、非線形振動手段aが出力する
振動波形ynを選択手段sにより選択した基準波形yin
と非線形振動手段aが出力する振動波形yn とを減算
手段iに導いてその差分(yin −yn )をとることに
基づいて強制振動波形b′を発生させている。そして、
計時手段qが発音開始時点から計時した時間データDT
即ち時間要素fに応じて減算手段iが出力する非線形振
動手段aの差分方程式f(Δ,Kn )に対する強制振
動波形b′のゲインKnを変化させることにより、楽音
波形の安定度合い(周期性の度合い)及び楽音波形に重
畳されるリミットサイクルの量を調整し、楽音波形cの
立ち上がりが不安定周期状態から徐々に安定周期状態に
遷移していくといった自然楽器特有の過渡特性をシミュ
レートすることができる。さらに、固有振動周波数制御
手段jが楽音波形cのピッチ要素dに応じて非線形振動
手段aの差分方程式f(Δ,Kn)の時間差分項Δ
の値を変更することにより非線形振動手段aの演算上の
時間軸を圧縮伸張させ、非線形振動手段aが発生する固
有振動(リミットサイクル)の周波数を変化させ、これ
によって自然楽器音の音色の音高特性をシミュレートす
ることができる。
【0045】以下、本発明に係る楽音合成装置の具体的
な実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0046】図は本発明の実施の形態における楽音合
成装置の構成を示すブロック図である。図において、
従来の技術に係る図11におけるのと同一符号は同一構
成を示し、再度説明すると、11はマイコンやDSP
(デジタルシグナルプロセッサ)などのプログラマブル
なプロセッサを用いて構成されるもので非線形の自励振
動系に相当する差分方程式f(Δ,Kn )の演算を行
う非線形振動部、12は選択器17の出力yin から非
線形振動部11の出力yn を減算する減算器、13は減
算器12の出力である周期波形bに相当する(yin−
yn )に対して時間要素に応じて可変のゲインKn を乗
算する乗算器、14は例えば電子鍵盤楽器の鍵盤を押し
たときに生じる発音フラグKON(「キーオン」)が入
力されている間は非線形振動部11の出力を楽音波形c
として出力するゲート回路、15は予めメモリに記憶さ
れた基準波形(正弦波形)yhnを発音フラグKONの
入力に同期して読み出して出力する波形発生部、16は
ゲート回路14の出力yn をピッチデータdに相当する
時間分だけ遅延させて出力yn (t−D)として出力す
る遅延器、17はモード選択フラグMODEが値0のと
きに遅延器16の出力yn(t−D)を減算器12に基
準波形yin として送出し、モード選択フラグMODE
が値1のときに波形発生部15の出力yhn を減算器1
2に基準波形yin として送出する選択器、SCKは非
線形振動部11、遅延器16および後述するカウンタ1
9に入力されるシステムクロックである。発音フラグK
ONは例えば電子鍵盤楽器の鍵盤を押したときの発音時
には値1となり、鍵盤の押しを解除したときの消音時に
値0となる。ゲート回路14から出力される楽音波形信
号は図示しないD/A変換器、増幅器を含むサウンドシ
ステムを介してスピーカから音声出力される。
【0047】本実施の形態においては、以上の構成に加
えて次のような構成を備えている。図において、18
はピッチデータd(例えば鍵盤楽器の場合は押す鍵盤の
位置によって定まる)をアドレスとして内部に記憶され
た時間差分項Δの対応する値を読み出す固有振動周波
数制御用テーブル、19は発音フラグKONの発生の瞬
間にリセットされ、その後、システムクロックSCKの
発生毎にカウント値を1ずつインクリメントし、カウン
ト値が最大値として設定してある例えば4095(=2
12−1)に達した時点で、その最大値4095を保持す
る計時用カウンタ、20は計時用カウンタ19のカウン
ト値である時間データDT をアドレスとして内部に記憶
されたゲインKn の値を読み出すゲイン制御用テーブル
である。固有振動周波数制御用テーブル18において
は、例えば後出の(表1)に示すように、ピッチデータ
dと時間差分項Δとが対応付けられている。ゲイン
御用テーブル20においては、例えば後出の(表2)に
示すように、計時用カウンタ19のカウント値とゲイン
Knとが対応付けられている。これらのテーブルはマイ
コンのROMに格納されている。(表1)、(表2)は
後述するようにサキソフォン属に係るものであるが、こ
のようなテーブルが適用する楽器の種類数だけ用意され
ていて、それを選択するようになっている。この楽音合
成装置は、例えば1チップのデバイスで構成することが
できる。
【0048】図、図、図10は本発明の実施の形態
に係る楽音合成装置における楽音波形信号の波形図であ
る。これらの図において、横軸、縦軸はそれぞれ時刻、
振幅値に対応する軸である。
【0049】以上のように構成された楽音合成装置の動
作について以下に説明する。基本的な合成動作は従来の
楽音合成装置と同様であるので、相違点のみについて説
明する。なお、選択器17に対するモード選択フラグM
ODEは値0でも値1でもほぼ同様の特性をもった楽音
波形cが得られるので、ここではモード選択フラグMO
DEを値1にした場合、即ち波形発生部15の出力yh
n を選択器17で選んで強制振動波形信号fyn の要素
yin として動作させた場合についてのみ説明する。
【0050】まず、非線形振動部11が(数6)に示す
ファンデアポールの方程式に対応する強制振動作用を含
めた差分方程式f(Δ,Kn )を演算する機能を有し
ているとする。
【0051】従来の楽音合成装置では時間差分項Δ
値を0.005として演算し、ゲインKn が値0の場
合、図14に示すような楽音波形(リミットサイクル)
が得られた。
【0052】システム構成を複雑にせずに、リミットサ
イクルの周波数をピッチデータdに応じて変化させるた
めには、システム全体の動作周波数を常に一定とする、
即ちシステムクロックSCKの発生タイミングを時間的
に変更させないような方法をとる必要がある。そのため
の方法としては、例えば非線形振動部11を、正弦波を
発生するような2次の線形フィルタのような線形システ
ムで構成する場合においては、フィルタの係数を調整し
て発振周波数を変更する手法が考えられる。
【0053】しかし、本発明の本実施の形態において
は、非線形振動部11は非線形システムであるので、フ
ィルタの係数調整で一意的にリミットサイクル周波数を
調整することが困難である。なぜならば、非線形システ
ムの場合、リミットサイクルのモード(周波数の違いも
含む)が係数の連続的な変化に対して飛び飛びに変化す
る(連続的に変化しない)ものであり、また非線形シス
テムの種類によっては突然にカオス状態になるものもあ
るからである。
【0054】そこで、本発明の実施の形態においては、
固有振動周波数制御用テーブル18においてピッチデー
タdに応じて時間差分項Δの値を制御することによ
り、非線形振動部11が生成するリミットサイクルのみ
の時間スケールを変化させることとしている。
【0055】従来の場合の図14、図15においては、
時間差分項Δを値0.005としていたが、これに対
して、本実施の形態において、時間差分項Δを値0.
02とし、ゲインKn を値0とすると、図に示す楽音
波形が得られる。また時間差分項Δの値0.02のま
まで、ゲインKnを値0.7とすると、図に示す楽音
波形が得られる。図と図15とを比較すると、明らか
に図の方が、周波数の高いリミットサイクルが基準波
形(200Hzの正弦波)に重畳されていることがわか
る。従って、楽音波形のピッチに応じてリミットサイク
ルの周波数を制御するためには、(表1)に示すよう
な、ピッチデータdと時間差分項Δを対応付けるテー
ブルを設ければよい。
【0056】
【表1】
【0057】表1はサキソフォン属の音色特性をシミュ
レートするための変換特性を有したものである。110
Hz付近はバリトンサキソフォンの音色が多用される音
域であり、ピッチが上がるにつれテナーサキソフォン、
アルトサキソフォンとなり、そして440Hz付近はソ
プラノサキソフォンの音色が多用される音域となる。即
ち、音域(ピッチ)によって、多用されるサキソフォン
の種類が異なる。
【0058】そこで、各種サキソフォンの音色を特徴付
けるメジャーな要素であるリードの固有振動数(基本ピ
ッチより高い振動モードのもの)に着目し、これを音域
によって変更することにより、全音域に亘るサキソフォ
ンの特徴(音高特性)をシミュレートすることができ
る。そのために、本発明の実施の形態においては、(表
1)に示すように、非線形振動部11が生成するリミッ
トサイクルの周波数(上記リードの固有振動数に対応す
るもの)を決定する時間差分項Δを音域(ピッチ)に
応じて変更するように構成したのである。
【0059】なお、(表1)のようにピッチデータの値
が大きくなるにつれて時間差分項Δの値が連続的に大
きくなる特性にするのではなく、例えば、あるピッチデ
ータの値において不連続的に大きくなる、即ち階段状の
特性にしてもよい。また、時間差分項Δとリミットサ
イクルの周波数の関係は、非線形振動部11が演算する
差分方程式f(Δ,Kn )の種類等によって異なるも
のであり、また、実際上、サキソフォンのリードの固有
振動数自体も個体差があるものなので、理論的に一意に
決定できるものではない。固有振動周波数制御用テーブ
ル18は適用する楽器の種類数だけ用意されていて、そ
れを選択するようになっている。従って、時間差分項Δ
とリミットサイクルの周波数の関係は、自然楽器音及
び合成された楽音波形の計測、試聴によって、試行錯誤
的に決定することになる。
【0060】次に、非線形振動部11が(数3)に示す
レスラーの方程式に対応する強制振動作用を含めた差分
方程式f(Δ,Kn )を演算する機能を有していると
する。
【0061】従来の楽音合成装置では、楽音波形の立ち
上がり以降、ゲインKn の値を0.3に固定して合成し
ていたのに対し、本発明の実施の形態においては、計時
用カウンタ19が発音フラグKONの発生以降、システ
ムクロックSCKの発生タイミングに応じてカウント値
を値0から1ずつインクリメントし、(表2)の変換特
性を有したゲイン制御用テーブル20が計時用カウンタ
19のカウント値に応じてゲインKnを値0から値0.
3に向けて徐々に増大させ、値0.3に到達した後は値
0.3を保持するように合成する。
【0062】
【表2】
【0063】表2によれば、計時用カウンタ19のカウ
ント値が値2000になるまでゲインKn を一定のステ
ップ(0.00015)で値0から値0.3まで徐々に
増大させ、カウント値が値2000に達した時点でゲイ
Knを値0.3に保持するといった特性である。この
特性に従ってゲインKn を時間的に制御することによ
り、楽音波形は図10に示すような波形となる。即ち、
楽音波形が立ち上がりから2000ポイント分(基本ピ
ッチである200Hzの周期波形に換算して約8波形分
であり(200×(2000/48000)≒8.3
3)、図10における時刻ta)になるまでは、基本ピ
ッチの周期性が弱く、かつ基本ピッチより周期が短い不
安定な周期成分が現れる。そして時刻ta以降は基本ピ
ッチの周期性の強い安定した周期波形となる。
【0064】なお、ゲイン制御用テーブル20は、(表
2)に示すように計時用カウンタ19のカウント値に応
じてゲインKn の値が連続的に変化するような特性とし
たが、例えばカウント値2000において、時間差分項
Δがステップ的に変化するような特性としてもよい。
なお、ゲイン制御用テーブル20は、適用する楽器の種
類数だけ用意されていて、それを選択するようになって
いる。
【0065】以上のように、本発明の実施の形態によれ
ば、固有振動周波数制御用テーブル18が、楽音波形の
ピッチが高くなるにつれて非線形振動部11が発生する
リミットサイクルの周波数を段階的に高くすることによ
り、全音域に亘って例えばサキソフォン属の音色(いわ
ゆる移動フォルマント系の音色)をシミュレートするこ
とができる。
【0066】なお、固有振動周波数制御用テーブル18
に記憶された時間差分項Δの値を変更し、ピッチデー
タと時間差分項Δの変換特性を変更することによっ
て、また、テーブル20に記憶されたゲインKn の値を
変更し、また、非線形振動部11が演算する差分方程式
f(Δ,Kn )の種類や、波形発生部15内に記憶し
た基準波形yhnを変更することによって、そして演奏
者の操作により任意に選択できるようにすることによ
り、シミュレートする楽器の種類や機種に応じてさまざ
まな音色の合成にも対応することができる。
【0067】また、本実施の形態によれば、計時用カウ
ンタ19とゲイン制御用テーブル20が時間の経過に応
じてゲインKn を値0から値0.3(非線形振動部11
が安定した周期波形を形成できるゲインの値)に向けて
徐々に増加させることによって、立ち上がりが不安定で
かつ高調波に富んだ、いわゆる自然楽器の立ち上がりの
音色に近い楽音波形を合成し、立ち上がり以降は基本ピ
ッチに準じた安定した周期波形、即ち自然楽器の定常区
間の音色に近い楽音波形を合成することができる。
【0068】なお、波形発生部15としては、予め自然
楽器音をサンプリングしたデータを記憶しておき、これ
を読み出すように構成してもよいし、また、外部の周期
信号をリアルタイムでアナログ‐デジタル変換する変換
回路としてもよい。また、非線形振動部11は、互いに
異なる合成アルゴリズムを直列あるいは並列に組み合わ
せるように構成してもよいし、また、非線形振動部1
1、即ちマイコンやDSP(デジタルシグナルプロセッ
サ)の処理能力の向上に合わせて合成アルゴリズムを複
雑化させたり、また1サンプリング時間の間に合成アル
ゴリズムを演算する演算回数mを増加させてもよい。ま
た、各種微分方程式から差分方程式に変換する方法とし
てオイラー差分法を用いたが、それ以外の方法(例えば
インパルス不変法)を用いて変換してもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る楽音合成装置によれば、
線形振動の微分方程式を差分形式で表わした差分方程式
に従って自励振動する波形データ列を発生する非線形振
動手段に対して外部から強制的に楽音波形のピッチに相
当する周期の振動を加えることにより非線形振動手段の
振動を安定化させ所望の楽音波形を合成させるに当た
り、所望の楽音波形のピッチ要素に応じて非線形振動手
段の差分方程式の時間差分項Δの値を制御するように
構成してあるので、非線形振動手段の演算上の時間軸を
圧縮伸張させ、非線形振動手段が発生する固有振動(リ
ミットサイクル)の周波数を変化させ、自然楽器音の音
色の音高特性をシミュレートすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る請求項1の楽音合成装置の構成の
一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る請求項2の楽音合成装置の構成の
一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る請求項3の楽音合成装置の構成の
一例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る請求項4の楽音合成装置の構成の
一例を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る請求項5の楽音合成装置の構成の
一例を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る請求項6の楽音合成装置の構成の
一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る楽音合成装置の構成
を示すブロック図である。
【図8】実施の形態の場合にファンデアポールの(数
6)において可変の時間差分項Δ=0.02、可変の
ゲインKn =0としたときの楽音波形図である。
【図9】実施の形態の場合にファンデアポールの(数
6)において可変の時間差分項Δ=0.02、可変の
ゲインKn =0.7としたときの楽音波形図である。
【図10】実施の形態の場合にレスラーの(数3)にお
いて可変の時間差分項Δ=0.005とし、可変の
インKn を値0から徐々に増加していき値0.3まで変
化させたときの楽音波形図である。
【図11】従来の技術に係る楽音合成装置の構成を示す
ブロック図である。
【図12】従来の技術の場合にレスラーの(数3)にお
いて固定の時間差分項Δ=0.005、固定のゲイン
Kn =0としたときの楽音波形図である。
【図13】従来の技術の場合にレスラーの(数3)にお
いて固定の時間差分項Δ=0.005、固定のゲイン
Kn =0.3としたときの楽音波形図である。
【図14】従来の技術の場合にファンデアポールの(数
6)において固定の時間差分項Δ=0.005、固定
ゲインKn =0としたときの楽音波形図である。
【図15】従来の技術の場合にファンデアポールの(数
6)において固定の時間差分項Δ=0.005、これ
らのゲインKn =0.7としたときの楽音波形図であ
る。
【符号の説明】
a……非線形振動手段 b……周期波形 b′…強制振動波形 c……楽音波形 d……ピッチ要素(ピッチデータ) e……時間差分項Δの制御手段 f……時間要素 g……ゲインKn の制御手段 h……波形発生手段 i……減算手段 j……固有振動周波数制御手段 p……遅延手段 q……計時手段 r……ゲイン制御手段 s……選択手段 Δ……時間差分項 Kn ……ゲイン 11……非線形振動部(非線形振動手段) 12……減算器(減算手段) 13……乗算器 14……ゲート回路 15……波形発生部(波形発生手段) 16……遅延器(遅延手段) 17……選択器(選択手段) 18……固有振動周波数制御用テーブル(固有振動周波
数制御手段) 19……計時用カウンタ(計時手段) 20……ゲイン制御用テーブル(ゲイン制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−97197(JP,A) 特開 平7−140983(JP,A) 特開 平7−84580(JP,A) 特開 平3−233499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 7/00 - 7/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形振動の微分方程式を差分形式で表
    わした差分方程式に従って自励振動する波形データ列を
    発生する非線形振動手段に対して外部から強制的に楽音
    波形のピッチに相当する周期の振動を加えることにより
    前記非線形振動手段の振動を安定化させ所望の楽音波形
    を合成させる楽音合成装置において、 前記非線形振動手段が演算する差分方程式の時間差分項
    前記楽音波形のピッチに応じて制御することを特徴と
    する楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 非線形振動の微分方程式を差分形式で表
    わした差分方程式に従って自励振動する波形データ列を
    発生する非線形振動手段と、 基準波形を発生する波形発生手段と、 前記波形発生手段が発生する基準波形と前記非線形振動
    手段が出力する振動波形との差分をとることに基づいて
    非線形振動手段に対して外部から強制的に振動を加える
    強制振動波形を発生する減算手段と、 所望の楽音波形のピッチに応じて前記非線形振動手段
    演算する差分方程式の時間差分項値を変更することに
    より非線形振動手段の固有振動の周波数を制御する固有
    振動周波数制御手段と を備えていることを特徴とする楽音合成装置。
  3. 【請求項3】 非線形振動の微分方程式を差分形式で表
    わした差分方程式に従って自励振動する波形データ列を
    発生する非線形振動手段と、 前記非線形振動手段が出力する振動波形を所定時間遅延
    させた後に基準波形として出力する遅延手段と、 前記遅延手段が発生する基準波形と前記非線形振動手段
    が出力する振動波形との差分をとることに基づいて非線
    形振動手段に対して外部から強制的に振動を加える強制
    振動波形を発生する減算手段と、 所望の楽音波形のピッチに応じて前記非線形振動手段
    演算する差分方程式の時間差分項値を変更することに
    より非線形振動手段の固有振動の周波数を制御する固有
    振動周波数制御手段と を備えていることを特徴とする楽音合成装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の楽音合成装置におい
    て、さらに、 発音開始を起点として時間経過を計時する計時手段と、 前記計時手段が計時した時間データに応じて前記減算手
    段が出力する強制振動波形ゲインを制御するゲイン
    御手段と を備えていることを特徴とする楽音合成装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の楽音合成装置におい
    て、さらに、 発音開始を起点として時間経過を計時する計時手段と、 前記計時手段が計時した時間データに応じて前記減算手
    段が出力する強制振動波形ゲインを制御するゲイン
    御手段 備えていることを特徴とする楽音合成装置。
  6. 【請求項6】 非線形振動の微分方程式を差分形式で表
    わした差分方程式に従って自励振動する波形データ列を
    発生する非線形振動手段と、 第1の基準波形を発生する波形発生手段と、 前記非線形振動手段が出力する振動波形を所定時間遅延
    させた後に第2の基準波形として出力する遅延手段と、 前記第1の基準波形と前記第2の基準波形とを切り換え
    て基準波形として選択的に出力する選択手段と、 前記選択手段が発生する基準波形と前記非線形振動手段
    が出力する振動波形との差分をとることに基づいて非線
    形振動手段に対して外部から強制的に振動を加える強制
    振動波形を発生する減算手段と、 発音開始を起点として時間経過を計時する計時手段と、 前記計時手段が計時した時間データに応じて前記減算手
    段が出力する強制振動波形ゲインを制御するゲイン
    御手段と、 所望の楽音波形のピッチに応じて前記非線形振動手段
    演算する差分方程式の時間差分項値を変更することに
    より非線形振動手段の固有振動の周波数を制御する固有
    振動周波数制御手段と を備えていることを特徴とする楽音合成装置。
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