JPH05143079A - 楽音合成装置および管楽器 - Google Patents

楽音合成装置および管楽器

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JPH05143079A
JPH05143079A JP4116432A JP11643292A JPH05143079A JP H05143079 A JPH05143079 A JP H05143079A JP 4116432 A JP4116432 A JP 4116432A JP 11643292 A JP11643292 A JP 11643292A JP H05143079 A JPH05143079 A JP H05143079A
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tube
wind instrument
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cylindrical
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Hideyuki Masuda
英之 増田
Toshifumi Kunimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さな回路規模あるいは少ない演算量によ
り、円錐管を有する管楽器の楽音を合成する楽音合成装
置を構成する。 【構成】 円錐管を2本の円筒菅の結合体によって近似
した。2本の円筒管に対応した2個のウェーブガイドを
用意し、これらのウェーブガイドをジャンクションによ
って結合し、励振手段の出力信号を入力するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自然楽器音を合成する
のに適した楽音合成装置および変化に富んだ音色の得ら
れる管楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】自然楽器における発音メカニズムをシミ
ュレートしたモデルを動作させ、楽音を合成する楽音合
成装置が知られている。この種の楽音合成装置のうち、
管楽器の楽音を合成する楽音合成装置は、マウスピース
部の動作をシミュレートした励振回路と、共鳴管の共鳴
特性をシミュレートした共鳴回路とを接続することによ
って構成される。
【0003】さて、サキソフォン、トランペット等の管
楽器は、円錐形の共鳴管を有する。この種の円錐形の共
鳴管は、太さの異なった円筒管を順次結合したものとみ
なすことができる。そこで、従来、円錐管は、遅延回路
を含んだウェーブガイド(双方向伝送回路)およびジャ
ンクション(結合回路)を複数段カスケード接続した回
路によってシミュレートされていた。なお、このような
ウェーブガイドおよびジャンクションを用いた楽音合成
装置は、例えば特開昭63−40199号公報に開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、円錐形の共
鳴管の伝達関数を忠実にシミュレートしようとする場
合、ウェーブガイドおよびジャンクションの段数を多く
する必要がある。しかしながら、ジャンクションは隣接
するウェーブガイドからの入力信号に対して係数乗算処
理を行う乗算器を有しており、多数のジャンクションを
用いると、それに比例して多数の乗算器が必要となる。
このため、上述した従来の楽音合成装置をハードウェア
によって実現する場合は回路規模が大きくなってしま
い、楽音合成装置をDSP(デジタル信号プロセッサ)
が行う演算によって実現する場合は演算量が大きくなっ
てしまうという問題があった。また、現在、こういった
問題を解決することへの期待が高まる一方、既存の自然
楽器によっては得られない楽音を発生し得る生楽器の実
現も望まれている。
【0005】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、比較的小規模な回路構成あるいは比較的少
ない演算量により、円錐管を有する管楽器の音を忠実に
再現することができる楽音合成装置を提供すると共に、
この楽音合成装置に基づき、これまでにない新規な音を
発生し得る管楽器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明によ
る楽音合成装置は、2本の円筒管を各々シミュレートし
た手段であって、各々、入力信号に対して少なくとも遅
延処理を施して出力する第1および第2の伝送手段と、
励振信号を発生する励振手段と、前記励振手段と、前記
第1および第2の伝送手段とを結合し、各々の間の信号
の授受を媒介する結合手段とを具備することを特徴とす
る。また、請求項1に係る発明の第1実施態様による楽
音合成装置は、上記請求項1に係る構成において、前記
第1および第2の伝送手段が、断面積および長さが共に
異なった2本の円筒管をシミュレートしたものであるこ
とを特徴とする。また、請求項1に係る発明の第2実施
態様による楽音合成装置は、上記請求項1に係る構成に
おいて、前記励振手段と前記結合手段との間に、入力信
号に対して少なくとも遅延処理を施す第3の伝送手段を
介挿したことを特徴とする。また、請求項2に係る発明
による管楽器は、2本の円筒管が結合されてなることを
特徴とする。また、請求項2に係る発明の第1実施態様
による管楽器は、円筒管の端部に慣性部材を取り付けた
ことを特徴とする。また、請求項2に係る発明の第2実
施態様による管楽器は、上記請求項2に係る構成におい
て、前記円筒管にスライド管を挿通したことを特徴とす
る。
【0007】
【作用】円錐管は入力音響インピーダンスは、2種の円
筒管を並列接続したものの入力音響インピーダンスによ
って近似することができる。従って、請求項1に係る発
明による楽音合成装置によれば、円錐管を有する管楽器
の楽音を合成することができる。請求項2に係る発明に
よれば、円錐管を有する管楽器の音を発生することがで
きる。また、その実施態様に係る構成によれば、スライ
ド管を移動させることにより、音に変化を与えることが
できる。
【0008】
【実施例】<本発明の基本構成>図1は本発明の基本構
成を示すブロック図である。この図に示すように、本発
明による楽音合成装置においては、管楽器のマウスピー
ス部をシミュレートした励振部1に対し、ジャンクショ
ン2を介して2個のウェーブガイドW1およびW2が並
列接続されており、これらの各部におけるパラメータは
制御部3によって制御される。ここで、ウェーブガイド
W1およびW2は、円錐管の入力音響インピーダンスを
2個の項に分割した場合における各項をシミュレートし
たものであり、以下説明するようにして得られる。
【0009】まず、図2に示すような円錐管の入力音響
インピーダンスZは下記数1のように表すことができ
る。
【数1】 ただし、ρは媒質密度(g/cm3)、cは音速(cm
/sec)、Xはのどの長さ(cm)、Lは円錐管の長
さ(cm)である。また、kは波定数(rad/cm)
であり、音の波長をλ(cm)とした場合、k=2π/
λとなる。また、Sは円錐管の初期面積である。さて、
上記数1における分母第1項および第2項において、
【数2】
【数3】 とおく。ただし、ωは音の角周波数(rad/sec)
であり、ω=c・kである。また、M=ρ・X/S(g
/cm4)である。この置き換え操作により、下記数4
が得られる。
【数4】 すなわち、円錐管の入力音響インピーダンスZは、イン
ピーダンスZxおよびZLを並列接続したものとみなすこ
とができる。ここで、インピーダンスZxは、M=ρ・
X/S(g/cm4)の大きさを有するイナータンス
(慣性)によってシミュレートすることができる。ま
た、長さがLの無損失平行線路において受側を短絡した
時の送側から見た入力インピーダンスはZi=j・Zc
・tan(k・L)(ただし、Zcは断面積がSである
管の特性インピーダンスである)となるので、インピー
ダンスZLを太さが一定の円筒管によってシミュレート
することが可能である。従って、図2に示す円錐管は、
図3に示すように、断面積Sおよび長さLを有する終端
開放の円筒管の端部にイナータンスMを接続した構成に
等価変形することができる。図3において、息(矢印
P)はイナータンスMと円筒管の接続部に注入される。
【0010】さて、図2において、のどの長さXが小さ
い場合、上記数2によって示したインピーダンスZxを
下記数5の近似式により表すことが可能である。
【数5】 図4は、上記数4におけるインピーダンスZxとして、
数5の近似式によるものを適用した場合における共鳴管
モデルの構成を示すものである。この図においては、上
記近似を行ったのに伴って、図3におけるイナータンス
Mが長さXの円筒管に置き換えられている。この共鳴管
モデルにおいて、演奏者の息は長さLの円筒部と長さX
の円筒部との接続部に注入される(矢印P)。図1に示
す楽音合成装置は、図4に示す共鳴管モデルおよび後述
する図5の共鳴管モデルをシミュレートしたものであ
り、図1におけるウェーブガイドW1およびW2は図4
における長さがLの円筒部および長さがXの円筒部に各
々対応している。このモデルによれば、長さLを変化し
た場合に共振周波数を変化させることができる。従っ
て、このモデルをシミュレートした図1に示す楽音合成
装置によれば、Lをパラメータとして音高を連続的に変
化させる制御を容易に行うことができる。
【0011】また、のどの長さXが大きくて上記数5に
よる近似が不可能な場合は、上記数2におけるXおよび
Sを、X/X1=S/S1なる関係を満足し、かつ、kX
1<<1となりうるようなX1およびS1に置き換え、下
記数6に変形する。
【数6】 そして、この数6を下記数7によって近似する。
【数7】
【0012】図5は、上記数4におけるインピーダンス
Zxとして、数7の近似式によるものを適用した場合に
おける共鳴管モデルの構成を示すものである。インピー
ダンスZxの近似式を変更したのに伴い、図5における
長さXおよび断面積Sを有する円筒部が長さX1および
断面積S1を有する円筒部に置き換えられている。上記
数7の近似精度を高くするためには、極力、kX1の値
を小さくする必要がある。従って、円錐管から得られる
楽音を忠実に再現するためには、長さX1を短くする必
要があり、この長さX1の円筒に対応したウェーブガイ
ドを信号が一巡するのに要する遅延時間を小さくする必
要がある。デジタル回路によってウェーブガイドを実現
する場合、ウェーブガイド内に介挿される遅延回路の段
数を1とする。これにより、総遅延時間を最小値にする
ことができ、円錐管から得られる楽音を精度良く合成す
ることができる。
【0013】<実施例>図6は本発明による楽音合成装
置の具体的構成例を示すものである。図3〜図5に示す
各共鳴管モデルに対し、円筒部とイナータンスMとの継
ぎ目あるいは2個の円筒部の継ぎ目の部分に断面積がS
0のマウスピースを取り付けることにより、実際の管楽
器に対応したモデルが得られる。これらの管楽器モデル
を図7〜図9に示す。図6に示す楽音合成装置は、図8
および図9に示す管楽器モデルを共にシミュレートする
ものであるが、各部のパラメータはシミュレートしよう
とするモデルに合せて使い分けられる。ウェーブガイド
W1は図8および図9における長さがLの円筒部に対応
しており、該円筒部内を音波が往復する際の遅延をシミ
ュレートした遅延回路4、該円筒部内の音響損失をシミ
ュレートしたローパスフィルタ5、および管終端部での
反射をシミュレートした乗算器6(乗算係数γL)から
なる。ここで、遅延回路4は一定周波数Fsのクロック
によって駆動されるFs・2L/c段のシフトレジスタ
によって構成される。また、ウェーブガイドW2は図8
における長さがXの円筒部あるいは図9における長さが
1の円筒部に対応しており、ウェーブガイドW1の場
合と同様に、遅延回路7、ローパスフィルタ8および乗
算器9(乗算係数γx)によって構成される。ここで、
遅延回路7を構成するシフトレジスタの段数はFs・2
X/c段あるいはFs・2X1/c段のシフトレジスタ
であり、後者の場合、より好ましくは1段である。
【0014】次にジャンクション2について説明する。
このジャンクション2は励振部1、ウェーブガイドW1
およびW2の各々からの出力信号に対し、乗算係数
αi、αLおよびαxを各々乗算して出力する乗算器2
1、22および23を有する。ここで、各乗算係数
αi、αLおよびαxは、図8に示すモデルをシミュレー
トする場合は下記数8〜10によって決定され、図9に
示すモデルをシミュレートする場合は下記数11〜13
によって決定される。
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【0015】マウスピース内の空気振動の伝播を忠実に
シミュレートする場合には、図10に示すように、片方
向の線路上に遅延回路D0〜Dnを各々含んだ各双方向伝
送回路と、これら各双方向伝送回路間に介挿される4乗
算格子型ジャンクションJ0〜Jn-1によって構成される
ウェーブガイドW0をジャンクション2と励振部1との
間に介挿する。
【0016】次に図11を参照し、励振部1の例につい
て説明する。ウェーブガイドW0からの出力信号は加算
器101の一方の入力端に入力されると共に、乗算器1
02によって2倍され、加算器103の一方の入力端に
入力される。この加算器103の出力は、管楽器のマウ
スピース内においてリードに向って帰還される空気振動
波の圧力に相当する信号として減算器104に入力され
る。そして、減算器104により、吹奏圧に相当する値
Pが加算器103の出力から減算され、マウスピース内
の圧力に相当する信号が出力される。減算器104の出
力信号は位相補正による発振防止用のフィルタ105を
介すことにより高域成分が減衰され、マウスピース内の
圧力変化に対するリードの応答特性をシミュレートした
フィルタ106(通常はローパスフィルタ)およびマウ
スピース内の空気流の流速のマウスピース内空気圧に対
する飽和特性をシミュレートした非線形回路107に入
力される。なお、フィルタ106は制御部3(図1)に
よりカットオフ周波数fcおよび選択度Qが制御され
る。フィルタ106の出力は、乗算器108によってゲ
インGが乗算された後、加算器109に入力され、演奏
者がマウスピースを咥える圧力に相当するアンブシュア
信号Eが加算される。そして、加算器109からリード
に加わる圧力に相当する信号が出力され、リードの圧力
変化に対するリードおよびマウスピース間の間隙の断面
積の変化をシミュレートした非線形回路110に入力さ
れる。そして、非線形回路110の出力信号と、非線形
回路107の出力信号とが乗算器111によって乗算さ
れ、乗算器111からマウスピースおよびリード間の間
隙を通過する空気流の体積流速に相当する信号が出力さ
れる。この乗算器111の出力信号に対し、乗算器11
2により、マウスピース内の空気流に対するインピーダ
ンスに相当する値Zが乗算される。そして、マウスピー
ス内に発生する圧力変化に相当する信号が乗算器112
から出力される。この乗算器112の出力信号は、加算
器103の他方の入力端に帰還される一方、加算器10
1によってウェーブガイドW0の出力と加算され、ウェ
ーブガイドW0に帰還される。
【0017】次にこの発明をシングルリード楽器の楽音
合成に適用した実施例について説明する。円錐管に直に
リードが付いたシングルリード楽器のモデルは、上述し
た図11に示すモデルにおいて、マウスピースに対応し
たウェーブガイドW0の遅延時間を極めて小さくするこ
とにより得られる。図12はその構成例を示すものであ
り、図11におけるウェーブガイドW0を取り除き、そ
の代りに一方の線路に1サンプル周期遅延回路200を
有する双方向伝送回路を介挿したものである。ここで、
1サンプル周期遅延回路200は、加算器101および
減算器24を含むループがディレイを含まないディレイ
フリーループとなるのを防ぐために介挿されたものであ
る。
【0018】しかし、円錐管に直にリードが付いたシン
グルリード楽器の動作をより忠実にシミュレートするた
めには、1サンプル遅延回路200を用いることなく、
ディレイフリーループをなくした方が好ましい。図13
は、図12に示す構成から1サンプル遅延回路200を
取り除き、減算器24の出力を加算器101に帰還する
代りに、乗算器21および22の出力を加算器101に
入力し、加算器101の直後に係数が1/(αx+αL
の乗算器201を介挿することによって得られたもので
ある。この図13に示す構成はディレイループを含んで
おらず、しかも、図12において1サンプル周期遅延回
路200を除去した構成と全く等価な動作が得られる。
すなわち、図12において、1サンプル周期遅延回路2
00がないものとし、励振部1の出力をzf、加算器1
01の出力をqo、減算器24の出力をqi、減算器25
の出力をqiL、乗算器6の出力をqOL、減算器26の出
力をqix、乗算器9の出力をqoxとすると、下記数14
〜数18が成立し、数14、数15および数18を連立
させ、qoについて解くことにより、下記数19が得ら
れる。
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】 上記数19によって示されるqoと全く同じ信号が、図
13に示す乗算器201から得られる。従って、図13
に示す構成は図12に示す構成において1サンプル周期
遅延回路200を欠いたものと全く等価であると言え
る。
【0019】図13に示す構成において、αi=1であ
る場合、図14に示すように構成を簡略化することがで
きる。また、αi=1であり、しかも、αL=αSである
場合は図15に示すようにさらに構成を簡略化すること
ができる。
【0020】<変形例>さて、前掲の数6を、適当に大
きな数Hを用いて変形すると下記数20が得られる。
【数20】 そして、上記数20において、数Hを大きくした場合、
下記数21の近似式が成立する。
【数21】 上記数21によって与えられるZXHは、長さがX/Hで
あり、かつ、断面積がSH=S/Hである円筒管の入力
インピーダンスに相当する。そして、このインピーダン
スZXHを用いることにより、前掲の数4に対する近似式
として下記数22が得られる。
【数22】
【0021】上記近似式は、円錐管を、長さがLであ
り、かつ、断面積がSである円筒管と、長さがX/Hで
あり、かつ、断面積がS/Hである円筒管とを並列接続
したものによって近似し得ることを意味している。ここ
で、Hが大きい程、数21におけるk・X/Hはtan
(k・X/H)に近くなるので、数22によって近似さ
れるインピーダンスZは円錐管のインピーダンスに近い
ものとなる。図16(a)〜(c)は、数22の第1項
および第2項に各々対応した2本の円筒管を用いて円錐
管を近似した構成を例示するものであり、図16(a)
がH<1の場合、図16(b)がH=1の場合、図16
(c)がH>1の場合を各々示している。これらはすべ
て円錐管を近似したものであるが、円錐管をより忠実に
近似するためには、Hを大きくした構成、すなわち、図
16(a)〜(c)に示す中では図16(c)に示すも
のが最も適している。
【0022】一方、数22によって示されるインピーダ
ンスZの周波数特性に着目すると以下説明する事柄が成
り立つ。図17(a)〜(c)は、数21におけるHの
値を変化させたたときのインピーダンスZの周波数特性
の変化を示したものである。これらの図に示すように、
インピーダンスZは、基音に対応した基本周波数f
0と、このf0よりも高い多くの高次周波数においてピー
クとなる。ここで、図17(a)に示すように、H=1
である場合は、各高次周波数は基本周波数f0のほぼ整
数倍となり、調和性の良い周波数特性となる。しかし、
Hが1よりも大きくなるに従い、図17(b)および
(c)に示すように、インピーダンスZがピークとなる
周波数は、基本周波数f0の倍数からずれてゆき、次第
に円錐管のインピーダンスの周波数特性において見られ
るような非調和性が現れてくる。すなわち、2本の円筒
管を並列接続した構成において一方の円筒管の断面積お
よび長さを変化させると、この構成が有する入力インピ
ーダンスの調和性が変化することが判る。なお、Hが1
よりも小さくなると、図17(d)に示すように、イン
ピーダンスがピークとなる周波数は基本周波数f0の整
数倍より低い方へとずれていく。
【0023】図18に示す楽音合成装置は、以上のよう
な原理に基づいて設計されたものであり、合成される楽
音の調和性を変化させる機能を有する。かかる機能を実
現するため、この楽音合成装置は、上述した図12に示
す構成に対し、係数演算部600、乗算器701および
702、除算器703が付加されている。係数演算部6
00は、乗算器601〜603、除算器604〜607
および加算器608からなる。ここで、係数演算部60
0は、シミュレートしようとする管楽器の共鳴管および
マウスピースの各断面積を指定するデータSおよびS0
と、合成する楽音の調和性の度合(以下、便宜上、調和
度と称する)を指定するデータHが図示しない制御手段
から与えられる。係数演算部600は、これらのデータ
に基づいて下記数23〜25に示す演算を行い、演算に
よって得られる数値αi、αLおよびαXを各々乗算器2
1、22および23へ乗算係数として供給する。
【数23】
【数24】
【数25】 このようにして、シミュレートしようとする管楽器を構
成する1本の円筒管の断面積(S/H)の変化に対応し
た乗算器21〜23の乗算係数の制御が行われる。
【0024】また、乗算器701は共鳴管の長さLに対
し2Fs/Cを乗算し、その結果得られるデータ2Fs
・L/cを遅延指定情報として遅延回路4に供給する。
このようにして、長さがLである円筒管を空気圧力波が
往復するのに要する遅延時間が遅延回路4に設定され
る。また、乗算器702および除算器703により、2
Fs・(X/H)/cなる演算が行われ、その結果が遅
延回路7に遅延指定情報として供給される。このように
して、長さがX/Hである共鳴管を空気圧力波が往復す
るのに要する遅延時間が遅延回路7に設定される。
【0025】以上説明した構成によれば、データHを変
化させることにより、励振部1からウェーブガイドW1
およびW2側を見たインピーダンスの調和度を変化させ
ることができる。従って、Hを1に近づけることにより
円筒管から得られるような調和性の良い楽音を得たり、
Hを1より大きくすることにより円錐管から得られるよ
うな非調和な楽音を得たり、あるいはHを1より小さく
することにより円錐管では得られない非調和な楽音を得
たりする等、多彩な音色の楽音を得ることができる。な
お、Hの逆数を調和度Uと定義すると共に除算器604
および703を乗算器に替え、各乗算器に調和度Uを乗
算係数として与えてもよい。
【0026】以上、図12に示す構成を変形した例を説
明したが、図13において示したようにジャンクション
2の構成を等価変形し、係数演算部500、乗算器70
1および702、除算器703によって得られる各係数
を各々対応する乗算器に与えるようにしてもよい。
【0027】<自然楽器の応用>以上の各実施例は、本
発明を電気的な回路あるいはDSP等が実行するプログ
ラムによって具現する場合を説明したものである。しか
し、本発明の適用はこれらに限定されるものではない。
本発明に基づいて既存の自然楽器を変形し、これまでに
ない演奏を行うことが可能な新規な自然楽器を作製する
ことができる。図19〜図27はその例を示すものであ
る。これらの図に示す管楽器は、図19に例示するよう
に円錐管301の小径側端部にマウスピース302が取
り付けられてなる管楽器に本発明を適用することにより
得られたものである。
【0028】図20に示す第1の応用例は、円筒管30
3の一端にマウスピース302を取り付けると共に該取
り付け部に図3および図7におけるイナータンスMに対
応したイナータンス部材304を取り付け、さらに円筒
管303の他端から円筒形のスライド管305を挿通し
たものである。ここで、イナータンス部材304は、媒
質密度がρ(g/cm3)、図19における円錐管30
1の小径側端部の断面積がS(cm2)、のどの長さが
Xである場合には、慣性量m=ρ・S・X(g)を有す
るものを取り付ける。本応用例によれば、図19に示す
管楽器と同等の楽音を発生することができる。さらに、
この構成によれば、管が円錐管であるので、スライド管
を移動して管長を変化させることにより、音高を滑らか
に変化させることができる。
【0029】図21に示す第2の応用例は、図20にお
いて、イナータンス部材304の代りに開口面積が
1、高さがX1の穴306を、マウスピース302にお
ける円筒管303との結合部付近に形成したものであ
る。ここで、S1およびX1は、S1/S=X1/Xを満足
するように決定されている。この構成においても、上記
第1の応用例と全く同様な効果が得られる。また、大き
めの穴306を形成し、演奏時、指等によって穴306
の一部を塞ぐようにしてもよい。この場合、穴306の
実効的な開口面積が変化することとなり、音を変化させ
ることができる。図22に示す第3の応用例は、図21
における穴306に対し、これと接続される円筒管30
7を形成し、この円筒管307にスライド管308を挿
通したものである。この構成の場合、スライド管308
を移動することにより、のどの長さXを変化させた時の
音が得られる。
【0030】図23に示す第4の応用例は、上述の第1
乃至第3の応用例において、円筒管303に対して穴を
形成し、共振モード選択のためのレジスタチューブRT
1〜RTkを設けたものである。マウスピースに近い側
が高音部レジスタチューブであり、遠い側が低音部レジ
スタチューブである。この応用例によれば、各レジスタ
チューブの開閉操作を行うことにより、円筒管303お
よびスライド管305からなる共鳴管の共振モードを変
化させることができ、幅広い音域に亙った演奏を行うこ
とができる。
【0031】図24に示す第5の応用例は、上記第1乃
至第4の応用例において、スライド管305を先端部が
テーパ状に広がった朝顔管309に置き換え、音の放射
特性を改善したものである。図25に示す第6の応用例
は、上記第1乃至第3の応用例において、スライド管3
05を取り付ける代りに、円筒管303を、レジスタチ
ューブRT1〜RTkおよびトーンホールK1〜Kmの
形成された円筒管310に置き換えたものである。
【0032】図26に示す第7の応用例は、本実施例に
よる楽音合成装置の[変形例]として示したものを生楽
器として実現したものである。この生楽器は、円筒管と
マウスピースとの継ぎ目の部分にマウスピースおよび共
鳴管を貫通する開口部800が形成されており、この開
口部800に中空円筒形状のアタッチメント801が嵌
め込まれるようになっている。このアタッチメント80
1は、上記変形例において説明した長さがX/Hであ
り、かつ、断面積がS/Hである円筒管としての機能を
果すために装着されるものであり、図27(a)〜
(c)に示すように各種形状のものが用意される。演奏
者は、所望の楽音の調和度に応じてアタッチメントを選
択し、演奏を行う。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
円錐管を有する管楽器の音を小規模な回路構成あるいは
少ない演算量により合成することができるという効果が
得られる。また、本発明を自然の管楽器に適用すること
により、既存の管楽器に忠実な音を発生することがで
き、かつ、変化に富んだ音を発生することができる管楽
器を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の基本構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 この発明がシミュレートしようとする円錐管
を示す図である。
【図3】 同円錐管と等価な円筒管モデルを示す図であ
る。
【図4】 同円錐管と等価な円筒管モデルを示す図であ
る。
【図5】 同円錐管と等価な円筒管モデルを示す図であ
る。
【図6】 この発明の一実施例による楽音合成装置の構
成を示すブロック図である。
【図7】 図3の円筒管モデルにマウスピースを取り付
けた管楽器モデルを示す図である。
【図8】 図4の円筒管モデルにマウスピースを取り付
けた管楽器モデルを示す図である。
【図9】 図5の円筒管モデルにマウスピースを取り付
けた管楽器モデルを示す図である。
【図10】 マウスピース内の空気圧力波の伝播遅延を
考慮した実施例の構成を示すブロック図である。
【図11】 同実施例における励振部1の構成例を示す
ブロック図である。
【図12】 この発明をシングルリード楽器に適用した
実施例の構成を示すブロック図である。
【図13】 この発明をシングルリード楽器に適用した
実施例の構成を示すブロック図である。
【図14】 この発明をシングルリード楽器に適用した
実施例の構成を示すブロック図である。
【図15】 この発明をシングルリード楽器に適用した
実施例の構成を示すブロック図である。
【図16】 円錐管を近似したモデルとしての2本の円
筒管を並列接続した構成を例示する図である。
【図17】 同モデルの入力インピーダンスの周波数特
性を例示する図である。
【図18】 調和度の制御機能を有する本発明の変形例
を示す図である。
【図19】 この発明がシミュレートしようとする円錐
管を有する管楽器を示す図である。
【図20】 この発明の一実施例による管楽器の構成を
示す縦断面図である。
【図21】 この発明の一実施例による管楽器の構成を
示す縦断面図である。
【図22】 この発明の一実施例による管楽器の構成を
示す縦断面図である。
【図23】 この発明の一実施例による管楽器の構成を
示す縦断面図である。
【図24】 この発明の一実施例による管楽器の構成を
示す縦断面図である。
【図25】 この発明の一実施例による管楽器の構成を
示す縦断面図である。
【図26】 この発明の一実施例による管楽器の構成を
示す縦断面図である。
【図27】 図26におけるアタッチメントの構成を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1……励振部、2……ジャンクション、 W1……ウェーブガイド、W2……ウェーブガイド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7227−5H G10K 15/00 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の円筒管を各々シミュレートした手
    段であって、各々、入力信号に対して少なくとも遅延処
    理を施して出力する第1および第2の伝送手段と、 励振信号を発生する励振手段と、 前記励振手段と、前記第1および第2の伝送手段とを結
    合し、各々の間の信号の授受を媒介する結合手段とを具
    備することを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 2本の円筒管が結合されてなることを特
    徴とする管楽器。
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