JP4258498B2 - 吹奏電子楽器の音源制御装置とプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、吹奏電子楽器に用いるに好適な音源制御装置及びプログラムに関するものである。
一般に、フルート、ピッコロ等のエアリード楽器にあっては、音名が同一でオクターブが異なる2音を同一の運指状態にて吹き分けるオクターブ吹き分け奏法が用いられている。図22には、第1及び第2オクターブのE音を発生させるための運指状態(A)と、第1及び第2オクターブのF音を発生させるための運指状態(B)とが例示されている。一例として、図22に示す運指状態にて第1,第2オクターブのE音を発生させる場合、吹奏者は、第1オクターブのE音では比較的弱く吹き、第2オクターブのE音では比較的強く吹く。第1オクターブと2オクターブとでは、アンブシュアの状態も若干異なる。
ところで、オルガンパイプ等のエアリード楽器に関しては、発音に関連する種々の物理情報が解明されている(例えば、非特許文献1参照)。図23には、この種の物理情報としてパイプオルガン発音部の物理情報が示されている。パイプオルガン発音部において、AFは入力される空気流を、SLはスリットを、EGはエッジをそれぞれ示す。物理情報としては、スリットSLの出口におけるジェットの初速U(0)[m/s]、エッジEGにおけるジェットの終速U(d)[m/s]、スリット−エッジ間距離d[m]、スリット−エッジ間のジェット伝達時間τe[sec]、発音周波数fso[Hz]等がある。パイプオルガン発音部の下方には、スリットからの距離xとジェットの流速U(x)との関係(ジェットの流速分布)が示されている。ジェットの流速U(x)は、図23に示すように初速U(0)から終速U(d)に向けて徐々に低下する。
非特許文献1には、フルートやオルガンパイプ等のエアリード楽器におけるエアリードの発音オクターブを現在の発音モードとジェット走行角とにより決定できる旨記載されている。ここで、ジェット走行角θeは、前述のジェット伝達時間τe 及び発音周波数fso(又は発音角周波数ωso=2π・fso)を用いて次の数1の式で表わされる。
Figure 0004258498
また、ジェット伝達時間τeは、前述のスリット−エッジ間距離d及びジェットの流速U(x)を用いて次の数2の式により求められる。
Figure 0004258498
ジェット伝達時間τeは、数2の式による積分計算で求める代りに、台形近似で求めることもできる。すなわち、UをスリットSLからx=i・Δx[m](i=1,2,…n)の距離におけるジェットの流速[m/s]とすると、次の数3の式により求められる。数3の式で求められるτeは、図24に示すハッチング領域の面積Sdに相当する。数3の式の計算を精度良く行なうためには、Δxを0.1[cm]などと十分に小さく設定し、多くの個所でジェットの流速を検知するのが望ましい。
Figure 0004258498
図25は、発音モードとジェット走行角θeとに基づくオクターブ変化を示すものである。図25では発音モードを1次モードと2次モードとに分けて示す。1次モードは、ある音名の音を所定のオクターブで発音するモードであり、2次モードは、1次モードで発音した音を1オクターブ上げて発音するモードである。
図25において、Sの状態で初速U(0)のジェットが発生すると、θe=3π/2となるSのときに1次モードの発音を開始する。そして、θeがπ,3π/4…とπ/2に向けて減少していく過程Sでは、発音周波数が少しずつ上昇し、非特許文献1に記載はないが、実際のエアリード楽器では音量や音色も変化する。θe=π/2となるSのときに2次モードへのジャンプ(1オクターブ上昇)が起こる。このジャンプの過程Sでは、発音周波数が倍増するため、θeが倍増してπとなる。
θe=πの状態Sから2次モードの発音を開始する。そして、θeがπから3π/2に向けて増大していく過程Sでは、非特許文献1に記載はないが、実際のエアリード楽器では発音周波数が少しずつ下降し、音量や音色も変化する。θe=3π/2となるSのときに1次モードへのジャンプ(1オクターブ下降)が起こる。このジャンプの過程Sでは、発音周波数が半減するため、θeが半減して3π/4となる。なお、図25において、左方向は、ジェットの流速U(x)が増加する方向である。また、左方向は、スリット−エッジ間距離dが減少する方向でもある。
ジェットの流速分布に関しては、図26に示すように(イ)ジェットの初速が大きいと、ジェットの流速U(x)の減衰が大きいこと、(ロ)ジェットの初速が小さく、スリット−エッジ間距離dが短い場合はジェットの流速U(x)の減衰が無視できることなどが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
従来、エアリード楽器を模擬した物理モデル音源を鍵盤操作に応じて制御する音源制御装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。また、マウスピース等の吹奏入力部を有する吹奏電子楽器も知られており、ブレスセンサで空気流を検出して発音の開始や終了を制御するもの(例えば、特許文献2参照)、ブレスの強さに応じて楽音特性を切換制御するもの(例えば、特許文献3参照)、マウスピースへ吹込む呼気の方向に応じて音高を制御するもの(例えば、特許文献4参照)、マウスピースに吹込まれる呼気流の流速及び総呼気量からそれぞれ音高情報及び音量情報を得るもの(例えば、特許文献5参照)などがある。
吉川茂著「オルガンパイプとその水中音源への応用に関する研究」東京工業大学博士論文 昭和60年 有元慶太著「エアリード楽器におけるジェット流速分布と発音特性に関する実験的考察」九州芸術工科大学修士論文 平成13年 特開平6−67675号公報 特開昭64−77091号公報 特開平5−216475号公報 特開平7−199919号公報 特開2002−49369号公報
特許文献1 に示された電子楽器では、鍵盤から取得した鍵操作情報に基づいてジェットの厚み、ジェットの流速、ジェットの傾き等の制御情報を作成し、これらの制御情報を音源制御パラメータに変換して物理モデル音源に供給する構成であるため、吹奏入力に応じて演奏を行なうことはできない。
一方、特許文献2〜5に示された電子楽器では、吹奏入力に応じた演奏を行なえるものの、フルート等のエアリード楽器のようにオクターブ吹き分け奏法を行なうことはできない。そこで、非特許文献1に示された知見を応用してオクターブ吹き分け奏法を可能にすることが考えられる。しかし、非特許文献1の知見をそのまま応用する場合には、次の(1)、(2)のような問題点がある。
(1)現在の発音モードとジェット走行角θeとに基づいてオクターブを切換制御することを想定した場合、前掲の数1の式には実際の発音周波数を求めて代入する必要がある。しかし、自然楽器ではないので、実際の発音周波数を求めることはできない。
(2)ジェット伝達時間τeを精度良く求めるためには、多数の個所でジェットの流速をセンシングすることが必要である。しかし、ジェットの流路に沿って多数の流速センサを配置するのは実際上困難である。
この発明の目的は、吹奏電子楽器においてエアリード楽器のオクターブ吹き分け奏法を簡単に模擬できる新規な音源制御装置を提供することにある。
この発明に係る第1の音源制御装置は、
開放端に連通する細長い空洞を有する管体部であって、その側部には前記空洞に連通する唄穴を有するリッププレートと音高指定用の複数のトーンキーとが設けられたものと、
前記リッププレートにおいて前記唄穴側からジェットが当たるエッジ又はその近傍にジェットの流速又は強さを検知すべく設けられた第1の検知手段と、
前記リッププレートにおいて前記エッジ又はその近傍にジェットの長さを検知すべく設けられた第2の検知手段と、
前記第1及び第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口と前記エッジとの間のジェット伝達時間を決定する決定手段と、
前記複数のトーンキーに関して運指状態を検出する検出手段と、
この検出手段で検出された運指状態に対応して発生すべき所定オクターブの所定音名の楽音信号の周波数を指示する指示手段と、
この指示手段で指示された周波数と前記決定手段で決定されたジェット伝達時間との積に応じたジェットパラメータを算出する計算手段と、
前記第1の検知手段の検知出力に基づいて前記所定オクターブの楽音信号を発生すべく音源手段を制御する第1の制御手段と、
前記音源手段にて前記所定オクターブの楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが第1の所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく前記音源手段を制御する第2の制御手段と、
前記音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが前記第1の所定値より大きい第2の所定値まで増大したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ下降すべく前記音源手段を制御する第3の制御手段と
を備えたものである。
この発明の第1の音源制御装置によれば、リッププレートにおいてエッジ又はその近傍で第1の検知手段によりジェットの流速又は強さが検知されると共に第2の検知手段によりジェットの長さが検知され、第1及び第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口とエッジとの間のジェット伝達時間が決定される。複数のトーンキーに関して運指状態が検出され、検出に係る運指状態に対応して発生すべき楽音信号の周波数が指示される。指示に係る周波数と決定に係るジェット伝達時間とに基づいてジェット走行角等のジェットパラメータが算出され、このジェットパラメータと発音状態とに基づいて発音オクターブが制御される。
第1の制御手段は、検出に係る運指状態に対応する所定オクターブの所定音名の楽音信号を第1の検出手段の検出出力に基づいて発生すべく音源手段を制御する。第2の制御手段は、音源手段にて所定オクターブの楽音信号を発生中であるときに算出に係るジェットパラメータが第1の所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく音源手段を制御する。第3の制御手段は、音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに算出に係るジェットパラメータが第1の所定値より大きい第2の所定値まで増大したことを検知して発生中の楽音の音高を1オクターブ下降すべく音源手段を制御する。
この発明では、運指状態に対応して発生すべき楽音信号の周波数を用いてジェットパラメータを算出するので、実際の発音周波数を求める必要がない。また、所定オクターブの楽音信号を発生中のときはジェットパラメータが第1の所定値まで減少したことを検知して発音オクターブを1オクターブ上げるようにしたので、ユーザとしては、ジェットパラメータが第1の所定値に達するように吹奏した後はその吹奏状態を維持したままで1オクターブ高い楽音信号を発生させることができ、図25に示したようにジェット走行角をπ/2からπに増大させるような吹奏操作は要求されない。1オクターブ高い楽音信号を発生中のときはジェットパラメータが第1の所定値より大きい第2の所定値まで増大したことを検知して発音オクターブを1オクターブ下げるようにしたので、ユーザとしては、ジェットパラメータが第2の所定値に達するように吹奏した後はその吹奏状態を維持したままで1オクターブ低い楽音信号を発生させることができ、図25に示したようにジェット走行角を3π/2から3π/4に減少させるような吹奏操作は要求されない。従って、簡単にオクターブの吹き分けを行なうことができる。その上、第2の所定値を第1の所定値より大きくしてオクターブ切換えにヒステリシスを持たせてあるので、1オクターブ上げる場合には第1の所定値に達しない範囲で、1オクターブ下げる場合には第2の所定値に達しない範囲でそれぞれピッチを若干変更するように吹奏してもオクターブ変化が起こらず、ピッチベンドやビブラート等の奏法が可能である。従って、第1の音源制御装置は、様々なフルートの演奏メソッドのアンブシュアに対応可能であり、フルートに近い演奏を楽しみたいユーザに好適である。
この発明の第1の音源制御装置において、前記第1の検知手段は、前記ジェット吹出口から前記エッジ又はその近傍に至るジェット経路に沿ってジェットの流速を検知すべく設けられた複数の流速センサを備え、前記決定手段は、前記複数の流速センサの出力に基づいて前記ジェット吹出口から前記エッジまでのジェットの流速分布を推定する推定手段と、前記第2の検知手段の検知出力に基づいて前記ジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する距離決定手段とを備え、前記推定手段での推定に係るジェットの流速分布と前記距離決定手段での決定に係る距離とに基づいて前記ジェット伝達時間を決定するようにしてもよい。また、前記決定手段は、前記ジェット吹出口から前記エッジ又はその近傍の位置までのジェットの流速分布を表わす流速分布データを前記第1の検知手段の検知出力値毎に記憶する記憶手段と、前記第1の検知手段の検知出力値に対応する流速分布データを前記記憶手段から読出す読出手段と、前記第2の検知手段の検知出力に基づいて前記ジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する距離決定手段とを備え、前記読出手段での読出しに係る流速分布データが表わす流速分布と前記距離決定手段での決定に係る距離とに基づいて前記ジェット伝達時間を決定するようにしてもよい。さらに、前記決定手段は、前記ジェット吹出口と前記エッジとの間のジェット伝達に要する時間を表わす時間データを前記第1の検知手段の検知出力値毎に且つ前記第2の検知手段の検知出力値毎に記憶する記憶手段と、前記第1及び第2の検知手段の検知出力値に対応する時間データを前記記憶手段から読出す読出手段とを備え、この読出手段での読出しに係る時間データが表わす時間を前記ジェット伝達時間として決定するようにしてもよい。さらに、前記決定手段は、前記第1の検知手段の検知出力に基づいて前記エッジでのジェットの流速を決定する流速決定手段と、前記第2の検知手段の検知出力に基づいて前記ジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する距離決定手段とを備え、この距離決定手段での決定に係る距離を前記流速決定手段での決定に係る流速で割り算して前記ジェット伝達時間を算出するようにしてもよい。これらの構成によれば、少ない数の流速センサを用いてジェット伝達時間を精度良く求めることが可能である。
この発明の第1の音源制御装置は、
前記音源手段にて前記所定オクターブの楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが前記第1の所定値に向けて減少するのに伴って発生中の楽音信号の周波数を徐々に上昇すべく前記音源手段を制御する第4の制御手段と、
前記音源手段にて前記1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが前記第2の所定値に向けて増大するのに伴って発生中の楽音信号の周波数を徐々に低下すべく前記音源手段を制御する第5の制御手段と
を更に備えていてもよい。このような構成によると、実際のエアリード楽器においてオクターブ変化の前後で発音周波数がゆるやかに変化する様子を模擬することができる。ユーザとしては、オクターブ変化の前兆を感じ取ることができるので、オクターブの吹き分けをスムーズに行なうことができる。
この発明に係る第2の音源制御装置は、
開放端に連通する細長い空洞を有する管体部であって、その側部には前記空洞に連通する唄穴を有するリッププレートと音高指定用の複数のトーンキーとが設けられたものと、
前記リッププレートにおいて前記唄穴側からジェットが当たるエッジ又はその近傍にジェットの流速又は強さを検知すべく設けられた第1の検知手段と、
前記リッププレートにおいて前記エッジ又はその近傍にジェットの長さを検知すべく設けられた第2の検知手段と、
この第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する決定手段と、
前記複数のトーンキーに関して運指状態を検出する検出手段と、
この検出手段で検出された運指状態に対応する所定オクターブの所定音名の楽音信号を前記第1の検知手段の検知出力に基づいて発生すべく音源手段を制御する第1の制御手段と、
前記音源手段にて前記所定オクターブの楽音信号を発生中であるときに前記決定手段で決定される距離が所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく前記音源手段を制御する第2の制御手段と、
前記音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記決定手段で決定される距離が前記所定値を越えて増大したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ下降すべく前記音源手段を制御する第3の制御手段と
を備えたものである。
この発明の第2の音源制御装置において、「管体部」、「第1の検知手段」、「第2の検知手段」、「検出手段」及び「第1の制御手段」の構成は、前述の第1の音源制御装置と同様であるが、ジェット走行角等のジェットパラメータの代りにジェット吹出口とエッジとの間の距離を用いてオクターブ切換制御を行なう点が前述の第1の音源制御装置とは異なる。すなわち、決定手段では、第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口とエッジとの間の距離が決定される。第2の制御手段は、音源手段にて所定オクターブの楽音信号を発生中であるときに決定に係る距離が所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく音源手段を制御する。第3の制御手段は、音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号の発生中であるときに決定に係る距離が所定値を越えて増大したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ下降すべく音源手段を制御する。
この発明の第2の音源制御装置によれば、所定オクターブの楽音信号を発生中にジェット吹出口とエッジとの間の距離が所定値まで減少したときは1オクターブ上げ、1オクターブ上げた楽音信号を発生中にジェット吹出口とエッジとの間の距離が所定値を越えて増大したときは1オクターブ下げるようにしたので、唇−エッジ間距離を変更するだけでオクターブの吹き分けが可能であり、初心者に好適である。前述の第1の音源制装置にあっては、フルートに近い演奏を楽しめるものの、低音域ではジェットの流速を遅くしないと発音しない傾向があるため、大音量での演奏が困難であり、高音域ではジェットの流速を速くしないと発音しない傾向があるため、小音量での演奏が困難である。しかし、第2の音源制御装置では、ジェット走行角等のパラメータを用いず、ジェット吹出口−エッジ間距離を用いてオクターブ切換制御を行なうので、低音域で大音量の演奏が可能であると共に高音域で小音量の演奏が可能である。
この発明の第2の音源制御装置において、オクターブ切換制御用のスレッショルド値を前記検出手段で検出される運指状態毎に記憶する記憶手段と、前記検出手段で検出された運指状態に対応するスレッショルド値を前記記憶手段から読出して前記所定値として前記第2及び第3の制御手段に供給する供給手段とを更に設けてもよい。このようにすると、唇−エッジ間距離を音高に応じて変化させるメソッドに慣れているユーザに好適である。
この発明の音源制御装置によれば、現在の発音状態とジェットパラメータとに基づいてオクターブ切換制御を行なうようにしたので、フルート等のエアリード楽器におけるオクターブ吹き分け奏法を簡単に模擬できる効果が得られる。
また、現在の発音状態とジェット吹出口−エッジ間距離とに基づいてオクターブ切換制御を行なうようにしたので、唇−エッジ間距離を変更するだけで簡単にオクターブの吹き分けを行なえると共に低音域での大音量演奏や高音域での小音量演奏が可能になる効果も得られる。
図1は、この発明の一実施形態に係る吹奏電子楽器の回路構成を示すもので、この電子楽器では、小型コンピュータを用いて音源制御を行なうようになっている。
フルートに類似した形状を有するウインドコントローラ10は、閉塞端12aから開放端12bに延長する細長い空洞を有する管体部12を備えたもので、管体部12の側部には、管体部12の空洞に連通する唄穴16を有するリッププレート14と、音高指定用の多数のトーンキーを含むトーンキー群18とが設けられている。ウインドコントローラ10は、フルートのようにそれ自体で音を発生するものではないから、管体部12の寸法は、ユーザの使い易さ等を考慮して適宜設定することができる。また、閉塞端12aは、開放端としてもよい。
リッププレート14には、ジェットの流速を検知するための流速センサと、ジェットの長さを検知するための長さセンサとが装着されている。これらのセンサの装着構造については、図4,5を参照して後述する。トーンキー群18中の各トーンキーには、その操作の有無を検出するためにキースイッチが装着されている。
バス20には、CPU(中央処理装置)22、ROM(リード・オンリィ・メモリ)24、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)26、キーボード28、表示器30、流速センサ回路32、長さセンサ回路34、キースイッチ回路36、音源回路38等が接続されている。CPU22は、ROM24にストアされたプログラムに従って音源制御のための各種処理を実行するもので、これらの処理については図9〜14を参照して後述する。ROM24には、プログラムの他に、各種のデータテーブルが記憶されている。RAM26は、CPU22が各種処理を実行する際にフラグ、レジスタ等として使用する記憶領域を含んでいる。キーボード28は、文字、数字等を入力するためのキー群及びマウス等のポインティングデバイスを含んでいる。表示器30は、各種の情報を表示するためのものである。
流速センサ回路32は、リッププレート14に設けた流速センサを含むもので、流速センサの出力に応じた流速データを発生する。長さセンサ回路34は、リッププレート14に設けた長さセンサを含むもので、長さセンサの出力に応じた長さデータを発生する。キースイッチ回路36は、トーンキー群18中の多数のトーンキーにそれぞれ設けた多数のキースイッチを含むもので、トーンキー群18での運指状態に応じた運指データを発生する。
音源回路38は、一例として図2に示すような物理モデル音源38Aを有するもので、音源38Aからはディジタル楽音信号DTSが送出される。音源38Aには、音高制御入力としてレジスタKCRからキーコード値が、音量・音色制御入力としてレジスタBCRからブレス制御値が、音高制御入力としてレジスタEMRからアンブシュア制御値が、ピッチ制御入力としてレジスタPARからピッチ修正値がそれぞれ供給される。レジスタKCR,BCR,EMR,PARは、いずれもRAM26内に存在する。音高制御入力は、音階に従って半音単位で音高を制御する入力であり、ピッチ制御入力は、ピッチベンド等のようにセント単位で音高を制御する入力である。なお、音源回路38は、図3に示すような波形テーブル音源(波形読出音源)38Bを有するものとしてもよく、これについては後述する。
音源回路38から送出されるディジタル楽音信号DTSは、D/A変換回路40でアナログ楽音信号ATSに変換される。アナログ楽音信号ATSは、パワーアンプ、スピーカ等を含むサウンドシステム42により楽音に変換される。
図4は、流速センサ及び長さセンサの装着構造の一例を示すものである。リッププレート14において、唄穴16側からジェットが当たるエッジEGの近傍には、流速センサSbが設けられている。また、エッジEGの真下の位置には、長さセンサSdが設けられている。流速センサSbとしては、長さセンサSdの検知動作を妨害しないように小型のものが用いられる。長さセンサSdとしては、例えば発光素子の射出光をユーザの下唇Kに照射すると共にその反射光を受光素子で受取ることにより反射光の大きさから下唇−エッジ間距離d1に相当するジェットJの長さを検知する構成のものを用いることができる。なお、Jcは、ジェットJの厚さの中心を示す。
ジェット吹出口Jは、上唇Kと下唇Kとの間のジェット吹出部に相当する。エッジEGを中心として下唇Kの先端を通る円弧Cと、ジェット吹出口Jを通る円弧Cとを想定すると、ジェット吹出口−エッジ間距離dは、前述の下唇−エッジ間距離d1よりもジェット吹出口−下唇先端間距離d2だけ長い。すなわち、距離dは、距離d1,d2を用いてd=d1+d2として求められる。この距離dは、図23に示したスリット−エッジ間距離dに対応するもので、ジェット伝達時間τeを決定したり、エッジEGに対する唇の接近度を判定したりするのに用いられる。距離d2は、高音になるほど小さくなるので、音高に応じて決定(スケーリング)するのが望ましいが、すべての音高について平均化した一定値を用いてもよい。
図5は、流速センサ及び長さセンサの装着構造の他の例を示すもので、図4と同様の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。図5の例では、流速センサSbとして、エッジEGより唄穴16内に突出した位置にサイズが大きい漏斗状のセンサが設けられている。この場合、図4と同様に長さセンサSdを設けたのでは、流速センサSbにより長さセンサSdの検知動作が妨害される。そこで、流速センサSbの直前で流速センサSbの下端に接する位置に長さセンサSdが設けられている。破線Bkは、上下の唇K,KがエッジEGに最も近づいた状態を示す。長さセンサSdとエッジEGとの間の距離をd3とすると、ジェット吹出口JとエッジEGとの間の距離dは、d=d1+d2+d3なる式で求められる。
次に、図6を参照してジェット伝達時間算出法を説明する。図6において、横軸はジェット吹出口からの距離xを、縦軸はジェットの流速U(x)をそれぞれ表わす。線L,L,Lは、それぞれジェットの初速が小,中,大である場合のジェットの流速分布を表わす。横軸において、Jはジェット吹出口の位置を、EGはエッジの位置を、Sbは流速センサの位置を、xは、線L,Lの交点に対応する位置を、dはジェット吹出口−エッジ間距離をそれぞ表わす。距離dは、図4,5に関して前述したように長さセンサSdの出力に基づいて決定される。エッジ位置でのジェットの流速U(d)を一義的に決定するためには、位置xより左側(エッジ寄り)に流速センサSbを設ける必要がある。
図23,24に関して前述した方法によりジェット伝達時間τeを精度良く求めるためには多数の流速センサを必要とする。しかし、次に述べる(M)〜(M)の方法を用いると、少ない数の流速センサを用いてジェット伝達時間τeを精度良く求めることができる。
(M)複数の流速センサの出力に基づいて流速分布を推定する方法:この方法では、ジェット吹出口からエッジ又はその近傍に至るジェット経路に沿って複数の流速センサを設ける。一例として、第1及び第2の2個の流速センサを設けるものとし、第1の流速センサを図6のEGの位置に、第2の流速センサを図6のSbの位置に設ける。第1及び第2の流速センサの出力に基づいて補間法、直線近似、曲線近似等により例えば線Lのようなジェットの流速分布を推定する。そして、推定に係る流速分布と距離dとに基づいて前述の数2又は数3の式によりジェット伝達時間τeを算出する。
(M)流速分布データをテーブル化して記憶しておく方法:この方法では、例えば図4に示すようにエッジEGに設けた1個の流速センサを用いる。また、ジェット吹出口からエッジ又はその近傍の位置までのジェット流速分布を表わす流速分布データを実測により求め、流速センサの出力値に対応させてテーブル化してROM24に記憶しておく。演奏時には、流速センサの出力値に対応する流速分布データをROM24から読出し、読出しに係る流速分布データが表わす流速分布と距離dとに基づいて前述の数2又は数3の式によりジェット伝達時間τeを算出する。
(M)予め計算したジェット伝達時間をテーブル化して記憶しておく方法:この方法では、ジェット吹出口とエッジとの間のジェット伝達に要する時間(ジェット伝達時間)を上記(M)で説明したように流速分布と距離dとに基づいて算出し、算出に係る時間を表わす時間データを流速センサの出力値及び長さセンサの出力値に対応させてテーブル化してROM24に記憶しておく。演奏時には、流速センサの出力値及び長さセンサの出力値に対応する時間データをROM24から読出し、読出しに係る時間データが表わす時間をジェット伝達時間τeとして決定する。
(M)ジェット伝達時間を簡略式で計算する方法:この方法では、エッジ位置でのジェットの流速U(d)と距離dとを用いてτe=d/U(d)なる簡略式によりジェット伝達時間τeを算出する。この方法は、ジェットの初速U(0)と終速U(d)とがほぼ等しい(U(0)≒U(d))ことを前提としたもので、線Lで示すような初速U(0)が小さい流速分布の時に用いるのに適している。
図7は、この発明に係るオクターブ切換制御動作を図25と同様にモード遷移図で示すものである。ジェット走行角θe’は、1次モードでは図25の場合と同様にθeであり、2次モードでは図25の場合の半分(θe/2)である。Sの状態で初速U(0)のジェットが発生すると、θe’=3π/2となるSのときに1次モードの発音を開始させる。そして、θe’がπ,3π/4…とπ/2に向けて減少していく過程Sでは、発音周波数を徐々に上昇させ、音量や音色も変化させる。θe’=π/2となるSのときに2次モードへジャンプ(1オクターブ上昇)させる。このジャンプの過程Sでは、θe’はπ/2のままとするので、図25に示したようにジェット走行角をπ/2からπに倍増させるような吹奏操作は要求されない。
θe’=π/2の状態Sから2次モードの発音を開始させる。そして、θe’がπ/2から3π/4に増大していく過程Sでは、発音周波数を徐々に下降させ、音量や音色も変化させる。θe’=3π/4となるSの時に1次モードへジャンプ(1オクターブ下降)させる。このジャンプの過程Sでは、θe’は3π/4のままとするので、図25に示したようにジェット走行角3π/2から3π/4に半減させるような吹奏操作は要求されない。なお、図7において、左方向は、ジェットの流速U(x)が増加する方向である。また、左方向は、ジェット吹出口−エッジ間距離dが減少する方向でもある。
図7の動作例では、2次モードにおけるジェット走行角θe’を図25の場合の半分(π/2,3π/4)としたので、2次モードでの発音開始の決定や1次モードへの移行の判定が容易となる。また、発音オクターブを1オクターブ上げたり、下げたりする際に運指状態は同一状態を維持すればよいので、ジェット走行角θe’を決定するための周波数としては、同一の運指状態に対応して発生すべき所定オクターブの所定音名の楽音信号の周波数を用いることができ、実際の発音周波数を用いなくてよい。
図8は、キーコードに基づく発音動作を示すもので、(A)は運指データに基づいて発生されるキーコードを、(B)は音源回路38に供給されるキーコードを、(C)は音源回路38に供給されるアンブシュア制御値を、(D)は発音される音高をそれぞれ示す。キーコードは、括弧内にキーコード値(ノートナンバ)として示されている。
キーコード値60,61は、いずれもアンブシュア制御値64と共に音源回路38に供給され、C,C の音を発生するのに使用される。キーコード値62〜73に関して、1次モードではアンブシュア制御値が64とされ、2次モードではアンブシュア制御値が127とされる。1次モードにおいて、キーコード値62〜73は、いずれもアンブシュア制御値64と共に音源回路38に供給され、D〜C の音を発生するのに使用される。2次モードにおいて、キーコード値62〜73は、いずれもアンブシュア制御値127と共に音源回路38に供給され、D〜C の音を発生するのに使用される。
74以上のキーコード値は、いずれも加算処理ASにより12が加算され、1オクターブ上のキーコード値に変換される。例えば、D〜C に対応するキーコード値74〜85は、D〜C に対応するキーコード値86〜97にそれぞれ変換される。変換に係るキーコード値は、いずれもアンブシュア制御値64と共に音源回路38に供給され、D以上の音高の音を発生するのに使用される。
図9は、メインルーチンの処理の流れを示すもので、この処理は、電源オン等に応じてスタートする。ステップ50では、初期設定処理を行なう。例えば、前述のレジスタKCR,BCR,EMR,PARには、それぞれ0をセットする。また、RAM26内のモードフラグMFには無音状態に対応する0をセットする。
ステップ52では、図10に関して後述するようにキースイッチ回路36からの運指データに基づいてキーコード処理を行なう。ステップ54では、図11に関して後述するように流速センサ回路32からの流速データに基づいて流速処理を行なう。ステップ56では、図12に関して後述するように長さセンサ回路34からの長さデータに基づいて長さ処理を行なう。ステップ58では、図13,14に関して後述するように音源回路38へ各種の制御情報を出力する出力処理を行なう。
ステップ58の後は、ステップ60で音源オフ等の終了指示ありか判定する。この判定結果が否定的(N)であれば、ステップ52に戻り、それ以降の処理を繰返す。ステップ60の判定結果が肯定的(Y)となったときは、処理エンドとする。
図10は、キーコード処理のサブルーチンを示すものである。ステップ62では、キースイッチ回路36から運指データを取得し、RAM26内のレジスタTKRにセットする。ROM24には、運指データが示す運指状態毎に図8(A)に示したようなキーコードを表わすキーコードテーブルが記憶されている。ステップ64では、ROM24のキーコードテーブルを参照してTKRの運指データ値に対応するキーコードKCを求め、レジスタKCRにセットする。
ステップ66では、KCRのKC(キーコード)値が62〜73(D〜C )のいずれかか(1,2次モードか)判定する。ROM24には、KC値毎に発生すべき所定オクターブの所定音名の楽音信号の周波数を表わす周波数テーブルが記憶されている。ステップ66の判定の結果が肯定的(Y)であったときは、1,2次モードであったことになり、ステップ68でROM24の周波数テーブルを参照してKCRのKC値に対応する周波数fso1を求め、fso1を表わす周波数データをRAM26内のレジスタfRにセットする。
ステップ66の判定の結果が否定的(N)であった(1,2次モード以外の他のモードであった)とき又はステップ68の処理が終ったときは、ステップ70でKCRのKC値が74(D)以上か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、ステップ72でKCRのKC値に12を加え、その和のデータをKCRにセットする。この処理は、図8に示した加算処理ASに相当する。ステップ72の処理が終ったとき又はステップ70の判定の結果が否定的(N)であったときは、図9のメインルーチンにリターンする。
図11は、流速処理のサブリーチンを示すものである。ステップ74では、流速センサ回路32から流速データを取得し、RAM26内のレジスタSPRにセットする。そして、ステップ76では、SPRの流速データ値が所定値以上か判定する。この所定値としては、発音可能状態とするのに適した値が予め設定されている。ステップ76の判定の結果が否定的(N)であったときは、ステップ78でモードフラグMFに0(無音状態に対応)をセットする。
ステップ76の判定の結果が肯定的(Y)であったときは、ステップ80に移る。ROM24には、流速データ値毎にブレス制御値を表わすブレステーブルが記憶されている。ステップ80では、ROM24のブレステーブルを参照してSPRの流速データ値に対応するブレス制御値を求め、レジスタBCRにセットする。ROM24には、流速データ値毎にエッジEGでの流速Ue(図6のU(d)に相当)を表わす流速テーブルが記憶されている。ステップ82では、ROM24の流速テーブルを参照してSPRの流速データ値をエッジでの流速Ueに変換し、流速Ueを表わす流速データをRAM26内のレジスタURにセットする。ステップ78又は82の処理が終ったときは、図9のメインルーチンにリターンする。
図12は、長さ処理のサブルーチンを示すものである。ステップ84では、長さセンサ回路34から長さデータを取得し、RAM26内のレジスタLGRにセットする。ROM24には、長さデータ値毎にジェット吹出口−エッジ間距離dを表わす距離テーブルが記憶されている。ステップ86では、ROM24の距離テーブルを参照してLGRの長さデータ値を距離dに変換し、距離dを表わす距離データをRAM26内のレジスタdRにセットする。
次に、ステップ88では、URの流速データが示す流速UeとdRの距離データが示す距離dとを用いてτe=d/Ueなる式に従ってジェット伝達時間τeを求め、この時間τeを表わす時間データをRAM26内のレジスタτRにセットする。ステップ88では、前述した(M)〜(M)のジェット伝達時間算出法のうち簡便な(M)の方法を用いてジェット伝達時間τeを求めたが、(M)〜(M)のいずれかの方法を用いてジェット伝達時間τeを求めてもよい。
ステップ90では、τRの時間データが示すジェット伝達時間τeとfRの周波数データが示す周波数fso1とを用いてθe’=2πfso1×τeなる式に従ってジェット走行角θe’を求め、この走行角θe’を表わす走行角データをRAM26内のレジスタθRにセットする。ROM24には、ステップ86で求められる距離d毎にピッチ修正値を表わすピッチテーブルが記憶されている。ステップ92では、ROM24のピッチテーブルを参照してdRの距離データが示す距離dに対応するピッチ修正値を求め、PARにセットする。この後、図9のメインルーチンにリターンする。
図13,14は、出力処理のサブルーチンを示すものである。ステップ94では、KCRのKC値が62〜73のいずれかか(1,2次モードか)判定する。この判定の結果が否定的(N)であれば、KC値が60,61,74以上のいずれかであった(1,2次モード以外の他のモードであった)ことになり、ステップ96で他モードの出力処理を行なう。
すなわち、ステップ96Aでは、アンブシュア制御値64をEMRにセットする。そして、ステップ96Bでは、KCRのKC値と、EMRのアンブシュア制御値と、BCRのブレス制御値と、PARのピッチ修正値とを音源回路38に出力する。この結果、KC値が60,61,74以上のいずれかである楽音が発生され、該楽音の音量と音色がブレス制御値に応じて制御されると共に該楽音のピッチがピッチ修正値に応じて制御される。
ステップ96の出力処理の後は、図14のステップ130に移る。ステップ130では、SPRの流速データ値が図11のステップ76で述べた所定値より小か判定する。この判定の結果が否定的(N)であれば、図9のメインルーチンにリターンする。ステップ130の判定の結果が肯定的(Y)であったときは、ステップ132で消音処理を行なう。消音処理では、物理モデル音源38Aの各制御入力を0にセットすると共にKCR,BCR,EMR,PARにそれぞれ0をセットし、MFにも0(無音状態に対応)をセットする。この結果、発生中の楽音が減衰開始し、新たな楽音の発生が可能になる。ステップ132の後は、図9のメインルーチンにリターンする。
ステップ94の判定の結果が肯定的(Y)であったときは、1,2次モードであったことになり、ステップ98に移る。ステップ98では、MFが0で且つθe’が3π/2まで減少したか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、ステップ100でアンブシュア値64をEMRにセットする。
ステップ102では、ステップ96Bに関して前述したと同様にKCR,EMR,BCR,PARの値を音源回路38に出力する。この結果、無音状態でθe’が3π/2に達したときにD〜C のいずれかの楽音が発生され、該楽音の音量と音色がブレス制御値に応じて制御されると共に該楽音のピッチがピッチ修正値に応じて制御される。この後、ステップ104では、MFに1(1次モードに対応)をセットする。
ステップ104の処理が終ったとき又はステップ98の判定の結果が否定的(N)であったときは、ステップ106に移る。ステップ106では、MFが1で且つθe’が3π/2以下でπ/2より大か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、ステップ108に移り、BCRのブレス制御値と、PARのピッチ修正値とを音源回路38に出力する。この結果、図7に示すようにπ/2<θe’≦3π/2のときに流速を速くしたり、距離dを減少させたりすることで発音周波数を徐々に上げたり、音量や音色を変更したりすることができる。
ステップ108の処理が終ったとき又はステップ106の判定の結果が否定的(N)であったときは、図14のステップ110に移る。ステップ110では、MFが1で且つθe’がπ/2まで減少したか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、ステップ112でアンブシュア制御値127をEMRにセットする。アンブシュア制御値は、図15に示すようにθe’が π/2まで減少した時に64から127に変化する。ステップ110の判定の結果が否定的(N)であれば、ステップ118に移る。
ステップ114では、EMRのアンブシュア制御値と、BCRのブレス制御値と、PARのピッチ修正値とを音源回路38に出力する。この結果、図7に示すようにSの状態で1次モードから2次モードにジャンプし、発音オクターブが1オクターブ上昇する。また、ブレス制御値に応じて音量及び音色が制御されると共にピッチ修正値に応じてピッチが制御される。この後は、ステップ116でMFに2(2次モードに対応)をセットする。
次に、ステップ118では、MFが2で且つθe’がπ/2以上で3π/4より小か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、ステップ120に移り、前述のステップ108と同様にしてBCR,PARの値を音源回路38に出力する。この結果、図7に示すようにπ/2≦θe’<3π/4のときに流速を遅くしたり、距離dを増大させたりすることで発音周波数を徐々に下降させたり、音量や音色を変化させたりすることができる。
ステップ120の処理が終ったとき又はステップ118の判定の結果が否定的(N)であったときは、ステップ122に移る。ステップ122では、MFが2で且つθe’が3π/4まで増大したか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、ステップ124でアンブシュア制御値64をEMRにセットする。アンブシュア制御値は、図16に示すようにθe’が3π/4まで増大したときに127から64に変化する。
ステップ126では、前述のステップ114と同様にしてEMR,BCR,PARの値を音源回路38に出力する。この結果、図7に示すようにSの状態で 2次モードから1次モードへジャンプし、発音オクターブが1オクターブ下降する。また、ブレス制御値に応じて音量及び音色が制御されると共にピッチ修正値に応じてピッチが制御される。この後は、ステップ128でMFに1をセットする。
ステップ130では、前述したと同様にSPRの流速データ値が所定値より小か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、ステップ132で前述したと同様に消音処理を行なう。ステップ132の処理が終ったとき又はステップ130の判定の結果が否定的(N)であったときは、図9のメインルーチンにリターンする。
上記した実施形態では、ステップ98,106,110,118,122の判定の際にジェットパラメータとしてジェット走行角θe’を用い、例えば3π/2のように「π」を有する数値と比較するようにしたが、ジェットパラメータとして例えば2fso1×τeのように「π」を持たない数値を用いると共に比較基準値としても例えば3/2のように「π」を持たない数値を用いてもよい。
上記した実施形態によれば、音名が同一でオクターブが異なる2音を同一の運指状態にて流速Ueや距離dを変更することで簡単に吹き分けることができる。オクターブ切換えにヒステリシスがない状態では、ビブラート等によりオクターブ変化が生じやすく、演奏に困難を伴うが、オクターブ切換えにヒステリシスを持たせたので、ジェット走行角がπ/2<θe’≦3π/4又はπ/2≦θe’ <3π/4の範囲内にあるときはピッチベンドやビブラートの奏法が可能である。また、1オクターブ上の音をスラー(吹奏状態で運指を変える方法)ではなくタンギング(息を舌で止めてから吹奏開始する方法)で吹くと、息の弱い状態を経由するため、アタックとリリースで1オクターブ下の音を経由することになり、フルートと同様の演奏の困難さがある。従って、様々なフルートの演奏メソッドのアンブシュアに対応可能であり、フルートに近い演奏を楽しみたいユーザに好適である。なお、上記した実施形態では、ブレス制御値やエッジでの流速Ueを得るのに流速センサを用いたが、ジェットの強さを検知する圧力センサ等を用いてもよい。
次に、上記した実施形態の処理を簡略化した変形例に係る処理を説明する。この変形例において、メインルーチンは、図9に示したものと同様であるが、図10のキーコード処理は図17に示すように、図11の流速処理は図18に示すように、図12の長さ処理は図19に示すように、図13,14の出力処理は図20に示すようにそれぞれ変更される。
キーコード処理では、図10のステップ66の判定の結果が肯定的(Y)であったときは、図17のステップ150に移る。ROM24には、TKRの運指データ値毎にオクターブ切換制御用のスレッショルド値を表わすスレッショルド値テーブルが記憶されている。スレッショルド値は、一例として、高音ほど小さくなるように設定することができる。ステップ150では、ROM24のスレッショルド値テーブルを参照してTKRの運指データ値に対応するスレッショルド値dthを求め、RAM26内のレジスタdtRにセットする。ステップ150の処理が終ったとき又はステップ66の判定の結果が否定的(N)であったときは、図10のステップ70以降の処理を行なってから図9のメインルーチンにリターンする。
流速処理では、図11のステップ76,78,80の処理を行なった後、図18に示すようにステップ82の処理を省略して図9のメインルーチンにリターンする。変形例では、エッジでの流速Ueを使用しないので、ステップ82の処理は不要である。
長さ処理では、図12のステップ86の処理を行なった後、図19に示すようにステップ88,90の処理を省略してステップ92の処理を行ない、この後図9のメインルーチンにリターンする。変形例では、ジェット伝達時間τeやジェット走行角θe’を使用しないので、ステップ88,90の処理は不要である。
出力処理では、図13のステップ94の判定の結果が否定的(N)であったときは、図20に示すようにステップ96の他モード出力処理を前述したと同様に行なう。
ステップ94の判定結果が肯定的(Y)であったときは、図20に示すようにステップ152においてMFが0で且つSPRの流速データ値が所定値以上か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば、図13のステップ100,102の処理を前述したと同様に行なう。この結果、無音状態から楽音が発生され、該楽音の音量、音色、ピッチが制御される。この後は、ステップ104でMFに1(1次モードに対応)をセットする。
ステップ104の処理が終わったとき又はステップ152の判定の結果が否定的(N)であったときは、ステップ154においてMFが1で且つ距離dがスレッショルド値dthまで減少したか判定する。この判定に用いられるスレッショルド値dthは、図17のステップ150でdtRにセットされたものである。
ステップ154の判定の結果が肯定的(Y)であったときは、図14のステップ112,114の処理を前述したと同様に行なう。この結果、アンブシュア値が64から127に変化し、発音オクターブが1オクターブ上昇する。図21には、オクターブ上昇時のアンブシュア制御値の変化が上向き矢印で示されている。この後は、ステップ116でMFに2(2次モードに対応)をセットする。
ステップ116の処理が終わったとき又はステップ154の判定の結果が否定的(N)であったときは、ステップ156においてMFが2で且つ距離dがスレッショルド値dthを越えて増大したか判定する。この判定に用いられるスレッショルド値dthは、図17のステップ150でdtRにセットされたものである。
ステップ156の判定結果が肯定的(Y)であったときは、図14のステップ124,126の処理を前述したと同様に行なう。この結果、アンブシュア値が127から64に変化し、発音オクターブが1オクターブ下降する。図21には、オクターブ下降時のアンブシュア制御値の変化が下向き矢印で示されている。この後は、ステップ128でMFに1をセットしてから図14のステップ130以降の処理を前述したと同様に行なう。
上記した変形例に係る処理によれば、ジェット吹出口−エッジ間距離dがスレッショルド値dthまで減少したときは発音オクターブを1オクターブ上げ、距離dがスレッショルド値dthを越えて増大したときは発音オクターブを1オクターブ下げるようにしたので、唇−エッジ間距離を変更するだけでオクターブ吹き分けを行なうことができ、初心者に好適である。また、ジェットの流速がオクターブ変化に関与しないので、低音での大音量演奏や高音での小音量演奏が可能である。その上、運指状態に応じてスレッショルド値dthを設定するようにしたので、音高に応じて唇−エッジ間距離を変化させるメソッドに慣れているユーザに好適である。
他の変形例としては、図17のキーコード処理において破線Lbで示すようにステップ66,150の処理を省略してもよい。この場合、流速処理及び長さ処理は、それぞれ図18及び図19に関して前述した通りである。出力処理では、図20のステップ154,156の判定で用いるスレッショルド値dthを運指に依存しない一定値(例えば、1/2と3/4の平均値=5/8=0.625)とする。このようにすると、運指状態に関係なく唇−エッジ間距離だけでオクターブ吹き分けを行なえるので、一層初心者向きとなる。
上記した実施形態の処理(A)と、上記した変形例に係る処理(B)と、上記した他の変形例に係る処理(C)とは、各々独立の吹奏電子楽器で実行するようにしてもよいが、1つの吹奏電子楽器において選択的に実行するようにしてもよい。一例として、図1の表示器30に処理(A),(B),(C)を表示した状態においてユーザがキーボード28等の操作により(A)〜(C)のいずれかの処理を選択して実行するようにしてもよい。このようにすると、ユーザは、自己の習熟度に応じて演奏メソッドを選択して演奏を楽しむことができる。
上記した実施形態において、音源回路38の音源として、図3に示した波形テーブル音源38Bを用いる場合には、変換回路160,162,164を設ける。変換回路160は、図8(B)に示すようにEMRのアンブシュア制御値が64であればKCRからの60〜73,86以上のいずれかのKC値をそのまま音源38Bに音高制御入力として供給する一方、EMRのアンブシュア制御値が127であれば62〜73のいずれかのKC値に12を加えて74〜85のいずれかのKC値に変換し、変換に係るKC値を音源38Bに音高制御入力として供給する。音源38Bでは、74〜85のいずれかのKC値に基づいてD〜C のいずれかの楽音信号が発生される。
変換回路162は、BCRのブレス制御値を音量・音色制御情報に変換し、この音量・音色制御情報を音源38Bに音量・音色制御入力として供給する。変換回路164は、PARのピッチ修正値をピッチ制御情報に変換し、このピッチ制御情報を音源38Bにピッチ制御入力として供給する。なお、変換回路160〜164は、変換処理としてコンピュータに実行させるようにしてもよい。別の方法としては、変換回路160〜164又は変換処理を用いず、変換回路160〜164の出力に相当する制御情報をコンピュータから音源38Bに供給するようにしてもよい。
音源38Bには、楽音発生を開始させるためのノートオン情報NTONと、楽音減衰を開始させるためのノートオフ情報NTOFとが供給される。ノートオン情報NTONは、図20のステップ152と同様の判定処理により発生させることができ、ノートオフ情報NTOFは、図14のステップ130と同様の判定処理により発生させることができる。
1オクターブ上昇させる場合には、ノートオフ情報により1次モードの楽音を減衰させつつノートオン情報により2次モードの楽音を発生させるようにしてもよい。また、1オクターブ下降させる場合には、ノートオフ情報により2次モードの楽音を減衰させつつノートオン情報により1次モードの楽音を発生させるようにしてもよい。いずれの場合にも、減衰する楽音と発生する楽音とのつながり部で不連続感が生じないようにするため、いわゆるクロスフェード制御により振幅の減少及び増大をなめらかに制御するとよい。
この発明の一実施形態に係る吹奏電子楽器の回路構成を示すブロック図である。 音源回路の一例を示すブロック図である。 音源回路の他の例を示すブロック図である。 流速センサ及び長さセンサの装着構造の一例を示す断面図である。 流速センサ及び長さセンサの装着構造の他の例を示す断面図である。 ジェット伝達時間算出法を説明するための流速分布図である。 この発明に係るオクターブ切換制御動作を説明するためのモード遷移図である。 キーコードに基づく発音動作を説明するための図である。 メインルーチンの処理を示すフローチャートである。 キーコード処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 流速処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 長さ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 出力処理のサブルーチンの一部を示すフローチャートである。 出力処理のサブルーチンの残部を示すフローチャートである。 オクターブ上昇時におけるジェット走行角とアンブシュア制御値との関係を示すグラフである。 オクターブ下降時におけるジェット走行角とアンブシュア制御値との関係を示すグラフである。 変形例に係るキーコード処理を示すフローチャートである。 変形例に係る流速処理を示すフローチャートである。 変形例に係る長さ処理を示すフローチャートである。 変形例に係る出力処理を示すフローチャートである。 変形例におけるジェット走行角とアンブシュア制御値との関係を示すグラフである。 音名が同一でオクターブが異なる2音を同一の運指状態にて吹き分ける例を示す運指図である。 エアリード楽器におけるジェットの流れを示す断面図である。 ジェット伝達時間算出法を説明するためのグラフである。 エアリード楽器におけるオクターブ変化を示すモード遷移図である。 エアリード楽器におけるジェットの流速分布を示す流速分布図である。
符号の説明
10:ウインドコントローラ、12:管体部、14:リッププレート、16:唄穴、18:トーンキー群、20:バス、22:CPU、24:ROM、26:RAM、28:キーボード、30:表示器、32:流速センサ回路、34:長さセンサ回路、36:キースイッチ回路、38:音源回路、40:D/A変換回路、42:サウンドシステム。

Claims (10)

  1. 唄穴を有するリッププレートを側部に有し、音高指定用の複数のトーンキーが設けられた管体部と、
    前記リッププレートにおいて前記唄穴側からジェットが当たるエッジ又はその近傍にジェットの流速又は強さを検知すべく設けられた第1の検知手段と、
    前記リッププレートにおいて前記エッジ又はその近傍にジェットの長さを検知すべく設けられた第2の検知手段と、
    前記第1及び第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口と前記エッジとの間のジェット伝達時間を決定する決定手段と、
    前記複数のトーンキーに関して運指状態を検出する検出手段と、
    この検出手段で検出された運指状態に対応して発生すべき1オクターブ隔たった2つの楽音信号の周波数のうち低い方の楽音信号の周波数を指示する指示手段と、
    この指示手段で指示された周波数と前記決定手段で決定されたジェット伝達時間との積に応じたジェットパラメータを算出する計算手段と、
    前記第1の検知手段の検知出力に基づいて前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を発生すべく音源手段を制御する第1の制御手段と、
    前記音源手段にて前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが第1の所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく前記音源手段を制御する第2の制御手段と、
    前記音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが前記第1の所定値より大きい第2の所定値まで増大したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ下降すべく前記音源手段を制御する第3の制御手段と
    を備えた音源制御装置。
  2. 前記第1の検知手段は、前記エッジの位置と前記ジェット吹出口から前記エッジに至るジェット経路に沿った前記エッジの近傍の位置とにおいてジェットの流速を検知すべく設けられた第1および第2の流速センサを備え、前記決定手段は、前記第1および第2の流速センサの出力に基づいて前記ジェット吹出口から前記エッジまでのジェットの流速分布を推定する推定手段と、前記第2の検知手段の検知出力に基づいて前記ジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する距離決定手段とを備え、前記推定手段での推定に係るジェットの流速分布と前記距離決定手段での決定に係る距離とに基づいて前記ジェット伝達時間を決定する請求項1記載の音源制御装置。
  3. 前記決定手段は、前記ジェット吹出口から前記エッジ又はその近傍の位置までのジェットの流速分布を表わす流速分布データを前記第1の検知手段の検知出力値毎に記憶する記憶手段と、前記第1の検知手段の検知出力値に対応する流速分布データを前記記憶手段から読出す読出手段と、前記第2の検知手段の検知出力に基づいて前記ジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する距離決定手段とを備え、前記読出手段での読出しに係る流速分布データが表わす流速分布と前記距離決定手段での決定に係る距離とに基づいて前記ジェット伝達時間を決定する請求項1記載の音源制御装置。
  4. 前記決定手段は、前記ジェット吹出口と前記エッジとの間のジェット伝達に要する時間を表わす時間データを前記第1の検知手段の検知出力値毎に且つ前記第2の検知手段の検知出力値毎に記憶する記憶手段と、前記第1及び第2の検知手段の検知出力値に対応する時間データを前記記憶手段から読出す読出手段とを備え、この読出手段での読出しに係る時間データが表わす時間を前記ジェット伝達時間として決定する請求項1記載の音源制御装置。
  5. 前記決定手段は、前記第1の検知手段の検知出力に基づいて前記エッジでのジェットの流速を決定する流速決定手段と、前記第2の検知手段の検知出力に基づいて前記ジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する距離決定手段とを備え、この距離決定手段での決定に係る距離を前記流速決定手段での決定に係る流速で割り算して前記ジェット伝達時間を算出する請求項1記載の音源制御装置。
  6. 前記音源手段にて前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが前記第1の所定値に向けて減少するのに伴って発生中の楽音信号の周波数を徐々に上昇すべく前記音源手段を制御する第4の制御手段と、
    前記音源手段にて前記1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが前記第2の所定値に向けて増大するのに伴って発生中の楽音信号の周波数を徐々に低下すべく前記音源手段を制御する第5の制御手段と
    を更に備えた請求項1 記載の音源制御装置。
  7. 唄穴を有するリッププレートを側部に有し、音高指定用の複数のトーンキーが設けられた管体部と、前記リッププレートにおいて前記唄穴側からジェットが当たるエッジ又はその近傍にジェットの流速又は強さを検知すべく設けられた第1の検知手段と、前記リッププレートにおいて前記エッジ又はその近傍にジェットの長さを検知すべく設けられた第2の検知手段と、前記複数のトーンキーに関して運指状態を検出する検出手段と、コンピュータとを備えた音源制御装置において使用されるプログラムであって、前記コンピュータを、
    前記第1及び第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口と前記エッジとの間のジェット伝達時間を決定する決定手段と、
    前記検出手段で検出された運指状態に対応して発生すべき1オクターブ隔たった2つの楽音信号の周波数のうち低い方の周波数を指示する指示手段と、
    この指示手段で指示された周波数と前記決定手段で決定されたジェット伝達時間との積に応じたジェットパラメータを算出する計算手段と、
    前記第1の検知手段の検知出力に基づいて前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を発生すべく音源手段を制御する第1の制御手段と、
    前記音源手段にて前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが第1の所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく前記音源手段を制御する第2の制御手段と、
    前記音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記計算手段で算出されるジェットパラメータが前記第1の所定値より大きい第2の所定値まで増大したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ下降すべく前記音源手段を
    制御する第3の制御手段と
    して機能させるプログラム。
  8. 唄穴を有するリッププレートを側部に有し、音高指定用の複数のトーンキーが設けられた管体部と、
    前記リッププレートにおいて前記唄穴側からジェットが当たるエッジ又はその近傍にジェットの流速又は強さを検知すべく設けられた第1の検知手段と、
    前記リッププレートにおいて前記エッジ又はその近傍にジェットの長さを検知すべく設けられた第2の検知手段と、
    この第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する決定手段と、
    前記複数のトーンキーに関して運指状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された運指状態に対応して発生すべき1オクターブ隔たった2つの楽音信号の周波数のうち低い方の周波数を指示する指示手段と、
    前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を前記第1の検知手段の検知出力に基づいて発生すべく音源手段を制御する第1の制御手段と、
    前記音源手段にて前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を発生中であるときに前記決定手段で決定される距離が所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく前記音源手段を制御する第2の制御手段と、
    前記音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記決定手段で決定される距離が前記所定値を越えて増大したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ下降すべく前記音源手段を制御する第3の制御手段と
    を備えた音源制御装置。
  9. オクターブ切換制御用のスレッショルド値を前記検出手段で検出される運指状態毎に記憶する記憶手段と、
    前記検出手段で検出された運指状態に対応するスレッショルド値を前記記憶手段から読出して前記所定値として前記第2及び第3の制御手段に供給する供給手段と
    を更に備えた請求項8記載の音源制御装置。
  10. 唄穴を有するリッププレートを側部に有し、音高指定用の複数のトーンキーが設けられた管体部と、前記リッププレートにおいて前記唄穴側からジェットが当たるエッジ又はその近傍にジェットの流速又は強さを検知すべく設けられた第1の検知手段と、前記リッププレートにおいて前記エッジ又はその近傍にジェットの長さを検知すべく設けられた第2の検知手段と、前記複数のトーンキーに関して運指状態を検出する検出手段と、コンピュータとを備えた音源制御装置において使用されるプログラムであって、前記コンピュータを、
    前記第2の検知手段の検知出力に基づいてジェット吹出口と前記エッジとの間の距離を決定する決定手段と、
    前記検出手段で検出された運指状態に対応して発生すべき1オクターブ隔たった2つの楽音信号の周波数のうち低い方の周波数を指示する指示手段と、
    前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を前記第1の検知手段の検知出力に基づいて発生すべく音源手段を制御する第1の制御手段と、
    前記音源手段にて前記指示手段により指示された周波数の楽音信号を発生中であるときに前記決定手段で決定される距離が所定値まで減少したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ上昇すべく前記音源手段を制御する第2の制御手段と、
    前記音源手段にて1オクターブ上昇した音高の楽音信号を発生中であるときに前記決定手段で決定される距離が前記所定値を越えて増大したことを検知して発生中の楽音信号の音高を1オクターブ下降すべく前記音源手段を制御する第3の制御手段と
    して機能させるプログラム。
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