JP2728784B2 - 酢酸菌,該酢酸菌由来プラスミド及び該プラスミドから構築されるシャトルベクター - Google Patents

酢酸菌,該酢酸菌由来プラスミド及び該プラスミドから構築されるシャトルベクター

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輝彦 別府
尚人 外内
末治 堀之内
隆康 土田
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【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、アセトバクター・スピーシズBPR2001株が
保有するプラスミドpAH4及び該プラスミドと大腸菌由来
のプラスミドから構築されるシャトルベクターに関する
ものである。
[背景技術] バクテリアセルロースを産生する酢酸菌としては、ア
セトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)に
属する微生物が古くから知られている。近年、アセトバ
クター・キシリナムをはじめとする酢酸菌の産生するバ
クテリアセルロースは、植物由来のセルロースと比較す
るとセルロース微結晶が一定方向に配向しているため、
均一であり、力学的強度も強く、たとえば医療用バッド
やスピーカの振動板への応用が期待されている。
しかし、酢酸菌のセルロース産生能は低く、培養条件
の検討や変異処理により、生産性を向上させる試みがな
されている。こうした従来法による試みに加え、近年の
遺伝子組み換え技術を用いて生産性を向上させることを
目的とした研究も進められている。セルロース産生酢酸
菌で遺伝子組み換えをおこなうためには、目的菌の宿主
−ベクター系を開発することが、まず必要になる。
また、従来より上述の微生物はセルロースと同時に水
溶性多糖類であるアセタンを産生することが知られてい
る。アセタンは食品素材増粘剤及び各種化成品の原料と
して有用であるため、かかる宿主−ベクター系の開発は
この点からも有用である。既に、アセトバクター・アセ
チ・サブスピーシズ・キシリナムIFO3288が保有する7
つのベクター用プラスミドが報告されている(特開平1
−199580号)。
更に、酢酸菌が保有するプラスミドについては、特表
平4−503456号及びProc.Natl.Acod.Sci.USA Vol.87,p
p.8130−8134(1990)にも報告されている。
また、一方で、酢酸菌プラスミドの遺伝子組み換え操
作を行なう際に、酢酸菌内のみならず他の宿主細胞、例
えば大腸菌内でも複製可能なプラスミドベクター(以
下、「シャトルベクター」という。)を得ることが出来
れば大変便利である。
これまでに、このようなシャトルベクターが例えば前
記特開平1−199580号及びBIOTECHNOLOGY LETTERS,Vol.
14,No.7(July,1922),pp.539−542に報告されている。
[発明の開示] 本発明者等は、上記事情に鑑み、新規なセルロース産
生酢酸菌由来のプラスミド及び該プラスミドと大腸菌菌
由来のプラスミドから構築される新規なシャトルベクタ
ーを提供すべく、検討を行った結果、新規にセルロース
産生菌を分離し、Bergey′s Manual of Systematic Bac
teriology記載の方法に従って分類したところ、アセト
バクター属に同定し、アセトバクター・スピーシズBPR2
001(Acetobacter sp.BPR2001)株と命名した。アセト
バクター・スピーシズBPR2001株の分類学的性質として
は、菌の形態は桿菌、グラム染色性は陰性、胞子形成能
は陰性、酸素に対する態度は好気性、カタラーゼ反応陽
性、オキシターゼ反応陰性、エタノールからの酢酸生成
は陽性、酢酸塩の酸化は陽性、乳酸塩の酸化は陽性であ
る。更にこの株が新規なプラスミドを保有することを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、アセトバクター・スピーシズBPR200
1株及び該由来の内在性プラスミド、特に、pAH4を提供
するものである。
このプラスミドpAH4はサイズが約4.0kbと比較的小さ
く、また、実施例1に示すような、ベクターとして使用
するのに好適な制限酵素切断部位を有している。
更に、本発明のpAH4プラスミドは、下記の配列番号1
に示される約4002bpの塩基配列を有しているものであ
る。
更に、本発明は、該プラスミドとpUC18等の大腸菌由
来のプラスミドとから構築されるシャトルベクターを提
供するものである。
このようなシャトルベクターの代表的な例として、pS
A19、pSA7及びpK5が挙げられ、これらは、セルロース産
生酢酸菌及び大腸菌のいずれの宿主に於いても複製が可
能であって、セルロース産生酢酸菌の遺伝子組み換え用
ベクターとして極めて有益なプラスミドである。
尚、アセトバクター・スピーシズBPR2001株は、平成
5年2月24日に通商産業省、工業技術院生命工学工業技
術研究所特許微生物寄託センターに寄託され(受託番号
FERM P−13466)、その後1994年2月27日付でブダペス
ト条約に基づく寄託(受託番号FERM BP−4545)に移管
されている。
以下、実施例を参照しつつ、本発明を更に詳しく述べ
る。
[実施例] (1)プラスミドの分離精製 BPR2001株をYPD培地(酵母エキス0.5%、ポリペプト
ン0.2%,グルコース3%、pH6.5)で培養し、ガーゼで
濾過してセルロースを除いた後、遠心分離によって菌体
を集めた。この菌体より通常のアルカリリシス法(Birn
boim,H.C.and J.Doly Nuc.Acids Res.7巻 1513頁、197
9年)によってプラスミドDNAを抽出し、アガロースゲル
電気泳動によって分離精製した。約4Kbのプラスミドが
得られ、pAH4と命名した。
pAH4をいくつかの制限酵素(宝酒造より購入)で処理
することにより、以下のプラスミドの制限酵素地図を作
成した。
4(2)塩基配列の決定 サンガーらのジデオキシターミネーション法(Sange
r,F.and A.R.Coulson,J.Mol.Biol.94巻 441頁1975年)
を用いてpAH4の塩基配列を決定した。
この塩基配列を下記の配列表に配列番号1として記載
する。
(3)シャトルベクターの構築 pAH4を制限酵素Hind IIIで切断した。この切断物と、
大腸菌のベクタープラスミドpUC18(宝酒造より購入)
の切断物を混合し、DNAリガーゼ(宝酒造より購入)で
処理した。これを大腸菌JM105株(宝酒造より購入)に
塩化カルシューム法(Norgard,M.V.,K.Keem and J.J.Mo
nahan Gene,3巻 279頁1978年)を用いてく形質転換し
た。得られたアンピシリン耐性株の中から、pAH4とpUC1
8のキメラプラスミドを持つ株を選択し、キメラプラス
ミドをpSA19及びpSA7と命名した。
さらに、pAH4を制限酵素Hind IIIとKpn Iで切断し、
アガロースゲル電気泳動により、約2.3Kbの断片を回収
した。この断片をpUC18のHind IIIとKpn I切断物と混
合、DNAリガーゼで連結し、大腸菌JM105株に形質転換し
た。得られたアンピシリン耐性株の中から、キメラプラ
スミドを持つ株を選択し、そのプラスミドをpK5と命名
した。
なお、これらのプラスミドを保持する大腸菌JM105
株、即ち、pSA19、pSA7及びpSA5も上記特許微生物寄託
センターに平成5年2月24日付で寄託されており、その
受託番号はそれぞれFERM P−13469、FERM P−13468及び
FERM P−13467であり、これらはその後、1994年2月7
日付でブダペスト条約に基づく寄託に移管され、夫々、
受託番号、FERM BP−4548、FERM BP−4547及びFERM BP
−4546が付されている。
(4)各キメラプラスミドを用いたアセトバクター・ス
ピーシズBPR2001株の形質転換 BPR2001株を0.1%セルラーゼを含むYPD培地で培養
し、電気パルス法により形質転換を行った。遠心分離に
より集めた菌体を10%スクロース溶液で洗浄した後再度
10%スクロース溶液に懸濁し、プラスミドDNAと混合し
て島津細胞融合装置SSH−10(島津製作所)を用いて、1
400Vの電気パルスを20回印加した。pSA19,pSA7,pSA5の
いずれのプラスミドを用いた場合もアンピシリン耐性株
が得られた。これらの株より上述の方法でプラスミドを
分離したところ、導入したプラスミドが得られた。
(5)プラスミドpSABSCの構築及びセルラーゼ遺伝子の
発現 枯草菌中性セルラーゼ遺伝子が大腸菌ラクトースプロ
モーターにより発現されるプラスミドpBRC501(Biosci.
Biotech.Biochem,57巻 260−264頁(1993年))および
前で述べたpSA18を、制限酵素Sac IおよびBamH I(とも
に宝酒造より購入)で切断し、アガロースゲル電気泳動
により目的のDNA断片を分離・回収し、T4DNAリガーゼ
(宝酒造より購入)を用いて連結し、プラスミドpSABSC
を得た。
このpSABSCをもちいて、BPR2001株を前述の電気パル
ス法により形質転換し、遺伝子導入株を得た。
この株をCSLフルクトース培地で培養し、菌体のリン
酸緩衝液抽出物のセルラーゼ活性をJ.Bacteriology 15
8巻 503−506頁(1984年)に記載の方法(DNS法)によ
り測定したところ、0.141U/mg蛋白の比活性が検出さ
れ、セルラーゼ遺伝子がpSA19を用いることによりBPR20
01株に正しく導入され、また、発現していることが確認
された。
(6)アセトバクター・スピーシズBPR2001株によるセ
ルロース及びアセタンの生産 1)シード培養 シュクロース40g/、KH2PO43g/、MgSO4・7H2O2.4g
/、(NH42SO41g/、コーンスティープリカー20g/
、消泡剤0.01%を含む培地100mlを張り込んだ750ml容
Rouxフラスコに保存菌液1mlを植菌し、28℃で3日間、
静置によるシード培養を行った。
2)メイン培養 シード培養後、Rouxフラスコをよくシェーキングした
後、無菌条件下で内容物をガーゼ濾過し、濾液7.5mlを
前記培地67.5mlを張り込んだ300ml容バッフル付三角フ
ラスコに植菌した。振盪培養機(タイチック製BR−3000
L)を用い、振幅2cm、回転速度180rpm、温度28℃の条件
で回転振盪しながら4日間培養を行った。
3)BCの定量方法 各フラスコ内の固形物を、水洗して培地成分を除いた
後、1%NaOH溶液中で110℃、20分間処理して菌体を除
去した。更に、洗浄液が中性付近になるまでセルロース
を水洗した後、80℃で真空乾燥して乾燥重量を測定し
た。培養2日目で1.90g/、3日目で2.90g/、4日目
で3.37g/のセルロースが培地中に蓄積した。尚、この
培養により、水溶性アセタンが4日目で3.00g/培地中
に蓄積した。
[配列表] 配列番号:1 配列の長さ:4002 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:アセトバクター・スピーシズ 株 名:BPR2001株
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:02)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセトバクター・スピーシズBPR2001株(F
    ERM BP−4545)由来の以下の制限部位を有する約4kbの
    内在性プラスミド。
  2. 【請求項2】配列番号1に示す塩基配列を有することを
    特徴とする請求項1記載のプラスミド。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のプラスミドと大腸菌
    由来のプラスミドから構築されるシャトルベクター。
  4. 【請求項4】大腸菌由来のプラスミドがpUC18であるこ
    とを特徴とする請求項3記載のシャトルベクター。
  5. 【請求項5】pSA19(FERM BP−4548)、pSA7(FERM BP
    −4547)又はpK5(FERM BP−4546)のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項4記載のシャトルベクター。
  6. 【請求項6】受託番号FERM BP−4545のアセトバクター
    ・スピーシズBPR2001株。
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