JP2928265B2 - Dna断片、微酸性微低温性セルラーゼ及びその製造方法 - Google Patents
Dna断片、微酸性微低温性セルラーゼ及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2928265B2 JP2928265B2 JP1086714A JP8671489A JP2928265B2 JP 2928265 B2 JP2928265 B2 JP 2928265B2 JP 1086714 A JP1086714 A JP 1086714A JP 8671489 A JP8671489 A JP 8671489A JP 2928265 B2 JP2928265 B2 JP 2928265B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulase
- slightly
- dna fragment
- cryogenic
- dna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はDNA断片の変異による新規なDNA断片、微酸性
微低温性セルラーゼ及びその製造法に関するものであ
る。
微低温性セルラーゼ及びその製造法に関するものであ
る。
詳しくは、本発明は農産物及び林産物資源であるセル
ロースを有用物質に変換する絶対嫌気性ルーメン球菌ル
ミノコッカス・アルブスの生産する中性(pH6.8)中温
性(37℃)セルラーゼのアミノ酸配列をコードしている
DNA断片の一部を変異せしめたDNA断片及びこの断片を組
み込んだプラスミドDNA、更には、このプラスミドDNAを
用いて作られた形質転換菌に関する。また、この形質転
換菌によって生産されたセルラーゼとその製造方法にも
関する。
ロースを有用物質に変換する絶対嫌気性ルーメン球菌ル
ミノコッカス・アルブスの生産する中性(pH6.8)中温
性(37℃)セルラーゼのアミノ酸配列をコードしている
DNA断片の一部を変異せしめたDNA断片及びこの断片を組
み込んだプラスミドDNA、更には、このプラスミドDNAを
用いて作られた形質転換菌に関する。また、この形質転
換菌によって生産されたセルラーゼとその製造方法にも
関する。
農産・林産資源で地球上に広範、多量に存在するセル
ロースをセルラーゼによりグルコースにまで加水分解し
た後、種々の微生物を使ってエネルギー資源、化学工業
原料、微生物蛋白質に転換する等のセルロースを有効利
用する研究が行われている。現在多くの微生物からセル
ラーゼが検出され精製されているが、好気性菌や糸状菌
がほとんどであり、嫌気性菌特にルーメン細菌より検
出、精製されたセルラーゼを改良して利用しようとする
報告はほとんどない。
ロースをセルラーゼによりグルコースにまで加水分解し
た後、種々の微生物を使ってエネルギー資源、化学工業
原料、微生物蛋白質に転換する等のセルロースを有効利
用する研究が行われている。現在多くの微生物からセル
ラーゼが検出され精製されているが、好気性菌や糸状菌
がほとんどであり、嫌気性菌特にルーメン細菌より検
出、精製されたセルラーゼを改良して利用しようとする
報告はほとんどない。
川合等は(特開昭62-208283号)ルミノコッカス属に
属するセルラーゼ生産菌のセルラーゼ生産に関与する遺
伝情報を担う染色体DNA断片を含有せしめてなる組換え
ベクター及びこれにより形質転換されたエシエリヒア属
に属するセルラーゼ生産菌に関して発明を完成させてい
る。川合等の発明による形質転換菌の酵素生産の最適pH
は6.8、また最適温度は35℃付近である。
属するセルラーゼ生産菌のセルラーゼ生産に関与する遺
伝情報を担う染色体DNA断片を含有せしめてなる組換え
ベクター及びこれにより形質転換されたエシエリヒア属
に属するセルラーゼ生産菌に関して発明を完成させてい
る。川合等の発明による形質転換菌の酵素生産の最適pH
は6.8、また最適温度は35℃付近である。
従来公知のルーメン細菌由来のセルラーゼは37〜40
℃、中性付近のpHに最適活性を持ち、植物細胞内におけ
るような環境条件すなわち微酸性微低温では実用活性を
発現できないものが多い(川合等 特開昭62-208283
号)。そこで、より低い温度で、またより低いpH域で高
い活性を持つセルラーゼが求められてきた。さらに、嫌
気性ルーメン細菌由来のセルラーゼによるセルロース利
用技術を発展させるためには、セルラーゼの酵素及び蛋
白質の化学的性質を解明することが必要である。
℃、中性付近のpHに最適活性を持ち、植物細胞内におけ
るような環境条件すなわち微酸性微低温では実用活性を
発現できないものが多い(川合等 特開昭62-208283
号)。そこで、より低い温度で、またより低いpH域で高
い活性を持つセルラーゼが求められてきた。さらに、嫌
気性ルーメン細菌由来のセルラーゼによるセルロース利
用技術を発展させるためには、セルラーゼの酵素及び蛋
白質の化学的性質を解明することが必要である。
本発明者等は、セルロース分解能が一般的に優れてい
る嫌気性菌に属するルミノコッカス・アルブスのセルラ
ーゼ遺伝子をコードしているDNA断片の一部を変異せし
めることにより、微酸性及び微低温で実用活性を発現で
きるセルラーゼを作り出した。本発明によるセルラーゼ
は例えばその成熟蛋白質のアミノ末端よりアミノ酸残基
の一部を欠失させている点で川合等による発明と明瞭に
区別される。本発明はこの新知見にもとづき完成したも
のである。
る嫌気性菌に属するルミノコッカス・アルブスのセルラ
ーゼ遺伝子をコードしているDNA断片の一部を変異せし
めることにより、微酸性及び微低温で実用活性を発現で
きるセルラーゼを作り出した。本発明によるセルラーゼ
は例えばその成熟蛋白質のアミノ末端よりアミノ酸残基
の一部を欠失させている点で川合等による発明と明瞭に
区別される。本発明はこの新知見にもとづき完成したも
のである。
本発明は次の構成から成る。
1.ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)の
DNAより分離された中性セルラーゼの遺伝情報をコード
するDNA断片の一部を変異せしめたDNA断片。
DNAより分離された中性セルラーゼの遺伝情報をコード
するDNA断片の一部を変異せしめたDNA断片。
2.中性セルラーゼの遺伝情報をコードするDNA断片の一
部を変異せしめたDNA断片が、該中性セルラーゼの成熟
蛋白質のアミノ末端から一部のアミノ酸配列を欠失させ
た蛋白質をコードするものである上記1記載のDNA断
片。
部を変異せしめたDNA断片が、該中性セルラーゼの成熟
蛋白質のアミノ末端から一部のアミノ酸配列を欠失させ
た蛋白質をコードするものである上記1記載のDNA断
片。
3.中性セルラーゼの成熟蛋白質のアミノ末端から15ある
いは24個のアミノ酸を欠失させた蛋白質をコードするも
のである上記2記載のDNA断片。
いは24個のアミノ酸を欠失させた蛋白質をコードするも
のである上記2記載のDNA断片。
4.中性セルラーゼのアミノ酸配列をコードするDNA断片
の一部を変異せしめたDNA断片が、該中性セルラーゼの
成熟蛋白質のカルボキシル末端から一部のアミノ酸配列
を欠失させた蛋白質をコートするものである上記1記載
のDNA断片。
の一部を変異せしめたDNA断片が、該中性セルラーゼの
成熟蛋白質のカルボキシル末端から一部のアミノ酸配列
を欠失させた蛋白質をコートするものである上記1記載
のDNA断片。
5.微酸性微低温性セルラーゼをコードするものである上
記1記載のDNA断片。
記1記載のDNA断片。
6.上記1〜5記載のDNA断片を含むプラスミドDNA。
7.上記6記載のプラスミドDNAにより形質転換された形
質転換体。
質転換体。
8.ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)の
DNAより分離された中性セルラーゼのアミノ酸配列をコ
ードするDNA断片の一部を変異せしめたDNA断片を翻訳し
て得られた蛋白質。
DNAより分離された中性セルラーゼのアミノ酸配列をコ
ードするDNA断片の一部を変異せしめたDNA断片を翻訳し
て得られた蛋白質。
9.pH5〜7、20〜35℃で最大活性を示す微酸性微低温性
セルラーゼ。
セルラーゼ。
10.SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で測定したと
き約35,000±5,000ダルトンの分子量を持ち、pH5〜7、
20〜35℃で最大活性を示し、37℃で1時間保持したとき
80%以上の残存活性を有することを特徴とする微酸性微
低温性セルラーゼ。
き約35,000±5,000ダルトンの分子量を持ち、pH5〜7、
20〜35℃で最大活性を示し、37℃で1時間保持したとき
80%以上の残存活性を有することを特徴とする微酸性微
低温性セルラーゼ。
11.上記7記載の形質転換体を培養し得られた培養物か
ら微酸性微低温性セルラーゼを採取することを特徴とす
る微酸性微低温性セルラーゼの製造方法。
ら微酸性微低温性セルラーゼを採取することを特徴とす
る微酸性微低温性セルラーゼの製造方法。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明による微酸性微低温性セルラーゼは中温、中性
pHで好気的条件において大腸菌(FERM P-10624)で製造
されるため、経済的制約を受けることが少ない。本発明
者は、酵素蛋白のアミノ酸配列の一部を、例えばアミノ
末端あるいはカルボキシル末端から欠失させた新規な微
酸性微低温性セルラーゼのアミノ酸配列をコードしてい
るDNA断片を取得することに成功した。その結果、例え
ばランナウェイプラスミドのようなハイコピープラスミ
ドに組み込むことにより、工業的大量生産を行うことも
できるようになった。本発明で使用するルミノコッカス
・アルブスは、ルミノコッカス属に属する絶対嫌気性細
菌であって、 最適増殖温度 37℃ 増殖可能温度 25〜50℃ 最適増殖 pH 6.8 増殖可能 pH 5〜8 グラム染色 グラム陽性 グアニン+シトシン含量 42.6〜45.8% である。
pHで好気的条件において大腸菌(FERM P-10624)で製造
されるため、経済的制約を受けることが少ない。本発明
者は、酵素蛋白のアミノ酸配列の一部を、例えばアミノ
末端あるいはカルボキシル末端から欠失させた新規な微
酸性微低温性セルラーゼのアミノ酸配列をコードしてい
るDNA断片を取得することに成功した。その結果、例え
ばランナウェイプラスミドのようなハイコピープラスミ
ドに組み込むことにより、工業的大量生産を行うことも
できるようになった。本発明で使用するルミノコッカス
・アルブスは、ルミノコッカス属に属する絶対嫌気性細
菌であって、 最適増殖温度 37℃ 増殖可能温度 25〜50℃ 最適増殖 pH 6.8 増殖可能 pH 5〜8 グラム染色 グラム陽性 グアニン+シトシン含量 42.6〜45.8% である。
セルラーゼのアミノ酸配列をコードしているDNAの抽
出に用いる培地は特に限定されない。ルミノコッカス・
アルブスが生育できる培地なら何でも使用できる。例え
ば炭素源としてグルコースの代りにセロビオース、ボー
ルミルセルロース、ホテイアオイや稲ワラなどを含む培
地を用いることもできる。不溶性物質を含まないという
点でグルコースを用いると後の操作が容易である。
出に用いる培地は特に限定されない。ルミノコッカス・
アルブスが生育できる培地なら何でも使用できる。例え
ば炭素源としてグルコースの代りにセロビオース、ボー
ルミルセルロース、ホテイアオイや稲ワラなどを含む培
地を用いることもできる。不溶性物質を含まないという
点でグルコースを用いると後の操作が容易である。
組み換え体プラスミド構築と調製に際し、DNAの切断
法は特に限定されない。ホモジナイザーなどで物理的に
切断してもよい。しかし、あとでベクターに連結するた
めには、同一の制限酵素を用いるのが好ましい。アルカ
リホスファターゼ処理すると効率をあげることができ
る。リゲーション反応は、通常12℃〜16℃、20〜50分で
完了する。
法は特に限定されない。ホモジナイザーなどで物理的に
切断してもよい。しかし、あとでベクターに連結するた
めには、同一の制限酵素を用いるのが好ましい。アルカ
リホスファターゼ処理すると効率をあげることができ
る。リゲーション反応は、通常12℃〜16℃、20〜50分で
完了する。
コンピテントセルは大腸菌に限定されず、枯草菌、酵
母、植物細胞等が使用できる。コンピテントセルの調製
法は、塩化カルシウム処理する。さらに、プロトプラス
ト化法やDNAトランスフェクション(遺伝子導入)法な
ど従来知られている如何なる方法でも可能である。
母、植物細胞等が使用できる。コンピテントセルの調製
法は、塩化カルシウム処理する。さらに、プロトプラス
ト化法やDNAトランスフェクション(遺伝子導入)法な
ど従来知られている如何なる方法でも可能である。
セルラーゼを生産する組換菌の検出方法は特に限定さ
れない。例えば一般カルボキシメチルセルロース(以
下、CMCと記す)重層−コンゴーレッド法と呼ばれる方
法を用いることができる。培養時間は10〜14時間が好ま
しく、CMC重層後の保持時間も2時間に限定されない。
染色時間も5〜数10分間でよい。
れない。例えば一般カルボキシメチルセルロース(以
下、CMCと記す)重層−コンゴーレッド法と呼ばれる方
法を用いることができる。培養時間は10〜14時間が好ま
しく、CMC重層後の保持時間も2時間に限定されない。
染色時間も5〜数10分間でよい。
プラスミドpURA I-dlその他の欠失変異DNA断片のクロ
ーニングに用いるプラスミドベクターも特に限定されな
い。挿入サイトもセルラーゼの活性が発現できるような
サイトであればどのサイトでもよい。
ーニングに用いるプラスミドベクターも特に限定されな
い。挿入サイトもセルラーゼの活性が発現できるような
サイトであればどのサイトでもよい。
pURA I-dlを用いた新規な微酸性微低温セルラーゼの
製造において、培地の組成は特に限定されず、コンピテ
ントセルがpURA I-dlを保持して生育できる培地であれ
ばいかなる培地でも使用できる。培地のpHは6〜7が好
ましいがpH5.5〜8.0でも1/3の量の酵素を生産できる。
培養時間は10〜14時間が好ましいが増殖速度により適宜
変化する。
製造において、培地の組成は特に限定されず、コンピテ
ントセルがpURA I-dlを保持して生育できる培地であれ
ばいかなる培地でも使用できる。培地のpHは6〜7が好
ましいがpH5.5〜8.0でも1/3の量の酵素を生産できる。
培養時間は10〜14時間が好ましいが増殖速度により適宜
変化する。
精製法は特に限定されず、従来公知の方法を組合せて
行うことができる。例えば、オスモティックショック、
イオン交換クロマトグラフィーなどの方法の組合せによ
って精製できる。
行うことができる。例えば、オスモティックショック、
イオン交換クロマトグラフィーなどの方法の組合せによ
って精製できる。
本発明で得られる新規の微酸性微低温性セルラーゼの
理化学的性質は次のとおりである。
理化学的性質は次のとおりである。
1.作用:CMC等のセルロースを分解し粘度低下をきたす。
これと同時に還元糖も少量であるが有意な量を生成す
る。
これと同時に還元糖も少量であるが有意な量を生成す
る。
2.基質特異性:CMC等のセルロースに対し特異的に作用す
る。
る。
3.至適pH:pH5.5〜6.0付近でCMCに対する作用が至適であ
る。
る。
4.安定pH範囲:37℃で10分間処理した場合、pH5〜7にお
いてCMC分解活性は80%以上の残存活性を示す。
いてCMC分解活性は80%以上の残存活性を示す。
5.至適温度:pH6.8においてCMCを基質とした場合、20〜3
0℃付近である。
0℃付近である。
6.熱安定性:pH6.8において40℃、1時間処理した場合、
CMCに対し80%以上の残存活性を示す。
CMCに対し80%以上の残存活性を示す。
7.分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で測定
したとき、35,000±5,000ダルトンの分子量を有する。
したとき、35,000±5,000ダルトンの分子量を有する。
本発明で得られる短縮化セルラーゼは簡便で大量に製
造できるうえに短縮化していないセルラーゼに比べ低い
pHおよび低い温度で最適活性が発現できるように構築さ
れているうえ、セルロース合成反応も司る。従ってこの
発明は、セルロースを分解利用する工業や林木育種など
のセルロース合成を目的とする産業分野に広く利用で
き、それによってもたらされる経済効果は極めて大き
い。
造できるうえに短縮化していないセルラーゼに比べ低い
pHおよび低い温度で最適活性が発現できるように構築さ
れているうえ、セルロース合成反応も司る。従ってこの
発明は、セルロースを分解利用する工業や林木育種など
のセルロース合成を目的とする産業分野に広く利用で
き、それによってもたらされる経済効果は極めて大き
い。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
(1)セルラーゼの検定 本実施例におけるセルラーゼの酵素活性はCMCを基質
としたとき、粘度低下による活性を測定することにより
行った。
としたとき、粘度低下による活性を測定することにより
行った。
即ち、1.0%CMC(第一工業製薬社製)溶液5mlと酵素
溶液1mlを混合しコーンプレート型回転粘度計(東京計
器社製E型粘度計)中にて37℃で5分間保持したときの
粘度をV1とする。なお、ブランクは酵素溶液1mlの代わ
りに水1mlを用いたときの粘度V0を用いる。
溶液1mlを混合しコーンプレート型回転粘度計(東京計
器社製E型粘度計)中にて37℃で5分間保持したときの
粘度をV1とする。なお、ブランクは酵素溶液1mlの代わ
りに水1mlを用いたときの粘度V0を用いる。
1単位=(1/V1−1/V0)×1/5 生成還元糖の定量にはソモギーネルソン法を用いた。
(2)セルラーゼの遺伝情報をコードしているDNAの調
製 ルミノコッカス・アルブス(Rminococcus albus ATCC
27210)よりDNAを調製する際には、主炭素源としてグ
ルコースを用いる下に示した公知の嫌気性合成培地を用
いた。
製 ルミノコッカス・アルブス(Rminococcus albus ATCC
27210)よりDNAを調製する際には、主炭素源としてグ
ルコースを用いる下に示した公知の嫌気性合成培地を用
いた。
上記培地組成のうち、Na2CO3とシステイン溶液を除く
全成分を添加した後、pHを7.0に調整して、Na2CO3とシ
ステイン溶液とを添加した。そして、CO2ガスを30分間
通気した後、110℃で10分間オートクレーブして用い
た。
全成分を添加した後、pHを7.0に調整して、Na2CO3とシ
ステイン溶液とを添加した。そして、CO2ガスを30分間
通気した後、110℃で10分間オートクレーブして用い
た。
得られた菌体をSaline-EDTA(0.5M NaCl,0.1MEDTA, p
H8.0)で洗浄後、0.5mlのSaline-EDTAに懸濁し、1mgの
リゾチームを加え攪拌後、37℃で10分間静置した。その
後、10mlのトリス‐SDS緩衝液(0.1M NaCl,pH9.0)を加
えて60℃で5分間保持し溶菌させた。これにトリス−SD
S−フェノール(再蒸留フェノールをトリス−SDS−緩衝
液で飽和させたもの)を10.5ml加え、0℃で20分間静置
したのち1,500×gで10分間遠心分離したのち溶菌液を
得た。この溶菌液に21mlの冷エタノールを加えたのち糸
状DNAを滅菌したガラス棒で巻き取り滅菌水に溶かし
た。このDNA500μg/mlに対し、100℃で15分間熱しデオ
キシリボヌクレアーゼ(DNase)を失活させたリボヌク
レアーゼ(RNase)Aを最終濃度50μg/mlとなるよう加
え、37℃で30分間保持し、共存するRNAを分解した。リ
ボヌクレーアゼAの反応を止めるためトリス−SDS−フ
ェノール処理したのち、沈澱を真空乾燥後、適当量の滅
菌水に溶かし純粋なDNAを得る。
H8.0)で洗浄後、0.5mlのSaline-EDTAに懸濁し、1mgの
リゾチームを加え攪拌後、37℃で10分間静置した。その
後、10mlのトリス‐SDS緩衝液(0.1M NaCl,pH9.0)を加
えて60℃で5分間保持し溶菌させた。これにトリス−SD
S−フェノール(再蒸留フェノールをトリス−SDS−緩衝
液で飽和させたもの)を10.5ml加え、0℃で20分間静置
したのち1,500×gで10分間遠心分離したのち溶菌液を
得た。この溶菌液に21mlの冷エタノールを加えたのち糸
状DNAを滅菌したガラス棒で巻き取り滅菌水に溶かし
た。このDNA500μg/mlに対し、100℃で15分間熱しデオ
キシリボヌクレアーゼ(DNase)を失活させたリボヌク
レアーゼ(RNase)Aを最終濃度50μg/mlとなるよう加
え、37℃で30分間保持し、共存するRNAを分解した。リ
ボヌクレーアゼAの反応を止めるためトリス−SDS−フ
ェノール処理したのち、沈澱を真空乾燥後、適当量の滅
菌水に溶かし純粋なDNAを得る。
第1図にこのDNAの塩基配列を示す。
図中、−35と−10の下線部分はRNAポリメラーゼの結
合部位と認識部位とをそれぞれ表わし、SDはリボゾーム
結合部位を、↓は転写開始部位を、▲はシグナル配列の
開裂部位を、水平方向の→←は回文配列をそれぞれ表わ
す。また停止コドンは3つのアステリックを用いて示し
てある。
合部位と認識部位とをそれぞれ表わし、SDはリボゾーム
結合部位を、↓は転写開始部位を、▲はシグナル配列の
開裂部位を、水平方向の→←は回文配列をそれぞれ表わ
す。また停止コドンは3つのアステリックを用いて示し
てある。
(3)組み換えプラスミドの調製 上記(2)で得られたDNAをHin dIIIで37℃、1時間
完全分解を行った。DNAのHin dIII完全分解物は0.8%ア
ガロースゲル電気泳動にて泳動後4〜10kbpの断片を切
出し、透析チューブ内にて溶出後フェノール処理、エタ
ノール沈澱を行った。別にプラスミドpBR322もHin dIII
で完全分解を行った。これをアルカリフォスファターゼ
で処理したのち、同様にフェノール処理、エーテル処
理、エタノール沈澱を行った。リゲーションはT4リガー
ゼを用い16℃の温度で1時間行った。リゲーションが完
全に行われたことはアガロースゲル電気泳動によって確
認した。目的のセルラーゼをコードしているDNA断片を
もつプラスミドpURA Iよりその断片を切出し、pUC19に
組み込みpURA Iを構築し、コピー数を格段に高めた。
完全分解を行った。DNAのHin dIII完全分解物は0.8%ア
ガロースゲル電気泳動にて泳動後4〜10kbpの断片を切
出し、透析チューブ内にて溶出後フェノール処理、エタ
ノール沈澱を行った。別にプラスミドpBR322もHin dIII
で完全分解を行った。これをアルカリフォスファターゼ
で処理したのち、同様にフェノール処理、エーテル処
理、エタノール沈澱を行った。リゲーションはT4リガー
ゼを用い16℃の温度で1時間行った。リゲーションが完
全に行われたことはアガロースゲル電気泳動によって確
認した。目的のセルラーゼをコードしているDNA断片を
もつプラスミドpURA Iよりその断片を切出し、pUC19に
組み込みpURA Iを構築し、コピー数を格段に高めた。
(4)欠失変異DNA遺伝子の調製 アミノ末端を欠失したセルラーゼの遺伝情報をもつDN
A断片を構築するためにディレーション法を用いた。す
なわち、pURA Iを制限酵素AccIで完全分解したセルラー
ゼ遺伝子を含む1.8kbpの断片を調製した。これにSIヌク
レアーゼ処理し、末端を平滑化し、pUC 119のSma Iサイ
トに再クローニングした。これをKpn IとHinc IIIで切
断しセルラーゼ遺伝子を含む1.6kbp断片を調製した。こ
れをPvu IIで部分分解し、pUC 119のSma Iサイトにリゲ
ーションした。形質転換してできたコロニーのうち活性
を有するものは423bpのPvu II-1656bpのHinc IIの1.2kb
p断片がフレームの合った形でlacプロモーターにつなが
ったものであった。これをpURA-Pvとする。
A断片を構築するためにディレーション法を用いた。す
なわち、pURA Iを制限酵素AccIで完全分解したセルラー
ゼ遺伝子を含む1.8kbpの断片を調製した。これにSIヌク
レアーゼ処理し、末端を平滑化し、pUC 119のSma Iサイ
トに再クローニングした。これをKpn IとHinc IIIで切
断しセルラーゼ遺伝子を含む1.6kbp断片を調製した。こ
れをPvu IIで部分分解し、pUC 119のSma Iサイトにリゲ
ーションした。形質転換してできたコロニーのうち活性
を有するものは423bpのPvu II-1656bpのHinc IIの1.2kb
p断片がフレームの合った形でlacプロモーターにつなが
ったものであった。これをpURA-Pvとする。
セルラーゼのアミノ末端を削除するために、pURA-Pv
を、挿入断片中に制限酵素サイトのないマルチクローニ
ングサイト中のSph IとSal Iで切断し、プロモーター側
に3′突出末端(Sph Iサイト)、構造遺伝子側に5′
突出末端(Sal Iサイト)が形成される。この5′突出
末端をエキソヌクレアーゼIIIで分解したのち、mung be
an nucleaseで一本鎖部分を削除し、クレノー酵素で末
端を完全に平滑にした後、T4リガーゼによりリゲーショ
ンし、これを用いて大腸菌JM 103を形質転換した。な
お、形質転換の前にSal Iを作用し、短縮化未反応の環
状プラスミドを切断することにより形質転換効率を上げ
た。その結果、CMC分解活性を有するもの約100株を得、
そのうち5株が短縮化されたDNA断片をもっていた。DNA
シークエンスの結果、DNA断片のディレーションの程度
により、アミノ末端より15〜60アミノ酸を欠失している
セルラーゼの遺伝情報をもつDNA断片が読み枠の合致し
た状態でlacのプロモーターに連結していた。またカル
ボキシル末端よりアミノ酸を欠失したセルラーゼをコー
ドするDNA断片を調製するためには両端にストップコド
ンをもつΩフラグメントをBam HIサイト及びEcoRIサイ
トに挿入したDNA断片を構築し、カルボキシル末端より
4〜75アミノ酸を欠失したセルラーゼを調製した。ディ
レーションの程度に制限はない。
を、挿入断片中に制限酵素サイトのないマルチクローニ
ングサイト中のSph IとSal Iで切断し、プロモーター側
に3′突出末端(Sph Iサイト)、構造遺伝子側に5′
突出末端(Sal Iサイト)が形成される。この5′突出
末端をエキソヌクレアーゼIIIで分解したのち、mung be
an nucleaseで一本鎖部分を削除し、クレノー酵素で末
端を完全に平滑にした後、T4リガーゼによりリゲーショ
ンし、これを用いて大腸菌JM 103を形質転換した。な
お、形質転換の前にSal Iを作用し、短縮化未反応の環
状プラスミドを切断することにより形質転換効率を上げ
た。その結果、CMC分解活性を有するもの約100株を得、
そのうち5株が短縮化されたDNA断片をもっていた。DNA
シークエンスの結果、DNA断片のディレーションの程度
により、アミノ末端より15〜60アミノ酸を欠失している
セルラーゼの遺伝情報をもつDNA断片が読み枠の合致し
た状態でlacのプロモーターに連結していた。またカル
ボキシル末端よりアミノ酸を欠失したセルラーゼをコー
ドするDNA断片を調製するためには両端にストップコド
ンをもつΩフラグメントをBam HIサイト及びEcoRIサイ
トに挿入したDNA断片を構築し、カルボキシル末端より
4〜75アミノ酸を欠失したセルラーゼを調製した。ディ
レーションの程度に制限はない。
第2図に、各種短縮化されたセルラーゼの構造及びそ
の酵素活性を示す。図中、CMCIはシグナル配列を含む短
縮化されていないセルラーゼを表わし、CMCI-N+16、CM
CI-N+25、CMCI-N+60はセルラーゼの成熟蛋白のN末端
より、それぞれ15、24、59個のアミノ酸を欠失した短縮
化セルラーゼを表わす。また、CMCI-C+05、CMCI-C+76
はセルラーゼのC末端よりそれぞれ4、75個のアミノ酸
を欠失した短縮化セルラーゼを表わす。
の酵素活性を示す。図中、CMCIはシグナル配列を含む短
縮化されていないセルラーゼを表わし、CMCI-N+16、CM
CI-N+25、CMCI-N+60はセルラーゼの成熟蛋白のN末端
より、それぞれ15、24、59個のアミノ酸を欠失した短縮
化セルラーゼを表わす。また、CMCI-C+05、CMCI-C+76
はセルラーゼのC末端よりそれぞれ4、75個のアミノ酸
を欠失した短縮化セルラーゼを表わす。
(5)コンピテントセルの調製と形質転換 コンピテントセルとして用いた大腸菌HB 101株はLB
(Luria-Bertani)培地、pH7.5で一晩培養した。これよ
り1mlをとり新たな100mlのLB培地に植菌した。培養液
の濁度が0D660=0.4になったところで集菌し、カルシウ
ム処理を行った。組み換えプラスミド10mgをコンピテン
トセルに加え、氷水中で30分間保持した。その後42℃で
1分間保持し、さらに氷水中で2分間保持した。これに
LB培地1mlを加え37℃で1時間振盪培養した。
(Luria-Bertani)培地、pH7.5で一晩培養した。これよ
り1mlをとり新たな100mlのLB培地に植菌した。培養液
の濁度が0D660=0.4になったところで集菌し、カルシウ
ム処理を行った。組み換えプラスミド10mgをコンピテン
トセルに加え、氷水中で30分間保持した。その後42℃で
1分間保持し、さらに氷水中で2分間保持した。これに
LB培地1mlを加え37℃で1時間振盪培養した。
(6)セルラーゼを生産する組み換え菌の検出方法 (4)で調製した形質転換株を選択圧として、100μg
/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地にまいて37℃で12
時間培養した。この寒天培地に1% CMCを含む1%寒天
を重層し、37℃で2時間保持した。この寒天培地を1%
コンゴーレッドで5分間染色後1M NaClで洗浄し、この
時ハローを形成する菌を選択した。その結果約100個の
ハローを形成する組み換え菌を得た。この組み換え菌に
は、アミノ末端のアミノ酸15個を欠失したセルラーゼ
(CMCI-N+16)を生成する遺伝情報が組み込まれている
DNA断片を含むプラスミドを持っていた。このプラスミ
ドをpURA I-dlと名付けた。
/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地にまいて37℃で12
時間培養した。この寒天培地に1% CMCを含む1%寒天
を重層し、37℃で2時間保持した。この寒天培地を1%
コンゴーレッドで5分間染色後1M NaClで洗浄し、この
時ハローを形成する菌を選択した。その結果約100個の
ハローを形成する組み換え菌を得た。この組み換え菌に
は、アミノ末端のアミノ酸15個を欠失したセルラーゼ
(CMCI-N+16)を生成する遺伝情報が組み込まれている
DNA断片を含むプラスミドを持っていた。このプラスミ
ドをpURA I-dlと名付けた。
(7)pURA I-dlを用いる新規なセルラーゼの製造方法 プラスミドpURA I-dlを用い大腸菌JM 103を形質転換
した。この形質転換菌は工業技術院微生物工業技術研究
所にE.coli(JM 103/pURA 1−1)(FERM P-10624)と
して寄託している。この形質転換菌(FERM P-10624)を
下記の培地でpHスタット法によりpH6.5に制御して培養
した。
した。この形質転換菌は工業技術院微生物工業技術研究
所にE.coli(JM 103/pURA 1−1)(FERM P-10624)と
して寄託している。この形質転換菌(FERM P-10624)を
下記の培地でpHスタット法によりpH6.5に制御して培養
した。
製造は1.5lの培地を用い、2lの発酵槽で37℃、通気量
1vvm(Volume of air per volume of medium per minut
e)、攪拌速度750rpmの条件下で7時間行った。培養液
を冷却遠心機で10,000×g、10分間遠心分離後、得られ
た菌体を浸透圧ショク法で酵素を抽出し粗酵素液とし
た。この時得られたセルラーゼの収量は110単位であっ
た。
1vvm(Volume of air per volume of medium per minut
e)、攪拌速度750rpmの条件下で7時間行った。培養液
を冷却遠心機で10,000×g、10分間遠心分離後、得られ
た菌体を浸透圧ショク法で酵素を抽出し粗酵素液とし
た。この時得られたセルラーゼの収量は110単位であっ
た。
(8)組み換え菌の生産する新規なセルラーゼの精製の
方法 (7)で得られたセルラーゼを次の方法で精製した。
浸透圧ショック法で抽出した粗酵素液をファルマシア社
製のFPLCを用いDEAE-Bio Gel A(バイオラッド社製)の
陰イオン交換クロマトグラフィーを行った。10mMリン酸
ナトリウム緩衝液pH6.8で塩化ナトリウムの濃度勾配を
かけ溶出した。セルラーゼ活性を有する画分を集め分子
量1,000ダルトンカットのYM2膜を取り付けた濃縮器(ア
ミコン社製)を用いて約1〜2mlになるまで濃縮した。
これをSephacryl S-200HR(ファルマシアファインケミ
カルズ社製)を用いて、ゲル濾過クロマトグラフィーを
行い、0.5M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム
緩衝液pH6.8で溶出した。セルラーゼ活性を有する画分
を集め10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.8で10倍以上に
希釈したのち、Mono Qカラム(ファルマシア社製)を用
いて陰イオン交換クロマトグラフィーを行った。10mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液pH6.8で塩化ナトリウムの濃度勾
配をかけ溶出した。回収されたセルラーゼはSDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で単一蛋白にまで精製されて
いた。
方法 (7)で得られたセルラーゼを次の方法で精製した。
浸透圧ショック法で抽出した粗酵素液をファルマシア社
製のFPLCを用いDEAE-Bio Gel A(バイオラッド社製)の
陰イオン交換クロマトグラフィーを行った。10mMリン酸
ナトリウム緩衝液pH6.8で塩化ナトリウムの濃度勾配を
かけ溶出した。セルラーゼ活性を有する画分を集め分子
量1,000ダルトンカットのYM2膜を取り付けた濃縮器(ア
ミコン社製)を用いて約1〜2mlになるまで濃縮した。
これをSephacryl S-200HR(ファルマシアファインケミ
カルズ社製)を用いて、ゲル濾過クロマトグラフィーを
行い、0.5M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム
緩衝液pH6.8で溶出した。セルラーゼ活性を有する画分
を集め10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.8で10倍以上に
希釈したのち、Mono Qカラム(ファルマシア社製)を用
いて陰イオン交換クロマトグラフィーを行った。10mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液pH6.8で塩化ナトリウムの濃度勾
配をかけ溶出した。回収されたセルラーゼはSDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で単一蛋白にまで精製されて
いた。
第1表に形質転換菌E.coli(JM 103/pURA I-dl)の生
成した短縮化セルラーゼ(CMCl-N+25)の各精製過程に
おける精製度および収率を示す。
成した短縮化セルラーゼ(CMCl-N+25)の各精製過程に
おける精製度および収率を示す。
(9)精製セルラーゼによるセロオリゴマーの分解 精製セルラーゼを使用してリン酸ナトリウム緩衝液中
pH6でセロオリゴマーを加水分解し、該分解物を高速液
体クロマトグラフィー(カラム:UltronNH2、溶媒系:C
H3CN/H2O=55/45、圧力:40kg/cm2、流速:0.7ml/min)
にかけて分析した。この分析パターンを第5図に示す。
図中(A)は20分加水分解した場合の、(B)は1夜加
水分解した場合の分析パターンである。
pH6でセロオリゴマーを加水分解し、該分解物を高速液
体クロマトグラフィー(カラム:UltronNH2、溶媒系:C
H3CN/H2O=55/45、圧力:40kg/cm2、流速:0.7ml/min)
にかけて分析した。この分析パターンを第5図に示す。
図中(A)は20分加水分解した場合の、(B)は1夜加
水分解した場合の分析パターンである。
これによると、本酵素はセロビオース(G2)をほとん
ど分解しないが、セロトリオース(G3)、セロテトラオ
ース(G4)、セロペンタオース(G5)およびセロヘキサ
オース(G6)を良く分解し、生成物としてグルコース
(G1)、G2およびG3が1対2対0.5モルの割合で生成す
る。G4の分解の過程でG5が生成されることが明らかとな
ったので本精製セルラーゼには、G1とG4を基質としてG5
を形成する合成反応が認められた。
ど分解しないが、セロトリオース(G3)、セロテトラオ
ース(G4)、セロペンタオース(G5)およびセロヘキサ
オース(G6)を良く分解し、生成物としてグルコース
(G1)、G2およびG3が1対2対0.5モルの割合で生成す
る。G4の分解の過程でG5が生成されることが明らかとな
ったので本精製セルラーゼには、G1とG4を基質としてG5
を形成する合成反応が認められた。
(10)精製セルラーゼのpH及び温度特性 (pH特性) 第3図は、本発明における形質転換菌JM 103/pURA I-
dl由来の短縮化セルラーゼ及び形質転換菌JM 103/pURA
I由来のセルラーゼの酵素活性に対するpHの影響を示す
ものである。
dl由来の短縮化セルラーゼ及び形質転換菌JM 103/pURA
I由来のセルラーゼの酵素活性に対するpHの影響を示す
ものである。
本発明の短縮化セルラーゼは形質転換菌JM 103/pURA
I由来のセルラーゼに比較し、明らかに低いpH値で最大
活性を有する。
I由来のセルラーゼに比較し、明らかに低いpH値で最大
活性を有する。
(温度特性) 第4図は、本発明における上記JM 103/pURA I由来の
短縮化セルラーゼと上記JM 103/pURA I由来セルラーゼ
の温度に対する酵素活性と安定性の関係を示すものであ
る。
短縮化セルラーゼと上記JM 103/pURA I由来セルラーゼ
の温度に対する酵素活性と安定性の関係を示すものであ
る。
本発明の短縮化セルラーゼは、上記JM 103/pURA I由
来のセルラーゼに比較し、高い温度での安定性は低いが
酵素活性の至適温度は低く、かつその範囲も広いという
性質を有している。
来のセルラーゼに比較し、高い温度での安定性は低いが
酵素活性の至適温度は低く、かつその範囲も広いという
性質を有している。
【図面の簡単な説明】 第1図は、セルラーゼの遺伝情報をコードするDNA断片
の構造を示す。第2図はアミノ末端あるいはカルボキシ
ル末端を欠失した各種短縮化セルラーゼを示す。第3図
は精製されたアミノ末端を15個欠失した短縮化セルラー
ゼにおける、酵素活性についてのpH特性を表わすグラフ
を示す。第4図はこの精製セルラーゼにおける酵素活性
等についての温度特性を表わすグラフを示す。第5図は
精製セルラーゼによる基質セロオリゴマーの分解特性を
示す高速液体クロマトグラフィーの分析パターンを示
す。
の構造を示す。第2図はアミノ末端あるいはカルボキシ
ル末端を欠失した各種短縮化セルラーゼを示す。第3図
は精製されたアミノ末端を15個欠失した短縮化セルラー
ゼにおける、酵素活性についてのpH特性を表わすグラフ
を示す。第4図はこの精製セルラーゼにおける酵素活性
等についての温度特性を表わすグラフを示す。第5図は
精製セルラーゼによる基質セロオリゴマーの分解特性を
示す高速液体クロマトグラフィーの分析パターンを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (56)参考文献 特開 昭62−208283(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/56,9/42,1/21 C12P 21/02 C07K 14/195 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS SwissProt/PIR/GeneS eq
Claims (6)
- 【請求項1】ルミノコツカス・アルブス(Ruminococcus
albus)のDNAより分離された、中性セルラーゼをコー
ドする第1図のDNA断片の一部を変異せしめたDNA断片で
あって、該変異せしめたDNAが、該中性セルラーゼの成
熟蛋白質のアミノ末端から15個のアミノ酸を欠失させた
微酸性微低温性セルラーゼをコードするものである、前
記DNA断片。 - 【請求項2】請求項1記載のDNA断片を含むプラスミドD
NA。 - 【請求項3】請求項2記載のプラスミドDNAにより形質
転換された形質転換体。 - 【請求項4】請求項1記載のDNA断片を翻訳して得られ
た微酸性微低温性セルラーゼ。 - 【請求項5】以下の性質を有する微酸性微低温性セルラ
ーゼ。 (a)由来:ルミノコツカス・アルブス(Ruminococcus
albus) (b)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で
測定したとき35,000±5,000ダルトン (c)至適pH:5.5〜6.0 (d)安定pH:37℃で1時間保持したとき80%以上の残
存活性を有する (e)至適温度:pH6.8においてカルボキシメチルセルロ
ースを基質とした場合、20〜30℃ - 【請求項6】請求項3記載の形質転換体を培養して得ら
れた培養物から微酸性微低温性セルラーゼを採取するこ
とを特徴とする微酸性微低温性セルラーゼの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1086714A JP2928265B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | Dna断片、微酸性微低温性セルラーゼ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1086714A JP2928265B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | Dna断片、微酸性微低温性セルラーゼ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02265486A JPH02265486A (ja) | 1990-10-30 |
JP2928265B2 true JP2928265B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=13894566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1086714A Expired - Fee Related JP2928265B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | Dna断片、微酸性微低温性セルラーゼ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2928265B2 (ja) |
-
1989
- 1989-04-07 JP JP1086714A patent/JP2928265B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02265486A (ja) | 1990-10-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7297924B2 (ja) | ゲンチオオリゴ糖の製造における耐熱性β-グルコシダーゼの使用 | |
CN112063666B (zh) | 一种重组蔗糖异构酶在转化蔗糖制备异麦芽酮糖中的应用 | |
CN110396505A (zh) | 酮基泛解酸内酯还原酶及其应用 | |
WO2015007033A1 (zh) | 一种热稳定性改良的木聚糖酶XynAS9-m突变体及其基因和应用 | |
JPH07508169A (ja) | D−n−カルバモイル−アミノ酸アミドヒドロラーゼおよびヒダントイナーゼ | |
US5418156A (en) | Agarase enzyme system from alteromonas strain 2-40 | |
US5712142A (en) | Method for increasing thermostability in cellulase ennzymes | |
CN113234699A (zh) | α-1,2-岩藻糖基转移酶及其应用 | |
JP3380133B2 (ja) | 新規なニトリルヒドラターゼ | |
CN113106112B (zh) | 一种异源表达黄原胶内切酶的基因工程菌及应用 | |
CN104877979B (zh) | 一种元基因组来源的β‑甘露聚糖酶、其编码基因及其表达 | |
JP2928265B2 (ja) | Dna断片、微酸性微低温性セルラーゼ及びその製造方法 | |
CN115838710A (zh) | 一种可降解果聚糖的外切左聚糖酶及其应用 | |
JPH0671428B2 (ja) | ウリカーゼのdna配列および製法 | |
JP2857886B2 (ja) | バチルス・エス・ピー、l―乳酸脱水素酵素遺伝子を含有するdna断片およびそれを含有する組み換え体プラスミド並びにl―乳酸脱水素酵素遺伝子およびそれを含有する組み換え体プラスミド。 | |
CN114277044B (zh) | 一种分泌结冷胶裂解酶特异性降解结冷胶的基因工程菌及应用 | |
CN110229795A (zh) | 具有增强纤维素分解活性的多肽及其编码基因与应用 | |
CN116042554B (zh) | 具有高酶活性与高热稳定性的葡聚糖单加氧酶及其制备方法与应用 | |
CN111484988A (zh) | 一种具有木聚糖酶和阿魏酸酯酶活性的双功能酶及其编码基因和应用 | |
JP2003111590A (ja) | 改変デキストランスクラーゼ、その遺伝子組み換え体、グルカンの製造法 | |
JP3580926B2 (ja) | 新規遺伝子、および該遺伝子を保有する形質転換体細胞 | |
JP2671008B2 (ja) | シクロマルトデキストリングルセノトランスフェラーゼをコードするdna,それを含む組換えプラスミド及びそのプラスミドを含む形質転換微生物 | |
CN118620869A (zh) | 重组核酸切刻酶及其制备方法 | |
JPH0353883A (ja) | 耐熱性β‐1,3‐グルカナーゼ遺伝子DNA、該DNAを含む組換え体プラスミド及び形質転換体と耐熱性β‐1,3‐グルカナーゼ及びその製法 | |
JPS62269692A (ja) | セルラ−ゼ遺伝子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |