JP2014168417A - β−キシロシダーゼ、及びβ−キシロシダーゼをコードする遺伝子 - Google Patents

β−キシロシダーゼ、及びβ−キシロシダーゼをコードする遺伝子 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、新規なβ-キシロシダーゼ及びそれをコードする遺伝子を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明により、配列番号1で表されるβ-キシロシダーゼ及びその改変酵素、並びにこれら酵素をコードする遺伝子を提供できた。当該遺伝子による形質転換体又はその培養物から効率的に優れたβ-キシロシダーゼを製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なβ-キシロシダーゼ、およびβ-キシロシダーゼをコードする遺伝子に関する。
自然界に存在する木質系バイオマスのうち、20〜40%がヘミセルロースである。ヘミセルロースは、植物細胞壁中にセルロースに次いで多く含まれる多糖の総称であり、その主要成分はキシランである。キシランは5単糖キシロースを構成単位としてβ-1,4-キシロピラノシド結合を主体に構成されている多糖類である。キシランをキシロースまで加水分解する為には、キシラン内部のβ-キシロピラノシド結合を加水分解してキシロビオース、キシロトリオースなどのキシロオリゴ糖を生成するエンド-β-キシラナーゼと共に、キシロオリゴ糖に作用してキシロースにまで分解するβ-キシロシダーゼ(β-D-xylosidase)の相乗効果が必要になる。
β-キシロシダーゼは、このようにキシラーゼなど他の酵素と組み合わせてセルロース系バイオマス原料からのキシロース生産に用いるほか、植物中にβ-キシロシドの配糖体として存在するテルペン類など有用物質を遊離させるために単独でも用いられている(特許文献1)。
従来からセルロース系バイオマス原料からのキシロース生産のためのβ-キシロシダーゼ高生産株の育種が進められており、Trichoderma reesei(非特許文献1)、T.viride(非特許文献2)やAspergillus属、Penicillium属等に属する微生物がβ-キシロシダーゼ生産菌として用いられてきた。しかし、酵素の生産性が低く、生産されたβ-キシロシダーゼ自体のキシロイド分解力も十分でないために、キシランを完全にキシロースにまで分解することができず、中間産物であるキシロビオース、キシロトリオースなどのキシロオリゴ糖を多量に生成残存するといった問題があった。また酵素の生産性を高めた変異株については、安定性が低いことなどから実用菌株を育種することには成功していない。
近年、Aspergillus japonicus(非特許文献3)やAureobasidium pullulans(非特許文献4)、Paecilomyces thermophile(非特許文献5)、Tricoderma reesei(非特許文献6)、Tricoderma viride(非特許文献7) に由来するβ-キシロシダーゼ遺伝子が相次いでクローニングされ、大腸菌又は酵母の発現系を利用してβ-キシロシダーゼの高効率生産や培地中へ分泌させての連続生産も試みられている。さらに宿主として酵母Pichia pastorisを用いることで糖鎖付加による酵素活性の向上を実現することができた(非特許文献8)。
しかしながら、セルロース系バイオマスを原料としたキシロース生産を産業的に実現する為には、酵素の価格をより低く抑えることが必須であるため、キシロースまでの完全分解が確実かつ高効率で行える、より高性能のβ-キシロシダーゼの提供が切望されていた。したがって、より比活性の高い酵素を探索し、当該酵素遺伝子のクローニング及びそれを用いた組換え微生物による効率的なβ-キシロシダーゼの生産が望まれていた。
特開2001−120265号公報
Tangnu SK,et al.,Biotechnol.Bioeng.,23,1837-1849(1981). UjiieM.et al., Appl.Environ.Microbiol. 57, 1860-1862(1991). Wakiyama,M.et al., J. Biosci. Bioeng.,106,398-404(2008). Christov, L.P. et al., Biotechnol. Prog.,15, 196-200(1999). Teng, C. Bioresour.Technol.,102,1822-1830(2011). Torronen, A. et al., Biotechnology.,10,1461-1465(1992). Shao, W., et al., Journal of Bacteriology, 174, 5848-5853(1992). Berrin J.G., et al., Protein Expr Purif., 19, 179-87(2000).
本発明は、新規な高性能のβ-キシロシダーゼ、及び当該酵素をコードする遺伝子と当該酵素を発現する形質転換体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、広く土壌中の微生物が産生する酵素から探索することを思いつき、堆肥を微生物の接種源とし、稲わらを炭素源とした集積培養物の環境メタトランスクリプトーム解析を実施したところ、優れたキシロイド分解活性能を示すβ-キシロシダーゼをコードする遺伝子(xylRS1遺伝子)のスクリーニングに成功した。当該遺伝子がコードするβ-キシロシダーゼ酵素(配列番号1)を生産する異種発現系を構築し、キシラーゼと共にセルロース系バイオマスに対して適用したところ、従来のβ-キシロシダーゼと比較し極めて高いキシロース生産性を有することを確認した。以上の知見を得たことで、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕 下記の(a)〜(c)に示されるいずれかのアミノ酸配列を含み、かつβ-キシロシダーゼ活性を有するタンパク質;
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列、
(c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%のホモロジーを有するアミノ酸配列。
〔2〕 前記〔1〕に記載のタンパク質をコードする核酸。
〔3〕 下記の(a)〜(c)に示されるいずれかの塩基配列を含み、かつβ-キシロシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸;
(a)配列番号2に示される塩基配列、
(b)配列番号2に示される塩基配列の相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列、
(c)配列番号2に示される塩基配列と少なくとも80%のホモロジーを有する塩基配列。
〔4〕 前記〔2〕又は〔3〕に記載の核酸を含むベクター。
〔5〕 前記〔4〕記載のベクターを含む形質転換体。
〔6〕 前記〔5〕に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からβ-キシロシダーゼを採取することを特徴とする、β-キシロシダーゼの製造方法。
〔7〕 キシラン又はキシラン分解物を含む試料に対し、前記〔1〕に記載のタンパク質を作用させる工程を含むことを特徴とする、キシロースの製造方法。
本発明により、新規なβ-キシロシダーゼをコードする遺伝子が提供される。当該遺伝子がコードする酵素は、従来の酵素に比べて比活性が高く、優れたキシロイド分解活性能を有している。当該β-キシロシダーゼ遺伝子による形質転換微生物を用いることで、β-キシロシダーゼを効率的に供給することが出来る。
精製したβ-キシロシダーゼの反応pH (図中、横軸はpHを表す。) 精製したβ-キシロシダーゼの反応温度 (図中、横軸は温度を表す。) 本発明のβ-キシロシダーゼのSDS-PAGE 糸状菌由来のβ-キシロシダーゼ酵素と本発明のβ-キシロシダーゼの分子系統解析 精製したβ-キシロシダーゼの各種基質に対する比活性と最適温度、最適pH
以下に本発明を詳細に説明する。
1.β-キシロシダーゼ遺伝子について
(1−1)β-キシロシダーゼ遺伝子の単離
本発明者は、新規なβ-キシロシダーゼ遺伝子を単離するため、森林の土壌に対してメタトランスクリプトーム解析を適用した。具体的には、まずセルロース系バイオマスを炭素源とした集積培養物から複合微生物のメッセンジャーRNAを抽出し、それらを鋳型にしてcDNAを合成したcDNAラブラリーを作製した上で、全cDNAの塩基配列を決定した。当該塩基配列データをBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)解析によりβ-キシロシダーゼ遺伝子の候補となる配列情報を検出し、遺伝子情報に基づいて遺伝子DNAを人工的に合成した。
当該遺伝子を発現させて、その発現タンパク質がp-Nitrophenyl-β-D-xylopyranoside(pNPX)の高い分解活性を有することを確認して、該遺伝子がβ-キシロシダーゼをコードする遺伝子であると同定し、該遺伝子についてxylRS1と命名した。
xylRS1遺伝子は、配列番号1に示されるアミノ酸をコードする遺伝子であり、配列番号2の塩基配列からなる。
(1−2)本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子について
本発明で単離されたβ-キシロシダーゼ遺伝子(xylRS1遺伝子)は、既知のβ-キシロシダーゼ遺伝子とは、BLAST中の最も近縁の遺伝子とすらアミノ酸配列レベルで71%、塩基配列レベルで64%のホモロジー(同一性)しか有しておらず、従来とは全く新しいβ-キシロシダーゼ遺伝子である。既知のβ-キシロシダーゼ遺伝子との進化系統樹を(図4)に示すが、由来となる土壌微生物も従来既知の糸状菌、細菌類とは全く異なる微生物であったことが窺われる。
そこで、本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子というとき、その典型的な遺伝子は上記xylRS1遺伝子であるが、その1部が欠損した配列であっても、また当該遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸に欠失、置換、付加等の変異が生じている場合であっても、当該タンパク質がβ-キシロシダーゼ活性を有している限り、本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子に含まれる。
すなわち、本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子がコードするβ-キシロシダーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列、又は配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる。ここで、「1若しくは数個」というとき、1〜50個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個を表す。(以下同様。)
また、β-キシロシダーゼの全長でなく部分配列であってもよく、配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%のホモロジー(同一性)を有するアミノ酸配列であればよい。
したがって、本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子は、上記のように表されるβ-キシロシダーゼをコードする核酸である、ということができる。
また、本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子は、典型的なxylRS1遺伝子の塩基配列である配列番号2を用いて、以下のように表現することもできる。
下記の(a)〜(c)に示されるいずれかの塩基配列を含み、かつβ-キシロシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸であると表現することもできる。
(a)配列番号2に示される塩基配列。
(b)配列番号2に示される塩基配列の相補的な配列を有する核酸とストリンジェントな
条件下でハイブリダイズする核酸の塩基配列。
ここで、ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、高い相同性(identity 80%以上、好ましくは90%以上)を有するDNAがハイブリダイズする条件をいう。このような「ストリンジェントな条件」は、例えば、2 x SSC、0.1%SDS及び50%ホルムアミドの溶液中で25℃にて加温した後、0.1 x SSC、0.1%SDSの溶液中で68℃にて洗浄する条件をいう。
但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度や塩濃度及び洗浄条件など複数の要素が考えられ、これら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
(c)配列番号2に示される塩基配列と少なくとも80%のホモロジーを有する塩基配列。
「配列番号2に示される塩基配列と80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%のホモロジー(同一性)を有する塩基配列。」と表現することもできる。
(1−3)β-キシロシダーゼ遺伝子の調製法
上記遺伝子は、本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子を単離したcDNAライブラリーもしくは別の土壌由来の遺伝子採取源から調製されたcDNAライブラリーなどの各種遺伝子集積物から、上記xylRS1遺伝子の塩基配列(配列番号2)に基づいて設計したプライマー、プローブを用いたPCR法、又はハイブリダイズ法を利用して取得することができる。
また、部位特異的突然変異誘発法等の周知の遺伝子変異導入技術によって本発明の遺伝子の変異型であって上記機能又は活性を有するものを合成することもできる。遺伝子への変異の導入法は限定されないが、市販の部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutan-K(TAKARA社製)やMutan-G(TAKARA社製))などを用いることができる。
2.β-キシロシダーゼ産生能を有する形質転換体
(2−1)β-キシロシダーゼ遺伝子発現ベクター
本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子発現ベクターは、適当な発現ベクターにβ-キシロシダーゼ遺伝子を連結することにより得られる。
本発明で使用するベクターとしては、プラスミド、コスミド、バクテリオファージなど宿主中で複製可能なものであれば特に限定されない。またそのベクターが機能するものであれば大腸菌、放線菌、酵母、糸状菌など宿主も限定されない。
ベクター中に導入する遺伝子の方向及び順序は、遺伝子が発現され、発現されたタンパク質が酵素として機能しうるのであれば、任意に配列及び選択してよい。
(2−2)本発明のβ-キシロシダーゼ遺伝子発現ベクターを含む形質転換体:
本発明においては、上記β-キシロシダーゼ遺伝子遺伝子発現ベクターを含む形質転換体として、人為的に上記作製したベクターを導入した微生物が包含されるが、これらに限定されない。
本発明の形質転換体は、上記組換えベクターを上記宿主に導入し、形質転換を行うことにより作製される。形質転換体を作製する場合、上記組換えベクターを宿主に導入することにより行われるが、これにはそれ自体公知のエレクトロポレーション法、プロトプラスト法、塩化カルシウム法(スフェロプラスト法)などの手法を用いることができる。また、形質転換体の作製に際しては、ベクターや宿主、高発現を誘導する誘導基質やプロモーター、オペレーター、エンハンサーなどの組み合わせを考慮して、これらを選択して用いることによって、β-キシロシダーゼ産生能を有する形質転換体を作製することができる。
本発明のβ-キシロシダーゼ(xylRS1)は、糖鎖を持たないため、生産性、取り扱い易さなどを考慮すると大腸菌宿主が好ましい。
本実施例では、宿主としてEscherichia coli Rosetta-gamiB(DE3)株、ベクターとして、開始コドンATG、及びその上流にRBS、さらに上流にT7プロモーターを含むpET-19bベクターを使用した例を示す。得られたβ-キシロシダーゼ遺伝子が導入された形質転換体は、良好なβ-キシロシダーゼの生産性を示している。
この例に限らず宿主やベクター、発現制御系などをうまく機能する様に組み合わせて用いることによって、β-キシロシダーゼ遺伝子を高発現する微生物の作製が可能となる。
3.β-キシロシダーゼについて
(3−1)本発明のβ-キシロシダーゼ
本発明のβ-キシロシダーゼは、典型的には、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる酵素タンパク質であるが、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、β-キシロシダーゼ活性を有するタンパク質も含まれる。また、β-キシロシダーゼの全長でなく部分配列であってもβ-キシロシダーゼ活性が損なわれなければよく、配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%のホモロジー(同一性)を有するアミノ酸配列であればよい。
(3−2)本発明のβ-キシロシダーゼの理化学的性質
本発明の新規β-キシロシダーゼの理化学的性質は次の通りである。
(i)作用及び基質特異性
P-ニトロフェニル-β-D-キシロピラノシド(pNPX)を基質として作用させた場合に、p-ニトロフェノール(p-Nitrophenyl)を遊離する。
また、P-ニトロフェニル-β-D-アラビノフラノシド(pNPAF)を基質として作用させた場合にも、若干ではあるがp-ニトロフェノール(p-Nitrophenyl)を遊離する。
一方、P-ニトロフェニル-α-L-アラビノフラノシド(pNPAP)を基質として作用させても反応しない。
このことから本発明の新規β-キシロシダーゼにはβ-キシロシダーゼ活性と共に、α-アラビノフラノシダーゼ活性も有している。
(ii)作用pH及び至適pH
β-キシロシダーゼ活性とα-アラビノフラノシダーゼ活性は、pH6.0で最も高い値を示した。また、β-キシロシダーゼ活性については、pH5.0-7.0において、活性が最も高いpH6.0の場合に比べて41%以上の活性を示した。さらに、α-アラビノフラノシダーゼ活性については、活性が最も高いpH6.0の場合に比べて78%以上の活性を示した(図1)。
(iii)作用温度及び至適温度
β-キシロシダーゼ活性においては40℃、α-アラビノフラノシダーゼ活性においては50℃が至適温度であった。また、pNPXを基質にした場合においては、40℃で最大の分解活性を示し、20-50℃において49%以上の活性を示した。また、pNPAFを基質にした場合においては、50℃で最大の分解活性を示し、40-60℃で43%以上の活性を示した(図2)。
(iv)比活性
反応温度(50℃)で1M炭酸ナトリウム含有ボルテックス懸濁液中の吸光度(410nm)による測定によると、β-キシロシダーゼの比活性は20U/mgであった。なお、同条件下での市販β-キシロシダーゼ酵素(T. viride由来、和光純薬)の比活性は15U/mgであり、1.3倍の比活性を示した。
(vi)分子量
作製した大腸菌の形質転換体を培養し、IPTGで誘導発現させ、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動分析(SDS-PAGE)によって、その菌体の破砕抽出物の遠心分離後の上清にそれぞれの遺伝子の発現産物と認識されるタンパク質(39.3kD)が高発現していることを確認した(図3)。
(3−3)本発明のβ-キシロシダーゼの製造法
本発明において、目的のβ-キシロシダーゼは、それをコードする遺伝子を保有する前記形質転換体を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清、培養菌体、又は菌体の破砕物のいずれも意味するものである。本発明の形質転換体を培地で培養する方法は、微生物の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。放線菌や細菌、酵母、糸状菌等の微生物を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、微生物の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
上記で示した組み換え大腸菌の場合は当研究分野で通常用いる栄養培地で培養し、必要に応じてIPTGなどの誘導物質を加えることにより、大腸菌が増殖できる栄養培地中での酵素の高発現を行うことができる。通常の培養条件では、適宜、抗生物質を加えたLB培地(1.0%ペプトン、0.5%乾燥酵母エキス、1.0%NaClから成る)で37℃、8-12時間前培養し、この十分増殖した菌体を種菌として、新しいLB培地に容量比1-5%植菌、37℃、2-4時間本培養し、IPTGを加え、さらに30℃で2-4時間培養する。
他の形質転換体の場合も、それぞれの宿主細胞用に適した培地で培養する。形質転換微生物の場合、懸濁培養する際には懸濁液の濃度は、600ナノメートルの濁度で吸光度(OD:optical density)1-2が好適であり、必要に応じて増減できる。
培養後、目的の酵素のタンパク質が菌体内に生産される場合には、菌体を破砕することにより当該タンパク質を抽出する。また、目的タンパク質が菌体外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体を除去する。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独でまたは適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から目的の酵素タンパク質を通常のタンパク質精製方法を用いて単離精製することができる。目的の酵素タンパク質が得られたか否かは、単離した後に、一般的なタンパク質の同定方法であるSDS-PAGE等によっても確認することができるが、形質転換体の発現産物である組換えβ-キシロシダーゼにより培養液でキシラン分解物(キシロビオース、キシロトリオースなど)を分解する酵素活性を有するか否かで確認することができる。
例えば、キシラン分解物のキシロビオース、キシロトリオースなどに対し、本発明のβキシロシダーゼをリン酸緩衝液(pH5-7)に加え、30〜55℃の恒温下において撹拌させながら反応させることでキシロースの産生を確認する。
4.本発明のβ-キシロシダーゼを用いたキシロースの製造
本発明のβ-キシロシダーゼは、一般に用いられる糖化反応条件(pH5-7、40-50℃)での活性が高い特長を有していることから、農業及び産業廃棄物となっている稲ワラや古木材の主成分であるキシランなどの多糖バイオマス資源に対してキシラナーゼなどの分解酵素と併用することで、キシラナーゼによるキシラン分解物のオリゴ糖を最終産物のキシロースまで効率良く分解することができ、バイオマス再利用技術の付加価値を高めることができる。
キシランは、キシロースから成る主鎖にアラビノースやグルクロン酸が側鎖として結合しているため、キシランに対してキシラナーゼを作用させることで、主鎖を切断してキシロビオースなどのオリゴ糖を製造することはできるが、キシロビオース、キシロトリオースなどのオリゴ糖が最終産物となる。したがって、本発明のβ-キシロシダーゼを、同時にもしくは逐次的に添加することで、オリゴ糖をキシロースまで加水分解することができる。その際、側鎖を切断するα-L-アラビノフラノシダーゼを同時に、もしくは逐次的に添加することで、ほぼ完全にキシロースにまで分解できる。
すなわち、キシランに対して、本発明のβ-キシロシダーゼをキシラナーゼと共に反応させる工程又はキシラナーゼを反応させる工程の後で反応させることにより、キシロースを製造することができる。好ましくは、本発明のβ-キシロシダーゼをα-L-アラビノフラノシダーゼと同時に反応させる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明におけるその他の用語や概念は、当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものであり、本発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。また、各種の分析などは、使用した分析機器又は試薬、キットの取り扱い説明書、カタログなどに記載の方法を準用して行った。
なお、本明細書中に引用した技術文献、特許公報及び特許出願明細書中の記載内容は、本発明の記載内容として参照されるものとする。
(実施例1)大腸菌によるβ-キシロシダーゼ遺伝子の発現
(1−1)β-キシロシダーゼ遺伝子の単離
堆肥を微生物の接種源とし、稲わらを炭素源とした集積培養物からなるセルロース系バイオマスを炭素源とした集積培養物から抽出したメッセンジャーRNA(mRNA)を抽出し、それらを鋳型にすることでcDNAを合成してcDNAライブラリーを作製し、その全塩基配列を決定した。塩基配列データをBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)による解析を行い、β-キシロシダーゼ遺伝子(xylRS1)の配列情報を検出した。遺伝子情報に基づいて遺伝子DNAを人工的に合成することで遺伝子の単離に成功した。
(1−2)xylRS1遺伝子による形質転換大腸菌の作製
人工的に合成したxylRS1遺伝子をクローニングしたベクターpBluescriptSKII(+)-xylRS1を鋳型としてxylRS1遺伝子(配列番号1)をPCRにより増幅し、pET-19bベクター(Invitrogen 社)に導入した。
PCRに用いたプライマーの配列は、次の通りである。
xylRS1F-1:5’-TAG CGA TCA TAT GCC AGC CCC ATT GAC AAC-3’(配列番号3)
RV:5’-CAG GAA ACA GCT ATG AC-3’(配列番号4)
pET-19bベクターは、開始コドンとするATGとその上流にRBS、さらに上流にT7プロモーターを含むもので、用いる遺伝子をその開始コドンと読み枠に合わせて導入することにより、他菌株からの遺伝子でも効率的な発現が期待できるものである。構築したプラスミドを宿主としてEscherichia coli Rosetta-gamiB(DE3)株へ形質転換した。
(1−3)形質転換大腸菌の培養と微生物細胞の集菌
実施例(1―2)で得られた組み換え大腸菌を、100μg/mlのアンピシリンを含む3mlの2×YT培地に植菌し、37℃で一晩振盪して前培養した。
前培養した組み換え大腸菌を200mL 2×YT培地に植菌し、培養液の600nmの吸光度が0.6になったときにT7プロモーター誘導剤である1mMのIPTGを添加した。その後、16℃でさらに24時間培養した。
培養液を250ml容量の遠心チューブに入れ6,000rpmで15分遠心して集菌し、ペレット状の菌体を得た。
(実施例2)β-キシロシダーゼの精製
実施例(1−3)で得られたペレット状の菌体を10mlのlysis buffer[50mMリン酸バッファー(pH7)、300mM NaCl、10mMイミダゾール]を加えて溶解し、50mL容コニカルチューブに移し、氷水中で冷却しながら、超音波破砕機BRANSON sonifier250(BRANSON)で菌体を破砕した。破砕後、10,000×Gで30分間遠心分離を行い、上清をチューブに移した。
HIS-Select Nickel Affinity Gel(Sigma-Ardorich)を詰めたチューブに上清をアプライし、wash buffer[50mMリン酸バッファー(pH7)、300mM NaCl、30mMイミダゾール]でゲルを洗浄した。洗浄後、elution buffer[50mMリン酸バッファー(pH7)、300mM NaCl、250mMイミダゾール]を用いて目的タンパク質の溶出を行った。
得られた溶出液をSDS-PAGEに供して目的タンパク質を確認した後、必要な画分を透析チューブに入れ、storage buffer[50mM 酢酸バッファー(pH5)]も用いてバッファー交換を行った。
一方、xylRS1遺伝子を連結したベクターを酵母Pichia pastoris へ導入して発現系を構築したが、発現タンパク質の分子量は、大腸菌で発現させたタンパク質との間に差は無く、糖鎖付加は行われていないことが分かった。すなわち、当該酵素は大腸菌を宿主として生産することが出来ることが分かり、生産系の構築に有利であることが示された。
(実施例3)β-キシロシダーゼの活性測定
実施例2で精製されたタンパク質を用いて、活性測定を行った。基質として、p-Nitrophenyl-β-D-xylopyranoside(pNPX、東京化成工業株式会社)、p-Nitrophenyl-α-L-arabinofuranoside(pNPAF、東京化成工業株式会社)、p-Nitrophenyl-α-L-arabinopyranoside(pNPAP、Sigma-Aldorich社)の3種類を用いた。
測定は以下の通りに行った。反応液には、最終濃度が50mMになるようにバッファー(pH3-10)を加え、1mMになるように基質を加え、さらに、反応液の液量が最終的に100μlになるように滅菌した蒸留水を加えた。続いて、反応液を反応温度で5分間プレインキュベートした後に、(実施例2)で精製したタンパク質を添加した。反応液を軽くボルテックスにて懸濁し、反応温度(20-70℃)で10分間反応させた後に、1M炭酸ナトリウム溶液を100μl加え、ボルテックスで反応液を懸濁した後に、吸光度計(機種名DU800 SPECTROPHOTOMETER, ベックマンコールター社)を用いて、410nmのおける吸光度を測定した。活性測定は、1分間にそれぞれの基質から1μmolのp-nitrophenol(pNP)を遊離させるβ-キシロシダーゼの酵素量を比活性(U/mg)として算出した。値を算出するために用いた標準曲線は、p-nitrophenol(和光純薬)を利用して作成した。
その結果、下記(表1)の通り、pNPX及びpNPAFに対して作用してpNPを遊離させることを確認した。
Figure 2014168417
(実施例4)β-キシロシダーゼの基質特異性
実施例2で精製されたタンパク質を用いて、基質特異性の測定を行った。基質として、pNPX、pNPAF、pNPAPの3種類を用いた。
測定は以下の通りに行った。反応液には、最終濃度が50mMになるようにバッファー(pH3-10)を加え、1mMになるように基質を加え、さらに、反応液の液量が最終的に100μlになるように滅菌した蒸留水を加えた。続いて、反応液を反応温度で5分間プレインキュベートした後に、(実施例2)で精製したタンパク質を添加した。反応液を軽くボルテックスにて懸濁し、反応温度(20-70℃)で10分間反応させた後に、1M炭酸ナトリウム溶液を100μl加え、ボルテックスで反応液を懸濁した後に、吸光度計(機種名DU800 SPECTROPHOTOMETER, ベックマンコールター社)を用いて、410nmのおける吸光度を測定した。活性測定は、1分間にそれぞれの基質から1μmolのp-nitrophenol(pNP)を遊離させるβ-キシロシダーゼの酵素量を比活性(U/mg)として算出した。値を算出するために用いた標準曲線は、p-nitrophenol(和光純薬)を利用して作成した。
結果として、pNPX、pNPAFを基質とした場合にpNPの遊離が確認され、(実施例2)で精製されたタンパク質は、β-キシロシダーゼ活性とα-アラビノフラノシダーゼ活性を有することが認められた。しかし、pNPAPを基質とした場合には、pNPの遊離は確認されず、(実施例2)で精製されたタンパク質は、α-アラビノピラノシダーゼ活性を示さなかった(表1)。
(実施例5)β-キシロシダーゼの反応pH
次に、実施例2で精製したタンパク質のβ-キシロシダーゼ活性とα-アラビノフラノシダーゼ活性の至適pHの測定を行った。基質として、pNPX、pNPAFの二種類を用いた。測定は以下の通りに行った。反応液には、最終濃度が50mMになるようにバッファー(pH3-10)を加え、1mMになるように基質を加え、さらに、反応液の液量が最終的に100μlになるように滅菌した蒸留水を加えた。続いて、反応液を反応温度で5分間プレインキュベートした後に、(実施例2)で精製したタンパク質を添加した。反応液を軽くボルテックスにて懸濁し、反応温度(20-70℃)で10分間反応させた後に、1M炭酸ナトリウム溶液を100μl加え、ボルテックスで反応液を懸濁した後に、吸光度計(機種名DU800 SPECTROPHOTOMETER, ベックマンコールター社)を用いて、410nmにおける吸光度を測定した。活性測定は、1分間にそれぞれの基質から1μmolのp-nitrophenol(pNP)を遊離させるβ-キシロシダーゼの酵素量を比活性(U/mg)として算出した。値を算出するために用いた標準曲線は、p-nitrophenol(和光純薬)を利用して作成した。
測定を行った結果、β-キシロシダーゼ活性とα-アラビノフラノシダーゼ活性は、pH6.0で最も高い値を示した。また、β-キシロシダーゼ活性については、pH5.0-7.0において、活性が最も高いpH6.0の場合に比べて41%以上の活性を示した。さらに、α-アラビノフラノシダーゼ活性については、活性が最も高いpH6.0の場合に比べて78%以上の活性を示した。pNPの遊離量を指標にした各pHにおける相対活性を(図1)に示す。
(実施例6)β-キシロシダーゼの反応温度
前記実施例2で精製したタンパク質のβ-キシロシダーゼ活性とα-アラビノフラノシダーゼ活性の至適温度の測定を行った。基質として、pNPX、pNPAFの二種類を用いた。測定は以下の通りに行った。まず、反応液100μl中の最終濃度は、50mMバッファー(pH6.0)、1mM基質となるように加え、最終的に蒸留水で100μlに調整した。タンパク質を添加する前に溶液を反応温度で5分間プレインキュベートしてからタンパク質を添加した。反応液を軽くボルテックスにて懸濁し、反応温度(20-70℃)で10分間反応させた後に、1M炭酸ナトリウム溶液を100μl加えた。さらに、ボルテックスで反応液を懸濁し、吸光度計を用いて、410nmで吸光度を測定して比活性(U/mg)を算出した。
測定を行った結果、β-キシロシダーゼ活性においては40℃、α-アラビノフラノシダーゼ活性においては50℃が至適温度であった。また、pNPXを基質にした場合においては、40℃で最大の分解活性を示し、20-50℃において49%以上の活性を示した。また、pNPAFを基質にした場合においては、50℃で最大の分解活性を示し、40-60℃で43%以上の活性を示した。pNPの遊離量を指標にした各温度における相対活性を(図2)に示す。
(実施例7)Tricoderma viride 由来β-キシロシダーゼとの活性比較
一般的なセルロース系バイオマスの糖化反応条件(pH5.0、50℃)において、実施例2で精製したタンパク質のβ-キシロシダーゼ活性と市販β-キシロシダーゼ酵素(T. viride由来、和光純薬)のβ-キシロシダーゼ活性測定を行った。基質として、pNPXの一種類を用いた。測定は以下の通りに行った。まず、反応液500μl中の最終濃度は、50mMバッファー(pH5.0)、1mM 基質となるように加え、最終的に蒸留水で500μlに調整した。タンパク質を添加する前に溶液を反応温度で5分間プレインキュベートしてからタンパク質を添加した。反応液を軽くボルテックスにて懸濁し、反応温度(50℃)で10分間反応させた後に、1M炭酸ナトリウム溶液を500μl加えた。さらに、ボルテックスで反応液を懸濁し、吸光度計を用いて、410nmで吸光度を測定して比活性(U/mg)を算出した。
測定を行った結果、実施例2で精製したタンパク質のβ-キシロシダーゼ活性は20U/mg、市販β-キシロシダーゼ酵素のβ-キシロシダーゼ活性においては15U/mgであり、一般的な糖化反応条件において市販酵素よりも約1.3倍という非常に高い比活性を示した(図5)。
本発明のβ-キシロシダーゼにおける、一般的な糖化反応条件(pH5-7、40-50℃)での高い活性は、バイオマス原料からのキシロース生産において極めて有利な特長である。
以上の解析結果から、精製した酵素の至適条件における比活性を図3に示す。(実施例1)で得られたxylRS1遺伝子を発現する組換え大腸菌から精製した酵素は、活性測定の結果を考慮し、β-キシロシダーゼであるものと考察された。
以上のことから、実施例1で得られたβ-キシロシダーゼ(xylRS1)遺伝子が、極めて優れたβ-キシロシダーゼ遺伝子であることが示された。
本発明により、セルロース系バイオマスの糖化作用が注目される従来の製品に比べて比活性の高いβ-キシロシダーゼを安価で安定かつ効率的に供給することが可能となり、将来的にエネルギーや化成品工業の分野など幅広い応用が期待されている。

Claims (7)

  1. 下記の(a)〜(c)に示されるいずれかのアミノ酸配列を含み、かつβ-キシロシダーゼ活性を有するタンパク質;
    (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
    (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列、
    (c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%のホモロジーを有するアミノ酸配列。
  2. 請求項1に記載のタンパク質をコードする核酸。
  3. 下記の(a)〜(c)に示されるいずれかの塩基配列を含み、かつβ-キシロシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸;
    (a)配列番号2に示される塩基配列、
    (b)配列番号2に示される塩基配列の相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列、
    (c)配列番号2に示される塩基配列と少なくとも80%のホモロジーを有する塩基配列。
  4. 請求項2又は3に記載の核酸を含むベクター。
  5. 請求項4記載のベクターを含む形質転換体。
  6. 請求項5に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からβ-キシロシダーゼを採取することを特徴とする、β-キシロシダーゼの製造方法。
  7. キシラン又はキシラン分解物を含む試料に対し、請求項1に記載のタンパク質を作用させる工程を含むことを特徴とする、キシロースの製造方法。

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