JP2727593B2 - 自励形スイッチングレギュレータ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 自励形スイッチングレギュレータのトランスの巻線に
関し、 高信頼、かつ、安定な定電圧電源を供給することがで
きる自励形スイッチングレギュレータを提供することを
目的とし、 直流電圧を入力し、トランスの制御用巻線の電圧信号
に基いてスイッチング素子をオンオフ制御して方形波交
番電圧を発生し、該トランスにより変圧した後、平滑回
路によって平滑化して直流電源を出力する自励形スイッ
チングレギュレータであって、前記制御用巻線は線間を
密着させて巻き、トランスの１次巻線で挟むように構成
する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、自励形スイッチングレギュレータのトラン
スの巻線に関する。

近年、自励形スイッチングレギュレータが、部品点数
が少なく小型、低価格等の利点を有するため、電子機器
の小容量用電源として広く使用されている。従って、電
子機器に安定な電源を供給すると共に、機器の機能障害
等を伴わない信頼性の高い自励形スイッチングレギュレ
ータが望まれている。

〔従来の技術〕

第３図は自励形スイッチングレギュレータの回路例
図、第４図は従来例を示すトランス巻線図である。全図
を通じて同一符号は同一対象物を示す。

第３図において、 自励形スイッチングレギュレータは直流電圧を入力
し、スイッチングトランジスタ1aをオンオフ制御してト
ランス2aの１次側に方形交番電圧を発生し、これをトラ
ンス2aで変圧した後、平滑回路3aで平滑化して直流電源
を出力する。トランス2aは１次巻線6a及び２次巻線8aに
加えて制御用巻線7aを有し、制御用巻線7aはトランジス
タ1aのベースに所要の電圧信号を与えることによってト
ランジスタを自励発振するように構成されている。

第４図において、 トランス2aはボビン5aに内側から１次巻線6a、制御用
巻線7a、２次巻線（図示しない）の順に巻かれる。トラ
ンジスタ1aのベースに低電圧を供給するため巻数の少な
い制御用巻線7aにおいては、巻線間の結合度を高くする
ため線間の間隔（スペース）を大きくする、所謂、スペ
ース巻きが行われている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のように従来方法によると、トランスの結合度を
高くするため制御用巻線7aをスペース巻きとするが、ス
ペース巻きでは線間のスペースの量や巻線の傾き等、製
造上のばらつきを一定範囲に抑えることは困難である。
従って、トランジスタ1aのベースに供給される制御電圧
のばらつきが大きくなり、電源の設計が極めて困難とな
り、安定な定電圧電源を供給することができないのみな
らず、機器の機能障害を来すという性能上、信頼性上の
問題点があった。

本発明は、高信頼、かつ、安定な定電圧電源を供給す
ることができる自励形スイッチングレギュレータを提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理ブロック図を示す。

図において、 １は自励形スイッチングレギュレータのスイッチング
素子、 ２はトランス、 ３は平滑回路、 ７はスイッチング素子１をオンオフ制御して方形波交
番電圧を発生する、線間を密着させて巻いて１次巻線で
挟まれた制御用巻線である。

従って、トランス２の製造上のばらつきに伴う制御用
巻線７の信号電圧の偏差を少なくして自励形スイッチン
グレギュレータの出力電圧を一定にするように構成され
ている。

〔作用〕 本発明によれば、トランス２の制御用巻線７は、線間
隔を密に巻くので製造上のばらつきが少なくなり、制御
用巻線７の信号電圧の偏差が少なくなる。従って、スイ
ッチング素子１の発振周波数、振幅及びスイッチング素
子のベース制御用電圧等が一定して自励形スイッチング
レギュレータは所定電圧を出力することができる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第２図を参照して説明する。
全図を通じて同一符号は同一対象物を示す。

第２図において、トランス2bのボビン5cに内側から１
次巻線6b、制御用巻線7b、１次巻線6bの順に巻き、制御
用巻線7bを線間隔を密に巻く密着巻きとした例を示す。
尚、２次巻線8bは図示していないが、外側の１次巻線6b
の更に外側に巻くか、或いは１次巻線6bの間に制御用巻
線7bと共に巻いてもよい。このように構成することによ
り、制御用巻線7bから出力される制御電圧値を所定範囲
に抑えることができる。

また、同図に示されるように、制御用巻線7bは、内側
と外側の１次巻線とにより挟んだサンドイッチ構造とし
ている。即ち、ボビン5cに内側から１次巻線6b、制御用
巻線7b、１次巻線6b、及び２次巻線（図示しない）の順
に巻いて、制御用巻線7bを１次巻線6bで挟む、所謂サン
ドイッチ構造とすることにより、制御用巻線7bと１次巻
線6bの接触面積を増大させることができるので、トラン
スの結合度を向上するができ、密着巻きとした場合でも
性能の劣化を来すことはない。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、自励形スイッチ
ングレギュレータにおいて、トランスの制御用巻線を密
着巻きし、トランスの１次巻線で挟むサンドイッチ構造
とすることにより、制御用巻線からの出力電圧のばらつ
きを所定の範囲内に収めることができ、高信頼で、か
つ、安定な電源を供給する自励形スイッチングレギュレ
ータを実現することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理ブロック図、 第２図は本発明の実施例を示す巻線図、 第３図は自励形スイッチングレギュレータの回路例図、 第４図は従来例を示す巻線図である。 図において、 １はスイッチング素子、 1aはスイッチングトランジスタ、 ２、2a、2bはトランス、 ３、3a、は平滑回路、 5a、5cはボビン、 6a、6bは１次巻線、 ７、7a、7bは制御用巻線、 8aは２次巻線、 9aはベース制御回路 を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】直流電圧を入力し、トランスの制御用巻線
   の電圧信号に基いてスイッチング素子をオンオフ制御し
   て方形波交番電圧を発生し、該トランスにより変圧した
   後、平滑回路によって平滑化して直流電源を出力する自
   励形スイッチングレギュレータであって、 前記制御用巻線は線間を密着させて巻き、トランスの１
   次巻線で挟むサンドイッチ構造としたことを特徴とする
   自励スイッチングレギュレータ。