JP2727293B2

JP2727293B2 - ゴキブリ探知器

Info

Publication number: JP2727293B2
Application number: JP5300954A
Authority: JP
Inventors: 幸夫洗
Original assignee: KYATSUTSU KK
Current assignee: KYATSUTSU KK
Priority date: 1993-11-05
Filing date: 1993-11-05
Publication date: 1998-03-11
Anticipated expiration: 2013-03-11
Also published as: JPH07123894A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ゴキブリの駆除作業
を的確に行うために、ゴキブリの発生状況を探知するゴ
キブリ探知器に関する。

【０００２】

【従来の技術】ゴキブリは３億年前に地球に現れ、生活
環境の近代化と共に、屋内生息害虫として人間の暮らし
の中に広がってきた。このゴキブリは、（１）各種病原
体の運び屋、（２）糞、脱皮や死骸がアレルギー抗原と
なる、（３）食品、本や服装等への食害、（４）食品へ
の混入など種々の実害を人間に与えるために、現在では
衛生害虫のナンバーワンとして嫌われている。

【０００３】このために、従来のゴキブリの駆除は、ゴ
キブリの発生の有無を問わず、衛生害虫駆除専門業者が
定期的薬剤散布処理を行っていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ゴキブリの発
生がない場合にも、定期的に散布されることから、使用
薬剤の無駄や防除作業者の人件費、機材費用の無駄があ
った。また、薬剤の定期的散布から使用薬剤の量が多く
なり、薬剤の副作用や残留性など、人間や環境に悪い影
響を与えていた。また、反面、ゴキブリの発生に気付か
ず、放置したままの状態でゴキブリの大発生となり、事
態が悪化してから慌てて多量の薬剤を散布処理する場合
も少なくない。

【０００５】長年の経験により、衛生害虫としてのゴキ
ブリの駆除にあっては、ゴキブリの種類、生息数、生息
範囲などの発生要因を確実に把握すれば、その駆除時
期、処理範囲、使用薬剤の種類及び薬剤の使用量が適切
にコントロールでき、駆除コストを下げると同時に薬剤
の副作用や残留を最小限に抑えることが可能となる。

【０００６】このために、この発明は、ゴキブリの検出
を確実に行うことのできるゴキブリ探知器を提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そのために、この発明
は、ゴキブリ誘引物質、所定の温度を維持するヒータか
らなるゴキブリ誘引手段と、このゴキブリ誘引手段によ
って誘引されたゴキブリを粘着捕獲するトラップ手段
と、このトラップ手段にゴキブリが捕獲されたことを赤
外線発光素子と赤外線受光素子とで探知するゴキブリ探
知手段と、このゴキブリ探知手段によってゴキブリが探
知されたことを示す探知信号を出力する信号表示手段と
を具備したことにある。

【０００８】

【作用】したがって、この発明によれば、ゴキブリ誘引
手段によって引き寄せたゴキブリを、トラップ手段によ
って粘着捕獲すると共に、このトラップ手段によってゴ
キブリが捕獲されたことを赤外線を遮断することで検出
するゴキブリ探知手段で探知し、ゴキブリが探知された
ことを示す探知信号を信号表示手段にて表示してゴキブ
リの捕獲があったことを探知でき、上記課題が達成でき
るものである。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例について図面により
説明する。

【００１０】図１、図３及び図４に示すように、ゴキブ
リ探知器１は、本体ケース２と、この本体ケース２に着
脱自在に装着される点検蓋３と、この本体ケース２の底
面を閉塞する底部４から構成されている。

【００１１】本体ケース２は、中央部分が凹状に切り欠
かれた円筒形状をしていおり、この切り欠かれた凹部の
中央部分に、粘着トラップ板５が着脱自在に装着される
装着溝６を有し、この装着溝６に粘着トラップ板５が装
着された状態において、この粘着トラップ板５の端部か
ら円周外方に向かって所定の角度で形成されたスロープ
７，７を有する。また、中央の凹状に切り欠かれた部分
の両側には、並行に対面する対向面８，８を有する収納
部２ａ，２ｂを有し、前記対向面８，８には、透明板
９，９が、前記粘着トラップ板５を挟むように対面して
形成される。尚、前記収納部２ａには、制御装置５０に
至る電線２０の取付部２１が設けられている。

【００１２】前記粘着トラップ板５は、前記装着溝６に
着脱自在であり、表面に粘着物質が塗布されており、こ
の粘着トラップ板５の中央にゴキブリ誘引物質を設置す
る。尚、前記粘着物質に、粘着性を損なわない程度に、
ゴキブリ誘引物質（所定の臭気を発する物質）を混入し
ても良いものである。また、前記粘着トラップ板５を装
着溝６から取り外し易いように、前記装着溝６には爪入
れ６ａ，６ａが形成されているものである。

【００１３】点検蓋３は、前記本体ケース２の中央部分
に形成された凹状の部分に着脱自在に装着されるもの
で、装着時に本体ケース２の周側１０の一部となる周壁
１１，１１を有し、この周壁１１，１１には導入口１
２，１２が形成される。この導入口１２，１２の内側に
は、図２に示すように、遮蔽壁１３，１３が形成されて
いる。この遮蔽壁１３，１３はその端部が前記スロープ
７，７に当接しており、これによって導入口１２，１２
から遮蔽壁１３，１３を迂回して前記粘着トラップ板５
に至るゴキブリ誘導路１４が構成される。また、点検蓋
３が装着されることによって、本体ケース２にトラップ
空間１９が形成される。

【００１４】底部４は、前記本体ケース２の底面を閉塞
するもので、前記収納部２ｂの内部に収納されて前記透
明板９ａに臨む赤外線発光素子１５、前記収納部２ａの
内部に収納されて前記透明板９ｂに臨む赤外線受光素子
１６、及び前記粘着トラップ板５の下部に位置してこの
粘着トラップ板５を加熱するヒータ１７、及びこのヒー
タ１７の温度を検出する温度検出センサ（例えば、サー
ミスタ）１８が取付られている。尚、底部４は、本体ケ
ース２にねじによって固定されているものである。

【００１５】このゴキブリ探知器１の電気回路は、例え
ば図５に示すもので、前述のように赤外線発光素子１
５、赤外線受光素子１６、ヒータ１７、及びサーミスタ
１８によって構成されている。この電気回路は、電線２
０を介して制御装置５０のコントロールユニット５１と
連結されており、このコントロールユニット５１には、
図示しない電源回路、ヒータ駆動回路、電圧検出回路、
信号表示回路、出力回路等が含まれている。

【００１６】これによって、先ずコンセント５２が入れ
られるか、若しくはメインスイッチが入れられることに
よって制御装置５０に電源が入り、コントロールユニッ
ト５１が稼働を開始する。このコントロールユニット５
１の稼働によって抵抗Ｒ₁を介して赤外線発光素子１５
に電圧が印加され、赤外線発光素子１５から赤外線が発
光される。この赤外線は前記赤外線受光素子１６に受光
され、この赤外線受光素子１６を導通状態とするため
に、抵抗Ｒ₂の下端の電圧（出力電圧Ｖ_OUT）は低下す
る。また、前記赤外線発光素子１５から発光された赤外
線は、前記導入口１２，１２から若干漏れることによっ
て、ゴキブリの誘引条件の一つとなる。

【００１７】前記ヒータ１７は、コントロールユニット
５１からの出力により発熱する。このヒータ１７の発熱
は、サーミスタ１８に検出され、コントロールユニット
５１によって所定の温度に制御される。この所定の温度
は、前記粘着トラップ板５若しくはトラップ空間１９の
温度をゴキブリの生態的最適温度（２８〜３２°Ｃ）に
設定するための温度を示すものである。

【００１８】また、前記コントロールユニット５１に
は、電源が入っている時に発光する発光ダイオード５３
及びゴキブリを検出した時に発光する発光ダイオード
（表示ランプ）５４が接続され、さらに電話等の通信回
線を介して外部のホストコンピュータ、例えば衛生害虫
駆除専門業者又は駆除出動拠点に設置されたコンピュー
タと連結される外部出力端子５５が接続されるものであ
る。また、この外部出力端子５５から出力される探知情
報には、駆除すべき旨の信号、駆除すべき場所、会社名
若しくは個人名等が含まれてるものである。尚、図５の
電気回路図において、５６は電源トランスである。

【００１９】以上の構成のゴキブリ探知器１において、
ゴキブリ誘引物質から発する臭気、赤外線、若しくはト
ラップ空間の温度等のゴキブリ誘引条件により、ゴキブ
リがゴキブリ誘導路１４に導かれ、粘着トラップ板５に
捕獲される。ゴキブリが粘着トラップ板５に捕獲される
と、ゴキブリが赤外線発光素子１５から発せられた赤外
線を遮断することとなり、赤外線受光素子１６に受光さ
れる赤外線の量が減少し、赤外線受光素子１６の導通が
抑制される。このために、電圧出力Ｖ_OUTが急速に上昇
し、コントロールユニット５１に検出される。これによ
って、表示ランプ５４が発光してゴキブリの捕獲、発生
を知らせる。また、外部出力端子に接続される通信手
段、例えば電話回線等によりコンピュータに接続され、
探知情報が衛生害虫駆除専門業者又は駆除出動拠点に指
示されることとなる。

【００２０】実験例として、サイズ６０×４０×１５cm
のプラスチック製実験ケースに本発明のゴキブリ探知器
１台を設置し、ワモンゴキブリ及びチャバネゴキブリ２
０匹を入れた場合、ゴキブリを入れてから５分以内に、
上記２種類のゴキブリはゴキブリ探知器に捕獲され、表
示ランプが点灯した。

【００２１】また、面積４５ｍ²の室内にワモンゴキブ
リとチャバネゴキブリ各２０〜３０匹を放し、本発明の
ゴキブリ探知器を３台設置した。２種類のゴキブリとも
４８時間以内にゴキブリ探知器に誘引されて捕獲され、
表示ランプが点灯した。

【００２２】さらに、あるホテルの厨房に本発明のゴキ
ブリ探知器を２台設置した時、２４時間内にチャバネゴ
キブリを５０〜８０匹を誘引捕獲し、表示ランプが点灯
すると共に、回線を通じて、コンピュータにゴキブリの
発生を伝えた。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ゴキブリ誘引物質、赤外線、温度によってゴキブリ
を誘引し、粘着捕獲すると同時に赤外線の遮断にて検出
し、信号表示手段でゴキブリの発生を表示するようにし
たため、ゴキブリの発生を素早く探知することができ
る。そして、ゴキブリ発生の初期において駆除処理がで
きる。これによって、薬剤処理範囲、使用薬剤種類並び
に薬剤使用量が適切にコントロールできるために、使用
薬剤の副作用や残留を最小限に抑えることができ、駆除
作業の効率化に寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るゴキブリ探知器の分解斜
視図である。

【図２】本発明の実施例に係るゴキブリ探知器の一部を
構成する点検蓋の裏側を示した斜視図である。

【図３】本発明の実施例に係るゴキブリ探知器の断面図
である。

【図４】本発明の実施例に係るゴキブリ探知器において
ゴキブリが誘引された場合の説明断面図である。

【図５】本発明の実施例に係るゴキブリ探知器の電気回
路図である。

【符号の説明】

１ゴキブリ探知器２本体ケース３点検蓋４底部５粘着トラップ板１５赤外線発光素子１６赤外線受光素子１７ヒータ１８温度検出センサ２０制御装置５１コントロールユニット

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ゴキブリ誘引物質、所定の温度を維持す
るヒータからなるゴキブリ誘引手段と、このゴキブリ誘引手段によって誘引されたゴキブリを粘
着捕獲するトラップ手段と、このトラップ手段にゴキブリが捕獲されたことを赤外線
発光素子と赤外線受光素子とで探知するゴキブリ探知手
段と、このゴキブリ探知手段によってゴキブリが探知されたこ
とを示す探知信号を出力する信号表示手段とを具備した
ことを特徴とするゴキブリ探知器。