JP2727191B2 - 切換え式変倍ファインダー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は写真用カメラやビデオカメラ等に適した切換
え式変倍ファインダーに関し、特に光学系の一部を変更
することにより、少なくとも第１と第２の２種類の焦点
距離を有する撮影を行うカメラに適した切換え式変倍フ
ァインダーに関するものである。

（従来の技術） 従来より撮影光学系の一部の光学部材を変更すること
により結像面を一定位置に保持した状態で撮影光学系の
焦点距離を変化させ少なくとも２つの異なった焦点距離
での撮影を行うようにした切換え式撮影系が種々提案さ
れている。

特に近年は簡単な構成で容易に焦点距離を切換えるこ
とができるため切換え式撮影系は35ミリ判のレンズシャ
ッターカメラに多用されている。

ファインダーは大別すると虚像系ファインダーと実像
系ファインダーの２種類に分類される。

虚像系ファインダーは第２図に示すように光像枠採光
式逆ガリレオファインダーが一般的で対物レンズ21と接
眼レンズ22の中間にハーフミラー23を入れて視野枠27を
接眼レンズ22の焦点近傍に配置して、ミラー28とフイー
ルドレンズ24により視野と視野枠を重ねて見えるように
したもので、透過光で視野枠を照明する方式である。

一方、実像式ファインダーは対物レンズが小さくて済
み、ハーフミラーを必要としないので視野が大変明る
く、対物レンズの焦点面に焦点板を置けばピント合わせ
もできるという特徴が有り、一眼レフカメラ等に使用さ
れている。

一般にレンズシャッター式カメラの切換え式変倍ファ
インダーは第３図（Ａ）に示すように対物レンズ31、31
A、31Bと接眼レンズ32と接眼レンズ32の前にほとんど屈
折力をもたないレンズ33がファインダー用としてアルバ
ダ式の反射鏡として挿入されて、標準撮影時は対物レン
ズ31Bが退避し、対物レンズ31、31Aとレンズ33と接眼レ
ンズ32から構成されている。そして、撮影レンズの変換
に応じて第３図（Ｂ）に示すように望遠時は対物レンズ
31Bを光路中に入れ、対物レンズ31Aを退避させる方式の
レンズ退避型のものがある。

また、ズーム式ファインダーとして第４図（Ａ）に示
すように凸レンズ41Aと凹レンズ41Bの２成分からなる対
物レンズと凸の接眼レンズ42と接眼レンズ42の前にほと
んど屈折力をもたないレンズ43がファインダー用として
アルバダ式の反射鏡として挿入されて標準用ファインダ
ーを構成し、第４図（Ｂ）に示すように対物の凸レンズ
41Aが固定され、凹レンズ41Bが移動し望遠用となるレン
ズ移動型のものがある。

（発明が解決しようとする課題） 従来の変倍ファインダーでレンズ退避型は倍率を大き
くすると有効径はそれほど大きくならないが全長が長く
なる、そしてこの方法は機構上かなり複雑になると共に
一部レンズをファインダー光軸外に退避させるための空
間をカメラ内部に確保しなくてはならずこの結果カメラ
全体が大型化になる問題が有り、ズーム式ファインダー
のレンズ移動型は倍率を大きくすると対物レンズの有効
径が大きくなり、同様にカメラ全体が大型化してしまう
という問題があった。

本発明は、ファインダー選択部材の切換えに連動して
撮影光学系の焦点距離を切り換える方式のカメラで、そ
れぞれの焦点距離に適した虚像ファインダーと実像ファ
インダーに切り換えることによりカメラ全体の小型化を
図ることができ、特に高倍率でありながら薄型な切り換
え式ファインダーの提供を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本発明の切換え式ファイ
ンダーは逆ガリレオ方式と実像式の切換え方式で、標準
用では逆ガリレオ式、望遠用では実像式とした。

（作用） ファインダーで逆ガリレオ式は低倍率のファインダー
に適し、実像式ファインダーはペンタダハプリズムを使
用するので光路を長くでき、大型化することなしに焦点
距離を長くとれ、高倍率のファインダーに適している。

（実施例） 実施例について図面を参照して説明すると次の通りで
ある。

第１図（Ａ）、第１図（Ｂ）は本発明の一実施例のフ
ァインダーの光学系の概略図で第１図（Ａ）が第１の撮
影の標準用、第１図（Ｂ）が第２の撮影の望遠用のファ
インダーである。

１が凹レンズからなる標準ファインダー用の対物レン
ズ、２が凸レンズからなる接眼レンズ、３が半透明鏡の
ハーフミラー、４が凸レンズからなるフイールドレン
ズ、５が凸レンズからなる望遠ファインダー用の対物レ
ンズ、６がどちらか一方をダハ面とするペンタダハフリ
ズム、７が視野枠、８が撮影レンズ変換に連動して左右
に移動しファインダーを選択するファインダー選択部材
である。

第１図（Ａ）は標準撮影時で撮影レンズの変換に連動
して移動するファインダー選択部材８の移動により望遠
用対物レンズ５は望遠用ファインダーの光軸から退避
し、採光窓９が望遠用ファインダーの光軸に入り、ファ
インダー窓10が標準用ファインダーの対物レンズ１の前
面になる。これにより、標準撮影時のファインダーは対
物レンズ１と接眼レンズ２からなり、採光窓９から採光
された光によりペンタダハプリズム６を介して視野枠７
が照射され、フイールドレンズ４とハーフミラー３によ
り光像枠採光式逆ガリレオファインダーを構成する。

第１図（Ｂ）は望遠撮影時で撮影レンズの変換に連動
して移動するファインダー選択部材８の移動により望遠
用ファインダーの対物レンズ５は望遠用ファインダーの
光軸に入り、標準撮影用ファインダーの対物レンズ１は
ファインダー選択部材８により遮光される。これによ
り、望遠撮影時のファインダーは対物レンズ５とペンタ
ダハプリズム６とハーフミラー３と接眼レンズ２からな
り、標準撮影時のファインダーと同様に対物レンズ５か
ら採光された光によりペンタダハプリズム６を介して視
野枠７が照射され、フイールドレンズ４とハーフミラー
３により実像ファインダーを構成する。

以下一例として各レンズの焦点距離を対物レンズ１が
−9.9ミリ、接眼レンズ２が30ミリ、フイールドレンズ
４が30ミリ、対物レンズ５が32ミリとすると、虚像系フ
ァインダーの倍率は0.33倍、実像系ファインダー倍率は
1.6倍となり35ミリフイルムで焦点距離が28ミリと135ミ
リに相当する撮影レンズのファインダーとなる。

本実施例でハーフミラー３を使用したがプリズムを使
用しても同様の効果が得られる。更に本発明は２焦点の
切換えファインダーであるが第３図、第４図に示した方
式を導入することによりズームファインダーとすること
も可能である。

（発明の効果） ファインダーには虚像式ファインダー、実像式ファイ
ンダー等に分類され、目的により特徴を生かして使用さ
れている。

従来の変倍ファインダーでレンズ退避型は倍率を大き
くすると有効径はそれほど大きくならないが全長が長く
なる問題が有り、ズーム式ファインダーは倍率を大きく
すると対物レンズの有効径が大きくなるという問題があ
った。

本発明の切換え式ファインダーによれば撮影系の一部
の光学部材に連動してファインダ選択部材を移動するだ
けで標準のファインダー、望遠のファインダーが切換え
られ機械的にも複雑にならず、低倍率に適した逆ガリレ
オファインダーと、高倍率のファインダーに適した実像
式ファインダーを選択することで、カメラ全体の小型化
を容易に図ることができ、特に高倍率にしてもファイン
ダーを薄型でき携帯に便利な高倍率な２焦点カメラを達
成できる。また、視野枠の大きさを共通にできるため、
常に一定ファインダーを観察でき見易いファインダーを
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）、（Ｂ）は本発明の一実施例のファインダ
ーの概略図であり、第１図（Ａ）は標準撮影状態、第１
図（Ｂ）は望遠状態である。第２図は光像枠採光式逆ガ
リレオファインダーの概略図、第３図（Ａ）、（Ｂ）と
第４図（Ａ）、（Ｂ）は従来例の標準と望遠のファイン
ダーの切換えを示す概略図である。 １……対物レンズ、２……接眼レンズ、 ３……ハーフミラー、４……フイールドレンズ、 ５……対物レンズ、６……ペンタダハプリズム、 ８……ファインダー選択部材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ファインダー選択部材の切り換えに連動し
   て撮影光学系の一部の光学部材が変更されることにより
   第１の撮影と第２の撮影を行えるカメラにおいて、第１
   の撮影では虚像ファインダーを、第２の撮影では実像フ
   ァインダーを切換えて使用することを特徴とする切換え
   式変倍ファインダー。