JP2726976B2 - 水素吸蔵電極とその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵電極とその製造方法

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JP2726976B2
JP2726976B2 JP6052017A JP5201794A JP2726976B2 JP 2726976 B2 JP2726976 B2 JP 2726976B2 JP 6052017 A JP6052017 A JP 6052017A JP 5201794 A JP5201794 A JP 5201794A JP 2726976 B2 JP2726976 B2 JP 2726976B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル−金属水素化
物電池の負極に用いられる素吸蔵電極及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】水素吸蔵合金は、その体積の
1000倍以上の水素を吸収・放出することができると
いう性質を有しており、水素の貯蔵体、分離・精製材
料、水素の輸送媒体などとして有用であると期待されて
いる。
【0003】従来、二次電池としては、Ni−Cd電池
が広く使用されてきたが、Cdが毒性を有しているこ
と、電池容量が小さいことなどの理由で、他の二次電池
への代替が急速に進んでいる。そして、水素吸蔵合金
は、正極にニッケルを使用し、負極に水素吸蔵合金を使
用するニッケル−金属水素化物電池と呼ばれている二次
電池に利用されている。
【0004】しかしながら、二次電池への水素吸蔵合金
の応用には、多くの解決すべき課題が残されており、そ
の一つに電池の放電容量の向上がある。
【0005】水素吸蔵合金は、水素分子を水素原子に分
解する触媒能力をその表面に備えているので、その表面
積を大きくする、即ちその粉末を微粉末にすると、この
触媒能力が向上することが知られている。このことは、
水素吸蔵合金を微粉末とすることにより、その比表面積
の増大とともに触媒能力が改善されて、ニッケル−金属
水素化物電池の放電容量が向上することを意味する。し
かしながら、水素吸蔵合金を微粉末とする場合には、合
金粉末の個数が増えて合金粉末間の接点が増え、その結
果、導電性が低下して、水素吸蔵電極の内部抵抗が大き
くなるので、電池の初期放電容量が低く、最大放電容量
に到達するまでのサイクル数が多くなるなどの欠点があ
る。
【0006】また、従来水素吸蔵合金粉末をシート状の
水素吸蔵電極に成形するに際し、絶縁性の樹脂をバイン
ダーとして用いているために、バインダー樹脂が水素吸
蔵合金粉末粒子間の導電性を低下させている。そこで、
水素吸蔵合金粉末粒子間の導電性を改良して、内部抵抗
を小さくするために、導電材として粉末状のカーボン、
銅、ニッケルなどを多量に添加することが行われてい
る。例えば、水素吸蔵合金粉末1gに銅粉粉末3gを添
加混合することにより、図1(B)に示す様に、合金粉
末粒子の周囲を銅粉末で覆った断面構造を持つシート状
の水素吸蔵電極を作成し、二次電池の放電容量を改善す
ることが一般的におこなわれているが、満足すべき結果
は得られていない。
【0007】水素吸蔵合金粉末を銅、ニッケルなどの導
電性金属でメッキする方法は、電極の導電性を改善し、
電池の放電容量をも向上させるので、電池の性能向上と
いう点では、有用である。しかしながら、この方法は、
メッキ廃液の処理コストが高い;水素吸蔵合金粉末が全
面的にメッキされると、水素ガスの出入りが出来ず、電
池反応がおこらないので、特殊な方法で多孔質メッキを
する必要があり、製造コストが高くなるなどの点で、一
般的でない。
【0008】特開平5−9504号公報は、メッキ法の
欠点を改善するため、乾式で水素吸蔵合金粉末の周囲に
銅粉末と亜酸化銅粉末とを被覆させる方法を提案してい
る。この方法は、安全で且つ製造工程が簡単であり、し
かも得られた銅粉末被覆水素吸蔵合金を使用する二次電
池は、最大放電容量が大きいとされている。しかしなが
ら、この方法に用いる亜酸化銅粉末は、充電によって銅
に還元されてからその特性を発揮するため、電池の初期
放電容量が低く、且つ最大放電容量に到達するサイクル
数が多くなる。また、造粒により形成される粉末が球形
であるため、加圧成形によるシート状負極の形成が困難
であり、樹脂をバインダーとして負極を作成しなければ
ならない。従って、シート状負極の抵抗が高く、放電容
量の顕著な向上が認められないなどの問題がある。
【0009】また、特開平4−262367号公報によ
れば、水素吸蔵合金粉末とフレークニッケル粉末とを混
合することにより、水素吸蔵合金粉末の表面をフレーク
ニッケル粉末が容易に包み込んで、粒子間の導電性が向
上するとされている。しかしながら、この場合には、各
々の粉末粒子の形状が相違するので、単に2種の粉末を
混合するだけの操作では、均一な混合は困難であり、フ
レークニッケル粉末が水素吸蔵合金粉末を包むことは、
実際上困難である。しかも、この公報に記載の方法で
は、バインダーとして樹脂を用いて負極を作成するた
め、二次電池の放電容量が大きくは向上しないという本
質的な問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安全且つ低
コストで二次電池用の電極を製造することができる方法
を提供することを主な目的とする。
【0011】本発明は、さらに、最大放電容量が大き
く、且つ最大放電容量に到達するサイクル数が少ない二
次電池を形成し得る水素吸蔵電極を提供することをも、
目的とする。
【0012】
【問題を解決するための手段】本発明者は、水素吸蔵電
極の導電性の向上のための手段について種々検討を重ね
る過程において、導電性金属粉末を水素吸蔵電極内で連
続的に接触する様に配向させる場合には、樹脂を用いる
ことなく、加圧成形のみにより、薄くて、加工性に優れ
た水素吸蔵電極を作成することができること、その結
果、水素吸蔵電極の導電性が著しく改善されて、最大放
電容量が大きく、および最大放電容量に到達するサイク
ル数が少ない二次電池を形成しうることを見出した。
【0013】則ち、本発明は、下記の水素吸蔵電極およ
びその製造方法を提供するものである;1.45μm以
下の水素吸蔵合金粉末100重量部と、長径の平均が4
5〜100μmで且つ短径の平均が1〜20μmである
導電性金属粉末10〜30重量部とからなり、導電性金
属粉末の長径方向面が電極内で電極面に平行もしくは平
行に近い状態で連続的に接触したネットワークを形成し
ていることを特徴とする水素吸蔵電極。
【0014】2.45μm以下の水素吸蔵合金粉末10
0重量部と長径の平均が45〜100μmで且つ短径の
平均が1〜20μmである導電性金属粉末10〜30重
量部とからなる混合粉末を金型に充填して少なくとも一
回ローラ圧縮した後、加圧成型することを特徴とする水
素吸蔵電極の製造方法。
【0015】本発明方法においては、水素吸蔵電極の導
電性を高めるため、水素吸蔵合金粉末と導電性金属粉末
とを混合し、導電性金属粉末が連続的に接触して配向
し、導電性ネットワークを形成する様に、混合粉末を金
型に充填し、ローラ圧縮した後、加圧成形する。
【0016】本発明で使用する水素吸蔵合金は、特に限
定されず、AB5型の組成式で示されるLaNi5系合
金、MmNi5(Mmは、希土類合金の混合物であるミ
ッシュメタルを意味する)系合金、Ti−Mn系合金、
Ti−Cr系合金、Zr−Mn系合金、Ti−Fe系合
金、Ti−Ni系合金など;AB2の組成式で示される
Zr基のラ−ベス相合金;およびこれらの改良型;さら
には、水素と接触して金属水素化物を形成する合金であ
れば良い。水素吸蔵合金粉末は、45μm以下の粉末に
粉砕して使用する。水素吸蔵合金粉末の粒径が、45μ
m以下であれば、導電性金属粉末の分散が効率良く進行
するとともに、形成された水素吸蔵電極を電池に組み込
んだ場合に、良好な電池特性が得られる。
【0017】本発明で使用する導電性金属粉末は、従来
からニッケル−金属水素化物電池において導電性金属粉
末として使用されている銅(Cu)、ニッケル(N
i)、コバルト(Co)の単独の粉末或いはこれらの2
種以上からなる混合粉末、さらにはこれらのいずれか1
種に他のいずれか1種以上をメッキした複合粉末などで
あれば良い。粉末としては、長径と短径とを備えた粉末
であって、例えば、片状粉、樹枝状粉、繊維状粉、針状
粉などの形状をしたものが好ましい。具体的には、長径
の平均粒径が45〜100μm程度であり、且つ短径が
1〜20μm程度であって、長径の1/5〜1/50程
度(特に好ましくは1/10〜1/20程度)の粉末が
好適である。導電性金属粉末の長径が45μm未満或い
は短径が20μm以上の場合には、水素吸蔵合金粉末よ
り小さくなるため、導電性金属粉末の間に介在する複数
の水素吸蔵合金粉末を越えて、2つの導電性金属粉末同
士が直接触することができなくなることがあり、多くの
導電性金属粉末粒子が必要となる。この場合には、接点
数の増加、即ち接触抵抗が増大することにより、導電性
が低下して、従来使用されてきた通常の銅粉末と大差が
なくなる。一方、導電性金属粉末の長径が100μm以
上を超える場合或いは短径が1μm未満である場合に
は、水素吸蔵合金粉末との混合時に、形状および寸法の
相違により、偏析したり、或いは折れ曲がって、丸く凝
集し、連続的な接触配向状態が得られず、目的とする断
面構造になりにくい。
【0018】導電性金属粉末は、従来は水素吸蔵合金粉
末100重量部に対し、一般的に5〜300重量%の範
囲で添加して使用されているが、本発明方法によれば、
水素吸蔵合金粉末100重量部に対し、10〜30重量
部の範囲で配合すれば良い。導電性金属粉末の配合量が
10重量部未満の場合には、導電性金属粉末相互の連続
接触が不十分となり、導電性ネットワークが充分に形成
されなくなる。この場合には、導電性金属粉末により形
成されるネットワーク層間に存在する水素吸蔵合金粉末
の個数が、5粒子を上回る数となり、電池の放電容量の
向上が十分に達成されず、また最大放電容量に到達する
サイクル数が多くなり、さらに特性にばらつきを生じ
る。一方、導電性金属粉末の配合量が30重量部を超え
る場合には、添加に伴う顕著な配向性の向上は認められ
ず、且つ水素吸蔵合金粉末の周囲を導電性金属粉末が取
りまくことにより、水素ガスの円滑な吸放出が妨げられ
るため、最大放電容量の増大と最大放電容量に到達する
までのサイクル数の減少効果も達成されない。しかも水
素吸蔵電極の製造コストが高くなる。即ち、水素吸蔵合
金粉末100重量部に対する導電性金属粉末の配合量を
10〜30重量部とすることにより、電極内に導電性金
属粉末粒子が連続的に接触する様に配向した断面構造を
形成することが容易となり、電池の特性的にも、経済的
にも有利となる。
【0019】本発明による水素吸蔵合金電極を製造する
に際しては、まず、水素吸蔵合金粉末と導電性金属粉末
とを混合する。水素吸蔵合金粉末と導電性金属粉末は、
酸化しやすいので、空気中で混合する場合は、粉末冶金
関連分野で通常使用されている酸化防止剤乃至防錆剤を
添加して、粉末表面を被覆することが望ましい。この被
覆形成により、両粉末の酸化が防止されるとともに、両
粉末の分散性が改善され、電極内での導電性金属粉末の
配向性も改善される。酸化防止剤乃至防錆剤としては、
公知のステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸およ
びそれらの塩などを使用すれば良い。酸化防止剤乃至防
錆剤としては、特に液状の油脂の効果が顕著であるが、
固形状の油脂であっても、溶剤に溶解したものであれ
ば、液状の油脂と同様の効果が得られる。液状の油脂或
いは溶剤に溶解した油脂は、2種の粉末の混合時に粉末
を速やかに被覆して、混合の初期段階から酸化防止乃至
防錆効果を発揮するので、空気中での混合が可能とな
る。また、油脂を被覆された水素吸蔵合金粉末と導電性
金属粉末は、潤滑性をもつので、混合粉末中で粒子は相
互に滑り易く、移動し易くなる。その結果、導電性金属
粉末がロール圧縮による充填と長径と短径の長さの違い
による形状特性との相乗効果により、電極面に平行な一
定の方向にほぼ並ぶ(配向する)のである。
【0020】脆くて硬い水素吸蔵合金粉末とこれよりは
軟らかな導電性金属粉末とをライカイ機などを用いて混
合すると、水素吸蔵合金粉末はさらに微細に粉砕され
る。また、重なりあっていたり、凝集したりしていた導
電性金属粉末は、簡単に1個づつの粒子に分散される。
水素吸蔵合金粉末と導電性金属粉末との混合に使用する
混合機は、一般に粉末冶金分野で使われる混合機をその
まま使用することができる。より具体的には、例えば、
ライカイ機、ボールミル、振動ミル、アトライターなど
が例示される。特に、導電性ネットワーク間に存在する
水素吸蔵合金粉末の積み重なりの数を5粒子以内とする
ためには、混合操作中に重なりあったり、凝集したりし
た水素吸蔵合金粉末および導電性金属粉末を1個づつの
粒子に効率よく分散させる必要があるので、粉末に剪断
力を与えることのできるメカノフュージョンタイプの混
合機(例えば、ホソカワミクロン株式会社製のものが市
販されている)を用いることが好ましい。メカノフュー
ジョンタイプの混合機の操作条件は、特に限定されるも
のではないが、通常回転数300〜900rpm程度、
混合時間120〜5分程度とすれば良い。
【0021】水素吸蔵合金粉末と導電性金属粉末は、酸
化され易いので、アルゴンガス、窒素ガスなどの非酸化
性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。但し、上記の
様に、酸化防止剤乃至防錆剤を用いる場合には、空気中
で混合することもできる。用いる水素吸蔵合金粉末と導
電性金属粉末の大きさ、組成などは、所望の特性に応じ
て、上記の範囲内で適宣選択すればよい。
【0022】次いで、上記のようにして調製した混合粉
末を金型に入れ、ローラで圧縮して充填した後、加圧成
形してシート状の水素吸蔵電極を形成させる。この過程
において軟らかな導電性金属粉末と硬い水素吸蔵合金粉
末とは、加圧により強固に接触する。そして、図1の
(A)に示す様に、導電性金属粉末が電極面に平行乃至
ほぼ平行な方向に(換言すれば、成形加圧方向に垂直乃
至ほぼ垂直な方法に)連続的に接触して並んだ(配向し
た)断面構造を有するシート状水素吸蔵電極が得られ
る。この断面構造によれば、導電性金属粉末が、水素吸
蔵合金粉末から効率良く集電することが可能となる。ま
た、水素吸蔵合金粉末の周りを導電性金属粉末が密に被
覆することもないので、水素が水素吸蔵合金粉末から容
易に出入りできる。そして、導電性金属粉末が連続的に
配向しているので、マイクロ集電体となり、水素吸蔵電
極の内部抵抗を低下させる効果を発揮するのである。
【0023】上記のローラ圧縮による充填に際して、導
電性金属粉末は、長径が大きい程、水素吸蔵電極の電極
面に平行に並び易く(配向し易く)なる。即ち、単に水
素吸蔵合金と導電性金属粉末とを混合した状態では、導
電性金属粉末は、不規則な方向に配向している。しかる
に、金型内に充填した状態で、その一端から他端に向け
て移動するローラによる圧縮を少なくとも1回行う(よ
り好ましくは複数回繰返し行う)ことにより、一辺が他
辺よりも長い金属粉末、例えば長径が50μmの銅粉末
は、当初は金型内の混合粉末中で垂直方向を向いていた
としても、次第に水平方向に向きを変えてやがて電極面
に平行乃至ほぼ平行に並ぶのである。このローラ圧縮に
よる導電性金属粉末の配向特性は、長径が短径に比して
大きいほど顕著である。仮に導電性金属粉末の長径が水
素吸蔵合金粉末の寸法と同程度に小さい場合には、ロー
ラにより混合粉末を圧縮しても、水素吸蔵合金粉末に邪
魔されて、導電性金属粉末が電極面に実質的に平行且つ
連続的に配向した断面構造は得られない。 上記のロー
ラ圧縮工程においては、混合粉末中の水素吸蔵合金粉末
と導電性金属粉末の寸法および量的割合が本発明の規定
を満足していること、ならびに両粉末が均一に分散混合
された状態にあることという2つの条件が満たされる場
合には、混合粉末をローラで圧縮することにより、導電
性金属粉末が連続的に且つ電極面に平行乃至ほぼ平行に
配列した導電性ネットワークを形成しており、ネットワ
ーク間での水素吸蔵合金粉末の積み重なり個数がが5個
以内である層が形成される。仮に、混合粉末中に偏析が
あると、導電性金属粉末の配向が良好に行われず、且つ
水素吸蔵合金粉末の積み重なり数が5個を超えるので、
放電容量の向上という所望の目的が達成されない。
【0024】上記のローラ圧縮に際しては、必要なら
ば、所定の電極形状に対応する形状をした金型内に必要
量の半分の混合粉末をローラ圧縮しながら充填した後、
集電体(例えば、金属メッシュ)を載せ、残りの混合粉
末をローラ圧縮しながら充填しても良い。
【0025】次いで、金型内に充填された混合粉末をシ
ート状の水素吸蔵電極に加圧成形する。成型時の圧力
は、特に限定されるものではないが、通常5〜500M
Pa程度であり、より好ましくは100〜300MPa
程度である。
【0026】かくして、図1の(A)に示す様に、導電
性金属粉末粒子の長径方向面が電極面に平行に連続的に
接触して並んでおり、これらがマイクロ集電体の役目を
果たして、良好な特性を発揮するシート状の水素吸蔵電
極が得られる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な工程により、低
コストで特異な断面構造を有する水素吸蔵電極を製造す
ることができる。得られた水素吸蔵電極は、ニッケル−
金属水素化物電池の放電容量を著しく高め、最大放電容
量に到達するサイクル数を大幅に減少させ、電池の寿命
を延長させることができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより詳細に説明する。
【0029】実施例1 45μm以下に粉砕した水素吸蔵合金粉末(MmNi
3.65Co0.7Al0.65 :但し、Mmはミッシュメタルを
示し、希土類金属の混合物である)100gに対し、長
径の平均が49.3μm(短径の平均は、長径の1/1
0〜1/20の範囲内にある)の片状銅粉の混合量を1
0gから30gまで変化させて配合し、メカノフュージ
ョン装置により、800rpmで10分間混合した。
【0030】次いで、得られた3種の混合粉末のそれぞ
れ1.2gを金型(30mm×40mm×2mm)に入
れ、ローラで約2MPaの圧力を加え、圧縮しながら充
填した後、集電体である銅メッキしたニッケル金網を乗
せ、最後に残りの混合粉末1.2gをローラで約2MP
aの圧力を加え、圧縮しながら充填した。
【0031】次いで、上記の様にして得た3種の金型充
填物をそれぞれ100MPaで加圧成形し、30mm×
40mm×0.6mmのシート状成形体を得た。
【0032】このシート状成形体をセパレータであるポ
リアミド製の不織布で包んで負極とし、焼結型酸化ニッ
ケル電極を正極として、6N水酸化カリウム溶液を電解
液とする開放型電池を組み立てた。この開放型電池を温
度20℃の恒温槽に設置し、以下の(イ)〜(ハ)の操
作を1サイクルとする充放電を200サイクル繰り返す
実験を行い、開放型電池の最大放電容量とそれに到達す
るまでのサイクル数を測定した。 (イ)充電電流400mAで3時間充電する。→(ロ)
0.5時間休止する。→(ハ)放電電流200mAで電
圧が0.8Vに低下するまで放電する。
【0033】表1に混合粉末中の片状銅粉末の配合量
(重量部)と放電容量との関係を示す。なお、作成した
各電極試料の断面を顕微鏡で観察した結果、どの試料に
おいても、導電性ネットワーク間の水素吸蔵合金粉末の
積み重なり数は、5個以内であった(試料No.1〜
6)。
【0034】実施例2 45μm以下に粉砕したMmNi3.65Co0.7Al0.65
合金100gに対し、平均長径を10.0〜120.0
μmの範囲で変化させた各種の片状銅粉(短径の平均
は、平均長径の1/10〜1/20の範囲内にある)2
0gを配合し、メカノフュージョン装置により800r
pmで10分間混合した。
【0035】得られたそれぞれの混合粉末を使用して、
実施例1と同様にシート状負極を作成し、電池を組み立
て、最大放電容量とそれに到達するまでのサイクル数を
測った。
【0036】結果を表1に試料No.7〜10として示
す。作成試料の断面を顕微鏡で観察した結果、どの試料
においても、導電性ネットワーク間の水素吸蔵合金粉末
の積み重なり数は5個以内であった。
【0037】比較例1 45μm以下に粉砕したMmNi3.65Co0.7Al0.65
合金100gに対し、平均粒径25.1μmの片状銅粉
を5〜50gの範囲で混合した。次いで、従来法に準じ
て、それぞれの混合粉末にPTFE樹脂を5重量%の割
合で加え、良く混合し、ガム状のシートを作り、ニッケ
ル金網に包み、加圧力20MPaで30×40■×0.
6mmのシートを作成した。このシートをナイロン製セ
パレータで包んで水素吸蔵電極を作成した。この水素吸
蔵電極を負極とし、実施例1と同様にして電池を組み立
て、電池の最大放電容量とそれに到達するまでのサイク
ル数を測定した。なお、水素吸蔵電極の断面を顕微鏡で
観察したところ、導電性ネットワークは形成されておら
ず、片状銅粉は、平行して連続的に接触してはいなかっ
た。
【0038】結果を表1に試料No.11〜18として
示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示す結果から明らかな様に、本発明
による水素吸蔵電極を使用する場合には、電池の最大放
電容量が高く、且つ最大放電容量に到達するまでのサイ
クル数が少ないことが明らかである。これに対し、従来
技術による試料No.11〜18は、最大電池容量も低
く、最大放電容量に到達するサイクル数も満足すべきも
のではない。
【0041】実施例3 45μm以下に粉砕したMmNi3.65Co0.7Al
0.65合金100gに対し、平均長径が50.4μm(短
径の平均は、平均長径の1/10〜1/20の範囲内に
ある)の片状ニッケル粉を10〜30gまでの範囲で配
合し、集電体としてニッケル金網を用い、且つ成形圧力
を200MPaとした以外は、実施例1と同様にしてシ
ート状負極を作成し、電池を組立た後、実施例1と同様
にして最大放電容量とそれに到達するまでのサイクル数
を測った。
【0042】結果を表2に示す(試料No.19〜2
3)。なお、顕微鏡による断面観察によれば、どの試料
においても、導電性ネットワーク間の水素吸蔵合金粉末
の積み重なり数は、5個以下であった。
【0043】実施例4 45μm以下に粉砕したMmNi3.65Co0.7Al0.65
合金100gに対し、平均長径を11.2〜111μm
の範囲で変化させた片状ニッケル粉(短径の平均は、平
均長径の1/10〜1/20の範囲内にある)20gを
メカノフュージョン装置により回転数800rpmで1
0分間混合した。
【0044】次いで、実施例3と同様にしてシート状電
極を作成し、電池を組み立て、その最大放電容量とそれ
に到達するまでのサイクル数を測った。結果を表2に試
料No.24〜27として示す。なお、どの試料におい
ても、導電性ネットワーク間の水素吸蔵合金粉の積み重
なり数は、5個以内であった。
【0045】
【表2】
【0046】表2に示す結果から明らかな様に、導電性
金属粉末としてニッケルを使用する本発明の水素吸蔵電
極によっても、電池の最大放電容量が高くなり、且つ最
大放電容量に到達するまでのサイクル数が少なくなるこ
とが明らかである。
【0047】実施例5 45μm以下に粉砕したMmNi3.65Co0.7Al0.65
合金100gに対し、絵平均長径が49.3μmの片状
銅粉末(短径の平均は、平均長径の1/10〜1/20
の範囲内にある)と平均長径が50.4μmの片状ニッ
ケル粉末(短径の平均は、平均長径の1/10〜1/2
0の範囲内にある)を25/75〜75/25の重量比
で混合した粉末を10〜30gの範囲で配合し、メカノ
フュージョン装置により回転数700rpmで10分間
混合した後、実施例1と同様にしてシート状負極を作成
し、電池を組立て、その最大放電容量とそれに到達する
までのサイクル数を測った。
【0048】結果を表3に試料No.28〜34として
示す。なお、作成試料の断面を顕微鏡で観察した結果、
どの試料においても、導電性ネットワーク間の水素吸蔵
合金粉の積み重なり数は5個以内であった。
【0049】
【表3】
【0050】実施例6 平均長径が60.0μmで平均短径が3μmの銅とニッ
ケルとの複合粉末(両者の割合は、25/75〜75/
25の範囲)をボールミルで造り、45μm以下に粉砕
したMmNi3.65Co0.7Al0.65合金100gに対
し、10〜30gの範囲で配合し、メカノフュージョン
装置により回転数700rpmで10分間混合した後、
実施例1と同様にしてシート状負極を作成し、電池を組
立て、電池の最大放電容量とそれに到達するまでのサイ
クル数を測定した。
【0051】結果を表4に試料No.35〜41として
示す。なお、作成試料の断面を顕微鏡で観察した結果、
どの試料においても、導電性ネットワーク間の水素吸蔵
合金粉末の積み重なり数は5個以内であった。
【0052】
【表4】
【0053】実施例7 45μm以下に粉砕したMmNi3.65Co0.7Al0.65
合金100gに対し、平均長径が100μmで平均短径
が11μmの電解銅粉{長径である枝が縦横に良く発達
しており、短径(厚みが)が短い樹枝状銅粉}20gを
配合し、メカノフュージョン装置により回転数500r
pmで10分間混合した後、実施例1と同様にしてシー
ト状負極を作成し、電池を組立て、電池の最大放電容量
とそれに到達するまでのサイクル数を測定した。
【0054】結果を表5に試料No.42〜43として
示す。なお、作成試料の断面を顕微鏡で観察した結果、
どの試料においても、導電性ネットワーク間の水素吸蔵
合金粉末の積み重なり数は5個以内であった。
【0055】
【表5】
【0056】実施例8 45μm以下に粉砕したMmNi3.65Co0.7Al0.65
合金100gに対し、平均長径が45.1μmの片状コ
バルト粉末(短径の平均は、平均長径の1/10〜1/
20の範囲内にある)10gを加え、メカノフュージョ
ン装置により回転数500rpmで10分間混合した
後、実施例1と同様にしてシート状負極を作成し、電池
を組立て、電池の最大放電容量とそれに到達するまでの
サイクル数を測定した。
【0057】結果を表6に試料No.44として示す。
なお、作成試料の断面を顕微鏡で観察した結果、導電性
ネットワーク間の水素吸蔵合金粉末の積み重なり数は5
個以内であった。
【0058】
【表6】
【0059】試験例1 20重量%の片状銅粉末を20重量%の割合で配合した
本発明による実施例3と従来法による比較例13につい
て、電池の充放電特性を比べた結果を図2に示す。
【0060】図2から明らかなように、本発明の水素吸
蔵電極は、従来の水素吸蔵電極に比較して、最大放電容
量に達するまでのサイクル数が少く、最大放電容量が大
きく、且つ200サイクルまでの放電容量の劣化が少な
いことがわかる。
【0061】以上の結果から、本発明の方法により得ら
れた水素吸蔵電極を用いる電池は、従来法による水素吸
蔵電極を用いる電池に比して、最大放電容量が高く、最
大放電容量に達するサイクル回数が1/3程度と少な
く、また導電性金属粉末の混合量も少なくて良いことが
わかる。
【0062】本発明の方法で得られた水素吸蔵電極を、
例えばニッケル−金属水素化物電池に用いた場合には、
高い放電容量と最大放電容量に達するサイクル数が少な
いという優れた性能を発揮する電池が得られることが明
らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法による水素吸蔵電極の断面構造(A)
と従来法による水素吸蔵電極の断面構造(B)を比較し
て示す模式図である。
【図2】実施例3と比較例13で得られた水素吸蔵電極
を使用する電池の充放電特性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 信宏 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 上原 斎 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 吉永 弘 京都府京都市山科区西野山中臣町20番地 福田金属箔粉工業株式会社研究所内 (72)発明者 日▲高▼ 謙介 京都府京都市山科区西野山中臣町20番地 福田金属箔粉工業株式会社研究所内 (72)発明者 小平 良男 京都府京都市山科区西野山中臣町20番地 福田金属箔粉工業株式会社研究所内 審査官 鈴木 正紀

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】45μm以下の水素吸蔵合金粉末100重
    量部と、長径の平均が45〜100μmで且つ短径の平
    均が1〜20μmである導電性金属粉末10〜30重量
    部とからなり、導電性金属粉末の長径方向面が電極内で
    電極面に平行もしくは平行に近い状態で連続的に接触し
    たネットワークを形成していることを特徴とする水素吸
    蔵電極。
  2. 【請求項2】45μm以下の水素吸蔵合金粉末100重
    量部と、長径の平均が45〜100μmで且つ短径の平
    均が1〜20μmである導電性金属粉末10〜30重量
    部とからなる混合粉末を金型に充填して少なくとも一回
    ローラ圧縮した後、加圧成型することを特徴とする水素
    吸蔵電極の製造方法。
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