JP2726949B2 - スラッシュ成形型の加熱方法および加熱装置 - Google Patents

スラッシュ成形型の加熱方法および加熱装置

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JP2726949B2 JP33087389A JP33087389A JP2726949B2 JP 2726949 B2 JP2726949 B2 JP 2726949B2 JP 33087389 A JP33087389 A JP 33087389A JP 33087389 A JP33087389 A JP 33087389A JP 2726949 B2 JP2726949 B2 JP 2726949B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、スラッシュ成形における成形型の加熱方
法、およびその加熱装置に関するものである。
(従来技術) スラッシュ成形は、所定の温度に昇温された成形型の
キャビティ内に熱可塑性樹脂のプラスチゾル又は粉体を
充填し、成形面に溶融状の表皮体を付着させ、余剰の樹
脂を排出した後、キュアし脱型するものであり、自動車
内装品等の表皮体の成形を中心に広く利用されている。
スラッシュ成形は、前記したように成形型から原料を加
熱し、また冷却して液状になった樹脂原料を固化するも
のであるから、その成形工程においては成形型の加熱が
頻繁に行なわれる。
従って、スラッシュ成形においてスラッシュ成形型の
加熱昇温の遅早は成形能率に重大な影響を与える。
また、スラッシュ成形においては成形型の温度が高い
部分には大量の樹脂が溶融付着して成形品の厚みが厚く
なり、逆に温度の低い部分は厚みが薄いものとなる。
従って、均一な厚みの表皮体を成形するためには成形
型の温度分布を一様にすることが必要である。
そこで、従来スラッシュ成形の成形型の加熱は成型型
の背面に多数のパイプを溶接し、該パイプに高温の熱媒
体を通過させたり、スラッシュ成形型に直接熱風を当て
ることによって行なわれて来た(特公平1−45406号) (発明が解決しようとする課題) 従来の加熱手段は、成形型を均一に加熱すると言う点
では申し訳ないが、パイプを用いる前者の手段において
は成形型自体が複雑で、その製作費が高い欠点があり、
熱風を利用する手段においては昇温時間がやや長い不満
があった。
そこで、本発明は従来技術のかかる欠点に着目し、成
形型を均一に早く加熱することができ、且つ成形型の構
造も単純であって、制作も容易であるスラッシュ成形型
の加熱方法を提案し、同時にその加熱装置をも開示する
ことを目的とする。
(課題を解決するための手段) しかしては、前記した目的を達成するための本発明の
特徴は一つには温度180以上、密度14kg/m3以上であって
飽和状態に近い気体を加熱槽中に充満させ、該気体中に
スラッシュ成形型を浸漬するスラッシュ成形型の加熱方
法(以下請求項1の発明)にある。
また、今一つの特徴は、上面が開口する加熱槽の底部
に加熱部が配され、上端部には冷却帯が設けられると共
に加熱槽の加熱部には沸点が180℃以上であり、気化状
態における密度が14kg/m3以上の液体である加熱媒体が
満たされていること特徴とするスラッシュ成形型の加熱
装置(以下、請求項2の発明)にある。
請求項1記載の発明においては、加熱槽中には空気の
密度に比べて十分に重い気体が充満されている。従っ
て、該気体は加熱槽の内部にたまり加熱槽の外部には容
易に漏れ出さない。また該気体中には空気が存在するこ
とができず、気体濃度は高いものとなる。この状態で加
熱槽中に成形型を浸漬すると、気体が成形型を包み込み
その表面で凝縮して凝縮潜熱を放出し、成形型に大きな
熱量を急速均一に与える。
請求項2の発明においては、加熱部によって加熱媒体
が加熱され気化される。気化した加熱媒体は加熱槽の底
部により次第に増加し、その気体と空気との接触面が上
昇する。
しかし、加熱槽の上端部には冷却帯が設けられている
ため、冷却帯にまで達した気体は当該部分によって冷却
され、再び液化して加熱槽中に落下し、気体が加熱槽か
ら漏れ出ることが防止される。
気体の温度は少なくとも熱可塑性樹脂を溶融できる程
度に成形型を昇温する必要から少なくとも180℃以上必
要である。通常塩化ビニル樹脂の粉体をスラッシュ原料
として使用する場合は210℃前後が利用されるが、500℃
前後までの気体は利用可能である。密度は十分に空気を
排出することができ、且つ気体自体が加熱槽から漏れ出
ないために14kg/m3以上が要求される。
(実施例) 以下更に本発明の具体的実施例について説明する。
図は請求項1の発明のスラッシュ成形型の加熱方法の
工程を示すスラッシュ成形型の加熱装置の断面図であ
る。
図において1はスラッシュ成形型の加熱装置を示し、
2はスラッシュ成形型を示す。スラッシュ成形型の加熱
装置1は上面が開口する加熱槽7の底部には加熱部3が
設けられ、上端部には冷却帯4が設けられたものであ
り、加熱部3には熱媒体5が満たされて成るものであ
る。加熱槽7は鋼等によって制作され、外周面はグラス
ウール等によって保温がなされている(保温槽は図示せ
ず)。加熱部3は電熱線による電機ヒータ6が装着され
ている。冷却帯4は加熱槽1の内面にコイル状のパイプ
8が配設されたものであり、該パイプ8内には冷却水が
循環されている。熱媒体5は例えばフッ素系不活性液体
であり、その沸点は210℃、気化状態における密度はそ
れぞれ15.0kg/m3である。スラッシュ成形型2は公知の
手段によって最終製品の形状模写された金型である。
本実施例のスラッシュ成形型2は、その特殊な構成と
して、成形部10の他に該成形部10を連続し、一定の深さ
を持たせる箱型の延長部11を有し、更に延長部11の先端
部分はフランジ状に水平に折り返された、折り返し部12
を形成している。
本実施例のスラッシュ成形型の加熱方法は、まずその
準備段階として電気ヒータ6に通電し、熱媒体5を加熱
昇温する。熱媒体5が所定の温度に達すると熱媒体5が
沸騰を開始する。そして、発生した気体は次第に加熱槽
7の底面にたまり増加して行く。この気体は空気に対し
て非常に重いので、当該気体内に空気は存在することが
できない。
また、加熱槽の上面は開孔しているので気体は常に沸
点温度に保たれている。
更に加熱を続けると気体と空気の接触面は冷却帯4に
達する。冷却帯4に達した気体は冷却され、元の液体状
に戻って落下するため、気体は常に一定の量に保たれ
る。
そして、図のようにスラッシュ成形型2を折り返し部
12を加熱槽1の上端に当接した状態で内部に吊り下げ、
スラッシュ成形型2の成形部10の外表面を気体中に浸漬
する。
尚、本実施例においては成形部10の外表面のみを気体
中に浸漬したがスラッシュ成形型の内面を含めて全体を
浸漬しても勿論かまわない。成形型2の成形部10の外表
面に接した気体は急速に液化し、その時の潜熱を成形型
に与える。液化した熱媒体は落下し、再び再生使用され
る。成形型が所定の温度に達すると外表面に付着する熱
媒体の液体は減少し消滅する。
尚、付言すれば多少外表面に液体が付着していても、
加熱媒体として、発熱の小さいものを選択すれば、比較
的早く表面は乾燥し、実質的に液状の熱媒体が問題にな
ることは少ない。
(効果) 本発明のスラッシュ成形型の加熱方法は、従来のよう
な成形型背面のパイプ加工を必要としないため、非常に
簡単な構造の成形型をもってスラッシュ成形することが
できる効果がある。
また、本発明は熱媒体の潜熱を利用するため早期の昇
温が可能である。
更に、本発明は成形型が浸漬される部分において熱媒
体の濃度が高いためすみずみまで均一に加熱することが
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
図は請求項1の発明のスラッシュ成形型の加熱方法の工
程を示すスラッシュ成形型の加熱装置の断面図である。 1……スラッシュ成形型の加熱装置 2……スラッシュ成形型 3……加熱部 4……冷却帯 5……熱媒体 6……電気ヒータ 7……加熱槽 10……成形部 12……折り返し部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度180℃以上、密度14kg/m3以上であって
    飽和状態に近い気体を加熱槽中に充満させ、該気体中に
    スラッシュ成形型を浸漬することを特徴とするスラッシ
    ュ成形型の加熱方法。
  2. 【請求項2】上面が開口する加熱槽の底部に加熱部が設
    けられ、上端部には冷却帯が設けられると共に加熱槽の
    加熱部には沸点が180℃以上であり、気化状態における
    蒸気密度が14kg/m3以上の液体である加熱媒体が満たさ
    れていることを特徴とするスラッシュ成形型の加熱装
    置。
JP33087389A 1989-12-19 1989-12-19 スラッシュ成形型の加熱方法および加熱装置 Expired - Lifetime JP2726949B2 (ja)

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