JPH07256392A - 石膏鋳型およびその製造方法 - Google Patents

石膏鋳型およびその製造方法

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JPH07256392A
JPH07256392A JP4744394A JP4744394A JPH07256392A JP H07256392 A JPH07256392 A JP H07256392A JP 4744394 A JP4744394 A JP 4744394A JP 4744394 A JP4744394 A JP 4744394A JP H07256392 A JPH07256392 A JP H07256392A
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JP
Japan
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gypsum mold
gypsum
mold
wax
drying
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JP4744394A
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English (en)
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Ryuhei Shigehisa
竜平 重久
Masayuki Hasebe
眞之 長谷部
Naoji Ono
直次 小野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乾燥時に割れを生じない石膏鋳型を提供する。 【構成】石膏と水をからなるスラリーを図示しない鋳枠
に流し込み、固化させて成型された石膏鋳型1であっ
て、石膏鋳型1内にはワックス2が配置されている。こ
の石膏鋳型1を乾燥させる際、石膏鋳型1内に配置され
たワックス2は溶融蒸発し、石膏鋳型1の内部1bと石
膏鋳型1外とを連通する貫通孔2となるため、石膏鋳型
1の表面1aとともに内部1bも同時に直接加熱され
る。こうして石膏鋳型1の表面1aと内部1bが従来よ
りも温度差のない状態で加熱されるため、収縮差を生じ
ることなく乾燥された石膏鋳型1を得ることが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石膏鋳型およびその製造
方法に関し、特に寸法精度の高いダイカスト鋳造に用い
られる石膏鋳型の構造とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、安価で製作の容易な石膏で形成
した比較的小さな型厚100mm程度の鋳型を用いて製
品を製作していた。石膏は熱伝導率が比較的小さいため
溶湯の温度が下がりにくく固化しにくいので、薄肉製品
の鋳造を行う際の鋳型に適している。しかしながら石膏
は通常凝固時は結晶水を伴って凝固するため、鋳造用鋳
型として石膏で形成された石膏鋳型を用いると石膏鋳型
内の結晶水が蒸発し、この蒸発した水蒸気により爆発を
起こして石膏鋳型を損傷したり、鋳造時に水分がキャビ
ティ内に侵入して鋳造欠陥を起こす等の問題を生じてい
た。
【0003】このため特開昭63−212034に開示
されるように、鋳造を行う前に石膏鋳型を250℃の温
度まで乾燥させて結晶水を除去してから鋳造を行い、鋳
造時に鋳型を損傷したり鋳造欠陥を起こさずに鋳造を行
う技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで技術の多様化
に伴い、比較的寸法精度の高く大きな鋳物の鋳造を行う
ため、図4に示すような従来よりも型厚の大きな石膏鋳
型101を用いて鋳造を行う傾向がある。このような型
厚の大きな石膏鋳型101を用いて鋳造を行う際、この
石膏鋳型101の乾燥を行う場合に以下にあげる原因か
ら石膏鋳型101に割れが生じてしまうという問題を生
じていた。
【0005】石膏は通常乾燥するとその結晶水が蒸発す
るため、体積が収縮する。この時の石膏の体積の収縮率
は乾燥温度によって決まり、図5に示す。図5の横軸は
乾燥温度を示し、縦軸はこの時の収縮量を体積の百分率
で示している。例えば乾燥温度250℃で乾燥すると約
1%体積が収縮する。図6は石膏鋳型を乾燥する際の図
4に示す石膏鋳型の表面Aと内部Bの乾燥時間と温度変
化を示す。石膏鋳型を乾燥させる乾燥手段の温度設定を
αで示したパターンで設定したところ、石膏鋳型の表面
Aの計測温度はβ、石膏鋳型の内部Bの計測温度はγで
表される上昇カーブを描いた。
【0006】表面Aは比較的乾燥手段の熱源に近いの
で、βの温度変化はαの温度変化と略同一である。しか
しながら内部Bは比較的乾燥手段の熱源から遠く、石膏
は熱伝導率が低いので、γはα及びβに対して時間的に
かなり遅れて温度が上昇する。表面Aと内部Bとの距離
が200mmの石膏鋳型101の場合は図6のように比
較的短時間で加熱すると、Cに示すように最大約120
℃の温度差が生じる。このため表面Aと内部Bの収縮率
の違いにより、石膏鋳型101に割れを生じていた。
【0007】本発明は前述の問題点に鑑みてなされたも
のであり、石膏鋳型内部への熱伝導の経路を従来よりも
増やすことにより、石膏鋳型の内部と表面の温度差を従
来よりも小さい状態で石膏鋳型を乾燥させることを課題
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めの本発明の石膏鋳型は、石膏と水からなるスラリーを
鋳枠に流し込み固化させて成型する石膏鋳型であって、
石膏鋳型に石膏鋳型外と連通する貫通孔を備えることを
特徴とするものである。
【0009】また本発明の石膏鋳型の製造方法は、石膏
と水からなるスラリーを鋳枠に流し込み、ワックスを鋳
枠内に配置する工程と、スラリーを固化させて石膏鋳型
を成型する工程と、石膏鋳型を加熱してワックスを溶融
蒸発させ、石膏鋳型内部と石膏鋳型の外部を連通する貫
通孔を形成させた後に石膏鋳型を乾燥させる工程とを有
することを特徴とするものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の石膏鋳型の作用を以下に示す。
石膏鋳型の乾燥時、石膏鋳型表面に熱が伝わり石膏鋳型
表面に伝わった熱は石膏鋳型表面を加熱し温度上昇させ
る。これに伴い石膏鋳型内部に設けられたワックスが溶
融蒸発して、石膏鋳型内部と石膏鋳型外を連通する貫通
孔を形成する。次いで石膏鋳型に形成され石膏鋳型外と
連通する貫通孔に石膏鋳型外から熱が侵入する。こうし
て石膏鋳型内部も直接加熱される。
【0011】請求項2記載の石膏鋳型の製造方法の作用
を以下に示す。石膏を水と混合して一様のスラリーと
し、鋳枠に流し込んだ後、または同時、或いはスラリー
を鋳枠に流し込む前にワックスを鋳枠の所定の位置に埋
設させてスラリーを固化させて石膏鋳型を成型する。こ
れにより任意の形状についても所定の位置に貫通孔を成
型することが可能となる。次にこの石膏鋳型を乾燥させ
ワックスを溶融蒸発させることにより、ワックスが埋設
されていた部位に貫通孔を形成する。これにより所定の
位置に割れを伴うことなく容易に貫通孔を形成すること
が可能となって、型厚の略一定な石膏鋳型を成型するこ
とが可能となる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。図1は本発明
の石膏鋳型の一部構成を示す斜視図であり、1は石膏と
水からなるスラリーを図示しない鋳枠に流し込みワック
スを鋳枠内に配置して成型された石膏鋳型を示す。2は
石膏鋳型1の所定位置に設けられるワックス、3は石膏
鋳型1を移動させる際に図示しない駆動手段と接続させ
るためのパイプを示す。ワックス2の量は石膏鋳型1の
形状に応じて決まり、本実施例のワックス2の寸法は、
径が18mm、長さが600mmの円柱形状のものを石
膏鋳型1内にワックス2の径方向に互いに50mmずつ
離間させて並列に配置させる。
【0013】図2は石膏鋳型1成型後、石膏鋳型1を乾
燥させる装置の概略を示す。4は石膏鋳型1を乾燥させ
る乾燥炉、5は乾燥炉4内に設けられ石膏鋳型1をその
上面に載置させる台である。石膏鋳型1を台5の上面に
載置させた時に石膏鋳型1に対向されるようにファン6
を配置し、ファン6の図上方で乾燥炉4の内壁にヒータ
ー7が設けられている。本実施例ではファン6、ヒータ
ー7はそれぞれ2個ずつ配置されているがこれに限定さ
れるものではなく、これらファン6、ヒーター7の数が
多いほど乾燥時間が短くなるという効果がある。
【0014】図3は本実施例の石膏鋳型を乾燥する際、
図1の1aと1bで測定した乾燥時間と温度変化の関係
を示す図である。Pは乾燥炉4の加熱パターンを、Qは
石膏鋳型1の表面1aの温度変化を、またRは石膏鋳型
1の内部1bの温度変化を示す。
【0015】本実施例の作用を、図1乃至図3を用いて
以下に示す。石膏と水を混合してスラリーとし図示しな
い鋳枠に流し込む。次に、或いは同時に、またはスラリ
ーを鋳枠に流し込む前に前述のワックス2を鋳枠内に互
いの距離が50mm離間されるように並列に配置させ、
所定の時間放置してワックス2を鋳枠内部に設けた状態
で石膏を固化させる。この時ワックス2は互いに50m
m離間して配置されるが50mmよりも接近して配置さ
せると、ワックス2とワックス2の間の石膏が薄くなっ
て強度が小さな鋳型となるので、50mm以上離間して
配置させるのが良い。こうして成型された石膏鋳型1の
固化後図2の乾燥炉4内の台5の上面に石膏鋳型を配置
させてヒーター7で温められた熱風を矢印の向きにファ
ン6で石膏鋳型1に送り乾燥させる。
【0016】この時ヒーター7から石膏鋳型1へ向かっ
て送られる熱風が、石膏鋳型1の表面1a及びワックス
2にあてられ熱を伝える。ワックス2に伝わった熱は約
100℃でT1で示す約3時間の間にワックス2を溶融
させ次いで蒸発させるため、ワックス2が配置されてい
た部位はそのワックス2の形状の貫通孔2となる。続け
て乾燥炉4から熱風を送り続け、T2で示す約10時間
の間約150℃で加熱する。石膏鋳型1の表面1a及び
貫通孔2内壁に熱が伝わり、石膏鋳型1の表面1a及び
内部は従来よりも温度差なく温度上昇し、次いでT3で
示す約15時間の間約250℃で乾燥させる。この時R
で示される内部1bの温度上昇は表面1aの温度上昇を
示すQと最大でも約50℃の温度差であることにより、
乾燥に伴う割れを生じない石膏鋳型1を製造することが
可能となる。
【0017】この他にも石膏鋳型1を用いて鋳造する
際、キャビティ内に溶湯を充填する時にキャビティ内の
空気の抜けが良い方が溶湯が充填されやすくなって作業
性が高くなる。本実施例はキャビティの周辺の所定部位
に鋳型外と連通する貫通孔が形成されているため、キャ
ビティ周辺の型厚が一様に薄くなってキャビティ内の減
圧効果が高まる。こうして従来よりも鋳造欠陥のない製
品を作業性良く作ることが可能となる。
【0018】尚、本実施例はワックスを用いて石膏鋳型
に貫通孔を形成することにより石膏鋳型を製造するが、
これに限定されるものではなくドリル等を用いて鋳型に
貫通孔を形成しても同等の効果を有する石膏鋳型を製造
することができる。しかしながら、ドリルでの貫通孔形
成時、割れを生じることがあるため十分な注意が必要で
ある。これに対し、上述のワックスを用いて石膏鋳型を
製造する方法を用いる場合は、石膏鋳型に孔形成時の割
れを生じることなく貫通孔を形成するという効果が得ら
れる。
【0019】更に本実施例では石膏鋳型内の所定位置に
ワックスを設けた状態で石膏鋳型を成型するが、ワック
スに限定されるものではなくワックス以外にも石膏鋳型
の乾燥温度より低い温度で消失する部材であれば同様の
効果を得ることが可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の石膏鋳型は、石
膏と水からなるスラリーを鋳枠に流し込み固化させて成
型し、石膏鋳型に石膏鋳型外と連通する貫通孔を備える
ことにより石膏鋳型乾燥時、石膏鋳型表面と鋳型内部を
同時に乾燥させて、石膏鋳型の内部と表面を温度差なく
乾燥させることにより温度差による収縮差を減少させて
割れを生じることない石膏鋳型を得ることが可能とな
る。
【0021】本発明の請求項2記載の石膏鋳型の製造方
法は、石膏と水からなるスラリーを鋳枠に流し込み、ワ
ックスを鋳枠内に配置して固化させ石膏鋳型とし、石膏
鋳型乾燥時にワックスが溶融蒸発してワックスの配置さ
れていた部位を貫通孔とするので、容易に且つ石膏鋳型
を傷つけることなく石膏鋳型に貫通孔を形成することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラリー固化後の石膏鋳型の一部を示
す斜視図である。
【図2】本発明の石膏鋳型を乾燥させる乾燥炉を示す概
略図である。
【図3】本発明の石膏鋳型を乾燥させる際の鋳型内の乾
燥時間と温度変化を示す図である。
【図4】従来の石膏鋳型の一部構成を示す正面図であ
る。
【図5】石膏を乾燥させる際の乾燥温度と石膏の収縮量
を示すグラフである。
【図6】従来の石膏鋳型を乾燥させる際の乾燥パターン
と石膏鋳型表面、石膏鋳型内部の温度変化と乾燥時間の
関係を示すグラフである。
【符号の簡単な説明】
1 石膏鋳型 1a 石膏鋳型表面 2 ワックス 3 駆動用パイプ 4 乾燥炉 5 台 6 ファン 7 ヒーター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石膏と水からなるスラリーを鋳枠に流し込
    み固化させて成型する石膏鋳型であって、該石膏鋳型に
    該石膏鋳型外と連通する貫通孔を備えることを特徴とす
    る石膏鋳型。
  2. 【請求項2】石膏と水からなるスラリーを鋳枠に流し込
    み、ワックスを前記鋳枠内に配置する工程と、前記スラ
    リーを固化させて石膏鋳型を成型する工程と、前記石膏
    鋳型を加熱して前記ワックスを溶融蒸発させ、前記石膏
    鋳型内部と該石膏鋳型の外部を連通する貫通孔を形成さ
    せた後に前記石膏鋳型を乾燥させる工程とを有すること
    を特徴とする前記石膏鋳型の製造方法。
JP4744394A 1994-03-17 1994-03-17 石膏鋳型およびその製造方法 Pending JPH07256392A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005107976A1 (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Shonan Design Co., Ltd. 精密鋳造用プラスターモールドの乾燥・脱ロウ・焼成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005107976A1 (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Shonan Design Co., Ltd. 精密鋳造用プラスターモールドの乾燥・脱ロウ・焼成方法

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