JPH07204780A - 鋳物製品の製造装置および製造方法 - Google Patents

鋳物製品の製造装置および製造方法

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JPH07204780A
JPH07204780A JP29170794A JP29170794A JPH07204780A JP H07204780 A JPH07204780 A JP H07204780A JP 29170794 A JP29170794 A JP 29170794A JP 29170794 A JP29170794 A JP 29170794A JP H07204780 A JPH07204780 A JP H07204780A
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mold
casting
molten metal
cooling
product
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JP29170794A
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Kaoru Kondo
馨 近藤
Tsuneaki Fujisawa
恒昭 藤沢
Jiro Yamashita
次郎 山下
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Toyota Motor Corp
Gifu Seiki Kogyo KK
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Gifu Seiki Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳物製品のヒケ巣発生防止と強度向上。 【構成】 型2内に溶湯10を注湯して鋳物製品、たと
えば金型を製造する装置、方法であって、型2内に水平
方向に延びる冷却配管群14を上下方向に複数段配設
し、冷却配管群14に一側から他側に順に冷媒(水また
はスチーム)を通して時系列的に指向性凝固させる。
上、下面が先に冷えて初晶ができ後で高さ方向中央が冷
却するという状態が生じないから、ヒケ巣が生じず、し
かも中央が樹枝状組織となって強度も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳物製品の製造装置お
よび製造方法に関し、鋳物製品がたとえばプラスチック
等の成形用金型である場合その金型の製造装置および製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの射出成形用、圧縮成形用
金型に、亜鉛基合金が用いられており、鉄鋼(SCM4
40等)使用金型に比べて、低コスト、短納期という利
点があるが、機械的物性に劣るという欠点がある。強度
向上のために、アルミニウム等の含有量を増大せしめた
亜鉛基合金が開発されているが、製品形成面を機械加工
で形成しているためコストが高く、納期もながい。そこ
で、その亜鉛基合金を鋳造して金型を形成することが考
えられるが、その鋳造技術が開発されていないために、
型としての実体強度はカタログ値を大幅に下まわってい
る場合が殆んどである。とくにアルミニウム含有量が7
%以上の亜鉛基合金では、凝固過程において先行する凝
固相(初晶)が浮上するために、大気圧による押湯がき
かず、面品質が必要な金型製品面側に引け巣等の欠陥が
生じやすい。また、冷却速度も遅いために、結晶の粗大
化を招き、強度が確保できないことが多い。このような
問題を軽減するための方法として、特開昭61−424
71号公報または特公平1−38590号公報に開示さ
れているような、溶湯の凝固を速めたい部位のキャビテ
ィ部位に冷却配管を配しそこに冷媒を流して溶湯内部を
局部的に強制冷却することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、局部的強制冷
却を行って指向性凝固させても、冷却配管のまわりと、
大気に触れる溶湯上面とが速く冷却されて凝固し、大気
の押湯がきかないために、内部が遅れて冷えて収縮した
ときに溶湯が補給不足となり、製品にヒケ巣を発生させ
やすい。また、遅れて冷却する部位は結晶が粗大化しや
すく、強度が十分に出ない。とくに、アルミニウムの含
有量を増大させた亜鉛基合金の溶湯では、初晶として凝
固するアルミニウムの量が多い。アルミニウムの初晶の
比重は軽いので、上面に浮上り、上面に初晶の多い部分
ができて、大気で冷却され、凝固が進み、大気の押湯が
効かないために、上記の問題が顕著に現れ、折角の冷却
配管による指向性凝固が十分に働かない。本発明の目的
は、冷却配管を溶湯中に配して指向性凝固させる鋳物製
品の製造装置および製造方法において、製品鋳物(製品
鋳物がプラスチック成形用等の金型である場合はその金
型)にヒケ巣等の鋳造欠陥を生じさせにくく、しかも製
品鋳物の強度(表面および内部の強度)も従来に比べて
増大できる鋳物製品の製造装置および製造方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の装置および方法は次の通りである。 (1)金属溶湯が注湯される鋳造用の型と、前記型の鋳
造キャビティにほぼ水平方向に延びる冷却配管を上下方
向に複数段設けた溶湯冷却用の冷却配管群と、前記型の
鋳造キャビィに配置された温度検出手段と、前記冷却配
管群に接続された配管に設けられ前記冷却配管群への冷
媒の流れを調節するバルブ群と、を備える鋳物製品の製
造装置。 (2)前記型の、鋳物製品の表側を形成する面が、高面
品質材から構成されている(1)記載の鋳物製品の製造
装置。 (3)前記高面品質材の背面に型冷却用の冷却配管群が
配設されている(2)記載の鋳物製品の製造装置。 (4)鋳物製品が金型であり、高面品質材が、金型の製
品面を形成する部分に使用されている(2)または
(3)記載の鋳物製品の製造装置。 (5)金属溶湯が注湯される鋳造用の型と、前記型の鋳
造キャビティの鋳造キャビティにほぼ水平方向に延びる
冷却配管を上下方向に複数段設けた溶湯冷却用の冷却配
管群と、前記型の上方に配置され型の鋳造キャビティに
注湯された溶湯の上面を加熱可能な加熱手段と、前記型
の鋳造キャビィに配置された温度検出手段と、前記冷却
配管群に接続された配管に設けられ前記冷却配管群への
冷媒の流れを調節するバルブ群と、からなる鋳物製品の
製造装置。 (6)金属溶湯が注湯される鋳造用の型と、前記型の鋳
造キャビティにほぼ水平方向に延びる冷却配管を上下方
向に複数段設けた溶湯冷却用の冷却配管群と、前記型の
鋳造キャビティ下方に通じる押湯と、前記型の鋳造キャ
ビィに配置された温度検出手段と、前記冷却配管群に接
続された配管に設けられ前記冷却配管群への冷媒の流れ
を調節するバルブ群と、からなる鋳物製品の製造装置。 (7)前記押湯に溶湯加熱手段を備えている(6)記載
の鋳物製品の製造装置。 (8)型の鋳造キャビティに、ほぼ水平方向に延びる冷
却配管を上下方向に複数段設けた溶湯冷却用の冷却配管
群と、温度検出手段とを有する鋳物製品の鋳造用の型の
前記鋳造キャビティに金属溶湯を注湯し、前記温度検出
手段で鋳造キャビティの溶湯温度を検知し冷却配管群に
接続された配管に設けられたバルブ群を調節することに
より、鋳造キャビティに注湯された溶湯を、鋳造キャビ
ティの一方の側から他方の側に向かう方向に順に指向性
凝固させていく、工程からなる鋳物製品の製造方法。 (9)鋳物製品が金型であり、鋳造キャビティの前記金
型の製品面を形成する側から遠ざかる方向に順に指向性
凝固させていく(8)記載の鋳物製品の製造方法。
【0005】
【作用】上記(1)〜(7)の装置、(8)、(9)の
方法では、溶湯が鋳物製品の表て側表面から裏側に順に
凝固されるから、表て側表面は冷却速度が大でち密な組
織となり、表面強度が大となり、表面精度も良好にな
る。また、内部が最後に凝固することがなくなるから、
内部が最後に凝固する場合に生じるヒケ巣の発生もな
く、鋳造歪による内部応力も生じにくく、かつ生じても
裏面側へと逃げ、組織も微細になって内部強度も大幅に
増大する。さらに全体に冷却速度が速くなるので、鋳物
製品全体の凝固組織が微細になる。アルミニウムを多量
に含有する亜鉛基合金でも、アルミニウムが上方に浮上
しても表て側から裏側に向って順に凝固させることによ
り、上記の作用が得られる。
【0006】
【実施例】図1−図4、図6は本発明の第1実施例の鋳
物製品(たとえば、金型)の製造装置および製造方法を
示しており、図7、図8は本発明の第2実施例の鋳物製
品の製造装置および製造方法を示している。全実施例に
共通な構成部分には、全実施例にわたって同じ符号を付
してある。はじめに、本発明の全実施例に共通な装置部
分および方法部分を、たとえば図1〜図6を参照して説
明する。図1、図2に示すように、型2は耐熱性を有す
る型であり、たとえば金枠4とその内部の砂型6とから
なる。型2は、鋳物製品(たとえば、金型)の製品形成
表面(製品面)に接触する部位に、高面品質材鋳型部8
を有している。高面品質材鋳型部8は、たとえばセラミ
ックからなり、凹凸は5μ以下である。高面品質材8を
設ける理由は、鋳物製品(たとえば、金型)の製品面品
質を上げるためである。型2の鋳造キャビティ(以下、
単にキャビティともいう)に金属溶湯10が注湯され
る。第1実施例では、型2の鋳物製品の製品面を形成す
る面はキャビティの下面を形成する面であり、キャビテ
ィは上方が開放している。第1実施例で、キャビティ上
方を開放している理由は、溶湯に大気圧の押湯を働かせ
ることと、注湯後に溶湯上面を加熱するための加熱手段
12を設けて溶湯上面を加熱可能とするためである。第
2実施例では、型2の、鋳物製品の製品面を形成する面
は、キャビティの上面を形成する面であり、キャビティ
は上方に開放していない。第2実施例で、キャビティ上
方を開放していない理由は、溶湯の液頭圧を押湯として
作用させるためである。
【0007】型2のうち、高面品質材鋳型部8が設置さ
れた型面は、通常、凹凸は有しているが、キャビティの
下面または上面を構成して、ほぼ水平方向に延びてい
る。キャビティに溶湯10が注湯され充填されたとき
に、溶湯は高面品質材鋳型部8に接する。キャビティは
上下方向にかなりの厚みを有しており、後述する冷却配
管が設けられない場合には、図5(従来例)に示すよう
に、鋳型に接触する下部と、大気から冷却される上部か
ら凝固が始まり、凝固は上下面から上下方向中央に向っ
て進む。図5で、アルミニウム含有量の多い亜鉛基合金
溶湯の場合は、初晶として凝固したアルミニウムが上面
に浮上し、早期に上面に凝固層ができ、大気圧の押湯が
きかなくなって、内部が後で凝固したときにヒケ巣発生
の要因となる。しかし、本発明ではキャビティが上下方
向に大きな厚みをもっても、後述するように、キャビテ
ィ内溶湯が鋳物製品の表側から裏側(第1実施例では下
から上に向って、また第2実施例では上から下に向っ
て)順に凝固するように凝固方向が制御されるので、問
題は生じない。
【0008】型2内には、溶湯冷却用の冷却配管群14
が配設されている。冷却配管群14は、ほぼ水平方向に
延びる複数の配管14−1、14−2、14−3を、上
下方向に複数段設けたものからなる。型2の鋳物製品表
て側面に最も近い冷却配管群14−1は、キャビティ内
でかつ型2の鋳物製品表て側面に近い位置に設けられて
いる。型2の鋳物製品表て側面から最も遠い冷却配管群
14−3はキャビティ内でかつ型2の鋳物製品表て側面
から遠い位置に設けられている。冷却配管群14−1か
ら冷却配管群14−3まで、上下方向に所定の間隔で途
中の冷却配管群14−2が配設されている。冷却配管群
14の冷却配管は型2を水平方向に貫通しており、水、
スチーム等の冷媒が配管14内に流される。これによっ
て、溶湯10が冷却される。冷却配管14はスチールや
銅のパイプからなる。冷却配管14は溶湯凝固によりそ
のまま鋳物内に残され、鋳ぐるまれる。このような鋳ぐ
るみ配管を鋳造された金型の冷却水通路として使うこと
により、金型にあらためて冷却水通路をドリル等で機械
加工する手間が省ける。
【0009】上下方向に複数段配された冷却配管群14
には、各群に対して、その群とほぼ同じ高さ位置に、溶
湯の温度を検出可能な温度検出手段16が設けられてい
る。温度検出手段16−1、16−2、16−3はそれ
ぞれ冷却配管群14−1、14−2、14−3に対応し
て設けられる。温度検出手段16は、たとえば熱電対か
ら成る。各温度検出手段16には、その出力信号をとり
出すリード線18が接続されており、リード線18は型
2の外部に延びて、型2の外に設けた温度計測器20に
接続されている。温度検出手段16、リード線18は溶
湯凝固時にそのまま鋳物製品内に鋳ぐるまれてもよい。
或いは、パイプを型内に配しその内部に温度検出手段1
6を入れてパイプ壁を介して溶湯温度を検出し、溶湯凝
固後はパイプはそのまま鋳物製品に鋳ぐるんで残し、温
度検出手段16をパイプから取り外して、次の検出に再
び利用するようにしてもよい。
【0010】高面品質材鋳型部8の裏面(キャビティと
反対側)にも、型冷配用の冷却配管群22が配設されて
いる。これは、高面品質材がセラミックからなるような
場合、熱伝導率が悪く、高面品質材に接する製品部分の
冷却が遅れることを防ぐために設けられる。型冷却用配
管群22を設けることによって、製品金型の成形面の冷
却を速めることができ、製品金型の成形面の組織のち密
化、強度向上、面精度の向上を促進できる。
【0011】冷却配管群14、22は、それぞれ外部の
配管群24、26に連結/連結解除可能に(たとえば、
フランジ結合により)接続され、この外部配管群24、
26には、冷却配管群14、22への冷媒(たとえば、
水、スチーム)の流れを調節するバルブ群28、30が
設けられている。バルブ群28、30の開度調整は、手
動でも自動でもよい。このバルブ開度調整は、型2内の
キャビティに注湯された溶湯を、鋳造される鋳物製品
(たとえば、金型)の表て側の表面10aから裏面10
bに向かう方向に順に凝固させていくように行われる。
たとえば、型冷却用配管群22に始め冷媒を流し、溶湯
の、鋳物製品の表て側の表面10aに近い部分を凝固さ
せる。ついで、鋳物製品の表て側の表面10aから1段
目の冷却配管群14−1の位置に設置した温度検出手段
16−1がこの1段目の冷却配管群14−1近傍の溶湯
が凝固温度近傍になったことを検出すると、この1段目
の冷却配管群14−1に冷媒を流し始め、鋳物製品の表
て側の表面10aから1段目と2段目との間の部分の溶
湯の凝固を促進させる。これを順次上方に向って行って
いく。通常、自然冷却で8時間程度かかった型冷却が、
冷却配管による強制冷却により3時間程度に短縮され
る。しかし、それでも3時間程度の時間を要するもの
で、熱的慣性の大きいものであるから、調整は鋭敏では
なく、手動でバルブ調整しても十分に溶湯の凝固方向を
制御できる。しかし、コンピュータを用いて自動で行う
と、省力化に寄与できる。
【0012】つぎに、図1−図4を参照して、全実施例
に共通な鋳物製品(たとえば、金型)の製造方法を説明
する。型2内(鋳造キャビティ)に金属溶湯10、たと
えば合金溶湯を注湯する。この金属溶湯は、たとえば、
図3に示すように、アルミニウムを7%(重量%)以上
含有した、強度が向上された亜鉛基合金からなる。従来
の4%以下のアルミニウムを含有する亜鉛基合金では鋳
物製品(たとえば、金型)のヒケ巣は余り問題にならな
いが、強度が出ない。また、アルミニウム含有量を7%
以上にして従来法で鋳物製品(たとえば、金型)を作製
すると、図5に示すように、アルミニウム初晶が上面に
出、上下から中央に向って凝固していくので、ヒケ巣が
出る。
【0013】本発明では、型内(鋳造キャビティ)への
注湯後、温度検出手段(たとえば、熱電対)16で型2
内の溶湯温度を検出し、バルブ群28、30を調節する
ことにより、型内溶湯10を、図4に示すように、鋳物
製品(たとえば、金型)の表て側の表面10aから裏面
10bに向う方向に(第1実施例では下方から上方に、
第2実施例では上方から下方に)、順に、時系列的に凝
固させていく。
【0014】たとえば、溶解した約480℃の亜鉛基合
金を型2内に注湯前に、型冷却配管群22に、冷媒(た
とえば、水)を流す。温度検出手段16−0(鋳物製品
表て側面から数mm離れた位置に設置)と16−1(鋳
物製品表て側面から数十mm離れた位置に設置)で溶湯
温度を監視し、温度検出手段16−1が凝固温度以下に
なったら、冷却配管群14−1に通水し、鋳型表面から
裏面に向っての指向性凝固を促進させる。ただし、通水
量は最初は少量とし、順次増やしていく。また、場所に
より同一レベルでの温度差が出ないよう、各配管の流量
バルブ開度を制御する。これは同一高さでの温度差が大
きくなると、鋳造歪、割れの発生の原因となるので、そ
れを防止するためである。ついで、次の温度検出手段1
6−2が凝固温度以下を検出したら、2段目の冷却配管
群14−2に上記と同様の要領で通水する。順次、表て
側から裏側に向って通水を進めていく。凝固完了後、型
2から鋳物製品(たとえば、金型)を脱型して、拘束を
なくし、鋳物品冷却による収縮歪、クラックの発生を防
止する。鋳物製品(たとえば、金型)の裏面(溶湯上
面)は大気により冷却され、速く凝固するので、加熱手
段12で400℃近傍に加熱する。
【0015】かくして鋳造された鋳物製品(たとえば、
金型)は、図4に示すように、表て側表面(下面)に微
細結晶が生じ、その直近部に微細な初晶が形成される。
その上は樹枝状のデンドライトとなる。このため、鋳物
製品(金型)の成形面(プラスチック成形面)は面精度
が高く、かつ高い強度を有する。また、内部の樹枝状の
組織部は、従来の棒状組織に比べて強度が増大する。ま
た、表て側から裏側に向って順に凝固していくので、内
部応力が円滑に上方に逃され、ヒケ巣の発生がない。
【0016】つぎに、本発明の各実施例に特有な装置部
分について説明する。第1実施例については、図1〜図
6に示すように、鋳物製品の表て側面はキャビティ下面
に対応し、裏側面はキャビティ上面に対応する。キャビ
ティ上面は上方に開放しており、型内(鋳造キャビテ
ィ)の溶湯10の上面は大気に触れる。このため、冷却
速度が速まる傾向にあるので、場合によってはキャビテ
ィ内の高さ方向中央部に位置する溶湯よりも早く凝固し
ようとするかもしれない。とくに、溶湯がアルミニウム
を7%以上も含有する亜鉛基合金である場合には、初晶
として凝固するアルミニウムの量が多く、初晶アルミニ
ウムが比重が軽く浮上して、溶湯上部に蓄積され、固相
率が高くなり、溶湯上部が先に凝固しようとする。この
上面の、中央部より先の凝固を防止するために、型2の
上方に設けた加熱手段12で溶湯上面を加熱できるよう
になっている。加熱手段12は、たとえばバーナから成
り、火炎で溶湯上面を加熱する。
【0017】亜鉛基合金のアルミニウム含有量を種々に
変えて、本発明の第1実施例の方法の強制冷却、凝固に
よる鋳物製品の機械的強度の向上を、測定し、従来法に
よる場合と比較した。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から分るように、本発明の第1実施例
の装置を使用した鋳造では、従来法に比べて、強度も向
上し、鋳造不良も軽減する。また、鋳造冷却凝固時間
は、従来の自然冷却の場合の約8時間に比べて本発明の
第1実施例の強制冷却では約3時間に短縮された。ま
た、金型の冷却穴の機械加工時間として従来約10時間
を要したが、本発明品ではそれが除去できる。
【0020】第2実施例については、図7、図8に示す
ように、鋳物製品の表て側面はキビティ上面に対応し、
裏側面はキャビティ下面に対応する。キャビティは上方
を閉塞されている。キャビティの下部に押湯口34を介
して押湯32が接続されている。押湯(装置)32は、
金枠4、断熱材42と、砂型6から構成される。押湯3
2内には電熱ヒーター36が設けられている。押湯口3
4に設けられた温度センサー34と制御装置38は、キ
ャビティ内の溶湯10が凝固完了するまでは電熱ヒータ
ー36を制御して、押湯温度を鋳物温度より約50°C
高く保ち、鋳物部分の凝固が終了するまで溶湯の状態を
保って、鋳物部分の凝固収縮に対して、溶湯を補給す
る。押湯32内の溶湯の上面はキャビティ上面よりも上
方にあり、キャビティ上面に溶湯圧力がかかるようにな
っている。これによって、表面引け巣欠陥を防止する。
型2のキャビティ上面は高面品質材8で形成されてお
り、その中に冷却配管群22が設けられている。キャビ
ティ側面および下面には断熱材40が設けられている。
冷却配管群16−1〜16−4には16−1から16−
4方向に順に冷却用流体が流されキャビティ内溶湯を指
向性凝固する。強制冷却の終了は150°Cを下限とし
て行うことで割れの発生を防止する。
【0021】亜鉛基合金のアルミニウム含有量を種々に
変えて、本発明の第2実施例の装置を使用して行った強
制冷却、凝固による鋳物製品の機械的強度の向上を、測
定し、従来法による場合と比較した。結果を表2に示
す。
【0022】
【表2】
【0023】表2から分るように、本発明の第2実施例
の装置を使用した鋳造では、従来法に比べて、強度も向
上し、鋳造不良も軽減する。また、鋳造冷却凝固時間
は、従来の自然冷却の場合の約8時間に比べて本発明の
第2実施例の強制冷却では約3時間に短縮された。ま
た、金型の冷却穴の機械加工時間として従来約10時間
を要したが、本発明品ではそれが除去できる。また、本
発明の第1実施例と比べると、第2実施例の方がアルミ
含有量の大のときの鋳造不良がさらに減少している。こ
れは、初晶アルミニウムが浮上しやすいため、鋳造キャ
ビティ上部から順に指向性凝固させる第2実施例の方
が、より凝固組織の抑制が容易であるためである。
【0024】上記では、鋳造されるものが、たとえばプ
ラスチック等の成形用金型で、溶湯が合金、たとえばア
ルミニウム含有亜鉛基合金としたが、本発明の方法、装
置はそれに限るものではなく、一般の鋳造方法、装置に
適用できる。図6は一般の鋳造方法、装置の場合を示
す。図6では、溶湯は任意の金属溶湯10′で、型内キ
ャビティ形状は任意の鋳造製品に対応した形状とされ
る。その他の、方法、装置の構成、作用は図1〜図4に
準じる。準じる部分には図1、2と同一の符号を付して
説明を省略する。また、鋳造される製品によっては、高
面品質材鋳型部8は必ずしも必要ではなく、他の部分と
同じ砂型で形成することもできる。
【0025】
【発明の効果】請求項1の装置によれば、冷却配管群へ
の冷媒の流れをバルブ群で調節して、溶湯を、鋳造され
る鋳物製品の表て側から裏側に向って時系列的に凝固で
き、ヒケ巣の発生防止、鋳物製品表て面の面精度および
強度の向上をはかることができる。請求項2の装置によ
れば、鋳造される金型の面精度をさらに向上できる。請
求項3の装置によれば、高面品質材が熱伝導性が悪くて
も、鋳造される金型の面精度、強度の向上をはかること
ができる。請求項4の装置によれば、高品質の金型を作
成できる。請求項5の装置によれば、加熱手段を設けた
ので、鋳物製品の上面の凝固を遅らせることができ、引
け巣の発生をより効果的に防止できる。請求項6の装置
によれば、押湯を設けたので、引け巣の発生をより効果
的に防止できる。請求項7の装置によれば、押湯に加熱
ヒーターを設けたので、引け巣の発生をより効果的に防
止できる。請求項8の方法によれば、溶湯を時系列凝固
させるので、鋳物製品のヒケ巣の発生防止、内部強度の
向上をはかることができる。請求項9の方法によれば、
高面品質の金型を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の鋳物製品の製造装置の断
面図で、図2のA−A線に沿う断面図である。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】本発明の鋳物製品の製造方法の材料選定の抗張
力対アルミニウム含有率図である。
【図4】本発明の鋳物製品の製造方法における溶湯凝固
方向と凝固後の組織の概略図である。
【図5】従来法における高アルミニウム含有亜鉛基合金
を用いた金型の製造方法の溶湯凝固方向と凝固後の組織
の概略図である。
【図6】本発明の第1実施例の鋳物製品の製造方法を実
施する装置の他の例の概略断面図である。
【図7】本発明の第2実施例の鋳物製品の製造装置の断
面図で、図8のB−B線に沿う断面図である。
【図8】図7の装置の平面図である。
【符号の説明】
2 型 4 金枠 6 砂型 8 高面品質材鋳型部 10 溶湯 10a 鋳物製品の表て側 10b 鋳物製品の裏面 12 加熱手段 14 溶湯冷却用の冷却配管群 16 温度検出手段 18 リード線 20 温度計測器 22 型冷却用の冷却配管群 24 外部の配管群 26 外部の配管群 28 バルブ群 30 バルブ群 32 押湯 36 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 17/22 D (72)発明者 山下 次郎 岐阜県岐阜市六条南一丁目9番6号 岐阜 精機工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属溶湯が注湯される鋳造用の型と、 前記型の鋳造キャビティにほぼ水平方向に延びる冷却配
    管を上下方向に複数段設けた溶湯冷却用の冷却配管群
    と、 前記型の鋳造キャビィに配置された温度検出手段と、 前記冷却配管群に接続された配管に設けられ前記冷却配
    管群への冷媒の流れを調節するバルブ群と、を備える鋳
    物製品の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記型の、鋳物製品の表側を形成する面
    が高面品質材から構成されている請求項1記載の鋳物製
    品の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記高面品質材の背面に型冷却用の冷却
    配管群が配設されている請求項2記載の鋳物製品の製造
    装置。
  4. 【請求項4】 鋳物製品が金型であり、高面品質材が、
    金型の製品面を形成する部分に使用されている請求項2
    または請求項3記載の鋳物製品の製造装置。
  5. 【請求項5】 金属溶湯が注湯される鋳造用の型と、 前記型の鋳造キャビティの鋳造キャビティにほぼ水平方
    向に延びる冷却配管を上下方向に複数段設けた溶湯冷却
    用の冷却配管群と、 前記型の上方に配置され型の鋳造キャビティに注湯され
    た溶湯の上面を加熱可能な加熱手段と、 前記型の鋳造キャビィに配置された温度検出手段と、 前記冷却配管群に接続された配管に設けられ前記冷却配
    管群への冷媒の流れを調節するバルブ群と、からなる鋳
    物製品の製造装置。
  6. 【請求項6】 金属溶湯が注湯される鋳造用の型と、 前記型の鋳造キャビティにほぼ水平方向に延びる冷却配
    管を上下方向に複数段設けた溶湯冷却用の冷却配管群
    と、 前記型の鋳造キャビティ下方に通じる押湯と、 前記型の鋳造キャビィに配置された温度検出手段と、 前記冷却配管群に接続された配管に設けられ前記冷却配
    管群への冷媒の流れを調節するバルブ群と、からなる鋳
    物製品の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記押湯に溶湯加熱手段を備えている請
    求項6記載の鋳物製品の製造装置。
  8. 【請求項8】 型の鋳造キャビティに、ほぼ水平方向に
    延びる冷却配管を上下方向に複数段設けた溶湯冷却用の
    冷却配管群と、温度検出手段とを有する鋳物製品の鋳造
    用の型の前記鋳造キャビティに金属溶湯を注湯し、 前記温度検出手段で鋳造キャビティの溶湯温度を検知し
    冷却配管群に接続された配管に設けられたバルブ群を調
    節することにより、鋳造キャビティに注湯された溶湯
    を、鋳造キャビティの一方の側から他方の側に向かう方
    向に順に指向性凝固させていく、工程からなる鋳物製品
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 鋳物製品が金型であり、鋳造キャビティ
    の前記金型の製品面を形成する側から遠ざかる方向に順
    に指向性凝固させていく請求項8記載の鋳物製品の製造
    方法。
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