JP2726466B2 - ライニング材組成物 - Google Patents

ライニング材組成物

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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はライニング材組成物に関し、詳しくは、上下
水道用に供給される鋼管・鋳鉄管などセメントモルタル
ライニング管に使用するライニング材組成物に関する。
〔従来の技術とその課題〕
従来から、上下水道管に使用されるセメントモルタル
管のライニング材としてはポルトランドセメントや、無
定形カルシウムアルミネートと石膏から成るライニング
材が使用されて来た(特開昭48-5138号公報、特開昭52-
94318号公報等)。
しかしながら、これらはいずれも水和硬化体を水に浸
漬すると、浸漬水中の水酸化カルシウムや水酸化アルミ
ニウムが増加しpH10以上となるものであった。
この高アルカリ性は、上下水道ライニング管に用いた
際、通水中の各種酸、アルカリによりライニング層を形
成しているセメント水和物が浸食され易く、特に上水道
ライニング管に用いると飲料水中のpHが上昇し飲料水適
合基準のpH≦8.5を著しく越えるものであった。このた
め、水との接触面に有機質及び/又は無機質系のシール
コートを行っていたが、長期間使用すると、このシール
コートが剥がれ、管内や送付ポンプ等が詰まり送水トラ
ブルが生じたり、剥離面からアルカリ分が溶出して飲料
水のpHを著しく高くしたりして、飲料水規格を満足しな
い場合が多かった。このため埋設管を頻繁に堀り起こし
て内面検査を行ったり、取りかえたりする必要があっ
た。
更に、pHが高いため飲料水に苦味を生じたりして、住
民の苦情が多かった。
本発明者らは、前述の不都合を解消すべく鋭意検討を
行った結果、特定のライニング材組成物を用いれば良い
との知見を得て本発明を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明は、アルミナセメント、膨張材、及びホ
ウ酸化合物を主成分とし、ホウ酸化合物が、アルミナセ
メント80〜98重量部と膨張材20〜2重量部からなる混合
物100重量部に対して、0.05〜5重量部であるライニン
グ材組成物であり、アルミナセメント、膨張材、ホウ酸
化合物、及び炭酸カルシウムを主成分とし、ホウ酸化合
物が、アルミナセメント30〜70重量部、膨張材20〜2重
量部、及び炭酸カルシウム68〜10重量部からなる混合物
100重量部に対して、0.05〜5重量部であるライニング
材組成物である。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明にかかるアルミナセメント(以下ACという)
は、ボーキサイト、バイヤーアルミナ及びアルミナ残灰
等のアルミナ源と生石灰、石灰石及び消石灰等のカルシ
ア源を使用し、電気炉、平炉、高炉、反射炉、ロータリ
ーキルン及びトンネルキルン等を用い、溶融法及び/又
は焼成法により製造されるものである。
ACの鉱物組成はCaOをC、Al2O3をAとすると、C3A、C
12A7、C5A3、CA、C3A5及びCA2等と示される水硬性カル
シウムアルミネートを主体とするものであって、SiO2
S、TiO2をT及びFe2O3をFとすると、不純物としてC2A
S、CT及びC4AF等と示される鉱物組成を含有していても
良く、高耐火性を得るためにα−AやCA6を含有してい
ても良い。
また、通常は、非晶質と結晶質から成るが、どちらか
単独であっても良い。鉱物組成及び非晶質、結晶質の特
定化は、X線回折及び/又はレーザーラマンにより実施
できる。
本発明に使用する場合は、水と混合後の可使時間が長
い、CAを主鉱物組成とするものが好ましく、強度発現の
良好なブレーン比表面積が3,000cm2/g以上、特に、4,00
0cm2/g以上のものがより好ましい。
本発明にかかる膨張材は、カルシウムアルミネート
(C3A)、カルシウムサルホアルミネート(C3A・CaS
O4)、石膏(CaSO4)、酸化カルシウム及び水酸化カル
シウム等からなるエトリンガイト生成物系のものや、酸
化カルシウム(CaO)やフッ化カルシウム(CaF2)等か
らなる石灰系のものが流用できる。特に、エトリンガイ
ト生成物系のものが、可使時間が取れ好ましい。
膨張材の粉末度は膨張効果の良好なブレーン比表面積
が2,000cm2/g以上のものが好ましく、3,000cm2/g以上の
ものが特に好ましい。
本発明にかかるホウ酸化合物は、ホウ酸又はそのアル
カリ金属塩である。アルカリ金属塩としては、ナトリウ
ム塩や、カリウム塩があげられる。特にホウ酸がpH抑制
効果に優れ、可使時間が取れるため好ましい。
本発明にかかる炭酸カルシウムは、CaCO380%以上か
らなる石灰石粉であって、粒度100mesh下品が好まし
い。特にpH上昇の抑制効果とライニング面の仕上がり良
好性から、CaCO390%以上の200mesh下品がより好まし
い。
各々の使用量は、AC80〜98重量部、膨張材20〜2重量
部からなる混合物100重量部に対し、ホウ酸化合物0.05
〜5重量部、又は、AC30〜70重量部、膨張材20〜2重量
部及び炭酸カルシウム68〜10重量部からなる混合物100
重量部に対し、ホウ酸化合物0.05〜5重量部が好まし
い。この範囲外では、pH上昇の抑制効果に欠け、可使時
間、強度発現性及び寸法安定性が悪く好ましく無い。
特に、AC88〜96重量部、膨張材12〜4重量部からなる
混合物100重量部に対しホウ酸化合物0.1〜1重量部、又
は、AC40〜60重量部、膨張材12〜4重量部及び炭酸カル
シウム56〜28重量部からなる混合物100重量部に対しホ
ウ酸化合物0.1〜1重量部を配合して成るライニング材
組成物が、pH抑制効果、強度発現性及び寸法安定性が良
く好ましい。
本発明のライニング材組成物(以下本組成物という)
と、海砂、河川砂及び山砂等の細骨材(以下骨材とい
う)及び水を混合し、モルタル状に混練した後、目的と
する鋼管・鋳鉄管(以下鋼管等という)の管の内外面に
ライニングする。通常、ライニングは、遠心成形によっ
て行い、遠心成形条件は普通セメントモルタルとほぼ同
様に行うことができる。
即ち、遠心成形機にセットした鋼管等を回転させなが
ら、モルタルを連続もしくは不連続に注入し管の内面に
遠心力を利用してライニングする方法であって、1〜70
G(G;重力加速度)の範囲で行う。
ライニング層の厚さは鋼管等の径にもよるが通常2〜
30mm程度である。
また、ライニング後の養生は、通常、強度発現を早め
るために蒸気養生が行なわれるが、本組成物を使用する
と、強度発現が良好なため不要である。
本組成物をライニングした管は50℃以下で加湿及び/
又は気乾養生するのが好ましく、30℃以下、更に好まし
くは20℃以下にて加湿養生したものがpHが低く良好であ
る。加湿条件としては、70%R.H.になるよう調整するの
が好ましい。
本組成物/砂の重量比は、1/1〜1/3の範囲であること
が好ましく、管径やモルタル層の厚みにより任意に決定
するとができる。
更に、本組成物には、pH抑制効果や長期安定性を向上
させるため、潜在水硬性を有するシリカヒューム、フラ
イアッシュ及びスラグ等を併用しても良い。
また、可使時間及び硬化時間を調整するため、一般に
市販されいてるβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物やメラミンスルホン酸塩等を使用することもでき
る。
ライニング層は、1層のみならず2層以上の多層であ
ってもよい。水道水と接するライニング層が本組成物を
用いることを必須とするものである。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を詳しく説明する。
実施例1 表−1に示す本組成物100重量部に粒径2.5mm以下の骨
材205重量部及びフロー値が220±20mmになるような量の
水を加え、ミキサーにて5分間混練し、ライニングモル
タルを作製し、100φ×500lmmの鋼管の内面に厚さ5mm、
ライニングしライニング管を得た。
ライニングは遠心成型機で行い、初速250rpm1分間、
中速450rpm30秒間、高速1,350rpm4分間で行った。その
物性を表−2に示す。
尚、物性の測定は次の方法で行った。
(1) 可使時間;ライニングモルタルをビニール袋に
入れ、30℃恒温室内に放置し、混練直後から流動性が無
くなるまでに要した時間 (2) 強度;ライニングモルタルを4×4×16cm型枠
に入れ20℃/80%R.H.にて24時間経過後、脱枠し20℃気
乾にて所定時間放置したテストピースの圧縮強度。
(3) pH;遠心成形したライニング管を成形後、20℃
加湿条件下にて24時間養生し、モルタル表面をワイヤー
ブラシにより研磨した後、室温気乾状態にて6日間養生
した。この管を水道水により洗浄した後、脱イオン水3,
000mlを入れ、24時間20℃にて浸漬させた。この浸漬水
のpHをpHメーターにて測定した。
(4) 寸法変化;(3)にてpH測定を終了した管を屋
外に放置し、ライニング層のクラック発生の有無を目視
にて観察した。
〈使用材料〉 AC;電気化学工業社製、デンカアルミナセメント2号 膨張材; 〃 〃 、デンカCSA#20ホウ酸化合物
−a;ホウ酸、−b;ホウ酸Na、−c;ホウ酸k、いずれも石
津製薬社製、試薬1級、 CaCO3;炭酸カルシウム、日本石灰工業社製、石灰石
粉、200mesh下品 ポセ;住友セメント社製、普通ポルトランドセメント 骨材;玉名産、川砂、粒径2.5mm下 尚、比較用に用いたポセライニング管及びテストピー
スは成形後、3時間室温にて放置し、70℃にて3時間蒸
気養生を行った。
表−2に示すように本組成物を用いたライニング管
は、水との接触面にシールコートを行わなくても、低pH
の浸漬水が得られ、ライニング施工時の可使時間も十分
で、しかも、強度発現が良好なため、従来行われていた
蒸気養生が不要となり生産性が著しく向上する。
実施例2 表−3に示す本組成物を用い、実施例1と同様な方法
で施工を行った。その結果を表−4に示す。
〈使用材料〉 高炉水砕スラグ粉末;第1セメント社製 ファインセラ
メント10A シリカヒューム;エルケム社製 マイクロシリカ フライアッシュ;九州電力社製 セメント添加剤 減水剤;花オウ社製 マイティ2000 その他の材料及び物性の測定は、実施例1に準じた。
表−4に示すように本組成物に、潜在水硬性物質や減
水剤を併用しても低pHの浸漬水が得られ、長期強度が向
上する。
〔発明の効果〕
実施例から明らかなように本組成物を用いたライニン
グ管は、施工時に可使時間が十分に取れ、ライニング
後、蒸気養生をしなくても高強度が得られ、浸漬水のpH
が低下する。
このため、普通ポルトランドセメントライニング管の
ように水との接触面にシールコートを行う必要も無く、
著しく生産性が向上する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナセメント、膨張材、及びホウ酸化
    合物を主成分とし、ホウ酸化合物が、アルミナセメント
    80〜98重量部と膨張材20〜2重量部からなる混合物100
    重量部に対して、0.05〜5重量部であることを特徴とす
    るライニング材組成物。
  2. 【請求項2】アルミナセメント、膨張材、ホウ酸化合
    物、及び炭酸カルシウムを主成分とし、ホウ酸化合物
    が、アルミナセメント30〜70重量部、膨張材20〜2重量
    部、及び炭酸カルシウム68〜10重量部からなる混合物10
    0重量部に対して、0.05〜5重量部であることを特徴と
    するライニング材組成物。
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