JP2725970B2 - 電動送風装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばウェットアンド
ドライタイプの電気掃除機に使用される電動送風装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ウェットアンドドライタイプの電気掃除
機用の電動送風機は、ロータ軸の一端部に水を含んだ空
気等を吸い込んで送風するための遠心形送風ファンを取
付け、ロータ軸の他端部にステータおよびロータを冷却
するための空気を送る冷却ファンを取付けている。この
種の電動送風機は実公昭５９−１６４４号公報、および
特開昭５７−１２２８３５号公報などで知られている。

【０００３】これらの公報に示されているように従来
は、送風ファンを覆って設けられたファンカバーのカバ
ー周壁に、その周方向に間隔的に多数の排気孔を形成
し、これら排気孔に送風ファンから吐出された空気を通
して、カバー周壁の外側に排出させ、水を含んだ空気に
ステータおよびロータが晒されることがないようにして
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、送風ファン
の吐出し口とファンカバーのカバー周壁とは間近に対向
しているから、送風ファンから吐出される風を前記のよ
うにカバー周壁を通して排出する従来の構成では、送風
ファンから吐出された直後の勢いが良い非常に高速の風
が排気孔を直接的に通過してしまうため、大きい風切音
が発生するという問題がある。

【０００５】さらに、電動送風機は、そのファンカバー
のカバー周壁とカバー端壁とが連なる部分で形成される
角部外面に環状のサポートゴムを嵌合し、このゴムを介
して支持されるようになっている。そのため、送風ファ
ンが一つであって、ファンカバーのカバー周壁に排気孔
が形成された従来の構成では、サポートゴムが排気孔を
塞がないように前記角部へのサポートゴムの嵌合深さを
浅くする必要がある。

【０００６】したがって、サポートゴムの取付け状態が
不安定となり、この電動送風機を電気掃除機の掃除機本
体内に組込む際などサポートゴムが落ち易く、組立て上
不便であるという問題がある。そこで、従来において
は、送風ファンを多段にしてファンカバーの軸方向寸法
を長くし、それによって、前記角部に対するサポートゴ
ムの嵌合深さを大きく確保するとともに、このゴムで排
気孔が塞がれないようにすることを余儀なくされてい
る。したがって、従来のこの種電動送風機は軸方向の寸
法が長いという問題もある。

【０００７】本発明の目的は、送風動作に伴う風切音を
小さくできるとともに、軸方向の寸法を短くでき、合わ
せて温度上昇が少なく、かつ、送風中に含まれる水が電
動機部に悪影響を与えることを防止できる電動送風装置
を得ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項１に係る電動送風装置は、ステータ
の内側に配設されるロータが有するロータ軸の一端部に
遠心形送風ファンが取付けられるとともに、前記ロータ
軸の他端部に前記ステータおよびロータを冷却するため
の冷却ファンが取付けられ、前記送風ファン側に前記ス
テータを取囲んで外側に張り出すファンカバー取付け壁
が設けられ、この取付け壁に前記送風ファンを覆うファ
ンカバーが取付けられた電動送風機を備え、前記ファン
カバー取付け壁の前記送風ファン側の面に当接する環状
隔壁を有した内部風路区画体を、前記ファンカバー取付
け壁と前記送風ファンとの間に配置し、前記ファンカバ
ー取付け壁に、前記冷却ファンによる送風を前記ロータ
軸の軸方向に排出する冷却用排気部を前記環状隔壁の内
側に位置して設けるとともに、前記送風ファンから吐出
される風を前記ロータ軸の軸方向に排出する送風排気部
を前記環状隔壁の外側に位置して設け、前記電動送風機
の外部に設けられる風路隔壁に連なる外部風路区画体
を、前記環状隔壁との間に前記ファンカバー取付け壁を
挟んでこの取付け壁の前記冷却ファン側の面に当接させ
て設けたものである。

【０００９】また、請求項２においては送風動作に伴う
風切音をより小さくするために、前記外部風路区画体
を、前記ファンカバー取付け壁の前記冷却ファン側の面
に当接される内周壁と、前記ファンカバーの周部を取囲
む外周壁と、前記ファンカバー取付け壁の前記送風排気
部より外周側部分と対向して前記両周壁をつなぐ底壁と
を有した構成にするとよい。

【００１０】さらに、請求項３においては送風動作に伴
う風切音をより小さくするために、前記外部風路区画体
を、前記ファンカバー取付け壁の前記冷却ファン側の面
に当接される内周壁と、前記ファンカバーの周部を取囲
む外周壁と、前記ファンカバー取付け壁の前記送風排気
部より外周側部分と対向して前記両周壁をつなぐ底壁と
を有した構成にするとともに、前記外部風路隔壁と前記
ファンカバー取付け壁および前記ファンカバーとの相互
対向面の少なくとも一方に、前記対向面間に形成される
流出風路内に突出されるバッフル突部を設けるとよい。

【００１１】

【作用】請求項１において、送風排気部をファンカバー
のカバー周壁ではなくステータを取囲んで外側に張り出
すファンカバー取付け壁に設けたから、この送風排気部
と送風ファンの吐出し口との間の距離を長く確保でき
る。そして、ファンカバーは、そのカバー周壁内面で前
記吐出し口から遠心方向に吐出された風を受けて、この
風を送風排気部側に方向変換させ、送風排気部はファン
カバーで方向変換された風を通してロータの軸方向に排
出させる。そのため、勢いが良い高速の風が直接的に送
風排気部を通ることがなくなり、風の勢いを殺いで送風
排気部に通すことができる。

【００１２】また、送風排気部をファンカバー取付け壁
に設けたから、送風排気部がファンカバーの外側に嵌合
されるサポートゴムで塞がれることがない。

【００１３】さらに、ファンカバー取付け壁に設けられ
た冷却用排気部は、冷却ファンの回転により形成されス
テータ部を冷却してステータ巻線の送風ファン側部分の
周囲を流れた冷却風を通して、ロータの軸方向に排出さ
せる。しかも、内部風路区画体は、送風ファンの回転に
よる送風および冷却ファンの回転による冷却風が、ファ
ンカバー内で混ざって互いの流れを乱すことを防止する
とともに、その環状隔壁は送風および冷却風を夫々に対
応する各排気部に向けて夫々ロータ軸の軸方向に案内す
る。

【００１４】また、外部風路区画体と風路隔壁とは、冷
却用排気部から排出された冷却風と送風排気部から排出
された送風とが、電動送風機の外部において合流しない
ように、これらの風を仕切る。

【００１５】請求項２の外部風路区画体は、前記風の仕
切り作用において送風排気部から排出された送風をＵタ
ーンするように方向変換させて、送風の勢いをさらに弱
める。

【００１６】請求項３のバッフル突部は、それが突出さ
れた位置で、ファンカバー取付け壁およびファンカバー
と外部風路隔壁との相互対向面間に形成された流出風路
を通る送風の流れを絞って邪魔し、流出風路内で送風を
収縮させた後に膨脹させるとともに、この流出風路内で
の風路長さを長くする。

【００１７】

【実施例】以下、図１〜図１０を参照して本発明の第１
実施例を説明する。図１、図４、および図１０中符号１
で示す電動機フレームは、金属製であって、第１電動機
フレームとしての円筒壁２の一端（図１では上端）にこ
れを塞ぐような端壁３を一体に設け、円筒壁２の他端
（図１では下端）を開口し、この開口の縁からファンカ
バー取付け壁４を外側に一体に張り出して設けている。
図１および図４に示されるように端壁３の中央部には軸
受取付け部５が一体に形成されているとともに、この取
付け部５の周囲に位置して端壁３には複数の冷却用通孔
６が開けられている。

【００１８】図１に示されるように円筒壁２の開口部
は、ファンカバー取付け壁４側程径が次第に大きく形成
されていてファンカバー取付け壁４に連続している。フ
ァンカバー取付け壁４は、張り出し板部４ａの周縁に張
り出し周部４ｂを折り曲げ、この周部４ｂの先端に張り
出し縁部４ｃを折り曲げて形成されている。張り出し板
部４ａは円筒壁２に対して直交するように外側に張出さ
れている。張り出し周部４ｂは円筒壁２と略平行で端壁
３方向に延びており、張り出し縁部４ｃは張り出し板部
４ａと平行に設けられている。

【００１９】図３に示されるように張り出し板部４ａに
は、第２電動機フレームとしての板金製フレーム端面板
７が横架されている。この端面板７は、円筒壁２の開口
を径方向に横断する形状をなしており、電動機フレーム
１とともに電動機フレーム体を形成している。フレーム
端面板７は、その長さ方向両端の折り曲げ爪７ａを、張
り出し板部４ａに設けた複数の長孔８（図２〜図４参
照）に挿入して位置決めされるとともに、これらの長孔
８の近傍に設けられた複数のねじ孔９に、フレーム端面
板７の長さ方向両端部を通ったねじ１０（図３参照）を
螺合することにより、ファンカバー取付け壁４に取付け
られている。

【００２０】フレーム端面板７の長手方向中央部には軸
受取付け部１１が一体に形成されている。なお、図３中
７ｂは本発明においては省略しても差支えないが、本実
施例では軽量化のために設けた孔である。また、フレー
ム端面板７は、その両端から軸受取付け部１１に向かう
に従い次第に円筒壁２の開口から離れるように傾斜され
ているが、この傾斜は本発明においてなくてもよい。さ
らに、図４中１２は張り出し板部４ａに設けられたねじ
孔、同じく図４中１３もねじ孔である。

【００２１】電動機フレーム１にはステータ１５が内蔵
されている。したがって、ステータ１５はファンカバー
取付け壁４で取囲まれている。このステータ１５は、図
１および図３に示されるように積層されたけい素鋼板か
らなるステータコア１６が有する一対の突極１６ａ（図
８参照）に、図示しない絶縁スロットを介在してステー
タ巻線１７を夫々取付けて形成されている。

【００２２】ステータコア１６は、端面方向から見たと
きに略四角な外径形状を呈するとともに、その四隅外面
は円筒壁２の内周面に沿う曲面で形成されている。そし
て、このステータ１５は、その四隅外面を円筒壁２の内
周面に接触させて、円筒壁２にその開口側から圧入して
収納固定されている。

【００２３】円筒壁２の開口側に位置されるステータコ
ア１６の端面と一対のステータ巻線１７との間には、一
対の閉鎖板１８が夫々挟持されている。これら閉鎖板１
８は、互いに合わさって円形の外周を形成し、この外周
は円筒壁２の内周面に接触されている。それにより、一
対の閉鎖板１８は、ステータコア１６の隅部間の平坦状
外面と円筒壁２の内周面との間の隙間Ｇを、円筒壁２の
開口側から閉鎖している。

【００２４】閉鎖板１８の構成は図５〜図７に示されて
いる。すなわち、円筒壁２の内周面に沿う略円弧状の周
端面６１ａを有した閉鎖板主部６１には、ステータ巻線
１７の冷却ファン側部分１７ａおよび後述のロータ２１
が通るための凹み６２が形成されている。そして、閉鎖
板主部６１の凹み６２を挟む両側部分には、第１，第２
係合突片６３，６４が夫々別々に一体に突設されている
とともに、第１係合突片６３側には斜状舌片６５が一体
に突設されている。第１係合突片６３は閉鎖板主部６１
の一面側に少し盛り上がって段をなすように形成されて
おり、第２係合突片６４は閉鎖板主部６１の他面側に少
し盛り上がって段をなすように形成されている。これら
係合突片６３，６４には夫々矩形の掛止孔６６が形成さ
れている。さらに、閉鎖板主部６１の前記両側部分には
夫々斜めの第１，第２掛止片６７，６８が互いに逆向き
に切り起こされている。

【００２５】この構成の閉鎖板１８は、ステータ１５の
外側からステータコア１６の送風ファン側端面に閉鎖板
主部６１が重なるように、第１，第２係合突片６３，６
４を先頭にして挿入することにより、ステータコア１６
とステータ巻線１７の冷却ファン側部分１７ａとの間に
挟まれて取付けられている。しかも、この挿入において
一対の閉鎖板１８はロータ２１の中心を点対称の配置と
なるように取付けられる。

【００２６】それによって、図８に示されるように一方
の閉鎖板１８の第１係合突片６３の掛止孔６６と他方の
閉鎖板１８の第２掛止片６８とが係合されるとともに、
前記一方の閉鎖板１８の第２係合突片６４の掛止孔６６
と他方の閉鎖板１８の第１掛止片６７とが係合されると
ともに、両閉鎖板１８の斜状舌片６５が対応する閉鎖板
主部６１の一面に重なり合って、両閉鎖板１８が互いに
連結される。

【００２７】図１に示されるようにステータ１５の内側
には、これを貫通する回転自在なロータ２１が配置され
ている。ロータ２１のロータ軸２２の両端部は、軸受取
付け部５，１１に夫々内蔵された軸受２３，２４に夫々
別々に支持されているとともに、これら両軸受２３，２
４を貫通している。互いに対向するロータ２１の外周面
とステータコア１６の内周面との間には、図１に示され
るように冷却通路２５が形成されている。閉鎖板１８は
冷却通路２５を閉鎖していない。

【００２８】ロータ軸２２には整流子２６が取付けられ
ている。円筒壁２の径方向に対応する２か所にはブラシ
装置２７が夫々円筒壁２を貫通して取付けられており、
これら装置２７が備える図示しないブラシは整流子２６
の整流子片が周方向に並んだ外周面に夫々押し付けられ
るようになっている。なお、前記電動機フレーム１とフ
レーム端面板７からなる電動機フレーム体、ステータ１
５、閉鎖板１８、ロータ２１、整流子２６、およびブラ
シ装置２７により、電動送風機の電動機部が構成されて
いる。

【００２９】図１に示されるように電動機フレーム１の
端壁３側には合成樹脂製の電動機ホルダ３１が取付けら
れている。このホルダ３１は、ブラシ装置２７等に対す
る逃げ部を有して円筒壁２の外周に嵌合される円筒壁カ
バー部３２と、このカバー部３２よりも小径な円筒状ホ
ルダ部３３と、これらの間を一体に繋いで端壁３の周部
外面に接触する段部３４とから形成されている。

【００３０】ホルダ部３３はその内側の図示しない２か
所に取付け突部を有しており、これらは端壁３の２か所
に突出形成されたねじ受け突部３ａ（図４参照）に接す
るようになっている。そして、これらねじ受け突部３ａ
に対応してホルダ部３３の外面に設けられた凹部３３ａ
（図２参照）から取付けねじ３５を通して、これらのね
じ３５をねじ受け突部３ａのねじ孔３６（図４参照）に
螺合することにより、電動機ホルダ３１が電動機フレー
ム１に固定されている。

【００３１】ロータ軸２２の軸受取付け部５および軸受
２３を貫通した一端部（図１では上端部）は、円筒状ホ
ルダ部３３の内側中心部に位置されており、この一端部
には軸流形の冷却ファン３７が固定されている。なお、
３８はファン固定用のナットである。この冷却ファン３
７の周囲は円筒状ホルダ部３３の内周面で囲まれている
とともに、冷却ファン３７の送風は電動機ホルダ３１の
内面で案内されて冷却用通孔６に導かれるようになって
いる。

【００３２】ロータ軸２２の軸受取付け部１１および軸
受２４を貫通した他端部（図１では下端部）には、一つ
の板金製送風ファン４１がナット４２を介して取付けら
れている。この送風ファン４１は、中央部に吸込み口４
１ａを有するとともに、周部に吐出し口４１ｂを有して
おり、吸込み口４１ａから吸込んだ空気を吐出し口４１
ｂから遠心方向に吐出す遠心形のものである。

【００３３】図１に示されるように送風ファン４１は板
金製のファンカバー４３で覆われている。ファンカバー
４３は、図１において円筒状をなすカバー周壁４３ａの
下端にカバー端壁４３ｂを一体に連ねるとともに、この
壁４３ｂの中央部に吸込み口４１ａに近接対向する吸気
口４４を設けて形成されている。このファンカバー４３
は、カバー周壁４３ａの上端開口（図１において）部を
ファンカバー取付け壁４の張り出し縁部４ｃに嵌合し
て、ファンカバー取付け壁４に取付けられている。この
取付けにより、カバー周壁４３ａの内面と送風ファン４
１の吐出し口４１ｂとは対向されている。

【００３４】ファンカバー４３内において、送風ファン
４１とファンカバー取付け壁４との間には、電動機フレ
ーム１の開口を覆い隠す合成樹脂製の内部風路区画体４
５が配置されている。この区画体４５は、送風ファン４
１より大径であって、このファン４１と対向する円板状
のベース壁４６と、このベース壁４６の周部から一体に
突設された環状隔壁４７とから形成されている。

【００３５】なお、図１中４６ａはベース壁４６の周部
からカバー端壁４３ｂ方向に一体に突設されてカバー端
壁４３ｂ内面に接する整流羽根である、これら整流羽根
４６ａはカバー端壁４３ｂ側から見た時に円弧状をなし
て、互いの間に整流風路４６ｂを形成しているととも
に、送風ファン４１を取囲んで多数設けられている。整
流風路４６ｂは、前記吐出し口４１ｂ側の入口から前記
カバー周壁４３ａ側の出口に向けて次第に風路断面積を
大きくするように形成されていて、送風ファン４１から
吐出される風の風路長さを長く確保して風を整流しなが
ら案内するようになっている。なお、本発明において整
流風路４６ｂを形成する整流羽根４６ａは省略してもよ
い。

【００３６】ベース壁４６の中央部はフレーム端面板７
の軸受取付け部１１の外側に嵌合されている。このベー
ス壁４６は、フレーム端面板７にその軸受取付け部１１
の近傍に設けられたねじ孔７ｃ（図３参照）に螺合する
ねじ４８（図３中２点鎖線参照）を介して、フレーム端
面板７にこれを覆って固定されている。

【００３７】環状隔壁４７は、ロータ２１の軸方向に突
出されており、その外周面はファンカバー４３のカバー
周壁４３ａの内面と対向している。この環状隔壁４７の
先端面は、ファンカバー取付け壁４の張り出し板部４ａ
における送風ファン４１側の面に当接されている。な
お、この隔壁４７の先端部にはフレーム端面板７の長手
方向両端部７ｄに嵌合する凹み（図示しない）が設けら
れている。

【００３８】環状隔壁４７と張り出し板部４ａとの合い
面は、図９に示されるようにシリコン系の接着剤などか
らなるシール剤６０でシールされている。このシール剤
６０は環状隔壁４７の先端部に予め塗布した状態で、内
部風路区画体４５をねじ４８で固定することにより設け
られたものである。なお、シール剤としては、シリコン
系接着剤に代えて、環状隔壁４７の先端面と張り出し板
部４ａとの間に挟着されるゴムパッキンを用いても良
い。

【００３９】このように前記合い面をシールすることに
より、環状隔壁４７の突出先端と張り出し板部４ａとの
間に、部品精度に起因して形成されることがある僅かな
隙間を塞ぐことができるから、冷却用の風路と、これよ
りも風圧が高い送風用の風路とを確実に分離できる。そ
のため、送風中に含まれるれ水分が冷却風路に侵入する
ことが防止されるとともに、冷却風路を通る冷却風が送
風通路を通る高圧の送風で乱されることがなく、冷却空
気の流れが円滑に確保されて電動機効率の低下を防止で
きる。

【００４０】ファンカバー取付け壁４の張り出し板部４
ａには、図１〜図４に示されるように送風排気部として
の第１排気孔４９が複数設けられているとともに、冷却
風排気部としての第２排気孔５０が複数設けられてい
る。各第１排気孔４９は張り出し板部４ａに対して環状
隔壁４７の外側に位置される部分に形成されており、各
第２排気孔５０は張り出し板部４ａに対して環状隔壁４
７の内側に位置される部分に形成されている。

【００４１】第１排気孔４９の通路面積は第２排気孔５
０がなす通路面積より大きい。そして、図３に示される
ように第１排気孔４９と第２排気孔５０とは、一対のス
テータ巻線１７の送風ファン側部分１７ａに対応してフ
レーム端面板７の幅方向両側に夫々設けられている。

【００４２】前記構成の電動送風機ＦＭにおいて、ファ
ンカバー取付け壁４の張り出し板部４ａには外部風路区
画体７１が取付けられている。この区画体７１は、電動
送風機ＦＭおよび後述の風路隔壁とともに電動送風装置
をなすものであり、図１および図２に示されるように合
成樹脂で短い円筒状に形成されている。

【００４３】そして外部風路区画体７１は、その一端に
形成された取付け部７１ａを通るねじ７２を張り出し板
部４ａに設けたねじ孔１３（図４参照）に夫々螺合する
ことにより、張り出し板部４ａの冷却ファン３７側の面
に、前記取付け部７１ａを有した一端を当接させて取付
けられている。このようにして取付けられた外部風路区
画体７１はファンカバー４３の冷却ファン３７側の開口
より突出されている。

【００４４】しかも、外部風路区画体７１は前記環状隔
壁４７と同径で、この隔壁４７の延長線上に位置して張
り出し板部４ａを環状隔壁４７との間に挟んで設けられ
ている。したがって、外部風路区画体７１の外側におい
て前記第１排気部４９が位置されているとともに、内側
において前記第２排気部５０が位置されている。この外
部風路区画体７１と張り出し板部４ａとの間にも、これ
らの間に形成されることもある僅かな隙間を塞ぐために
前記シール剤６０が設けられており、それにより、冷却
風路を通る冷却風が送風通路を通る高圧の送風で乱され
ることをなくして、冷却空気の流れが円滑に確保して電
動機効率の低下を防止している。

【００４５】前記構成の電動送風機ＦＭは、ウェットア
ンドドライタイプの電気掃除機の本体ケース内に、図１
０に示されるように冷却ファン３７が上に、送風ファン
４１が下に位置するように内蔵される。そして、電動送
風機ＦＭの冷却ファン３７側は、電動機ホルダ３１のホ
ルダ部３３の外側に嵌合される環状のサポートゴム５１
を介して前記本体ケースのリブ５２に支持されるととも
に、電動送風機ＦＭの送風ファン４１側は、ファンカバ
ー４３のカバー周壁４３ａとファンカバー端壁４３ｂと
がなす角部の外側に嵌合される環状のサポートゴム５３
を介して前記本体ケースのリブ５４ａ，５４ｂに支持さ
れる。

【００４６】また、図１０中５５は本体ケースの風路隔
壁であり、これは環状のサポートゴム５６を介して外部
風路区画体７１の冷却ファン３７側の端部に接してい
る。この風路隔壁５５とリブ５４ａとの間に送風用の第
１排気通路５７が形成され、この排気風路５７により水
を含んだ送風がブラシ装置２７側に流れないようにして
あるとともに、風路隔壁５５とリブ５２との間に冷却風
用の第２排気通路５８が形成されている。

【００４７】前記構成の電動送風機ＦＭを動作させる
と、ロータ２１とともに冷却ファン３７および送風ファ
ン４１が回転される。そのため、冷却ファン３７の回転
により、その軸方向に送られた風は、電動機フレーム１
の冷却用通孔６を通って、ステータ巻線１７の冷却ファ
ン側部分１７ｂに吹き付けられるように電動機フレーム
１内に流入する。

【００４８】この風は、ステータ１５に電動機フレーム
１との間の空隙Ｇを塞ぐ閉鎖板１８を取付けた構成によ
り、ステータ１５とロータ２１との間の冷却通路２５を
集中して通って、これらステータ１５およびロータ２１
を冷却する。

【００４９】冷却通路２５を通った風は、内部風路区画
体４５の内面に導かれてファンカバー取付け壁５の張り
出し板部４ａに形成された第２排気孔５０を通って、電
動機フレーム１外に排出される。しかも、内部風路区画
体４５での冷却風の案内において、冷却通路２５が一対
のステータ巻線１７間に位置されているとともに、第２
排気孔５０がステータ巻線１７の送風ファン側部分１７
ａを冷却通路２５との間に挟むような外側位置に設けら
れていることにより、冷却通路２５を通った冷却風は送
風ファン側部分１７ａに沿うように内部風路区画体４５
で案内されながら第２排気孔５０に至る。なお、前記の
ようにして引起こされる冷却風の流れは図１中点線矢印
で示される。

【００５０】したがって、この冷却風により電動機部の
温度上昇を少なくできる。すなわち、前記のように冷却
風をステータ巻線１７の送風ファン側部分１７ｂに吹付
けた後に冷却通路２５に冷却風を集中して通すだけでな
く、ステータ巻線１７の送風ファン側部分１７ａに沿わ
せて冷却風を流動させることができるので、ステータ１
５およびロータ２１を効果的に空冷して、電動機部の温
度上昇を少なくできる。

【００５１】そして、第２排気孔５０を通って電動機フ
レーム１外に排出された冷却風は、電動機フレーム１の
円筒壁２の外周面と外部風路区画体７１の内周面との間
を通って第２排気風路５８に導かれ、この風路５８から
前記本体ケース外に適宜排気される。

【００５２】一方、送風ファン４１の回転により図１中
実線で示される送風の流れが形成される。すなわち、フ
ァンカバー４３の吸気口４４および送風ファン４１の吸
込み口４１ａを通って送風ファン４１内に吸込まれた空
気は、このファン４１の吐出し口４１ｂから遠心方向に
吐出される。吐出された高速の風は、前記整流風路を通
った後にファンカバー４３のカバー周壁４３ａの内面に
当たってファンカバー取付け壁４側に方向を変えて流れ
ながら、内部風路区画体４５のベース部４６の周部を迂
回し環状隔壁４７の外周面に沿って案内され、そして、
ファンカバー取付け壁４の張り出し板部４ａに形成され
た第１排気孔４９を通って、ロータ２１の軸方向に沿い
電動機フレーム１外に排出される。

【００５３】この送風動作において、内部風路区画体４
５は前記冷却風および前記送風がファンカバー４３内で
混じることがないように風路を仕切って、夫々の風を対
応する各排気孔４９，５０に向けてロータ２１の軸方向
に案内するから、冷却風の円滑な流れが確保されて電動
機部の空冷作用が損なわれることを防止できるととも
に、前記送風の乱れも防止でき、良好な送風作用を維持
できる。

【００５４】そして、第１排気孔４９を通って電動機フ
レーム１外に排出された送風は、ファンカバー取付け壁
４の張り出し周部４ｂの内周面と外部風路区画体７１の
外周面との間を通って第１排気風路５７に導かれ、この
風路５７から前記本体ケース外に適宜排気される。

【００５５】以上のように各排気孔４９，５０から排出
された冷却風と送風とを、外部風路区画体７１および風
路隔壁５５とで夫々別々に案内するため、これらの風が
混じり合うことがないとともに、第１，第２排気風路５
７，５８により冷却風と送風とを夫々別々に導びいて排
気するので、送風ファン４１に吸込まれる空気が水を含
んでいても、この水に電動送風機ＦＭがその外部から晒
されることがない。さらに、前記送風動作において、送
風ファン４１の回転で形成される送風は前記冷却風より
も圧力が高いが、この送風が電動送風機ＦＭの電動機部
内に送り込まれることを、内部風路区画体４５により防
止できる。そのため、送風ファン４１に吸込まれる空気
が水を含んでいても、この水に電動機部の内部が晒され
ることがない。このように電動機部の内外に送風に含ま
れる水が作用することがないので、電動機部の鉄系部品
に錆を生じる等の水による悪影響を防止できる。

【００５６】また、前記送風動作によれば、ファンカバ
ー４３のカバー周壁４３ａを直接的に通って排気される
ことがなく、方向変換されることと相俟って、吐出し口
４３ａから第１排気孔４９までの送風経路の距離が長い
ことにより、送風ファン４１の吐出し口４１ｂから吐出
された直後の勢いが良い非常に高速の風の勢いを殺い
で、第１排気孔４９からロータ２１の軸方向に排出させ
ることができる。

【００５７】そのため、第１排気孔４９を風が通る際に
生じる風切音を小さくできる。したがって、第１排気孔
４９の孔縁に風切音を小さくするための曲げ加工を施す
必要がない。なお、さらに静粛な運転を要する場合には
第１排気孔４９の孔縁に風切音を小さくするための曲げ
加工を施すと有効である。しかも、第１排気孔４９が設
けられた張り出し板部４ａは曲面ではなく平面であるの
で、そこに施す第１排気孔４９の孔開け加工を容易に行
なうことができる。

【００５８】前記のように送風ファン４１が形成する風
をロータ２１の軸方向にファンカバー取付け壁４から排
出するので、ファンカバー４３の外側に嵌合されるサポ
ートゴム５３が第１排気孔４９を塞ぐことがない。その
ため、サポートゴム５３のファンカバー４３に対する嵌
合深さＨ（図１０参照）を深く確保して、このゴム５３
の取付け状態を安定させることができる。

【００５９】したがって、電動送風機ＦＭを電気掃除機
の本体ケース内に組込む際などにおいて、サポートゴム
５３が不用意に落下することがなくなり、組込み作業を
容易にできる。それにも拘らず、サポートゴム５３の嵌
合深さを大きくするために送風ファンを多段に設けてフ
ァンカバーを長くする必要がなく、送風ファン４１は一
台だけでよいので、電動送風機ＦＭの軸方向長さを短く
できる。

【００６０】また、送風ファン４１で形成される風の流
れによれば、ファンカバー４３の周囲には風を流すため
の空間を必要としない。そのため、電動送風機ＦＭの実
質的な設置スペースを小さくでき、この送風機ＦＭの周
囲の他の部品を接近させて配置したり、或いは電気掃除
機の本体ケースを電動送風機ＦＭの径方向に沿う小形化
を図る場合に有利である。

【００６１】図１１〜図１４は本発明の第２実施例を示
している。この実施例の説明にあたり、前記第１実施例
と同じ構成については前記第１実施例と同一符号を付し
て、その説明を省略するとともに、前記第１実施例とは
異なる構成についてのみ以下説明する。

【００６２】第２実施例が前記第１実施例と異なる点は
ファンカバー取付け壁４に取付けられた外部風路区画体
７５の構成であり、その他の構成は図示されない部分を
含めて前記第１実施例の構成と同様である。

【００６３】すなわち、図１３および図１４に示される
ように合成樹脂製の外部風路区画体７５は、内周壁７６
と、この壁７６と平行な外周壁７７と、これら両壁７
６，７７を一体につないだ底壁７８とからリング状をな
して形成されている。内周壁７６は前記内部風路区画体
４５の環状隔壁４７と同じ径であるとともに、外周壁７
７はファンカバー４３の外径よりも大きい径で形成され
ている。

【００６４】この外部風路区画体７５は、ファンカバー
取付け壁４の張り出し板部４ａに形成された４つのねじ
孔１３（図４参照）に螺合するねじ７９を介して張り出
し板部４ａに固定されており、各壁７６〜７８がなす環
状凹部内には、張り出し板部４ａにおける前記環状隔壁
４７より外側に位置する部分、およびファンカバー４３
の冷却ファン３７側の開口側部分が収納されている。

【００６５】詳しくは、内周壁７６は、環状隔壁４７と
の間の張り出し板部４ａを挟んで、この板部４ａの冷却
ファン３７側の面に当接して風路隔壁４７の延長線上に
位置されている。外周壁７７はファンカバー４３の周壁
４３ａの冷却ファン３７側の開口側部分を取り囲んで位
置され、この外周壁７７の先端部はゴムパッキン５６を
介して風路隔壁５５に接触している。底壁７８はファン
カバー取付け壁４の第１排気孔４９より外周側部分と対
向して位置されている。

【００６６】この第２実施例において、内部風路区画体
４５のベース壁４６の外周面とファンカバー４３のカバ
ー周壁４３ａとの間の送風隙間Ａと、内部風路区画体４
５の環状周壁４７とカバー周壁４３ａとの間の送風隙間
Ｂと、送風隙間としての第１排気孔４９の径Ｃと、外部
風路区画体７５の内周壁７６とファンカバー取付け壁４
の張り出し周部４ｂとの間の送風隙間Ｄと、ファンカバ
ー４３の開口縁と外部風路区画体７５の底壁７８との送
風隙間Ｅと、ファンカバー４３のカバー周壁４３ａと外
部風路区画体７５の外周壁７７との間の送風隙間Ｆと
は、Ｅ＜Ａ＜Ｆ＜Ｃ＜Ｄ＜Ｂの関係に定められている。
それにより、第１排気風路５７に通じる送風隙間Ａ〜Ｅ
からなる送風経路は狭まった後に拡大することを繰り返
す通路構成となっている。

【００６７】この第２実施例の構成においては、本発明
の所期の目的を前記第１実施例と同様の作用により達成
できることに加えて、外部風路区画体７５の構成によ
り、第１排気孔４９から排出された送風を外部風路区画
体７５の底壁７８および外周壁７７により方向変換させ
てＵターンさせながら第１排気風路５７に導くから、送
風の勢いをさらに弱めて、送風動作に伴う風切音をより
小さくできる。しかも、前記のような送風隙間Ａ〜Ｆの
構成により、送風ファン４１から第１排気風路５７に導
かれる送風が膨脹と収縮とを繰り返す回数が多いから、
それによる消音作用でより一層風切音をより小さくでき
る。

【００６８】図１６は本発明の第３実施例を示してい
る。この実施例の説明にあたり、前記第１実施例と同じ
構成については前記第１実施例と同一符号を付して、そ
の説明を省略するとともに、前記第１実施例とは異なる
構成についてのみ以下説明する。この第３実施例が前記
第１実施例と異なる点は、ファンカバー取付け壁４に形
成される第１排気孔（送風排気部）４９と第２排気孔
（冷却風排気部）５０の構成であり、その他の構成は図
示されない部分を含めて前記第１実施例の構成と同様で
ある。

【００６９】すなわち、図１６に示されるようにファン
カバー取付け壁４の張り出し部４ａには、内部風路区画
体４５の環状隔壁４７により２分される孔が設けられ
て、この孔の環状隔壁４７の外側に位置される孔部分が
第１排気孔４９と用いられ、環状隔壁４７の内側に位置
される孔部分を第２冷却用排気部５０として用いられて
いる。

【００７０】この第３実施例の構成においては、本発明
の所期の目的を前記第１実施例と同様の作用により達成
できることに加えて、環状隔壁により２分されることに
より第１排気孔４９および第２排気孔５０として用いら
れる孔を設けたから、第１実施例に比較してファンカバ
ー取付け壁４の張り出し部４ａに対する孔加工の加工数
が減って、孔加工を容易にできる利点がある。

【００７１】図１７〜図１９は本発明の第４実施例を示
している。この実施例の説明にあたり、前記第２実施例
と同じ構成については前記第２実施例と同一符号を付し
て、その説明を省略するとともに、前記第２実施例とは
異なる構成についてのみ以下説明する。この第４実施例
が前記第２実施例と異なる点は、外部風路区画体７５の
構成であり、その他の構成は図示されない部分を含めて
前記第２実施例の構成と同様である。

【００７２】すなわち、外部風路区画体７５の底壁７８
の内面にバッフル突部８１が一体に突設されている。こ
の突部８１は、環状であって、外部風路区画体７５とフ
ァンカバー取付け壁４およびファンカバー４３との相互
対向面間に形成される流出風路８２内に突出され、その
突出先端が例えばファンカバー取付け壁４の張り出し縁
部４ｃに近付けられていて、流出風路８２の一部を他の
流出風路部分より狭めている。

【００７３】この第４実施例の構成においては、本発明
の所期の目的を前記第２実施例と同様の作用により達成
できることに加えて、バッフル突部８１を設けたことに
より、流出風路８２内において排出される送風を絞った
後に膨脹させることができ。したがって、前記各送風隙
間Ａ，Ｂ，Ｄ，Ｅ、および、送風隙間としての第１排気
孔４９の径Ｃとの寸法関係（Ｅ＜Ａ＜Ｆ＜Ｃ＜Ｄ＜Ｂ）
に加えて、送風が膨脹と収縮とを繰り返す回数をより多
く確保できるから、それによる消音作用でより一層風切
音をより小さくできる。

【００７４】なお、この第４実施例において、バッフル
突部８１を複数設けてもよいとともに、それらを設ける
位置も外部風路区画体７５の内面に限らず、この内面と
対向するファンカバー取付け壁４およびファンカバー４
３との少なくとも一方に設けてもよく、このように複数
設けることによって、さらに大きい消音作用を得ること
ができる。

【００７５】図２０は本発明の第５実施例を示してい
る。この実施例の説明にあたり、前記第２実施例と同じ
構成については前記第２実施例と同一符号を付して、そ
の説明を省略するとともに、前記第２実施例とは異なる
構成についてのみ以下説明する。この第５実施例が前記
第２実施例と異なる点は、外部風路区画体７５の内部に
消音材９１を収納したあり、その他の構成は図示されな
い部分を含めて前記第２実施例の構成と同様である。

【００７６】すなわち、消音材９１はガラスウールを適
用な厚さに固めてファンカバー４３よりも大径なリング
状をなしており、これは外部風路区画体７５に設けた段
部７５ａに支持されている。そして、外部風路区画体７
５をファンカバー取付け壁４にねじ止めすることにより
ファンカバー４３の開口を塞いで配置されている。

【００７７】外部風路区画体７５内に消音材９１を設け
たことにより、第１排気孔４９を通った送風は、消音材
９１を一度通って外部風路区画体７５の底壁７８で方向
変換された後に、再び消音材９１を通過して、ファンカ
バー４３のカバー周壁４３ａと外部風路区画体７５の外
周壁７７との間を通って第１排気風路に流出する。

【００７８】このようにして消音材９１により送風に消
音作用を施すことができるので、それにより風切音をよ
り小さくできる。

【００７９】なお、本発明は前記各実施例に制約されな
い。例えば、ステータコアの一端部にファンカバー取付
け壁をなす第１電動機フレームが連結され、ステータコ
アの他端部にブラシ装置が取付けられる第２電動機フレ
ームが連結されて、これら両フレーム間にステータコア
の大部分が露出する構成を備える電動送風機にも適用で
きる。なお、このタイプの電動送風機への実施に当たっ
て閉鎖板を設ける場合には第２電動機フレームとステー
タとの間の空隙を閉鎖するように、閉鎖板をステータに
取付ければよい。

【００８０】また、本発明において送風排気部４９は、
張り出し板部４ａと張り出し周部４ｂとに渡って形成し
てもよいし、或いは張り出し周部４ｂと張り出し縁部４
ｃとに渡る切欠（その開放端はファンカバー４３のカバ
ー周壁４３ａで閉じられる。）、または張り出し縁部４
ｃに設けた切欠で形成してもよい。さらに、送風排気部
４９は張り出し板部４ａの周方向に延びる長孔状の孔で
形成してもよい。

【００８１】しかも、本発明において閉鎖板１８は省略
しても良い。すなわち、ステータ巻線１７の送風ファン
側部分１７ａはロータ軸２１から遠ざかるように径方向
外側に曲げられていて、その一部は閉鎖板１８がない場
合に空隙Ｇに対向する関係にあるから、冷却通路２５と
通って冷却用排気部５０に至る冷却風とともに、空隙Ｇ
を通って冷却用排気部５０に至る冷却風においても前記
送風ファン側部分１７ａを空冷できるからである。

【００８２】さらに、前記各実施例では外部風路区画体
７１，７５を電動送風機に取付けたが、これらは電気掃
除機の本体ケース等の送風機設置部材に設けて、この部
材への電動送風機の設置により、電動送風機のファン取
付け壁の冷却ファン側の面に当たるようにして実施して
もよい。

【００８３】

【発明の効果】以上詳記したように請求項１に係る本発
明の電動送風装置によれば、送風ファンから吐出された
高速の風の勢いを殺いでファンカバー取付け壁の送風排
気部に通すから、送風動作に伴う風切音を小さくできる
とともに、送風排気部がファンカバーの外側に嵌合され
るサポートゴムで塞がれることがなく、送風ファンを多
段に設ける必要がないので、電動送風機全体の軸方向の
寸法を短くできる。さらに、環状隔壁を有した内部風路
区画体を備えるとともに、ファンカバー取付け壁に冷却
用排気部を設けて、前記送風と混じることなく冷却風を
ロータの軸方向に排出できるから、送風および冷却風の
排出が円滑に行われ電動機部の温度上昇を少なくできる
とともに、内部風路区画体と外部風路区画体および風路
隔壁とで電動送風機の内外において夫々冷却風と送風と
を仕切ったから、電動機部がその内外から送風に含まれ
る水に晒されることを防止できる。

【００８４】また、請求項２に係る本発明の電動送風装
置においては、送風排気部から排出された送風を外部風
路区画体によりＵターンするように方向変換させて送風
の勢いをさらに弱めたから、送風動作に伴う風切音をよ
り小さくできる。

【００８５】また、請求項２に係る本発明の電動送風装
置においては、外部風路隔壁とファンカバー取付け壁お
よびファンカバーとの間に形成される流出風路内に突出
されるバッフル突部を備えることにより、送風排気部か
ら排出された送風を流出風路内で収縮・膨脹させること
ができ、それにより送風動作に伴う風切音をより小さく
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る電動送風機の構成を
図２中Ｚ−Ｚ線に沿って示す断面図。

【図２】同第１実施例に係る電動送風機の構成を図１中
矢印Ｙ方向から見て示す図。

【図３】同第１実施例に係る電動送風機の電動機部の構
成を図１中矢印Ｘ方向から見て示す図。

【図４】同第１実施例に係る電動送風機の電動機フレー
ムの構成を図１中矢印Ｘ方向から見て示す図。

【図５】同第１実施例に係る閉鎖板の構成を示す平面
図。

【図６】図５に示された閉鎖板の側面図。

【図７】図５中Ｗ−Ｗ線に沿って示す閉鎖板の断面図。

【図８】図５に示された一対の閉鎖板がステータに取付
けられた状態を示す平面図。

【図９】同第１実施例に係るファンカバー取付け壁に対
する内外の風路区画体の接合関係を示す断面図。

【図１０】同第１実施例に係る電動送風機の取付け状態
を示す図。

【図１１】本発明の第２実施例に係る電動送風機の構成
を図１２中Ｖ−Ｖ線に沿って示す断面図。

【図１２】同第２実施例に係る電動送風機の構成を図１
１中矢印Ｕ方向から見て示す図。

【図１３】同第２実施例に係る外部風路区画体の構成を
示す平面図。

【図１４】図１３に示された外部風路区画体を一部断面
して示す側面図。

【図１５】同第２実施例に係る電動送風機の取付け状態
を示す図。

【図１６】本発明の第３実施例に係る電動送風機の電動
機部の構成を断面した内部風路区画体とともに示す前記
図３相当の図。

【図１７】本発明の第４実施例に係る電動送風機の構成
を示す前記図１１相当の断面図。

【図１８】同第４実施例に係る外部風路区画体の構成を
示す平面図。

【図１９】図１８に示された外部風路区画体を一部断面
して示す側面図。

【図２０】本発明の第５実施例に係る電動送風機の構成
を示す前記図１１相当の断面図。

【符号の説明】

４…ファンカバー取付け壁、６…冷却用通孔、１５…ス
テータ、１８…閉鎖板、２１…ロータ、２２…ロータ
軸、２５…冷却通路、３７…冷却ファン、４１…送風フ
ァン、４３…ファンカバー、４５…内部風路区画体、４
６…ベース部、４７…環状隔壁、４９…第１排気孔（送
風排気部）、５０…第２排気孔（冷却用排気部）、５５
…風路隔壁、５７…第１排気風路、５８…第２排気風
路、７１…外部風路区画体、７５…外部風路区画体、７
６…内周壁、７７…外周壁、７８…底壁、８１…バッフ
ル突部、８２…流出風路。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステータの内側に配設されるロータが有
   するロータ軸の一端部に遠心形送風ファンが取付けられ
   るとともに、前記ロータ軸の他端部に前記ステータおよ
   びロータを冷却するための冷却ファンが取付けられ、前
   記送風ファン側に前記ステータを取囲んで外側に張り出
   すファンカバー取付け壁が設けられ、この取付け壁に前
   記送風ファンを覆うファンカバーが取付けられた電動送
   風機を備え、 前記ファンカバー取付け壁の前記送風ファン側の面に当
   接する環状隔壁を有した内部風路区画体を、前記ファン
   カバー取付け壁と前記送風ファンとの間に配置し、 前記ファンカバー取付け壁に、前記冷却ファンによる送
   風を前記ロータ軸の軸方向に排出する冷却用排気部を前
   記環状隔壁の内側に位置して設けるとともに、前記送風
   ファンから吐出される風を前記ロータ軸の軸方向に排出
   する送風排気部を前記環状隔壁の外側に位置して設け、 前記電動送風機の外部に設けられる風路隔壁に連なる外
   部風路区画体を、前記環状隔壁との間に前記ファンカバ
   ー取付け壁を挟んでこの取付け壁の前記冷却ファン側の
   面に当接させて設けたことを特徴とする電動送風装置。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、前記外部風路
   区画体が、前記ファンカバー取付け壁の前記冷却ファン
   側の面に当接される内周壁と、前記ファンカバーの周部
   を取囲む外周壁と、前記ファンカバー取付け壁の前記送
   風排気部より外周側部分と対向して前記両周壁をつなぐ
   底壁とを有してなることを特徴とする電動送風装置。
3. 【請求項３】 請求項２の記載において、前記外部風路
   隔壁と前記ファンカバー取付け壁および前記ファンカバ
   ーとの相互対向面の少なくとも一方に、前記対向面間に
   形成される流出風路内に突出されるバッフル突部を設け
   たことを特徴とする電動送風装置。