JP2006200485A - 電動送風機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電動送風機において、遠心型送風ファンから放出された気流を円滑にして、エネルギー効率または送風効率をさらに向上させることが課題であった。
【解決手段】 モータフレーム4のフランジ部11に、回転軸支持板15の端部16の板厚と同一またはこれより大きい寸法の凹部を有する係合段部13を設け、この係合段部13に回転軸支持板15の端部16を上面に突出させることなく係合するとともに、回転軸支持板15の端部16の下面に設けた固定部材20により回転軸支持板15をフランジ部11に固定した電動送風機である。
【選択図】 図1
【解決手段】 モータフレーム4のフランジ部11に、回転軸支持板15の端部16の板厚と同一またはこれより大きい寸法の凹部を有する係合段部13を設け、この係合段部13に回転軸支持板15の端部16を上面に突出させることなく係合するとともに、回転軸支持板15の端部16の下面に設けた固定部材20により回転軸支持板15をフランジ部11に固定した電動送風機である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、遠心型送風ファンの排気風により電動部を冷却可能にした電動送風機に関する。
従来の電気掃除機などに用いられる電動送風機には、ロータである電気子およびステータである固定子の周囲を、モータフレームである円筒状の胴体ケースで覆われた電動機と、ロータ軸の端部に固定されたファンと、このファンを覆うファンカバーと、ファンと電動機との間に設けられたディフューザおよびロータ軸を中央部で支持する取付体とを設けたものがある。この電気子が回転することにより、ファンの外周部から流出した空気は、ディフューザから放出されて胴体ケースの内部に流入し、電動機を冷却するようになっている。
そして、長手板状の前記取付体は、胴体ケースに有する開口部の中央部を径方向に覆うように架け渡されて、その両端部が胴体ケースのフランジ部に数本のねじにより固定されている。この取付体の両側に位置する胴体ケースの開口部は、前記電動部を冷却するための空気の通風路となっている。(例えば、特許文献1参照)
また、他の従来の電動送風機には、モータフレームである有底円筒状の主ケースに有するフランジ部に高さTの環状壁を設け、この環状壁の内部に円盤状の副ケースの外周部を埋没させて、数本のネジにより固定したものがある。この副ケースは、4ヶ所に通気孔が設けられ、ロータである回転子が回転することにより、ファンの外周部から流出した空気は、ディフューザである整流板から放出され、通気孔を経由して主ケースの内部に流入し電動機を冷却するようになっている。(例えば、特許文献2参照)
上記いずれの電動送風機においても、ファンの外周部から流出した空気は、ディフューザにより整流されてから放出され、モータフレームの開口部に有する通風路または通気孔からモータフレームの内部に流入するようになっている。
特開2001−153097号公報(第4頁、図1)
特開2001−207999号公報(第5頁、図1)
従来のこれらの電動送風機は、ディフューザから空気が放出された際に、特許文献1においては取付体の端部およびこの端部を固定するねじ頭、特許文献2においては副ケースを固定するネジ頭が、モータフレームのフランジ部からディフューザ側に部分的に突出していることから、放出された気流の障害物となったり、乱気流を生じさせることになる。これによって電動機の十分な性能が得られないものである。
本発明は、上記事情によりなされたものであって、モータフレームの開口部における空気の流れを円滑にする電動送風機の提供を目的とする。
本発明は、ロータおよびステータならびにこれらの外周部を覆う筒状のモータフレームを有する電動部と、前記ロータの回転軸に固定された遠心型送風ファンと、前記モータフレームの外周から外方に向かって環状に突出したフランジ部と、このフランジ部に外周端部が係合し前記遠心型送風ファンを覆うファンカバーと、前記フランジ部と前記遠心型送風ファンとの間に設けられ前記遠心型送風ファンの外周から流出した気体を前記電動部に向かって排出させるディフューザと、前記ロータの回転軸の一端部および前記ディフューザを支持する回転軸支持板を備えた電動送風機において、前記フランジ部に前記回転軸支持板の端部の板厚と同一またはこれより大きい寸法の凹部を有する係合段部を設け、この係合段部に前記回転軸支持板の端部を上面に突出させることなく係合するとともに、前記回転軸支持板の端部の下面に設けた固定部材により前記回転軸支持板を前記フランジ部に固定したことを特徴とする。
本発明の電動送風機は、デュフューザからモータフレームの開口部に向かって放出された気流の障害物や空気の乱気流発生を減少させ、エネルギー効率または送風効率を向上させることができる。
以下、本発明による電動送風機の実施態様について、図1から図4を参照して説明する。
図1および図3は、この発明の1つの実施形態に係る電動送風機1を示す。この電動送風機1は、一般に電気掃除機などに用いられるもので、大きく分けて電動部2とファン部3とから構成されている。このうち電動部2は、比較的肉厚の鉄板を有底円筒状に成形したモータフレーム4を有し、このモータフレーム4の内周壁には、後述するステータ5が固定されている。またモータフレーム4の底部6の中心部には、円形の軸受凹部7を有してベアリング8が収容されている。
さらに、モータフレーム4の底部6と反対側の端部には、円形の開口部10を有するとともに、外周部が湾曲部9を介して外方に直角方向に延びて平坦面となった環状のフランジ部11が一体的に設けられている。このフランジ部11には、底面が平坦な凹部となった一対の係合段部13が形成されている。この係合段部13は、モータフレーム4をプレス加工する際にフランジ部11の一部を屈曲させて一体成形したものである。さらに、係合段部13のそれぞれ底面には、ほぼ中央部に位置して円周方向に細長い形状の支持板嵌合孔14が貫通して設けられている。
また、フランジ部11に有する一対の係合段部13には、開口部10の中心を横切るように架け渡され、中央部が多少上方に湾曲した回転軸支持板15の両端部16が係合している。この回転軸支持板15の両端部16は、その外形が係合段部11の形状と同一であること、およびこの両端部16の板厚が係合段部の深さと同一またはわずかに薄い寸法を有していることにより、回転軸支持板15の両端部16は、係合段部13から外方に突出することなく埋没状態となって密着部17で嵌合している。
この回転軸支持板15は、全体が金属製の長尺状板体からなり、プレス加工により両端部16を除いた一対のアーム部18を含む両側を、モータフレーム4の開口部10に向かって折り曲げて、強度を持たせるための補強部19が設けられている。また、回転軸支持板15の両端部16の外方中央には、モータフレーム4のフランジ部11に向かって直角方向に切起された所定幅の固定部材20が一体的に設けられている。この固定部材20の先端にある係止部21は、前記支持板嵌合孔14に嵌合して貫通するとともに、さらにこの支持板嵌合孔14の縁部を挟持するようにU字状に折り返されてフランジ部11に堅固に固定されている。これにより、回転軸支持板15は、その両端部16でフランジ部11にしっかりと固定されている。
さらに回転軸支持板15は、中心部に円筒状の軸受凹部23を有し、この軸受凹部23にベアリング24が収容され、このベアリング24とモータフレーム4の底部6にある前記ベアリング8とにより支持されて、回転子であるロータ25の回転軸26が回転自在に設けられている。また、フランジ部11に有する開口部10を横切るように、回転軸支持板15が直径方向に架け渡されているが、この回転軸支持板15のアーム部18の両側にある開口部10は、気流が通過する通風路28となっている。
回転軸26には、整流子片を多数外周に有する整流子30、積層鉄心を主体とするアーマチュアコア31、およびこのアーマチュアコア31に巻回して各整流子片に各端部が接続されたアーマチュアコイル32が固定されて設けられ、回転子である前記ロータ25を形成している。また整流子30の外周面には、モータフレーム4に固定された一対のカーボンブラシ装置33に収容されたカーボンブラシ34の先端が、それぞれ両側から圧接されている。
また、回転軸26の先端部には、遠心型送風ファン35が取り付けられている。この遠心型送風ファン35は、いずれも円板状をして吸入口36を有する上ファンプレート37および下ファンプレート38と、これらの間に固定された渦巻状のファン翼39とを備え、この下ファンプレート38の中心孔を回転軸26の先端部に挿入してナット40により固定されている。さらに遠心型送風ファン35は、中心部に円形の流入口42を有するお椀状のファンカバー43により覆われ、このファンカバー43の外周端は、モータフレーム4に一体となったフランジ部11の外周端に嵌合して固定されている。
この遠心型送風ファン35と前記フランジ部11との間に位置して設けられて、両面に風路を有する円盤状のディフューザ45は、軸受凹部23を中心に相対的な位置にある一対のねじ46を、回転軸支持板15の取付穴44に係合することにより取り付けられている。このディフューザ45の表側には、遠心型送風ファン35の外周にあたる位置を入口として渦巻状に設けられた整流板47が設けられ、この整流板47により形成される送風路48は、ファンカバー43の内側外周部50を経由して、ディフューザ45の裏側に渦巻状に備えた下流整流板51により形成される通気路52に連通している。これらのディフューザ45に一体的に設けられた整流板47および下流整流板51の外周部は、ファンカバー43の外周部内壁とフランジ部11の平坦面ならびに回転軸支持板15の両端部16との間に密着して挟持されるように位置している。
また、通気路52は、モータフレーム4の開口部11に有する前記通風路28から、電動部2の前記ステータ5とロータ25との間の空隙や周辺部に連通するとともに、さらにモータフレーム4の端部外周に設けた複数の排気口54に連通している。このステータ5は、ロータ25の外周部に配置され、図示しないステータコイルを巻回した積層鉄心からなるステータコア55を有してモータフレーム4に固定されている。
次に、この電動送風機1を駆動した場合について説明する。ステータ5、ステータコイルおよびアーマチュアコイル32に電流が供給されると、回転軸26を中心にロータ25が回転して遠心型送風ファン35を回転させる。これによりファンカバー43の流入口42から空気が流入し、遠心型送風ファン35を通過して、その外周から整流板47により区画された通風路48を経由し、ファンカバー43の内側外周部50に流入する。
そして、この内側外周部50から、空気は下流整流板51の通気路52、開口部11に位置した回転軸支持板15の両側に有する前記通風路28を経由してモータフレーム4の内部に流入する。これにより、ステータ5、ロータ25などを冷却して、その後排気口54から電動送風機1の外部に放出される。
この空気が、内側外周部50から通気路52に流入する際、回転軸支持板15の両端部16およびこれらに有する固定部材20が、フランジ部11の平坦面から上方に突出していないことにより、気流の抵抗となったり乱流が生じることを少なくすることができる。
次に、図4により、その他の実施例を説明する。実施例1と同一の構成は、同一の符号により示した。回転軸支持板15の両端部60は、切起部などのない平坦面となっており、この両端部60の中心部には、それぞれ螺旋状のネジ孔61が設けられている。また、このネジ孔61の位置に対応するフランジ部11の係合段部13には、円形の貫通孔62が設けられている。そして、フランジ部11の下方からは、固定部材であるネジ63が貫通孔62を通してネジ孔61に係合され、回転軸支持板15がフランジ部11に堅固に固定されている。このネジ63は、その先端が回転軸支持板15の両端部60の表面から、下流整流板51の通気路52側に全く突出することのない長さとなっている。
この図4の構成により、図2の場合と同様に電動送風機1を駆動した場合、ファンカバー43の内側外周部50から下流整流板51により設けられた通気路52に流入する際、回転軸支持板15の両端部16およびこれらに有する固定部材であるネジ63が、フランジ部11の平坦面から上方に突出していないことにより空気が円滑に流れ、気流の抵抗になったり乱流が生じることを少なくすることができる。
以上のように、上記回転軸支持板15の両端部16に設けた固定部材は、モータフレームのフランジ部11の平坦面から上方に突出しないものであれば、カシメなどの固定手段であっても良いものである。また、このフランジ部11は、モータフレームの円筒部から必ずしも外方に湾曲して直角に延びている必要はなく、80度または70度の角度に延びているものでも良い。これらの場合は、回転軸支持板の端部をこれらの角度と平行となる角度に曲げる必要がある。
また、上記回転軸支持板15は、長尺状板体で形成したが、これを円盤状の板体として、その数個所に比較的大きな通風穴を設けて通風路とした回転軸支持板であっても良い。この場合、フランジ部には円環状の係合段部を設け、この係合段部に回転軸支持板の外周端部を嵌合して、外周端部をフランジ部の平坦面から上方に突出しないように埋没させ、外周端部に円弧状に配置した複数個の固定部材により固定することになる。
以上説明したように、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で変形することが可能である。
1 電動送風機
2 電動部
3 ファン部
4 モータフレーム
5 ステータ
10 開口部
11 フランジ部
13 係合段部
14 支持板嵌合孔
15 回転軸支持板
20、63 固定部材
25 ロータ
26 回転軸
35 遠心型送風ファン
43 ファンカバー
45 デュフューザ
2 電動部
3 ファン部
4 モータフレーム
5 ステータ
10 開口部
11 フランジ部
13 係合段部
14 支持板嵌合孔
15 回転軸支持板
20、63 固定部材
25 ロータ
26 回転軸
35 遠心型送風ファン
43 ファンカバー
45 デュフューザ
Claims (2)
- ロータおよびステータならびにこれらの外周部を覆う筒状のモータフレームを有する電動部と、前記ロータの回転軸に固定された遠心型送風ファンと、前記モータフレームの外周から外方に向かって環状に突出したフランジ部と、このフランジ部に外周端部が係合し前記遠心型送風ファンを覆うファンカバーと、前記フランジ部と前記遠心型送風ファンとの間に設けられ前記遠心型送風ファンの外周から流出した気体を前記電動部に向かって排出させるディフューザと、前記ロータの回転軸の一端部および前記ディフューザを支持する回転軸支持板を備えた電動送風機において、
前記フランジ部に前記回転軸支持板の端部の板厚と同一またはこれより大きい寸法の凹部を有する係合段部を設け、この係合段部に前記回転軸支持板の端部を上面に突出させることなく係合するとともに、前記回転軸支持板の端部の下面に設けた固定部材により前記回転軸支持板を前記フランジ部に固定したことを特徴とする電動送風機。 - 前記フランジ部に有する前記係合段部の底部に支持板嵌合孔を設け、この支持板嵌合孔に前記回転軸支持板の端部から下面に一体的に突出させた固定部材を挿入して屈曲させ、前記回転軸支持板を前記フランジ部に固定したことを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005014790A JP2006200485A (ja) | 2005-01-21 | 2005-01-21 | 電動送風機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005014790A JP2006200485A (ja) | 2005-01-21 | 2005-01-21 | 電動送風機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006200485A true JP2006200485A (ja) | 2006-08-03 |
Family
ID=36958696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005014790A Withdrawn JP2006200485A (ja) | 2005-01-21 | 2005-01-21 | 電動送風機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006200485A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007205284A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Toshiba Tec Corp | 電動送風機 |
-
2005
- 2005-01-21 JP JP2005014790A patent/JP2006200485A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007205284A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Toshiba Tec Corp | 電動送風機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080401 |