JP2725227B2 - 積層インダクタおよび該積層インダクタの製造方法 - Google Patents

積層インダクタおよび該積層インダクタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層インダクタならび
に該積層インダクタに用いるフェライト磁性体およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりフェライト磁性体は、数種類の
金属酸化物を選択して所定の比率で秤量し、これらを混
合した後1000〜1200℃の温度で焼成することにより製造
されてきたが、近年フェライト磁性体の改善が進み、N
i−Zn−Cu系のフェライト磁性体では、上記焼成温
度よりも低い 800〜 900℃程度の温度での焼成が可能に
なった。
【0003】このように、低温で焼成可能なフェライト
磁性体が開発されると、フェライト磁性体内にコイル導
体が埋設されてなる積層インダクタにおいては、そのコ
イル導体を銀パラジウム導電体に代え、融点が 960℃で
ある銀の導電体によって構成することが可能になった。
そのため、安価で特性の向上したインダクタを得ること
ができるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の低温焼成型のフェライト磁性体内に銀導電体を埋設
した積層インダクタは、その製造過程における焼成の
際、銀導電体がフェライト磁性体中に拡散して、コイル
導体が細くなる、いわゆる「痩せる」という現象が生
じ、電磁気特性が劣化してしまうという問題点があっ
た。
【0005】そこで本発明は、上述従来の技術の問題点
を解決し、銀導電体のフェライト磁性体中への拡散が防
止され、電磁気特性の向上した信頼性の高い積層インダ
クタならびに該積層インダクタに用いるフェライト磁性
体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究の結果、酸化物フェライト磁性
体原料粉末に対して、0.01〜 5wt%の銀を含有させるこ
とにより、上記課題が解決されることを見い出し、本発
明に到達した。
【0007】 すなわち、本発明は、Ni−Zn−Cu
酸化物フェライト磁性体原料粉末に対して、0.01〜 5
wt%の銀を添加してなるフェライト磁性体中に、銀導電
体からなるコイルが埋設されていることを特徴とする積
層インダクタ;およびNi−Zn−Cu系酸化物フェラ
イト磁性体原料粉末に対して、銀粉を0.01〜 5wt%の割
合で混合し、この混合粉末を仮焼成および解砕した後有
機バインダーと混練し、得られたスラリーからグリーン
シートを形成し、このグリーンシート表面に銀ペースト
によってコイル導体パターンを形成した後、これらのシ
ートを積層し、焼成および外部接続端子の形成を行うこ
とを特徴とする積層インダクタの製造方法を提供するも
のである。
【0008】また、本発明の積層インダクタの製造方法
においては、前記銀粉を仮焼成後に加えても良く、ま
た、酸化物フェライト磁性体原料粉末に対して、0.01〜
5wt%の金属銀を含む酸化銀粉を混合しても良い。
【0009】
【作用】 本発明によれば、フェライト磁性体中に銀を
存在させることにより、銀導電体からの銀のフェライト
磁性体中への拡散阻止を図り、このフェライト磁性体の
透磁率やμQ積等電磁気特性の向上を図ることができ
る。すなわち、フェライト磁性体中に銀を存在させるこ
とにより、フェライト磁性体とその内部に埋設された銀
導電体との間における銀濃度勾配が低くなるため、銀導
電体のフェライト磁性体中への拡散が阻止されるように
なるのである。
【0010】また、本発明においては、フェライト磁性
体中に存在させる銀は、金属銀または酸化銀のどちらで
も良く、酸化物フェライト磁性体原料粉末の焼成前また
は焼成後のどちらで添加してもその効果に大きな差異は
ない。
【0011】上記のように、本発明の積層インダクタ
は、銀導電体からなるコイルを埋設した場合における銀
導電体のフェライト磁性体中への拡散が防止されるよう
になったため、優れた電磁気特性を有する信頼性の高い
ものであり、また、外形寸法の小さいフェライト磁性体
内に細いコイル導体を埋設することが可能になるため、
小型化技術に大きく貢献するものである。
【0012】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
【0013】
【実施例1】本発明の積層インダクタおよび該インダク
タに用いるフェライト磁性体の製造方法の一例を以下に
示す。
【0014】まず、表1に示す組成比でフェライト原料
粉末を秤量し(Agはその他の成分の合計に対するwt
%)、これに適量の水を加えてボールミルで15時間攪拌
した後、スプレー式乾燥機によりスプレー乾燥して混合
粉末を得た。
【0015】
【表1】
【0016】次いで、この混合粉末を 800℃で 1時間焼
成(仮焼成)し、得られた仮焼物をボールミルに入れ、
適量の水を加えて15時間解砕した。次に、得られた泥漿
物をスプレー式乾燥機によりスプレー乾燥して仮焼粉末
を得、この粉末に適量の有機バインダーを加えてスラリ
ーを構成し、ドクターブレード方式によって厚さ75μm
のフェライトグリーンシートを作製した。
【0017】次に、上記のようにして作製したフェライ
トグリーンシートにおける所定の位置に複数のスルーホ
ールを形成し、一方の主面上に銀ペーストにより、積層
してスルーホール接続することによってらせん状のコイ
ルが構成されるコイル各部導体パターンを形成した。次
いで、これらのシートを所定の順序で積層し、フェライ
ト磁性体の内部に巻数が6のコイルが複数個埋設された
積層体を得た。得られた積層体は所定のチップ寸法に裁
断し、 900℃の温度で焼成した。
【0018】焼成後、得られたチップ素体におけるコイ
ル末端部導出端面に銀ペーストを塗布し、これを 600℃
の温度で焼き付けて外部電極を形成し、本発明の積層イ
ンダクタを得た。
【0019】上記のようにして多数の積層インダクタを
作製し、その中から無作為に 100個を選出し、市販のイ
ンピーダンスアナライザーにより、所定の周波数(測定
周波数)におけるインダクタンス(L)および品質係数
(Q)を測定し、その平均値を表2に示した。また、こ
れらの積層インダクタの実効磁路長、実効磁路断面積、
コイルの巻数およびインダクタンスから透磁率(μ)を
算出し、さらにこの透磁率(μ)と上記品質係数(Q)
とから磁気特性の目安となるミュウキュウ積(μQ積)
を算出し、表2に併記した。
【0020】
【表2】
【0021】
【実施例2】Fe2 3 78.25g、NiO26.15 g、Z
nO8.14gおよびCuO4.77gからなるフェライト原料
粉末を仮焼成した後、銀粉 0.6g(該フェライト原料粉
末に対して 0.5wt%)を加えたこと以外は、実施例1と
同様にして積層インダクタを作製し、この積層インダク
タについて実施例1と同様の測定を行い(測定周波数25
MHz)、その結果を表3に示した(試料番号4)。
【0022】
【表3】
【0023】なお、銀粉は有機バインダーと混合してス
ラリーを構成するときに加えても上記とほぼ同様の結果
が得られた。
【0024】
【実施例3】Fe2 3 78.25g、NiO15.69 g、Z
nO 16.28gおよびCuO7.96gからなるフェライト原
料粉末に対して、それぞれ0.01、0.05、 0.1、 1、 5、
7wt%の銀粉を加えたこと以外は実施例2と同様にして
積層インダクタを作製し、これらの積層インダクタにつ
いて実施例1と同様の測定を行い(測定周波数は1MH
z)、その結果を表4に示した。なお、表4におけるA
g量はwt%、LはμHである。
【0025】
【表4】
【0026】
【実施例4】Fe2 3 78.25g、NiO15.69 g、Z
nO 16.28gおよびCuO7.96gからなるフェライト原
料粉末に対する金属銀量が 0.5wt%となる量の酸化銀を
添加したこと以外は、実施例2と同様にして積層インダ
クタを作製し、この積層インダクタについて実施例1と
同様の測定を行い(測定周波数1MHz)、その結果を表3
に併記した(試料番号5)。
【0027】
【比較例】Fe2 3 78.25g、NiO15.69 g、Zn
O 16.28gおよびCuO7.96gからなるフェライト原料
粉末に銀粉末を添加しないこと以外は実施例1と同様に
して積層インダクタを作製し、この積層インダクタにつ
いて実施例1と同様の測定を行い(測定周波数1MHz)、
その結果を表3に併記した(試料番号6)。
【0028】上記実施例1ないし4および比較例から以
下のことが確認された。すなわち、銀を含む実施例1に
おける試料番号2の試料と比較例における試料番号6の
試料とは、フェライト原料粉末の組成がほぼ同等である
にもかかわらずAgを含む試料番号2の試料はL、Q、
μのすべてが高い値を示しており、μQ積に至っては約
80%も向上していた。このことからフェライト磁性体内
に銀を含有させることにより、電磁気特性が著しく向上
することが確認された。
【0029】また、仮焼成後のフェライト原料粉末に銀
を添加した実施例2における試料番号4の試料と、仮焼
成前のフェライト原料粉末に銀を添加した(原料配合時
に銀を添加)実施例1における試料番号1の試料とは、
銀の添加時期にはあまり大きな差はないが、仮焼成前に
銀を添加したほうが僅かにμQ積が高くなっていた。こ
のことから、銀の添加時期はフェライト原料粉末の仮焼
成前に添加したほうがより好ましいが、仮焼成後に添加
してもその効果に大きな差異はないことが確認された。
【0030】さらに、実施例3より、銀の添加量(フェ
ライト原料粉末に対するwt%)は、0.01〜 5wt%の範囲
が良く、0.01wt%より少なかったり 5wt%より多かった
りすると、μQ積が著しく低下してしまうことが確認さ
れた。また、実施例4(試料番号5)からもわかるよう
に、添加する銀は必ずしも金属粉に限らず酸化物であっ
てもその効果に大きな差異はないことが確認された。
【0031】
【発明の効果】本発明の開発により、銀導電体からなる
コイルのフェライト磁性体中への拡散が防止されるよう
になったため、低価格で電磁気特性の向上した信頼性の
高い積層インダクタを得ることができるようになった。
また、本発明の積層インダクタは、外形寸法の小さいフ
ェライト磁性体内に細いコイル導体を埋設することがで
きるため、小型化技術に大きく貢献するものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni−Zn−Cu系酸化物フェライト磁
    性体原料粉末に対して、0.01〜 5wt%の銀を添加してな
    フェライト磁性体中に、銀導電体からなるコイルが埋
    設されていることを特徴とする積層インダクダ。
  2. 【請求項2】 Ni−Zn−Cu系酸化物フェライト磁
    性体原料粉末に対して、銀粉を0.01〜 5wt%の割合で混
    合し、この混合粉末を仮焼成および解砕した後有機バイ
    ンダーと混練し、得られたスラリーからグリーンシート
    を形成し、このグリーンシート表面に銀ペーストによっ
    てコイル導体パターンを形成した後、これらのシートを
    積層し、焼成および外部接続端子の形成を行うことを特
    徴とする積層インダクタの製造方法。
  3. 【請求項3】 銀粉を仮焼成後に加えることを特徴とす
    る請求項記載の積層インダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 Ni−Zn−Cu系酸化物フェライト磁
    性体原料粉末に対して、0.01〜 5wt%の金属銀を含む酸
    化銀粉を混合することを特徴とする請求項記載の積層
    インダクタの製造方法。
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