JP2723191B2 - 弾薬マガジンにおける無端貯蔵―及び搬送チェーン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は特許請求の範囲第１項の上位概念による弾薬
マガジンにおける無端貯蔵−及び搬送チェーンに関す
る。

自動火器による連続射撃における弾薬筒の発射の際に
貯蔵−及び搬送チェーンに使用される弾薬筒は所望のカ
デンツのために必要な供給速度で供給されなければなら
ない。このことは、最短時間で連続射撃が開始される際
に貯蔵−及び搬送チェーンはかなりの質量を有する弾薬
筒と共に非常に強く加速されることになるが、弾薬筒の
質量による慣性力のために、迅速応答かつ強いブースタ
モータが使用される場合であっても、貯蔵−及び搬送チ
ェーンの加速が困難に直面することを意味する。従っ
て、連続射撃の開始における予期される慣性力の作用を
補償するために、一種の緩衝器として作用する装置が研
究された。

特に航空機における艦載砲のための、自動装填火器の
ための弾帯なしの弾薬筒のこの種の公知の弾薬供給装置
では、マガジンから火器への弾薬筒の装填はブースタモ
ータによって行われる。中間底を備えた弾薬容器が存在
し、その中で弾薬筒は無端搬送チェーンによる１つ又は
複数のループとなって上下に位置する。この搬送チェー
ンは少なくとも１つの駆動ホィール及び複数の転向ホィ
ール、転向ガイド及び緩衝ホィールを介して案内され
る。弾薬筒は受渡しユニットによって供給されかつ案内
される。運動可能に支承された梳取りホィールを形成す
る２つの転向装置は追加の装置によって加速される。こ
の公知の弾薬供給は、連続射撃の開始の際に大き過ぎな
い加速度を発生するために追加的に緩衝装置等の特別の
装置を必要とする、という欠点を有する。

公知のチェーン（米国特許明細書3512424号）では、
バケットチェーンが使用され、バケットチェーンは弾薬
筒収容装置として役立ちかつ弾薬筒を、弾薬マガジンか
ら弾薬筒供給ダクトを通って自動火器へ供給するため
に、横にして収容する。このバケットチェーンの個々の
チェーンリンクはピンによって相互に旋回可能に結合さ
れている。各ピンはチェーンリンクのピン孔中に旋回可
能に固定されておりかつ隣接したチェーンリンクの長孔
として形成されたピン孔中に進入する。各チェーンリン
クはカムによってハウジング又は場合によっては中間底
に案内されている。連続射撃の開始又は終わりに作用す
る慣性力の補償のためにバケットチェーンの長さは搬送
方向において連続射撃の開始時には増大されかつ連続射
撃の終了時には再び減少され、その結果連続射撃の開始
時には全弾薬筒が直ちに必要な供給速度にされない。搬
送方向におけるバケットチェーンの伸長は、バケットチ
ェーンが連続射撃の開始時に弾薬筒の重量による慣性力
のために搬送方向においてかなりの量伸長され、即ち、
バケットチェーンは隣接する２つのバケットの間隔が最
大となるような位置を占める。連続射撃の終わりにはバ
ケットチェーンは減速のために作用する慣性力によって
搬送方向においてかなりの量短縮され、バケットチェー
ンの伸縮の際ピンはリンクの比較的長い長孔との間で大
きな摩耗を被る。

（発明の課題） 本発明の課題は、簡単かつ持続的な手段によって連続
射撃の開始の際に生じる加速力を吸収することができる
無端貯蔵−及び搬送チェーンの創造にある。

（課題の解決のための手段） この課題は、特許請求の範囲第１項の特徴部に記載さ
れた構成によって解決される。本発明による貯蔵−及び
搬送チェーンの好適な実施形態は主特許請求の範囲に従
属する特許請求の範囲の特徴部に記載されている。

本発明による貯蔵−及び搬送チェーンは、搬送方向に
おいて伸縮自在に相互に移動可能に形成されたチェーン
リンクを有する。このことは、貯蔵−及び搬送チェーン
が搬送方向において長さ可変であり、その結果連続射撃
の開始の際加速度のために作用する慣性力が緩衝され、
その際伸長又は短縮はチェーンリンクの伸長可能な相対
的縦運動によって生じる。チェーンリンクのピン孔がピ
ンの直径に対して僅かに大きい直径にされていることに
より、チェーンリンクの伸縮によるチェーンリンクのピ
ン孔とピンの外周との間の磨耗の度合はそのような伸縮
可能な運動では公知のチェーンの場合よりも僅かであ
る。縦運動は、個々の部分が既に磨耗した場合でも問題
なく実施される。

好適にチェーンリンクは、ブースタモータによって全
チェーンが必要な供給速度になる前に、少なくとも１つ
の弾薬筒が隣接するリンクの間の遊隙により所定の量だ
け移動されることができるような遊隙をもって相互に結
合している。

好適の実施形態では貯蔵−及び搬送チェーンは個々の
チェーンリンクから構成され、チェーンリンクはそれぞ
れ１つのピン並びに連接された内方リンク及び外方リン
クから成り、内方リンク及び外方リンクは隣接したピン
に旋回可能に枢支されている。両リンクの一方はその直
径がピンの直径よりも幾分大きい孔を有し、その結果ピ
ンはこの孔に遊隙をもって進入している。

好適には本発明による貯蔵−及び搬送チェーンは弾薬
筒先端の近傍においても弾薬筒底の近傍においても、弾
薬筒収容装置を形成するカップ状部材によって相互に結
合しているチェーンリンクを有する。

図示の実施例に基づいて本発明を詳しく説明する。

（実施例） 第１図によれば弾薬マガジン10は、航空機の翼中に機
上マガジンとして格納されることができる。この弾薬マ
ガジン10中に二重ループに統合されている無端貯蔵−及
び搬送チェーン11がある。この無端搬送チェーン11は一
方の側では単一の転向ローラ12のまわりにそして他方の
側では２つの転向ローラ13及び14のまわりに案内されて
いる。上方の転向ローラ14はブースタモータ15によって
駆動され、下方の転向ローラ13は火器36によって駆動さ
れる。この無端の貯蔵−及び搬送ローラ11の運動方向は
４つの矢印Ａ〜Ｄによって示される。下方の転向ローラ
13の範囲には弾性筒16がマガジン10に供給されるか又は
マガジン10から取り出される。このために第２の搬送チ
ェーン17が設けられており、これによって弾性筒16が火
器36に供給される。この第２の無端の搬送チェーン17は
火器の発射間隔（カデンツ）に同期して駆動されなけれ
ばならない。しかしここでは火器への弾薬筒16の供給は
公知であり従ってこれ以上は説明しない。

第２図によれば無端の搬送チェーン11は弾薬筒先端18
の近傍においても弾薬筒底19の近傍においてもチェーン
リンク20を有し、チェーンリンクに弾薬筒収容装置21が
固定されており、弾薬筒収容装置21は弾薬筒16の収容の
ために役立つ。この弾薬筒収容装置21によって弾薬筒先
端18の近傍におけるチェーンリンク20が弾薬筒底19の近
傍におけるチェーンリンク20と共に無端貯蔵−及び搬送
チェーン11のを形成するために相互に結合している。こ
の搬送チェーン11は弾薬マガジン10の側壁22に案内され
ている。側壁22は底23及びカバー24によって相互に結合
されている。第２図によれば各側壁22に４つの案内レー
ル37が存在する、そのわけは−上記のように−無端の搬
送チェーン11は二重ループの形に収容されているからで
ある。第１図によればブースタモータ15によって転向ロ
ーラ14を介して搬送チェーン11の上方部分が矢印Ａの方
向に引っ張られる。搬送チェーン11のこの上方部分は矢
印Ｄの方向に搬送チェーン11の下方部分を引っ張る。更
にブースタモータ15によって搬送チェーン11の上から二
番目の部分が矢印Ｂの方向に押される。この搬送チェー
ン11の上から二番目の部分が搬送チェーン11の下から二
番目の部分を矢印Ｃの方向に押す。それによって中央の
両部分は矢印Ｂ及びＣの方向に押されそして搬送チェー
ン11の二重ループの両外方部分が引っ張られる。これに
対して火器によって駆動される転向ローラ13は中央の両
部分で矢印Ｂ及びＣの方向に引かれつ両外方部分で矢印
Ａ及びＤの方向に押される。この事実はここでは詳しく
記載されている、そのわけはこの事実は本発明の理解の
ために重要であるからである。

第３図及び第４図によれば市販のチェーンリンク20が
使用される。このチェーンリンク20はピン25を有し、ピ
ンは両端に鋲頭26を備えている。このピン25上にローラ
27が回転可能に支承されている。ローラ27の両端にはそ
れぞれ１つの内方リンク28及び外方リンク29がピン25に
旋回可能に枢支されている。本発明によれば内方リンク
28は外方リンク29よりも大きな直径の孔30を有し、外方
リンクの孔31はピン25の直径に相応する。各内方リンク
の大きな直径の孔30のために各チェーンリンク20は隣接
したチェーンリンク20に対して大きな直径の孔30とピン
25との間の遊隙32分だけ移動可能である。遊隙32は第３
図に示すような構成により無端の搬送チェーン11全体が
４ピッチ分だけ長くされ又は短縮されるように選択され
ている。

第３図によればそれぞれ２つの隣接したピン25に弾薬
筒16のための弾薬筒収容装置21としての１つのカップ状
部材が固定されている。この弾薬筒収容装置21は隣接し
た２つの孔33及び34有し、そのうちの１つは同様に他方
の孔よりも小さくその結果一方のピン25は同様に遊隙35
を以て弾薬筒収容装置21の孔33中に進入している。従っ
て弾薬筒収容装置21によって搬送チェーン11の伸縮は阻
止されない。

弾薬マガジンにおける無端貯蔵−及び搬送チェーンの
作用法は、次の通りである。

火器の連続射撃の際に火器36の駆動によって直ちに第
２の搬送チェーン17が必要な速度に加速される。このこ
とは第２の搬送チェーン17の重量が無端貯蔵−及び搬送
チェーン11に比して比較的小さいために可能である。同
時に搬送チェーン11の下から二番目の部分は矢印Ｃ方向
にステップ上に移動させられ、この間連続的に弾薬筒16
は他の方向に運動しその際その都度２つの隣接した弾薬
筒16の間の距離は幾分増大される。続いて同様な方法で
搬送チェーン11の上から二番目の部分も矢印Ｂ方向に運
動し、この間連続的に弾薬筒16は他の方向へ移動させら
れる。この行程の間ブースタモータ15はその最大回転数
に加速されかつ搬送チェーン11の残りの部分矢印Ａ及び
Ｄの方向に移動する。搬送チェーン11中に設けられた遊
隙32のために搬送チェーン11の伸長が可能である。連続
射撃の終わりに搬送チェーンの中央の両部分は再び矢印
Ｂ及びＣの方向において出発位置に移動されかつ両外方
部分は矢印Ａ及びＤ方向に引離される。

【図面の簡単な説明】

第１図は弾薬マガジンの図式図、第２図は第１図のII−
II線に沿う断面図、第３図は無端貯蔵−及び搬送チェー
ンの一部分の断面図、そして第４図はこの貯蔵−及び搬
送チェーンを上方から見た図である。 図中符号 10……弾薬マガジン 11……貯蔵−及び搬送チェーン 12……転向ローラ 13……転向ローラ 14……駆動ローラ 15……ブースタモータ 16……弾薬筒 17……弾薬筒供給装置 21……弾薬筒収容装置（カップ状部材） 36……火器

フロントページの続き (72)発明者 ブルノー・ルッペン スイス国、チユーリッヒ、ケースハルデ ン ストラーセ、37 (56)参考文献 特開 昭60−155898（ＪＰ，Ａ) 欧州公開272399（ＥＰ，Ａ１)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弾薬筒（16）のための無端貯蔵−及び搬送
   チェーンにして、弾薬マガジン（10）から自動火器（3
   6）への弾薬筒（16）の供給のための多数の弾薬筒収容
   装置（21）を備え、その際貯蔵−及び搬送チェーン（1
   1）は少なくとも１つのループを形成しかつ隣接したチ
   ェーンリンク（20）を有し、チェーンリンク（20）は、
   貯蔵−及び搬送チェーン（11）の長さ寸法従って搬送装
   置における弾薬筒収容装置（21）の間隔が可変であるよ
   うに相互に結合されている前記弾薬マガジンにおける無
   端貯蔵−及び搬送チェーンにおいて、 貯蔵−及び搬送チェーン（11）のチェーンリンク（20）
   が伸縮自在に相互に移動可能に形成されており、全貯蔵
   −及び搬送チェーン（11）がブースタモータ（15）によ
   って必要な供給速度に加速されるまで、伸縮可能なチェ
   ーンリンク（20）が少なくとも１つの弾薬筒（16）を伴
   って移動することができ、チェーンリンク（20）はピン
   （25）並びに内方リンク（28）及び外方リンク（29）か
   ら成り、内方リンク（28）及び外方リンク（29）はピン
   （25）に旋回可能に枢支されており、そして両リンク
   （28、29）の一方は、ピン（25）が遊隙（32）をもって
   この孔に嵌入するように、ピン（25）の直径よりも大き
   い直径の孔（30）を有し、そして弾薬マガジンにおける
   無端貯蔵−及び搬送チェーンは弾薬筒先端（18）及び弾
   薬筒底（19）に近接してチェーンリンク（20）を有し、
   チェーンリンク（20）は弾薬筒収容装置（21）を形成す
   るカップ状部材によって相互に結合されていることを特
   徴とする弾薬マガジンにおける無端貯蔵−及び搬送チェ
   ーン。