JP2723164B2 - 中空部材の複合メッキ方法 - Google Patents

中空部材の複合メッキ方法

Info

Publication number
JP2723164B2
JP2723164B2 JP5348606A JP34860693A JP2723164B2 JP 2723164 B2 JP2723164 B2 JP 2723164B2 JP 5348606 A JP5348606 A JP 5348606A JP 34860693 A JP34860693 A JP 34860693A JP 2723164 B2 JP2723164 B2 JP 2723164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite plating
hollow member
cylinder
plating solution
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5348606A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07188989A (ja
Inventor
裕昭 間瀬
修 石上
均 唐澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP5348606A priority Critical patent/JP2723164B2/ja
Priority to US08/364,237 priority patent/US5540829A/en
Publication of JPH07188989A publication Critical patent/JPH07188989A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2723164B2 publication Critical patent/JP2723164B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空部材の筒内に複合
メッキ液を流通させて中空部材の内面に複合メッキを施
すに際し、密着性の高い複合メッキを得るための方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車のエンジンのシリン
ダの内周面の耐磨耗性を向上させるため、例えばシリン
ダの筒内に硫酸ニッケル液に炭化珪素の微粒子を分散さ
せた複合メッキ液を流通させ、シリンダ内面にニッケル
と炭化珪素を共析させて耐磨耗性を向上させるような方
法が知られている。そして、このような方法では、一般
にシリンダ内部に隙間をもたせて電極を挿入し、シリン
ダ側を母材電極に接続するとともに筒内の隙間に複合メ
ッキ液を導入することで、中空部材内面にニッケルと炭
化珪素を共析させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
複合メッキにおいては、金属相であるニッケルマトリク
ス中に炭化珪素の微粒子が包み込まれるような状態でシ
リンダ内周面に共析し、主としてニッケルが母材と密着
し、炭化珪素の微粒子が耐磨耗性を向上させる。しか
し、このような炭化珪素の微粒子が当初から多く共析す
ると母材との密着性が低下するという問題があった。こ
のため、当初はニッケルを主体に析出させて母材との密
着性を高め、その後、表面側に微粒子を多く共析させて
耐磨耗性を向上させることが望ましかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明は中空部材の筒内に隙間をもって挿入電極を
遊挿し、この筒内の隙間に向けて液送管から送られる複
合メッキ液を流通させるとともに、中空部材に母材電極
を接続して中空部材の内周面に複合メッキを施すように
した複合メッキ方法において、挿入電極と中空部材内周
面の間の電流密度を当初は低く、所定時間経過後に高く
するようにした。
【0005】また、電流密度を高くするとほぼ同時に複
合メッキ液中に気体を供給して気泡を発生させるように
した。
【0006】
【作用】電流密度が低くなると、複合メッキ液中から析
出するニッケルイオンの単位時間当たりの移動量が低下
してメッキ速度が遅くなる。このため、ニッケルイオン
に取り込まれて共析する微粒子が少なくなり、母材表面
に金属相主体の薄いメッキ層が形成されて密着性が高ま
る。そして、所定時間経過後に電流密度を上げて処理時
間の短縮化を図る。
【0007】また、複合メッキ液中に気泡を混入させれ
ば、気泡が通過する際に微粒子が周りに押し除けられる
ようになって内周面側に押込まれ、共析量が増加するた
め、電流密度を上げるとほぼ同時に液中に気体を供給し
て気泡を発生させる。
【0008】
【実施例】本発明の中空部材の複合メッキ方法の実施例
について添付した図面に基づき説明する。図1は複合メ
ッキ液の流速とメッキ処理時間、及び該流速と微粒子の
分散度の関係図、図2は複合メッキ装置の要部の縦断面
図である。
【0009】本発明の複合メッキ方法は、図2に示すよ
うな装置1の治具台2上に載置されるシリンダブロック
Wのシリンダ内面に複合メッキを施す際に適用され、こ
の装置1は、シリンダブロックWの上面を押え付ける押
え治具3と、上方からシリンダ内に隙間sをもって遊挿
される挿入電極4と、この隙間sに複合メッキ液を導入
する液送管5を備えている。
【0010】そして、下方の治具台2と上方の押え治具
の内部には、夫々メッキ液を流通させることの出来る流
通孔2a、3aが設けられ、下方の治具台2の流通孔2
aは液送管5とシリンダのメッキ液導入部Waを連通せ
しめるように構成され、上方の押え治具3の流通孔3a
はシリンダのメッキ液導出部Wbと戻し管6を連通せし
めるように構成されている。
【0011】また、前記液送管5の上流側には不図示の
複合メッキ液槽、及び圧送ポンプ等が設けられており、
また途中には複合メッキ液中にエアを供給するエア供給
管7が接続されている。そしてこのエアによって複合メ
ッキ液中に気泡bを形成する。尚、この複合メッキ液は
水1リットル当たりに硫酸ニッケル400g、ホウ酸3
5g、サッカリンナトリウム2.5gを加えて硬度調整
したPH=4のものを用い、炭化珪素の微粒子60gを
懸濁させたものである。
【0012】また、前記シリンダブロックWには複数の
開口部が設けられているため、かかる開口部を各シール
部材8、8で覆うようにしている。
【0013】また、治具台2には気泡bを均一に分散さ
せるための気泡分散部材10を設け、この気泡分散部材
10の円周方向に沿って設けた流通孔11を、前記隙間
sの下方に臨ませている。
【0014】そして、液送管5を介して複合メッキ液を
シリンダブロックWの隙間s内に向けて圧送するととも
に、挿入電極4とシリンダブロックW間に電流を流すこ
とによって、シリンダ内面に複合メッキを施す。
【0015】また、上方のメッキ液導出部Wbから流出
した混合メッキ液は戻し管6を経てメッキ液槽に戻され
る。
【0016】ところで、本案は当初、ニッケル(Ni)
の析出割合を多くし、充分な密着性が得られた時点から
炭化珪素(Sic)を多く共析させるようにしている。
【0017】そして、密着性を高めるための具体的手段
として、メッキ時の電流密度を当初は低く、その後高く
変化させる。
【0018】すなわち、原子価が2、グラム当量が2
9.345、比重が8.85、電気化学当量が0.30
14(mg/クーロン)のニッケル(Ni)の電着係数
は、1A/dm2通電析出量が0.206(μ/min)であ
り、陰極電流効率を100%とし、Sic共析によるみ
かけ上の効率アップを無視すると、図3に示すように、
横軸に示す電流密度(A/dm2)を下げれば、縦軸に示す
メッキ速度(μ/min)も比例して下がり、電流密度(A
/dm2)を高めればメッキ速度(μ/min)も上がることが
判る。
【0019】そして、ニッケル(Ni)のメッキ速度が
下がれば、ニッケルイオンに取り込まれて共析する炭化
珪素(Sic)の微粒子の含有率が減少することにな
る。
【0020】そこで、図1に示すように、当初の約1分
30秒程度の間は電流密度を14A/dm2とし、その後、
28A/dm2に上げて処理する。
【0021】このことによって、シリンダ内周面にニッ
ケル(Ni)を主体とした薄いメッキ層を形成して、母
材との密着性を高めることが出来、また、その後電流密
度を高めることで処理時間を短縮させることが出来る。
【0022】尚、電流密度を高めた時の炭化珪素(Si
c)の共析量は、約2〜5wt%程度である。
【0023】ところで、本案では電流密度を上げた時点
以降の微粒子の共析を促進させるため、電流密度を上げ
るとほぼ同時にエア供給管7からメッキ液中にエアを供
給し気泡bを発生させるようにしている。
【0024】そしてメッキ液中に気泡bを発生させる
と、気泡bは周囲の微粒子を押し除けるように上昇し、
この押し除けられた微粒子はシリンダ内面に近接して共
析効果が高まる。
【0025】尚、かかるエアの供給は、図1に示すよう
に、電流密度を高める時点である1分30秒後から9.
5l/min程度供給する。
【0026】因みに、このような複合メッキ方法によっ
て約22分で処理が完了する。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の複合メッキ方法
は、当初電流密度を低くしておき、所定時間経過後高め
るようにしたため、母材との密着性を高めるとともに処
理時間を短縮させることが出来る。電流密度を高めると
ほぼ同時に複合メッキ液中に気泡を混入させることで、
密着性を低下させることなく微粒子の共析量を増やすこ
とが出来る。加えて、液送管にエア供給管を接続するこ
とで、流動中のメッキ液にエアを吹込んで気泡を発生さ
せ、この気泡を下流側の気泡分散部材で均一に分散した
後に中空部材の内周面に臨ませる様にしたので、気泡を
中空部材内周面に集中的に且つ均一に臨ませることがで
き、適量のエア供給を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本方法による電流密度の調整とエアの供給要領
を示す説明図
【図2】複合メッキ装置の要部の縦断面図
【図3】電流密度とメッキ速度の関係図
【符号の説明】
1 複合メッキ装置 4 挿入電極 5 液送管 7 エア供給管 s 隙間 W シリンダブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−93636(JP,A) 特開 昭52−109439(JP,A) 特公 昭46−37882(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部材の筒内に隙間をもって挿入電極
    を遊挿し、この筒内の隙間に向けて液送管から送られる
    複合メッキ液を流通させるとともに、中空部材に母材電
    極を接続し、前記挿入電極と中空部材内周面の間の電流
    密度を当初は低く、所定時間経過後に高くし、電流密度
    を高めるとほぼ同時に複合メッキ液中に気体を供給して
    気泡を発生させて中空部材の内周面に複合メッキを施す
    ようにした複合メッキ方法において、前記液送管にエア供給管を接続することで、流動中のメ
    ッキ液にエアを吹込んで気泡を発生させ、この気泡を下
    流側の気泡分散部材で均一に分散した後に中空部材の内
    周面に臨ませることを特徴とした 中空部材の複合メッキ
    方法。
JP5348606A 1993-12-27 1993-12-27 中空部材の複合メッキ方法 Expired - Fee Related JP2723164B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5348606A JP2723164B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 中空部材の複合メッキ方法
US08/364,237 US5540829A (en) 1993-12-27 1994-12-27 Composite plating method for hollow member

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5348606A JP2723164B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 中空部材の複合メッキ方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07188989A JPH07188989A (ja) 1995-07-25
JP2723164B2 true JP2723164B2 (ja) 1998-03-09

Family

ID=18398143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5348606A Expired - Fee Related JP2723164B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 中空部材の複合メッキ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2723164B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5293636A (en) * 1976-02-02 1977-08-06 Suzuki Motor Co Method of composite plating inner surfaces of cylinder
JPS52109439A (en) * 1976-03-10 1977-09-13 Suzuki Motor Co Composite plating method

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07188989A (ja) 1995-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5520791A (en) Non-homogenous composite plating coating
JP3333025B2 (ja) 金属材料の電気複合めっき方法および装置
JP4391893B2 (ja) メッキ装置
US5540829A (en) Composite plating method for hollow member
JP2723167B2 (ja) 中空部材の複合メッキ方法
JP2723164B2 (ja) 中空部材の複合メッキ方法
US5620575A (en) Composite plating apparatus and apparatus for dispersing air bubbles within a composite plating solution
JP2798523B2 (ja) 砥粒子の分散めっき方法
JP3534334B2 (ja) 筒体内面複合メッキ装置
JP3361793B2 (ja) 電磁攪拌による分散めっき法
JP3067086B2 (ja) 砥粒被覆ワイヤ工具、その製造方法及び装置
JPH05171454A (ja) 分散めっき方法
JP2677334B2 (ja) 電極係止部材を備えた複合メッキ装置
EP0185091A1 (en) Method for electrodeposition of metal and granular abrasive on a tool
JP2791742B2 (ja) 中空部材の内周面の複合メッキ方法
JP2791743B2 (ja) 中空部材の内周面の複合メッキ方法
JP3351710B2 (ja) めっき方法
JP3516287B2 (ja) 複合メッキ装置
JPH07188990A (ja) 中空部材の内周面の複合メッキ方法
JP2011252214A (ja) めっき前処理方法及び該方法に使用する装置
JPS5921749B2 (ja) 研磨粒子付着方法
JP2741160B2 (ja) 中空部材の内周面の複合メッキ方法
JP2736690B2 (ja) 電着砥石の製造方法
JPH09183129A (ja) 樹脂成形用金型およびポリウレタン成形用金型の製造方法
JP2978780B2 (ja) 無電解めっき装置及びめっき方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19971112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071128

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees