JP2722732B2 - 耐衝撃強化剤,これを用いた熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

耐衝撃強化剤,これを用いた熱可塑性樹脂組成物及び成形品

Info

Publication number
JP2722732B2
JP2722732B2 JP1291957A JP29195789A JP2722732B2 JP 2722732 B2 JP2722732 B2 JP 2722732B2 JP 1291957 A JP1291957 A JP 1291957A JP 29195789 A JP29195789 A JP 29195789A JP 2722732 B2 JP2722732 B2 JP 2722732B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
vinyl chloride
chloride resin
parts
impact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1291957A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03174420A (ja
Inventor
進 惠良
年雄 松本
美徳 小林
正史 設楽
勇 服部
好弘 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Publication of JPH03174420A publication Critical patent/JPH03174420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2722732B2 publication Critical patent/JP2722732B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱可塑性樹脂の耐衝撃強化剤、これを用い
た熱可塑性樹脂組成物及び成形品に関する。
〔従来の技術〕
従来、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性を向上させるた
めに、共役ジエン系ゴムの存在でアクリル酸アルキルエ
ステル又はメタクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニ
ル化合物及びシアン化ビニル化合物をグラフトさせた共
役ジエン系ゴムグラフト共重合体(MBS樹脂,ABS樹脂な
ど)を配合している。
特に、塩化ビニル系樹脂は、難燃性、耐薬品性など、
多くの長所を有する樹脂として使用されているものの、
塩化ビニル系樹脂単独では、耐衝撃性に劣るという欠点
を有するため、それらの配合がなされている。
しかしながら、市販されている塩化ビニル系樹脂に、
メチルメタクリレート樹脂、MBS樹脂あるいはABS樹脂を
単に混合して成形しても、各成分の分散性が悪いため、
実際には充分な耐衝撃性向上の効果が得られない。この
欠点を克服する方法として、懸濁重合法によって得られ
る適当な還元粘度を持つメチルメタクリレート共重合体
と共役ジエン系ゴムグラフト共重合体を用いる方法が提
案されている(例えば特開昭60−161450号公報,同61−
14246号公報など)。
しかし、これらの共役ジエン系ゴム成分は、主鎖中に
化学的に不安定な二重結合を多く有するため、紫外線に
よって変化し易く、屋外用途に用いた場合、強度低下、
褪変色をきたす等、耐侯性が悪いため、使用に耐えな
い。この耐侯性の欠点を改良する方法としては、主鎖中
に二重結合をほとんど有しないアクリル系ゴムの存在下
にアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキル
エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物
などをグラフトさせて得られるグラフト共重合体と、メ
チルメタクリレート系重合体を使用する方法が提案され
ている(特開昭59−98153号公報)。
しかしながら、この方法は、ある程度、耐侯性を満足
することができるが、一方では、耐衝撃性が低下すると
いう問題がある。
また、これらの方法で使用されているメチルメタクリ
レート系共重合体は、耐侯性に優れている反面、易燃性
であり、耐衝撃性、耐薬品性及び耐溶媒性に劣るという
欠点を有するため、例えば、塩化ビニル系樹脂と混合す
ると、塩化ビニル系樹脂本来の特長が損なわれる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように、従来技術では、耐衝撃性、耐侯性など
のバランスのとれた熱可塑性樹脂組成物を得ることはで
きなかった。
本発明は、上記の従来技術の欠点を解消し、塩化ビニ
ル系樹脂の本来有する難燃性、耐薬品性などを保有し、
かつ耐衝撃性及び耐侯性を与えることのできる塩化ビニ
ル系樹脂用耐衝撃強化剤、これを用いた熱可塑性樹脂組
成物及び成形品を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、多官能性単量体(I)0.1〜20
重量%,炭素数1〜13のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステル(II)50〜90.9重量%および共重合可
能な他のビニル化合物(III)0〜30重量%を配合して
得られる重合性単量体(a)99〜20重量部を、共役ジエ
ン系ゴム(b)1〜80重量部の存在下に、重合性単量体
(a)と共役ジエン系ゴム(b)の合計が100重量部と
なるように配合し、乳化重合して得られるグラフトゴム
重合体(A)、または、グラフトゴム重合体(A)60重
量%以上(但し100重量%を除く)の存在下に、アクリ
ル酸アルキルエステル(IV)0〜100重量%,芳香族ビ
ニル化合物(V)0〜100重量%,メタクリル酸アルキ
ルエステル(VI)0〜100重量%およびシアン化ビニル
化合物(VII)0〜40重量%からなる単量体(B)を40
重量%以下(但し、0重量%を除く)配合し、重合して
得られるグラフト共重合体(C)からなる塩化ビニル系
樹脂用耐衝撃強化剤(構造的にみれば、共役ジエン系ゴ
ムを成分とする核と、アクリルゴムを成分とする外殻か
らなる粒子である耐衝撃強化剤)、これを用いた熱可塑
性樹脂組成物並びに成形品に関する。
まず、塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤となるグラフ
トゴム重合体(A)について説明する。
グラフトゴム重合体(A)は、ゴムとして特性の優れ
た共役ジエン系ゴムラテツクス(b)を核として、これ
にアクリル酸アルキルエステル(II)と架橋剤としての
多官能性単量体(I)を必須成分とした乳化グラフト重
合させたグラフトゴム重合体であり、これは、耐衝撃性
を著しく改良することができる耐衝撃強化剤となる。
本発明のグラフトゴム重合体(A)を得る場合、共役
ジエン系ゴム(b)としては、公知のポリブタジエン,
ブタジエン−スチレン共重合体,ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体等が使用できる。また、重合性単量体
(a)としては、多官能性単量体(I),炭素数1〜13
のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル(I
I)および必要に応じて(I)及び(II)を共重合可能
な他のビニル化合物(III)が使用できる。他官能性単
量体(I)は、重合性単量体(a)中、0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは1〜5
重量%の範囲内で使用される。0.1重量%未満では、架
橋度が不十分で、耐衝撃性及び成形品の外観が劣り、20
重量%を越えると架橋度が過剰となり、耐衝撃性が低下
する。
多官能性単量体(I)としては、トリアリルイソシア
ヌレート,トリアリルシアヌレート,ジシクロペンタジ
エンアクリレート,ジシクロペンタジエンメタクリレー
ト,1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリア
ジン,ジビニルベンゼン,ジアリルフタレート等が使用
でき、特に制限はないが、最初に例示した5種の単量体
のうちから選択して使用すると、耐衝撃性が特に良好な
ので好ましい。
炭素数1〜13のアルキル基を有するアクリル酸アルキ
ルエステル(II)としては、メチルアクリレート,エチ
ルアクリレート,プロピルアクリレート,ブチルアクリ
レート,2−エチルヘキシルアクリレート等があり、この
うち、ブチルアクリレートが特に好ましい。このアクリ
ル酸アルキルエステル(II)は、重合性単量体(a)中
に、50〜99.9重量%、好ましくは65〜99.5重量%使用さ
れる。50重量%未満では、アクリルゴムの特性が低下
し、また、99.9重量%を超えると耐衝撃性が低下する。
多官能性単量体(I)及びアクリル酸アルキルエステ
ル(II)と共重合可能な他のビニル化合物(III)とし
ては、アクリロニトリル,メチルメタクリレート,エチ
ルメタクリレート,メタクリロニトリル,スチレン等が
あり、重合性単量体(a)中、0〜30重量%、好ましく
は0〜25重量%の範囲内で使用される。30重量%を越え
ると重合性単量体(a)を重合させた時にアクリルゴム
としての特性が十分得られなくなる。
上記グラフトゴム重合体(A)の重合に際し、共役ジ
エン系ゴム(b)は、前記(a)成分との合計100重量
部に対し、1〜80重量部、好ましくは5〜45重量部、特
に好ましくは20〜45重量部配合される。1重量部未満で
は、耐衝撃性は不十分である。逆に、グラフトゴム重合
体(A)の共役ジエン系ゴム配合量が80重量部より多く
なると、耐侯性が低下する。
上記グラフトゴム重合体(A)を得る場合、上記共役
ジエン系ゴム(b)は予め水性媒体中に分散させたラテ
ツク体として使用するのが、乳化重合に際して分散を容
易にする上で好ましい。この乳化重合法としては、当業
者によく知られた方法を採用することができる。
グラフトゴム重合体(A)を得るための乳化重合に際
して、乳化剤としてオレイン酸カリウム,ラウリル硫酸
ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムな
どのアニオン系乳化剤やポリオキシエチレンメチルエー
テルのようなノニオン系乳化剤を使用してもよい。この
場合、(a)成分と(b)成分の総量に対して0.5〜1.5
重量%が特に好ましい。また重合開始剤としては、通常
の乳化重合に使用される例えば、過硫酸塩やキユメンハ
イドロパーオキサイド、ナトリウムホルムアルデヒドス
ルホキシレートで構成されるレドックス系のものが使用
され、(a)成分に対して、0.02〜5.0重量%を用いる
のが特に好ましい。
本発明における耐衝撃強化剤は、以上のように乳化重
合を完結して得られるグラフトゴム重合体(A)からな
るものであつてもよいが、さらに良好な特性を与える耐
衝撃乳化剤を得るために、該グラフトゴム重合体(A)
60重量%以上(但し、100重量%を除く)の存在下に、
アクリル酸アルキルエステル(IV)0〜100重量%,芳
香族ビニル化合物(V)0〜100重量部%,メタクリル
酸アルキルエステル(VI)0〜100重量%およびシアン
化ビニル化合物(VII)0〜40重量%からなる単量体
(B)を40重量%以下(但し、0重量%を除く)配合し
て、重合して得られるグラフト共重合体(C)からなる
ものが好ましい。
上記アクリル酸アルキルエステル(IV)としては、前
記アクリル酸アルキルエステル(II)と同様、炭素数1
〜13のアルキル基を有するものが好ましいものとして使
用でき、芳香族ビニル化合物(V)としては、α−メチ
レンスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換スチレ
ン,クロロスチレン,ビニルトルエン,t−ブチルスチレ
ン等の置換スチレン,スチレン等、シアン化ビニル化合
物(VII)としてはアクリロニトリル,メタクリロニト
リル等、メタクリル酸アルキルエステル(VI)としては
メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル
酸ブチル等使用できる。
なお、単量体(B)としてシアン化ビニル化合物(VI
I)の量が多すぎると成形性が低下するので40重量%を
越えない範囲で使用しなければならない。
単量体(B)としては、メタクリル酸メチル,アクリ
ロニトリル,スチレンが好ましく、中でもアクリロニト
リル及びスチレンの組み合わせが、配合樹脂の耐衝撃性
と剛性のバランスから特に好ましく用いられる。アクリ
ロニトリルとスチレンとの組成比は、前者20〜40重量部
に対し、後者80〜60重量部とするのが好ましい。
本発明において、上記グラフトゴム重合体(A)と上
記単量体(B)は、グラフトゴム重合体(A)60重量%
以上、好ましくは99重量%以下に対して、(B)が40重
量%以下、好ましくは1重量%以上配合される。(A)
/(B)が重量比で60/40未満では耐衝撃性が低下す
る。また、それを補うために強化剤の配合量を増加させ
ると、混合するベース樹脂の本来の特性が損われる。
グラフトゴム重合体(A)の存在下に重合させる単量
体(B)は、一回で全量重合したり、数回に分けて重合
したり、あるいは全単量体を滴下しながら重合する方法
などのいずれかの重合方法を採用してもかまわないが、
第1段目として、単量体(B)のうち、5〜30重量%を
添加して重合させた後、第2段目として、単量体(B)
の残部を添加して重合させるのが好ましく、分割された
各々の単量体の組成もまた、シアン化ビニル化合物が40
重量%を越えないことが好ましい。このような2段階重
合方法を採用することにより、更に耐衝撃性の高い樹脂
を得ることができる、グラフト共重合体(C)を製造す
ることができる重合方法は、(A)成分との関係上乳化
重合法が好ましいが、これに制限されるものではない。
グラフトゴム重合体(A)又はグラフト共重合体
(C)は、塩析などの方法を利用して凝固分離し、脱水
乾燥後、耐衝撃強化剤とされ、他の熱可塑性樹脂とブレ
ンドされる。
なお、得られる耐衝撃性強化剤は、耐衝撃性を付与す
るジエン系ゴム成分を核とし、耐侯性を付与するアクリ
ルゴム成分を外殻とし、さらに場合によつて剛性を付与
するエチレン性不飽和単量体の重合体のグラフト鎖を第
2の外殻として有するシエルーコア構造をとる粒子状の
ものであり、従来の耐衝撃強化剤では得られなかつた良
好な特性を示すものである。
以上の耐衝撃強化剤にはポリ塩化ビニル、エチレン−
塩ビ共重合樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂などの塩化ビニ
ル系樹脂がブレンドされる。
耐衝撃強化剤の配合量は、熱可塑性樹脂組成物中40〜
5重量%、さらに20〜5重量%特に15〜6重量%が好ま
しい。ここで、耐衝撃強化剤が40重量%を超えると、混
合するその他の熱可塑性樹脂が本体有する性質を低下さ
せる傾向にあり、また、この場合耐衝撃強化剤が連続相
を形成し、耐衝撃性はむしろ低下する傾向にある。一方
5重量%未満では耐衝撃性及び耐侯性の向上効果が小さ
い。
ブレンド法としては、両者のパウダーをヘンシエリミ
キサーで混合し、さらに溶融混練すること等により行な
うことができる。
本発明における耐衝撃性強化剤により、塩化ビニル系
樹脂の耐衝撃性等の特性が向上される。
ここで、塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合
体および/又は塩化ビニルと共重合可能な単量体成分と
の共重合体である。単独重合体も、良好な特性が得られ
るが、共重合体の場合、塩化ビニルの含有量は80重量%
以上(すなわち共重合可能な単量体成分が20重量%以
下)であるのが、難燃性及び流動性の面で好ましい。こ
れらの単独重合体および共重合体は単独で、または2種
以上を混合して使用される。塩化ビニルと共重合可能な
単量体成分としては、例えば、酢酸ビニル,エチレン,
プロピレンなどが挙げられ、特に酢酸ビニル,エチレン
及び/又はプロピレンを使用するのが難燃性等の面から
好ましい。
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂の製造は、通常
の懸濁重合,乳化重合などにより行なうことができる。
また、市販の塩化ビニル系樹脂を使用してもよく、この
例として、リユーロンP.V.C.7000,リユーロンP.V.C.800
BL,リユーロンP.V.C.800BK,リユーロンE−430,リユー
ロンE−650,リユーロンE−800,リユーロンE−1050
(いずれも東ソ−(株)製)TK−700,TK−800,TK−100
0,TK−1300,TKP1400,SG−400G,SC−500T,MA−800S,MC−
700(いずれも信越化学工業(株)製)などが挙げられ
る。
なお、塩化ビニル系樹脂は、JIS K−6721で規定さ
れる平均重合度400〜1300のものが、成形上好ましい。
また、本発明の耐衝撃強化剤は、通常軟質用途に用いら
れる平均重合度1,700〜4,500の塩化ビニル系樹脂にも有
用で、特に低温における耐衝撃製向上に効果を有する。
この場合、通常、ジオクチルアジペート,ジオクチルフ
タレートなどの可塑剤と共に用いられる。
このような塩化ビニル系樹脂は、耐衝撃強化剤とを、
好ましくは前記の混合比で、混合して塩化ビニル系樹脂
組成物が得られる。塩化ビニル系樹脂組成物には必要に
応じて熱安定剤,光安定剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤
および滑剤,充填剤,顔料,加工助剤,可塑剤などを適
宜添加することができる。これらの添加剤の種類とその
添加量としては、塩化ビニル系樹脂に通常使用されるも
のを通常の量添加するのが好ましい。
こうして得られる塩化ビニル系樹脂組成分である本発
明の熱可塑性樹脂組成物はシート,プレート,圧縮成形
品,射出成形品等に使用することができ、さらには優れ
た耐侯性をいかして、屋外,屋内の住宅関連部材,家
具,容器等にも使用することができる。成形方法として
は、押出,圧延,射出等の通常の成形方法を使用するこ
とができる。
得られる本発明の成形品は、耐衝撃強化剤の粒子が、
その他の熱可塑性樹脂のマトリクス中に分散している構
造であつて、該構造により、良好な特性を示すものであ
る。
〔実施例〕
次に、実施例によつて本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらに制限されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において「部」及び「%」
は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を意味する。
実施例1 (1)耐衝撃強化剤グラフトゴム重合体(A)の製造 内容積4の撹拌機付き反応容器中で、30〜35℃でオ
レイン酸カリウム5.0部をイオン交換水240部に溶解す
る。これにブタジエンゴムラテツクス(SN−800T、住友
ノーガタツク(株)製)30部(固形分重量)を混合す
る。次に、トリアリルイソシアヌレート1.4部及びアク
リル酸ブチル70部を混合・撹拌しながら投入する。この
乳化溶液を、乳化溶液中の溶存溶媒中の溶存酵素(オリ
エンタル電気(株)製、ポーラロ式DO計、型名RAにて測
定)が2ppm以下になるまでの約1時間、混合・撹拌しな
がら窒素で置換する。その間に、別に2個の容器を用意
し、一方の容器に過硫酸カリウム0.04部とイオン交換水
10部を、他の容器に亜硫酸ナトリウム0.004部とイオン
交換水10部を入れ、それぞれ溶解しておく。上記の乳化
溶液の溶存酸素が2ppm以下になつた後、これら2種の水
溶液を添加混合し、撹拌しながら6〜65℃に昇温する。
重合は、60〜65℃で3〜4時間行う。その後、先に添
加したものと同様の過硫酸カリウム水溶液を添加し、85
〜90℃で2時間重合を行い、重合率95%を超え、実質的
に重合が完結したグラフト共重合体ラテツクスを得る。
このラテツクスを冷却した後、イオン交換水500部に
カリウムミヨウバン10部を溶解した水溶液中に撹拌しな
がら滴下して塩析後、脱水乾燥して粉末状のグラフトゴ
ム重合体(A)を得た。
(2)塩化ビニル系樹脂組成物の製造 平均重合度650の塩化ビニル系樹脂(リユーロンE−6
50,東ソー(株)製)90部、上記(1)で製造したグラ
フトゴム重合体(A)を耐衝撃強化剤として10部、ジブ
チル錫マレート系安定剤3部及びステアリン酸カルシウ
ム2部の混合物を直系40mmの半軸押出機(サーモスプラ
スチツク社製)で溶融混練し、ペレツトを得た。なお、
該押出機のシリンダー及びダイス温度は、150〜180℃で
ある。
(3)評価方法 上記(2)で製造したペレツトを、インラインスクリ
ユウ式射出成形機((株)名機製作所製、SJ−25/35
型)を用いて、シリンダー温度180〜180℃、金型温度50
〜55℃の成形条件で射出成形して測定溶試験片を作製
し、アイゾツト衝撃強さ及び耐侯性を測定した。測定結
果を第1表に示す。
耐侯性は、サンシャイン・ウエザーメータによる促進
曝露試験(JIS−A1415)を行い、JIS−A1411により1000
時間後の色差ΔEで評価した。
アイゾツト衝撃強さは、ASTM−D256に準拠して測定し
た。
第1表から明らかなように実施例1で得た成形体は、
23℃でのアイゾツト衝撃強さが957J/m、ΔEが5〜7で
あり、優れ耐衝撃性及び耐侯性を有していた。
実施例2〜4 実施例1で製造したグラフトゴム重合体(A)を耐衝
撃強化剤として使用し、第1表示す配合で実施例1と同
様にして塩化ビニル系樹脂組成物を製造し、さらに測定
用試験片を作製し、耐衝撃性及び耐侯性を評価した。結
果を第1表に示す。
実施例5及び6 実施例1のグラフトゴム重合体(A)の製造方法に準
じ、ブタジエンラテツクス30部に代えて同様のブタジエ
ンラテツクスを40部、アクリル酸ブチル70部に代えてア
クリル酸ブチル60部を使用してグラフトゴム重合体
(A)を製造した。このグラフトゴム重合体(A)を使
用し、第1表に示す配合で実施例1に準じて塩化ビニル
系樹脂組成物を作製し、さらに測定用試験片を作製し、
耐衝撃性及び耐侯性を評価した。結果を第1表に示す。
実施例7及び8 実施例1のグラフトゴム重合体(A)の製造方法に準
じ、ブタジエンラテツクス30部に代えて同様のブタジエ
ンラテツクス20部、アクリル酸ブチル70部に代えてアク
リル酸ブチル80部を使用してグラフトゴム重合体(A)
を製造した。このグラフトゴム重合体(A)を使用し、
第1表に示す配合で実施例1に準じて塩化ビニル系樹脂
組成物を製造し、さらに測定用試験片を作製し、耐衝撃
性及び耐侯性を評価した。結果を第1表に示す。
比較例1 グラフトゴム重合体(A)を使用せず、塩化ビニル系
樹脂(リユーロンE−650)単独で実施例1に準じて、
試験片を製造し、耐衝撃性及び耐侯性を評価した。結果
を第1表に示す。
この試験片の23℃でのアイゾツト衝撃強さは、38J/
m、ΔEは30以上であり、塩化ビニル系樹脂単独物は、
グラフトゴム重合体(A)を使用した成形体より、耐衝
撃性及び耐侯性の点でかなり劣る。
実施例9 実施例1で製造したグラフトゴム重合体(A)を使用
し、第1表に示した配合で塩化ビニル系樹脂組成物を製
造し、試験片を作製し、耐衝撃性及び耐侯性を評価し
た。結果を第1表に示す。
この試験片の23℃でのアイゾツト衝撃強さは、187J/
m、ΔEは9〜11であった。この結果は、グラフト共重
合体の割合が多くなると、これが連続相を形成し、かえ
って耐衝撃性が低下する傾向にあることを示すものであ
る。
比較例2及び3 実施例1のグラフト共重合体の製造方法において、ブ
タジエンゴムを使用しないこと以外は全く同様にしてア
クリル酸ブチルを主成分とするゴムを製造した。このゴ
ムを実施例1のグラフト共重合体の代わりに使用して、
第1表に示す配合で塩化ビニル系樹脂と混合して実施例
1に準じて塩化ビニル系樹脂組成物を製造し、試験片を
作製し、耐衝撃性及び耐侯性を評価した。結果を第1表
に示す。
この結果から明らかなとおり、グラフト共重合体の代
わりにアクリル酸ブチルゴムを用いると、ΔEは8〜10
であるので、耐侯性はほぼ同等であるが、アイゾツト衝
撃強さは170J/m以下であるので、耐衝撃性が劣る。
比較例4及び5 グラフトゴム共重合体(A)の代わりにブタジエンゴ
ム(SN−800T)のみを用いた。結果を第1表に示す。こ
の結果から明らかなとおり、アイゾット衝撃強さは40J/
m前後で、耐衝撃性がかなり劣る。これは、ブタジエン
ゴムが塩化ビニルと相溶性が悪いためである。また、Δ
Eは30以上であるので、耐侯性もかなり劣る。
実施例10〜12及び比較例6 (1)グラフトゴム重合体ラテツクス(A)の製造 内容積4の撹拌機付き反応容器に、ブタジエンゴム
ラテツクス(日本ゼオン(株)製UB−1001S,固形分含有
量34%)1324g,半硬化牛脂肪酸カリウム(花王アトラス
(株)製KSソープ)11.6gを1060gのイオン交換水に溶解
したもの、及びアクリル酸ブチル1050g、トリアリルイ
ソシアネート21gを投入し、均一に混合した。この乳化
液中の溶存酸素が2ppm以下になるまで、約1.5時間、混
合・撹拌しながら、窒素を導入した。次に、過硫酸カリ
ウム0.5g、亜硫酸ナトリウム0.05gをそれぞれ50gの純水
に溶解した溶液を添加した後、60℃に昇温した。60℃到
達から約4.5時間重合させて、重合率98%の実質的に重
合が完結したグラフトゴム重合体ラテツクス(A)を得
た。
(2)耐衝撃強化剤グラフト共重合体(c)の製造 上記(1)で製造したグラフト重合体ゴムラテツクス
(A)(固形分含有量42%)2332g,アクリロニトリル2
0.2g,スチレン40.8g,クメンハイドロパーオキシド0.22
g,エマール2F(花王アトラス(株)製,ラウリル硫酸ナ
トリウム)1.2g,KSソープ6.0g,純水340g内容積4の撹
拌機付フラスコに入れ、均一に混合した。約1.5時間、
窒素置換し、乳化液中の溶存損差を2ppm以下にした後、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(住友化
学工業(株)製ロンガリツトSFS)1.0g,純水60gを添加6
5℃に昇温した。65℃から、約1.5時間経過後、炭酸カリ
ウム5.1g,純水100gを添加し、更にKSソープ4.2g水23.5g
及びアクリロニトリル1.9g,スチレン120g,クメンハイド
ロパーオキシド0.6g,t−ドデシルメカプタン0.65gの均
一混合液を約1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、更
に約3時間撹拌した。次にKPS(過硫酸カリウム)水溶
液を添加して、75℃にて約1時間重合させて、重合率97
%以上のグラフト共重合体ラテツクス(c)を得た。こ
のグラフト共重合体ラテツクスを室温まで冷却し、撹拌
しながら、ポリビニルアルコール水溶液を添加し、乳化
破壊させた。脱水、洗浄をくり返し、乾燥後、耐衝撃強
化剤の粉末を得た。
(3)塩化ビニル系樹脂組成物の製造 平均重合度1050の塩化ビニル樹脂(信越化学工業
(株)製TK−1000,ストレート塩ビ、ホモポリマー)100
部に、上記で得られた耐衝撃強化剤を第2表に示す各
部、ジブチル錫マレート系安定剤3部及びポリエチレン
ワツクス1部、ステアリン酸カルシウム0.5部の混合物
を170℃でロール混練し、190℃にて試験片をプレス成形
した。結果を第2表に示す。
実施例13〜15及び比較例7 平均重合度800の塩化ビニル樹脂(信越化学工業
(株)製TK−800、ストレート塩ビ,ホモポリマー)100
部に、上記実施例10で得られた耐衝撃強化剤を、第3表
に示す各部、三塩基性硫酸鉛1部、二塩基性ステアリン
酸鉛0.5部、ステアリン酸鉛2部、ステアリン酸バリウ
ム0.3部、ステアリン酸カルシウム0.2部を配合、170℃
で溶融混練し、190℃にて樹脂板をプレス成形し、試験
片を切り出した。
特性評価結果を第3表に示す。
実施例16 (1)グラフトゴム重合体ラテツクス(A)の製造 内容積4の撹拌機付き反応容器に、下記のブタジエ
ンゴムラテツクス,乳化剤、及びアクリル酸ブチル
類をそれぞれ所定量入れ、均一に混合した、約1.5時
間、窒素置換し、乳化液中の溶存酸素を2ppmとした後、
重合開始剤、助剤を添加し、60℃に昇温した。60℃
到達から約1.53時間後、更に成分と同様の過硫酸カリ
ウム水溶液を添加し、60℃で更に3時間重合し、重合率
95%を超え、実質的に重合が完結したグラフトゴム重合
体ラテツクスを得た。
(2)耐衝撃強化剤グラフト重合体(c)の製造 上記(1)で製造した、グラフト重合体ゴムラテツク
スを使用し、下記に示す配合のグラフト重合体ゴムラテ
ツクス(固形分重量40%),乳化剤及びグラフト成
分をそれぞれ、内容積4の撹拌機つき4フラスコ
に入れ、均一に混合した。約1.5時間、窒素置換し、乳
化液中の溶存酸素を2ppm以下とした後、開始剤助剤を
添加し、65℃に昇温した。65℃到達から約1.5時間経過
後、成分を添加し、更に成分及び成分の均一乳化
混合液を約1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、更に
3時間撹拌した後、成分を添加し、75℃にて1時間重
合させて、重合率97%以上の実質的に重合が完結したグ
ラフト共重合体ラテツクスを得た。このグラフト共重合
体ラテツクスを室温まで冷却し、撹拌しながら、ポリビ
ニルアルコール水溶液を添加し、乳化破壊させた。脱水
洗浄をくり返した後、乾燥し、耐衝撃強化剤(グラフト
共重合体)の粉末を得た。
得られた耐衝撃強化剤8部を平均重合度1050のストレ
ート塩化ビニル樹脂(TK−1000、信越化学工業(株)
製)100部に配合し、更に、三塩基性硫黄鉛1部、二塩
基性ステアリン酸鉛0.5部、ステアリン酸鉛2部,ステ
アリン酸バリウム0.3部及びステアリン酸カルシウム0.2
部を配合した混合物を170℃で溶融混練し、190℃にて樹
脂板をプレス成形し、アイゾツト衝撃試験を行つた。ノ
ツチ付アイゾツト衝撃強さは108kg cm/cmで、強化剤を
配合しない場合の8.6kg cm/cmに比べて著しい高い耐衝
撃性を示した。
実施例17 成分,,,として下記成分を用いた他は、実
施例16(2)と同様にして、グラフト共重合体ラテツク
スを得た。このラテツクスを乳化破壊し、脱水,洗浄,
乾燥後、耐衝撃強化剤の粉末を得た。
成分 グラフトゴム重合体ラテツクス 1748g 得られた耐衝撃強化剤15部を平均重合度1050のストレー
ト塩ビ(TK−1000、信越化学工業(株))100部に配合
し、更に、ジブチルスズマレート系安定剤3部、ステア
リン酸カルシウム1部、ステアリルステアレート0.5部
を配合した混合物を実施例16(2)と同様に溶融混練
し、プレス成形した。ノツチ付はアイゾツト衝撃強さは
78kg cm/cmであつた。
比較例8 成分,,,として下記成分を用いた他は、実
施例16(2)と同様にしてグラフト共重合体ラテツクス
を得た。このラテツクスを乳化破壊し、脱水,洗浄,乾
燥後、耐衝撃強化剤の粉末を得た。
得られた耐衝撃強化剤を実施例16(2)と同様にして、
アイゾツト衝撃試験を行つたところ、ノツチ付アイゾツ
ト衝撃強さは9.8kg cm/cmであつた。
実施例18 前記実施例1で得られた塩化ビニル系樹脂組成物の射
出成形品断片について、その粒子構造を調べるため、OS
O4染色(第1図)、RuO4染色(第2図及び第4図)及び
OSO4・RuO4二重染色(第3図)の3種の処理を材料、第
19巻,第197号,77頁〜830頁(昭和45年)及びマクロモ
レキユールズ,第16巻,589頁〜598頁,1983年(Macromo
l.1983,16,589−598)に記載される公知の方法で施し、
それぞれの超薄切片を透過型電子顕微鏡(株)日立製作
所製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで相分離構造
を観察した。第1〜4図から明らかなように、約0.1〜
0.5μmのOSO4可染粒子、すなわち、ブタジエン系ゴム
からなる核周辺を、RuO4可染成分、すなわちアクリル酸
ブチル系ゴムからなる外殻で包まれた複合体が塩化ビニ
ル系樹脂のマトリクスに分散していることがわかる。
実施例19 前記実施例11で得られた塩化ビニル系樹脂組成物のプ
レス成形品断片を実施例22と同様にRuO4染色し、超薄切
片を透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−600
型)で相分離構造を観察した。第5図に示す様に、RuO4
非染色粒子、すなわち、ブタジエン系ゴム成分をアクリ
ルゴムからなるRuO4成分が包み込んだ複合体を形成して
おり、これが塩化ビニル樹脂マトリクスに分散している
ことがわかる。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明における耐衝撃強化剤は、混
合する塩化ビニル系樹脂のもつ優れた特性を失うことな
く、優れた耐衝撃性(アイゾツト衝撃,落球衝撃)と耐
侯性を付与するものである。
この特徴ゆえ、本発明の熱可塑性樹脂組成物は各種電
化製品のハウジングや屋内および屋外の住宅関連部材,
家具等の成形品に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一例である耐衝撃強化剤粒子が、塩
化ビニル樹脂マトリクス中に分散している成形品の粒子
構造を示す、倍率2万倍のOSO4染色超薄膜切片電子顕微
鏡写真であり、第2図は同粒子構造を示す倍率2万倍の
RuO4染色超薄膜切片電子顕微鏡写真であり、第3図は同
粒子構造を示す倍率2万倍のOSO4・RuO4二重染色超薄膜
切片電子顕微鏡写真であり、第4図は同粒子構造を示す
倍率8万倍のRuO4染色超薄膜切片電子顕微鏡写真であ
り、第5図は本発明の他の一例である耐衝撃強化剤粒子
が塩化ビニル樹脂マトリクス中に分散している成形品の
粒子構造を示す倍率2万倍のRuO4染色超薄膜切片電子顕
微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220:12) (C08F 285/00 212:06 220:12 220:42) (72)発明者 設楽 正史 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化 成工業株式会社五井工場内 (72)発明者 服部 勇 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化 成工業株式会社五井工場内 (72)発明者 野村 好弘 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化 成工業株式会社五井工場内 (56)参考文献 特開 昭62−181312(JP,A) 特開 昭59−18716(JP,A) 特開 昭57−212215(JP,A) 特開 昭56−133311(JP,A) 特開 昭57−167308(JP,A) 特開 平2−47118(JP,A)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多官能性単量体(I)0.1〜20重量%、炭
    素数1〜13のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエ
    ステル(II)50〜90.9重量%および共重合可能な他のビ
    ニル化合物(III)0〜30重量%を配合して得られる重
    合性単量体 (a)99〜20重量部を、共役ジエン系ゴム (b)1〜80重量部の存在下に、重合性単量体(a)と
    共役ジエン系ゴム(b)の合計が100重量部となるよう
    に配合し、乳化重合して得られるグラフトゴム重合体
    (A)からなる塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のグラフトゴム重合体
    (A)60重量%以上(但し100重量%を除く)の存在下
    に、アクリル酸アルキルエステル(IV)0〜100重量
    %、芳香族ビニル化合物(V)0〜100重量%、メタク
    リル酸アルキルエステル(VI)0〜100重量%、シアン
    化ビニル化合物(VII)0〜40重量%からなる単量体
    (B)を40重量%以下(但し、0重量%を除く)配合
    し、重合して得られるグラフト共重合体(C)からなる
    塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤。
  3. 【請求項3】グラフト共重合体(C)が、グラフトゴム
    重合体(A)60〜99重量%の存在下に単量体(B)40〜
    1重量%配合し、重合して得られるものである請求項2
    記載の塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤。
  4. 【請求項4】グラフト共重合体(C)が、グラフトゴム
    重合体(A)の存在下に、まず、単量体(B)のうち、
    5〜30重量%を添加して重合し、ついで単量体(B)の
    残部を添加し重合して得られるものであり、かつ、前記
    の分割された単量体(B)のそれぞれが、アクリル酸ア
    ルキルエステル(IV)0〜100重量%、芳香族ビニル化
    合物(V)0〜100重量%、メタクリル酸アルキルエス
    テル(VI)0〜100重量%、シアン化ビニル化合物(VI
    I)0〜40重量%よりなるものである請求項2又は3記
    載の塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤。
  5. 【請求項5】グラフトゴム重合体(A)が重合性単量体 (a)95〜55重量部を、共役ジエン系ゴム (b)5〜45重量部の存在下に、合計が100重量部とな
    るように配合し、乳化重合して得られるものである請求
    項1〜4記載の塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤。
  6. 【請求項6】グラフトゴム重合体(A)が重合性単量体 (a)80〜55重量部を、共役ジエン系ゴム (b)20〜45重量部の存在下に、合計が100重量部とな
    るように配合し、乳化重合して得られるものである請求
    項1〜4記載の塩化ビニル系樹脂耐衝撃強化剤。
  7. 【請求項7】多官能性単量体(I)がトリアリルイソシ
    アヌレート、トリアリルシアヌレート、ジシクロペンタ
    ジエンアクリレート、ジシクロペンタジエンメタクリレ
    ート及び/又は1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ
    −S−トリアジンである請求項1〜6記載の塩化ビニル
    系樹脂用耐衝撃強化剤。
  8. 【請求項8】共役ジエン系ゴムを成分とする核と、アク
    リルゴムを成分とする外殻からなる粒子である塩化ビニ
    ル系樹脂用耐衝撃強化剤。
  9. 【請求項9】さらにエチレン性不飽和単量体の重合体を
    成分とする第2の外殻を有する粒子である請求項8記載
    の塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の塩化ビ
    ニル系樹脂用耐衝撃強化剤及び塩化ビニル系樹脂を含有
    してなる熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】塩化ビニル系樹脂用耐衝撃強化剤40〜5
    重量%及び塩化ビニル系樹脂60〜95重量%を含有してな
    る請求項10記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】塩化ビニル系樹脂が、構成成分として、
    塩化ビニルを80重量%以上含有してなるものである請求
    項11記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】塩化ビニル系樹脂が、ポリ塩化ビニルで
    ある請求項12記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】請求項10〜13記載のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
  15. 【請求項15】請求項8又は9記載の塩化ビニル系樹脂
    用耐衝撃強化剤の粒子が塩化ビニル系樹脂のマトリック
    スに分散している構造である成形品。
JP1291957A 1988-11-09 1989-11-09 耐衝撃強化剤,これを用いた熱可塑性樹脂組成物及び成形品 Expired - Lifetime JP2722732B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28282788 1988-11-09
JP63-282827 1988-11-09
JP25670889 1989-09-29
JP1-256708 1989-09-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03174420A JPH03174420A (ja) 1991-07-29
JP2722732B2 true JP2722732B2 (ja) 1998-03-09

Family

ID=26542853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1291957A Expired - Lifetime JP2722732B2 (ja) 1988-11-09 1989-11-09 耐衝撃強化剤,これを用いた熱可塑性樹脂組成物及び成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2722732B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101997194B1 (ko) * 2018-11-07 2019-07-05 피피아이평화 주식회사 내충격성 및 화재 안전성이 우수한 이중관 구조 파이프

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2661295B2 (ja) * 1988-11-24 1997-10-08 日立化成工業株式会社 耐衝撃強化剤,これを用いた熱可塑性樹脂組成物及び成形品
JPH0733939A (ja) * 1993-07-23 1995-02-03 Central Glass Co Ltd フッ化ビニリデン樹脂組成物
KR19990060688A (ko) * 1997-12-31 1999-07-26 김충세 내후성 및 내충격성이 향상된 아크릴계 충격보강제의 제조방법
WO2013008829A1 (ja) * 2011-07-12 2013-01-17 日本エイアンドエル株式会社 グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物、成形品、及びグラフト共重合体の製造方法
JP5457573B2 (ja) * 2012-03-30 2014-04-02 日本エイアンドエル株式会社 熱可塑性樹脂組成物及び成形品

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3006804A1 (de) * 1980-02-23 1981-09-10 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Kerbschlagzaehe polymerisate mit verbesserter witterungsbestaendigkeit
JPS5949245B2 (ja) * 1981-04-08 1984-12-01 日立化成工業株式会社 耐衝撃性耐候性熱可塑性樹脂の製造法
JPS57212215A (en) * 1981-06-22 1982-12-27 Hitachi Chem Co Ltd Preparation of thermoplastic resin having impact resistance and weather resistance
JPS5918716A (ja) * 1982-07-23 1984-01-31 Hitachi Chem Co Ltd 熱可塑性樹脂の製造法
JPS62181312A (ja) * 1986-02-06 1987-08-08 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐衝撃性、耐候性および成形性に優れるグラフト共重合体樹脂の製造方法
JPH0247118A (ja) * 1988-08-10 1990-02-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂用耐候性耐衝撃性改質剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101997194B1 (ko) * 2018-11-07 2019-07-05 피피아이평화 주식회사 내충격성 및 화재 안전성이 우수한 이중관 구조 파이프

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03174420A (ja) 1991-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1468028B1 (en) Acrylic impact modifier prepared by multi-stage polymerization and method for preparing the same
US4393172A (en) High-notched-impact core-shell polymers having improved weather resistance
US4352910A (en) Vinyl chloride resin composition with multi-stage impact modifier
EP1631621B1 (en) Thermoplastic resin composition having improved external appearance and excellent weatherability
JP3723576B2 (ja) 低いヘイズ値を有する熱可塑性の成形用材料
JP2005515280A6 (ja) 多段重合により製造されたアクリル系強度改質剤及びその製造方法
EP3613807B1 (en) Thermoplastic resin composition
JP3198075B2 (ja) 多層構造アクリル重合体、およびそれを用いたメタクリル樹脂組成物
US4129608A (en) Multi-component graft copolymer and thermoplastic resin composition thereof
US5180786A (en) Impact modifier, thermoplastic resin composition using the same and molded article obtained therefrom
JP2722732B2 (ja) 耐衝撃強化剤,これを用いた熱可塑性樹脂組成物及び成形品
KR101404942B1 (ko) 투명도와 내충격 강도가 우수한 그라프트 공중합체
EP0557944A1 (en) Core-shell polymer and plastisol therefrom
US4542179A (en) Acrylic sequential graft copolymer-styrene-acrylonitrile copolymer blends
JP3497907B2 (ja) メタクリル樹脂組成物
US3957916A (en) Process for preparing a thermoplastic resin with pvc dispersed therein
JP2661295B2 (ja) 耐衝撃強化剤,これを用いた熱可塑性樹脂組成物及び成形品
US6855786B2 (en) Method for preparing graft copolymer of methylmethacrylate-butadiene-styrene having superior anti-stress whitening properties
JP3625566B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4685426B2 (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JP3366363B2 (ja) メタクリル系耐衝撃性改良剤及び耐衝撃性樹脂組成物
JP2002060439A (ja) 多層構造共重合体及びメタクリル系樹脂組成物
JP3154893B2 (ja) 熱可塑性アクリル樹脂組成物
JP2616073B2 (ja) 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物及び成形品
JPH0673199A (ja) ラミネート用艶消フィルム