JP2722453C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
この発明は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar T
ransistor;以下IGBTと称す)に関し、特にそのラッチアップの防止に関す
る。 〔従来の技術〕 第10図は従来のIGBT装置の概略構造を示す断面図である。一般にIGB
T装置1は多数のIGBT素子2が並列接続された構造を有しており、単一のI
GBT素子2の等価回路を第11図、IGBT装置1全体の等価回路を第12図
に示す。 第10図において、P+半導体基板3の一方主面上にはN-層4がエピタキシャ
ル成長されている。このN-層4の表面から選択的に不純物を拡散して、複数の P領域5が形成され、さらにこのP領域5の表面から選択的に不純物を拡散して
、各2個のN+領域6が形成されている。N-層4の表面とN+領域6の表面とで
挟まれたP領域5の表面上には絶縁膜7が形成され、この絶縁膜7は隣接するI
GBT素子2間で一体となるようN-層4の表面上にも形成されている。絶縁膜
7上には例えばポリシリコンから成るゲート電極8が形成され、またP領域5お
よびN+領域6の両方に電気的に接続されるように例えばアルミなどの金属のエ
ミッタ電極9が形成されている。このエミッタ電極9は、同一P領域5内におい
て隣接するIGBT素子2間で共通に形成される。なおゲート電極8およびエミ
ッタ電極9は、図示しない絶縁膜を介した多層構造とすることにより、多数のI
GBT素子2に対しそれぞれ共通に電気的につながった構造となっている。P+
半導体基板3の裏面には金属のコレクタ電極10が全IGBT素子2に対し一体
に形成されている。そしてゲート電極8はこのIGBT装置1のゲート端子Gに
、エミッタ電極9はエミッタ端子Eに、またコレクタ電極10はコレクタ端子1
0にそれぞれワイヤボンディングおよびダイボンディングにより接続されている
。 このように、各IGBT素子2は、P+基板3上にNチャネルの2重拡散縦型
MOSFETを形成した構造を有しており、また第11図の等価回路から明らか
なように、pnpnサイリスタとNチャネルMOSFETの複合素子であるとい
える。コレクタ端子Cに正電圧が印加され、エミッタ端子Eが接地され、ゲート
端子Gに適当な制御電圧が印加される通常動作時において、N-層4から成るド
レインに成功が注入されるため、低いON抵抗が達成される。またゲート電極8
はトランジスタの能動領域から絶縁されているため電流は流れない。つまりIG
BT装置1はバイポーラトランジスタの低いON抵抗とMOSFETの高い入力
インピーダンスの両特性を兼備しており、例えばIGBT素子2を数千個並列接
続したIGBT装置1を形成することにより、50A程度の電流を流すことの可
能な高性能なパワートランジスタが実現できる。 IGBT素子2に流れる電流が小さい範囲では、P領域5の拡散抵抗Rsの両
端の電位差が小さく、npnトランジスタ11のベース・エミッタ間が短絡状態
に保たれる。この状態ではnpnトランジスタ11は動作せず、IGBT素子2 はNチャネルMOSFET12とpnpトランジスタ13の複合素子として動作
する。この場合にはpnpトランジスタ13のベース電流がNチャネルMOSF
ET12によって制御されることになるので、ゲート端子Gに加える制御信号に
よってIGBT素子2の主電流iCを制御することが可能となる。 第11図の等価回路より明らかなように、IGBT素子2の主電流iCは、M
OSFET12を流れる電子電流ieとpnpトランジスタ13のコレクタ電流
(これは正孔電流)ihとの和になる。すなわちエミッタ端子Eに流れる電流を
iEとすれば、 iC=iE=ie=ih …(1) の関係が成り立つ。これを第10図を用いて説明すれば、ゲート電極8に印加さ
れた制御信号によりその下のP領域5にチャネルが形成されてドレインすなわち
N-領域4に電子が注入され、一方pnpトランジスタ13のベースすなわちN-
領域4にコレクタすなわちP+領域3から正孔が注入され、この注入された正孔
の一部は上記電子と再結合して消滅し、残りはコレクタ電流ihとなってP領域
5を流れる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の半導体装置であるIGBT装置1は以上のように構成されており、IG
BT素子2の主電流iCが例えばゲート端子Gに印加されるノイズ等の何らかの
外的原因により増加すると、電子電流ieおよび正孔電流ihが増加する。このと
き正孔電流ihがある値を越えると、抵抗Rsでの電圧降下がnpnトランジスタ
11の導通する閾値を越えてしまい、言い換えればnpnトランジスタ11のベ
ース・エミッタ間がその拡散電位以上に順バイアスされてしまい、その結果、n
pnトランジスタ11とpnpトランジスタ13とから成るpnpnサイリスタ
部が導通状態となる。この状態ではゲート端子Gに印加する制御信号によってI
GBT素子2の主電流iCを制御することはできなくなる。この現象はラッチア
ップと呼ばれている。ラッチアップを防止するためには抵抗Rsができるだけ小
さくなるようにP領域5を形成すればよいが、それにも限度がある。このため一
旦ラッチアップが発生すると、過大な主電流iCが無制御に流れることになり、
IGBT装置1を破壊するのみならすこれに接続されている周辺の機器に損傷を 与えてしまうという問題があった。 この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、ラッチアッ
プの発生を有効に防止することができる半導体装置を提供することを目的とする
。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明に係る半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に形成された絶縁
ゲート型バイポーラトランジスタと、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動
作電流からラッチアップ発生直前の電流を検知して、制御電極を遮断するための
電流検出用外部素子を接続するモニタ端子とを備えた半導体装置であって、半導
体基板は第1の導電型を有し、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、半導体
基板の一方主面上に形成された第2の導電型の層と、層の表面内に形成された第
1の導電型の第1の領域と、第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第
2の領域と、層の表面と第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表面上に形
成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された制御電極と、半導体基板の他方主面上
に形成された第1電極と、第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成
された第2電極とを備え、複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタが層を
共有して設けられ、複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの第2電極の
一部はモニタ端子に接続され、複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの
第2電極の残りならびに制御電極および第1電極はそれぞれ共通接続されたもの
である。 また、半導体基板と、半導体基板上に形成された絶縁ゲート型バイポーラトラ
ンジスタと、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動作電流からラッチアップ
発生直前の電流を検知して、制御電極を遮断するための電流検出用外部素子を接
続するモニタ端子とを備えた半導体装置であって、半導体基板は第1の導電型を
有し、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、半導体基板の一方主面上に形成
された第2の導電型の層と、層の表面内に形成された第1の導電型の第1の領域
と、第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第2の領域と、層の表面と
第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表面上に形成された絶縁膜と、絶縁
膜上に形成された制御電極と、半導体基板の他方主面上に形成された第1電極と 、第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成された第2電極とを備え
、層の表面内に形成されるとともに、自身の表面内には第2の領域のような別領
域が形成されない第1の導電型の第3の領域と、第3の領域に電気的に接続され
るよう形成された検出電極とをさらに備え、検出電極はモニタ端子に接続された
ものである。 また、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの絶縁ゲート
型バイポーラトランジスタと、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動作電流
からラッチアップ発生直前の電流を検知して、制御電極を遮断するための電流検
出用外部素子を接続するモニタ端子とを備えた半導体装置であって、半導体基板
は第1の導電型を有し、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、半導体基板の
一方主面上に形成された第2の導電型の層と、層の表面内に形成された第1の導
電型の第1の領域と、第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第2の領
域と、層の表面と第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表面上に形成され
た絶縁膜と、絶縁膜上に形成された制御電極と、半導体基板の他方主面上に形成
された第1電極と、第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成された
第2電極とを備え、少なくとも1つの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの第
1の領域のみに電気的に接続されるよう形成された検出電極をさらに備え、検出
電極はモニタ端子に接続されたものである。 さらに、検出電極は層の表面と第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表
面に電気的に接続されたものである。 加えて、絶縁膜およびその上に形成された制御電極は切欠き部を有し、検出電
極は切欠き部において第1の領域の表面に電気的に接続されたものである。 〔作用〕 この発明におけるモニタ端子を介してIGBT素子の動作電流がモニタできる
ため、該動作電流が危険領域に達したときには適当な保護動作をとることにより
ラッチアップに突入するのを回避することができる。 〔実施例〕 第1図はこの発明による半導体装置の一実施例であるIGBT装置の概略構造
を示す断面図であり、第2図はその等価回路を示す回路図である。この実施例に 係るIGBT装置1は、第10図および第12図に示す従来のIGBT装置1と
比べて次の点が異なっている。すなわち、並列接続された多数のIGBT素子2
のうちの一部のIGBT素子2’のエミッタ電極9は新たに設けられたモニタ端
子Mにワイヤボンディングにより接続されており、また残りのエミッタ電極9を
エミッタ端子Eにワイヤボンディングにより接続する際、そのボンディングワイ
ヤをエミッタ端子Eからさらに、新たに設けられたエミッタモニタ端子EMにま
で延長して、前記残りのエミッタ電極9がエミッタ端子Eおよびエミッタモニタ
端子EMの両方に接続されるよう構成してある。他の構成は第10図および第1
2図に示す従来のIGBT装置1と同様である。 この実施例に係るIGBT装置1では、第2図に示すように端子MおよびEM
間に外部抵抗Rを接続することにより、該外部抵抗Rの両端に現われる電位差に
よってIGBT装置1の主電流ICをモニタすることができる。すなわち外部抵
抗Rを流れる電流iEはIGBT装置1のエミッタ電流IEを分流したものであり
、 IC = IE …(2) の関係が成り立つことから、iEをモニタすることにより主電流ICの値を知るこ
とができる。IEに対するiEの割合は、何個のIGBT素子2をモニタ端子Mに
接続するかにより決定される。そしてiEのモニタリングによってICがラッチア
ップ危険域に達したことが検知されれば、例えばモニタ信号によって保護回路を
動作させてゲート端子Gへの制御信号を遮断することにより、ラッチアップの発
生を未然に防止できる。 ここで、第2図のIGBT素子2’に注目して、第11図の場合と同様に、そ
の主電流をiC、pnpトランジスタ13のコレクタを流れる正孔電流をin、N
チャネルMOSFET12を流れる電子電流をieとする。第3図を参照して、
時刻t0からtlの間の正常動作状態において、IGBT素子2’に定常の主電流
iC(これを第3図(A)に示すようにiC0とする)が流れているものとする。
この状態ではIGBT素子2’はラッチアップしていないので、ゲート端子Gに
与える制御信号により主電流iCを制御することが可能である。この場合、抵抗
Rsを流れる正孔電流ih(これを第3図(C)に示すようにih0とする)は近似 的に次式で与えられる。 ih0=αN・iC0 …(3) ここでαNはpnpトランジスタ13のベース接地電流利得である。この状態に
おけるエミッタ電流iEを第3図(B)に示すようにiE0とすると、電流連続の
条件から iE0 = iC0 …(4) が成り立つ。したがって、(3),(4)式より正孔電流ih0とエミッタ電流iE0は比
例関係にあるので、定常状態であればエミッタ電流iEをモニタすることにより
正孔電流ihを正確にモニタすることができ、ラッチアップの発生を正確に予見
できる。なぜなら、ラッチアップの発生は正孔電流ihの増大による抵抗Rsでの
電圧降下の増加に起因するものだからである。 ところが、IGBT装置1の動作が過渡状態である場合には様子が異なり、上
記した第1実施例では正孔電流ihを正確にモニタするのが難しくなる。いま、
IGBT装置1の主電流ICが何らかの外的原因によってステップ状に増加し、
これに伴ってIGBT素子2’の主電流iCがiC0からiC1(iC1>iC0)へと
ステップ状に増加した後、再びiC0にステップ状に減少する場合を想定する。こ
の場合のIGBT素子2’の主電流iC、エミッタ電流iEおよび正孔電流ihの
時間的変化をそれぞれ第3図(A)、(B)および(C)の時刻t1からt2の間
に示す。 主電流iCがステップ状に増加すると、エミッタ電流iEもステップ状に増加す
るが、正孔電流ihの増加はゆるやかである。これは主電流iCの増加に起因する
正孔が、pnpトランジスタ13のベース領域であるN-層4に注入され、拡散
したのち正孔電流ihとなって抵抗Rsを流れるためである。第3図(C)の増加
曲線は近似的に次式で与えられる。 また第3図(C)の減少曲線は近似的に次式で与えられる。 ここでωNはpnpトランジスタ13のアルファ遮断角周波数である。 第3図において、パルス幅(t2−t1)が大きくてωN(t2−t1)≫1の関
係が成立する場合には、第3図(C)の増加曲線の最大値ihpは(5)式より求め
られ、次のようになる。 ihp=αNiC0+αN(iC1−iC0) =αNiC1 …(7) すなわち、パルス幅が広い場合には、正孔電流ihは主電流iCおよびエミッタ電
流iEに比例するから、エミッタ電流iEを測定することによって、正孔電流ih
をモニタすることができる。 一方、パルス幅(t2−t1)が短い場合には、(5)式より、正孔電流ihの最大
値ihpは次式で与えられる。 すなわち、パルス幅(t2−t1)が短い場合には、正孔電流の最大値ihpはパル
ス幅の関数となり、必ずしも主電流iCに比例しなくなる。そのため、上記した
第1実施例のIGBT装置1においては、正孔電流ihを必ずしも正確にモニタ
することができなくなり、例えば保護回路を連動させた場合などには誤動作の可
能性が出てくる。すなわち、ラッチアップの原因であるihが危険域に達してい
ないにもかかわらず、iEが危険域に達したことにより誤って保護動作をとって
しまう場合がある。 第4図はこのような問題点を改良した、この発明による半導体装置の第2の実
施例であるIGBT装置の構造を概略的に示す断面図であり、第5図はその等価
回路を示す回路図である。この第2の実施例に係るIGBT装置1では、N-層
4の表面内に形成された複数のP領域5の一部5’に、N+領域6を設けていな
い。そしてこのP領域5’に電気的に接続されるように例えばアルミから成る検
出電極14を形成し、この検出電極14をモニタ端子Mに接続することにより、
コレクタ端子Cとモニタ端子M間にpnpトランジスタ15を作り出している。 pnpトランジスタ15のベース電流はMOSトランジスタ12を介して供給
されるので、pnpトランジスタ15は各IGBT素子2のpnpトランジスタ
13と同様に動作し、そのコレクタには各IGBT素子2のpnpトランジスタ
13のコレクタに流れる正孔電流ihに応じた正孔電流ih’が流れる。したがっ
て第5図に示すように、端子MおよびEM間に外部抵抗Rを接続することにより
、該外部抵抗Rの両端に表われる電位差によってIGBT素子2の正孔電流ih
自体を正確にモニタすることができる。 前述したように、パルス幅の短い過電流が流れた場合には、第1図および第2
図に示す第1の実施例に係るIGBT装置1では、ラッチアップの原因となる正
孔電流ihを正確にモニタすることができなくなる。これに対し本第2の実施例
においては、正孔電流ih自体をモニタするものであるため、過電流のパルス幅
にかかわらず正孔電流ihを正確にモニタすることが可能であり、このモニタ信
号によって保護回路を正確に動作させることが可能になる。 第6図は第4図および第5図に示した第2の実施例の変形例に係るIGBT装
置の構造を概略的に示す断面図である。この変形例では同一のP領域5”内にエ
ミッタ電極9と検出電極14とを設けており、その他の構成は上記第2の実施例
と同様である。この変形例においても上記第2の実施例と同様の効果を奏する。
なお、第4図および第6図において、検出電極14が設けられるP領域5’、5
”は1つであるように示してあるが、複数でもよいことは勿論である。また第4
図において、絶縁膜7およびゲート電極8は検出電極14が設けられるP領域5
’上にも配置されているが、これは他の絶縁膜7およびゲート電極8と同一形状
にして製造を容易にするのが目的であって、動作上は必ずしもP領域5’上には
存在する必要はない。 第7図は上記第2の実施例の他の変形例に係るIGBT装置の構造を示す斜視
図であり、第8図および第9図はそれぞれ第7図の構造のA−A’断面およびB
−B’断面を示す断面図である。この変形例は第6図の変形例と同様、同一のP
領域5”内にエミッタ電極9と検出電極14とが併存する構造であるが、絶縁膜
7およびゲート電極8の一部を切り欠いて、N-層4の表面とN+領域6の表面と
で挟まれたP領域5”の表面上、すなわちMOSトランジスタ12のチャネルが 形成される領域上の一部に検出電極14を設けている点が異なっている。この構
造によれば、端子MおよびEM間に外部抵抗を接続することにより正孔電流ihを
モニタすることが可能であるとともに、端子MおよびEM間に入力インピーダン
スの大きな電圧計を接続することによって、npnトランジスタ11のベース・
エミッタ接合に印加される順バイアス電圧そのものをモニタすることが可能にな
り、この電圧値がnpnトランジスタ11が導通する閾値に接近するか否かによ
りラッチアップの発生を最も直接的に予見できる。 なお上記実施例ではエミッタモニタ端子EMを設けているが、これはエミッタ
端子Eと併用することもできる。また多数のIGBT素子が並列接続されたIG
BT装置について説明したが、第2の実施例およびその変形例は単一のIGBT
素子の場合にも適用できる。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明によれば、IGBT素子の動作電流をモニタす
るモニタ端子を設けたので、該動作電流が危険域に達したときには適当な保護動
作をとることによりラッチアップの発生を未然に防止でき、IGBT装置自体や
それに接続される周辺の機器に過電流による損傷を与えることがないなどの効果
が得られる。
ransistor;以下IGBTと称す)に関し、特にそのラッチアップの防止に関す
る。 〔従来の技術〕 第10図は従来のIGBT装置の概略構造を示す断面図である。一般にIGB
T装置1は多数のIGBT素子2が並列接続された構造を有しており、単一のI
GBT素子2の等価回路を第11図、IGBT装置1全体の等価回路を第12図
に示す。 第10図において、P+半導体基板3の一方主面上にはN-層4がエピタキシャ
ル成長されている。このN-層4の表面から選択的に不純物を拡散して、複数の P領域5が形成され、さらにこのP領域5の表面から選択的に不純物を拡散して
、各2個のN+領域6が形成されている。N-層4の表面とN+領域6の表面とで
挟まれたP領域5の表面上には絶縁膜7が形成され、この絶縁膜7は隣接するI
GBT素子2間で一体となるようN-層4の表面上にも形成されている。絶縁膜
7上には例えばポリシリコンから成るゲート電極8が形成され、またP領域5お
よびN+領域6の両方に電気的に接続されるように例えばアルミなどの金属のエ
ミッタ電極9が形成されている。このエミッタ電極9は、同一P領域5内におい
て隣接するIGBT素子2間で共通に形成される。なおゲート電極8およびエミ
ッタ電極9は、図示しない絶縁膜を介した多層構造とすることにより、多数のI
GBT素子2に対しそれぞれ共通に電気的につながった構造となっている。P+
半導体基板3の裏面には金属のコレクタ電極10が全IGBT素子2に対し一体
に形成されている。そしてゲート電極8はこのIGBT装置1のゲート端子Gに
、エミッタ電極9はエミッタ端子Eに、またコレクタ電極10はコレクタ端子1
0にそれぞれワイヤボンディングおよびダイボンディングにより接続されている
。 このように、各IGBT素子2は、P+基板3上にNチャネルの2重拡散縦型
MOSFETを形成した構造を有しており、また第11図の等価回路から明らか
なように、pnpnサイリスタとNチャネルMOSFETの複合素子であるとい
える。コレクタ端子Cに正電圧が印加され、エミッタ端子Eが接地され、ゲート
端子Gに適当な制御電圧が印加される通常動作時において、N-層4から成るド
レインに成功が注入されるため、低いON抵抗が達成される。またゲート電極8
はトランジスタの能動領域から絶縁されているため電流は流れない。つまりIG
BT装置1はバイポーラトランジスタの低いON抵抗とMOSFETの高い入力
インピーダンスの両特性を兼備しており、例えばIGBT素子2を数千個並列接
続したIGBT装置1を形成することにより、50A程度の電流を流すことの可
能な高性能なパワートランジスタが実現できる。 IGBT素子2に流れる電流が小さい範囲では、P領域5の拡散抵抗Rsの両
端の電位差が小さく、npnトランジスタ11のベース・エミッタ間が短絡状態
に保たれる。この状態ではnpnトランジスタ11は動作せず、IGBT素子2 はNチャネルMOSFET12とpnpトランジスタ13の複合素子として動作
する。この場合にはpnpトランジスタ13のベース電流がNチャネルMOSF
ET12によって制御されることになるので、ゲート端子Gに加える制御信号に
よってIGBT素子2の主電流iCを制御することが可能となる。 第11図の等価回路より明らかなように、IGBT素子2の主電流iCは、M
OSFET12を流れる電子電流ieとpnpトランジスタ13のコレクタ電流
(これは正孔電流)ihとの和になる。すなわちエミッタ端子Eに流れる電流を
iEとすれば、 iC=iE=ie=ih …(1) の関係が成り立つ。これを第10図を用いて説明すれば、ゲート電極8に印加さ
れた制御信号によりその下のP領域5にチャネルが形成されてドレインすなわち
N-領域4に電子が注入され、一方pnpトランジスタ13のベースすなわちN-
領域4にコレクタすなわちP+領域3から正孔が注入され、この注入された正孔
の一部は上記電子と再結合して消滅し、残りはコレクタ電流ihとなってP領域
5を流れる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の半導体装置であるIGBT装置1は以上のように構成されており、IG
BT素子2の主電流iCが例えばゲート端子Gに印加されるノイズ等の何らかの
外的原因により増加すると、電子電流ieおよび正孔電流ihが増加する。このと
き正孔電流ihがある値を越えると、抵抗Rsでの電圧降下がnpnトランジスタ
11の導通する閾値を越えてしまい、言い換えればnpnトランジスタ11のベ
ース・エミッタ間がその拡散電位以上に順バイアスされてしまい、その結果、n
pnトランジスタ11とpnpトランジスタ13とから成るpnpnサイリスタ
部が導通状態となる。この状態ではゲート端子Gに印加する制御信号によってI
GBT素子2の主電流iCを制御することはできなくなる。この現象はラッチア
ップと呼ばれている。ラッチアップを防止するためには抵抗Rsができるだけ小
さくなるようにP領域5を形成すればよいが、それにも限度がある。このため一
旦ラッチアップが発生すると、過大な主電流iCが無制御に流れることになり、
IGBT装置1を破壊するのみならすこれに接続されている周辺の機器に損傷を 与えてしまうという問題があった。 この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、ラッチアッ
プの発生を有効に防止することができる半導体装置を提供することを目的とする
。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明に係る半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に形成された絶縁
ゲート型バイポーラトランジスタと、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動
作電流からラッチアップ発生直前の電流を検知して、制御電極を遮断するための
電流検出用外部素子を接続するモニタ端子とを備えた半導体装置であって、半導
体基板は第1の導電型を有し、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、半導体
基板の一方主面上に形成された第2の導電型の層と、層の表面内に形成された第
1の導電型の第1の領域と、第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第
2の領域と、層の表面と第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表面上に形
成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された制御電極と、半導体基板の他方主面上
に形成された第1電極と、第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成
された第2電極とを備え、複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタが層を
共有して設けられ、複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの第2電極の
一部はモニタ端子に接続され、複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの
第2電極の残りならびに制御電極および第1電極はそれぞれ共通接続されたもの
である。 また、半導体基板と、半導体基板上に形成された絶縁ゲート型バイポーラトラ
ンジスタと、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動作電流からラッチアップ
発生直前の電流を検知して、制御電極を遮断するための電流検出用外部素子を接
続するモニタ端子とを備えた半導体装置であって、半導体基板は第1の導電型を
有し、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、半導体基板の一方主面上に形成
された第2の導電型の層と、層の表面内に形成された第1の導電型の第1の領域
と、第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第2の領域と、層の表面と
第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表面上に形成された絶縁膜と、絶縁
膜上に形成された制御電極と、半導体基板の他方主面上に形成された第1電極と 、第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成された第2電極とを備え
、層の表面内に形成されるとともに、自身の表面内には第2の領域のような別領
域が形成されない第1の導電型の第3の領域と、第3の領域に電気的に接続され
るよう形成された検出電極とをさらに備え、検出電極はモニタ端子に接続された
ものである。 また、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの絶縁ゲート
型バイポーラトランジスタと、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動作電流
からラッチアップ発生直前の電流を検知して、制御電極を遮断するための電流検
出用外部素子を接続するモニタ端子とを備えた半導体装置であって、半導体基板
は第1の導電型を有し、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、半導体基板の
一方主面上に形成された第2の導電型の層と、層の表面内に形成された第1の導
電型の第1の領域と、第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第2の領
域と、層の表面と第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表面上に形成され
た絶縁膜と、絶縁膜上に形成された制御電極と、半導体基板の他方主面上に形成
された第1電極と、第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成された
第2電極とを備え、少なくとも1つの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの第
1の領域のみに電気的に接続されるよう形成された検出電極をさらに備え、検出
電極はモニタ端子に接続されたものである。 さらに、検出電極は層の表面と第2の領域の表面とで挟まれた第1の領域の表
面に電気的に接続されたものである。 加えて、絶縁膜およびその上に形成された制御電極は切欠き部を有し、検出電
極は切欠き部において第1の領域の表面に電気的に接続されたものである。 〔作用〕 この発明におけるモニタ端子を介してIGBT素子の動作電流がモニタできる
ため、該動作電流が危険領域に達したときには適当な保護動作をとることにより
ラッチアップに突入するのを回避することができる。 〔実施例〕 第1図はこの発明による半導体装置の一実施例であるIGBT装置の概略構造
を示す断面図であり、第2図はその等価回路を示す回路図である。この実施例に 係るIGBT装置1は、第10図および第12図に示す従来のIGBT装置1と
比べて次の点が異なっている。すなわち、並列接続された多数のIGBT素子2
のうちの一部のIGBT素子2’のエミッタ電極9は新たに設けられたモニタ端
子Mにワイヤボンディングにより接続されており、また残りのエミッタ電極9を
エミッタ端子Eにワイヤボンディングにより接続する際、そのボンディングワイ
ヤをエミッタ端子Eからさらに、新たに設けられたエミッタモニタ端子EMにま
で延長して、前記残りのエミッタ電極9がエミッタ端子Eおよびエミッタモニタ
端子EMの両方に接続されるよう構成してある。他の構成は第10図および第1
2図に示す従来のIGBT装置1と同様である。 この実施例に係るIGBT装置1では、第2図に示すように端子MおよびEM
間に外部抵抗Rを接続することにより、該外部抵抗Rの両端に現われる電位差に
よってIGBT装置1の主電流ICをモニタすることができる。すなわち外部抵
抗Rを流れる電流iEはIGBT装置1のエミッタ電流IEを分流したものであり
、 IC = IE …(2) の関係が成り立つことから、iEをモニタすることにより主電流ICの値を知るこ
とができる。IEに対するiEの割合は、何個のIGBT素子2をモニタ端子Mに
接続するかにより決定される。そしてiEのモニタリングによってICがラッチア
ップ危険域に達したことが検知されれば、例えばモニタ信号によって保護回路を
動作させてゲート端子Gへの制御信号を遮断することにより、ラッチアップの発
生を未然に防止できる。 ここで、第2図のIGBT素子2’に注目して、第11図の場合と同様に、そ
の主電流をiC、pnpトランジスタ13のコレクタを流れる正孔電流をin、N
チャネルMOSFET12を流れる電子電流をieとする。第3図を参照して、
時刻t0からtlの間の正常動作状態において、IGBT素子2’に定常の主電流
iC(これを第3図(A)に示すようにiC0とする)が流れているものとする。
この状態ではIGBT素子2’はラッチアップしていないので、ゲート端子Gに
与える制御信号により主電流iCを制御することが可能である。この場合、抵抗
Rsを流れる正孔電流ih(これを第3図(C)に示すようにih0とする)は近似 的に次式で与えられる。 ih0=αN・iC0 …(3) ここでαNはpnpトランジスタ13のベース接地電流利得である。この状態に
おけるエミッタ電流iEを第3図(B)に示すようにiE0とすると、電流連続の
条件から iE0 = iC0 …(4) が成り立つ。したがって、(3),(4)式より正孔電流ih0とエミッタ電流iE0は比
例関係にあるので、定常状態であればエミッタ電流iEをモニタすることにより
正孔電流ihを正確にモニタすることができ、ラッチアップの発生を正確に予見
できる。なぜなら、ラッチアップの発生は正孔電流ihの増大による抵抗Rsでの
電圧降下の増加に起因するものだからである。 ところが、IGBT装置1の動作が過渡状態である場合には様子が異なり、上
記した第1実施例では正孔電流ihを正確にモニタするのが難しくなる。いま、
IGBT装置1の主電流ICが何らかの外的原因によってステップ状に増加し、
これに伴ってIGBT素子2’の主電流iCがiC0からiC1(iC1>iC0)へと
ステップ状に増加した後、再びiC0にステップ状に減少する場合を想定する。こ
の場合のIGBT素子2’の主電流iC、エミッタ電流iEおよび正孔電流ihの
時間的変化をそれぞれ第3図(A)、(B)および(C)の時刻t1からt2の間
に示す。 主電流iCがステップ状に増加すると、エミッタ電流iEもステップ状に増加す
るが、正孔電流ihの増加はゆるやかである。これは主電流iCの増加に起因する
正孔が、pnpトランジスタ13のベース領域であるN-層4に注入され、拡散
したのち正孔電流ihとなって抵抗Rsを流れるためである。第3図(C)の増加
曲線は近似的に次式で与えられる。 また第3図(C)の減少曲線は近似的に次式で与えられる。 ここでωNはpnpトランジスタ13のアルファ遮断角周波数である。 第3図において、パルス幅(t2−t1)が大きくてωN(t2−t1)≫1の関
係が成立する場合には、第3図(C)の増加曲線の最大値ihpは(5)式より求め
られ、次のようになる。 ihp=αNiC0+αN(iC1−iC0) =αNiC1 …(7) すなわち、パルス幅が広い場合には、正孔電流ihは主電流iCおよびエミッタ電
流iEに比例するから、エミッタ電流iEを測定することによって、正孔電流ih
をモニタすることができる。 一方、パルス幅(t2−t1)が短い場合には、(5)式より、正孔電流ihの最大
値ihpは次式で与えられる。 すなわち、パルス幅(t2−t1)が短い場合には、正孔電流の最大値ihpはパル
ス幅の関数となり、必ずしも主電流iCに比例しなくなる。そのため、上記した
第1実施例のIGBT装置1においては、正孔電流ihを必ずしも正確にモニタ
することができなくなり、例えば保護回路を連動させた場合などには誤動作の可
能性が出てくる。すなわち、ラッチアップの原因であるihが危険域に達してい
ないにもかかわらず、iEが危険域に達したことにより誤って保護動作をとって
しまう場合がある。 第4図はこのような問題点を改良した、この発明による半導体装置の第2の実
施例であるIGBT装置の構造を概略的に示す断面図であり、第5図はその等価
回路を示す回路図である。この第2の実施例に係るIGBT装置1では、N-層
4の表面内に形成された複数のP領域5の一部5’に、N+領域6を設けていな
い。そしてこのP領域5’に電気的に接続されるように例えばアルミから成る検
出電極14を形成し、この検出電極14をモニタ端子Mに接続することにより、
コレクタ端子Cとモニタ端子M間にpnpトランジスタ15を作り出している。 pnpトランジスタ15のベース電流はMOSトランジスタ12を介して供給
されるので、pnpトランジスタ15は各IGBT素子2のpnpトランジスタ
13と同様に動作し、そのコレクタには各IGBT素子2のpnpトランジスタ
13のコレクタに流れる正孔電流ihに応じた正孔電流ih’が流れる。したがっ
て第5図に示すように、端子MおよびEM間に外部抵抗Rを接続することにより
、該外部抵抗Rの両端に表われる電位差によってIGBT素子2の正孔電流ih
自体を正確にモニタすることができる。 前述したように、パルス幅の短い過電流が流れた場合には、第1図および第2
図に示す第1の実施例に係るIGBT装置1では、ラッチアップの原因となる正
孔電流ihを正確にモニタすることができなくなる。これに対し本第2の実施例
においては、正孔電流ih自体をモニタするものであるため、過電流のパルス幅
にかかわらず正孔電流ihを正確にモニタすることが可能であり、このモニタ信
号によって保護回路を正確に動作させることが可能になる。 第6図は第4図および第5図に示した第2の実施例の変形例に係るIGBT装
置の構造を概略的に示す断面図である。この変形例では同一のP領域5”内にエ
ミッタ電極9と検出電極14とを設けており、その他の構成は上記第2の実施例
と同様である。この変形例においても上記第2の実施例と同様の効果を奏する。
なお、第4図および第6図において、検出電極14が設けられるP領域5’、5
”は1つであるように示してあるが、複数でもよいことは勿論である。また第4
図において、絶縁膜7およびゲート電極8は検出電極14が設けられるP領域5
’上にも配置されているが、これは他の絶縁膜7およびゲート電極8と同一形状
にして製造を容易にするのが目的であって、動作上は必ずしもP領域5’上には
存在する必要はない。 第7図は上記第2の実施例の他の変形例に係るIGBT装置の構造を示す斜視
図であり、第8図および第9図はそれぞれ第7図の構造のA−A’断面およびB
−B’断面を示す断面図である。この変形例は第6図の変形例と同様、同一のP
領域5”内にエミッタ電極9と検出電極14とが併存する構造であるが、絶縁膜
7およびゲート電極8の一部を切り欠いて、N-層4の表面とN+領域6の表面と
で挟まれたP領域5”の表面上、すなわちMOSトランジスタ12のチャネルが 形成される領域上の一部に検出電極14を設けている点が異なっている。この構
造によれば、端子MおよびEM間に外部抵抗を接続することにより正孔電流ihを
モニタすることが可能であるとともに、端子MおよびEM間に入力インピーダン
スの大きな電圧計を接続することによって、npnトランジスタ11のベース・
エミッタ接合に印加される順バイアス電圧そのものをモニタすることが可能にな
り、この電圧値がnpnトランジスタ11が導通する閾値に接近するか否かによ
りラッチアップの発生を最も直接的に予見できる。 なお上記実施例ではエミッタモニタ端子EMを設けているが、これはエミッタ
端子Eと併用することもできる。また多数のIGBT素子が並列接続されたIG
BT装置について説明したが、第2の実施例およびその変形例は単一のIGBT
素子の場合にも適用できる。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明によれば、IGBT素子の動作電流をモニタす
るモニタ端子を設けたので、該動作電流が危険域に達したときには適当な保護動
作をとることによりラッチアップの発生を未然に防止でき、IGBT装置自体や
それに接続される周辺の機器に過電流による損傷を与えることがないなどの効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す断面構造図、第2図はその等価回路を示す
回路図、第3図はその動作時の各部電流の時間的変化を示す図、第4図はこの発
明の第2の実施例を示す断面構造図、第5図はその等価回路を示す回路図、第6
図は第2の実施例の一変形例を示す断面構造図、第7図は第2実施例の他の変形
例を示す断面構造図、第8図および第9図はそれぞれ第7図の構造のA−A’お
よびB−B’断面図、第10図は従来のIGBT装置の断面構造図、第11図は
IGBT素子の等価回路を示す回路図、第12図は従来のIGBT装置の等価回
路を示す回路図である。 図において、1はIGBT装置、2はIGBT素子、3は半導体基板、Mはモ
ニタ端子である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
回路図、第3図はその動作時の各部電流の時間的変化を示す図、第4図はこの発
明の第2の実施例を示す断面構造図、第5図はその等価回路を示す回路図、第6
図は第2の実施例の一変形例を示す断面構造図、第7図は第2実施例の他の変形
例を示す断面構造図、第8図および第9図はそれぞれ第7図の構造のA−A’お
よびB−B’断面図、第10図は従来のIGBT装置の断面構造図、第11図は
IGBT素子の等価回路を示す回路図、第12図は従来のIGBT装置の等価回
路を示す回路図である。 図において、1はIGBT装置、2はIGBT素子、3は半導体基板、Mはモ
ニタ端子である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 (1) 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された絶縁ゲート型バイポーラトランジスタと、 前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動作電流からラッチアップ発生直
前の電流を検知して、制御電極を遮断するための電流検出用外部素子を接続する
モニタ端子とを備えた半導体装置であって、 前記半導体基板は第1の導電型を有し、 前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、 前記半導体基板の一方主面上に形成された第2の導電型の層と、 前記層の表面内に形成された第1の導電型の第1の領域と、 前記第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第2の領域と、 前記層の表面と前記第2の領域の表面とで挟まれた前記第1の領域の表面上に
形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成された前記制御電極と、 前記半導体基板の他方主面上に形成された第1電極と、 前記第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成された第2電極とを
備え、 複数個の前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタが前記層を共有して設けら
れ、 該複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの前記第2電極の一部は前記
モニタ端子に接続され、 前記複数個の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの前記第2電極の残りなら
びに前記制御電極および第1電極はそれぞれ共通接続されることを特徴とする半
導体装置。 (2) 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された絶縁ゲート型バイポーラトランジスタと、 前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動作電流からラッチアップ発生直
前の電流を検知して、制御電極を遮断するための電流検出用外部素子を接続する
モニタ端子とを備えた半導体装置であって、 前記半導体基板は第1の導電型を有し、 前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、 前記半導体基板の一方主面上に形成された第2の導電型の層と、 前記層の表面内に形成された第1の導電型の第1の領域と、 前記第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第2の領域と、 前記層の表面と前記第2の領域の表面とで挟まれた前記第1の領域の表面上に
形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成された前記制御電極と、 前記半導体基板の他方主面上に形成された第1電極と、 前記第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成された第2電極とを
備え、 前記層の表面内に形成されるとともに、自身の表面内には前記第2の領域のよ
うな別領域が形成されない第1の導電型の第3の領域と、 前記第3の領域に電気的に接続されるよう形成された検出電極とをさらに備え
、 前記検出電極は前記モニタ端子に接続されることを特徴とする半導体装置。 (3) 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された少なくとも1つの絶縁ゲート型バイポーラトラ
ンジスタと、 前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの動作電流からラッチアップ発生直
前の電流を検知して、制御電極を遮断するための電流検出用外部素子を接続する
モニタ端子とを備えた半導体装置であって、 前記半導体基板は第1の導電型を有し、 前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、 前記半導体基板の一方主面上に形成された第2の導電型の層と、 前記層の表面内に形成された第1の導電型の第1の領域と、 前記第1の領域の表面内に形成された第2の導電型の第2の領域と、 前記層の表面と前記第2の領域の表面とで挟まれた前記第1の領域の表面上に
形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成された前記制御電極と、 前記半導体基板の他方主面上に形成された第1電極と、 前記第1および第2の領域に電気的に接続されるよう形成された第2電極とを
備え、 少なくとも1つの前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの前記第1の領域
のみに電気的に接続されるよう形成された検出電極をさらに備え、 前記検出電極は前記モニタ端子に接続されることを特徴とする半導体装置。 (4) 前記検出電極は前記層の表面と前記第2の領域の表面とで挟まれた前
記第1の領域の表面に電気的に接続される、特許請求の範囲第3項記載の半導体
装置。 (5) 前記絶縁膜およびその上に形成された前記制御電極は切欠き部を有し
、 前記検出電極は前記切欠き部において前記第1の領域の表面に電気的に接続さ
れる、特許請求の範囲第4項記載の半導体装置。
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