JP2720030B2 - 光磁気記録素子及びその製法 - Google Patents

光磁気記録素子及びその製法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプラスチック製基体に対する非磁性体層の密
着力を大きくして高信頼性且つ長寿命化を達成した光磁
気記録素子並びにその製法に関するものである。 〔従来技術及びその問題点〕 近年、光磁気記録媒体を用いた高密度記録が盛んに研
究されており、これはレーザー光を投光して記録媒体を
局部加熱することによりビットを書き込み、磁気光学効
果を利用して読み出すという大量の情報を高密度に記録
する方式であり、この光磁気記録媒体には希土類元素−
遷移金属から成る非晶質金属垂直磁化膜が用いられる。 この光磁気記録方式によれば、光磁気特性を向上させ
るために記録媒体の改善と共に記録媒体と基板との間に
透光性非磁性体層を設けることが提案されており、この
非磁性体層用材料にはCeO2,ZrO2,TiO2,Al2O3,SiOなどの
酸化物、Si3N4,AlN,ZnS,SiC,MgF2などの非酸化物があ
る。 一方、この高密度記録に用いられる光ディスク用基板
には軽量、低価格、耐久性及び安全性並びに射出成型に
よるガイドトラック入り基板を大量に複製できることか
らプラスチック材料が使用されるようになり、とりわけ
優れた透光性を有する高分子材料、例えばポリカーボネ
ート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂等を用いて光
磁気記録用基板が製作されている。 しかし乍ら、このプラスチック基板上に非磁性体層を
介して磁性層を形成した光磁気記録素子(以下、素子と
いう)によれば、非磁性体層とプラスチック基板との間
は密着性に劣っているので環境条件によっては部分的な
密着不足が生じ、これにより、記録された情報を正確に
読み出せなくなり、その結果、素子自体の信頼性を著し
く損なっている。 そこで、この問題を解決するためにプラスチック基板
の成膜面に洗剤や有機溶剤による洗浄、熱処理、プラズ
マ処理などを施してその成膜面に付着した汚染物質を物
理的に除去したり、化学的に分解するなどの方法が採ら
れているが未だ満足し得るような密着力が得られていな
い。また、逆スパッタなどを用いてプラスチック基板面
をエッチングし、これにより、その面を粗面化して非磁
性体層との密着力を向上させるということも提案されて
いるが、プラスチック基板表面の粗面化によりC/N比等
の動特性に悪影響が生じる。 〔発明の目的〕 従って本発明の目的は叙上の問題点を解決してプラス
チック基体に対する膜の密着力を大きくし、これによっ
て高信頼性且つ長寿命化を達成した光磁気記録素子を提
供することにある。 本発明の他の目的は上記の如き優れた光磁気記録素子
の製法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によれば、鎖状分子間の架橋度をさらに進めた
プラスチック改質層を被膜形成面とし、該被膜形成面が
25〜40゜の純水の接触角を有するプラスチックから成る
基体上に、非磁性体層と光磁気記録層とを順次積層して
成ることを特徴とする光磁気記録素子が提供される。 更に本発明によれば、プラスチック製基体の表面に、
下記A工程及びB工程を施して、鎖状分子間の架橋度を
さらに進めたプラスチック改質層を被膜形成面と成し、
然る後に、その被膜形成面における純水の接触角が25〜
40゜のもとで、基体上に非磁性体層と光磁気記録層を順
次積層することを特徴とする光磁気記録素子の製法が提
供される。 A工程・・・被膜形成面に200〜280nmの波長から成る紫
外線を不活性ガス雰囲気下又は真空中で照射する B工程・・・被膜形成面を不活性ガスのプラズマ雰囲気
に晒す 本発明の光磁気記録素子においては、プラスチック製
基体に種々の形状を取り得るが、以下、ディスク状基板
を例にとって詳細に説明する。 第1図は本発明光磁気記録素子の典型的層構成を表し
ており、この層構成によれば、プラスチック製ディスク
状基板1の上に第1非磁性体層2を介して磁性層3を積
層し、その上に第2非磁性体層4及び保護層5を順次積
層している。 本発明は、この基板1の被膜形成面1aに上記A工程及
びB工程の組合せから成る処理を施し、これによってそ
の面のプラスチック化学組成を改質し、第1非磁性体層
2との密着力を向上させるというものであり、その表面
改質状態を純水の接触角によって言い表わすことができ
る。尚、この接触角は第2図に示すようにプラスチック
基板1と純水の水滴6と空気7との界面で形成される室
温下の角度θである。 即ち、基板用プラスチック材にはポリカーボネート樹
脂(以下、PC樹脂と略す)やポリメチルメタクリレート
樹脂(以下、PMMA樹脂と略す)などがあり、これらの樹
脂基板に対する純水の接触角は約85〜90゜であるが、本
発明者等はこの基板の被膜形成面1aに200〜280nmの波長
から成る紫外線を不活性ガス雰囲気下又は真空中で照射
した場合にプラスチック化学組成が改質され、この被膜
形成面1aにプラスチック改質層1bが形成され、これによ
って上記接触角が低下する。本発明者等が繰り返し行っ
た実験によれば、その角度が50〜80゜の範囲内で密着力
が最も高められることを見い出した。更に本発明者等は
このような紫外線照射基板を不活性ガスのプラズマ雰囲
気に晒した場合、被膜形成面1aの濡れ性が更に大きくな
り、上記接触角が40゜以下にまで低下し、その範囲にな
ると基板に対する密着力が一層大きくなることを確認し
た。 このようにA工程とB工程の組合せから成る処理を施
した場合には、ディスク状の基板1の被膜形成面1aが鎖
状分子間の架橋度がさらに進められたプラスチックから
成り、更にその面1aに対する純水の接触角が25〜40゜に
設定されたものとして特徴づけられる。 先ずA工程について述べる。 紫外線照射前のプラスチック基板、例えばPC樹脂基板
であれば、 で表わされる鎖状高分子から成り、そして、第3図に示
すように複数の鎖状高分子8(実線)が水素結合9(破
線)によって結び付けられて三次元的に立体配置してお
り、その配列はアモルファス化している。 このプラスチック基板に200〜280nmの波長から成る紫
外線を照射した場合、そのプラスチック化学組成のなか
に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基等
々の極性基、即ち酸素や窒素から成る親水基が生じ、こ
れにより、被膜形成面1aの濡れ性が顕著に大きくなり、
非磁性体層との密着力が向上する。これに加えて、その
化学変化に伴って第4図に示すように複数の鎖状高分子
8が相互に架橋反応し、共有結合10(一点鎖線)が生
じ、その結果、膜の密着力が更に一層高められる。 このように200〜280nmの範囲内にそのスペクトルを有
する紫外線を照射する場合、この波長範囲内に主たる発
光ピークが存在するのが望ましい。また、この波長範囲
内に主たる発光ピークが存在しない場合であっても、そ
の波長範囲内に発光スペクトルが存在すれば鎖状分子間
の架橋反応が進行するものと考える。 紫外線照射用ランプには、例えば高圧水銀灯や低圧水
銀灯等があり、これらの水銀灯が発生する紫外線には18
4.9nmと253.7nmのそれぞれの波長に発光ピークが存在す
る。このように200〜280nmの範囲から外れた波長範囲に
も発光ピークが存在する場合、プラスチック基板に架橋
反応が生成するのを阻止しようとする傾向にある。 即ち、上記のように200nm未満の比較的短波長領域の
紫外線から成る場合には紫外線照射雰囲気のガス分子が
活性化し易くなっており、この雰囲気に微量ながらも残
留している酸素分子がオゾン化し、これが基板表面に結
合し、そのために上記架橋反応が妨げられる。 このように200〜280nmの範囲以外で発光ピークが存在
する場合、そのピーク強度は200〜280nmの範囲内の最大
スペクトル強度に比べて1/2以下、好適には1/3以下が望
ましい。 A工程においては、紫外線照射を不活性ガス雰囲気下
又は真空中で行うことも重要である。 即ち、プラスチック基板に紫外線を照射した場合、そ
の基板表面にはフリーラジカル(結合手)が生成する
が、照射雰囲気中に酸素ガスや化学的に活性なガスが存
在すると、これらのガスがフリーラジカルと結合し、基
板表面における架橋点密度が小さくなり、その結果、プ
ラスチック改質層1bが十分に形成されなくなる。従って
紫外線を不活性ガス雰囲気下又は真空中で照射するとよ
い。そして、この不活性ガスにはHe,Ne,Ar,Kr,Xe,Rn,N2
等々があるが、就中、Arが最も優れた密着力が得られる
という点で望ましい。また上記真空雰囲気は1mmTorr以
下、好適には0.01mmTorr以下に設定するのがよい。 そして、上記のような紫外線照射雰囲気を形成するに
当たって、微量な酸素分子や水分子などが残留する場合
があり、この残留分子は本発明の目的を達成するために
有利に作用しない。従って、この分子を可及的に少なく
するのが望ましい。 次のB工程においては、A工程を終えたディスク状基
板を不活性ガスのプラズマ雰囲気に晒しており、これに
より、極性基(親水基)が増加し、濡れ性が更に大きく
なり、これに伴って接触角が低下する。本発明者等が繰
り返し行った実験によれば、この接触角を25〜40゜に設
定することができ、その結果、A工程だけを行ったディ
スク状基板に比べて密着性が一層向上する。 このプラズマ処理には交流ボンバード、プラズマアッ
シャー処理、逆スパッタ等々があり、就中、交流ボンバ
ードが基板表面の粗面化並びに基板表面が化学的に劣化
(分解)しにくいという点で望ましい。 また、この工程に用いられる不活性ガスはA工程にて
用いられた不活性ガスと同じであり、就中、Arが優れた
密着力が得られるという点で望ましい。 そして、A工程を終えた基板をB工程を行うために移
動させる場合、或いはA工程及びB工程を終えた基板を
成膜装置へ移動させる場合には不活性ガス雰囲気下又は
真空中で行うのがよく、これにより、基板の活性化表面
に酸素分子や水が吸着されず、その基板の濡れ性を劣化
させることがない。 尚、上記によればA工程とB工程が順次続けて行われ
ているが、A工程とB工程を同時に行ってもよい。 また、前記第1非磁性体層2には基板1との密着力を
得んがために種々の材料を用いることができるが、例え
ばSi3N4,SiC,AlN,ZnS,MgF2,CdS,ZnS,BN,TiN,TiC,Sb2S3
等々の非酸化物、或いはCeO2,ZrO2,TiO2,Al2O3,Cr2O3,M
gO,SiO,SiO2等々の酸化物があり、これらを単独又は組
合せて用いることができる。 次に本発明の実施例にて用いられる紫外線照射装置、
交流ボンバード装置及びマグネトロンスパッタリング装
置をそれぞれ第5図、第6図及び第7図にて述べる。 第5図の紫外線照射装置においては、真空槽11の内部
に回転駆動されるターンテーブル12が設置されており、
そのターンテーブル12の上にはディスク状の基板1が載
置され、この基板1と対向して高圧水銀灯13が設置され
ている。不活性ガスはガス導入口14を介して導入され、
基板1が回転駆動され、そして、基板1が高圧水銀灯13
によって紫外線照射される。上記高圧水銀灯13の発光源
から184.9nmと253.7nmの波長の発光ピークから成る紫外
線が照射されるが、発光ピーク184.9nmの紫外線は水銀
灯を構成する石英管により吸収され、そのために発光ピ
ーク253.7nmの紫外線が基板1へ照射される。 第6図の交流ボンバード装置においては、真空槽15の
内部に回転駆動されるディスク状基板1、対向した2枚
のボンバード電極16が設置されており、この電極板16に
は高周波電源17によって高周波電力が印加されるように
なっており、これによってガス導入口18より導入された
不活性ガスがプラズマ化し、基板1の板面がプラズマ処
理される。 このようにしてA工程及びB工程が施されたディスク
状の基板を第7図のマグネトロンスパッタリング装置に
設置して成膜を行い、光磁気記録素子を得る。 図中、真空槽19の内部には例えば窒化珪素から成る第
1ターゲット20、磁性体合金から成る第2ターゲット2
1、回転駆動されることにより組合せ薄膜が形成される
ディスク状の基板1が配置されている。第1ターゲット
20と基板1の間には高周波スパッタリングが、また、第
2ターゲット21と基板1の間には高周波電圧或いは直流
電圧が印加されてスパッタリングが行われる。この第
1、第2ターゲット20,21の下側にはプレーナーマグネ
トロン型カソードが備えつけられ、これにより、電場と
磁場の直交するペニング放電現象を利用して放電ガス分
子のイオン化効果が高められ、量産に適した高速成膜が
可能となる。 この装置において、非磁性体層と磁性層の形成を任意
の積層順で行う。 先ず、装置内を1×10-5Torr以下の高真空に脱気した
後、スパッタリング用の不活性ガス、例えばアルゴンを
所定の圧力になるように導入する。 雰囲気ガスが1×10-4Torr未満では安定な放電状態が
得られず、成膜が困難となり、50×10-3Torrを越えると
磁性薄膜中に含まれるアルゴンや酸素が増加して膜特性
が劣化し、優れた光磁気特性並びに均一性及び安定性が
得られず、1×10-4〜50×10-3Torr、好適には3×10-3
〜20×10-3Torrの範囲内に設定される。 第1図に示す素子を製作する場合、アルゴンガスを所
定のガス圧となるように導入すると共に第1ターゲット
20と基板1との間に高周波電力を印加して窒化珪素系第
1非磁性体層を形成させ、所定の膜厚が得られるとスパ
ッタリングを停止させる。 次いで第2ターゲット21と基板1との間にも同様に高
周波電力もしくは直流電圧を印加して磁性層を形成し、
所定の膜厚になっとき、このスパッタリングを停止して
磁性層3を得る。 本発明の光磁気記録素子はプラスチック基板の上に上
述した通り第1非磁性体層2を介して磁性層3である膜
面に垂直な方向に磁化容易軸を有する非晶質金属垂直磁
化膜、例えばTbFe,GdCo,TbFeCo,GdDyFe,DyFeCo,GdTbFeC
o,GdDyFeCo等を形成し、更にその上に磁性層3の酸化等
の防止のために再度スパッタリングにより第2非磁性体
層4を形成する。この層4も窒化珪素系非磁性体層にす
るのがよく、これにより、共通の同一ターゲットを用い
ることができる。 また、必要により第2非磁性体層4の上に更に樹脂保
護層5を形成させることができる。この樹脂保護層5と
しては、それ自体公知の紫外線硬化型のアクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂等を用いるこ
とができる。 〔実施例〕 次に本発明の実施例を述べる。 (例1) PC樹脂から成るディスク状基板を第5図の装置に設置
し、紫外線照射用雰囲気を真空中又は不活性ガスとし、
この不活性ガスとしてAr,N2空気(大気圧下)及びO2
導入し、それぞれの雰囲気の差異により5種類のディス
ク状基板を得た。 次に第7図の高周波二元マグネトロンスパッタリング
装置に上記ディスク状基板を設置し、そして、窒化珪素
から成る第1ターゲット20とGd−Dy−Fe系の第2ターゲ
ット21を備えつけた。そして、アルゴンガスを導入して
スパッタリングにより膜厚750Åの第1非磁性体層2を
形成し、次いで、DCパワー600WにてGdDyFe磁性層3を膜
厚1000Åで形成し、然る後、この磁性層3の上に第1非
磁性体層2と同一の製作条件で第2非磁性体層4を1000
Åの厚みで被膜した。 かくして得られた素子を高温高湿の環境下(温度65
℃,相対湿度90〜95%)に放置して密着力の経時変化を
追ったところ、第8図に示す通りの結果が得られた。 この密着力試験は第2非磁性体層4の表面全体にセロ
ハンテープを貼り付け、次いで引き剥がすことによって
膜形成した全面に対する剥離した部分の面積を百分率で
表わし、このテストを10回繰り返し行ってその平均値に
よって密着力の評価を行った。 第8図中、◎印、○印、×印、●印及び△印は紫外線
照射時の雰囲気がそれぞれ真空中、Ar,N2,空気(大気圧
下)及びO2の場合、これによって得られたそれぞれの光
磁気記録素子のプロットであり、そして、a,b,c,d及び
eはそれぞれの特性曲線である。 第8図より明らかな通り、真空中で紫外線照射した場
合には初期の密着力より劣化せず、そして、ArやN2を用
いた場合でも密着力が著しく優れていることが判る。 然るに空気を導入した場合には密着力が漸次劣化して
おり、更にO2においては65時間経過後ほとんど剥離して
しまった。 (例2) 本例においては、i)・・・(例1)のなかでA工程
にArガスを用いた場合を選び、更にN2ガスを用いてB工
程を施し、その他の製法は(例1)と同じにして製作し
た光磁気記録素子、ii)・・・上記i)のなかでA工程
のみであってB工程を行わなかった素子、iii)・・・
上記i)のなかでB工程のみであってA工程を行わなか
った素子、iv)・・・上記i)のなかでA工程に用いら
れた紫外線が253.7nmと184.9nmのそれぞれの波長に発光
ピークがあり、後者の最大スペクトル強度が前者の最大
スペクトル強度とほぼ等しく、これによって得た素子、
v)・・・A工程及びB工程を行わなかった素子、とい
う5種類の光磁気記録素子を製作し、それぞれの密着力
を(例1)にて述べた方法によって測定したところ、第
9図に示す通りの結果が得られた。 図中、○印、△印、□印、×印及び●印はそれぞれ
i)、ii)、iii)、iv)、v)のそれぞれの素子にお
ける密着力のプロットであり、f,g,h,i,jはそれぞれの
特性曲線である。 第9図より明らかな通り、i)の素子は300時間経過
後も初期密着力が低下せず、優れた密着力が得られたこ
とが判る。 然るにA工程を行ってB工程を行わない素子の場合に
は密着力の劣化傾向が顕著であり、更にB工程を行って
A工程を行わない素子や184.9nmの発光ピークをもつ紫
外線を照射した素子、A工程及びB工程を行わない素子
においては密着力が著しく劣る。 (例3) 本例においては、(例2)にて得られた各々の光磁気
記録素子の基板に対する接触角と密着性の関係を調べ
た。その結果は第1表に示す通りである。 この表において、素子(イ)(ロ)は、i)の素子の
製法のなかで紫外線照射時間を減少させ、これに伴って
接触角を大きくした場合の素子であり、素子(ハ)は、
iv)の素子の製法のなかでB工程を行わなかった場合の
素子である。 また密着力試験は、各々の素子を高温高湿の環境下
(温度65℃、相対湿度90〜95%)に300時間放置し、そ
して、その素子の第2非磁性体層4の表面全体にセロハ
ンテープを貼り付け、次いで引き剥がすことによって膜
形成した全面に対する剥離した部分の面積を百分率で表
わし、このテストを10回繰り返し行ってその平均値によ
って密着力の評価を行った。 第1表より明らかな通り、本発明の製法により得た素
子においては、接触角が減少するに伴って密着力が向上
しており、40゜以下であれば優れた密着力が得られた。 然るに、iii)の素子、iv)の素子又は素子(ハ)に
おいては接触角が40゜以下であるが、高い密着力が得ら
れなかった。 (例4) 本例においては、i)の素子を高温高湿の環境下(温
度65℃、相対湿度90〜95%)に設置し、Bit Error Rate
(B・E・R)の経時変化を追ったところ、第10図に示
す通りの結果が得られた。 図中、○印は本例にて得られた素子の放置時間に対す
るB・E・R増加量のプロットであり、●印は本例中基
板に対するA工程及びB工程を行わずに得られた比較例
の素子に対応するプロットであり、k、lはそれぞれの
特性曲線である。 この結果により明らかな通り、本発明の素子において
は特性劣化が見られなかった。然るに比較例の素子にお
いては膜が基板より浮き上がってその箇所で読取りがで
きなくなったり或いは膜自体に亀裂が生じてその部分よ
り腐食が進行し、実用不可能となった。 また、本発明者等は上記実施例のなかでPC樹脂基板に
代えてPMMA樹脂から成るディスク状基板を用いて同じテ
ストを行ったところ、同様な結果が得られることを確認
した。 〔発明の効果〕 以上の通り、本発明の光磁気記録素子によれば、プラ
スチック基体に対する非磁性体層の密着力が著しく向上
し、これにより、素子自体の性能を高めて高信頼性且つ
長寿命化を達成した光磁気記録素子が提供される。 また本発明の製法によれば、上記のような高性能光磁
気記録素子を得んがために基体に対する純水の接触角を
目安にして紫外線照射量を制御することができ、これに
より、製造コントロールが容易となって製造効率を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明光磁気記録素子の典型例を示す断面図、
第2図はプラスチック基体に対する純水の接触角を表わ
す説明図、第3図はプラスチック基体表面の紫外線照射
前の高分子構造を示す概略図、第4図はプラスチック基
体表面の紫外線照射後の高分子構造を示す概略図、第5
図は紫外線照射装置の説明図、第6図は交流ボンバード
装置の説明図、第7図は高周波二元マグネトロンスパッ
タリング装置の説明図、第8図は各種紫外線照射雰囲気
におけるプラスチック基板の密着力を表わす線図、第9
図は各種基板処理におけるプラスチック基板の密着力を
表わす線図、第10図はBit Error Rateの経時変化を表わ
す線図である。 1……プラスチック製ディスク状基板 1b……プラスチック改質層 2……第1非磁性体層 4……第2非磁性体層

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.鎖状分子間の架橋度をさらに進めたプラスチック改
    質層を被膜形成面とし、該被膜形成面が25〜40゜の純水
    の接触角を有するプラスチックから成る基体上に、非磁
    性体層と光磁気記録層とを順次積層して成ることを特徴
    とする光磁気記録素子。 2.プラスチック製基体の表面に、下記A工程及びB工
    程を施して、鎖状分子間の架橋度をさらに進めたプラス
    チック改質層を被膜形成面と成し、然る後に、その被膜
    形成面における純水の接触角が25〜40゜のもとで、基体
    上に非磁性体層と光磁気記録層を順次積層することを特
    徴とする光磁気記録素子の製法。 A工程・・・被膜形成面に200〜280nmの波長から成る紫
    外線を不活性ガス雰囲気下又は真空中で照射する B工程・・・被膜形成面を不活性ガスのプラズマ雰囲気
    に晒す
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