JP2719811B2 - 多官能性潤滑剤用添加剤を含む潤滑剤組成物 - Google Patents

多官能性潤滑剤用添加剤を含む潤滑剤組成物

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JP2719811B2 JP63310972A JP31097288A JP2719811B2 JP 2719811 B2 JP2719811 B2 JP 2719811B2 JP 63310972 A JP63310972 A JP 63310972A JP 31097288 A JP31097288 A JP 31097288A JP 2719811 B2 JP2719811 B2 JP 2719811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多官能性潤滑剤用添加剤を含む新規潤滑剤組
成物、多官能性潤滑剤用添加剤としてのその用途、新規
化合物及び2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン
(トリチアシアヌル酸)とα−ハロゲン化脂肪族カルボ
ン酸との反応によるその製造方法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
腐食から金属装置を有効に保護することは長年にわた
る問題である。この問題は、鉄金属がスチームタービン
オイルにおける場合のように水が混入し得る潤滑剤と接
触するようになる環境において特に重大である。
別の問題は、金属表面を擦っている間に生ずる摩擦に
起因している。これは摩耗を生じさせ、そして例えば圧
媒ポンプのような装置内で金属部材上に発生する。加え
て、高負荷の下では、潤滑剤の劣化及び金属部材の焼付
きが起り得る。
前記問題に対して提案された解答として、多数の潤滑
剤用添加剤は腐食、摩耗、極圧又は酸化のうちの1つに
対して保護を与えるであろうというのが知られている。
しかしながら、前記現象のうちの1つよりも多くのもの
に対して同時に保護を与える添加剤は一般的なものでは
ない。
アメリカ合衆国特許第2836564号明細書には、α−ハ
ロゲン化脂肪族モノカルボン酸と2,5−ジメルカプト−
1,3,4−チアジアゾールとの新規反応生成物及び防錆剤
としてのその用途が開示されている。
ヨーロッパ特許第223916号明細書には、コハク酸のα
−ハロゲン化半エステル又はアミドとチアゾールジメル
カプチドとの新規反応生成物及び多官能性潤滑剤用添加
剤としてのその用途が開示されている。
本発明は、潤滑油と、多官能添加剤としての少なくと
も1種の次式(I): 〔式中、R1とR2は独立して水素原子又は炭素原子数1な
いし20のアルキル基を表わし、そしてR3は水素原子、炭
素原子数1ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアル
キル基を表わす)で表わされる基を表わす〕で表わされ
る化合物とからなる潤滑剤組成物を提供する。
我々は2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンと
α−ハロゲン化脂肪族カルボン酸との反応により得るこ
とができる特定の新規化合物が、潤滑剤中に混入した場
合に優れた防錆性、耐摩耗性、極圧性及び耐酸化性を同
時に与えることを見出した。
本発明の新規化合物は次式(I): 〔式中、R1とR2は独立して水素原子又は炭素原子数1な
いし20のアルキル基を表わし、そしてR3は水素原子、炭
素原子数1ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアル
キル基を表わす)で表わされる基を表わすが、但し、R3
が−CH2CO2H基を表わす場合には、R1とR2は同時には水
素原子を表わし得ない〕で表わされる。
R1,R2,R3及びR4がアルキル基を表わす場合には、その
アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であってよい。
炭素原子数1ないし20のアルキル基R1,R2R3及びR4
例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、オクチル基、イソオクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、イソドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
ベンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシ
ル基、エイコシル基、イソエイコシル基及びイソアミル
基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,3
−ジメチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル
基、2−エチルヘキシル基、1−メチルヘキシル基、1
−メチルヘプチル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基及
びトリメチルウンデシル基を含む。
好ましい式(I)で表わされる化合物は、式中、R1
R2が炭素原子数8ないし20のアルキル基を表わし、そし
てR3が炭素原子数8ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わ
す)で表わされる基を表わすものである。
式(I)で表わされる化合物の特定の例を下記表に示
す。
R1 R2 R3 H H H H CH3 CH3 H H CH3 CH3 CH3 CH3 R1 R2 R3 C2H5 CH3 H C2H5 C2H5 H C2H5 C2H5 C2H5 C10H21 C10H21 C10H21 C20H41 C20H41 C20H41 H CH3 −CH2CO2H CH3 CH3 −CH2CO2H H H −CH(CH3)CO2H H CH3 −CH(CH3)CO2H H H −CH(C18H37)CO2H 本発明は、トリチオシアヌル酸をアルカリ性条件下
で、以下の基; (式中、R1とR2は独立して水素原子又は炭素原子数1な
いし20のアルキル基を表わし、そしてR4は水素原子又は
炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす)を導入す
ることができるα−ハロゲン化脂肪族カルボン酸3モル
当量と反応させるか:又は以下の基; (式中、R1とR2は上記と同じ意味を表わす)を導入する
ことができるα−ハロゲン化脂肪族カルボン酸2モル当
量及び次式ハロゲン化−R3〔式中、R3は水素原子、炭素
原子数1ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は水素原子又は炭素数1ないし20のアルキル
基を表わす)で表わされる基を表わす〕で表わされるハ
ロゲン化アルキル1モル当量と反応させることからなる
新規化合物の製造方法も提供する。
α−ハロゲン化脂肪族カルボン酸3モル当量又はα−
ハロゲン化脂肪族カルボン酸2モル当量とハロゲン化ア
ルキル1モル当量とのいずれかのアルカリ性条件下での
2,4,6−トリメルカプト−1,3−5−トリアジンの反応は
下記反応式(1)及び(2)によって説明される。
式中、 R=R1又はR2 M=NH4,Li,Na又はK X=Cl又はBrそして HZは無機酸例えばHClを表わす。
反応式(1)は、室温以下で2,4,6−トリメルカプト
−1,3−5−トリアジンをアルコールに溶解したアルカ
リ金属水酸化物6モル当量を用いて処理し、続いてその
反応混合物中にα−ハロゲン化脂肪族カルボン酸3モル
当量を加えることにより行い得る。次いで反応混合物を
室温に温め、次いで数時間還流下で加熱してよい。エチ
ルアルコールは反応溶媒として最も適しているが、しか
し他の溶媒例えばメタノール、イソプロパノール及びブ
タノールを使用してよい。冷却にあたり、反応溶媒は除
いてよく、残部を酸性として、次いで溶媒抽出により生
成物を単離する。
反応式(2)は、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−ト
リアジンを最初にアルカリ4モル当量及びα−ハロゲン
化脂肪族カルボン酸2モル当量を用いて処理してよいこ
と以外は同様に行い得る。還流下で加熱した後、反応混
合物を冷却し、次いで更にアルカリ及びハロゲン化アル
キルのモル当量を用いて処理し、次いで加熱還流してよ
い。生成物は反応式(I)において記載した方法と同様
の方法で単離し得る。
式(I)で表わされる化合物は潤滑剤に対して所望の
性質を付与するのに有効である。それらは腐食防止剤、
耐摩耗及び極圧剤として特に有効であり、そしていくら
かの酸化防止性も有している。前記化合物は、潤滑剤に
対して例えば0.01−5重量%、特に0.02−1重量%の量
で用いると有効である。
潤滑油がタービンオイル又は圧媒油である潤滑剤組成
物が好ましい。
潤滑油は鉱油、合成油又はそれらの油のどのような混
合物であってもよい。鉱油が好ましく、そしてそれらの
例はパラフィン系炭化水素油例えば40℃で46mm2/sの粘
度を有する鉱油;“150ソルベント ニュートラル(150
Solvent Natral)”、40℃で32mm2/sの粘度を有する精
製中性鉱油溶媒;及び“ソルベント ブライトストック
ス(Solvent bright−stocks)",鉱油精製工程からの高
沸点残渣で、且つ40℃で46mm2/sの粘度を有する;を含
む。
用い得る合成潤滑油は合成炭化水素例えばポリブテ
ン、アルキルベンゼン及びポリ−αオレフィン並びに単
一のジー、トリー及びテトラーエステル、複合エステル
及び次式: R5−OOC−アルキレン−COOR6 〔式中、“アルキレン”は炭素原子2個ないし14個を
含むアルキレン残部を表わし、そしてR5とR6は同一又は
異なって、各々炭素原子6個ないし18個を有するアルキ
ル基を表わす〕で表わされるカルボン酸エステルから誘
導されるポリエステルであってよい。潤滑油の基剤油と
して使用されるトリーエステルは、トリメチルロープロ
パンと炭素原子数6ないし18のモノーカルボン酸とから
誘導されるもの又はその混合物であり、一方、適するテ
トラーエステルはペンタエリトリトールと炭素原子数6
ないし18のモノーカルボン酸とから誘導されるもの又は
その混合物である。
本発明の組成物の成分として使用するのに適する複合
エステルは、一塩基酸、二塩基酸及び多価アルコールか
ら誘導されるもの、例えばトリメチロールプロパン、カ
プリル酸及びセバシン酸から誘導される複合エステルで
ある。
適するポリエステルは、炭素原子4個ないし14個を有
する脂肪族ジカルボン酸と少なくとも1種の炭素原子3
個ないし12個を有する脂肪族二価アルコールとから誘導
されるもの、例えばアゼライン酸又はセバシン酸と2,2,
4−トリメチルヘキサン−1,6−ジオールとから誘導され
るものである。
他の潤滑油は当業者に知られているものであり、そし
て例えばシェーヴェーコーベック(Schewe−Kobek)共
著、“潤滑剤ハンドブック(Schmiermittel−Taschenbu
ch)”、〔フュースイッヒ フェルラーク(Huethig Ve
rlag)、ハイデルベルク(Heidelberg)、1974〕、及び
ディー.クラマン(D.Klamann)著、“潤滑物質及び関
連生成物(Schmierstoffe und verwante Produkte)”
〔フェルラーク ヒェミー(Verlag Chemie)、ヴァイ
ンハイム(Weinheim)、1982〕に記載されている。
潤滑油適用媒体は潤滑剤の基本的性質を改良するため
に加え得る他の添加剤例えば金属不動化剤、粘度指数改
良剤、流動点降下剤、分散剤、洗剤、更に加えて防錆
剤、極圧添加剤、耐摩耗添加剤及び酸化防止剤も含むこ
とができる。
フェノール性酸化防止剤の例 1. アルキル化モルフェノール 2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、 2,6−ジ−第三ブチルフェノール、 2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、 2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、 2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、 2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、 2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、 2−(β−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチル
フェノール、 2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、 2,4,6−トリシクロヘキシフェノール、 2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノー
ル、 o−第三ブチルフェノール。
2. アルキル化ヒドロキノン 2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、 2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、 2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、 2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノー
ル。
3. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル 2,2′−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェ
ノール)、 2,2′−チオビス(4−オクチルフェノール)、 4,4′−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェ
ノール)、 4,4′−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェ
ノール)。
4. アルキリデンビスフェノール 2,2′−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチル
フェノール)、 2,2′−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチル
フェノール)、 2,2′−メチレンビス〔4−メチル−6−(α−メチ
ルシクロヘキシル)フェノール〕、 2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキ
シルフェノール)、 2,2′−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェ
ノール)、 2,2′−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノー
ル)、 2,2′−エチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノー
ル)、 2,2′−エチレンビス(6−第三ブチル−4−又は−
5−イソブチルフェノール)、 2,2′−メチレンビス〔6−(α−メチルベンジル)
−4−ノニルフェノール〕、 2,2′−メチレンビス〔6−α,α−ジメチルベンジ
ル)−4−ノニルフェノール〕、 4,4′−メチレンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノー
ル)、 4,4′−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチル
フェノール)、 1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−
メチルフェニル)ブタン、 2,6−ジ(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロ
キシベンジル)−4−メチルフェノール、 1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−
2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブ
タン、 エチレングリコールビス〔3,3−ビス(3′−第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート〕、 ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)ジシクロペンタジエン、 ビス〔2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−
5′−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチル
フェニル〕テレフタレート。
5. ベンジル化合物 1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、 ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)スルフィド、 3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカ
プト酢酸イソオクチルエステル、 ビス(4−ジ第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチルベンジル)ジチオールテレフタレート、 1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、 1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、 3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸ジオクタデシルエステル、 3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸モノエチルエステルカルシウム塩。
6. アシルアミノフェノール 4−ヒドロキシラウリル酸アリニド、 4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、 2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシアリノ)−s−トリアジン、 N−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)カルバミン酸オクチルエステル。
7. β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸の一価又は多価アルコールとのエス
テル、アルコールの例は、 メタノール、ジエチレングリコール、オクタデカノー
ル、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、
トリス−ヒドロキシエチル、イソシアヌレート、チオジ
エチレングリコール、ビス−ヒドロキシエチル−ジュウ
酸ジアミド。
8. β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロピオン酸の一価又は多価アルコールと
のエステル、アルコールの例は、 メタノール、ジエチレングリコール、オクタデカノー
ル、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、
トリス−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、チオジ
エチレングリコール、ビス−ヒドロキシエチル−シュウ
酸ジアミド。
9. β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸のアミド 例: N,N′−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、 N,N′−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、 N,N′−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニルプロピオニル)ヒドラジン。
アミン酸化防止剤の例 N,N′−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、 N,N′−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、 N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニ
レンジアミン、 N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−
p−フェニレンジアミン、 N,N′−ビス(1−メチルブチル)−p−フェニレン
ジアミン、 N,N′−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミ
ン、 N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、 N,N′−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミ
ン、 N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレン
ジアミン、 N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p
−フェニレンジアミン、 N−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−
フェニレンジアミン、 N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレ
ンジアミン、 4−(p−トルエンスルホンアミド)ジフェニルアミ
ン、 N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−第二ブチル−p−フェ
ニレンジアミン、 ジフェニルアミン、 N−アリルジフェニルアミン、 4−イソプロポキシジフェニルアミン、 N−フェニル−1−ナフチルアミン、 N−フェニル−2−ナフチルアミン、 オクチル化ジフェニルアミン例えばp,p′−ジ−第三
オクチルジフェニルアミン、 4−n−ブチルアミノフェノール、 4−ブチリルアミノフェノール、 4−ノナイノイルアミノフェノール、 4−ドデカノイルアミノフェノール、 4−オクタデカノイルアミノフェノール、 ジ(4−メトキシフェニル)アミン、 2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフ
ェノール、 2,4′−ジアミノジフェニルメタン、 4,4−ジアミノジフェニルメタン、 N,N,N′,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン、 1,2−ジ(フェニルアミノ)エタン、 1,2−ジ〔(2−メチルフェニル)アミノ〕エタン、 1,3−ジ(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリ
ル)ビグアニド、 ジ〔4−(1′,3′−ジメチルブチル)フェニル〕ア
ミン、 第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、 モノアルキル化及びジアルキル化第三ブチル−/第三
オクチル−ジフェニルアミンの混合物、 2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチ
アジン、 フェノチアジン、 n−アリルフェノチアジン。
他の酸化防止剤の例 脂肪族又は芳香族ホスフィット、チオジプロピオン酸
のエステル又はチオジ酢酸のエステル、又はジチオカル
バミン酸塩又はジチオリン酸塩。
金属不動化剤の例、例えば銅については トリアゾール、ベンゾトリアゾール及びそれらの誘導
体、トルトリアゾール及びそれらの誘導体、2−メルカ
プトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾ
ール、2,5−ジメルカプトチアジアゾール、2,5−ジメル
カプトベンゾトリアゾール、5,5′−メチレン−ビス−
ベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾト
リアゾール、サリチリデン−プロピレンジアミン及びサ
リチルアミノグアニジン及びその塩、1,2,4−トリアゾ
ール及びヨーロッパ特許願第160620号明細書に開示され
ているような、1,2,4−トリアゾールをホルムアルデヒ
ド及びアミンHNR7R5と反応させることにより得る次式: 〔式中、R7とR8は独立して例えばアルキル基、アルケニ
ル基、又はヒドロキシエチル基を表わす〕で表わされる
N,N−二置換アミノメチルトリアゾール;及びベンゾト
リアゾール又はトルトリアゾール、ホルムアルデヒド及
びアミンHNR7R8から誘導されるマンニッヒ反応生成物。
防錆剤の例は a) 有機酸、それらのエステル、金属塩及び無水物、
例えば:N−オレオイルサルコシン、モノオレイン酸ソル
ビタン、ナフテン酸鉛、アルケニルコハク酸及びその無
水物例えばドデセニルコハク酸無水物、コハク酸部分エ
ステル及びアミド、4−ノナノイル−フェノキシ−酢
酸。
b) 窒素含有化合物、例えば: I. 第一級、第二級又は第三級脂肪族又は脂環式アミン
及び有機及び無機酸のアミン塩、例えば油溶性カルボン
酸アルキルアンモニウム。
II. 複素環化合物、例えば: 置換イミダゾリン及びオキサゾリン。
c) リン含有化合物、例えば: リン酸又はリン酸部分エステルのアミン塩、ジアルキ
ルジチオリン酸亜鉛。
d) 硫黄含有化合物、例えば: ジノニルナフタレン−n−スルホン酸バリウム、石油
スルホン酸カルシウム。
e) 日本国特公昭48−15783号公報に記載されたγ−
アルコキシプロピルアミン誘導体。
f) 式Y−NH3−R9CO2 -〔式中、Yは基R10X1CH2CH(O
H)CH2{式中、R9とR10は独立して例えばアルキル基を
表わし、そしてX1はO,CO2,NH,N(アルキル),N(アルケ
ニル)又はSを表わす}を表わす〕で表わされ、西ドイ
ツ国特許公開第3437876号公報に開示されているよう
に、アミンY−NH2を酸R9CH2Hとともに混合することに
より製造される塩。
g) 次式: Ra−X2−CH2−CH(OH)−CH2NHbRc 〔式中、X3は−O−基、−S−基、−SO2−基、−C
(O)−O−基又は−N(Rd)−基(式中、Rdは水素原
子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす)を
表わし、Rdは非置換の炭素原子数1ないし4のアルキル
基又は1個ないし3個の水酸基により置換された炭素原
子数2ないし5のアルキル基を表わし、Rcは水素原子、
非置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基又は1個な
いし3個の水酸基により置換された炭素原子数2ないし
5のアルキル基を表わし、且つRbとRcの少なくとも1つ
が水素基置換されており、そしてRaは炭素原子数2ない
し20のアルキル−CH2−CH(OH)−CH2NRbRc基を表わす
か又はRaは炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素
原子数2または3のアルキニル基又は炭素原子数5ない
し12のシクロアルキル基を表わし、且つX2が−O−基又
は−C(O)−O−基を表わす場合は、Raは分岐鎖状の
炭素原子数4ないし20のアルキル基を表わす〕で表わさ
れる化合物。前記化合物化合物はイギリス国特許願第21
72284A号明細書に記載されている。
h) 次式: 〔式中、Re,Rf,Rgは独立して水素原子、炭素原子数1
ないし15のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロ
アルキル基、炭素原子数6ないし15のアリール基又は炭
素原子数7ないし12のアルアルキル基を表わし、そして
RhとRiは独立して水素原子、2−ヒドロキシエチル基又
は2−ヒドロキシプロピル基を表わし、且つRhとRlは同
時には水素原子を表わさず、そしてRhとRiが各々−CH2C
H2OH基を表わす場合には、ReとRfは同時には水素原子を
表わさず、そしてRgはペンチル基ではない〕で表わされ
る化合物。前記化合物は、ヨーロッパ特許願第0252007
号明細書に記載されている。
粘度指数改良剤の例は: ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ビニルピロ
リドン/メタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリ
ドン、ポリブテン、オレフィンコポリマー、スチレン/
アクリレートコポリマー、ポリエーテル。
流動点降下剤の例は: ポリメタクリレート、アルキル化ナフタレン誘導体。
分散剤/界面活性剤の例は: ポリブテニルコハク酸−アミド又は−イミド、ポリブ
テニルリン酸誘導体、塩基性スルホン酸−マグネシウ
ム、−カルシウム及び−バリウム並びにマグネシウム
−、カルシウム−及びバリウム−フェネート。
耐摩耗添加剤及び極圧添加剤の例は: 硫黄原子及び/又はリン原子及び/又はハロゲン原子
を含む化合物、例えば:硫化植物油、ジアルキルジチオ
リン酸亜鉛、リン酸トリトリル、塩素化パラフィン、ア
ルキル−及びアリールジ−及びトリ−スルフィド、トリ
フェニルホスホロチオネート、ジエタノールアミノメチ
ルトルトリアゾール、ジ(2−エチルヘキシル)−アミ
ノメチルトルトリアゾール。
本発明は上記のような少なくとも1種の式(I)で表
わされる化合物を前記潤滑剤中に混入することにより、
潤滑油の防錆性、耐摩耗性、極圧及び酸化防止性を改良
する方法も含む。
更に、本発明は上記のような少なくとも1種の式
(I)で表わされる化合物の潤滑油の防錆性、耐摩耗
性、極圧及び酸化防止性を改良するための潤滑油中での
使用を含む。
〔実施例及び発明の効果〕
下記実施例により本発明を更に詳細に説明する。
これらの実施例において、総ての部及び百分率は特記
しない限り重量によって示す。
実施例1:2,2′,2″−〔1,3,5−トリアジン−2,4,6−ト
リイルトリス−(チオ)〕トリスドデカン酸の製造 エタノール(350ml)中のKOH(128g;0.228モル)の撹
拌溶液を10℃に冷却し、次いでトリチオシアヌル酸(6.
8g;0.038モル)を用いて処理する。30分間撹拌後、この
反応混合物を2−プロモドデカン酸(31.8g;0.114モ
ル)を少量づつ用いて10−15分かけて処理する。得られ
た濃い白色懸濁液を10℃で更に30分撹拌し、次いで室温
で温める。室温に達したら、反応混合物を加熱還流し、
そして6時間その温度を維持する。
反応混合物を室温まで冷却し、次いで減圧下で溶媒を
除く。白色ワックス状残渣を水(150ml)に懸濁させ、
次いで濃HClを用いてpH1まで酸性にする。酸性にした水
性懸濁液を次いでエーテル(200ml)を用いて抽出し、
そしてエーテルを水(2×80ml)を用いて洗浄する。抽
出液をMgSO4上で乾燥させ、過し、次いで蒸発させて
黄色ワックス状固体生成物25.9g(88%)を得る。
実施例2:2,2′,2″−〔1,3,5−トリアジン−2,4,6−ト
リイルトリス−(チオ)〕トリスオクタデカン酸の製造 2−ブロモドデカン酸を2−ブロモオクタデカン酸で
置換すること以外は実施例1の方法を繰り返す。生成物
は黄色固体で融点37℃であり、収率68%で得られる。
実施例3:2,2′−〔2−ドデシルチオ−1,3,5−トリアジ
ン−4,6−ジイルビス−(チオ)〕ビスドデカン酸の製
造 エタノール(100ml)中のKOH(5.6g;0.1モル)の撹拌
溶液を5−10℃に冷却し、次いでトリチオシアヌル酸
(4.42g;0.025モル)を用いて処理する。30分間撹拌
後、この反応混合物を2−ブロモドデカン酸(13.9g;0.
05モル)を少量づつ用いて10−15分かけて処理する。得
られた白色懸濁物を10℃で更に30分撹拌し、次いで室温
まで温める。室温に達したら、反応混合物を加熱還流
し、そして3時間その温度を維持する。反応混合物を5
℃まで冷却し、次いでエタノール(50ml)中のKOH(1.4
g;0.025モル)の溶液を用いて、続いてドデシルブロミ
ド(6.2g;0.025モル)により処理する。この反応混合物
を室温まで温め、次いで加熱還流し、そして2時間その
温度を維持する。反応混合物を室温まで冷却し、次いで
減圧下で溶媒を除く。残渣を水(100ml)に懸濁させ、
次いで濃HClを用いてpH3まで酸性にする。酸性にした水
性懸濁液を次いでエーテル(200ml)を用いて抽出し、
そしてエーテルを水(3×50ml)を用いて洗浄する。抽
出液をMgSO4上で乾燥させ、過し、次いで蒸発させて
黄色粘稠油状物14.7g(79%)を得る。
実施例4ないし9 本発明の化合物の防錆性、耐摩耗性、極圧性及び酸化
防止性を下記方法により決定した。
防錆−ASTM D−665(IP135)試験 本方法は、円筒状鋼試験片を完全に浸漬させた状態
で、60℃(140゜F)の温度で試験する油300mlと合成海
水30mlとの混合物を撹拌することからなる。本試験を通
常24時間行う。
本試験方法は、水が油と混合してくる場合に鉄部分の
発錆を防ぐのを助けるためにストリームタービンオイル
及び水より重い液体の能力(ストリームタービンギヤに
対してそれらが使用される場合も含む)を示すことを目
的としている。
測定するものは鋼試験片の腐食の程度である。
極圧及び耐摩耗性ASTM D2783−81(IP239/79)試験 シェル(Shell)4球装置を使用する方法を、耐摩耗
保護に対する適性のための試験に用いる。下記のことを
決定する。
a) 10秒以内に4球が一体に焼付く負荷(kg)として
の焼付き負荷WL、及びb) 1時間40kgの負荷をかけた
時の平均耐摩耗傷直径WSD(mm)。
酸化防止性〔ASTM D2272(IP229)試験〕 油酸化試験〔回転式耐圧容器酸化試験(Rotary Bomb
Oxidation Test)〕を下記方法で行う。50mlの油試料
を、ガラス容器中で、蒸留水5ml及び石油エーテルを用
いて洗浄した摩いた触媒活性のあるCu螺線と一緒に酸素
雰囲気下で酸化する。
ガラス容器はマノメータを備えたステンレススチール
製耐圧容器中にある。耐圧容器は150℃の油浴中で水平
線に対して30゜の角度で100rpmで軸の回りを回転する。
酸素圧力は最初約620kPA(90psi)であり、加熱前に150
℃で正確に1400kPAまで増加し、次いで酸化が始まるま
で一定に保つ。本試験は、175Kpa(25.4psi)の圧力降
下が生じたとき終了した。時間は分で記録する。長時間
は安定剤効果における高い程度に相当するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:12 40:12 40:30 (56)参考文献 特開 平1−153681(JP,A) 特開 昭58−74656(JP,A) 特開 昭57−29583(JP,A) 特開 昭53−87380(JP,A) 特開 昭49−30327(JP,A) 特開 昭48−40792(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑油と、多官能性添加剤としての少なく
    とも1種の次式(I): 〔式中、R1とR2は独立して水素原子又は炭素原子数1な
    いし20のアルキル基を表わし、そしてR3は水素原子、炭
    素原子数1ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアル
    キル基を表わす)で表わされる基を表わす〕で表わされ
    る化合物とからなる潤滑剤組成物。
  2. 【請求項2】式(I)で表わされる化合物が、式中、R1
    とR2が炭素原子数8ないし20のアルキル基を表わし、そ
    してR3が炭素原子数8ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わ
    す)で表わされる基を表わす化合物である請求項1記載
    の潤滑剤組成物。
  3. 【請求項3】式(I)で表わされる化合物の量が、潤滑
    剤組成物の重量に対して0.01−5重量%の範囲で存在す
    る請求項1記載の潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】潤滑油がタービンオイル又は圧媒油である
    請求項1記載の潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】多官能性添加剤として、2,2′,2″−〔1,
    3,5−トリアジン−2,4−6−トリイルトリス−(チ
    オ)〕トリスドデカン酸、2,2′,2″−〔1,3,5−トリア
    ジン−2,4,6−トリイルトリス−(チオ)〕トリスオク
    タデカン酸又は2,2′−〔2−ドデシルチオ−1,3,5−ト
    リアジン−4,6−ジイルビス−(チオ)〕ビスドデカン
    酸のうちの少なくとも1種の化合物かなる請求項1記載
    の潤滑剤組成物。
  6. 【請求項6】次式(I): 〔式中、R1とR2は独立して水素原子又は炭素原子数1な
    いし20のアルキル基を表わし、そしてR3は水素原子、炭
    素原子数1ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアル
    キル基を表わす)で表わされる基を表わすが、但し、R3
    が−CH2CO2Hを表わす場合には、R1とR2は同時に水素原
    子を表わし得ない〕で表わされる化合物。
  7. 【請求項7】2,2′,2″−〔1,3,5−トリアジン−2,4,6
    −トリイルトリス−(チオ)〕トリスドデカン酸、2,
    2′,2″−〔1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリ
    ス−(チオ)〕トリスオクタデカン酸又は2,2′−〔2
    −ドデシルチオ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジイルビス
    −(チオ)〕ビスドデカン酸である請求項6記載の式
    (1)で表わされる化合物。
  8. 【請求項8】トリチオシアヌル酸をアルカリ性条件下
    で、以下の基; (式中、R1とR2は独立して水素原子又は炭素原子数1な
    いし20のアルキル基を表わし、そしてR4は水素原子又は
    炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす)を導入す
    ることができるα−ハロゲン化脂肪族カルボン酸3モル
    当量と反応させるか:又は以下の基; (式中、R1とR2は上記と同じ意味を表わす)を導入する
    ことができるα−ハロゲン化脂肪族カルボン酸2モル当
    量及び次式ハロゲン化−R3〔式中、R3は水素原子、炭素
    原子数1ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアル
    キル基を表わす)で表わされる基を表わす〕で表わされ
    るハロゲン化アルキル1モル当量と反応させることから
    なる請求項6記載の式(1)で表わされる化合物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】少なくとも1種の次式(I): 〔式中、R1とR2は独立して水素原子又は炭素原子数1な
    いし20のアルキル基を表わし、そしてR3は水素原子、炭
    素原子数1ないし20のアルキル基又は次式 (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアル
    キル基を表わす)で表わされる基を表わす〕で表わされ
    る化合物を潤滑油中に混合することからなる、潤滑油の
    防錆性、耐摩耗性、極圧性及び酸化防止性を改良する方
    法。
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