JP2719396B2 - 保冷材及び保冷方法 - Google Patents

保冷材及び保冷方法

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JP2719396B2
JP2719396B2 JP9391589A JP9391589A JP2719396B2 JP 2719396 B2 JP2719396 B2 JP 2719396B2 JP 9391589 A JP9391589 A JP 9391589A JP 9391589 A JP9391589 A JP 9391589A JP 2719396 B2 JP2719396 B2 JP 2719396B2
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直之 白根
由幸 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は主として生花、野菜、鮮魚等の生鮮品を貯蔵
又は輸送するときに使用する保冷材に関し、詳細には軽
量小型で保形性に優れ、且つ生鮮品の品質劣化を引き起
こさず、しかも溶解水による水腐れ等の不都合を生じる
ことのない保冷材に関するものである。
[従来の技術] 生鮮品を冷却して保存又は輸送することは日常的に行
なわれているが、この場合冷凍機や冷蔵装置を使用して
冷蔵庫又は冷凍庫内に生鮮品を収納するのが一般的な手
法である。しかし上記冷蔵又は冷凍機器等を使用する場
合には、持ち運びの不便さや設備費用が高くなるといっ
た難点があり、何時でもどこでも手軽に利用できるとい
うものではなかった。そこで第4図に示す様な簡易容器
(通称トロ箱)1内に鮮魚3を収納すると共に、その囲
りに氷4を配置するという方式が広く行なわれている。
[発明が解決しようとする課題] ところで上記氷4は徐々に溶けて溶解水となり、容器
1の底部に溜まって、鮮魚3を水中に浸してしまう。し
かるに生鮮品が溶解水に浸されていると、生鮮品の香気
成分や栄養成分が水中に溶け出して鮮度の低下や品質の
劣化を引き起こすだけでなく、ひどい場合には生鮮品の
水腐れを引き起こす恐れがあった。また容器1の形成材
料は溶解水の垂れ落ちを防止するという観点から耐水性
の高い合成樹脂材料や木製品を使用しており、通い函と
して利用しなければコスト的に引き合わない為取扱の上
の繁雑さを余儀なくされている。
なお上記とは逆に溶解水に生鮮品が浸されるのを防止
するために、容器1の底面或は側壁に積極的に水抜き孔
2を配設したものを使用することもあるが、容器1を積
上げている場合は上側の容器1から排出された溶解水が
下方に配置された容器内へ流れて下方容器1内で氷4の
溶解を早めるという問題があり、勿論倉庫やトラック荷
台の床面を濡らして汚してしまうという問題は未解決の
ままである。
また氷4が溶けて体積が小さくなってくると、容器1
内の空間が増えて輸送にともなう振動によって生鮮品を
損傷することもあり、形状や大きさが変わらない様な保
冷材の開発が望まれていた。
そこで本発明者らは、手軽に使用できるものでありな
がら優れた保冷効果を発揮し、しかも生鮮品におけるド
リップ液を吸液する等して品質劣化を防止することので
きる保冷材を提供する目的で研究を積み重ね、本発明を
完成した。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る保冷材は、少なくとも片面が透水性材料
で構成された袋の中に吸水性樹脂を固定した吸水性シー
ト部材を封入し、上記吸水性樹脂の吸水余力を残した量
の水を上記吸水性シート部材に吸収させてこれを冷凍し
てなることを要旨とする。
更に本発明は、シート状物間に吸水性樹脂を配して固
定した吸水性シート部材を、少なくとも片面が透水性材
料で構成された袋の中に封入し、上記吸水性シート部材
に水を吸収させてこれを冷凍してなることを要旨とす
る。
また本発明に係る保冷方法は、少なくとも片面が透水
性材料で構成された袋の中に吸水性樹脂を固定した吸水
性シート部材を封入し、上記吸水性シート部材に水を吸
収させてこれを冷凍してなる保冷材を用いて保冷する方
法であり、該保冷材と被保冷物を穴明き棚により隔絶さ
せることを要旨とする。
[作用及び実施例] 第1図は本発明の代表的な実施例を示す一部破断説明
図、第2図は第1図のII−II線断面説明図である。保冷
材10は、袋11と該袋11内に封入された吸水性シート材12
によって構成される。該袋11は表シート11a及び裏シー
ト11bにより構成され、少なくともいずれか一方のシー
トは透水性材料で形成され、該透水性材料としては例え
ば細孔11cを形成した合成樹脂製フィルムや不織布等を
用いる。また第2図に示す如く前記袋11の縁部10aは吸
水性シート材12を内部に収納した状態で接着剤又は加熱
押圧処理によって表シート11aと裏シート11bを貼着又は
融着させる。前記吸水性シート材12に吸水性樹脂を均一
に固定する手段については特段の制限がなく、例えば特
開昭62−243612号に示された方法により不織布に吸水性
樹脂を架橋重合によって付着する方法や、2枚の紙又は
不織布の間に粉状、粒状或はフレーク状の吸水性樹脂を
挟む様に固定する方法、或は綿又はパルプをシート状に
成形し、その間に吸水性樹脂を配する方法等が採用され
る。前記吸水性樹脂は吸水性シート材12の単位面積当た
り10〜300g/m2の範囲で均一に分散させることが望まし
く、そうすることによって速やかな吸水と、凹凸のない
平坦な形状を保持できる。なお上記吸水性樹脂の例とし
てはアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルカリ金属塩
から得られる自己架橋型アクリル酸アルカリ金属塩重合
体を挙げることができるが、本発明ではこれに限定され
ず、その他公知の吸水性樹脂を使用しても良い。
上記袋11を水中に浸漬するか或は水を浴びせる等し
て、透水性材料を通して袋11内に水を導入すると、その
水が吸水性樹脂に吸収されるので、その状態で冷凍庫内
に入れて前記樹脂に吸収された状態の水を凍結させ、保
冷材10として完成する。
上記吸水性樹脂への水の吸収は、該吸水性樹脂が有す
る吸水能力の99%以下とすることが好ましく、これによ
って吸水性樹脂に吸水余力を残しておき、生鮮品又は冷
却材より滴下する水又は液を吸収できる様にしておく。
尚吸水の下限値は冷却性能及び吸水余力を勘案して上記
吸水能力の30%以上とすることが推奨され、より好まし
くは50%以上とするのが望ましい。
第3図(a)は上記保冷材10の使用例を示す断面説明
図であり、容器1の底部に保例材10を配置し、その上に
被冷却物である鮮魚3を置いて、さらにその上に別の保
冷材10を配した例である。尚保冷材10の配置は上下いず
れか一方であっても良い。この保冷材10を使用したと
き、吸水性樹脂に吸水された状態で凍結されていた氷は
冷却効果を発揮しつつやがて解けるが、その溶解水は該
吸水性樹脂の外へ漏れ出ることがないので、溶解水によ
る不都合は一切引き起こさない。従ってダンボール容器
に代表される紙製の容器1に適用しても底部や側部が水
濡れによって破けてしまうといった不都合は引き起こさ
ず、しかもこの溶けた冷水は保冷材から離水されないの
で、生鮮品の水腐れを生じることはない。また容器1内
の空間容積や、溶解後の保冷材の形状変化がほとんどな
いので、容器1内の状態は収納時と変わることはなく、
輸送途中の振動によって鮮魚等を傷つけるといったこと
も全くない。
第3図(b)は生花5を収納するための他の紙製容器
1aを示す断面説明図であり、底部に上記保冷材10を配設
すると共に、その上方に穴明き棚1bを設け、その上に生
花5を収納する。尚該穴明き棚1bは保冷材10と生花5の
直接々触を防止するものであり、生花や果実等の様に氷
や冷水に直接触れただけで変質するものを保護するため
に設けられる。前記保冷材10において凍結された氷は時
間の経過によって徐々に解けて水となるが、この水は吸
水性樹脂に吸収されたままであり、液体として容器内へ
漏れ出ることはないが、破線で示す如く蒸発して気体状
態で吸水樹脂から離れることはある。この結果、容器内
で保湿効果を発揮すると共に蒸発熱によって保冷効果を
示し、生花5の鮮度低下を極力抑制できる。
また上記保冷材10は使用直前に吸水させた後冷凍して
使用すれば良く、吸水前の保冷材10の保管又は運搬に際
してはかさばらずにしかも軽量であって、非常に取扱い
易い。さらに吸水した状態、凍結した状態及び凍結の溶
解した状態において該保冷材10は平坦で凹凸のない形状
をそのまま維持し続けるので、どの様な形状の容器であ
っても収納スペースを確保するのが容易であり、例えば
容器面に密接して配設できる等優れた使用性を発揮す
る。
上記保冷材10の形状は上記図例のものに限られず、容
器の形状に合わせて丸形や多角形に変更したものや、或
は袋11全体を不透水性材料によって形成し袋11の一部を
開閉自在構造としたものであっても良い。
[発明の効果] 本発明の保冷材は以上の様に構成されているので、生
鮮品の冷却効果に優れているばかりでなく、鮮度低下を
防止する保湿効果をも合わせて発揮できる様になった。
さらに保形性に優れ且つ溶解水を保冷材の外へ漏出する
こともないので、どの様な生鮮品を冷却目的とする場合
であっても、或はどの様な材質の容器においても適用す
ることができる様になった。
また水の吸収量を99%以下とすることによって、生鮮
品又は他の冷却材より滴下する水又は液を吸収してしま
うことができ、生鮮品の鮮度低下をさらに防止できる様
になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の代表的な実施例を示す一部破断説明
図、第2図は第1図のII−II線断面矢視図、第3図
(a),(b)は本発明保冷材の使用例を示す断面説明
図、第4図は従来の保冷容器を示す断面説明図である。 1……容器、2……水抜き孔 3……鮮魚、4……氷 5……生花、10……保冷材 11……袋、12……吸水性シート部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 81/26 B65D 81/26 H

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面が透水性材料で構成された
    袋の中に吸水性樹脂を固定した吸水性シート部材を封入
    し、 上記吸水性樹脂の吸水余力を残した量の水を上記吸水性
    シート部材に吸収させてこれを冷凍してなることを特徴
    とする保冷材。
  2. 【請求項2】シート状物間に吸水性樹脂を配して固定し
    た吸水性シート部材を、少なくとも片面が透水性材料で
    構成された袋の中に封入し、上記吸水性シート部材に水
    を吸水させてこれを冷凍してなることを特徴とする保冷
    材。
  3. 【請求項3】少なくとも片面が透水性材料で構成された
    袋の中に吸水性樹脂を固定した給水性シート部材を封入
    し、上記吸水性シート部材に水を吸収させてこれを冷凍
    してなる保冷材を用いて保冷する方法であり、 該保冷材と被保冷物を穴明き棚により隔絶させることを
    特徴とする保冷方法。
JP9391589A 1989-04-12 1989-04-12 保冷材及び保冷方法 Expired - Lifetime JP2719396B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04127242U (ja) * 1991-05-01 1992-11-19 日康ケミカル株式会社 保冷部材
ES2121518B1 (es) * 1995-06-19 1999-07-01 Garcia Jose Luis Falaguera Mejoras introducidas en la fabricacion de bolsas isotermicas para alimentos.

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01201387A (ja) * 1988-02-05 1989-08-14 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 複合体型保冷用シート

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JPH02273166A (ja) 1990-11-07

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