JP2719158B2 - シュガーケンワックスの精製法 - Google Patents

シュガーケンワックスの精製法

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JP2719158B2 JP63267194A JP26719488A JP2719158B2 JP 2719158 B2 JP2719158 B2 JP 2719158B2 JP 63267194 A JP63267194 A JP 63267194A JP 26719488 A JP26719488 A JP 26719488A JP 2719158 B2 JP2719158 B2 JP 2719158B2
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直一 古賀
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株式会社セラリカ野田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は天然ワックスの精製法に係り、殊に資源的に
豊富なサトウキビ由来のワックスであるシュガーケンワ
ックスの精製法に係る。
(従来の技術) ワックス類は、主として助剤として使用されるため
に、最終製品を損なわしめるものであってはならず、従
って基本的には、白色(無色)であって且つ無臭である
ことが望ましい。例えば、色が要件となる口紅やインキ
類に使用するワックスが着色していると製品の色調に所
謂「クスミ」が生じてしまうために、その使用量が著し
く制限されたり、使用不可能となる場合があり、又天然
ワックスは固有の臭気を有しているために化粧品、食品
等の分野では製品のイメージダウンになるものとして使
用されない場合が多いのである。
即ち、天然ワックスは使用安全性に優れており、又物
性面において融点が高く、強度や硬度が優れているにも
拘らず、有色且つ有臭であるために利用分野や使用量に
制限を受け、その代替物としてのパラフィン系炭化水素
の方が大量に使用されているのが実情である。しかしな
がら、パラフィン系炭化水素は石油製品であり、従って
安全性やイメージにおいて好ましいものとは云えず、又
物性面でも物足らない点があるために、各種の業界から
白色且つ無臭の天然ワックスが要望されている。
天然ワックスとしてはカルナウバワックス、蜜蝋、キ
ャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワック
ス、シュガーケンワックス、イボタ蝋、ホホバ油、木
蝋、ウルシ蝋、ラノリン、鯨蝋等があるが、サトウキビ
由来のワックスであるシュガーケンワックスは資源的に
も、生産安定性の面でも優れているので、本発明はこの
シュガーケンワックスを精製対象とするものである。
粗シュガーケンワックスは、収穫されたサトウビを圧
搾して糖液分を搾出したサトウキビ残渣(通例、家畜の
餌として使用されており、ワックス原料としては殆ど利
用されていない)を原料とし、下記のようにして製造す
ることができる[Albin H.Warth著“The Chemistry and
Technology of Waxes」2nd Edition,Reinhold Publish
ing Cororation,U.S.A.発行]。
即ち、サトウキビ残渣を充分に乾燥させた後に、細砕
し、沸点が95−105℃の石油ナフサを上記の細砕物に対
して約10倍容添加し、煮沸し、濾過して固形分(サトウ
キビ残渣)と液分(ナフサ抽出物)とに分離し、続いで
ナフサ抽出物からナフサを蒸留回収することにより固状
の残留物を得る。この残留物はワックス分の他にオイル
分、樹脂分、ピッチ等のタール分を含有しているので、
これらを分離する。このためには、先ず上記の固状残留
物をエタノール、イソプロパノール、アセトン、ブチル
アルコール等の有機溶剤に添加し、加熱して溶解させた
後に、約75℃の温度条件下において濾過することにより
黒色のタール分を濾別する。濾液を冷却するとワックス
分が析出してくるので、常温迄冷却させた後に濾過して
ワックス分を濾取する。得られたワックス分から有機溶
剤を蒸留回収すれば粗シュガーケンワックスが得られる
のである。尚、大部分の有機溶剤は濾液を蒸留すること
により回収される。
即ち、シュガーケンワックスは、通常の抽出法である
熱水抽出法を用いた場合に抽出効率が低く、従って、上
述のように溶剤抽出法が採用されており、これによって
ワックス分の収量については向上するが、同時に不純物
の混入量も増加するために精製の困難なワックスとされ
ている。上記の粗シュガーケンワックスは茶色(JIS Z
8102による色相:5YR 3/5、暗い黄赤)を呈しており、臭
気も甚だ強い。
従来技術方法によれば、粗シュガーケンワックスの精
製は酸化クロム、過酸化水素等の過酸化物を用いたり、
酸やアルカリを用いたり、塩素系漂白剤(例えば次亜塩
素酸ナトリウム)を用いたり、空気酸化やオゾン酸化を
行う、所謂「漂白」により実施されてきた。
(発明が解決しようとする課題及び発明の目的) 従来技術の漂白処理により得られる精製シュガーケン
ワックスは何れも黄色を呈しており、[因に酸化クロム
処理した従来の精製シュガーケンワックスはJIS Z 8102
による色相が3Y 7/6(辛子色)]、又従来技術による精
製シュガーケンワックスは何れも熱安定性が低く、100
℃、30分間の熱処理で色戻り現象が生じて黄色から粗シ
ュガーケンワックスの色調である茶色に変色してしまう
ために利用分野が限定される点に課題があり、又特有の
臭気を除去できないために、利用分野が更に限定され、
殊に食品や化粧品の分野において使用不可能とされてき
た。
従って、本発明の目的は、資源的に豊富であり且つ生
産安定性に優れたシュガーケンワックスを精製して白色
且つ無臭なものになすと共に、色戻り現象が生じないよ
うになすことによってシュガーケンワックスの利用分野
を著しく拡張することにある。
(課題を解決し、目的を達成する手段及び作用) 本発明によれば、上記の課題はn−ヘキサン、シクロ
ヘキサン及びn−ヘプタンから選択された有機溶剤に粗
シュガーケンワックスを溶解させ、次いで活性炭、シリ
カゲル及び活性白土から選択された吸着剤により処理す
ることを特徴とする、シュガーケンワックスの精製法に
より解決されると共に、上記の目的が達成される。
粗シュガーケンワックスを有機溶剤に溶解させる実際
の操作は、シュガーケンワックスに上記の有機溶剤を添
加し、例えば水浴上で加熱することにより行われる。
本発明方法において有機溶剤としてn−ヘキサン、シ
クロヘキサン又はn−ヘプタンを用い且つ吸着剤として
活性炭、シリカゲル又は活性白土を採択するのは、上記
の炭化水素類が低極性溶剤であり、該溶剤と上記の吸着
剤との組み合わせが粗シュガーケンワックスの脱色及び
脱臭に有効だからであり、殊にシリカゲルとn−ヘキサ
ンとを組合わせた場合及び酸性白土とn−ヘプタンとを
組合せた場合に極めて良好な結果が得られる。
(実施例等) 次に、試験例及び実施例により本発明を更に詳細に説
明する。
試験例1(有機溶剤と吸着剤とが脱色効果にぼす影響) 粗シュガーケンワックス100gに対して2リットルの各
種有機溶剤を添加し、水浴上で約1時間加熱した。
シュガーケンワックスが充分に溶解したことを確認し
た後に、各種の吸着剤を徐々に100g添加し、次いで再び
水浴上で且つ撹拌しながら加熱した後に、50℃迄冷却
し、濾過することにより吸着剤を濾別した。
その後に、減圧蒸留により有機溶剤を除去回収して精
製シュガーケンワックスを得た。
このようにして得た各精製ワックス試料につき、目視
観察により、脱色効果に及ぼす有機溶剤と吸着剤との関
係を調べた結果は、下記の表1に示される通りであっ
た。
実施例1 粗シュガーケンワックス100gに対して2リットルのn
−ヘキサンを添加し、水浴上で約1時間加熱した。
シュガーケンワックスが充分に溶解したことを確認し
た後に、シリカゲル100gを徐々に添加し、次いで再び水
浴上で且つ撹拌しながら30分間加熱した後に、50℃迄冷
却し、濾過することによりシリカゲルを濾別した。
得られたワックス溶液はn−ヘキサンを含有している
ので、減圧蒸留によりこの溶剤を除去回収して精製シュ
ガーケンワックス(85g)を得た。
この精製シュガーケンワックスの臭気は無臭に近いも
のであった。
実施例2 粗シュガーケンワックス100gに対して2リットルのn
−ヘプタンを添加し、水浴上で約1時間加熱した。
シュガーケンワックスが充分に溶解したことを確認し
た後に、酸性白土100gを徐々に添加し、次いで再び水浴
上で且つ撹拌しながら30分間加熱した後に、50℃迄冷却
し、濾過することにより酸性白土を濾別した。
得られたワックス溶液はn−ヘプタンを含有している
ので、減圧蒸留によりこの溶剤を除去回収して精製シュ
ガーケンワックス(85g)を得た。
この精製シュガーケンワックスの臭気は無臭に近いも
のであった。
試験例2(シュガーケンワックスの物性) 原料である粗シュガーケンワックス、従来法により精
製したシュガーケンワックス及び上記の実施例1及び2
に記載の方法により精製された各シュガーケンワックス
を試料として、物性を調べた結果は下記の表2に示され
る通りであった。
尚、従来技術による精製シュガーケンワックス(対照
2)及び本発明方法による精製シュガーケンワックス
(実施例1及び2)を被験試料とし、各試料を加熱して
融解させ、100℃において30分間保持した処、対照2の
試料は変色して未処理の粗シュガーケンワックス(対照
1)の色相と同様な色相になったが、実施例1及び2に
よる試料に関しては変色が生じず、冷後においても変色
は認められなかった。
(発明の効果) 天然ワックスは人体に対する安全性が高く且つ物性面
において優れているにも拘らず、有色且つ有臭であるた
めに、又脱色及び脱臭に費用を要するために利用用途や
使用量において制限を受ける場合があり、殊にシュガー
ケンワックスはサトウキビを原料としているために資源
的に豊富であり且つ生産性が安定していると云う付加的
利点があるにも拘らず、有色且つ有臭であるために、又
従来技術による精製法では熱安定性が低く色戻り現象が
生ずるために利用用途や使用量において著しい制限を受
けてきたが、本発明の精製法よれば、有機溶剤に溶解さ
せた後に吸着剤で処理すると云う簡便な操作で脱色と脱
臭とを同時に達成することができる。
尚、本発明方法により処理することにより得られるシ
ュガーケンワックス精製品は白色且つ無臭であり、従っ
てシュガーケンワックスの利用分野として従来考えも及
ばなかった食品分野や化粧品分野においてさへ用いるこ
とが可能となり、又熱安定性が高く色戻り現象を生じな
いので、熱処理が必要とされる分野においても利用する
ことが可能となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n−ヘキサン、シクロヘキサン及びn−ヘ
    プタンから選択された有機溶剤に粗シュガーケンワック
    スを溶解させ、次いで活性炭、シリカゲル及び活性白土
    から選択された吸着剤により処理することを特徴とす
    る、シュガーケンワックスの精製法。
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