JP2855116B2 - シュガーケンワックスの精製法 - Google Patents

シュガーケンワックスの精製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天然ワックスの精製
法に係り、殊に資源的に豊富なサトウキビ由来のワック
スであるシュガーケンワックスの精製法に係る。
【0002】
【従来の技術】ワックス類は、主として助剤として使用
されるために、最終製品を損なわしめるものであっては
ならず、従って基本的には、白色 (無色) であって且つ
無臭であることが望ましい。例えば、色が要件となる口
紅やインキ類に使用するワックスが着色していると製品
の色調に所謂「クスミ」が生じてしまうために、その使
用量が著しく制限されたり、使用不可能となる場合があ
り、又天然ワックスは固有の臭気を有しているために化
粧品、食品等の分野では製品のイメージダウンになるも
のとして使用されない場合が多いのである。即ち、天然
ワックスは使用安全性に優れており、又物性面において
融点が高く、強度や硬度が優れているにも拘らず、有色
且つ有臭であるために利用分野や使用量に制限を受け、
その代替物としてのパラフィン系炭化水素の方が大量に
使用されているのが実情である。しかしながら、パラフ
ィン系炭化水素は石油製品であり、従って安全性やイメ
ージにおいて好ましいものとは云えず、又物性面でも物
足らない点があるために、各種の業界から白色且つ無臭
の天然ワックスが要望されている。
【0003】天然ワックスとしてはカルナウバワック
ス、蜜蝋、キャンデリラワックス、ライスワックス、モ
ンタンワックス、シュガーケンワックス、イボタ蝋、ホ
ホバ油、木蝋、ウルシ蝋、ラノリン、鯨蝋等があるが、
サトウキビ由来のワックスであるシュガーケンワックス
は資源的にも、生産安定性の面でも優れているので、本
発明はこのシュガーケンワックスを精製対象とするもの
である。
【0004】粗シュガーケンワックスは、収穫されたサ
トウキビを圧搾して糖液分を搾出したサトウキビ残渣
(通例、家畜の餌として使用されており、ワックス原料
としては殆ど利用されていない) を原料とし、下記のよ
うにして製造することができる[Albin H. Warth 著 "Th
e Chemistry and Technology of Waxes」2nd Edition,R
einhold Publishing Cororation, U.S.A.発行]。即ち、
サトウキビ残渣を充分に乾燥させた後に、細砕し、沸点
が 95 - 105℃ の石油ナフサを上記の細砕物に対して約
10 倍容添加し、煮沸し、濾過 して固形分 (サトウキ
ビ残渣) と液分(ナフサ抽出物) とに分離し、次いでナ
フサ抽出物からナフサを蒸留回収することにより固状の
残留物を得る。この残留物はワックス分の他にオイル
分、樹脂分、ピッチ等のタール分を含有しているので、
これらを分離する。このためには、先ず上記の固状残留
物をエタノール、イソプロパノール、アセトン、ブチル
アルコール等の有機溶剤に添加し、加熱して溶解させた
後に、約 75 ℃ の温度条件下において濾過することに
よ り黒色のタール分を濾別する。濾液を冷却するとワ
ックス分が析出してくるので、常温迄冷却させた後に濾
過してワックス分を濾取する。得られたワックス分から
有機溶剤を蒸留回収すれば粗シュガーケンワックスが得
られるのである。尚、大部分の有機溶剤は濾液を蒸留す
ることにより回収される。即ち、シュガーケンワックス
は、通常の抽出法である熱水抽出法を用いた場合に抽出
効率が低く、従って、上述のように溶剤抽出法が採用さ
れており、これによってワックス分の収量については向
上するが、同時に不純物の混入量も増加するために精製
の困難なワックスとされている。上記の粗シュガーケン
ワックスは茶色 (JIS Z 8102 による色相 : 5YR 3/5、
暗い黄赤) を呈しており、臭気も甚だ強い。
【0005】従来技術方法によれば、粗シュガーケンワ
ックスの精製は酸化クロム、過酸化水素等の過酸化物を
用いたり、酸やアルカリを用いたり、塩素系漂白剤 (例
えば次亜塩素酸ナトリウム) を用いたり、空気酸化やオ
ゾン酸化を行う、所謂「漂白」により実施されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題及び発明の目的】従来技
術の漂白処理により得られる精製シュガーケンワックス
は何れも黄色を呈しており [因に酸化クロム処理した従
来の精製シュガーケンワックスは JISZ 8102 による色
相が 3Y 7/6 (辛子色)]、又従来技術による精製シュガ
ーケンワックスは何れも熱安定性が低く、100℃、30分
間の熱処理で色戻り現象 が生じて黄色から粗シュガー
ケンワックスの色調である茶色に変色してしまうために
利用分野が限定される点に課題があり、又特有の臭気を
除去できないために、利用分野が更に限定され、殊に食
品や化粧品の分野において使用不可能とされてきた。
【0007】従って、本発明の目的は、資源的に豊富で
あり且つ生産安定性に優れたシュガーケンワックスを精
製して白色且つ無臭なものになすと共に、色戻り現象が
生じないようになすことによってシュガーケンワックス
の利用分野を著しく拡張することにある。
【0008】
【課題を解決し目的を達成する手段及び作用】本発明に
よれば、上記の課題は、エタノール又はイソプロパノー
ルに粗シュガーケンワックスを溶解させ、次いで活性炭
により処理することを特徴とする、シュガーケンワック
スの精製法により解決されると共に、上記の目的が達成
される。
【0009】粗シュガーケンワックスを有機溶剤に溶解
させる実際の操作は、シュガーケンワックスに上記の有
機溶剤を添加し、例えば水浴上で加熱することにより行
われる。本発明方法において有機溶剤としてエタノール
又はイソプロパノールが用いられ且つ吸着剤として活性
炭が採択されるのは、活性炭が高い低極性物質吸着能を
有しており、粗シュガーケンワックスを高極性物質であ
るアルコールに溶解させることによって、粗シュガーケ
ンワックス中の低極性物質が活性炭に選択的に吸着され
るものと考えられたからである。アルコール類と活性炭
との組合せで、脱色及び脱臭が最も良好に行われるの
は、エタノールと活性炭とを組合わせた場合である。
尚、アルコール類とシリカゲル又は活性白土とを組合わ
せた場合には、脱臭は可能となる場合があるが、脱色に
関しては所期の目的を達成し得ない。
【0010】
【実施例等】次に、試験例及び実施例により本発明を更
に詳細に説明する。試験例 1 (有機溶剤と吸着剤とが脱色効果に及ぼす影
響) 粗シュガーケンワックス 100g に対して 2 リットルの
各種有機溶剤を添加し、水浴上で約 1 時間加熱した。
シュガーケンワックスが充分に溶解したことを確認した
後に、各種の吸着剤を徐々に 100g 添加し、次いで再び
水浴上で且つ攪拌しながら加熱した後に、50℃ 迄冷却
し、濾過することにより吸着剤を濾別した。その後に、
減圧蒸留により有機溶剤を除去回収して精製シュガーケ
ンワックスを得た。このようにして得た各精製ワックス
試料につき、目視観察により、脱色効果に及ぼす有機溶
剤と吸着剤との関係を調べた結果は、下記の表 1 に示
される通りであった。
【0011】
【表1】 表 1 において、 ○ : 脱色できた、 △ : 脱色により極く薄い黄色になった (「脱色できた」に準ずる)、 × : 脱色されず。
【0012】実施例 粗シュガーケンワックス 100g に対して 1.5 リットル
の 99.5% エタノール溶液を添加し、水浴上で約 1 時間
加熱した。シュガーケンワックスが充分に溶解したこと
を確認した後に、粉末活性炭 50g を徐々に添加し、次
いで再び水浴上で且つ攪拌しながら 30 分間加熱した後
に、50℃ 迄冷却し、濾過することにより活性炭を濾別
した。得られたワックス溶液はエタノールを含有してい
るので、減圧蒸留によりこの溶剤を除去回収して精製シ
ュガーケンワックス (88g) を得た。この精製シュガー
ケンワックスの臭気は無臭に近いものであった。
【0013】試験例 2 (シュガーケンワックスの物性) 原料である粗シュガーケンワックス、従来法により精製
したシュガーケンワックス及び上記の実施例に記載の方
法により精製された各シュガーケンワックスを試料とし
て、物性を調べた結果は下記の表 2 に示される通りで
あった。
【0014】
【表2】 表 2 中において、 対照 1 : 各実施例において原料として用いられた粗シュガーケンワック ス、 対照 2 : 従来技術による精製シュガーケンワックス (酸化クロム処理 品) (a) : JIS K2235 による針入度 (測定温度は 25℃)、 (b) : 測定温度は 20℃、 (c) : 色相については次の通り 茶 ; JIS Z 8102, 5YR 3/5 (暗い黄赤)、 黄 ; JIS Z 8102, 3Y 7/6 (辛子色)、 薄黄 ; JIS Z 8102, 5Y 9/3 (極く薄い黄)。
【0015】尚、従来技術による精製シュガーケンワッ
クス (対照 2) 及び本発明方法による精製シュガーケン
ワックス (実施例) を被験試料とし、各試料を加熱して
融解させ、100℃ において 30 分間保持した処、対照 2
の試料は変色して未 処理の粗シュガーケンワックス
(対照 1) の色相と同様な色相になったが、実施例によ
る各試料に関しては変色が生じず、冷後においても変色
は認められなかった。
【0016】
【発明の効果】天然ワックスは人体に対する安全性が高
く且つ物性面において優れているにも拘らず、有色且つ
有臭であるために、又脱色及び脱臭に費用を要するため
に利用用途や使用量において制限を受ける場合があり、
殊にシュガーケンワックスはサトウキビを原料としてい
るために資源的に豊富であり且つ生産性が安定している
と云う付加的利点があるにも拘らず、有色且つ有臭であ
るために、又従来技術による精製法では熱安定性が低く
色戻り現象が生ずるために利用用途や使用量において著
しい制限を受けてきたが、本発明の精製法よれば、有機
溶剤に溶解させた後に吸着剤で処理すると云う簡便な操
作で脱色と脱臭とを同時に達成することができる。尚、
本発明方法により処理することにより得られるシュガー
ケンワックス精製品は白色且つ無臭であり、従ってシュ
ガーケンワックスの利用分野として従来考えも及ばなか
った食品分野や化粧品分野においてさへ用いることが可
能となり、又熱安定性が高く色戻り現象を生じないの
で、熱処理が必要とされる分野においても利用すること
が可能となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エタノール又はイソプロパノールに粗シ
    ュガーケンワックスを溶解させ、次いで活性炭により処
    理することを特徴とする、シュガーケンワックスの精製
    法。
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