JP2718886B2 - 環状押出形材の拡管成形方法 - Google Patents

環状押出形材の拡管成形方法

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JP2718886B2
JP2718886B2 JP5331424A JP33142493A JP2718886B2 JP 2718886 B2 JP2718886 B2 JP 2718886B2 JP 5331424 A JP5331424 A JP 5331424A JP 33142493 A JP33142493 A JP 33142493A JP 2718886 B2 JP2718886 B2 JP 2718886B2
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extruded
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浩三 道阪
聖真 山口
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昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モーターケース用ハ
ウジング等の製作に適用される環状押出形材の拡管成形
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、モーターケース用ハウジングと
して、図2に示されているような周壁(21)に多数の
フィン状突起(22)を有するアルミニウム(その合金
を含む)製環状押出形材(23)が使用されている。し
かし、押出成形のみでは十分な真円度が得られないため
に、前記環状押出形材(23)をさらに拡管成形して必
要な真円度を得ている。また、前記環状押出形材(2
3)に熱処理を施して硬化させる必要があり、従来は次
のような工程でハウジングが製造されている。
【0003】即ち、まず、押出直後の長尺の環状押出形
材(23)にT4処理を行う。次いで、冷間で所定寸法
に切断したのち、図2に示されているように環状押出形
材(23)の内部に、周方向に4〜8片程度に分割され
た割型(11)を挿入して拡管成形し、真円度を矯正す
る。そしてさらに、T5処理を行って硬化させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記製造工程におい
て、拡管成形後にT5処理を行うという工程順序を採用
しているのは、T5処理によって環状押出形材(23)
の伸びが悪くなって、拡管成形が困難となるためであ
る。すなわち、T5処理後に割型(11)によって拡管
成形を行うと、周壁(21)のうちでも、割型(11)
を構成する単位型(10)の継目(12)に接する部分
に力が集中するために、その部分が割れるおそれがある
ためである。また、拡管成形するには環状押出形材(2
3)を短尺に切断しておく必要がある。したがって、前
記工程順序については、切断、拡管成形、T5処理とい
う工程順序を余儀なくされているのであり、そのため、
T5処理は数多くの短尺の形材について行わねばなら
ず、T5処理作業が煩雑になって加工コストが増大する
という問題点があった。
【0005】この発明は、前述の問題点を解消すること
を目的として、真円度を矯正するための拡管成形をT5
処理による硬化後に行うことのできる環状押出形材の拡
管成形方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、環状押出形材の拡管成形をT5処理後
に行えるように、特定形状の形材を用いるというもので
ある。
【0007】即ち、この発明に係る環状押出形材の拡管
成形方法は、周壁(2)の一部に厚肉部(5)が形成さ
れた環状押出形材(1)をT5処理したのち、該環状押
出形材(1)内に周方向に分割された複数の単位型(1
0)からなる割型(11)を、前記単位型(10)(1
0)の継目(12)が前記厚肉部(5)に内接するよう
に挿入し、前記割型(11)を径方向に拡張することに
より拡管成形することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】この発明の拡管成形方法においては、成形する
環状押出形材(1)の周壁(2)の一部に厚肉部(5)
が形成され、この厚肉部(5)はその他の部分よりも強
度が高くなっている。そのため、T5処理後の硬化した
環状押出形材(1)に対 しても、厚肉部(5)に単位型
(10)(10)の継ぎ目(12)が内接するように割
型(11)を挿入すれば、該割型(11)の径方向拡大
時に継ぎ目に力が集中しても、周壁(2)が割れること
なく拡管成形され、真円度が矯正される。
【0009】
【実施例】次に、この発明の環状押出形材の拡管方法を
モーターケース用ハウジングの製造に適用した実施例に
ついて、図1を参照しつつ説明する。
【0010】図1において、(1)はアルミニウムから
なる環状押出形材である。この環状押出形材は、円形の
周壁(2)の底部(3)を除くほぼ全周に等間隔でフィ
ン状突起(4)が形成された断面形状を有している。ま
た、周壁(2)の底部(3)を除く周方向3等分位置に
は、隣接するフィン状突起の間の肉厚が他の部位の肉厚
よりも相対的に大きく設定されることにより厚肉部
(5)が形成されている。また、底部(3)の肉厚も厚
く形成されている。この厚肉部(5)は、後述のよう
に、真円度矯正のための拡管成形に際して、割型を構成
する各単位型の継目に接する部分であり、拡管による継
目部分の割れに対してこれを補強する役割を果たす。か
かる厚肉部(5)の肉厚(t’)は特に限定されること
はないが、他の部位の肉厚の1.5倍未満であれば拡管
成形時の伸びに耐えられずに割れが発生する恐れが有
り、一方2.5倍の厚さがあれば十分に拡管成形に耐え
られるから2.5倍を越えて厚くする意味が乏しい。従
って、厚肉部(5)の肉厚(t’)は、厚肉でない他の
部分の肉厚(t)の1.5〜2.5倍に設定するのが好
ましい。
【0011】次に、上記の環状押出形材(1)を用いて
モーターケース用ハウジングを製作する方法について説
明すると、まず押出形材を押出直後にT4処理する。そ
して、その後T5処理する。T5処理は、押出状態の長
尺のままで行えば良い。
【0012】次いで、所定長さに短尺切断した後、押出
形材(1)の内部に図1に示すように、周方向に分割さ
れた4片の単位型(10)からなる断面円形の中空割型
(11)を挿入する。割型(11)は、各単位型(1
0)相互間の継目(12)が押出形材(1)の底部
(3)および前記各厚肉部(5)に内接する位置に挿入
する。
【0013】次いで、割型(11)を半径方向外方に拡
張し、その拡張力により形材(1)を拡管する。拡管時
に、押出形材(1)における単位型(10)相互間の継
目(12)が接する部分には応力が集中するが、該部分
は厚肉部(5)となされているから、押出形材(1)が
T5処理により伸びが悪くなっているにもかかわらず、
該部分の割れの発生が抑制される。
【0014】ちなみに、A6063Al合金により、図
1に示したのと同じく、周壁の一部が厚肉部(5)とな
された環状押出形材(1)を製作した。この押出形材の
周壁(2)の厚肉部(5)の肉厚(t’)を6mm、そ
れ以外の部分の肉厚(t)を3mmとし、また内径は1
10mmとした。なお、押出形材(1)は、押出直後に
T4処理を実施し、その後常法に従いT5処理を実施し
た。
【0015】次に、押出形材(1)を短尺に切断した
後、図1に示したのと同じく、周方向に4片に分割され
た割型(11)を、単位型(10)相互間の継目(1
2)が、厚肉部(5)および底部(3)に内接するよう
に挿入して、拡管した。拡管は、押出形材(1)の内径
が112mmとなるまで行った。
【0016】そして、拡管後の厚肉部(5)を観察した
ところ、割れの発生は全く認められなかった。
【0017】
【発明の効果】以上のように、この発明の環状押出形材
の拡管成形方法は、環状押出形材として、周壁の一部に
強度の高い厚肉部が形成されたものを使用し、該環状押
出形材内に周方向に分割された複数の単位型からなる割
型を、前記単位型の継目が前記 厚肉部に内接するように
挿入し、前記割型を径方向に拡張することにより拡管成
形するから、T5処理により硬化した環状押出形材に対
しても割れることなく拡管成形することができ、管の真
円度を矯正することができる。従って、T5処理は拡管
成形前の長尺の状態で行えば良く、管のT5処理本数が
少なくてすみ熱処理コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる環状押出形材の拡管
成形方法を説明する横断面図である。
【図2】従来の環状押出形材およびその拡管方法を説明
する横断面図である。
【符号の説明】
1…環状押出形材 2…周壁 5…厚肉部 10…単位型 11…割型 12…継目

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁(2)の一部に局部的な厚肉部
    (5)が形成された環状押出形材(1)をT5処理した
    のち、該環状押出形材(1)内に周方向に分割された複
    数の単位型(10)からなる割型(11)を、前記単位
    型(10)(10)の継目(12)が前記厚肉部(5)
    に内接するように挿入し、前記割型(11)を径方向に
    拡張することにより拡管成形する環状押出形材の拡管成
    形方法。
JP5331424A 1993-12-27 1993-12-27 環状押出形材の拡管成形方法 Expired - Lifetime JP2718886B2 (ja)

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