JP2718853B2 - 法面をプレキャストコンクリートブロックで構成する工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は法面をプレキャストコン
コリートブロックで構成する工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のプレキャストコンコリートブロ
ックに関しては種々開発されてきている。特に、大型の
プレキャストコンコリートブロックに関しては本願出願
人が開発したもので、工業所有権も有していたものであ
るが、この種のブロックと補強用網とを組み合わせて工
事を行う場合は、ブロックとの関連や地盤との関係がや
や不満足なものであった。例えば、補強用網は施設され
た後、杭のようなもので地盤に止められていたものであ
り、少し大きな力がかかると点でとめられているため補
強用網が破れる恐れがあり、また、ブロックとの関連も
不完全なものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、補強用網と
地盤との関係を極めて完全なものとし、かつブロックと
の関係も安全で確実な構成として、尚且つ、工法の作業
工程を短縮し得る工法を提供することを目的としたもの
である。

【０００４】

【課題を解決しようとする手段】本発明は補強扶壁部分
の前端部上面に補強用網と係合する係合部を形成した大
型プレキャストコンクリートブロックと、前端部に前記
ブロックの係合部に係合する係合部を、後端部に筒状の
重錘収納部分を形成した補強用網とを、先ず、前記大型
プレキャストコンクリートブロックを安定すべき地盤の
法面部分の最下位に一段並置して埋め戻しをなし、該ブ
ロックの係合部に補強用網の係合部を係合させて敷設
し、該補強用網の地盤の安定部分に位置する後端部の重
錘収納部分に重錘を充填し、次に又プレキャストコンク
リートブロックを前記並置した一段目のブロック上に並
置して埋め戻しをなし、該補強用網の前端部の係合部を
ブロックの係合部に係合させ、補強用網を敷設し、補強
用網の後端部の重錘収納部分に重錘を充填し、順次この
ような作業を繰返し行い法面を構成するものである。

【０００５】

【作用】本発明はを以上のような工法であるから、補強
用網と地盤との関係も完全に確実となり、大型プレキャ
ストコンコリートブロックとの関連も安全確実な構成と
なり、かつ、安全で、工期が短縮されるものである。さ
らに、ブロックの制作もそれほど従来のブロックの製作
と変わりなく製作でき、補強用網も単にその端部に係合
部を形成するのみですみ、従来のこの種の工法に比し
て、極めて安全に且つ工期の短縮ができるものである。
この場合、補強用網に水抜きの構成を形成することによ
り、一層効果が向上するものである。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。法
面を構成する大型プレキャストコンクリートブロック１
の補強扶壁部分２の前端部上面に補強用網３と係合する
係合部４を形成し、該大型プレキャストコンクリートブ
ロック１を一段づつ並置し、埋戻しをなし、前記補強用
網３を敷設し、前記補強用網３の前端部に前記ブロック
１の係合部４に係合する係合部７を形成し、該係合部７
をブロック１の係合部４に係合させ、さらに補強用網３
の地盤の安定部分Ａに位置する後端部を折曲して筒状の
重錘収納部分５を形成し、該重錘収納部分５に重錘６・
・を充填し、次に又、プレキャストコンクリートブロッ
ク１を前記並置した一段目のブロック１上に並置して埋
戻しをなし、前記補強用網３の前端部の係合部７をブロ
ック１の係合部４に係合させて、補強用網３を敷設し、
該補強用網３の後端部の重錘収納部分５に重錘６を充填
し、順次このような作業を繰返し行い所望の法面を構成
するものである。この場合、重錘収納部分５を埋め戻し
た土の表面より埋め込むように形成する場合と、逆に、
表面上に突出させるように形成する場合と、両者を兼ね
た構成とが考えられる。

【０００７】本発明は以上のような工法で大型プレキャ
ストコンコリートブロック１を何段か積み重ねて施行す
るものであるが、勿論、大型プレキャストコンコリート
ブロック１を一列に並置するだけで済む場合もある。ま
た、補強用網３を水抜きの構成にすることによって、よ
り一層効果が向上するもので、例えば、毛細管現象を生
じる材質或いは形状をした補強用網３を構成すること等
によって、その効果が得られる。また、ブロック１の係
合部４と補強用網３の前端部の係合部７の形態も種々考
えられ、従来、この種のブロックに形成されている上部
のブロックとの係合に使用する凹部をそのまま利用する
ことができる。

【０００８】また、重錘６はどのような形状でも良く、
小石や骨材等が使用しやすいものであるが、この、重錘
収納部分５に合致する形状にしたコンクリートブロック
を使用することがより好ましく、工事の省力化に貢献す
るものである。

【０００９】尚、大型プレキャストコンコリートブロッ
ク１の形状は、従来の形状で十分利用できるもので、扶
壁２には隣接するブロック１との連結に使用する連結用
の孔や、底版には大きな貫通口を設けたり、前壁の下方
には水抜き孔を形成したりしているものである。

【００１０】

【発明の効果】本発明はを以上のような工法であるか
ら、補強用網と地盤との関係も完全に確実となり、大型
プレキャストコンコリートブロックとの関連も安全確実
な構成となり、かつ、安全で、工期が短縮されるもので
ある。

【００１１】さらに、ブロックの制作もそれほど従来の
ブロックの製作と変わりなく製作でき、補強用網も単に
その端部に係合部を形成するのみですみ、従来のこの種
の工法に比して、極めて安全に且つ工期の短縮ができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の位置実施例を示す断面図

【図２】同本発明に利用するプレキャストコンクリート
ブロックの位置実施例の斜面図

【図３】本発明に利用する補強網の一実施例の斜面図。

【符号の説明】

１・・・大型プレキャストコンコリートブロック ２・・・補強扶壁部分 ３・・・補強用網 ４・・・係合部 ５・・・重錘収納部分 ６・・・重錘 ７・・・係合部 Ａ・・・地盤の安定部分

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】補強扶壁部分の前端部上面に補強用網と係
   合する係合部を形成した大型プレキャストコンクリート
   ブロックと、前端部に前記ブロックの係合部に係合する
   係合部を、後端部に筒状の重錘収納部分を形成した補強
   用網とを、先ず、前記大型プレキャストコンクリートブ
   ロックを安定すべき地盤の法面部分の最下位に一段並置
   して埋め戻しをなし、該ブロックの係合部に補強用網の
   係合部を係合させて敷設し、該補強用網の地盤の安定部
   分に位置する後端部の重錘収納部分に重錘を充填し、次
   に又プレキャストコンクリートブロックを前記並置した
   一段目のブロック上に並置して埋め戻しをなし、該補強
   用網の前端部の係合部をブロックの係合部に係合させ、
   補強用網を敷設し、補強用網の後端部の重錘収納部分に
   重錘を充填し、順次このような作業を繰返し行い法面を
   構成することを特徴とする法面をプレキャストコンクリ
   ートブロックで構成する工法。