JP2717732B2 - 非磁性一成分トナーの現像方法 - Google Patents
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Description
静電潜像を現像する接触型の非磁性一成分トナーの現像
方法に関する。
ーを用いて現像する方法を大別すると、トナー及びキャ
リアを主体とする二成分現像剤を用いる現像方法、ある
いはトナーのみからなる一成分現像剤を用いる現像方法
があり、それぞれ各種の改良案が提案されている。
成分系現像剤の現像方法は、一成分系現像剤の現像方法
と比較すると次のような不利な点がある。 トナーとキャリアとの混合比をコントロールするた
めのトナー濃度センサーが必要である。 現像剤の寿命が短い。 現像剤の攪拌機構など取扱いに注意が必要であり現
像機等の装置が大型となる。 一方一成分系の現像剤の現像方法の不利な点としては以
下の点が上げられる。 帯電部材が現像ロールあるいはブレードであり、キ
ャリアを帯電部材として用いるものに比べると帯電の安
定性に欠け帯電能力も弱い。 磁気ブラシを均一に形成するための現像機の精度が
必要である。 磁性トナーの場合、転写性、定着性、環境特性およ
び感光体へのダメージが非磁性トナーに比べ劣る。
置の小型化等を合わせて考えると非磁性トナーを用いる
一成分系現像剤の現像方法が極めて有効であるとされ、
近年、非磁性一成分系現像剤(トナー)を用いた現像方
式が注目され、その幾つかは実用化されている。
は、トナーを担持した現像ロールを静電潜像を有する感
光体と接触をさせて現像する接触型の非磁性一成分トナ
ーの現像方法と現像ロールと感光体の間に一定のギャッ
プを設けて現像ロール上のトナーを飛翔させて現像する
非接触型の非磁性一成分トナーの現像方法とがある。
では、トナーは帯電部材のみにより摩擦帯電されるた
め、トナーにかかる機械的負担が接触型の現像方法に較
べて軽微であるが、トナーの飛翔性が環境の影響を受け
易いという欠点を有していた。これに対して、接触型の
非磁性一成分系トナーの現像方法では現像ロールのトナ
ーと静電潜像を有する感光体とが接触するため、現像性
がきわめて良好である反面、トナーが現像ロール上に薄
層として形成されるまでの帯電部材による摩擦帯電のみ
でなく、感光体との周速の違いによる摩擦力も受け、機
械的負担が非接触法に較べて極めて大きい。そこで、接
触型による非磁性一成分トナーの現像方法ではトナーが
摩擦帯電部材及び感光体との接触により融着しないこ
と、現像ロール、感光体等を傷つけないことが極めて重
要な項目となる。 摩擦力により融着しないトナーとす
るためには、トナーに用いている結着剤樹脂を融着し難
くするためにガラス転移温度の高いものを用いることが
一つの方法として有効であるが、それだけでは満足する
融着上の特性が得られない。
を用いる接触型の非磁性一成分トナーの現像方法におい
て、非磁性トナーの融着の発生が極めて少ない現像方法
を提供するためのものである。
一成分トナーの現像方法において、良好な定着特性を得
ながら、現像ロール、感光体へのトナー融着を極めて少
なくして、接触型の非磁性一成分トナーの現像方法の欠
点を解消すべく鋭意検討した結果、非磁性一成分トナー
がスチレン系共重合体からなる結着剤樹脂と着色剤を主
体としたトナーであって該結着剤樹脂の数平均分子量
(Mn)が8000〜30000で、重量平均分子量
(Mw)が100000〜300000で、かつゲルパ
ーミェーションクロマトグラフィー(GPC)によるク
ロマトグラムにおいて、2つ以上のピークを持たないよ
うな分子量分布を有するものを用いることにより目的を
達成させることが出来ることを見いだした。さらに充分
なオフセット性を持たせながら感光体及び現像ロール、
トナー層厚規制部材(ブレード)に融着しないようにす
るためには、トナー中に分散させるポリオレフィンワッ
クスの粒子径を0.5μm以下にすることが極めて有効
であり、それらを行うことによって上記の目的である現
像ロール及び感光体への融着の少ない非磁性一成分トナ
ーの現像方法を得ることが出来ることが分かった。
1は、本発明の接触型の非磁性一成分トナーの現像方法
に使用する現像装置の概略構成図であり、図中、1は円
筒状の静電潜像保持体である感光体ドラム、2はホッパ
ー、3はトナー、4はトナー層厚規制部材、5は現像ロ
ール、6はトナー供給ロール、7は攪拌機である。この
現像装置において、感光体ドラム1の上には、公知の電
子写真法によって静電潜像が形成される。ホッパー2内
にはトナー3が収容されており、トナー3はトナー層厚
規制部材4によって現像ロール5の上に一定の層厚にな
るように担持され、搬送される。その際トナーはトナー
層規制部材によって摩擦帯電されるが、トナー層規制部
材は、直流または交流電源に接続して、現像ロールとト
ナー層厚規制部材の間に電界が発生するようにしてもよ
い。現像ロール5に担持されたトナーは、現像ロール5
の回転により搬送されて、静電潜像を有する感光体ドラ
ム1と接触し、静電潜像の現像化が行われる。
像ロール5は、シリコーンゴム等の各種ゴム、スポンジ
ゴム、ウレタンフォーム等の弾性材料が使用され、これ
らにはバイアス電圧が印加できるように導電性粉末が含
有されているか、又は、表面に導電性塗料が塗布された
ものが好ましい。又、本発明の現像ロールの表面にはト
ナー担持層として適度の弾性を備えた例えば含フッ素樹
脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂など膜形成性を有する肉薄樹脂層を設けても
よい。トナーの担持層の厚さは、10〜200μmの範
囲に形成される。トナー層規制部材4は、例えばシリコ
ーンゴム等の合成ゴム系、真ちゅう等金属板が適用され
る。
る非磁性一成分現像剤を構成するトナーは、結着剤樹脂
と着色剤を主体とする。トナーを現像ロール感光体への
融着を減少させるためにはトナーに用いる樹脂を硬いも
のにすることがある程度有効であるが、単に硬い樹脂に
してしまうとトナーの定着が阻害され実用的とならない
し、また、それだけで融着に有効なトナーを得ることは
できない。
かについて鋭意検討した結果、樹脂の平均分子量と分子
量分布が大いに関係することを見いだし本発明に至っ
た。トナーが現像ロール、トナー層規制ブレードに融着
する程度は、樹脂の低分子量部の分子量と樹脂の分子量
分布が関係しているとの知見を得た。つまり、樹脂に融
着しやすい部分を持っているかという点と、樹脂中の分
子同士の絡み合いに大きく関係しているものと思われ
る。
その部分がまず選択的に融着を起こし、順次トナー全体
を融着させるものと思われる。この際、高分子量部分を
同時に存在させることにより、ある程度融着を防止する
ことは可能であるが、高分子量部分と低分子量部分は本
質的には相溶しない性質を持っているため、本発明の目
的を達成することにはならない。高分子量部分が低分子
量部分と相溶しながら、融着防止に効果を発揮させるた
めには、低分子量部分に対して、別のピークと成らない
ような高分子量部分を存在させることが有効であること
が判った。これは、いわゆる2山ピークとならない(ピ
ークが1山)ような樹脂では、分子同士の絡み合いが充
分に行われるため、相対的な高分子が低分子の融着を抑
える働きを持つためと思われる。
のピーク位置の分子量を測定するには、公知の通常の方
法例えば、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーに
より、適正な条件を用いて測定すれば良い。その条件例
を下記に示す。 1 測定条件 温 度:25℃ 溶 媒:テトラヒドロフラン 流 速:1ml/min 2 カラム 使用するカラムとしては市販のシリカゲルカラムを複数
本組合せたものを用いる。例えば昭和電工社製Shod
exA−80Mの2本組合せ等が適当である。 3 検量線 検量線作成に当っては、標準ポリスチレンを用いて行
う。標準ポリスチレンとしては例えばPressure
Chemical Co.製あるいは東洋ソーダ工業
(株)製の分子量が6×102,2.1×103,4×
103,1.75×104,5.1×104,1.1×
105,3.9×105,8.6×105,2×1
06,4.48×106のものを用い、少なくとも10
点程度の標準ポリスチレンを用いるのが適当である。 4 検出器 検出器としてはRI(屈折率)検出器例えば昭和電工社
製SE−31を用いる。
するスチレン系モノマーとしては、スチレン,α−メチ
ルスチレン,p−クロルスチレンなどのスチレン及びそ
の置換体がある。共重合成分として好ましいものはアク
リル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数は1〜1
5),メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭
素数は2〜15)である。その他の共重合成分としては
アクリロニトリル,マレイン酸,マレイン酸エステル,
メタクリル酸メチル,アクリル酸メチル,塩化ビニル,
酢酸ビニル,安息香酸ビニル,ビニルメチルケトン,ビ
ニルヘキシルケトン,ビニルメチルエーテル,ビニルエ
チルエーテル,ビニルイソブチルエーテルなどのような
ビニル単量体を重合体の重量に対して30重量%以下
(好ましくは20重量%以下)で含有してもよい。
0重量%が好適である。スチレン系モノマーの共重合比
が50重量%未満の場合は、トナー粒子の現像特性,耐
ブロッキング性,耐オフセット性等が低下する。一方、
スチレン共重合体のスチレン系モノマーの共重合比が9
0%よりも大きい場合は、定着温度が高くなる。
知の方法、すなわち懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合
法、塊状重合法等によって合成される。また分子量を調
節するために、公知の分子量調整剤、例えばラウリルメ
ルカプタン,フエニルメルカプタン,ブチルメルカプタ
ン,ドデシルメルカプタンなどメルカプタン類,四塩化
炭素,四臭化炭素などのハロゲン化炭素類などを使用す
ることができる。
しては、前記重合体の他に別の公知の樹脂を混合しても
よい。例えばポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,シリコ
ーン樹脂,ポリスチレン,ポリアミド樹脂,ポリウレタ
ン樹脂,アクリル樹脂などがあげられるが、その量は結
着樹脂全体の30重量%を越えないことが好ましい。
従来公知のものがすべて使用でき、例えばカーボンブラ
ック,鉄黒,ニグロシン,ベンジジンイエロー,キナク
リドン,ローダミンB,フタロシアニンブルーなどがあ
げられる。また本発明で用いるトナーには種々の目的の
ために添加剤を加えることができる。このような添加剤
としては金属錯体,ニグロシンなどのような電荷制御
剤,ポリテトラフルオロエチレン,脂肪酸もしくはその
金属塩、ビスアマイドのような潤滑性のある化合物、ジ
シクロヘキシルフタレートのような可塑剤などがある。
樹脂とするトナーでは、接触型の非磁性一成分現像剤と
して用いるプリンターの印字スピードが毎分15枚程度
で使用するため、定着ロールの温度変化は、複写機に比
べて大きなものではないので、実用上問題となるような
定着熱ローラでのトナーのオフセットは起こりに難い。
もし、オフセット性を更に良好にする必要が発生した場
合には、トナー中に分散させるポリオレフィンワックス
を0.5μm以下の大きさにしながら、3%以上含有さ
せることにより、オフセット性を更に改善することが出
来る。ポリオレフィンワックスを0.5μm以下の大き
さに分散させるためにはトナー製造時の溶融混練工程で
ワックスの分散が良くなるような条件で混練することも
有効であるが、樹脂の製造時にワックスを添加すると極
めて分散の良好なものを容易に得ることが出来る。
くはエチレン系オレフィン共重合体として適用するもの
には、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロ
ピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチ
レン−エチルアクリレート共重合体,ポリエチレン骨格
を有するアイオノマーなどがあげられ、上記共重合体に
おいてはオレフィンモノマーを50モル%以上(より好
ましくは60モル%以上)含んでいるものが好ましい。
れに限定されるものではない。なお、部とあるは全て重
量部である。
2μmの非磁性一成分トナーを得た。
2μmの非磁性一成分トナーを得た。
2μmの非磁性一成分トナーを得た。
2μmの比較用の非磁性一成分トナーを得た。
2μmの比較用の非磁性一成分トナーを得た。
2μmの比較用の非磁性一成分トナーを得た。
n:6000、Mw;180000、Mw/Mn;3
0.0であり、ピークの数が1つのものを使用した以外
は実施例1に示したのと同様にして比較用の非磁性一成
分トナーを得た。
n;8000、Mw;90000、Mw/Mn;11.
3であり、ピークの数が1つのものを使用した以 外は実
施例1に示したのと同様にして比較用の非磁性一成分ト
ナーを得た。
n:9000、Mw;152000、Mw/Mn;1
6.9であり、ピークの数が2つのものを使用した以外
は実施例1に示したのと同様にして比較用の非磁性一成
分トナーを得た。
ト社製の疎水性シリカH2000を0.4%添加して攪
拌し、各トナーの表面に疎水性シリカを付着させた。得
られたトナーを有機光導電性感光体ドラムを内蔵した反
転現像方式であって、かつシリコーンゴムからなるトナ
ー層厚規制部材を有するプリンター(リコー社製LP1
060−SP3)を用いて、プリントテストを行ったと
ころ、表1のような結果となり、本発明の実施例のもの
は比較例のものに比べて優れており、有効であることが
解った。
トナーの現像方法において、非磁性一成分トナーに使用
する結着樹脂が特定範囲のMn、Mwを有し、かつ、G
PCによるクロマトグラムにおけるピーク数は1ヶであ
るので、画像の初期濃度、連続コピー後の濃度がすべて
優れており、現像ロールへのトナーの融着を生じなかっ
た。
置の概略断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 トナーを担持して搬送する現像ロール
と、該現像ロールに近接または圧接されて設けられたト
ナー層厚規制部材とを少なくとも有する現像装置を用
い、該現像ロールに非磁性一成分トナーを供給し、トナ
ー層厚規制部材によりトナーの薄層を形成するように塗
布するとともにトナーに電荷を与え、静電潜像を保持す
る保持体に接触させて静電潜像を現像し、ついで用紙に
転写を行う接触型の非磁性一成分現像方法において、 上記非磁性一成分トナーがスチレン系共重合体からなる
結着剤樹脂と着色剤を主体としたトナーであって該結着
剤樹脂の数平均分子量(Mn)が8000〜30000
で、重量平均分子量(Mw)が100000〜3000
00で、かつゲルパーミェーションクロマトグラフィー
(GPC)によるクロマトグラムにおいて、2つ以上の
ピークを持たないような分子量分布を有することを特徴
とする非磁性一成分トナーの現像方法。
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