JP2717110B2 - 高周波モータ用ロータおよびその製造方法 - Google Patents

高周波モータ用ロータおよびその製造方法

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JP2717110B2 JP63066723A JP6672388A JP2717110B2 JP 2717110 B2 JP2717110 B2 JP 2717110B2 JP 63066723 A JP63066723 A JP 63066723A JP 6672388 A JP6672388 A JP 6672388A JP 2717110 B2 JP2717110 B2 JP 2717110B2
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Koyo Seiko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、高周波モータ用ロータおよびその製造方
法に関する。
従来の技術 従来の高周波モータ用ロータにおいては、複数の穴あ
き円板状の磁性板を積層したコアにアルミダイカストな
どによりアルミニウム製導体部と短絡環部を形成したの
ち、このコアの内径に軸を圧入している。
発明が解決しようとする課題 上記の従来の高周波モータ用ロータでは、コアに軸を
圧入する際に、コアが変形(膨張)し、アルミニウム製
短絡環部および導体部にも引張応力が発生する。このた
め、主として短絡環部の引張強度により決まるロータの
回転速度限界が制限され、高速回転が不可能であった。
また、アルミニウム製導体部および短絡環部を鋳造に
より形成するため、巣などの欠陥が発生しやすく、とく
に高速回転が必要な高周波モータ用ロータの場合、強度
的信頼性に欠けていた。
この発明の目的は、上記の問題を解決し、高速回転が
可能で、強度的信頼性が高い高周波モータ用ロータおよ
びその製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 この発明による高周波モータ用ロータは、軸に軸線方
向に所定の間隔をおいて対向するように設けられた支持
面を有する2つの支持部と、軸との間にすきまを有する
ように各支持面に固定された短絡環と、軸の周囲に軸と
平行に配置されて両端部が短絡環に固定された複数の導
体棒と、導体棒が圧入されるとともに軸に対してすきま
を有するように軸の周囲に配置されて2つの支持面の間
に挾まれた複数の磁性板とを備えているものである。
この発明による高周波モータ用ロータの製造方法は、
上記の高周波モータ用ロータを製造する方法であって、
軸に第1の支持面を有する環状の部分を設け、複数の導
体棒の第1の端部を取付けた第1の短絡環を軸との間に
すきまを有するように第1の支持面に固定して、導体棒
の第1の端部を第1の短絡環に固定し、複数の磁性板を
導体棒が圧入されるとともに軸との間にすきまを有する
ように軸の周囲にはめ、第2の短絡環を導体棒の第2の
端部に固定し、第2の支持面を有する環状の部材を軸に
固定して、第2の短絡環を軸との間にすきまを有するよ
うに第2の支持面に固定するものである。
作 用 この発明の高周波モータ用ロータおよびその製造方法
の場合、導体棒の両端部が固定された短絡環が軸との間
にすきまを有し、かつ導体棒が圧入された磁性板が軸と
の間にすきまを有するので、組立時に短絡環に発生する
引張応力が著しく減少する。
したがって、この発明のロータによれば、主として短
絡環の引張強度により決まるロータの回転速度限界が高
くなり、高速回転が可能になる。
また、この発明のロータおよびその製造方法によれ
ば、短絡環および導体棒を鋳造によらずに取付けている
ので、欠陥が発生しにくく、強度的信頼性が向上する。
実 施 例 以下、図面を参照して、この発明の実施例について説
明する。なお、以下の説明において、第1図、第3図、
第4図および第5図の左右を左右とする。
第1図および第2図は組立状態の高周波モータ用ロー
タを、第3図〜第5図はロータの組立工程を順に示す。
第1図および第2図に示すように、軸(1)の大径部
(支持部)(1a)と小径部(1b)の間に、軸線(A)と
直交する右向きの第1の支持面(2)が形成されてい
る。大径部(1a)の外周部には、第1の支持面(2)か
ら右側に張出した短円筒部(1c)が一体に形成され、こ
の短円筒部(1c)の内面は斜め右向きのテーパ面となっ
ている。
軸(1)の小径部(1b)に、支持カラー(支持部)
(3)が圧入されて、固定されている。カラー(3)に
は、軸線(A)と直交する左向きの第2の支持面(4)
が形成されている。そして、第1の支持面(2)と第2
の支持面(4)とが軸線(A)方向に一定の間隔をおい
て対向している。カラー(3)の外周部には、第2の支
持面(4)から左側に張出した短円筒部(3a)が一体に
形成され、この短円筒部(3a)の内面は斜め左向きのテ
ーパ面となっている。
軸(1)の短円筒部(1c)の内側に、アルミニウム製
の第1の短絡環(5)が固定されている。第1の短絡環
(5)は、短円筒部(1c)に圧入され、その左端面と外
周のテーパ面が第1の支持面(2)と短円筒部(1c)の
テーパ面に圧接している。また、第1の短絡環(5)と
軸(1)の間には、わずかなすきまが設けられている。
カラー(3)の短円筒部(3a)の内側に、アルミニウ
ム製の第2の短絡環(6)が固定されている。第2の短
絡環(6)は、短円筒部(3a)に圧入され、その右端面
と外周のテーパ面が第2の支持面(4)と短円筒部(3
a)のテーパ面に圧接している。また、第2の短絡環
(6)と軸(1)の間には、わずかなすきまが設けられ
ている。
軸(1)の小径部(1b)の周囲に軸線(A)と平行に
配置された複数のアルミニウム製の導体棒(7)の左右
両端部が、第1の短絡環(5)と第2の短絡環(6)に
それぞれ固定されている。導体棒(7)の左端部には大
径部(7a)が一体に形成され、この大径部(7a)が第1
の短絡環(5)の段付穴(8)に圧入されて、固定され
ている。導体棒(7)の右端部は第2の短絡環(6)の
穴(9)に圧入され、溶接などの適宜な手段により固定
されている。
複数の穴あき円板状のケイ素鋼板製の磁性板(10)が
軸(1)の小径部(1b)の周囲に積層状に配置され、第
1の支持面(2)と第2の支持面(4)の間に挾まれて
いる。磁性板(10)には、中心穴(11)とその周囲に位
置する複数の穴(12)が形成されている。そして、これ
ら周囲の穴(12)に導体棒(7)が圧入され、中心穴
(11)に軸(1)の小径部(1b)がわずかなすきまをあ
けて通されている。
図示は省略したが、上記のロータの周囲には、複数の
磁極を有する同形状の磁性板を複数積層したステータが
配置される。この場合、ロータの導体棒(7)が軸線
(A)と平行であるから、ロータの円滑な回転調子を得
るためおよび異状トルクの発生を防止するために、ステ
ータの磁性板を磁極が軸線(A)に対して傾斜するよう
に積層するのが望ましい。
上記のロータでは、導体棒(7)の両端部が固定され
た短絡環(5)(6)が軸(1)との間にすきまを有
し、かつ導体棒(7)が圧入された磁性板(10)が軸
(1)との間にすきまを有するので、組立時に短絡環
(5)(6)に発生する引張応力が著しく減少する。こ
のため、主として短絡環(5)(6)の引張強度により
決まるロータの回転速度限界が高くなり、高速回転が可
能になる。また、短絡環(5)(6)および導体棒
(7)を鋳造によらずに取付けているので、欠陥が発生
しにくく、強度的信頼性が向上する。
次に、第3図〜第5図を参照して、上記のロータの製
造方法について説明する。
まず、第3図に示すように、軸(1)の小径部(1b)
に第1の短絡環(5)をはめ、その段付穴(8)に導体
棒(7)を通す。なお、導体棒(7)の大径部(7a)の
外径は段付穴(8)の大径部(8a)の内径より少し小さ
く、導体棒(7)の大径部(7a)の長さは段付穴(8)
の大径部(8a)の長さより少し長い。
次に、第4図に示すように、第1の短絡環(5)を第
1の支持面(2)に押付け、短円筒部(1c)の内側に圧
入する。このとき、第1の短絡環(5)を第1の支持面
(2)に押付けて圧着させることにより、導体棒(7)
の大径部(7a)が潰されて、第1の短絡環(5)の段付
穴(8)の大径部(8a)に圧入された形になる。
次に、第5図に示すように、軸(1)の小径部(1b)
に磁性板(10)をはめ、その周囲の穴(12)に導体棒
(7)を圧入する。
次に、軸(1)の小径部(1b)に第2の短絡環(6)
をはめ、その穴(9)に導体棒(7)の右端部を圧入し
て、固定する。
そして、最後に、第1図に示すように、軸(1)の小
径部(1b)にカラー(3)を圧入して、これを第2の短
絡環(6)に押付け、その短円筒部(3a)の内側に第2
の短絡環(6)を圧入する。
なお、上記のロータの製造は、図示しない適当な治具
を使用して行なわれる。
上記実施例では、第1の支持面(2)は軸(1)に一
体に形成されているが、第2の支持面(4)と同様、軸
(1)に固定されたカラーなどに第1の支持面が形成さ
れてもよい。
発明の効果 この発明の高周波モータ用ロータおよびその製造方法
によれば、上述のように、組立時に短絡環に発生する引
張応力が著しく減少するため、主として短絡環の引張強
度により決まるロータの回転速度限界が高くなり、高速
回転が可能になる。また、短絡環および導体棒を鋳造に
よらずに取付けているので、欠陥が発生しにくく、強度
的信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す高周波モータ用ロータ
の縦断面図、第2図は同横断面図、第3図、第4図およ
び第5図は第1図のロータの製造工程を順に示す縦断面
図である。 (1)……軸、(1a)……大径部(支持部)、(2)…
…第1の支持面、(3)……支持カラー(支持部)、
(4)……第2の支持面、(5)……第1の短絡環、
(6)……第2の短絡環、(7)……導体棒、(10)…
…磁性板、(A)……軸線。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸に軸線方向に所定の間隔をおいて対向す
    るように設けられた支持面を有する2つの支持部と、軸
    との間にすきまを有するように各支持面に固定された短
    絡環と、軸の周囲に軸と平行に配置されて両端部が短絡
    環に固定された複数の導体棒と、導体棒が圧入されると
    ともに軸に対してすきまを有するように軸の周囲に配置
    されて2つの支持面の間に挾まれた複数の磁性板とを備
    えている高周波モータ用ロータ。
  2. 【請求項2】請求項1の高周波モータ用ロータを製造す
    る方法であって、 軸に第1の支持面を有する環状の部分を設け、複数の導
    体棒の第1の端部を取付けた第1の短絡環を軸との間に
    すきまを有するように第1の支持面に固定して、導体棒
    の第1の端部を第1の短絡環に固定し、複数の磁性板を
    導体棒が圧入されるとともに軸との間にすきまを有する
    ように軸の周囲にはめ、第2の短絡環を導体棒の第2の
    端部に固定し、第2の支持面を有する環状の部材を軸に
    固定して、第2の短絡環を軸との間にすきまを有するよ
    うに第2の支持面に固定する高周波モータ用ロータの製
    造方法。
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