JP3596688B2 - 整流子型回転電機の電機子 - Google Patents

整流子型回転電機の電機子 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は整流子型回転電機の電機子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の整流子型回転電機の電機子は、回転軸から電気絶縁されて回転軸の周囲にそれぞれ周方向へ並べられた複数の整流子片を有している。
特開昭63ー194541号公報は、回転軸に嵌められたモ−ルド樹脂筒(絶縁材)の表面部に軸方向外に伸びるブラシ接触部を部分的に埋め込み、かつモ−ルド樹脂筒の内部に周方向に傾斜しつつ軸方向へ延伸する内側導体を埋め込み、ブラシ接触部の一端から径方向へ外側ライザ部へ延伸させ、この外側ライザ部と電機子鉄心との間にてこれら両者から電気絶縁しつつ前記内側導体の一端から径方向に内側ライザ部を延伸させてなる整流子片を開示している。このようにすれば、コイルエンドを省略することができる。
【0003】
また、整流子片を径方向に放射状に配列したサーフェイス型整流子も知られている。サーフェイス型整流子では、整流子片を上記モ−ルド樹脂筒の外周部に担持しなくてもよいので、高速回転において有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動車用のスタータなどに用いられる整流子式小型直流電動機では、特に小型軽量化が要求され、内部に減速機構を採用し電動機を高速化する手段が採用されている。そのため、より高速回転に耐えるためには、回転子である電機子の耐遠心強度が高くなければならない。
【0005】
特に、その外周部において整流子片を担持するモ−ルド樹脂筒は整流子片をその遠心力に抗して保持しなければならず、さらに整流子片の抵抗発熱及びブラシによる摩擦熱の影響を受けるので、大きな熱的、機械的負荷が掛かる。
サーフェイス型整流子では、コイルを必要ピッチ湾曲するために電機子鉄心の端面からコイルのコイルエンド収容空間を介してこのサーフェイス型整流子を配設し、更にその外側にブラシを横置きせねばならず、モータの軸方向長及び体格、重量が増大するという問題がある。また、コイルエンドに掛かる遠心力によりモータの高速回転が制限されるという問題がある。
【0006】
一方、上記公報の整流子片は、径大なライザ部を有するので、半径に比例する整流子片の遠心力が従来より格段に増大し、それを担持するモ−ルド樹脂筒の負担が大きく、モータを高速回転することができないという問題を内包する。また、モ−ルド樹脂筒中に整流子片すなわちブラシ接触部及び内側導体の両方を径方向に二段に担持せねばならず、モ−ルド樹脂筒の負担は従来の場合より一層過酷となっている。また、ブラシとの摩擦によりブラシ接触部で発した摩擦熱を両ライザ部まで伝達する必要があるので、ブラシ接触部や内側軸方向導体部を支持するモ−ルド樹脂筒はかなり高温となってしまう。更に、内側導体を周方向に斜設せねばならないので、モ−ルド樹脂筒の軸方向長を短縮できない不具合がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、従来より格段に高速回転、小型軽量化が可能な整流子構造を有する整流子型回転電機の電機子を提供することをその目的としている。
また、本発明者らは、上記問題点に鑑み、電機子鉄心の外周部に延設された上側導体部と前記上側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された外側導体部とを有するとともに前記外側導体部の軸方向の外端面がブラシ摺動面をなす外側電機子コイルと、前記上側導体部の内側に延設された下側導体部と前記下側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された内側導体部とを有するとともに内側導体部の径方向内端部が前記外側導体部の径方向内端部に電気的に接続される内側電機子コイルと、電気絶縁性を有するとともに前記電機子鉄心と前記内側導体部との間に介設された輪板状の内側絶縁体と、電気絶縁性を有するとともに前記内側導体部と前記外側導体部との間に介設された輪板状の外側絶縁体とを備える整流子型回転電機の電機子を開発した。
【0008】
この電機子は、軸方向に膨れるコイルエンド部を省略できるとともに径内方向へ延設される外側電機子コイルの外側導体部がコンミテータを兼ねるので従来より格段に高速、高回転化を実現することができた。
しかしながら、この電機子では、電機子鉄心の端面に沿って径方向へ延設される電機子コイルの外側導体部及び内側導体部の固定、特にその径外方向又は周方向への変位防止が問題となった。また、組立時においてこれら両導体部の位置合わせ、すなわち正確な位置決めが必要となった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、電機子コイルの径外方向又は周方向への変位防止が可能な整流子型回転電機の電機子を提供することを他の目的とし、更に、組立時においてこれら両導体部の位置合わせすなわち正確な位置決めが容易な整流子型回転電機の電機子を提供することを更に他の目的としている。
【0010】
【問題を解決するための手段】
本発明の第1の構成の整流子型回転電機の電機子は、電機子鉄心の外周部に延設された上側導体部と前記上側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された外側導体部とを有するとともに前記外側導体部の軸方向の外端面がブラシ摺動面をなす外側電機子コイルと、前記上側導体部の内側に延設された下側導体部と前記下側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された内側導体部とを有するとともに内側導体部の径方向内端部が前記外側導体部の径方向内端部に電気的に接続される内側電機子コイルと、電気絶縁性を有するとともに前記電機子鉄心と前記内側導体部との間に介設された輪板状の内側絶縁体と、電気絶縁性を有するとともに前記内側導体部と前記外側導体部との間に介設された輪板状の外側絶縁体とを備える整流子型回転電機の電機子(以下、上記構成の電機子を整流子兼用電機子コイル型電機子ともいう)であって、
前記内側導体部又は外側導体部が、隣接する前記内側絶縁体又は前記外側絶縁体の嵌合部に嵌合して周方向又は遠心方向の相対変位を規制する嵌合部を有することを特徴としている。
【0011】
本発明の第2の構成は、上記第1の構成において更に、前記嵌合部が、軸方向に形成された穴部又は突部からなることを特徴としている。
本発明の第3の構成は、上記第1又は第2の構成において更に、前記内側導体部又は外側導体部は、隣接する前記内側絶縁体又は前記外側絶縁体の嵌合部に嵌合して周方向及び遠心方向の相対変位を規制する嵌合部を有することを特徴としている。
【0012】
本発明の第4の構成の整流子型回転電機の電機子は、上記整流子兼用電機子コイル型電機子であって、
前記内側導体部の前記径方向内端部は、前記外側導体部の前記径方向内端部へ向けて軸方向に延設される軸方向延設部を有し、前記外側絶縁体の径方向内端部は、互いに周方向に隣接する前記軸方向延設部の間に嵌入される径内方向突部を有することを特徴としている。
【0013】
本発明の第5の構成の整流子型回転電機の電機子は、上記第1及び第4の構成の特徴を両方とも有する上記整流子兼用電機子コイル型電機子であって、特に嵌合部が外側導体部と外側絶縁体との間に周方向の相対変位規制のために設けられる。
本発明の第6の構成の整流子型回転電機の電機子は、上記整流子兼用電機子コイル型電機子であって、前記外側導体部の前記径方向内端部により構成されるとともに軸方向反電機子鉄心側へ延設される上側軸方向延設部と、前記内側導体部の前記径方向内端部により構成されるとともに前記上側軸方向延設部に密接しつつ軸方向反電機子鉄心側へ延設される下側軸方向延設部と、前記回転軸に嵌着されるとともに前記両軸方向延設部を係止するカラーとを備えることを特徴としている。
【0014】
本発明の第7の構成は、上記第6の構成において更に、前記カラーが、内面に絶縁樹脂部を有する金属リングからなることを特徴としている。
本発明の第8の構成は、上記第6の構成において更に、前記カラーが、前記両軸方向延設部の対がそれぞれ圧入される穴部を有する樹脂筒部を有することを特徴としている。
【0015】
本発明の第9の構成は、上記第1乃至第6のいずれかの構成において更に、前記上側導体部の両端から個別に延設されるとともに径方向内端の半径が互いに異なる一対の前記外側導体部、並びに、前記下側導体部の両端から個別に延設されるとともに径方向内端の半径が互いに異なる一対の前記内側導体部を有し、
ブラシ側に配設される前記外側導体部及び内側導体部のそれぞれ径方向内端部は、軸方向反電機子鉄心側へ延設されるとともに筒状のカラーにより回転軸に係止される上側軸方向延設部及び下側軸方向延設部を有し、
反ブラシ側に配設され前記外側導体部及び内側導体部の径方向内端部は、前記ブラシ側の前記外側導体部及び内側導体部の径方向内端部より短小に形成されるとともにカラーを用いずに互いに接合されるものであることを特徴としている。
【0016】
【作用及び発明の効果】
まず、本発明の上記各構成に共通する作用効果を説明する。
本発明によれば、従来、軸方向に膨出していたコイルエンドを省略できるとともに、外側導体部が整流子片を兼ねる。
この結果、一端支持構造のために径外方向へ変位し易いという問題をもつ従来のコイルエンドが省略できるために、高速回転が制約されることがなく、かつモータの軸方向長及び体格、重量を縮小できる。また、従来のようにモ−ルド樹脂筒の外周表面部により整流子片を支持する必要はなく、モ−ルド樹脂筒自体が不要となるので、従来のモ−ルド樹脂筒の熱的、機械的負荷により高速回転、高出力化が制約されることがなく、かつ、モ−ルド樹脂筒の省略分だけモータの軸方向長及び体格、重量を減少できる。
【0017】
なお、本発明でも、ブラシによる摩擦熱が外側導体部において発生するが、この外側導体部はその表面に沿って遠心方向に生起される空気流により良好に冷却されることができ、また大熱容量をもつ電機子鉄心に一時的に良好に吸収されるので、整流子がモータの耐熱温度を制約するということがない。
また、整流子片及び外側電機子コイルが一体化して形成できるので、両者間の接続に伴う抵抗増加がなく、組立も簡単となる。
【0018】
次に、本発明の各構成の個別の作用効果を説明する。
第1の構成では、内側導体部又は外側導体部と、それらに隣接する内側絶縁体又は外側絶縁体とが互いに嵌合して周方向又は遠心方向の相対変位を規制する一対の嵌合部を有するので、回転時において内側導体部又は外側導体部の周方向又は遠心方向の相対変位を規制することができ、これら両導体部を従来の整流子のように樹脂モールドする必要もない。また、内側導体部と外側導体部との正確な位置合わせ(位置決め)が容易に実現するので、組立も簡単となる。
【0019】
なお、回転時には内側導体部又は外側導体部には径外方向(遠心方向)へ変位しようとする強い遠心力が働くが、本発明によればこれを確実に阻止することができる。
本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成において更に、嵌合部が軸方向に形成された穴部又は突部からなるので、内側導体部及び外側導体部の径外方向及び周方向の相対変位の規制及び位置決めを簡単に実施することができる。
【0020】
本発明の第3の構成によれば、内側導体部及び外側導体部の径外方向及び周方向の相対変位の規制及び位置決めを簡単に実施することができる。
本発明の第4の構成によれば、周方向に隣接する内側導体部の軸方向延設部の間の隙間に外側導体部の径方向内端部の径内方向突部が嵌入されるので、外側絶縁体の周方向の位置を内側導体部によって正確に規定することができるとともに、上記した周方向に隣接する両軸方向延設部の間の電気絶縁を確保することができる。
【0021】
なお、内側導体部により外側絶縁体の周方向位置を正確に規定することにより、外側絶縁体に上記嵌合部を設ける場合により外側導体部の周方向の位置決めができ、結局、外側絶縁体を介して内側導体部と外側導体部との周方向位置決めを正確に行うことができる。
本発明の第5の構成によれば、上記第1及び第4の構成の特徴を有する、上記整流子兼用電機子コイル型電機子である。このようにすれば、上述した如く、内側導体部と外側導体部との周方向の位置決めを簡単かつ正確に実施することができる。
【0022】
本発明の第6の構成によれば、内側導体部の径方向内端部の下側軸方向延設部と外側導体部の径方向内端部の上側軸方向延設部とが、カラーにより互いに密接しつつ回転軸に電気絶縁されつつ固着され、また、カラーとこれら両軸方向延設部とも電気絶縁されるので、内側導体部及び外側導体部を強固に固定できるとともに両者間の電気抵抗も低減することができる。
【0023】
本発明の第7の構成によれば、上記第6の構成において更に、カラーが、内面に絶縁樹脂部を有する金属リングからなるので、上記電気絶縁と耐遠心強度の向上とを両立することができる。
本発明の第8の構成によれば、カラーが、両軸方向延設部の対がそれぞれ圧入される穴部を有する樹脂筒部を有するので、内側導体部と外側導体部との低抵抗での電気接続の確保、組立の容易性、内側導体部と外側導体部の正確な位置決めを実現することができる。
【0024】
本発明の第9の構成によれば、上記第1乃至第6のいずれかの構成において更に、電機子鉄心の軸方向一方側の外側導体部及び内側導体部の径方向内端部は回転軸近傍まで径方向に延長された後、軸方向に曲げられて軸方向に延設されて、互いに重なる上側軸方向延設部及び下側軸方向延設部とされる。これら上側軸方向延設部及び下側軸方向延設部は、回転軸に嵌着されたカラーと回転軸との間に挿し込まれ、カラーはこれら軸方向延設部を係止する。これは上記第6の構成と同じである。
【0025】
本構成の特徴は、上記軸方向延設部及びカラーのセットを、電機子鉄心の整流子側にだけ設け、反整流子側は外側導体部及び内側導体部を短小として、それらに掛かる遠心力を軽減する。
このようにすれば、部品点数及び重量を削減することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
図3は本発明の一実施例を示す整流子型回転電機の軸方向断面図であり、図1はその整流子部分の拡大軸方向断面図である。
回転軸10のほぼ中央部には円盤状の鋼板15を複数積層して形成した電機子鉄心11が嵌装されており、電機子鉄心11の外周面には複数のスロット13が形成され、その内部には、本発明でいう上側導体部をなすコイル20e、本発明でいう下側導体部をなすコイル21eが上下二段に嵌装されている。このコイル20eは外側電機子コイル20の一部を構成し、コイル21eは内側電機子コイル21の一部を構成している。
【0027】
電機子コア11の右端面には後述の整流子部40が形成され、また.左端面には後述の反整流子部90が形成されて電動機の電機子(回転子)を構成している。回転軸10の両端は、電動機のエンドフレ−ム60に取り付けた軸受け61と図示しない部材に取り付けた軸受け62とにより軸支され、エンドフレ−ム60は、円筒鋼板からなるヨーク70の開口を遮蔽している。ヨーク70の内周面には界磁コイル50が嵌装された磁極コア51が電機子鉄心11の周囲に近接して4個、互いに周方向に90°離れて固定されており、これらヨーク70、界磁コイル50及び励磁コア51が固定子を構成している。なお、12は回転軸10上に設けられたギヤで、図示されない減速機構部(例えば遊星歯車減速機構)のギヤと噛み合い、そして、回転軸10の回転を前記図示されないギヤに伝える。
【0028】
エンドフレ−ム60にはブラシホルダ80が固定されており、その内側にはブラシ81が軸方向摺動自在に保持されている。そして、ブラシホルダ80内に設けられたスプリング82によってブラシ81は後述する整流子部40の第一のコイル保持部20bに押接されている。
次に、整流子部40、反整流子部90、コイル20e及びコイル21eをさらに詳細に説明する。
【0029】
電機子鉄心11の右端面には、本発明でいう内側絶縁体をなす円環状絶縁体21aを挟んで本発明でいう内側導体部(ブラシ側)をなす第三のコイル保持部21bが配置され、その表面に、本発明でいう外側絶縁体をなす円環状絶縁体20aを挟んで本発明でいう外側導体部(ブラシ側)をなす第一のコイル保持部20bが配置されている。また同様に、電機子鉄心11の左端面には、本発明でいう内側絶縁体をなす円環状絶縁体21cを挟んで本発明でいう内側導体部(反ブラシ側)をなす第四のコイル保持部21dが配置され、その表面に、本発明でいう外側絶縁体をなす円環状絶縁体20cを挟んで本発明でいう外側導体部(反ブラシ側)をなす第二のコイル保持部20dが配置されている。
【0030】
円環状絶縁体21a、第三のコイル保持部21b、円環状絶縁体20a及び第一のコイル保持部20bは、整流子部(ブラシ側)40を構成しており、円環状絶縁体21c、第四のコイル保持部21d、円環状絶縁体20c及び第二のコイル保持部20dは、反整流子部(反ブラシ側)90を構成している。
コイル20eと第一のコイル保持部20bと第二のコイル保持部20dとが銅等の材料でプレス等により一体成形されて外側電機子コイル20をなしている。
【0031】
また、コイル21eと第三のコイル保持部21bと第四のコイル保持部21dとが銅等の材料でプレス等により一体成形されて内側電機子コイル21をなしている。
円環状絶縁体20aを、図2を参照して説明する。
この円環状絶縁体20aは厚さ約1〜2mmのエポキシ樹脂含浸ガラス繊維板からなり、径方向中央部に位置し、かつ、第一のコイル保持部20bの周方向ピッチに合わせて穴(貫通孔、本発明でいう嵌合部)20Lが形成されている。また、その内周端には第一のコイル保持部20bの周方向ピッチに合わせて径内方向突部20Mが求心方向へ突設されている。同様に、円環状絶縁体20cも、穴(貫通孔)20L及び径内方向突部20Mを有している。
【0032】
一方、図1に示すように、第一のコイル保持部20b及び第二のコイル保持部20dには、隣接する円環状絶縁体20a、20cの穴20Lに嵌入する突起(本発明でいう嵌合部)20kが電機子鉄心11へ向けて軸方向に形成されている。
図4に、整流子側のコイル保持部20b、21b周辺部分の配置状態を示す。(b)はその軸方向前方矢視の正面図、(a)は部分拡大平面図である。
【0033】
コイル保持部20bと21bとの間、及び、コイル保持部21bと電機子鉄心11との間には上記の如く円環状絶縁体20a、21aが各々挟まれている。この時、コイル保持部20bに形成された突起20kが円環状絶縁体20aの穴20Lに嵌入されている。また、コイル保持部21bの内径端部に形成されるとともに電機子鉄心11に対し逆方向へ突出した突出部21gが円環状絶縁体20aの内径に形成された径内方向突部20Mに嵌合している。円環状絶縁体20aに形成された穴20Lと径内方向突部20Mはコイル保持部20bと21bが所定のコイルピッチで接続される位置関係に設定されているので、上記各コイル保持部の径方向内端部は組立て後、接続部20gと21gの部位にて位置合わせされて密接される。
【0034】
組立て後、周方向に隣接する各コイル保持部20bの間の隙間20tは、正面より見て湾曲長溝状の形状を有しており、電機子回転時に遠心空気流を発生するファンの役割を果たす。
反整流子側のコイル保持部20d、21d及び円環状絶縁体20c、21cは、整流子側のコイル保持部20b、21b及び環状絶縁体20a、21aと同じ形状、配置を有し、反整流子部90における空間20tに相当する空間も同様に電機子回転時に遠心空気流を発生するファンの役割を果たす。
【0035】
更に、図1、図3に示すように、コイル保持部20b、21b、20d、21dの内径端部には、電機子鉄心11とは逆方向に突出した突出部(本発明でいう軸方向延設部)20g、21g、20h、21hが設けられている。すなわち、20bから20gが、21bから21gが、20dから20hが、21dから21hが軸方向へ突出している。
【0036】
突出部20gの外周部には、回転軸10に固着されたカラー30が絶縁部材32を介して当接している。同様に、突出部20hの外周部には回転軸10に固着されたカラー31が絶縁部材33を介して当接している。
カラー30は鋼の冷間鍛造あるいは鋼板のプレス加工等によるコイル保持部固定部材であって、図1に示すように、回転軸10に嵌着される内筒部30aと、円筒部30aの基端部から外径方向へ伸びる輪板部30cとからなっている。カラー31もカラー30と同じ構造となっている。
【0037】
絶縁部材32は、コイル保持部20bの端面内径近傍と突出部20g、21gとをカラー30から電気的に絶縁する形状となっている。また、絶縁部材33も絶縁部材32と同じ形状となっている。
次に、本実施例のコイルの組付方法を述べる。電機子鉄心11の両側にて、円環状絶縁体21a、21cが回転軸に嵌着、固定されている。まず、スロット13内へ下層絶縁シートを挿入し、次に導体21eを挿入する。そしてコイル(本明細書では導体ともいう)21eの両側のコイル保持部21b、21dの突出部21g、21hに円環状絶縁体20a、20cの径内方向突部20Mが嵌合するように円環状絶縁体20a、20cをコイル保持部21b、21dの表面に沿って装着する。
【0038】
次に、コイル(導体)21e上に上層絶縁シートを挿入してからコイル(導体)20eをスロット13内へ挿入する。この時、コイル保持部20b、20dの突起20kを円環状絶縁体20a、20cの穴20Lに嵌入させる。
全スロット13に両導体20e、21eの挿入が完了した後、突出部20gと21gとを溶接等の方法で接続し、突出部20hと21hとを溶接等の方法で接続する。
【0039】
接続完了後、図1中、回転軸10の左右方向より絶縁部材32、33を介してカラー30、31を圧入し、電機子鉄心11の両側に位置するコイル保持部20b、20d、21b、21dと円環状絶縁体20a、20c、21a、21cを鉄心側へ押圧しつつ強固に固定する。
カラー30、31の組付後、外側電機子コイル20の軸方向突出部20g、20hの外周には各々カラー30、31が嵌着されるとともに、上記各コイル保持部の内周側端面を押圧固定される。これにより、これら各コイル保持部の遠心力による径方向の浮上がりが防止される。
【0040】
図5に本実施例のコイル(導体)20e、21eとコイル保持部20b、21b、20d、21dとの電気的結線図の一例を示す。
図5において実線部が外側電機子コイル20、破線部が内側電機子コイル21を表わす。実施例は一重波巻結線としたが、もちろん重ね巻きなど他の種々の巻線形式に対しても本考案は適用可能である。ここで、Ybは反整流子部90側で接続される上側導体のコイルと下側導体のコイル間のピッチからなるバックピッチである。Yfは整流子部40側で接続される上側導体のコイルと下側導体のコイル間のピッチからなるフロントピッチである。
【0041】
図5に示すように、従来のモータではコイルのコイルエンドにて行ったきたコイルのスロット内導体間の接続配線は、上述した実施例で内側電機子コイル21の第三のコイル保持部21b及び外側電機子コイル20の第一のコイル保持部20bの略渦巻き状の湾曲により代替される。もちろん、図6に示すように両者の渦巻き方向は反対となる。さらに説明すれば、両径方向内端が互いに接続された第一のコイル保持部20b及び第三のコイル保持部21bの各外端は1フロントピッチだけ周方向にシフトすることになる。そのため、この実施例では、第三のコイル保持部21b及び第一のコイル保持部20bは、それぞれ略1/2フロントピッチだけ湾曲するものとするが、湾曲又は屈折形状は設計自由であり、第一のコイル保持部20bを放射状に配置し、第三のコイル保持部21bを大きく湾曲させてもよい。
【0042】
以上の説明から明らかなように、本実施例によればコイルのコイルエンドが内側電機子コイル21の第三のコイル保持部21bに変換されたと考えられるので、電機子の軸方向長さを短縮し、モータ体格、重量を小型軽量化することができる。また、円環状絶縁体21a、20aと第三のコイル保持部21b、第一のコイル保持部20bとの接触界面に対して遠心力が平行方向に働くので、整流子部40の耐遠心力性能の向上が図れる。また、ブラシ81との摺接面積も体格増大を図ることなく実現することができる。更に、第一のコイル保持部20bで発生する抵抗熱及び摩擦熱は必然的に生じる遠心空気流により良好に冷却され、かつ、大熱容量の電機子鉄心11に固体伝熱を通じて良好に吸収され、全閉型のスタータ用の電動機に適している。特に、減速機構を採用して、小型、高速化する場合にはその効果は絶大である。
【0043】
本発明者らの試験結果によれば、1.4KW、30秒定格の電動機でかつブラシの摺接面積と同じとして従来品と比較テストを行った結果、従来品では電機子コアと整流子部との温度差が50℃であったものが、本発明品では15℃となった。
更に、外側電機子コイル20はコイル20eと第一のコイル保持部20bと第二のコイル保持部20dとで一体設計されているため、第一のコイル保持部20bと第二のコイル保持部20dとコイル20eとの間の各接触抵抗が省略でき、回転電機の性能向上(高速回転化)が可能となるとともに、電機子鉄心11への組付け性も大幅に向上する。
【0044】
加えて、本実施例によれば、回転軸10を除く全部品が生産性の高いプレス・冷間鍛造にて生産可能となる。また電機子全体の加工もプレスと溶接のみとなる。特に従来多大な加工時間を要していた。整流子片間のアンダカット形成のための切削が本実施例ではコイル20の組付けにて同時にアンダカット部が形成されるため省略出来る。
【0045】
また、手間のかかる従来の整流子のモ−ルド成形も、本実施例では、コイル保持部20b、20dをカラー30、31により絶縁材32、33を介して回転軸の左右方向より嵌入しつつ鉄心11へ向けて強固に押圧、圧縮することで省略することができる。
また、従来の電機子ではコイルを電機子鉄心のスロットへ係止する必要が有り、スロット内へ樹脂を含浸させる等の処理が必要であったが、本実施例ではコイル20、21は突出部20g、21g、20h、21hにカラー30、31を係止するという極めて簡単な方法にてコイルが強固に電機子鉄心に係止でき、上記樹脂含浸を省略することができる。
【0046】
また、本実施例によれば、円環状絶縁体20aの穴20Lとコイル保持部20bとの嵌合により、機械的に高強度を有する円環状絶縁体20aにより各コイル保持部20bの相対振動や相対変位(例えば周方向又は遠心方向)を抑止することができ、また、円環状絶縁体20aが穴20Lと径内方向突部20Mをもつので、組立時のコイル保持部20b、21bの周方向位置ずれも解消することができる。
【0047】
以上のように、本実施例の製造工程は従来に比して著しく容易であり、また小型化、高速大出力化を実現することができる。
更に、本実施例のコイルおよび整流子係止部の耐熱性は、係止部が上記のようにカラー30、31であり、30、31は金属部材であるので、従来のスロット内樹脂含浸によるコイル係止、コンミテータのモ−ルド樹脂による整流子係止のような係止部材が樹脂である係止法に比較して高温時の強度低下が小さく、上述の冷却性の良さと相まって、耐熱性・耐遠心強度は著しく向上する。
【0048】
次に、この整流子型回転電機をギヤ12に減速機構が噛み合う減速機付スタータに適用する場合を例として説明する。
減速機スタータの電機子は通常数万rpmと極めて高速回転するため、電機子の回転アンバランスを極めて小さいものに抑え調芯する必要があり、従来の電機子では電機子鉄心スロット内含浸樹脂の各スロット毎の含浸量のバラツキおよび整流子のモ−ルド樹脂の偏肉により回転アンバランスが大となるため電機子組付完了後、鉄心外周部を一部除去するまたは重錘を付加する等の回転バランス取り作業が不可欠であったが、本実施例ではスロット内の樹脂含浸、整流子のモ−ルドは不要であり、従って電機子バランス作業は省略可能である。
【0049】
環状絶縁体20a、21a、20c、21cは上記の他、樹脂積層板等の適度な強度を有する絶縁物をプレス加工して形成されるが、モ−ルド樹脂材でも良い。この場合フェノール樹脂等の絶縁性、強度に優れた樹脂材を採用することができる。
さらに上述の実施例では、カラー30、31を金属例えば鉄等としたため、絶縁部材32、33を配したが、カラー30、31に絶縁皮膜を付加したり、カラー30、31を絶縁材料で形成したり、突出部20g、21gを絶縁処理するなどにより導体20g、21gとカラー30との間の絶縁を確保したりしてもよい。この場合には、絶縁部材32、33は省略しても良い。
【0050】
上述実施例では、電機子鉄心11のスロット13は外径側が開放されたオープンスロット形状を示したが、スロット13の外径側開放部を導体20、21の挿入後に予めスロット外径側開放部周囲に設けた爪部を倒す等としてクローズドスロット、セミクローズドスロットとする事も可能である。この場合、コイル部20e、21eがスロット13の外縁部例えば爪倒し部に係止されるため、電機子の耐遠心力性能は更に向上する。
【0051】
図7に、このセミクローズドスロットの一実施例を示す。図7中、2点鎖線で示したものが組付前状態であり、組付後、爪部13aをスロット側へ倒すことにより、セミクローズドスロットが形成される。
組付時にコイルの保持部20bと20dを軸方向に押圧すると、コイル部20e、21eがたわみを生じる可能性があるが、押圧時に導体20eを径内方向へ同時に押圧すれば、上記たわみは防止し得る。
【0052】
上述した実施例では、外側電機子コイル20、内側電機子コイル21は共に銅板プレス品で形成されており製作コスト上極めて有利な構成となっている。
図9は図8の外側電機子コイル20の曲げ加工前の展開状態図であり、帯状銅板より順送抜き等で形成した外側電機子コイル20(内側電機子コイル21も同じ)を20i、20j、20k、20lを折線として曲げてある。
【0053】
また、他の製作方法として銅等の材料で冷間鍛造により一体成形することもでき、この様にするとコイルの精度が向上し組付性向上に効果がある。
また、両導体20、21の他の形成法として、導体の各部を部体に形成後に組み合わせて一体的に接合する事も可能である。
図10において、外側電機子コイル20を例にこの接合方法を説明する。
【0054】
導体20の保持部20b、20dとコイル部20eを各々別体として、銅板のプレス加工にて製作する。保持部20b、20dの外周部には20eの駆動軸方向断面形状と対応した貫通孔または凹部20p、20qが設けられている。貫通孔または凹部20p、20qにコイル部20eの先端部を係合、一体化することで外側電機子コイル20が形成される。この係合、一体化は20eを20p、20qに対し、圧入、溶接かしめ、またはこれらを適宜組み合わせた接合方法によってなされる。なお、図10では20eの両端部をテーパ形状としたが、くさび状、段付形状、あるいはストレート形状としても良い。
【0055】
上記実施例では巻線界磁式の直流電動機について説明しているが、本発明はこれに限らず永久磁石により界磁磁界を発生する磁石界磁式直流電動機、さらには他の交流式整流子電動機にも適用し得ることは明らかである。
他の実施例を図11を参照して説明する。
この実施例は、図1のカラー30をガラス繊維混入の高強度樹脂成形品からなる円筒体(図12、図13参照)としたものであり、カラー30は、径小筒部30Tと、径大筒部30Sとを有し、両者の境界に径方向の段差面30Kをもつ。
【0056】
径小筒部30Tは回転軸10に嵌着され、径小筒部30Tの外周面は突出部21gの径内方向の表面に密接している。段差面30Kから径大筒部30S内へ軸方向反電機子鉄心側へ所定数のテーパ穴30hが凹設されており、各テーパ穴30hに各対の突出部20g、21gが一対づつ圧入されている。なお、各テーパ穴30hは、底面に向けて狭くなるようにテーパーが形成されており、所定の押圧力で各対の突出部20g、21gを圧入するものとする。
【0057】
このようにすれば、この圧入反力により、各突出部20g、21gは極めて強固に接触し、溶接しなくても充分に接触抵抗を低減することができる。また、このカラー30は実施例1と同様にコイル保持部20b、21bの変位、振動を抑止することができる。
なお、図12のカラー30の樹脂成型時に、その内部に金属円筒にインサート成型などにより埋め込んだり、又はカラー30の外側に金属円筒を嵌め込んで耐遠心力を向上することもできる。
【0058】
他の実施例を図14を参照して説明する。
この実施例では、反ブラシ側の第四のコイル保持部21d(内側導体部)と第二のコイル保持部20d(外側導体部)とを、ブラシ側の第三のコイル保持部21b(内側導体部)と第一のコイル保持部20b(外側導体部)とより径方向に短小化するとともに、こちら側のカラー31及び絶縁部材33(図3参照)を省略したものである。
【0059】
すなわち、第二のコイル保持部20d(外側導体部)はブラシ摺接面を構成する必要がないので、その径方向寸法は周方向所定角度偏角可能な最小寸法とすることができ、その分だけ、第四のコイル保持部21d(内側導体部)と第二のコイル保持部20d(外側導体部)とに掛かる遠心力を軽減できる他、部品点数及び組立の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す整流子型回転電機の要部拡大軸方向断面図である。
【図2】図1の絶縁板20aの正面図である。
【図3】図1の整流子型回転電機の全体軸方向断面図である。
【図4】(a)は(b)の要部拡大軸方向平面図である。(b)は図1の整流子側のコイルの軸方向矢視正面図である。
【図5】図1の内側電機子コイルと外側電機子コイルの一部配線図である。
【図6】図1の内側電機子コイルおよび外側電機子コイルの配置状態を示す模式斜視図である。
【図7】コイル20a、21aをスロットに挿入する一方法を示す模式図である。
【図8】他の実施例を示す内側電機子コイルおよび外側電機子コイルの配置状態を示す模式斜視図である。
【図9】図8の外側電機子コイルの展開図である。
【図10】他の実施例を示す内側電機子コイルおよび外側電機子コイルの配置状態を示す模式斜視図である。
【図11】他の実施例の要部拡大軸方向断面図である。
【図12】図11のカラー30の正面図である。
【図13】図11のカラー30の斜視図である。
【図14】他の実施例の整流子型回転電機の全体軸方向断面図である。
【符号の説明】
10は回転軸、11は電機子鉄心、21は内側電機子コイル、20eはコイルの導体(コイル部)、20bは第三のコイル保持部、20dは第四のコイル保持部、20は外側電機子コイル、21eはコイルの導体(コイル部)、21bは第一のコイル保持部、21dは第二のコイル保持部、20a、21a、20c、21cは円環状絶縁体、30、31はカラー、20kは突起、20Lは穴、20Mは径内方向突部。

Claims (9)

  1. 電機子鉄心の外周部に延設された上側導体部と前記上側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された外側導体部とを有するとともに前記外側導体部の軸方向の外端面がブラシ摺動面をなす外側電機子コイルと、
    前記上側導体部の内側に延設された下側導体部と前記下側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された内側導体部とを有するとともに内側導体部の径方向内端部が前記外側導体部の径方向内端部に電気的に接続される内側電機子コイルと、
    電気絶縁性を有するとともに前記電機子鉄心と前記内側導体部との間に介設された輪板状の内側絶縁体と、
    電気絶縁性を有するとともに前記内側導体部と前記外側導体部との間に介設された輪板状の外側絶縁体とを備え、
    前記内側導体部又は外側導体部は、隣接する前記内側絶縁体又は前記外側絶縁体の嵌合部に嵌合して周方向又は遠心方向の相対変位を規制する嵌合部を有することを特徴とする整流子型回転電機の電機子。
  2. 前記嵌合部は、軸方向に形成された穴部又は突部からなる請求項1記載の整流子型回転電機の電機子。
  3. 前記内側導体部又は外側導体部は、隣接する前記内側絶縁体又は前記外側絶縁体の嵌合部に嵌合して周方向及び遠心方向の相対変位を規制する嵌合部を有する請求項1又は2記載の整流子型回転電機の電機子。
  4. 電機子鉄心の外周部に延設された上側導体部と前記上側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された外側導体部とを有するとともに前記外側導体部の軸方向の外端面がブラシ摺動面をなす外側電機子コイルと、
    前記上側導体部の内側に延設された下側導体部と前記下側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された内側導体部とを有するとともに内側導体部の径方向内端部が前記外側導体部の径方向内端部に電気的に接続される内側電機子コイルと、
    電気絶縁性を有するとともに前記電機子鉄心と前記内側導体部との間に介設された輪板状の内側絶縁体と、
    電気絶縁性を有するとともに前記内側導体部と前記外側導体部との間に介設された輪板状の外側絶縁体とを備え、
    前記内側導体部の前記径方向内端部は、前記外側導体部の前記径方向内端部へ向けて軸方向に延設される軸方向延設部を有し、
    前記外側絶縁体の径方向内端部は、互いに周方向に隣接する前記軸方向延設部の間に嵌入される径内方向突部を有することを特徴とする整流子型回転電機の電機子。
  5. 電機子鉄心の外周部に延設された上側導体部と前記上側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された外側導体部とを有するとともに前記外側導体部の軸方向の外端面がブラシ摺動面をなす外側電機子コイルと、
    前記上側導体部の内側に延設された下側導体部と前記下側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された内側導体部とを有するとともに内側導体部の径方向内端部が前記外側導体部の径方向内端部に電気的に接続される内側電機子コイルと、
    電気絶縁性を有するとともに前記電機子鉄心と前記内側導体部との間に介設された輪板状の内側絶縁体と、
    電気絶縁性を有するとともに前記内側導体部と前記外側導体部との間に介設された輪板状の外側絶縁体とを備え、
    前記外側導体部は、隣接する前記外側絶縁体の嵌合部に嵌合して周方向の相対変位を規制する嵌合部を有し、
    前記内側導体部の前記径方向内端部は、前記外側導体部の前記径方向内端部へ向けて軸方向に延設される軸方向延設部を有し、
    前記外側絶縁体の径方向内端部は、互いに周方向に隣接する前記軸方向延設部の間に嵌入される径内方向突部を有することを特徴とする整流子型回転電機の電機子。
  6. 電機子鉄心の外周部に延設された上側導体部と前記上側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された外側導体部とを有するとともに前記外側導体部の軸方向の外端面がブラシ摺動面をなす外側電機子コイルと、
    前記上側導体部の内側に延設された下側導体部と前記下側導体部の端部から前記電機子鉄心の端面に沿って径内方向へ延設された内側導体部とを有するとともに内側導体部の径方向内端部が前記外側導体部の径方向内端部に電気的に接続される内側電機子コイルと、
    電気絶縁性を有するとともに前記電機子鉄心と前記内側導体部との間に介設された輪板状の内側絶縁体と、
    電気絶縁性を有するとともに前記内側導体部と前記外側導体部との間に介設された輪板状の外側絶縁体と、
    前記外側導体部の前記径方向内端部により構成されるとともに軸方向反電機子鉄心側へ延設される上側軸方向延設部と、
    前記内側導体部の前記径方向内端部により構成されるとともに前記上側軸方向延設部に密接しつつ軸方向反電機子鉄心側へ延設される下側軸方向延設部と、
    前記回転軸に嵌着されるとともに前記両軸方向延設部を係止するカラーと、
    を備えることを特徴とする整流子型回転電機の電機子。
  7. 前記カラーは、内面に絶縁樹脂部を有する金属リングからなる請求項6記載の整流子型回転電機の電機子。
  8. 前記カラーは、前記両軸方向延設部の対がそれぞれ圧入される穴部を有する樹脂筒部を有する請求項6記載の整流子型回転電機の電機子。
  9. 前記上側導体部の両端から個別に延設されるとともに径方向内端の半径が互いに異なる一対の前記外側導体部、並びに、前記下側導体部の両端から個別に延設されるとともに径方向内端の半径が互いに異なる一対の前記内側導体部を有し、
    ブラシ側に配設される前記外側導体部及び内側導体部のそれぞれ径方向内端部は、軸方向反電機子鉄心側へ延設されるとともに筒状のカラーにより回転軸に係止される上側軸方向延設部及び下側軸方向延設部を有し、
    反ブラシ側に配設され前記外側導体部及び内側導体部の径方向内端部は、前記ブラシ側の前記外側導体部及び内側導体部の径方向内端部より短小に形成されるとともにカラーを用いずに互いに接合されるものである請求項1乃至6のいずれか記載の整流子型回転電機の電機子。
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