JP3156474B2 - 整流子型回転電機 - Google Patents

整流子型回転電機

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JP3156474B2 JP32282193A JP32282193A JP3156474B2 JP 3156474 B2 JP3156474 B2 JP 3156474B2 JP 32282193 A JP32282193 A JP 32282193A JP 32282193 A JP32282193 A JP 32282193A JP 3156474 B2 JP3156474 B2 JP 3156474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、整流子を有する整流
子型回転電機に関する
【0002】
【従来の技術】従来の整流子型回転電機の整流子は、回
転軸から電気絶縁されて回転軸の周囲にそれぞれ軸方向
へ並べられた複数の整流子片を有している。特開昭63
ー194541号公報は、回転軸に嵌められたモールド
樹脂筒(絶縁材)の表面部に軸方向外に伸びるブラシ接
触部を部分的に埋め込み、モールド樹脂筒の内部に周方
向に傾斜しつつ軸方向へ延伸する内側導体を埋め込み、
ブラシ接触部の一端から径方向へ外側ライザ部を延伸さ
せ、外側ライザ部と電機子鉄心との間にてこれら両者か
ら電気絶縁しつつ前記内側導体の一端から径方向に内側
ライザ部を延伸させてなる整流子片を開示している。こ
のようにすれば、コイルエンドを省略することができ
る。
【0003】また、整流子片を径方向に放射状に配列し
たサーフェイス型整流子も知られている。サーフェイス
型整流子では、整流子片を上記モールド樹脂筒の外周部
に担持しなくてもよいので、高速回転において有利であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
用のスタ−タなどに用いられる整流子式小型直流電動機
では、特に小型軽量大出力化が要求され、そのために各
部の温度上昇が著しい。特に、その外周部において整流
子片を担持するモールド樹脂筒は整流子片をその遠心力
に抗して保持しなければならず、更に整流子片の抵抗発
熱及びブラシによる摩擦熱の影響を受けるので、大きな
熱的、機械的負荷が掛かる。
【0005】サーフェイス型整流子では、電機子コイル
を必要ピッチ湾曲するために電機子鉄心の端面から電機
子コイルのコイルエンド収容空間を介してこのサーフェ
イス型整流子を配設し、更にその外側にブラシを横置き
せねばならず、モータの軸方向長及び体格、重量が増大
するという問題がある。また、コイルエンドに掛かる遠
心力によりモータの高速回転が制限されるという問題も
ある。
【0006】一方、上記公報の整流子片は、径大なライ
ザ部を有するので、半径の二乗に比例する整流子片の遠
心力が従来より格段に増大し、それを担持するモールド
樹脂筒の負担が大きく、モータを高速回転することがで
きないという重大な問題を内包する。また、モールド樹
脂筒中に整流子片すなわちブラシ接触部及び内側導体の
両方を径方向に二段に担持せねばならず、モールド樹脂
筒の負担は従来の場合より一層過酷となっている。ま
た、ブラシとの摩擦によりブラシ接触部で発した摩擦熱
を両ライザ部まで伝達する必要があるので、ブラシ接触
部や内側軸方向導体部を支持するモールド樹脂筒はかな
り高温となってしまう。更に、内側導体を周方向に斜設
せねばならないので、モールド樹脂筒の軸方向長を短縮
できない不具合がある。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、高速回転が可能で小型軽量化が可能な整流子型
回転電機を提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の整流子型回転電
機は、全体として電機子コイルを構成する多数の電機子
導体が収容される多数のスロットが外周部に形成された
電機子鉄心のブラシ側の端面に沿って延設されて整流子
片をなし、径方向外端が前記電機子導体の軸方向一端部
に接続され、軸方向外端面がブラシ摺接面をなす外側導
体と、前記電機子鉄心の前記端面と前記外側導体との間
に前記端面に沿って延設され、径方向外端が前記電機子
導体の軸方向一端部に接続される内側導体と、前記内側
導体の径方向内端と前記外側導体の径方向内端とを接続
する内側接続部と、前記内側導体を前記電機子鉄心及び
前記外側導体から電気絶縁する絶縁体と、を備え、径方
向内端が同じ内側接続部を通じて互いに接続された前記
内側導体及び外側導体の両径方向外端は、互いに所定ス
ロットピッチ離れて形成されていることを特徴としてい
る。
【0009】好適な態様において、前記絶縁体は、前記
電機子鉄心のブラシ側の端面と前記内側導体との間に挟
設される電気絶縁性の絶縁シートと、前記内側導体と前
記外側導体との間に挟設される電気絶縁性の絶縁シート
とを有する
【0010】好適な態様において、回転軸に係止されて
前記両導体及び絶縁体を前記電機子鉄心に挟圧、固定す
る挟圧部を備える。好適な態様において、前記内端接続
部は、前記内側導体の径方向内端から軸方向に突設され
て前記外側導体の径方向内端に接する。もちろん、内端
接続部を外側導体の内側から内側導体の内側へと延設し
てもよく、内端接続部を内側導体及び外側導体と別体と
してもよい。
【0011】
【作用及び発明の効果】本発明の整流子型回転電機にお
いて、外側導体は、電機子鉄心のブラシ側の端面に沿っ
て延設されて整流子片をなし、軸方向外端面がブラシ摺
接面をなす。内側導体は、電機子鉄心のブラシ側の端面
と外側導体との間にこの端面に沿って介設され、その径
方向内端は内端接続部により外側導体の径方向内端に接
続される。
【0012】外側導体及び内側導体は、絶縁体により互
いにかつ電機子鉄心から絶縁され、外側導体及び内側導
体の各径方向外端は電機子コイルに接続される。更に、
径方向内端が同じ内側接続部を通じて互いに接続された
前記内側導体及び外側導体の両径方向外端は、互いに所
定スロットピッチ離れて形成される。本発明によれば、
以下の作用効果を奏する。まず、コイルエンドを省略で
きるので、その耐遠心力により高速回転を制約されるこ
とがなく、かつモータの軸方向長及び体格、重量を縮小
できる。
【0013】その上、従来のようにモールド樹脂筒の表
面部により整流子片を担持する必要がなく、かつ、モー
ルド樹脂筒自体が不要となるので、従来のモールド樹脂
筒の熱的、機械的負荷により高速回転、高出力化が制約
されることがなく、かつ、モールド樹脂筒の省略分だけ
モータの軸方向長及び体格、重量を縮小できる。更にブ
ラシによる摩擦熱は外側導体において発生するが、この
外側導体はその表面に沿って遠心方向に生起される空気
流により良好に冷却されることができ、また大熱容量を
もつ電機子鉄心に一時的に良好に吸収されるので、整流
子がモータの耐熱温度を制約するということが無い。
【0014】上記作用効果により、本発明の整流子を有
する整流子型回転電機は、従来より格段に高速回転、小
型軽量化が可能となる。好適な態様において、それぞれ
の径方向内端が接続された各外側導体及び各内側導体の
径方向外端は、略極ピッチ隔てた電機子コイル片に電気
的に接続される。なお、極ピッチは、ブラシによって短
絡される電機子コイル片間のピッチを意味し、フロント
ピッチともいう。また、電機子コイル片は電機子鉄心の
スロットに収容されて両端が前後に突出する各電機子コ
イル片を少なくとも含む。
【0015】このようにすれば、従来、電機子コイルの
コイルエンドを利用して、周方向に必要ピッチ湾曲させ
て行ってきた1フロントピッチ隔てた各コイル間の接続
が極めて簡単に行うことができる。好適な態様におい
て、樹脂からなる上記絶縁体により内側導体及び外側導
体を電機子鉄心に固着される。
【0016】電機子鉄心の端面は広く、かつ空いている
ので、この部位に内側導体及び外側導体を樹脂にて固着
すれば強固に両導体を固定することができる。更に、両
導体の遠心力はこの固着面に対しせん断力としてかかる
ので、固定に有利となる。好適な態様において、回転軸
に係止されて前記両導体及び絶縁体を電機子鉄心に挟
圧、固定する挟圧部を備える。
【0017】このようにすれば、簡単かつ強力に整流子
を固定することができる。更に本発明では、軸方向に伸
びて内側導体の径方向内端と外側導体の径方向内端とを
接続する内端接続部を有するので、絶縁体を介して軸方
向に二段に配設された内側導体と外側導体とを低電気抵
抗で接続することができる。好適な態様において、内端
接続部は、内側導体の径方向内端から軸方向に突設され
て前記外側導体の径方向内端に接する。このようにすれ
ば、接触面はこの内端接続部と外側導体の内端との間だ
けとなり、接触抵抗を減らすことができる。
【0018】
【実施例】(実施例1)本発明を自動車用スタ−タの直
流電動機に適用した一例を図1〜図3に示す。図1はこ
のモータの軸方向断面図を示す。回転軸10のほぼ中央
部には円盤状の鋼板を複数積層して形成した電機子鉄心
11が嵌着されており、電機子鉄心11の外周面には複
数のスロット12が形成され、その内部には電機子コイ
ル2の電機子導体20、21が上下二段に巻装されてい
る。20は上側導体、21は下側導体とも呼ばれる。電
機子鉄心11の右端面には後述の整流子部4が形成され
て電動機の電機子(回転子)を構成している。回転軸1
0の両端は、電動機のエンドフレーム60に取り付けた
軸受61と他の図示しない部材に取り付けた軸受62に
より軸支され、エンドフレーム60は、円筒鋼板からな
るヨーク50の開口を遮蔽している。なお、13は回転
軸10上に設けられたギヤで、図示されない減速機構部
(例えば遊星歯車減速機構)のギヤと噛合い、回転軸1
0の回転を前記図示されないギヤに伝える。
【0019】ヨーク50の内周面には界磁コイル51が
巻装された磁極コア52が電機子鉄心11の周囲に近接
して4個、互いに周方向に90度離れて固定されてお
り、これらヨーク50、界磁コイル51及び磁極コア5
2が固定子を構成している。エンドフレーム60にはブ
ラシホルダ70が固定され、その内側にはブラシ71が
軸方向摺動自在に保持されている。そして、ブラシホル
ダ70内に設けられたスプリング72によってブラシ7
1は後述する整流子4の整流子片(外側導体)42に押
接されている。
【0020】なお、この実施例では巻線界磁式の直流電
動機について説明しているが、本発明はこれに限らず永
久磁石により界磁磁界を発生する磁石界磁式の直流電動
機、更には他の交流式整流子電動機にも適用し得ること
は明らかである。次に、整流子4及び電機子コイル2を
更に詳細に説明する。電機子鉄心11の右端面には樹脂
系絶縁材41aを挟んで内側導体41が固着され、更に
その表面に樹脂系絶縁材42aを挟んで外側導体42が
固着されている。樹脂系絶縁材41a、内側導体41、
樹脂系絶縁材42a及び外側導体42は整流子4を構成
しており、樹脂系絶縁材41a及び樹脂系絶縁材42a
は本発明でいう絶縁体を構成している。
【0021】内側導体41及び外側導体42は図1では
各一片のみ、断面図示されているが、それぞれ軸方向矢
視にて渦巻き状に配設されている。図2に外側導体42
の配置状態を示す。42bは隣接する外側導体42間の
条溝である。内側導体41及び外側導体42は、銅板を
打ち抜き加工して形成されているが他の製法にて製造す
ることもできる。
【0022】したがって、外側導体42は電機子鉄心1
1の右端面に沿って延設されて整流子片をなし、その軸
方向外端面がブラシ摺接面をなす。また、内側導体41
は電機子鉄心11と外側導体42との間を径方向外側へ
介設されている。そして、各外側導体42の径方向内端
と各内側導体41の径方向内端とがそれぞれ個別に電気
的に接続されている(この実施例では外側導体42及び
内側導体41の各径方向内端部は、互いに接近する方向
に打ち出しにより樹脂系絶縁材42aの厚さだけ接触突
起が形成されており、組立時に、これら接触突起を接触
させつつ両導体41、42を電機子鉄心11側へ押圧す
ることにより接触を確保している。
【0023】なお、この接触部を溶接、ろう付け、はん
だ付け等で接合してもよい。電機子鉄心11の各スロッ
ト12内には上側導体20と下側導体21とが上下一対
に挿入されており、各外側導体42の径方向外端は上側
導体20の端部に溶接され、各内側導体41の径方向外
端は下側導体21の端部に溶接されている。もちろん、
溶接の代わりに、ろう付け、はんだ付け、押圧接触など
を採用することもできる。これにより、一重波巻き巻線
が完成される。もちろん、重ね巻きなど他の種々の巻線
形式を採用できることは当然である。図3は、本発明の
電機子の電気的結線図を示しており、実線部が上側導体
20、破線部が下側導体21を表わしており、Ybは整
流4の反対側で接続される内側導体20の電機子コイル
片と下側導体21の電機子コイル片間のピッチからなる
バックピッチである。Yfは整流子4の側で接続される
上側導体20の電機子コイル片と下側導体21の電機子
コイル片間のピッチからなるフロントピッチである。
【0024】したがって、従来のモータでは電機子コイ
ルのコイルエンドにて行ってきた電機子コイル2のスロ
ット内導体間の接続配線は、この実施例では内側導体4
1及び外側導体42の略渦巻き状の湾曲により代替され
る。もちろん、図4に示すように両者の渦巻き方向は反
対となる。更に説明すれば、両径方向内端が互いに接続
された外側導体42及び内側導体41の各外端は1フロ
ントピッチだけ周方向にシフトすることになる。なおこ
の実施例では、内側導体41及び外側導体42は、それ
ぞれ略1/2フロントピッチだけ湾曲するものとする
が、湾曲又は屈折形状は設計自由であり、外側導体42
を放射状に配置し、内側導体41を大きく湾曲させても
よい。
【0025】上記した樹脂系絶縁材41a及び樹脂系絶
縁材42aはエポキシ系樹脂からなり、ここでは外側導
体42及び内側導体41とインサートモールド成形によ
り一体に形成された後、接着剤にて電機子鉄心11の右
端面に接着されているが、それぞれを別個の耐熱樹脂シ
ート材にて絶縁及び固着を行ってもよい。また上記イン
サートモールド成形において、インサートすることによ
り電機子鉄心11も一体成形することもできる。
【0026】以上の説明から明らかなように、本実施例
によれば電機子コイル2のコイルエンドが内側導体41
に変換されたと考えられるので、電機子の軸方向長さを
格段に短縮し、モータの体格、重量を小型軽量化するこ
とができる。また、樹脂系絶縁材41a,41bと両導
体41、42との接触界面に対して遠心力が平行方向に
働くので整流子4の耐遠心力性能の向上が図れる。ま
た、ブラシ71との摺接面積も体格増大を図ることなく
実現することができる。更に外側導体42で発生する抵
抗熱及び摩擦熱は必然的に生じる遠心空気流により良好
に冷却され、かつ、大熱容量の電機子鉄心11に固体伝
熱を通じて良好に吸収され、全閉型のスタ−タ用の電動
機に適している。特に、減速機構を採用して電動機を小
型、高速化する場合にはその効果は絶大である。
【0027】発明者らの試験結果によれば、1.4K
W、30秒定格の電動機でかつブラシの摺接面積を同じ
として従来品と比較テストを行った結果、従来品では電
機子コアと整流子部との温度差が50℃であったもの
が、本実施例品では15℃となった。 (実施例2)他の実施例を図5を参照して説明する。
【0028】この実施例でも、電機子鉄心11の右端面
にシート状の樹脂系絶縁材41aを挟んで内側導体41
が配設され、更にその表面にシート状の樹脂系絶縁材4
2aを挟んで外側導体42が配設されている。更に、こ
の実施例では、回転軸10に右側から鍔付の絶縁樹脂筒
(本発明でいう挟圧部)9が圧入されて、この鍔により
各内側導体41及び各外側導体42を電機子鉄心11に
押圧、固定している。このようにすれば、整流子4の組
付けが簡単に行うことができ、その耐遠心力性能も向上
する。
【0029】もちろん、この実施例でも、樹脂系絶縁材
41a,42aに内側導体41及び外側導体42を固着
することもできる。 (実施例3)他の実施例を図6を参照して説明する。こ
の実施例でも、電機子鉄心11の右端面にシート状の樹
脂系絶縁材41aを挟んで内側導体41が配設され、更
にその表面にシート状の樹脂系絶縁材42aを挟んで外
側導体42が配設されている。更に、この実施例では、
回転軸10に環状突起(本発明でいう挟圧部)91を突
設している。また、予め樹脂系絶縁材41a、内側導体
41、樹脂系絶縁材42a及び外側導体42が電機子鉄
心11の側面に接着されている。そして、回転軸10に
絶縁樹脂環からなるスペーサリング90を嵌めた後、こ
の整流子4付の電機子鉄心11を回転軸10に圧入し
て、電機子鉄心11と環状突起91とで整流子4、すな
わち外側導体42と内側導体41とを挟圧している。こ
のようにしても、簡単に整流子4を固定することができ
る。なお、シート状の樹脂系絶縁材41a、42a及び
スペーサリング90は非樹脂系例えばガラスファイバー
やセラミックスなどのシートやリングを用いることもで
きる。
【0030】なお、上記したようにシート状の樹脂系絶
縁材41a、42aをスペーサとして用いる場合、周方
向に隣接する各内側導体41間のギャップ、又は周方向
に隣接する各内側導体41間のギャップ(図2に示す条
溝42bの部分)は、空隙のままとなる。シート状の樹
脂系絶縁材41a、42aの表面に、このギャップ形状
の突起を設ければこれらギャップを埋めることができ
る。更に、遠心力により、外側導体42や内側導体41
が周方向に変形して互いに接触するのを防止することが
できる。 (実施例4)他の実施例を図7を参照して説明する。
【0031】この実施例では、基端に鍔を有するパイプ
(本発明でいう挟圧部)93が電機子鉄心11と回転軸
10との間に貫通され、パイプ93の先端部を電機子鉄
心11の左端面にかしめている。このかしめにより、パ
イプ93の鍔は電機子鉄心11とともに実施例3と同様
にスペーサリング90を通じて整流子4を挟圧する。こ
の例においても、同様の効果が得られる。 (実施例5)他の実施例を図8を参照して説明する。
【0032】この実施例では、回転軸10の外周面にね
じ面を形成しておき、内周面にねじ面が形成された鍔付
の絶縁樹脂環からなるスペーサリング(本発明でいう挟
圧部)92をこのねじ面に螺着して、整流子4を電機子
鉄心11に押圧したものである。この例においても、同
様な効果が得られる。なお、上記各実施例では、内側導
体41及び外側導体42を別個に形成し、樹脂系絶縁材
42aを挟んで固着したが、一片の内側導体41と一片
の外側導体42とを一体に打ち抜き加工し、その後、折
り曲げて内側導体41及び外側導体42としてもよい。
このようにすれば、両導体41、42間の接触抵抗を低
減することができる。
【0033】また、上記一片の内側導体41と一片の外
側導体42とを一体に打ち抜き加工する前に、それらの
一面に絶縁層を形成しておけば、それらを折り曲げた際
に、この絶縁層が重なって樹脂系絶縁材42aの一部又
は全部を構成することができる。 (実施例6)本発明を自動車用スタ−タの直流電動機に
適用した一例を図9、図2〜図4に示す。図9はこのモ
ータの軸方向断面図を示す。
【0034】この直流電動機は、整流子4及び内外導体
の接続部以外は、実施例1と同一構造を有するので、整
流子及び内外導体の接続部を以下に詳細に説明する。こ
の実施例では、内側導体41の内端から軸方向ブラシ側
へ突起状の内端接続部43が突設されており、この内端
接続部43の径大側表面は外側導体42の内端に密接
し、この状態でブラシ側から内端接続部43と外側導体
42の内端とを溶接し、これにより各内側導体41と各
外側導体42とは個別に接続されている。
【0035】また、この内端接続部43の設置により両
導体41、42を外側導体42の外側面側からの作業に
より容易に接続することができ、電気抵抗を低減するこ
とができる。 (実施例7)他の実施例を図10に示す。
【0036】この実施例では、内側導体41の内端から
軸方向ブラシ側に伸びる内端接続部43に隣接して外側
導体42の内端から軸方向ブラシ側に短く内端接続部4
4を突出させている。このようにすれば、両内端接続部
43、44を径方向にかしめ及び溶接等で固定すること
ができ、接続(固定)作業が容易となる。 (実施例8)他の実施例を図11に示す。
【0037】この実施例では、内側導体41の内端から
軸方向ブラシ側に伸びる内端接続部43が外側導体42
の外側面より更にブラシ側に突出した突出部43aを有
し、更にこの突出部43aは、外側導体42の内端部を
包んで放射方向に突出している。そして、内側導体41
と突出部43aとにより樹脂系絶縁材42aと外側導体
42とを挟んで軸方向にかしめることにより、内端接続
部43と外側導体42との電気的接続がなされる。
【0038】また、かしめ後、溶接、ろう付け、はんだ
付け等を行なってもよい。このようにすれば、実施例2
と同様に接続(固定)作業が容易となる。 (実施例9)他の実施例を図12に示す。この実施例で
は、内側導体41及び外側導体42の両内端部に互いに
連通する貫通孔45を設け、この貫通孔45にピン(本
発明でいう内端接続部)46を圧入したものである。な
お、ピン46をかしめることもできる。ピン46は電気
的導通部材で、例えば銅などである。 (実施例10)他の実施例を図13〜図15に示す。
【0039】この実施例では、図8に示すように内側導
体41及び外側導体42を銅板から一体に打ち抜き、こ
の時、同時に貫通孔45を内端部に位置して2個打ち抜
いたものである。そして、折り曲げると図14のように
なり、内側導体41及び外側導体42が形成される。4
3は内側導体41及び外側導体42と一体に形成されて
組付け時に軸方向に伸びる短い内端接続部である。
【0040】図15に組付け状態を示す。この一体式の
導体41〜43は樹脂系絶縁材41a,42aとインサ
ートモールド成形により一体化されて、全体として円盤
形状のセミアセンブリとして形成される。そして、電機
子鉄心11の端面に植設されたピン47が貫通孔45に
圧入されてこのセミアセンブリが固定される。また、ピ
ン47は絶縁部材である。内側導体41及び外側導体4
2の外端部41c、42cは軸方向に屈曲されて電機子
導体20、21に溶接される。
【0041】このようにすれば、内側導体4と外側導体
42との間の電気抵抗を簡単に低減することができ、機
械的強度、取り付け強度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の整流子型回転電機の実施例1を図示す
る軸方向断面図である。
【図2】図1の外側導体の配置図である。
【図3】図1の電機子コイルの一部配線図である。
【図4】図1の電機子コイル及び整流子の配置状態を示
す模式斜視図である。
【図5】図1の装置の実施例2を適用した整流子型回転
電機の軸方向断面図である。
【図6】図1の装置の実施例3を適用した整流子型回転
電機の軸方向断面図である。
【図7】図1の装置の実施例4を適用した整流子型回転
電機の軸方向断面図である。
【図8】図1の装置の実施例5を適用した整流子型回転
電機の軸方向断面図である。
【図9】図1の装置の実施例6を図示する軸方向断面図
である。
【図10】図9の装置の実施例7を適用した整流子型回
転電機の回転子の軸方向断面図である。
【図11】図10の装置の実施例8を適用した整流子型
回転電機の回転子の軸方向断面図である。
【図12】図10の装置の実施例9を適用した整流子型
回転電機の回転子の軸方向断面図である。
【図13】図10の装置の実施例10を適用した内側導
体及び外側導体の折り曲げ前の平面図である。
【図14】図10の装置の実施例5を適用した内側導体
及び外側導体の折り曲げ後の平面図である。
【図15】図10の装置の実施例5を適用した整流子型
回転電機の回転子の軸方向断面図である
【符号の説明】
4は整流子、10は回転軸、11は電機子鉄心、12は
スロット、20、21は電機子コイル、41は内側導
体、42は外側導体、41a,42aは樹脂系絶縁材
(絶縁体)、43は内側導体41の内端接続部、71は
ブラシ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−48371(JP,U) 実開 昭57−159378(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 13/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体として電機子コイルを構成する多数の
    電機子導体が収容される多数のスロットが外周部に形成
    された電機子鉄心のブラシ側の端面に沿って延設されて
    整流子片をなし、径方向外端が前記電機子導体の軸方向
    一端部に接続され、軸方向外端面がブラシ摺接面をなす
    外側導体と、 前記電機子鉄心の前記端面と前記外側導体との間に前記
    端面に沿って延設され、径方向外端が前記電機子導体の
    軸方向一端部に接続される内側導体と、 前記内側導体の径方向内端と前記外側導体の径方向内端
    とを接続する内側接続部と、 前記内側導体を前記電機子鉄心及び前記外側導体から電
    気絶縁する絶縁体と、 を備え 径方向内端が同じ内側接続部を通じて互いに接続された
    前記内側導体及び外側導体の両径方向外端は、互いに所
    定スロットピッチ離れて形成されている ことを特徴とす
    る整流子型回転電機。
  2. 【請求項2】前記絶縁体は、前記電機子鉄心のブラシ側
    の端面と前記内側導体との間に挟設される電気絶縁性の
    絶縁シートと、 前記内側導体と前記外側導体との間に挟設される電気絶
    縁性の絶縁シートとを有する ことを特徴とする請求項1
    記載の整流子型回転電機。
  3. 【請求項3】樹脂からなる前記絶縁体により前記内側導
    体及び前記外側導体を前記電機子鉄心に固着してなる請
    求項1又は2記載の整流子型回転電機。
  4. 【請求項4】回転軸に係止されて前記両導体及び絶縁体
    を前記電機子鉄心に挟圧、固定する挟圧部を備える請求
    項1又は2記載の整流子型回転電機。
  5. 【請求項5】前記内端接続部は、前記内側導体の径方向
    内端から軸方向に突設されて前記外側導体の径方向内端
    に接する請求項1又は2記載の整流子型回転電機。
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