JP2717054B2 - 厚膜サーミスタおよび厚膜サーミスタ用の組成物 - Google Patents
厚膜サーミスタおよび厚膜サーミスタ用の組成物Info
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Description
膜サーミスタ用の組成物に関し、例えば、絶縁基板上に
印刷形成される厚膜サーミスタおよびその厚膜サーミス
タ用の組成物に関するものである。
ーミスタ特性を有するMn,Co,Fe,Niなどの金属酸化物
と、導電材料としてのRuO2と、ガラス粉末とを混合した
厚膜サーミスタ用材料が知られている。そして、この材
料を、絶縁基板上に形成された第1の電極の一部に重ね
合わせるように印刷し、さらにその上に第2の電極を重
ね合わせて形成したサンドイッチ状の厚膜サーミスタが
製品化されている。
おいては、次のような問題点があった。すなわち、上記
従来例においては、焼成時に有機ビヒクル成分の熱分解
によって発生するCO2と、サーミスタ特性を有するMn,C
o,Fe,Niなどの金属酸化物および電極材料に使用するAg
またはAg/Pdの酸化還元反応によるO2の発生により、サ
ーミスタ厚膜にピンホールやボイド(空孔)が発生し
た。このため、第2の電極を重ね合わせて焼成する際
に、このピンホールやボイドを介して、第2の電極と第
1の電極とがショートして製品歩留りを低下させたり、
メッキ時や使用中にボイド内部に水分が侵入して、特性
を劣化させるなどの問題があった。
めに、ガラスを高軟化点のものに変えることが考えられ
る。この方法によれば、ガス(CO2やO2)を抜いた後に
ガラスを軟化させることができるので、ピンホールやボ
イドの発生を抑えることができるが、従来のシート抵抗
値4kΩ,B定数3,900Kだったものが、高軟化点ガラスを
用いると1.6MΩ,5,000Kと非常に高くなってしまい、設
計変更を余儀なくされたり、従来と同等の特性が得られ
ない問題があった。
のであり、厚膜サーミスタの焼成時におけるピンホール
やボイドの発生を抑えることができる厚膜サーミスタ用
の組成物と、その組成物により製造した従来とほぼ同じ
特性の厚膜サーミスタとを提供することを目的とする。
達成する一手段として、以下の構成を備える。本発明に
かかる厚膜サーミスタ用の組成物は、サーミスタ特性を
有する金属酸化物を少なくとも二種類混合し加熱焼成し
て得た第一の成分と、導電性物質である第二の成分と、
少なくともMgとSiそれぞれの酸化物を混合し加熱焼成し
て得た第三の成分と、絶縁物である第四の成分とを含む
ことを特徴とする。
所定サイズの絶縁基板の一方の面に形成した第一の電極
と、前記厚膜サーミスタ用の組成物により前記第一の電
極に重畳するように形成した厚膜と、前記厚膜に重畳す
るように形成した第二の電極とを有することを特徴とす
る。
スタおよびその厚膜サーミスタ用の組成物の製造方法を
図面を参照して詳細に説明する。
するが、下記においては重量百分率を[wt%]と記す。な
お、以下の説明で示す組成比や混合比は一例であり、本
発明はこれに限定されるものではなく、製造する厚膜サ
ーミスタの特性や仕様に応じて決定されるものである。
加熱焼成することにより固相反応させて得た金属酸化物
粉末39[wt%]と、導電性物質としてRuO2粉末6[wt%]と、M
gOとSiO2をモル比2:1で混合して1,000℃で2時間加熱焼
成することにより固相反応させて得た酸化物粉末10[wt
%]と、ホウケイ酸鉛ガラス粉末45[wt%]とを、秤量し自
動混合機またはボールミルによって混合する。なお、金
属酸化物粉末は、サーミスタ特性を有するMn,Co,Fe,Ni
などの酸化物を、目的とする特性に応じて混合したもの
であればよい。
%]のエチルセルロースを含むブチルカルビトールを、前
記混合物の35[wt%]になるように加えて、三本ロールな
どで充分に混合することによって厚膜サーミスタ用ペー
ストにする。次に、厚膜サーミスタの形成について図1
と図2を参照して説明する。なお、図1は厚膜サーミス
タの一例を示す正面図、図2は図1のA-A矢視断面図で
ある。また、以下の説明で示す面積や厚さなどの値は一
例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、製
造する厚膜サーミスタの特性や仕様に応じて決定される
ものである。
である。絶縁基板1の一方の面に、例えばAgまたはAg/P
dなどの導体ペーストを印刷し焼成して、所定サイズの
下側電極2を形成する。続いて、下側電極2の一部に重
畳するように、前述した厚膜サーミスタ用ペーストを印
刷し焼成して、所定サイズの厚膜サーミスタ体3を形成
する。なお、焼成は例えば850℃10分間で行い、焼成後
のサーミスタ膜厚は40μmにする。
するように、例えばAgまたはAg/Pdなどの導体ペースト
を印刷し焼成して、所定サイズの上側電極4を形成す
る。なお、下側電極2と上側電極4との対向面積は0.25
mm2にする。このようにして得られた厚膜サーミスタの
特性などを説明する。図3は作成した試料の特性測定結
果(シート抵抗値とB定数の代表値)、および、試料の
断面を切断研磨してピンホールやボイドの有無を顕微鏡
観察した結果を示している。
の試料ではピンホールやボイドの発生がなく、さらに、
組成比タイプ4の試料はシート抵抗値4kΩ,B定数3,980
Kが得られ、従来の厚膜サーミスタの組成とほぼ同等の
特性が得られている。なお、組成比タイプ1の試料(つ
まりMgとSiの混合酸化物を混入しなかったもの)では、
サーミスタ膜の断面積比20から30%にボイドなどが発生
していた。
ミスタ用ペーストを用いて厚膜サーミスタを製造すれ
ば、サーミスタ厚膜にピンホールやボイドが発生しない
ため、これらに起因する上下電極のショートによる製品
歩留りの低下や、ボイド内への水分侵入による寿命劣化
を防止することができる。さらに、従来とほぼ同等のシ
ート抵抗値やB定数が得られる組成比タイプ4の厚膜サ
ーミスタ用ペーストは、設計変更を必要とせずに、従来
の厚膜サーミスタ用ペーストに置き換えることができ
る。
少なくともMgとSiそれぞれの酸化物を混合し加熱焼成し
て得た第三の成分を含む厚膜サーミスタ用の組成物によ
り、厚膜サーミスタの焼成時におけるピンホールやボイ
ドの発生を抑えることができ、その組成物により厚膜サ
ーミスタを製造すると、従来とほぼ同じ特性の厚膜サー
ミスタとを得ることができる。従って、この組成物を用
いた厚膜サーミスタは次の効果を得ることができる。 (a)厚膜サーミスタ焼成時におけるピンホールやボイド
の発生を抑え、ピンホールやボイドに起因する電極間の
ショートを防いで製品歩留りを向上するとともに、ボイ
ド内への水分侵入による寿命劣化を防止する。 (b)従来とほぼ同等のシート抵抗値やB定数が得られるの
で、大きな設計変更を必要とせず、従来の厚膜サーミス
タ用ペーストに置き換えることができる。
例を示す正面図である。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 サーミスタ特性を有する金属酸化物を少
なくとも二種類混合し加熱焼成して得た第一の成分と、 導電性物質である第二の成分と、 少なくともMgとSiそれぞれの酸化物を混合し加熱焼成し
て得た第三の成分と、 絶縁物である第四の成分とを含むことを特徴とする厚膜
サーミスタ用の組成物。 - 【請求項2】 前記第一の成分はMn,Co,Fe,Niそれぞれ
の酸化物を少なくとも二種類含むことを特徴とする請求
項1に記載された厚膜サーミスタ用の組成物。 - 【請求項3】 前記第二の成分はRuO2であることを特徴
とする請求項1に記載された厚膜サーミスタ用の組成
物。 - 【請求項4】 前記第四の成分はガラスであることを特
徴とする請求項1に記載された厚膜サーミスタ用の組成
物。 - 【請求項5】 前記第一の成分を35から39重量%、前記
第二の成分を6から10重量%、前記第三の成分を10から15
重量%、前記第四の成分を40から45重量%含むことを特徴
とする請求項1から請求項4の何れかに記載された厚膜サ
ーミスタ用の組成物。 - 【請求項6】 所定サイズの絶縁基板の一方の面に形成
した第一の電極と、 請求項1から請求項5の何れかに記載された厚膜サーミス
タ用の組成物により前記第一の電極に重畳するように形
成した厚膜と、 前記厚膜に重畳するように形成した第二の電極とを有す
ることを特徴とする厚膜サーミスタ。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP5241609A JP2717054B2 (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 厚膜サーミスタおよび厚膜サーミスタ用の組成物 |
Publications (2)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5241609A Expired - Fee Related JP2717054B2 (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 厚膜サーミスタおよび厚膜サーミスタ用の組成物 |
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JPH047803A (ja) * | 1990-04-25 | 1992-01-13 | Koa Corp | 厚膜サーミスタ組成物 |
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1993
- 1993-09-28 JP JP5241609A patent/JP2717054B2/ja not_active Expired - Fee Related
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