JP2716574B2 - 排ガス処理用乾式脱硫剤の製造法 - Google Patents

排ガス処理用乾式脱硫剤の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、排ガス処理用乾式脱硫剤の製造法に係り、
特に石灰−石膏−石炭灰系水和硬化体を脱硫剤とする脱
硫剤の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ボイラ排ガス中の硫黄酸化物の除去プロセスの主流は
湿式法であり、中でも吸収剤として比較的安価で入手が
容易な石灰石を用い、セメントやボード用に利用可能な
石膏を副生品として回収する石灰石−石膏法が火力発電
所では最も多く用いられている。この湿式石灰石−石膏
法は高性能で信頼性も高いが、大量の水を必要とし、ま
た排水処理、処理排ガスの再加熱などが必要であること
から、建設費が安価で、かつ運転経費の低減を図ること
ができる新規脱硫プロセスの開発が要望されている。
一方、火力発電用燃料として石炭の使用量が増大する
につれ、排出される石炭灰の処理対策が重要な課題にな
っている。我が国では、石炭灰はセメント原料および混
和剤、土木材料分野を中心に利用されているが、全発生
量に対する有効利用率は30%強とされ、残部は埋め立て
処分されている。石炭灰を安価に、かつ安定して処理す
る方策の確立が発電コスト低減と環境対策上重要な鍵と
なるが、国土が狭く、資源の少ない我が国においては石
炭灰を単なる廃棄物として処分するのではなく、資源と
して利用の拡大を図ることが重要な課題といえる。
このような背景の下で、本発明者らは石炭灰を利用し
た乾式脱硫剤(以下、石炭灰利用乾式脱硫剤ともいう)
を開発し(特開昭61−209038号公報)、その実用化研究
を推進してきた。
石炭灰を利用した脱硫剤は、基本的には消石灰、石膏
および石炭灰からなる原料混合物に水を加えて得たスラ
リを水蒸気雰囲気下で加熱・水和硬化させ、乾燥処理す
ることによって製造される。
本乾式脱硫方法を実用化するためには高活性な脱硫剤
を大量に、かつ高歩留まりで製造する技術を確立するこ
とが極めて重要である。これに関連して、第2図に示す
ように、石膏源として石灰−石膏−石炭灰系水和硬化体
が硫黄酸化物含有ガスと接触した後の状態である使用済
脱硫剤を用い、原料混練物を押出し法によって成形した
後、水蒸気養生を行うことにより、高活性な脱硫剤を高
製品歩留まりで製造する方法が提案された(特願昭63−
267487号)。
しかし、乾式脱硫装置のスタートアップに際しては、
使用済脱硫剤が入手不可能であるため、通常、湿式排煙
脱硫副生石膏(以下、排脱石膏ともいう)などを使用し
て脱硫剤を製造せざるを得ない。この場合は原料混練物
の水和硬化反応速度が小さいため、第3図に示すよう
に、先ず原料混練物に水を加えて蒸気養生(1次養生)
を行って水和硬化反応を進めた後に成形し、こうして得
られた成形物を再度蒸気養生(2次養生)した後、加熱
乾燥して脱硫剤とする方法が採用されている(特願昭61
−96926号)。
このように脱硫装置のスタートアップに際して、石膏
源として排脱石膏を使用すれば2段養生法を採用する必
要があり、スタートアップのためだけに2段の養生装置
を設置しなければならないという設備的不合理を生ず
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の不合理を解消するため、第4図に示すように、
石灰、石膏(排脱石膏)、石炭灰とともに水和硬化促進
剤として活性なSiO2化合物を用いれば、水を適量加えて
混練後、直ちに押出し成形できることを見出し特許出願
したが(特願平1−14358号)、この方法で添加剤とし
て用いられるSiO2化合物は、比較的高価な合成品に限定
されるために、より経済的な脱硫剤の製造方法が望まれ
てきた。
本発明の目的は、乾式脱硫装置のスタートアップに際
して、SiO2化合物のような水和硬化促進物を添加せず
に、高性能な脱硫剤となり得る石灰−石膏−石炭灰系水
和硬化体を高歩留まりで、かつ簡略化された方法によっ
て製造できる方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、脱硫装置のスタートアップ時に吸収塔に
初充填する脱硫剤を石膏源として半水石膏を用いて製造
し、次いでその使用済脱硫剤を石膏源として使用して脱
硫剤を製造することによって達成される。
すなわち、本発明は、石灰−石膏−石炭灰系水和硬化
体を脱硫剤とする排ガス処理用乾式脱硫剤の製造方法に
おいて、脱硫装置のスタートアップに際しては、石膏源
として半水石膏を用いた原料混合物に水を添加して混練
し、次いで成形、蒸気養生および乾燥処理して脱硫剤を
製造し、次いで該脱硫剤が吸収塔において硫黄酸化物含
有ガスと接触して使用済脱硫剤に変換され、抜出しが開
始された時点以降においては、石膏源として前記使用済
脱硫剤を用いて脱硫剤を製造することを特徴とする。
上記脱硫剤の製造は、前記原料混合物に水を加えて混
練し、得られた該混練物を押出し成形後、湿空養生また
は蒸気養生を行い、次いで乾燥処理することによって行
われることが好ましい。
〔作用〕
石炭灰利用乾式脱硫剤の基本原料は、消石灰、石膏お
よび石炭灰であるが、高活性な脱硫剤を得るためには石
炭灰からSiO2やAl2O3などが溶出し、Ca(OH)2およびCaSO
4との間で水和化合物を形成することが必要となる。
ところで、脱硫剤がSO2を吸収した後の形態である使
用済脱硫剤がCaSO4源として有効である理由の1つは、
その前駆体となる脱硫剤の製造時に石炭灰からSiO2やAl
2O3などが溶出し、使用済脱硫剤中にはこれらのSiO2やA
l2O3が活性な状態で存在しているからであると考えられ
る。
脱硫装置のスタートアップ時に使用される脱硫剤(初
充填用脱硫剤)の活性は必ずしも定常運転時品に匹敵す
るものでなくてもよく、それが排ガス処理に供されて使
用済脱硫剤に変換された場合に、脱硫剤製造用CaSO4
として使用され、1段養生法によって脱硫剤が製造可能
であればよい。これは、脱硫率の維持を図るためには脱
硫剤の移動速度を高めるなどの方策を講じることができ
るからである。そのためには水和硬化体が形成される間
に石炭灰からSiO2やAl2O3が溶出し、これが使用済脱硫
剤中で活性な状態で存在すればよい。
したがって、単に原料を硬化させるだけが目的である
ならば、水硬性のAl2O3や速硬性のセメントなどを添加
剤として用いることもできるが、これらの物質を添加し
たのでは上記のような特性を持つ脱硫剤は得られない。
本発明はこの点を考慮して行われた研究の結果に基づ
いてなされたものであり、消石炭、石炭灰および半水石
膏からなる原料混合物に水を添加して混練し、次いで成
形、蒸気養生および乾燥処理して初充填用脱硫剤とする
ことをその特徴とする。この方法によって高活性な脱硫
剤が得られ、またこれから得られる使用済脱硫剤はCaSO
4源として使用されたとき、排脱石膏をCaSO4源として2
段養生法によって製造された脱硫剤から導かれた使用済
脱硫剤と同等の特性を示す。このことから明らかなよう
に、半水石膏は単に水和硬化して硬化体の中にCa(OH)2
や石炭灰を包蔵するのではなく、混練から蒸気養生操作
終了までの間において石炭灰からのSiO2やAl2O3の溶解
を引き起こしつつ、Ca(OH)2との間に水和物を形成する
ものと理解される。なお、脱硫剤としての特性を備えた
硬化体を得るためには混練・成形物を蒸気養生し、次い
で乾燥処理する必要がある。
脱硫剤製造用のCaSO4源として半水石膏が使用できる
ことは、石炭灰利用乾式脱硫に係る基本特許明細書(特
開昭61−209038号公報)により公知であるが、使用済脱
硫剤を用いた脱硫装置のスタートアップから定常運転時
までのすべての段階において1回の蒸気養生操作によ
る、かつ高製品歩留まりでの脱硫剤製造を可能とする初
充填用脱硫剤については明らかにされていなかった。ま
た、先に提案した活性なSiO2化合物を添加する方法は、
あくまでも水和硬化体形成に必要なSiO2化合物を添加す
るものであり、半水石膏の添加と蒸気養生により、硬化
のみならず石炭灰からSiO2やAl2O3などを溶出させる本
発明の方法とは本質的に異なるものである。
このように半水石膏を用いると、水和硬化反応が速い
にもかかわらず、石炭灰からのSiO2やAl2O3の溶出が進
行するのは半水石膏の特異性といえるものである。これ
は半水石膏が水和して2水塩として安定化する場合、一
旦溶解度にしたがって過飽和溶液を形成した後に2水塩
を析出するといった経過を示すために、溶液状態でCaSO
4がCa(OH)2等と反応する場合に近くなって反応が進行し
易くなり、またCaSO4とCa(OH)2との混合性も良好とな
る。したがって、石炭灰との反応性も固相でのCa(OH)2
−CaSO4−石炭灰系反応に比較して向上し、脱硫剤の性
能向上に寄与するものと考えられる。
第5図は、消石灰−半水石膏−石炭灰系(A)と消石
灰−使用済脱硫剤−石炭灰系(B)の水和硬化体に対す
るX線回折図であり、前者の場合には未反応のCa(OH)2
が全く認められず、反面Al含有化合物であるエトリンガ
イト(Ca6Al2(OH)12(SO4)3・26H2O)の結晶が確認され
ることより、半水石膏系では水和硬化反応が進み易く、
かつ石炭灰の溶解も進行し易いことがわかる。
本発明によれば、上記の特性を有する使用済脱硫剤が
入手できない状況にある脱硫装置のスタートアップ時に
おいても、使用済脱硫剤をCaSO4源とした場合と基本的
に同一の設備、および方式によって脱硫剤の製造を行う
ことができる。
以下、本発明を図面によりさらに詳細に説明する。第
1図は、乾式脱硫装置のスタートアップ時に石膏源とし
て半水石膏を使用した場合の脱硫剤の製造フローを示す
図である。脱硫剤の製造原料である消石灰(Ca(O
H)2)、半水石膏(CaSO4換算)および石炭灰の混合比率
は、それぞれ15〜50重量部、10〜40重量部および10〜65
重量部の範囲が好ましい。なお、SO2との反応の主体で
ある消石灰の代わりに生石灰(CaO)を使用することも
できる。一方、CaSO4源として水を加えて混練すると速
やかに凝結・硬化する半水石膏(CaSO4・1/2H2O)を用
いることが本発明の基本的考え方であるが、CaSO4源と
しての半水石膏は、これを単独で使用しても、また単独
では凝結作用を示さない2水石膏(CaSO4・2H2O)ある
いは無水石膏(CaSO4)と混合使用してもよい。なお、
半水石膏は脱硫剤製造装置のスタートアップ時に限定し
て用い、半水石膏をCaSO4源として製造した脱硫剤が、S
O2を吸収し、廃脱硫剤(使用済脱硫剤)となってその抜
出しが開始されれば、これを石膏源として脱硫剤を製造
する方法が合理的である。
脱硫剤の製造においては、消石灰、石炭灰および半水
石膏からなる原料混合物100重量部(乾量基準)に対
し、水30〜40重量部が添加される。なお、水の最適添加
量は半水石膏含有量によって異なるが、半水石膏含有量
を一定にした場合には水添加量は多くするほど凝結硬化
反応が遅延する。また、適正添加量よりも少なくして混
練すると、粉状の混練物しか得られなかったり、あるい
は硬化反応が進み過ぎて混練物を押出し成形することが
困難となる。半水石膏添加量が全固体原料のうち16%の
場合の水添加量としては、35〜40%がその目安となる。
しかし、水添加量によって本発明が制限を受けるもので
はないことはもちろんである。混練時に添加する水とし
ては通常の工業用水の使用が可能であるが、本脱硫装置
が設置される発電所等における各種排水を用いて特に問
題はない。
所定の硬さに調製した混練物は、次に押出し機に供給
され、直径2〜10mm、長さ5〜30mm程度の柱状破断品と
して押出される。脱硫剤の適正サイズは脱硫性能のみな
らず、吸収塔に詰込み、被処理ガスを供給した際の圧力
損失などを考慮して決定される。以上の操作によって得
られた押出し成形物は、必要に応じて微細粒子を除去し
た後に蒸気養生し、次いで加熱乾燥処理して脱硫剤とす
る。
以上のように、CaSO4源として半水石膏を用いると、
使用済脱硫剤を用いた場合と同様に水和硬化反応が進行
し、1段養生法による脱硫剤の製造が可能となる。
なお、本発明の方法により製造された脱硫剤に排ガス
中のSO2を吸収させて得られる使用済脱硫剤は、CaSO4
として用いられたとき、半水石膏と同様に大きな水和硬
化反応速度を示す。したがって、半水石膏を使用して製
造された脱硫剤が充填され、それが使用済脱硫剤となっ
て吸収塔から抜出されるようになると、最早半水石膏を
CaSO4源として脱硫剤を製造する必要はなくなる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明す
る。
〔実施例〕
実施例1〜3 消石灰(Ca(OH)2)30重量部、半水石膏(CaSO4換算)
16重量部および石炭灰残からなる混合物に、水(温度25
℃)を25、30および35重量部(乾粉に対する添加量)添
加して2分間混練し、水添加量の異なる3種類の混練物
を調製した。混練物を穴径6mm、板厚3.2mmの金型より押
出した結果、水添加量を25%にして調製したものは粉状
物が多く、高収率で円柱状の押出し成形品を得ることが
できなかった。これに対し、水添加量を30および35%と
して調製したものは、円柱状の押出し成形品が、乾燥後
の歩留まり95%以上の収率で得られた。押出し成形した
ものを底面が金網の容器中に入れて98℃以上に保持した
水蒸気中で9時間水蒸気養生した後に取出し、130℃で
2時間加熱乾燥して脱硫剤とした。得られた脱硫剤の強
度を木屋式硬度計によって測定した結果を第1表第4列
目に示すが、水添加量に関係なく実用上問題がないと考
えられる4kg以上の強度を与えることがわかった。
また、粒子サイズが6φ×10(単位:mm)のものを選
び出し、その4gを直径30mmの反応管中の目皿上に置き、
温度130℃において次の組成を有するガスを、流量2l/mi
nで流した。SO2 1000pm、NO 200ppm、CO2 12%、O2 6
%、H2O 10%、N2 残。
所定時間後に試料を抜出し、残存するアルカリ量を分
析することによってCaOの利用率を求めたところ、反応
時間50時間におけるCaO利用率(ηca 50h)は76%(水
添加量25%)、82%(同30%)、90%(同35%)であっ
た。
実施例4〜5 消石灰(Ca(OH)2)30重量部、半水石膏(CaSO4換算)
32重量部および石炭灰残からなる混合物に、水(温度25
℃)を30および35重量部添加した後2分間混練して、2
種類の混練物を調製した。混練物を実施例1〜3と同様
の方法により蒸気養生を9時間行って脱硫剤を製造し
た。得られた脱硫剤の強度および脱硫反応時間50時間に
おけるCaO利用率(ηca 50h)を第1表に示すが、吸収
塔への初充填用脱硫剤としては充分満足できる強度およ
び脱硫性能が得られることがわかった。
実施例6 消石灰(Ca(OH)2)30重量部、半水石膏(CaSO4換算)
16重量部および石炭灰残からなる混合物に、水(温度25
℃)を40重量部添加した後に混練し、押出し成形したも
のを13時間蒸気養生した。この蒸気養生物を加熱乾燥処
理して脱硫剤とした。得られた脱硫剤の強度および脱硫
反応時間50時間におけるCaO利用率(ηca 50h)を第1
表に示す。CaO利用率は蒸気養生を9時間から13時間と
長くすることにより、96%に上昇した。
以上のように、CaSO4源として半水石膏を用いると、
1回の養生操作で高収率に高性能な脱硫剤が得られ、脱
硫装置スタートアップ対策として採用可能なことが明ら
かである。
実施例7 実施例6で示した方法により、CaSO4源として半水石
膏を用いて製造した脱硫剤にSO2を吸収させて使用済脱
硫剤を調製した。この使用済脱硫剤をCaSO4源として、
消石灰(Ca(OH)2)30重量部、使用済脱硫剤(CaSO4
算)16重量部および石炭灰残からなる原料混合物を調製
した。これに水40重量部を添加して、実施例1〜3と同
様の方法により脱硫剤を製造した。蒸気養生操作を9時
間行って得られた脱硫剤の製品歩留まりは97%、強度は
11kgであった。また、実施例1〜3に示した方法により
脱硫剤の性能を評価した結果、脱硫反応時間50時間にお
けるCaO利用率(ηca 50h)は94%であった。
以上のように、半水石膏を用いて製造した脱硫剤に硫
黄酸化物含有ガスを接触させて得た使用済脱硫剤をCaSO
4源にして脱硫剤を製造した場合、得られた脱硫剤の強
度および脱硫性能はいずれも高く、脱硫装置のスタート
アップに際しては、CaSO4源として半水石膏を用いて脱
硫剤を製造し、該脱硫剤が吸収塔において硫黄酸化物含
有ガスと接触して使用済脱硫剤に変換し、その抜出しが
開始された時点以降においてはCaSO4源として使用済脱
硫剤を用いて脱硫剤を製造し、またこの製造を蒸気養生
操作1回を含むものとする方法は、脱硫装置のスタート
アップ法および脱硫剤の製造方法として優れたものであ
ることが明らかになった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、脱硫装置のスタートアップ時におい
ても、簡単な方法によって高活性の脱硫剤が製造可能と
なり、その使用済脱硫剤を石膏源として以降の脱硫剤の
製造を行うことが可能になる。すなわち、使用済脱硫剤
が抜出される前の段階において、もしCaSO4源として排
脱石膏(CaSO4・2H2O)を使用するのであれば、養生操
作を2段階に行うか、あるいはSiO2化合物のような水和
硬化促進剤を添加して1段養生法で行う必要があるが、
CaSO4源として半水石膏を用いる本発明によれば、新た
に養生設備を追加することなく、脱硫剤の製造が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す脱硫剤製造方法のフ
ローを示す図、第2図は、石膏源として使用済脱硫剤を
用いた押出し成形操作を含む1段養生法のフローを示す
図、第3図は、石膏源として排脱石膏を用い、2段階の
養生操作を含む2段養生法の脱硫剤製造フローを示す
図、第4図は、硬化促進剤としてSiO2化合物を添加して
行う1段養生法の脱硫剤製造フローを示す図、第5図
は、消石灰−半水石膏−石炭灰系(A)と消石灰−使用
済脱硫剤−石炭灰系(B)の水和硬化体に対するX線回
折図(対陰極:銅)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 一弘 北海道札幌市中央区大通東1丁目2番地 北海道電力株式会社内 (72)発明者 上野 務 北海道札幌市豊平区里塚461―6 北海 道電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 桑原 隆範 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日 立株式会社呉研究所内 (72)発明者 溝口 忠昭 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日 立株式会社呉研究所内 (56)参考文献 特開 平2−113904(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石灰−石膏−石炭灰系水和硬化体を脱硫剤
    とする排ガス処理用乾式脱硫剤の製造方法において、脱
    硫装置のスタートアップに際しては、石膏源として半水
    石膏を用いた原料混合物に水を添加して混練し、次いで
    成形、蒸気養生および乾燥処理して脱硫剤を製造し、次
    いで該脱硫剤が吸収塔において硫黄酸化物含有ガスと接
    触して使用済脱硫剤に変換され、抜出しが開始された時
    点以降においては、石膏源として前記使用済脱硫剤を用
    いて脱硫剤を製造することを特徴とする排ガス処理用乾
    式脱硫剤の製造法。
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