JP2716488B2 - 成形吸着体及び吸着シート - Google Patents

成形吸着体及び吸着シート

Info

Publication number
JP2716488B2
JP2716488B2 JP63315856A JP31585688A JP2716488B2 JP 2716488 B2 JP2716488 B2 JP 2716488B2 JP 63315856 A JP63315856 A JP 63315856A JP 31585688 A JP31585688 A JP 31585688A JP 2716488 B2 JP2716488 B2 JP 2716488B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorption
sheet
weight
fine particles
optically anisotropic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63315856A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02160044A (ja
Inventor
隆敬 嘉数
勝美 大川
武士 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP63315856A priority Critical patent/JP2716488B2/ja
Publication of JPH02160044A publication Critical patent/JPH02160044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2716488B2 publication Critical patent/JP2716488B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、各種悪臭成分の除去、各種ガスの精製、有
機溶剤の除去および回収等に好適に使用される成形吸着
体及び吸着シートに関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 活性炭は比表面積が大きく、吸着能に優れているた
め、種々の気体や液体からの不純物の除去、気体や液体
の精製及び有用物質の回収等に利用されている。
また活性炭は、粉末状や粒状に限らず、シート状等の
種々の形態で利用されている。例えばオゾン除去用フィ
ルタとして、細孔直径30〜300Å、細孔容積0.15cc/g以
上の活性炭素、水溶性高分子および水溶性無機系化合物
を含有するガス吸着用活性炭素紙が提案されている(特
開昭60-225640号公報)。上記活性炭素は、通常の活性
炭と同様、セルロース系繊維状活性炭に酸化触媒を担持
した後、高温の水蒸気ガス雰囲気下で活性化処理を施
し、微粉砕化処理を施す方法等により得られる。またガ
ス吸着用活性炭素紙は、通常、200メッシュ以下の粉末
状活性炭と、水溶性高分子と、水溶性無機系化合物と、
パルプやセルロース系繊維等とを混合した後、通常の湿
式抄紙法で抄造することにより製造される。
しかしながら、活性炭素の細孔直径が大きく細孔容積
が小さいため、ガス吸着用活性炭素紙は実用上、吸着能
が未だ十分でない。より詳細には、湿式抄紙法等により
ガス吸着用活性炭素紙を作製すると、一般に吸着能が約
20%程度低下し、ガス吸着用活性炭素紙の比表面積を10
00m2/g程度、細孔容積を0.5〜0.8ml/g程度とするのが限
度である。また得られた活性炭素紙の厚みが0.1〜0.3mm
程度と極めて薄く、吸着能力が低いため、高い吸着量を
確保するには、ハニカム構造に再加工したり、複数の活
性炭素紙を重ね合せて使用する必要がある。従って、経
済的でないだけでなく、所定形状に再加工する場合、よ
り一層コスト高となる。
また近年、セルロース系、ポリアクリロニトリル系、
フェノール樹脂系、ピッチ系等の材料を原料とする繊維
状活性炭が提案されている。繊維状活性炭は、比表面積
および細孔容積が大きく、上記の活性炭素よりも吸着能
に優れているものの、未だ吸着容量が十分でない。従っ
て、これらの繊維状活性炭を用いて抄紙法により吸着シ
ートを作製しても、上記と同様の問題がある。
一方、抄紙による吸着能の低下を抑制するため、繊維
状活性炭をフェルト状に加工すると、得られた吸着材の
組織が粗となり、緻密な組織を有し、機械的強度に優れ
た吸着材を得ることが困難である。
本発明の目的は、組成及び気孔が均一で、緻密な組織
及び高い機械的強度を有し、吸着能に優れた抄紙構造の
成形吸着体及び吸着シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、使用枚数を少なくできると共
に、安価な成形吸着体及び吸着シートを提供することに
ある。
[発明の構成] 第1の発明は、抄紙構造の成形吸着体であって、吸着
能を有する光学異方性多孔質炭素微小粒体が、熱接着性
樹脂に接合保持されている成形吸着体により、上記課題
を解決するものである。
また第2の発明は、抄紙構造の吸着シートであって、
吸着能を有する光学異方性多孔質炭素微小粒体が、熱接
着性樹脂に接合保持されている吸着シートにより、上記
課題を解決するものである。
上記構成は成形吸着体及び吸着シートによれば、抄紙
構造であるため、光学的異方性多孔質炭素微小粒体と熱
接着性樹脂とが均一に分布しており、組成及び気孔が均
一であると共に、通気性及び通水性が良好である。また
光学異方性多孔質炭素微小粒体が、従来の活性炭と異な
り、著しく大きな比表面積及び全細孔容積を有するた
め、吸着能が大きい。また上記特性を有する光学異方性
多孔質炭素微小粒体が、熱接着性樹脂に接合保持されて
いるので、機械的強度に優れると共に、成形吸着体及び
吸着シートは高い吸着能を保持する。さらには、光学異
方性多孔質炭素微小粒体が微粒子であるため、抄紙する
のに好適である。
なお、本発明にいう抄紙構造とは、成形吸着体及び吸
着シートを構成する繊維が和紙の如くランダムに配置し
た構造を意味する。
先ず、本発明の成形吸着体及び吸着シートに含まれる
光学的異方性多孔質炭素微小粒体について、説明する。
上記光学的異方性多孔質炭素微小粒体の前駆体粒子
は、例えば、ピッチを原料とするニードルコークス、炭
素繊維の開発に際し、石油系および石炭系ピッチを加熱
していく過程において、ピッチ中に炭素六員環網面が平
行に積層した球晶を生成することにより製造できる。こ
れらの球晶は、マトリックスピッチとは異なる相を形成
しており、アンチソルベント法、遠心分離法等により単
離される。単離された球晶は、一般にメソカーボンマイ
クロビーズと呼ばれており、直径2〜80μm程度の球体
で、光学的異方性の組織を有している。このメソカーボ
ンマイクロビーズは、その特異な形状および特性から高
機能性材料用の新たな原料として期待されているが、現
在のところ、高密度炭素材の原料として実用化されてい
るにすぎない。
本出願人は、上記メソカーボンマイクロビーズを賦活
することにより、新たな微細構造および特性を有する微
小粒体が得られることを見出し、先に特許出願した(特
願昭63-158510号)。この微小粒体は、光学的に異方性
であり、全体の90%以上が粒径80μm以下の粒体からな
り、全細孔容積の85%以上が細孔直径20Å以下のミクロ
ポアーにより構成されている。また微小粒体の比表面積
は500〜4600m2/gの範囲内であり、全細孔容積は0.5〜3.
0ml/g程度である。
上記微小粒体は、メソカーボンマイクロビーズをその
まま又はその表面に賦活助剤を付与した後、賦活するこ
とにより得られる。賦活したメソカーボンマイクロビー
ズは、グリーンパウダー状、炭化パウダー状、黒鉛化パ
ウダー状のいずれであってもよい。賦活助剤としては、
例えば、KOH、NaOH、CsOH、ZnCl2、H3PO4、K2SO4、K2S
等が例示され、これらの賦活助剤の少なくとも一種を使
用する。賦活助剤の付与量は、メソカーボンマイクロビ
ーズ重量の1〜10倍量程度とするのが好ましい。賦活の
程度は、賦活助剤の付与量に略比例するので、付与量に
より微小粒体の比表面積を調整することができる。な
お、賦活助剤は、通常、液状で使用される。すなわちKO
Hなどの常温で固体の賦活助剤は、水溶液の形態で使用
され、H3PO4などの常温で液体の賦活助剤は、必ずしも
水溶液とする必要はない。
またメソカーボンマイクロビーズ表面に対する賦活助
剤の濡れ性を改善するため、アセトン、メチルアルコー
ル、エチルアルコール等の表面活性剤を併用してもよ
い。表面活性剤の使用量は、通常、メソカーボンマイク
ロビーズと賦活助剤または賦活助剤を含む溶液との総量
の5〜10重量%程度とするのが好ましい。
賦活は、賦活助剤を付与し若しくは付与しないメソカ
ーボンマイクロビーズを適宜の温度、例えば、400〜120
0℃程度に昇温することにより行なわれる。昇温速度お
よび加熱保持時間は、特に限定されず、広い範囲で選択
することができるが、通常、上記の温度範囲に到達後、
直ちに冷却するか、同温度範囲内で最大3時間程度保持
することにより行なわれる。
賦活時の雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの
不活性雰囲気であってもよく、水蒸気、一酸化炭素、酸
素などが存在する酸化性雰囲気であってもよい。不活性
雰囲気中で賦活すると収率がより高くなる。
不活性雰囲気中で賦活するには、賦活助剤を使用し
て、通常、昇温速度300〜600℃/時間程度で温度400〜1
200℃程度に加熱し、同温度で30分乃至1時間程度保持
するのが好ましい。
酸化性雰囲気中で賦活する場合、通常、賦活助剤は不
要であるが、併用してもよい。賦活助剤を使用せずに賦
活する場合、通常、600〜900℃程度の温度に、賦活助剤
を使用して賦活する場合、通常、300〜900℃程度の温度
に、昇温速度300〜600℃/時間程度で加熱し、同温度で
2〜3時間程度保持するのが好ましい。なお、賦活助剤
を使用する場合、突沸する場合があるので留意する必要
がある。
なお、賦活助剤の種類に応じて最適賦活温度が存在し
ている。最適賦活温度は、例えば、KOH、K2SO4及びK2S
の場合、800〜1000℃程度、NaOH及びCsOHの場合、600℃
程度、ZnCl2の場合、450℃程度である。賦活を終えたメ
ソカーボンマイクロビーズを室温まで冷却した後、必要
に応じて水洗により未反応の賦活助剤および賦活助剤反
応物を除去し、乾燥することにより、本発明で使用され
る光学異方性多孔質炭素微小粒体が得られる。
上記賦活助剤は、メソカーボンマイクロビーズ中の炭
素の酸化によるガス化を促進するものと推測される。す
なわち、賦活助剤が、メソカーボンマイクロビーズを構
成する炭素六員環網面の炭素原子と反応し、生成した一
酸化炭素または二酸化炭素が系外に排出されるものと推
測される。
また不活性雰囲気中で賦活する場合、反応に関与しな
かった部分は炭素化が進むので、反応部分と未反応部分
との構造上の差異が大きくなり細孔が形成される。この
場合、メソカーボンマイクロビーズが規則的な層状構造
を有しており、生成した孔は、20Å未満のミクロポアー
が多い。また反応雰囲気が、不活性雰囲気である場合、
表面ガス反応の選択性が高くなり、収率も著しく大きく
なる。
なお、賦活助剤と炭素との反応は、非常に激しく進行
するので、メソカーボンマイクロビーズに代えて炭素繊
維を用い、上記と同様に賦活すると、その形状が原形を
とどめない程度に変形しかつ強度も著しく低下する。一
方、メソカーボンマイクロビーズの場合には、賦活後
も、その球形の形状が略維持されており、強度の著しい
低下は認められない。
上記のようにして得られた光学的異方性多孔質炭素微
小粒体は、原料として使用するメソカーボンマイクロビ
ーズと略同一の形状を有しており、光学的に異方性であ
って、細孔容積の85%以上が20Å未満のミクロポアーに
より占められている。また光学的異方性多孔質炭素微小
粒体の比表面積は500〜4600m2/gの範囲内であり、全細
孔容積は0.5〜3.0ml/g程度である。
従って、本発明で使用する光学的異方性多孔質炭素微
小粒体は、従来の粉末状活性炭及び繊維状活性炭に比べ
て著しく小さな細孔径を有しており、JIS K 1474に準拠
したベンゼン吸着能は0.2〜1.0g/g程度、JIS K 1470に
準拠したメチレンブルー吸着能は100〜650ml/g程度であ
り、従来の活性炭に比べて、著しく大きな吸着能を有し
ている。上記微小粒体のうち、比表面積1000〜4600m2/
g、特に2000〜4600m2/g、全細孔容積0.8〜3.0ml/gを有
する微小粒体が好ましい。
本発明の成形吸着体及び吸着シートは、いずれも、上
記特性を有する微小粒体と、この微小粒体を接合保持す
る熱接着性樹脂とを含んでいる。
この熱接着性樹脂としては、熱接着性を有するもので
あれば特に限定されず、天然樹脂、合成樹脂の広い範囲
で選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂、ポリアクリ
ロニトリル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、
ポリエステル、ポリアミド、カルボキシメチルセルロー
ス等の熱可塑性樹脂:フェノール樹脂、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂等が例示され、少なくとも一種使用され
る。熱接着性樹脂は微小粒体との接合性を妨げない範囲
で適宜の軟化点を有していてもよいが、50〜200℃程度
の軟化点を有するのが好ましい。
熱接着性樹脂は、粉末状等の種々の形態で使用しても
よいが、水溶液や有機溶剤溶液等の溶液状、エマルジョ
ンやラテックス等の分散液状または繊維状の形態で使用
するのが好ましい。なお、溶液状、分散液状の熱接着性
樹脂と繊維状の熱接着性樹脂とを組合せて使用してもよ
い。熱接着性樹脂からなる繊維は、適宜の繊維径及び繊
維長を有していてもよいが、繊維径5〜100μm程度、
繊維長0.5〜10mm程度のものが好ましい。熱接着性樹脂
からなる繊維状であると微小粒体の細孔を塞ぐ閉塞度が
小さくなり、より一層優れた吸着能を示す。なお、上記
熱接着性樹脂が繊維状であるとき、熱接着性樹脂はポリ
アクリルニトリルが特に好ましい。熱接着性樹脂からな
る繊維は、高軟化点樹脂からなる繊維と低軟化点樹脂か
らなる繊維とが並列状態に一体化した並列型複合繊維、
高軟化点樹脂からなる繊維の表面が低軟化点樹脂で被覆
された鞘芯型複合繊維や、高軟化点樹脂と低軟化点樹脂
とが海島状に存在する海島型複合繊維などであってもよ
い。上記構造の繊維のうち鞘芯型複合繊維が好ましい。
高軟化点樹脂は、低軟化点樹脂よりも20℃以上、特に25
℃以上高い軟化点を有するのが好ましい。高軟化点樹脂
と低軟化点樹脂との軟化点の差が20℃未満であると、通
常、繊維状熱接着性樹脂の表面で微小粒体を均一に熱接
着させるのが困難である。なお、上記高軟化点樹脂は適
宜の軟化点を有していてもよいが、通常、150〜300℃、
好ましくは、160〜260℃程度である。また高軟化点樹脂
と低軟化点樹脂との割合は、微小粒体との熱接着性を阻
害しない範囲で適宜設定できるが、通常、高軟化点樹脂
/低軟化点樹脂=30〜70重量部/70〜30重量部、好まし
くは40〜60重量部/60〜40重量部である。
光学異方性多孔質炭素微小粒体と熱接着性樹脂との割
合は、所望する吸着能等に応じて適宜設定することがで
きるが、通常、微小粒体100重量部に対して熱接着性樹
脂70〜900重量部、好ましくは60〜300重量部程度であ
る。微小粒体に対する熱接着性樹脂の量が70重量部未満
であると成形吸着体および吸着シートの強度が低下し、
900重量部を越えると微小粒体の細孔が閉塞され、気孔
率が低下する。
なお、より強度の高い成形吸着体及び吸着シートを得
るため、成形吸着体及び吸着シートは、繊維状補強材を
含有するのが好ましい。繊維状補強材としては、成形吸
着体及び吸着シートを補強し、製造行程での加熱により
溶融または変質しないものであれば特に限定されない
が、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維等の
無機繊維;ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、高融点の
ポリエチレン繊維、高融点のポリプロピレン繊維、高融
点のポリアクリロニトリル繊維等の合成繊維;レーヨン
等の半合成繊維;パルプ繊維等が例示され、一種または
二種以上使用される。この繊維状補強材は、補強性及び
均一性を損わない範囲で適宜の繊維径及び繊維長を有し
ていてもよいが、補強性を高めるため、繊維径2〜100
μm程度、繊維長0.5〜10mm程度が好ましい。繊維状補
強材の量は、通常、微小粒体100重量部に対して5〜80
重量部程度が好ましい。微小粒体に対する繊維状補強材
の量が5重量部未満であると補強性が十分でなく、80重
量部を越えると微小粒体の含有量が相対的に減少するの
で、吸着能が低下する。
なお、成形吸着体は、適宜の形状、例えば、中空円筒
状、中空多角形状等であってもよく、シート状であって
もよい。
本発明の成形吸着体及び吸着シートは、通常、BET法
による比表面積800〜3700m2/g程度、全細孔容積0.5〜2.
5ml/g程度を有しており、吸着能に優れているため、長
期間に亘り吸着能を保持できる。また吸着シートにあっ
ては、シートの厚みを薄くしたり、シートの使用枚数を
少なくしても圧力損失が小さく、成形加工しなくても吸
着能に優れている。
本発明の成形吸着体は次のようにして製造される。先
ず、所定の割合からなる光学的異方性多孔質炭素微小粒
体及び熱接着性樹脂を含有する均一なスラリーを調製す
る。その際、作業性の点から水性スラリーが好ましい。
スラリー中の固形分濃度は、特に限定されないが、取扱
性、熱接合性等の点から0.1〜2重量%程度とするのが
好ましい。スラリーの調整に際しては、前記繊維状補強
材等を使用する場合、常法に従って叩解を行なってもよ
く、吸着能を阻害しない範囲で、分散剤、安定剤、粘度
調整剤、紙力増強剤、歩留向上剤、充填剤等を添加して
もよい。
次いで、均一なスリラーから所定形状の予備成形体を
得る。予備成形体は、組織を緻密にするため、吸引成
形、例えば、吸引口を有すると共に、多数の小孔を有す
る所定形状の成形用型を用い、減圧下で吸引脱水するこ
とにより成形用型の内面または外面にスラリーを堆積さ
せるのが好ましい。なお、上記予備成形体は、成形吸着
体の形状に対応した形状に成形される。
そして、予備成形体を構成する前記熱接着性樹脂の軟
化点に応じた温度で予備成形体を加熱することにより、
微小粒体が熱接着性樹脂に接合保持され、一体化した成
形吸着体を得る。その際、熱接着性樹脂が熱可塑性樹脂
であるときは加熱溶融により、熱接着性樹脂が熱硬化性
樹脂であるときは軟化とその後の硬化により、一体化し
た成形吸着体が得られる。
吸着シートは、上記のスラリーを用い、例えば、上記
と同様の吸引成形法、従来慣用の湿式抄紙法あるいは乾
式抄紙法により予備シートを形成し、該予備シートを、
上記と同様にして加熱することにより、一体化した吸着
シートが得られる。その際、より一層緻密な組織を有
し、一体性に優れた吸着シートを得るため、抄紙法によ
り得られた予備シートを加圧下で加熱してもよい。
なお、シート状の成形吸着体や吸着シートは、吸着能
力に優れているため、例えば0.05〜1mm等、適宜の厚み
に形成できる。また吸着シートの目付量は吸着能および
圧力損失に悪影響を及ぼさない範囲で適宜設定すること
ができ、例えば、乾燥状態での目付量2.5〜50g/m2
度、好ましくは5〜30g/m2程度で十分な性能が発揮され
る。なお、吸着シートは波形等にコルゲート加工されて
いてもよい。さらには機械的強度を高めるため、ハニカ
ム構造に形成されていてもよい。
[発明の効果] 以上のように、本発明の成形吸着体及び吸着シートに
よれば、抄紙構造であり、かつ吸着能を有する光学異方
性多孔質炭素微小粒体が、熱接着性樹脂に接合保持され
ているので、組成及び気孔が均一で、緻密な組織及び高
い機械的強度を有し、吸着能に優れている。
また本発明の吸着シートによれば、吸着能を有する光
学異方性多孔質炭素微小粒体が、熱接着性樹脂に接合保
持されているので、使用枚数を少なくできると共に、安
価で吸着能に優れている。
本発明の成形吸着体及び吸着シートは、気相及び液相
における固形分の過、微量不純物、各種悪臭成分及び
有害成分の吸着除去、各種ガスの精製、有用成分の吸脱
着による回収や濃縮等の広い分野で好適に使用される。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明
する。
なお、実施例を示す前に、本発明に用いた光学的異方
性の多孔質微小粒体の製造方法について説明する。
メソカーボンマイクロビース100重量部と、水酸化カ
リウム溶液1700重量部(水酸化カリウム700重量部及び
水1000重量部)との混合物に、アセトン50重量部を添加
し、均一に混合して、スラリーとした。次いで、該スラ
リーを窒素ガス雰囲気中で室温から850℃まで10℃/分
の昇温速度で加熱し、同温度に1時間保持した後、反応
物を100℃以下に冷却し、水洗し、乾燥させた。
実施例1 メソカーボンメイクロビーズを賦活して得られた光学
的異方性多孔質炭素微小粒体(比表面積4300m2/g、細孔
容積2.9ml/g)180重量部、木材パルプ120重量部を水500
00重量部に分散させ、パルプの繊維長が0.1〜5mmとなる
まで叩解した後、濃度0.5重量%のポリビニルアルコー
ル100重量部を添加し、均一なスラリーを調製した。
次いで、吸引口と、縦100mm、横100mm及び深さ10mmの
収容部と、該収容部に多数の小孔とを有する方形状の成
形用型に上記スラリーを注入しつつ、吸引口から吸引す
ることにより、収容部にスラリーを付着堆積させた後、
湿潤状態の直方体状の予備成形体を取出し、140℃の温
度で120分間加熱し成形吸着体を得た。
得られた成形吸着体の寸法は、縦100mm、横100mm、厚
み10mmであり、その物性は、密度0.18g/cm3(通過面を
直径10mmとしてJIS P 8117に準拠して測定)、透気度65
秒/300cc(JIS P 3801に準拠して測定)、過速度120
秒/100ccであった。また吸着性能は、原料として使用し
た光学的異方性多孔質炭素微小粒体のそれと略同等であ
った。
実施例2 メソカーボンマイクロビーズを賦活して得られた光学
的異方性多孔質炭素微小粒体(比表面積4300m2/g、細孔
容積2.9ml/g)180重量部、木材パルプ80重量部及びポリ
アクリロニトリル繊維40重量部を水50000重量部に分散
させ、上記実施例1と同様にして叩解して均一なスラリ
ーを調製した。そして、実施例1と同様にして成形吸着
体を得た。
得られた成形吸着体は、縦100mm、横100mm、厚み10mm
であり、実施例1と同様にして、その物性を測定したと
ころ、密度0.19g/cm3、透気度68秒/300cc、過速度130
秒/100ccであった。また吸着性能は、原料として使用し
た光学的異方性多孔質炭素微小粒体のそれと略同等であ
った。
実施例3 メソカーボンマイクロビーズを賦活して得られた光学
的異方性多孔質炭素微小粒体(比表面積4300m2/g、細孔
容積2.9ml/g)180重量部、パルプ80重量部、実施例2で
用いたポリアクリロニトリル繊維40重量部、濃度5重量
%のポリビニルアルコール水溶液100重量部からなる均
一なスラリーを調製し、湿式抄紙法により予備シートを
得ると共に、該予備シートを実施例1と同様の条件で加
熱し、吸着シートを作製した。
比較例1 実施例3の微小粒体に代えて粉末状活性炭(比表面積
1450m2/g、細孔容積0.67ml/g、武田薬品工業(株)製、
商品名白鷺)を用い、上記実施例3と同様にして吸着シ
ートを作製した。
比較例2 実施例3の光学的異方性多孔質炭素微小粒体に代え
て、繊維状活性炭(比表面積2050m2/g、細孔容積1.1ml/
g、大阪瓦斯(株)製、商品名A−20)を用い、上記実
施例3と同様にして吸着シートを作製した。
そして、実施例3、比較例1および比較例2の吸着シ
ートの比表面積をBET法により測定し、ベンゼン吸着能
をJIS K 1474に準拠して測定したところ、表に示す結果
を得た。
第1表から明らかなように、比較例1および2の吸着
シートに比べて実施例3の吸着シートは比表面積が著し
く大きく、吸着能に優れていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−205611(JP,A) 特開 平2−135141(JP,A) 特開 平2−80314(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抄紙構造の成形吸着体であって、吸着能を
    有する光学異方性多孔質炭素微小粒体が、熱接着性樹脂
    に接合保持されていることを特徴とする成形吸着体。
  2. 【請求項2】抄紙構造の吸着シートであって、吸着能を
    有する光学異方性多孔質炭素微小粒体が、熱接着性樹脂
    に接合保持されていることを特徴とする吸着シート。
  3. 【請求項3】請求項1及び請求項2の光学異方性多孔質
    炭素微小粒体が、メソカーボンマイクロビーズを賦活し
    たものである。
JP63315856A 1988-12-13 1988-12-13 成形吸着体及び吸着シート Expired - Lifetime JP2716488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63315856A JP2716488B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 成形吸着体及び吸着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63315856A JP2716488B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 成形吸着体及び吸着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02160044A JPH02160044A (ja) 1990-06-20
JP2716488B2 true JP2716488B2 (ja) 1998-02-18

Family

ID=18070408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63315856A Expired - Lifetime JP2716488B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 成形吸着体及び吸着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2716488B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02160044A (ja) 1990-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2925127B2 (ja) ハニカム状のガス吸着素子または触媒担体およびその製造法
JP2927349B2 (ja) 不織布材料
JP5428857B2 (ja) 脱臭性繊維構造物およびエアフィルター
WO2005045115A1 (ja) 炭素繊維不織布、その製造方法および用途
WO2017170754A1 (ja) 造粒活性炭
JPH04166225A (ja) 吸着体
JPS62297266A (ja) 高表面積および高圧縮強度の活性炭−炭素複合材
US20090159091A1 (en) Activated carbon from microcrystalline cellulose
JP6575653B2 (ja) 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ
JPS58214A (ja) フイルタ−およびその製造法
KR100369979B1 (ko) 액상의 탄소전구체를 이용한 균일 크기의 규칙성을 가진다공성 탄소 분자체의 제조방법
JP2716488B2 (ja) 成形吸着体及び吸着シート
JP3537149B2 (ja) 成形吸着体
JPH0280314A (ja) 活性炭含有シート
JP2771200B2 (ja) 繊維付着活性炭
WO2019235043A1 (ja) 活性炭成形体
WO2019235044A1 (ja) 造粒用繊維状バインダ
JP2003192439A (ja) 中空状カーボンファイバーからなる多孔質炭素板とその製造方法
JP6575654B2 (ja) 無機繊維シートの製造方法、焼成体およびハニカムフィルタ
JPH0248015A (ja) 活性炭担持ハニカム構造体およびその製造方法
JP2020114794A (ja) 造粒活性炭
JPH06335632A (ja) 成形吸着体
WO2019235045A1 (ja) 活性炭成形体
JPH02187127A (ja) 除湿材
JPH06206780A (ja) 活性多孔質炭素構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 12