JP2715721B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JP2715721B2
JP2715721B2 JP3207025A JP20702591A JP2715721B2 JP 2715721 B2 JP2715721 B2 JP 2715721B2 JP 3207025 A JP3207025 A JP 3207025A JP 20702591 A JP20702591 A JP 20702591A JP 2715721 B2 JP2715721 B2 JP 2715721B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンの空燃比制御
装置、特に燃料噴射弁の噴射特性に関する。
【0002】
【従来の技術】空燃比フィードバック補正は、三元触媒
を有効に機能させるために、フィードバック制御域にお
いて常に空燃比を理論空燃比付近に維持するための補正
である(「自動車工学」・1991年6月号第43頁な
いし第47頁参照)。
【0003】この補正では、排気管の集合部に設けたO
センサからの信号に対応して燃料の噴射量を増量した
り減量したりする。刻々と変化するエンジンの運転条件
に対し、一発で理論空燃比の状態に維持することは不可
能であるため、インジェクタからの燃料噴射量の増量と
減量の動作を一定の周期で繰り返す。この繰り返しによ
って センサ出力に対応する実空燃比が一定の周期で
理論空燃比を横切り、全気筒平均の空燃比が理論空燃比
に落ち着くのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料噴射量
の調整は、燃料噴射弁が開いている時間の長さを変える
ことによって行っている。燃料の供給圧が変化してたと
えば高くなると、同じ開弁時間でも燃焼室への噴射量が
多くなり、燃焼室への供給燃料量のコントロールを開弁
時間だけで行うことができないのであるが、どのような
運転条件になっても、常に噴射圧が吸気マニホールド負
圧より一定値だけ高くなるようにすることで、開弁時間
だけによって燃料噴射量の制御が可能となるのである。
【0005】しかしながら、燃料噴射量には図で示し
たように平均値を中心にして上下にそれぞれ数パーセン
トの誤差があるため、同じ指令値を噴射弁に与えて駆動
しても、上限値特性の噴射弁からは燃料が多めに噴か
れ、逆に下限値特性の噴射弁からは燃料が少なめに噴か
れるのであり、燃焼室に吸入される混合気の空燃比が気
筒間でバラツク。
【0006】ところで、各気筒の燃焼圧力に基づいて各
気筒の図示平均有効圧を求め、この各気筒の図示平均有
効圧を目標図示平均有効圧に近づけるように気筒別噴射
量を計算し、この気筒別噴射量で全気筒に共通の燃料噴
射量を補正することにより、各気筒に供給される混合気
の空燃比が結果的に気筒間で揃うようにしたものが提案
されている(実願昭61−19987号(実開昭62−
132252号)のマイクロフィルム参照))。
【0007】しかしながら、燃焼圧力から推定する空燃
比には、吸気温度などの環境条件の違いで誤差が生じる
(つまり燃焼圧力と空燃比の相関がずれる)ので、非空
燃比フィードバック制御域で、この誤差を持った状態の
まま気筒間差を揃えてしまうと、空燃比が目標値からず
れ、却って運転性に悪影響が出ることがある。
【0008】たとえば、非空燃比フィードバック制御域
に高負荷時があり、高負荷時は大きなエンジン出力が要
求されることから、空燃比フィードバック補正を停止し
(空燃比フィードバック補正係数αが一定値にクランプ
される)、代わって全気筒に共通の燃料噴射量を増量す
ることにより、理論空燃比よりもリッチ側の空燃比(出
力空燃比)で運転している。この場合に、燃焼圧力にも
とづく気筒別補正量で気筒間差を揃える制御を継続した
とき、環境条件の違いによりその気筒別噴射量が全気筒
に共通の燃料噴射量を減量側に補正するとすれば、空燃
比の気筒間差を揃えることができる反面、出力空燃比で
運転できないことになり、高負荷時の運転性が悪化す
る。
【0009】また、空燃比フィードバック補正により、
空燃比は理論空燃比を中心にして所定の周期で変動し、
エンジン出力も周期的に変動するのであるが、この空燃
比フィードバック補正に伴うエンジン出力の周期変動の
影響は、アイドル時に最も強く出ることから、アイドル
時は空燃比フィードバック補正が停止されることがあ
る。この場合にも、燃焼圧力にもとづく気筒別補正量で
気筒間差を揃える制御を継続したとき、環境条件の違い
によりその気筒別噴射量が全気筒に共通の燃料噴射量を
減量側に補正するとすれば、もともと不安定なアイドル
回転をさらに不安定にすることになり、アイドル運転性
が悪化する。
【0010】そこでこの発明は、各気筒ごとの燃焼圧力
にもとづく気筒別噴射量で各気筒に共通の燃料噴射量を
補正するものに空燃比フィードバック補正を組み合わせ
るに際して、非空燃比フィードバック制御域のときは、
各気筒ごとの燃焼圧力にもとづく気筒別噴射量での燃料
補正を中止することにより、空燃比フィードバック制御
域以外での運転性に悪影響を与えないようにすることを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】の発明は、図1に示す
ように、噴射パルス幅に応じて燃料を供給する噴射弁2
1を気筒ごとに、また排気中の酸素濃度に応じた出力を
するOセンサ22排気管の集合部に備える一方で、
運転条件に応じて基本噴射パルス幅Tpを計算する手段
23と、前記Oセンサ出力にもとづいて空燃比が理論
空燃比となるように空燃比のフィードバック補正量αを
計算する手段24と、運転条件に応じて空燃比フィード
バック制御域と非空燃比フィードバック制御域とを備
え、このうち空燃比フィードバック制御域のとき前記
燃比フィードバック補正量αで前記基本噴射パルス幅T
pを補正して全気筒に共通する燃料噴射パルス幅TFを
計算する手段25と、この燃料噴射パルス幅TFを駆動
信号に変えて前記噴射弁21に出力する手段26とを備
えるエンジンの空燃比制御装置において、燃焼室の圧力
を気筒ごとに検出するセンサ27と、このセンサ検出値
にもとづいて燃焼室に供給される混合気の空燃比を気筒
ごとに計算する手段29と、この気筒ごとの空燃比とあ
らかじめ定めた基準空燃比との比較にもとづいて基準空
燃比よりもリーンであれば供給燃料を増量し、リッチで
あれば減量するための噴射弁補正量を気筒別に計算する
手段30と、この気筒別の噴射弁補正量で前記全気筒に
共通の燃料噴射パルス幅TFを気筒ごとに補正する手段
31と、前記非空燃比フィードバック制御域のときは前
記噴射弁補正量による補正を中止する手段41とを設け
た。
【0012】
【作用】基準空燃比が、平均値の特性の噴射弁により形
成される混合気のそれに設定されているとして、かりに
1番気筒の噴射弁が、平均値より多く噴射する特性のも
のだったとすると、この噴射弁により1番気筒では空燃
比が基準空燃比よりもリッチ側にずれる。
【0013】このとき、1番気筒の供給燃料を減量する
噴射弁補正量が計算され、この補正量で全気筒に共通な
燃料噴射パルス幅が減量補正されると、1番気筒では供
給燃料量が少なくされ、これにより1番気筒では燃焼室
に流入する混合気が基準空燃比の混合気と同一にされ
る。
【0014】この逆に、1番気筒の噴射弁から平均値よ
り少ない燃料しか噴かれないときは、今度は噴射弁補正
量により1番気筒の供給燃料量が多くされ、これにより
基準空燃比の混合気と同一にされる。
【0015】さらに、Oセンサによる空燃比フィード
バック補正によって、基準空燃比と同一となった空燃比
が理論空燃比へと制御される。
【0016】その一方で、非空燃比フィードバック制御
域のときはこの気筒別の噴射弁補正量による補正を中止
するので、高負荷時やアイドル時の燃料噴射量を減量す
ることがなく、非空燃比フィードバック制御域での運転
性に悪影響を与えることがない。
【0017】このように本発明では、排気管の集合部に
設けたO センサを用いて、空燃比フィードバック制御
域のとき空燃比フィードバック補正を行う一方で、燃焼
圧力の検出値から燃焼室に供給される混合気の空燃比を
気筒ごとに計算し、この気筒ごとの空燃比と基準空燃比
とのずれに応じた気筒別の噴射弁補正量で全気筒に共通
の燃料噴射弁を補正する場合に、非空燃比フィードバッ
ク制御域のときはこの気筒別の噴射弁補正量による補正
を中止するので、非空燃比フィードバック制御域での運
転性に悪影響を与えることを防止することができる。
【0018】
【実施例】図において、1は単位クランク角度ごとの
信号とクランク角度の基準位置ごとの信号とを出力する
クランク角度センサ、2はエアクリーナから吸入される
空気量Qaを検出するエアフローメータ、3は排出ガス
中の酸素に反応して理論空燃比を境に値の急変するO
センサで、これらセンサ類の信号はマイコンからなるコ
ントロールユニット5に入力されている。
【0019】燃料の噴射は、量が多いときも少ないとき
も、各気筒の吸気ポートに設けた一か所の燃料噴射弁
a〜6d(図は4気筒)から供給するので、量の調整は
コントロールユニット5によりその噴射時間で行う。噴
射時間が長くなれば噴射量が多くなり、噴射時間が短く
なれば噴射量が少なくなる。混合気の濃さつまり空燃比
は、一定量の吸入空気に対する燃料噴射量が多くなれば
リッチ側にずれ、燃料噴射量が少なくなればリーン側に
ずれる。
【0020】したがって、吸入空気量との比が一定とな
るように燃料の基本噴射量を決定してやれば運転条件が
相違しても同じ空燃比の混合気が得られる。ただし、燃
料の噴射はエンジンの1回転について1回行われるの
で、基本噴射パルス幅計算手段8では1回転で吸い込ん
だ空気量に対して1回転当たりの基本噴射パルス幅Tp
(=K・Qa/Ne、ただしKは定数)を、そのときの
吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとから求めるので
ある。通常、この基本噴射パルス幅Tpにより決定され
る空燃比は理論空燃比付近になっている。
【0021】排気管にはエンジンから排出されてくるC
O,HC,NOxといった三つの有害成分を処理する三
元触媒が設けられる。この三元触媒が三成分を同時に処
理できるのは、燃焼室に供給している混合気の空燃比が
理論空燃比を中心とする狭い範囲にあるときだけであ
る。この範囲より実空燃比が少しでもリッチ側にずれる
とCO,HCの排出量が増し、逆にリーン側にずれると
NOxが多く排出される。
【0022】そこで、排出ガス規制が実施される運転条
件になると、コントロールユニット5は、三元触媒がそ
の能力を十分に発揮できる理論空燃比になるよう、排気
管の集合部に設けた1つのOセンサ3からの実空燃比
信号にもとづいて燃料噴射量をフィードバック補正す
る。
【0023】Oセンサ3の出力が理論空燃比相当のス
ライスレベルより高いと実空燃比はリッチ側に、低いと
リーン側にある。
【0024】この判定結果よりたとえば実空燃比がリー
ン側より理論空燃比を横切ってリッチ側に反転したとき
は空燃比をリーン側に戻さなければならない。そこで、
空燃比フィードバック補正量計算手段9により実空燃比
がリッチ側に反転した直後だけは空燃比フィードバック
補正係数αからステップ変化量Pを差し引き、実空燃
比がつぎにリーン側へ反転する直前までαから微小変化
量Iを差し引く。
【0025】この逆に実空燃比がリッチ側からリーン側
に反転したときは、反転の直後だけステップ変化量P
をαに加算し、実空燃比がつぎにリッチ側に反転する直
前まで微小変化量Iを加算する。
【0026】燃料噴射パルス幅計算手段10ではこうし
て求めたフィードバック補正係数αを基本噴射パルス幅
Tpにかけることによって燃料噴射パルス幅TFを計算
する。このTFは全気筒に共通な値である。
【0027】このようにして、混合気が理論空燃比より
も薄ければ、理論空燃比になるように噴射量を増量し、
逆に濃ければ噴射量を減量するということを繰り返す。
【0028】なお、基本噴射パルス幅Tpと燃料噴射パ
ルス幅TFとは所定時間ごと、空燃比フィードバック補
正量αはエンジン回転に同期して計算している。
【0029】ところで、同じ値の燃料噴射パルス幅TF
ですべての噴射弁6a〜6dを駆動しても、これら噴射
弁6a〜6dに図に示した噴射特性のバラツキがあっ
たり、経時変化によって噴射特性のバラツキがあらたに
生じると、実際に燃焼室に供給される燃料量が気筒間で
相違し、多く噴射された気筒では空燃比がリッチ側に、
少なく噴射された気筒では空燃比がリーン側に傾く。
【0030】こうした噴射弁特性のバラツキの影響を受
けないようにするため、上記全気筒に共通の燃料噴射パ
ルス幅TFを、図で示したように、筒内圧センサ(燃
焼圧力センサ)4a〜4d、入力回路12a〜12d、
空燃比計算手段13a〜13d、噴射弁補正量計算手段
16、噴射弁補正手段15a〜15dによつて気筒別に
補正する。図には4気筒の例を示すが、これに限られる
ものではない。
【0031】ここでは、1番気筒で代表させて述べる
と、4aは1番気筒に設けられる筒内圧センサ(たとえ
ば点火プラグの座金状に形成される)で、筒内圧センサ
4aの信号は対応する入力回路12aに入力される。
【0032】図は入力回路12aにより処理された筒
内圧波形であり、ここでは圧縮上死点(TDC)よりも
60度前の圧力値Pinと、おなじく圧縮上死点よりも
60度後の圧力値Pexだけをサンプリングして一時的
に記憶する。
【0033】PinとPexのサンプル値が入力される
空燃比計算手段13aでは、PinとPexの比を圧力
比Pratio(=Pin/Pex)として1燃焼サイ
クルごとに計算し、この圧力比Pratioからは1番
気筒に供給された混合気の空燃比A/F(a)を求め
る。
【0034】圧力比Pratioと燃焼に供された混合
気の空燃比A/Fとの間には、図のように空燃比がリ
ーン側からリッチ側に向かうほど圧力比Pratioの
値が小さくなる関係があることがSAE論文90026
0などの実験解析結果からよく知られており、図示の関
係をテーブルにしておくと、テーブル検索により混合気
の空燃比を求めることができるのである。つまりここで
の圧力比Pratioは空燃比と相関する値である。
【0035】噴射弁補正量計算手段16では、こうして
求めた1番気筒の空燃比A/F(a)とあらかじめ定め
た基準空燃比A/F(0)にもとづいて1番気筒用の噴
射弁補正量Caを次式により計算する。 Ca=1+Kf・(A/F(0)−A/F(a))/A/F(0) …(1)
【0036】ただし(1)式においてKfは正の定数で
ある。
【0037】あらかじめ定める基準空燃比は理論空燃比
でなくとも、図で示した平均値の噴射量特性により形
成される空燃比でかまわない。
【0038】噴射弁補正手段15aでは補正量Caを上
記の全気筒に共通な燃料噴射パルス幅TFにかけること
によって1番気筒用の燃料噴射パルス幅TFa(=TF
・Ca)を計算し、これを噴射指令に変換して1番気筒
の噴射弁6aに与える。
【0039】2番気筒から4番気筒についても同様にし
て、筒内圧センサ4b〜4dと入力回路12b〜12d
と空燃比計算手段13b〜13dを用いて燃焼室に供給
される混合気の空燃比A/F(b)〜A/F(d)を求
め、噴射弁補正量計算手段16で上記の(1)式と類似
の式を用いて噴射弁補正量Cb〜Cdを個別に計算す
る。噴射弁補正手段15b〜15dで各補正量Cb〜C
dをTFにかけることによって燃料噴射パルス幅TFb
〜TFdを気筒別に計算し、これを噴射指令に変換して
対応する噴射弁6b〜6dに与える。
【0040】ここで、1番気筒で代表させてこの実施例
の作用を説明する。
【0041】1番気筒の噴射弁6aが図において、か
りに上限値の特性をもつ噴射弁だったとすると、この噴
射弁によれば、平均値の特性の噴射弁よりも多くの燃料
が噴射されるため、1番気筒では空燃比が基準空燃比よ
りもリッチ側にずれる。
【0042】このとき、噴射弁補正量Caには1より小
さな値が計算される。たとえば、基準空燃比A/F
(0)が1.1であるのに対し、リッチ側にずれた空燃
比A/F(a)が1.3であれば、Ca=1+Kf・
(−0.2/1.1)よりCaは1より小さな値になる
のである。なお、1.1や1.3は理論空燃比を1とし
て換算した値である。
【0043】このCaで燃料噴射パルス幅TFが補正さ
れると、TFa<TFより1番気筒では供給燃料量が少
なくされ、これにより1番気筒では燃焼室に流入する混
合気が基準空燃比の混合気と同一にされる。
【0044】この逆に、1番気筒の噴射弁6aが図
下限値特性の噴射弁であったとしても、今度はCa>1
より供給燃料量が多くされ、これにより基準空燃比の混
合気と同一にされる。
【0045】つまり、噴射弁補正量Ca〜Cdは基準空
燃比からのずれに応じた値であり、このCa〜Cdによ
ってTFを増減することで、どの気筒にも同量の燃料量
を供給するのである。いいかえると、噴射弁により噴射
量が多いもの、少ないものがあるなど各気筒で噴射量が
バラツクことがあっても、また長期の使用に伴う噴射弁
の目づまりなどによってその後に気筒間で噴射量のバラ
ツキが生じたときにも、そうしたことに関係なく、すべ
ての気筒の空燃比を同じにすることができるのである。
【0046】なお、上記噴射弁ごとの燃料補正によって
いずれの気筒の空燃比も1.1という値の基準空燃比に
なったとすれば、平均の空燃比としても1.1であり、
これはまだ理論空燃比よりもリッチ側の混合気である。
しかしながら、平均の空燃比がリッチ側にずれていると
きは、Oセンサ3によりリッチ側にあると判断されフ
ィードバック補正係数αによりTFが小さくされるの
で、やがて平均の空燃比が理論空燃比のちかくに制御さ
れるのである。つまり、気筒別に空燃比を同じ値にそろ
えてやりさえすれば十分なのである。
【0047】一方、でも示したように特に空燃比が
過度にリッチ側の領域にくると、圧力比Pratioと
空燃比A/Fの関係が線形でなくなるため、この領域で
も噴射弁ごと(気筒ごと)に燃料補正を行うと、空燃比
が異常な値になることがある。図で曲線の底に近くなる
と同じ値の圧力比に対して2つの空燃比が存在し、いず
れかを特定できなくなるからである。つまり、圧力比と
空燃比の関係が線形である領域でしか、噴射弁ごとの燃
料補正が補償されないのである。
【0048】そこで、この例ではOセンサ3を用いた
空燃比フィードバック補正により平均の空燃比が理論空
燃比1.0の近くに制御されているとき、つまりアイド
ル時や高負荷時などを除いた空燃比フィードバック補正
域でだけ前記噴射弁ごとの燃料補正を行わせるのであ
る。たとえば、空燃比のフィードバック補正域以外(つ
まり非空燃比フィードバック制御域)ではαが一定値に
クランプされるので、αがクランプされているときは噴
射弁補正量計算手段16でCa〜Cdをすべて1とすれ
ばよい。
【0049】これにより、高負荷時やアイドル時など非
空燃比フィードバック制御域での運転性に悪影響を与え
ることを防止することができる。
【0050】ところで、この発明は、排気管の集合部に
設けた1つのOセンサによる空燃比フィードバック補
正に対して、各気筒に設けた筒内圧センサを用いての気
筒別燃料補正との組み合わせであるが、排気マニホール
ドの分岐管に気筒数と同数のOセンサを設け、気筒別
に空燃比をフィードバック補正することでも、この発明
と同様に、噴射弁の噴射特性のバラツキに伴う気筒間の
空燃比バラツキを解消できる。
【0051】しかしながら、このものは補正した結果が
センサに達するまでの応答遅れが常に伴うので、過
渡時の応答性が悪くなるのに対し、この発明では各気筒
に設けた筒内圧センサを用いた気筒別の燃料補正により
燃焼室での燃焼状態から直接に空燃比を求めているの
で、過渡時の応答性に優れている。この発明でも基準空
燃比から理論空燃比への制御については過渡時の応答遅
れが生じるけれども、基準空燃比までは上記のものより
応答よく制御できるのである。
【0052】しかも、筒内圧センサを用いた気筒別燃料
補正単独では、空燃比が過度にリッチの領域で上記の圧
力比Pratioと空燃比の関係に2値特性が生じて検
出値の信頼性が悪くなるのに対し、の発明によれば、
センサの情報を参考にする(つまり、図で曲線が
立ち下がる側だけを用いる)ことによって検出精度を向
上できるのである。
【0053】
【発明の効果】の発明では、排気管の集合部に設けた
センサを用いて、空燃比フィードバック制御域のと
空燃比のフィードバック補正を行う一方で、燃焼圧力
の検出値から燃焼室に供給される混合気の空燃気筒ごと
計算し、この気筒ごとの空燃比と基準空燃比とのずれ
に応じた気筒別の噴射弁補正量で全気筒に共通の燃料噴
射パルス幅を気筒ごとに補正する場合に、非空燃比フィ
ードバック制御域のときはこの気筒別の噴射弁補正量に
よる燃料補正を中止するため、非空燃比フィードバック
制御域での運転性に悪影響を与えることを防止すること
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】の発明のクレーム対応図である。
【図2】一実施例のシステム図である。
【図3】筒内圧センサによる燃焼圧力の波形図である。
【図4】圧力比Pratioと空燃比A/Fの相関を示
す特性図である。
【図5】燃料噴射弁の噴射量特性図である。
【符号の説明】
1 クランク角度センサ 2 エアフローメータ 3 Oセンサ 4a〜4d 筒内圧センサ(燃焼圧力センサ) 5 コントロールユニット 6a〜6d 燃料噴射弁 8 基本噴射パルス幅計算手段 9 空燃比フィードバック補正係数計算手段 10 燃料噴射パルス幅計算手段 12a〜12d 入力回路 13a〜13d 空燃比計算手段 15a〜15d 噴射弁補正手段 16 噴射弁補正量計算手段 21 燃料噴射弁 22 Oセンサ 23 基本噴射パルス幅計算手段 24 空燃比フィードバック補正量演算手段 25 燃料噴射パルス幅計算手段 26 駆動信号出力手段 27 燃焼圧力センサ 29 空燃比計算手段 30 噴射弁補正量計算手段 31 噴射量補正手段 41 補正中止手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射パルス幅に応じて燃料を供給する噴
    射弁を気筒ごとに、また排気中の酸素濃度に応じた出力
    をするOセンサを排気管の集合部に備える一方で、運
    転条件に応じて基本噴射パルス幅を計算する手段と、前
    記Oセンサ出力に基づいて空燃比が理論空燃比となる
    ように空燃比のフィードバック補正量を計算する手段
    と、運転条件に応じて空燃比フィードバック制御域と非
    空燃比フィードバック制御域とを備え、このうち空燃比
    フィードバック制御域のとき前記空燃比のフィードバッ
    ク補正量で前記基本噴射パルス幅を補正して全気筒に共
    通する燃料噴射パルス幅を計算する手段と、この燃料噴
    射パルス幅を駆動信号に変えて前記噴射弁に出力する手
    段とを備えるエンジンの空燃比制御装置において、燃焼
    圧力を気筒ごとに検出するセンサと、このセンサ検出値
    にもとづいて燃焼室に供給される混合気の空燃比を気筒
    ごとに計算する手段と、この気筒ごとの空燃比とあらか
    じめ定めた基準空燃比との比較にもとづいて基準空燃比
    よりもリーンであれば供給燃料を増量し、リッチであれ
    ば減量するための噴射弁補正量を気筒別に計算する手段
    と、この気筒別の噴射弁補正量で前記全気筒に共通の燃
    料噴射パルス幅を気筒ごとに補正する手段と、前記非空
    燃比フィードバック制御域のときは前記噴射弁補正量に
    よる補正を中止する手段とを設けたことを特徴とするエ
    ンジンの空燃比制御装置。
JP3207025A 1991-08-19 1991-08-19 エンジンの空燃比制御装置 Expired - Lifetime JP2715721B2 (ja)

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