JP2715566B2 - サーミスタ磁器組成物 - Google Patents
サーミスタ磁器組成物Info
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- JP2715566B2 JP2715566B2 JP1187832A JP18783289A JP2715566B2 JP 2715566 B2 JP2715566 B2 JP 2715566B2 JP 1187832 A JP1187832 A JP 1187832A JP 18783289 A JP18783289 A JP 18783289A JP 2715566 B2 JP2715566 B2 JP 2715566B2
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- thermistor
- porcelain
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、温度計測,温度補償などに用いられる負の
温度係数を有するサーミスタ磁器組成物に関するもので
ある。
温度係数を有するサーミスタ磁器組成物に関するもので
ある。
従来の技術 近年、Mn,Fe,Niを主成分とする酸化物系、いわゆるス
ピネル系サーミスタ磁器は、軽薄短小化の流れに沿って
チップ化が進み、セラミックエレメントに要求される項
目も高精度のみならず、高強度であることが必要な条件
になって来ている。
ピネル系サーミスタ磁器は、軽薄短小化の流れに沿って
チップ化が進み、セラミックエレメントに要求される項
目も高精度のみならず、高強度であることが必要な条件
になって来ている。
発明が解決しようとする課題 上記のようなMn,FeおよびNiを主成分とするスピネル
系サーミスタ磁器を用い、各種用途に展開する場合、製
品によって使用形態,方法は様々であるが、例えばバネ
でセラミックエレメントを保持するタイプでのバネ圧,
円柱状セラミックエレメントの両端にキャップ状電極を
嵌合するタイプでの嵌め合い圧力、さらにはハンダ付け
時のヒートショックなど、セラミックエレメントにかか
る負荷には相当なものがあった。このため、セラミック
磁器の高強度が、工程における作業効率のみならず、製
品としての信頼性をも大きく左右するものでありなが
ら、従来のスピネル系サーミスタ磁器は、高強度のもの
が必ずしも得られなく、適度に妥協しなければならない
ものであった。
系サーミスタ磁器を用い、各種用途に展開する場合、製
品によって使用形態,方法は様々であるが、例えばバネ
でセラミックエレメントを保持するタイプでのバネ圧,
円柱状セラミックエレメントの両端にキャップ状電極を
嵌合するタイプでの嵌め合い圧力、さらにはハンダ付け
時のヒートショックなど、セラミックエレメントにかか
る負荷には相当なものがあった。このため、セラミック
磁器の高強度が、工程における作業効率のみならず、製
品としての信頼性をも大きく左右するものでありなが
ら、従来のスピネル系サーミスタ磁器は、高強度のもの
が必ずしも得られなく、適度に妥協しなければならない
ものであった。
このようなことから、高強度のサーミスタ磁器を作る
ことが望まれていた。
ことが望まれていた。
本発明はこのような問題点を解決するもので、磁器自
身の強度を強くすることによって、量産時における作業
性および製品としての信頼性を向上させることを目的と
するものである。
身の強度を強くすることによって、量産時における作業
性および製品としての信頼性を向上させることを目的と
するものである。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために本発明のサーミスタ磁器
組成物は、金属元素としてMn,FeおよびNiを主成分と
し、副成分としてPb元素を0.1〜10.0原子%添加してな
るものである。また、上記磁器組成に、さらにB,Si元素
の少なくとも一方を主成分に対して0.1〜10.0原子%添
加してなるものである。
組成物は、金属元素としてMn,FeおよびNiを主成分と
し、副成分としてPb元素を0.1〜10.0原子%添加してな
るものである。また、上記磁器組成に、さらにB,Si元素
の少なくとも一方を主成分に対して0.1〜10.0原子%添
加してなるものである。
作用 さて、本発明にかかるサーミスタ磁器はスピネル構造
をもつ結晶であり、その焼結過程も一般に固相反応をと
ることが知られている。そして、電気的な特性は結晶粒
子(半導体)に起因するものであり、一方、磁器の強度
は破断面がアルミナ磁器と同じく粒界破壊であることか
ら、粒子そのものの強度に依存するものではなく、これ
より弱い粒界の強度に起因していることが解る。また、
この両者の一応独立した事象と考えられる。
をもつ結晶であり、その焼結過程も一般に固相反応をと
ることが知られている。そして、電気的な特性は結晶粒
子(半導体)に起因するものであり、一方、磁器の強度
は破断面がアルミナ磁器と同じく粒界破壊であることか
ら、粒子そのものの強度に依存するものではなく、これ
より弱い粒界の強度に起因していることが解る。また、
この両者の一応独立した事象と考えられる。
そして、本発明の構成によれば、Mn,FeおよびNiを主
成分とする組成に、Pbを添加することにより、あるいは
B,Siをさらに添加することによって、焼結時点で部分的
に液相反応が生じ、冷却時に主成分元素のスピネル相を
析出させ、その後、本発明の添加元素であるPb,B,Siは
粒界にとどまり、ガラス相を形成し、強度の大幅増に寄
与しているものとなる。これにより高強度のサーミスタ
磁器が得られることとなる。
成分とする組成に、Pbを添加することにより、あるいは
B,Siをさらに添加することによって、焼結時点で部分的
に液相反応が生じ、冷却時に主成分元素のスピネル相を
析出させ、その後、本発明の添加元素であるPb,B,Siは
粒界にとどまり、ガラス相を形成し、強度の大幅増に寄
与しているものとなる。これにより高強度のサーミスタ
磁器が得られることとなる。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
まず、下記の第1表,第2表に示す組成となるように
各材料の秤量を行い、湿式ボールにて20時間混合した後
に乾燥させ、その後、大気中で800℃・2時間保持にて
仮焼処理を施した。この時、出発原料としては、市販の
MnO2,Fe2O3,NiO,PbO,B2O3,SiO2を使用した。次に、仮
焼処理を施したものを再びボールミルにて湿式粉砕した
後、乾燥させ、5%PVA(ポリビニルアルコール)を10w
t%添加し、ライカイ機にて顆粒を行い、1000kg/cm2の
加圧で40mmφ×2mmの寸法に成形を行った。次いで、こ
の成形体を大気中、1200℃で2時間保持して焼成し、電
極は焼付銀電極を750℃にて両面に施した。
各材料の秤量を行い、湿式ボールにて20時間混合した後
に乾燥させ、その後、大気中で800℃・2時間保持にて
仮焼処理を施した。この時、出発原料としては、市販の
MnO2,Fe2O3,NiO,PbO,B2O3,SiO2を使用した。次に、仮
焼処理を施したものを再びボールミルにて湿式粉砕した
後、乾燥させ、5%PVA(ポリビニルアルコール)を10w
t%添加し、ライカイ機にて顆粒を行い、1000kg/cm2の
加圧で40mmφ×2mmの寸法に成形を行った。次いで、こ
の成形体を大気中、1200℃で2時間保持して焼成し、電
極は焼付銀電極を750℃にて両面に施した。
そして、電気的特性の測定は、オイル槽内にて25℃に
て抵抗値(R25)を測定し、比抵抗値(ρ)に換算し、
また50℃の抵抗値(R50)をさらに測定して、この2点
よりサーミスタ定数(B)を算出した。この算出式は、
B=3854×In(R25/R50)を用いた。さらに、磁器強度
は焼結体をまず厚み0.5mmに研磨(#800)し、その後、
ダイシングマシンにて25mm×5mmに切り出し、この試料
を3点曲げ試験法にて測定を行い、抗折強度を測定し
た。これらの測定結果を下記の第1表,第2表に併せて
示す。ここで、測定値は試料数5ケの平均値である。
て抵抗値(R25)を測定し、比抵抗値(ρ)に換算し、
また50℃の抵抗値(R50)をさらに測定して、この2点
よりサーミスタ定数(B)を算出した。この算出式は、
B=3854×In(R25/R50)を用いた。さらに、磁器強度
は焼結体をまず厚み0.5mmに研磨(#800)し、その後、
ダイシングマシンにて25mm×5mmに切り出し、この試料
を3点曲げ試験法にて測定を行い、抗折強度を測定し
た。これらの測定結果を下記の第1表,第2表に併せて
示す。ここで、測定値は試料数5ケの平均値である。
上記第1表,第2表に示す結果から明らかなように、
本発明実施例のサーミスタ組成によって、電気特性(比
抵抗値ρおよびサーミスタ定数B)を変化させずに磁器
強度を著しく高くすることができる。
本発明実施例のサーミスタ組成によって、電気特性(比
抵抗値ρおよびサーミスタ定数B)を変化させずに磁器
強度を著しく高くすることができる。
ここで、本発明において、PbさらにはB,Siがそれぞれ
主成分に対して0.1原子%未満の場合には、磁器強度を
高くするという本発明の効果が見られず、また一方、1
0.0原子%を超えた場合には比抵抗値ρが大きく、かつ
サーミスタ定数Bは小さくなり、サーミスタ磁器として
の用をなさないものとなるため、請求範囲外としてい
る。
主成分に対して0.1原子%未満の場合には、磁器強度を
高くするという本発明の効果が見られず、また一方、1
0.0原子%を超えた場合には比抵抗値ρが大きく、かつ
サーミスタ定数Bは小さくなり、サーミスタ磁器として
の用をなさないものとなるため、請求範囲外としてい
る。
発明の効果 以上のように、本発明のサーミスタ磁器組成物によれ
ば、上記第1表,第2表に示すように電気特性を変化さ
せずに磁器強度を著しく高くすることができるものであ
る。したがって、この磁器を用いることにより、生産効
率が向上するのみならず、製品としての信頼性を飛躍的
に向上させることができるものである。また、磁器強度
が著しく向上したことにより、さらに薄く、小型の製品
への応用も可能となり、応答性の向上した製品への展開
も可能であるなど、本発明のサーミスタ磁器は画期的な
材料組成を提供することができるものである。
ば、上記第1表,第2表に示すように電気特性を変化さ
せずに磁器強度を著しく高くすることができるものであ
る。したがって、この磁器を用いることにより、生産効
率が向上するのみならず、製品としての信頼性を飛躍的
に向上させることができるものである。また、磁器強度
が著しく向上したことにより、さらに薄く、小型の製品
への応用も可能となり、応答性の向上した製品への展開
も可能であるなど、本発明のサーミスタ磁器は画期的な
材料組成を提供することができるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】金属元素としてMn,FeおよびNiを主成分と
し、副成分としてPb元素を0.1〜10.0原子%添加したこ
とを特徴とするサーミスタ磁器組成物。 - 【請求項2】請求項1記載の磁器組成に、さらにB,Si元
素の少なくとも一方を主成分に対して0.1〜10.0原子%
添加したことを特徴とするサーミスタ磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1187832A JP2715566B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | サーミスタ磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1187832A JP2715566B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | サーミスタ磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0354146A JPH0354146A (ja) | 1991-03-08 |
JP2715566B2 true JP2715566B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=16213019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1187832A Expired - Fee Related JP2715566B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | サーミスタ磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2715566B2 (ja) |
-
1989
- 1989-07-20 JP JP1187832A patent/JP2715566B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0354146A (ja) | 1991-03-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |