JP2715552B2 - インダクター及びインダクターを含む複合部品並びにそれらの製造方法 - Google Patents

インダクター及びインダクターを含む複合部品並びにそれらの製造方法

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JP2715552B2 JP1140906A JP14090689A JP2715552B2 JP 2715552 B2 JP2715552 B2 JP 2715552B2 JP 1140906 A JP1140906 A JP 1140906A JP 14090689 A JP14090689 A JP 14090689A JP 2715552 B2 JP2715552 B2 JP 2715552B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般に回路基板等に設置されるものであっ
て、誘電性を有する磁性体材料に層状になしたものの両
側に電極膜がパターン形成され、この外側がシールドさ
れているインダクター及び、バンドパスフィルタ,デュ
プレクサ等のインダクターを含む複合部品、並びにそれ
らの製造方法に関する。
従来の技術 上記のうち例えばバンドパスフィルタとして、第17図
(正面図)、第18図(底面図)、第19図(背面図)に示
すように構成されたものがある。これは、焼成して得た
誘電体からなる基板220の表面220a及び裏面220bに夫々
左右対称な2つのコの字体の導電パターン221,222,223,
224を形成し、表面220aの導電パターン221,222にアース
用端子225,225を、また裏面220bの導電パターン223,224
に外部取り出し用リード端子226,226を半田付けしたの
ち、リード端子225及びアース用端子226の突出部分を除
いてこれを絶縁用の樹脂浴中に浸漬して樹脂膜(図示せ
ず)を形成し、この外側を例えば磁性体からなるシール
ドケース(図示せず)で囲んでシールドを施している。
このシールドは、近くに金属等の導体が存在すると周
波数特性にずれが生じるのを防止するためである。
また、インダクターやインダクターを含む他の複合部
品においても同様にしてシールドが施されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述のようなシールド構造にあって
は、磁性体からなるシールドケースの透磁率μが周波数
特性に依存して変化するため、高周波領域においては透
磁率μの劣化が起こり、十分なシールド効果が得られな
かった。
また、上述のようにして製造した場合には、基板の焼
成、導電パターンの形成、端子の半田付け、樹脂中への
浸漬およびシールドケースによる被覆等、種々の製造工
程が必要であった。そこで、少ない工程で製造すべく、
近年ではシールド用の電極層を内部に組み込んだ一体的
構造に形成して焼成することにより、製造することが望
まれているが、現実的には焼成の際にシールド電極層内
部のバンドパスフィルタ本体やインダクター本体等にQ
の劣化が生じ、実施できないという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、使
用環境の周波数特性に影響されずにシールドが可能であ
ると共にシールド内部のインダクター等にQの劣化が生
じることがない構成としたインダクター及びインダクタ
ーを含む複合部品並びにそれらの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明に係るインダクターは、磁性体層を挟んでその
両側に形成されているコイルパターン電極を前記磁性体
層に穿設した貫通孔を通じて電気的に接続した構成のイ
ンダクター本体と、このインダクター本体を挟んで両側
に設けてある磁性体又は絶縁体からなる一対のシート層
と、インダクター本体及び前記一対のシート層を挟んで
両側に設けてある一対のシールド電極層と、インダクタ
ー本体,一対のシート層及び一対のシールド電極層を挟
んで両側に設けてある磁性体又は絶縁体からなる一対の
保護層とを備え、前記シールド電極層が回路基板等に設
けたアースと非接続状態となり、かつ、前記シート層の
厚さが1〜1.5mmとなるように構成する。
また、インダクターを含む複合部品は、磁性体層を挟
んで両側にコイルパターンを含む電極を形成してなる複
合部品本体を挟んでその両側に、インダクターの場合と
同様にシート層、シールド電極層、保護層とを備え、シ
ート層の厚さを1〜1.5mmとした構造とする。
このような構造とするのに好適なものとしてバンドパ
スフィルタがある。
また、上述の構造のインダクターについては、磁性体
層を挟んでその両側に形成されているコイルパターン電
極を前記磁性体層に穿設した貫通孔を通じて電気的に接
続した構成のインダクター本体を形成する工程と、磁性
体又は絶縁体からなる保護層、シールド電極層、磁性体
からなるシート層、前記インダクター本体、磁性体から
なるシート層、シールド電極層および、磁性体若しくは
絶縁体からなる保護層を、この順に、シート層の厚さが
1〜1.5mmとなるように積層してなる積層体を形成する
工程と、前記積層体を焼成する工程とを行うと製造でき
る。
更に、インダクターを含む複合部品については、磁性
体層を挟んで両側にコイルパターンを含む電極を形成し
てなる複合部品本体を作製する工程と、磁性体又は絶縁
体からなる保護層、シールド電極層、磁性体からなるシ
ート層、前記複合部品本体、磁性体からなるシート層、
シールド電極層及び、磁性体若しくは絶縁体からなる保
護層を、この順に、シート層の厚さが1〜1.5mmとなる
ように積層してなる積層体を形成する工程と、前記積層
体を焼成する工程とを行うと製造できる。
作用 本発明のインダクターにあっては、インダクター本体
とシールド電極層との間に、磁性体からなる厚さ1〜1.
5mmの厚いシート層が介在しているので、焼成によって
生じるインダクター本体のQの劣化を防止できる。ま
た、上記シート層は主として電界成分を遮断し、一方ア
ースされていないシールド電極層は主として磁界成分を
遮断し、これに加えてシールド電極層の外側に保護層を
設けているため、シールド電極層の透磁率が変化せず、
使用環境の周波数に依存しない。また、このことはイン
ダクターを含む複合部品やバンドパスフィルタにおいて
も同様である。
更に、本発明方法によりインダクター、インダクター
を含む複合部品およびバンドパスフィルタを製造する場
合にあっては、各層を積層状態に重ねたのち一体焼成を
行えば製造でき、また、磁性体からなる厚さ1〜1.5mm
の厚いシート層が焼成時にインダクターを保護してQの
劣化を防止する。これにより、インダクター、インダク
ターを含む複合部品およびバンドパスフィルタの製造を
Qを劣化させることなく簡易に行うことができる。
実 施 例 第1図は本発明に係るインダクターを示す外観斜視
図、第2図は第1図のII−II線による断面図である。こ
のインダクターは、図示の如く複数の層を積層して直方
体形状となっており、最下層の2と最上層の8は、磁性
体又は絶縁体からなる厚さが20〜50μmのシート状をし
た保護層である。その内側の3と7は、例えば銅又は銀
等からなるシールド電極層、4と6は磁性体又は絶縁体
からなる厚さ1〜1.5mmのシート層であり、中央部の5
は例えばスピネル系フェライト等の誘電率が高い磁性体
からなる厚さが20〜50μmであるシート状の磁性体層5
1,52,53,54,55,56を6枚重ね、これらの間に導電材から
なる電極膜がパターン形成されたインダクター本体であ
る。また、図中11は入力端子、12は出力端子である。な
お、保護層2,8及びシート層4,6に用いる磁性体として
は、誘電率の大きさに拘わらず、どのようなものを用い
てもよい。
上記インダクター本体5は、第3図に示すように、上
から5つの磁性体層51,…,55の下面に順次C形の電極膜
パターン51a,…,55aが向きを逆にして交互に形成されて
いる。この電極膜パターン51a等は、最上の磁性体層51
に形成してある電極膜パターン51aの一端側(図中左
側)に設けた入力端子片Aとは左右方向に順次位置を変
えて磁性体層52,…,55に貫通させて設けたバイヤホール
52b,…,55bに導電材(図示せず)を充填して上下の電極
膜パターン51a等の端部が接続され、前記入力端子片A
から磁性体層55に設けた出力端子片Bまでが一体的に繋
がった螺線状のコイルとなされてある。なお、57は充填
した導電材と、接続すべき下側の電極膜パターンとを確
実に接続するための接合用電極である。また、前記入力
端子片Aおよび出力端子Bとは磁性体層51等の端面に露
出させてあり、インダクターの左右端部に形成した入力
端子11及び出力端子12と接続されている。なお、前記電
極膜パターン51a等はC形に形成しているが、これに限
らずコの字形等に形成してもよい。
次に、かかる構造のインダクターの製造方法について
説明する。先ず、6つの磁性体層51,…,56を用意し、こ
れらに所定の電極膜パターン51a等を形成すると共に、
バイヤホール52b等,接合用電極57,入力端子片Aおよび
出力端子片Bを形成し、バイヤホール52b等内に導電材
を充填して6つの磁性体層51等を重ねる。
このようにして作製されたインダクター本体5を挟ん
で両側に、第2図に示したように、シート層4,6と、シ
ールド電極層3,7と、保護層2,8を順次積層する。その
後、インダクター側面に露出するように予め形成してあ
る入力端子片Aおよび出力端子片Bの存在する側面部分
に夫々入力端子11と出力端子12を形成する。これによ
り、入力端子11は入力端子片Aと、また、出力端子12は
出力端子片Bと夫々接続される。
そして、この状態のものを所定温度に保持した焼成炉
内に装入して焼成する。すると、上記構造のインダクタ
ーが製造される。なお、この実施例ではアース端子を設
けていないが、仮にアース端子を設けたとしてもシール
ド電極膜3,7とは非接続となしておく。また、上記シー
ルド電極層3,7については、第4図に示すように、これ
を挟んで上下にある保護層2等の大きさよりも若干小さ
く形成すると共に、中央部に多数個(この例では4個)
の貫通孔3b(又は7b)を形成し、上下層の密着性を向上
させるようにしておくのが好ましい。この貫通孔は孔の
断面を小さくなし、シールドに支障が生じないようにす
る。
このようにして製造されたインダクターにおいては、
各層を積層して積層体を形成し、これを焼成して形成す
るので、異種の製造技術の数を少なくでき、これにより
インダクターを容易に製造することが可能となり、また
入・出力端子が外部に露出させて設けられているので、
回路基板等に表面実装をすることができる。また、イン
ダクター本体5とシールド電極層3,7との間に磁性体又
は絶縁体からなるシート層4,6が設けられているので、
一体的構造に形成したのち焼成を行ってもインダクター
本体5のQが劣化することを防止できる。また、上記シ
ート層4,6は主として電界成分を遮断し、一方、上述の
ごとくにアースされていないシールド電極膜3,7は主と
して磁界成分を遮断し、これに加えてシールド電極層3,
7の外側に保護層2,8が形成されているため、金属等の導
体がインダクターに近づいてもシールド電極膜3,7の透
磁率が変化せず、周波数特性にずれが生じることがな
い。
次いで、本発明をバンドパスフィルタに適用した場合
について説明する。第5図は本発明に係るバンドパスフ
ィルタを示す外観斜視図、第6図は第5図のVI−VI線に
よる断面図(正面図)、第7図は第6図のVII−VII線に
よる断面図(平面図)である。このバンドパスフィルタ
は、第6図に示す如く複数の層を積層した直方体形状を
なし、最下層側から順に、磁性体又は絶縁体からなり、
厚さが20〜50μmであるシート状の保護層21、例えば銅
又は銀等からなるシールド電極層22、磁性体又は絶縁体
からなる厚さ1〜1.5mmのシート層23、銅等の導電材料
からなる裏電極膜24,34、例えばスピネル系フェライト
等の誘電率が高い磁性体からなり、厚さが20〜50μmで
あるシート状の磁性体層25、銅等の導電材料からなる表
電極膜26,36、磁性体又は絶縁体からなる厚さ1〜1.5mm
のシート層27、シールド電極層28及び、磁性体又は絶縁
体からなり、厚さが20〜50μmであるシート状の保護層
29が設けられている。上記保護層21,29及びシート層23,
27に用いる磁性体としては、誘電率の大きさに拘わら
ず、どのようなものを用いてもよい。
第7図の左側に位置する上記表電極膜26(実線)と裏
電極膜24(破線)とは2つのコンデンサ電極パターン61
a,62a,41a,42aを1つのコイルパターン63a,43aで接続し
たもので、平面視コの字パターン形状をしている。前記
コンデンサ電極パターン61aと41a、及び62aと42aは夫々
磁性体層25の表裏両面において対向しており、磁性体層
25の誘電率、厚さ、コンデンサ電極の対向面積によって
決まる容量のコンデンサC1,C2を形成している。一方、
コイルパターン63a,43aは、夫々磁性体層25の表裏各面
において2つのコンデンサ電極パターン61aと62a、41a
と42aを接続する状態で形成されている。各コイルパタ
ーン63a,43aは高周波的にはコイルを形成するのでその
インダクタンスをL1,L2とすると、表電極膜26,裏電極膜
24及びその間の磁性体層25は第8図に示すように第1の
コンデンサC1の両側にコイルL1,L2を直列接続したLC回
路に第2のコンデンサC2を並列接続した等価回路であら
わされる共振器Q1を構成する。なお、この等価回路は第
17図に示す従来品の場合も同様である。
また、前記裏電極膜24及び表電極膜26は共にバンドパ
スフィルタの一側面に達する舌片24a,26aを有し、この
舌片24a,26aの露出した部分はこれよりも下の側面部分
とこれに続く底面部分に夫々L字状に形成した銀等の導
電材料からなる入力用の端子電極膜32,アース用の端子
電極膜30(第5図参照)と電気的に接続されている。こ
の端子電極膜32,30は夫々相互にかつ他の層に対しても
電気的に絶縁されて形成してある。
一方、第7図の右側に位置する上記表電極膜36(実
線)と裏電極膜34(破線)とは2つのコンデンサ電極パ
ターン61b,62b、41b,42bを1つのコイルパターン63b,43
bで接続したもので、前記表電極膜26と裏電極膜24の場
合とは左右対称な平面視コの字パターン形状をしてい
る。前記コンデンサ電極パターン61bと41b、及び62bと4
2bは夫々磁性体層25の表裏両面において対向しており、
磁性体層25の誘電率、厚さ、コンデンサ電極の対向面積
によって決まる容量のコンデンサC3,C4を形成してい
る。一方、コイルパターン63b,43bは、夫々磁性体層25
の表裏各面において2つのコンデンサ電極パターン61b
と62b、41bと42bを接続する状態で形成されている。各
コイルパターン63b,43bは高周波的にはコイルを形成す
るのでそのインダクタンスをL3,L4とすると、表電極膜3
6,裏電極膜34及びその間の磁性体層25は上記左側同様に
第8図に示すように第1のコンデンサC3の両側にコイル
L3,L4を直列接続したLC回路に第2のコンデンサC4を並
列接続した等価回路であらわされる共振器Q2を構成す
る。
また、前記裏電極膜34及び表電極膜36は共にバンドパ
スフィルタの一側面に達する舌片34a,36aを有し、この
舌片34a,36aの露出した部分はこれよりも下の側面部分
とこれに続く底面部分に夫々L字状に形成した銀等の導
電材料からなる出力用の端子電極膜33,アース用の端子
電極膜31(第5図参照)と電気的に接続されている。こ
の端子電極膜33,31は夫々相互にかつ他の層に対しても
電気的に絶縁されて形成してある。
そして、上述の等価回路を持つ共振器Q1,Q2が、第7
図に示しているように2つのコイルパターン63a,63bを
間隔dに接近させた状態であるので、2つのコイルパタ
ーン63a,63bが磁気結合を生じ、第9図に示す如き等価
回路をもつバンドパスフィルタを構成する。図中、Mは
2つのコイルパターン63a,63b間の磁気的結合度をあら
わす相互インダクタンス、L30,L31はアース用の端子電
極膜30,31のもつインダクタンスである。尚、上記2つ
の共振器Q1,Q2は磁性体層25を用いている関係上、磁気
的結合だけでなく容量的結合も行われている。図中、CS
はその結合容量を模式的に示している。
このような構造からなるバンドパスフィルタ本体の外
側に設けたシールド電極膜22,28は、前述のインダクタ
ーの場合と同様にアースしない状態とする。
かかる構造のバンドパスフィルタの製造方法につき次
に説明する。まず、保護層21、シート層23,27、磁性体
層25を用意し、保護層21の表面に例えば銅等の導電材料
からなるペーストをスクリーン印刷又は塗布することに
より、一部を保護層21の端面に露出するようにシールド
電極層22を形成し、またシート層23の表面に同様の方法
で上記舌片24a,34aを有し、左右対称に形成した2つの
コの字パターンの裏面電極膜24,34を形成し、また磁性
体層25の表面に同様の方法で上記舌片26a,36aを有し、
左右対称に形成した2つのコの字パターンの表面電極膜
26,36を形成し、さらにシート層27の表面に同様にし
て、一部をシート層27の端面に露出させてシールド電極
層28を形成し、これらを保護層29とともに重ね合わせた
のち圧着して積層体を形成し、この積層体における前記
舌片24a,34a、26a,36aの露出部分とこれよりも下の側面
及びこれに続く底面に、例えば銅あるいは銀等の導電材
料からなるペーストを印刷して端子電極膜30,31,32,33
を形成すると共に、シールド電極層22,28の一部が露出
した側面部分に銅あるいは銀等の導電材からなるアース
端子膜43を形成したのち、これをたとえば1000℃で2時
間焼成する。
このようにして製造されたバンドパスフィルタにおい
ては、各層を積層してなる積層体を形成し、これを焼成
して形成するので、異種の製造技術の数を少なくでき、
これによりバンドパスフィルタを容易に製造することが
可能となり、また入・出力端子が外部に露出させて設け
られているので、回路基板等に表面実装をすることがで
きる。また、バンドパスフィルタ本体とシールド電極層
22,28との間に磁性体又は絶縁体からなるシート層23,27
が設けられているので、一体的構造に形成したのち焼成
を行ってもバンドパスフィルタ本体のQが劣化すること
を防止できる。また、バンドパスフィルタ本体の外側の
シート層23,27は主として電界成分を遮断し、更に外側
にあるシールド電極層22,28は主として磁界成分を遮断
し、これに加えてシールド電極層22,28の外側に保護層2
1,29が形成されているため、金属等の導体がバンドパス
フィルタに近づいてもシールド電極層22,28の透磁率が
変化せず、周波数特性にずれが生じることがない。
なお、シールド電極22,28、裏面電極膜24,34表面電極
膜26,36の形成される位置は上述したものに限定される
ことはなく、たとえばシールド電極22を保護層21の表面
ではなく、シート層23の裏面に形成するようにしてもよ
い。
このようにして製造したバンドパスフィルタにあって
は、端子電極膜30,31,32,33が外部に露出させて膜状に
形成してあるので、これらを回路基板に合わせてバンド
パスフィルタを置くだけで、容易に表面実装が行えるこ
ととなる。
なお、圧着については本発明の必須要件ではない。更
に、表電極膜26,36、裏電極膜24,34及びシールド電極層
22,28を除く上記5つの各層夫々については、1枚のシ
ート材で構成させても或いは同一材質からなる2枚以上
のシート材を重ねて構成させてもよい。
前記バンドパスフィルタ本体の上下位置、つまり外部
からの磁界や外部に存在する導体から影響を受けやすい
方向位置には夫々シート層27,23を介してシールド電極
層28,22が配されている。このためバンドパスフィルタ
本体はこのシールド電極層28,22により有効にシールド
されており、また、シート層27,23の両方又はいずれか
一方の厚みを変えることにより、つまり1枚のシート材
の厚みを変えるか或いはシート層27,23を構成する複数
のシート材の枚数を増減することにより、バンドパスフ
ィルタの周波数特性を調整することが可能である。例え
ばシート層27側の厚みを変えて周波数特性の調整を行な
う場合につき以下に説明する。
先ず、中心周波数が所望の値より高い場合には、シー
ト層27を厚くする。これによりバンドパスフィルタ本体
がシールド電極層28から離隔するので中心周波数が低下
する。これによって第11図(周波数特性曲線)に示す如
く曲線1から曲線3に周波数特性の調整を行なうことが
できる。
逆に、中心周波数が所望の値より低い場合には、シー
ト層27を薄くする。これにより上記の場合とは反対に、
シールド電極層がバンドパスフィルタ本体に接近するた
め、曲線1が曲線2の状態に変わり中心周波数が高くな
る。
また、上述のシート層27及び23は夫々厚さを均一にす
ることが可能であり、このためシールド電極層28,22
と、表・裏電極膜26,36、24,34とを平行にでき、間隔も
例えば1mm以上で一定にすることができる。これによ
り、シールドを施したバンドパスフィルタの電気的特性
の劣化を抑制できる。
なお、上記実施例では表電極膜26,36、裏電極膜24,34
及びシールド電極層22,28を印刷又は塗布により形成し
ているが、本発明はこれに限らず、表電極膜26,36、裏
電極膜24,34及びシールド電極層22,28用に導電材料から
なるシート材を夫々用意し、9つのシート材を重ね合わ
せるようにしても、或いは表電極膜26,36、裏電極膜24,
34及びシールド電極層22,28の1つ以上に導電材料から
なるシート材を用意し、印刷又は塗布を行なうことと併
用して各シート材を重ね合わせるようにしてもよい。
また、保護層21,29、シート層23,27、磁性体層25をそ
れぞれ、1枚のシート材によって構成するか、それとも
複数のシート材を積層することによって構成するかは任
意であり、適宜選択することができる。
第11図は本発明に係るデュプレクサを示す外観斜視図
であり、第12図は第11図におけるXII−XII線による断面
図である(第6図と同一部分には同一符号を付してい
る。)。このデュプレクサは、積層する層の数,材質等
は上述のバンドパスフィルタと同様であるが、第12図に
示すように積層体中央部の磁性体層25を挟んで両側に形
成した表電極膜80a,裏電極膜80bの形状が異ならせてあ
る。表電極膜80a,裏電極膜80bは夫々、第13図の実線と
破線にて示すようになっており、第14図の等価回路で表
されるデュプレクサ本体を構成する形状となっている。
即ち、低入力端子片Cから順に説明すると、端子片Cに
繋がる上側の表電極膜80aと、磁性体層25の右側に設け
た貫通孔25aに充填した導電材25bにて下側の裏電極膜80
bとが接続され、上下又は斜めに対向してなる部分が、
コンデンサC11とコイルL11とが並列となった回路を構成
する。そして、この回路より先は、表電極膜80aと裏電
極膜80bとが対向してなるコンデンサC12を経て共通出力
端子片Eに繋がる。共通出力端子片Eの高入力端子片D
側は、上側の表電極膜80aと、磁性体層25の中央部に設
けた貫通孔25cに充填した導電材25dにて下側の裏電極膜
80bとが接続されてなるコイルL12に繋がっている。この
L12を構成する下側の裏電極膜80bの先は、途中で2つに
分岐しており、一方が磁性体層25の左側に設けた貫通孔
25eに充填した導電材25fを介して上側の表電極膜80aに
接続され、高入力端子片Dに繋がっている。他方の先
は、下側の裏電極膜80bのみからなるコイルL14と、この
先で上側の表電極膜80aと対向してなるコンデンサC13を
経て高入力端子片Dに繋がっている。
かかる構造のデュプレクサ本体の前記低入力端子片C,
高入力端子片D及び共通出力端子片Eは、磁性体層25の
端面に露出させてあり、低入力端子片C,高入力端子片D
については第11図に示すデュプレクサの前面とこれに繋
がる底面とにわたってL字状に形成した低入力端子81,
高入力端子82に接続され、共通出力端子片Eは、デュプ
レクサの背面とこれに繋がる底面とにわたってL字状に
形成した共通出力端子83に接続されている。なお、上述
のデュプレクサ本体の外側に設けたシールド電極層22,2
8については、前同様にアースしない状態とする。
よって、このデュプレクサにおいても、同様の作用が
ある。
なお、上述したインダクターの場合、中央部に位置す
る磁性体層の両側にシールド電極層を形成し、これによ
り内部をシールドしているが、本発明はこれに限らず、
第15図に示すようにこのシールド電極層3,7の他に更
に、入力端子11,出力端子12が形成されていないインダ
クター側面(2面)にもシールド電極膜3′(破線にて
示す)を形成するようにしてもよい。このようにする
と、よりシールドが確実なものにすることができる利点
がある。このことは、上述したバンドパスフィルタ等の
インダクターを含む複合部品について適用しても同じ効
果が得られる。
また、上述のインダクターの処で第4図を用いて説明
したように、シールド電極層には多数の貫通孔を設けて
いるが、本発明はこれに代えて、第16図(a),(b)
に示すように1つのシールド電極層3(7)を2分割ま
たは4分割等し、これらを離隔して上下層、例えば保護
層2等にて挟むようにしてもよい。このことは、バンド
パスフィルタ,デュプレクサ等にも適用するのが好まし
い。
更に、本発明による場合には、インダクター及びイン
ダクターを含む複合部品において次のような利点があ
る。上述のインダクターを例に挙げて説明すると、保護
層2,8やシート層4,6に対し、高周波領域まで使用帯域が
十分に伸びるように透磁率μが小さい磁性体を用いたと
しても、シールド電極膜3,7が存在するため、シールド
効果を確保した状態で使用帯域を高周波側に伸ばすこと
ができる。
発明の効果 以上詳述した如く本発明による場合には、各層を積層
して積層体を形成し、これを焼成して形成するので、異
種の製造技術の数を少なくでき、これによりインダクタ
ー,インダクターを含む複合部品を容易に製造すること
が可能となり、また、インダクター本体,複合部品本体
を挟んで両側に設けた磁性体又は絶縁体からなるシート
層が主として電界成分を遮断し、更に外側にアースせず
に設けたシールド電極層が主として磁界成分を遮断し、
これに加えてシールド電極層の外側に保護層を設けてあ
るため、金属等の導体が近づいてもシールド電極層の透
磁率が変化せず、周波数特性にずれが生じることがな
い。更に、インダクター本体、複合部品本体とシールド
電極層との間に1〜1.5mmの厚いシート層が設けれてい
るので、本体部分のQの劣化を防止でき、また、このシ
ート層の厚さを変えることにより周波数特性の調整をす
ることが可能となる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るインダクターを示す外観斜視図、
第2図は第1図のII−II線による断面図、第3図は本発
明に係るインダクター内部のインダクター本体部分を示
す分解斜視図、第4図は本発明に用いるのに好適なシー
ルド電極膜を示す斜視図、第5図は本発明に係るバンド
パスフィルタを示す外観斜視図、第6図は第5図のVI−
VI線による断面図、第7図は第6図のVII−VII線による
断面図(正面図)、第8図はそのバンドパスフィルタの
共振器部分に関する等価回路図、第9図はそのバンドパ
スフィルタ本体に関する等価回路図、第10図はそのバン
ドパスフィルタの周波数特性曲線を示すグラフ、第11図
は本発明に係るデュプレクサを示す外観斜視図、第12図
はその縦断面図、第13図はそのデュプレクサ本体部分の
回路を示す平面図、第14図はそのデュプレクサ本体の等
価回路図、第15図は本発明を適用した他のインダクター
例を示す外観斜視図、第16図は本発明に用いるのに好適
な他のシールド電極膜を示す斜視図、第17図は従来品を
示す正面図、第18図はその底面図、第19図はその背面図
である。 2,8,21,29……保護層、3,7,22,28……シールド電極層、
4,6,23,27……シート層、24,34,80b……裏電極膜、25,5
1,52,53,54,55,56……磁性体層、51a,52a,53a,54a,55a,
56a……導電パターン、26,36,80a……表電極膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−115813(JP,A) 特開 昭59−175108(JP,A) 実開 昭58−56415(JP,U) 実開 平1−8830(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回路基板等に設置されるインダクターにお
    いて、 磁性体層を挟んでその両側に形成されているコイルパタ
    ーン電極を前記磁性体層に穿設した貫通孔を通じて電気
    的に接続した構成のインダクター本体と、 このインダクター本体を挟んで両側に設けてある磁性体
    からなる一対のシート層と、 インダクター本体及び前記一対のシート層を挟んで両側
    に設けてある一対のシールド電極層と、 インダクター本体、一対のシート層及び一対のシールド
    電極層を挟んで両側に設けてある磁性体又は絶縁体から
    なる一対の保護層と を具備し、シールド電極層が前記回路基板等に設けたア
    ースと非接触状態となり、かつ、前記シート層の厚さが
    1〜1.5mmとなるように構成してあることを特徴とする
    インダクター。
  2. 【請求項2】回路基板等に設置される、インダクターを
    含む複合部品において、 磁性体層を挟んで両側にコイルパターンを含む電極を形
    成してなる複合部品本体と、 この複合部品本体を挟んで両側に設けてある磁性体から
    なる一対のシート層と、 複合部品本体及び前記一対のシート層を挟んで両側に設
    けてある一対のシールド電極層と、 複合部品本体、一対のシート層及び一対のシールド電極
    層を挟んで両側に設けてある磁性体又は絶縁体からなる
    一対の保護層と、 を具備し、シールド電極層が前記回路基板等に設けたア
    ースと非接触状態となり、かつ、前記シート層の厚さが
    1〜1.5mmとなるように構成してあることを特徴とする
    インダクターを含む複合部品。
  3. 【請求項3】前記複合部品本体がバンドパスフィルタ本
    体であることを特徴をする請求項2記載のインダクター
    を含む複合部品。
  4. 【請求項4】インダクターを製造する方法において、 磁性体層を挟んでその両側に形成されているコイルパタ
    ーン電極を前記磁性体層に穿設した貫通孔を通じて電気
    的に接続した構成のインダクター本体を形成する工程
    と、 磁性体又は絶縁体からなる保護層、シールド電極層、磁
    性体からなるシート層、前記インダクター本体、磁性体
    からなるシート層、シールド層および、磁性体若しくは
    絶縁体からなる保護層を、この順に、シート層の厚さが
    1〜1.5mmになるように積層してなる積層体を形成する
    工程と、 前記積層体を焼成する工程と を含むことを特徴とするインダクターの製造方法。
  5. 【請求項5】インダクターを含む複合部品を製造する方
    法において、 磁性体層を挟んで両側にコイルパターンを含む電極膜を
    形成してなる複合部品本体を作製する工程と、 磁性体又は絶縁体からなる保護層、シールド電極層、磁
    性体からなるシート層、前記複合部品本体、磁性体から
    なるシート層、シールド層および、磁性体若しくは絶縁
    体からなる保護層を、この順に、シート層の厚さが1〜
    1.5mmになるように積層してなる積層体を形成する工程
    と、 前記積層体を焼成する工程と を含むことを特徴とするインダクターを含む複合部品の
    製造方法。
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