JP2715318B2 - 平面型ディスプレイの製造方法 - Google Patents

平面型ディスプレイの製造方法

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、平面型ディスプレイ、特に冷陰極型の電子
放出素子を用いたディスプレイの製造方法に関するもの
である。
[従来の技術] 近年、情報機器や家庭用TV受像機の分野で、薄型で高
精細,高輝度の視認性の良いディスプレイが求められて
いる。
従来、薄型の画像表示装置としては、たとえば、液晶
表示装置やEL表示装置,プラズマディスプレイなどが、
開発されているが、これらには視野角,カラー化輝度等
の点に問題があり、市場の要求する性能を十分に満足し
ているとは言えない状況である。
ところで、従来、簡単な構造で電子の放出が得られる
素子として、例えば、エム・アイ・エリンソン(M.I.El
inson)等によって発表された冷陰極素子が知られてい
る[ラジオ・エンジニアリング・エレクトロン・フィジ
ィッス(Radio Eng.Electron.Phys.)第10巻,1290〜129
6頁,1965年]。
これは、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に
平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を
利用するもので、一般には表面伝導形放出素子と呼ばれ
ている。
この表面伝導形放出素子としては、前記エリンソン等
により開発されたSnO2(Sb)薄膜を用いたもの、Au薄膜
によるもの[ジー・ディトマー“スイン・ソリド・フィ
ルムス”(G.Dittmer:“Thin Solid Films")、9巻,31
7頁,(1972年)]、ITO薄膜によるもの[エム・ハート
ウェル・アンド・シー・ジー・フォンスタッド“アイ・
イー・イー・イー・トランス・イー・ディー・コンフ”
(M.Hartwell and C.G.Fonstad:“IEEE Trans ED Con
f.")519頁,(1975年)]、カーボン薄膜によるもの
[荒木久他:“真空",第26巻,第1号,22頁,(1983
年)]とが報告されている。
これらの表面伝導形放出素子は、 1)高い電子放出効率が得られる、 2)構造が簡単であるため、製造が容易である、 3)同一基板上に多数の素子を配列形成できる 等の利点を有する。
この素子においては、電子放出を行う前に予めフォー
ミングと呼ばれる通電処理によって電気的に高抵抗な状
態にした電子放出部を形成している。
一方、このフォーミングを施さないで微粒子を分散形
成する方法や、熱処理による局所的な析出現象を利用す
る方法で作製した素子に通電処理を施し、素子の電気伝
導性を向上させて電子放出部を形成する製法も提案され
ている。
以下、前記表面伝導形電子放出素子を使用したディス
プレイの従来例を図面に沿って説明する。
第2図は、平面型のディスプレイの構成を示すもので
ある。
第2図において、後方から前方に向かって順に、電子
放出素子12を配置した背面基板11、第1のスペーサー1
3,電子ビーム流を制御する制御電極14と電子ビームを蛍
光面に集束させるための集束電極16とを具備した、一定
の間隔で孔21のあいている電極基板15,第2のスペーサ
ー17,蛍光体18及び電子ビーム加速電極を具備したフェ
ースプレート19が構成されており、上記構成部品は、端
部を低融点ガラスフリットにて封着され内部を真空にし
て収納される。真空排気は、真空排気管20にて排気され
る。
スペーサー17や電極基板15は、ガラス,セラミックス
等を使用し、制御電極14,集束電極16等は、スクリーン
印刷蒸着等により形成される。排気は真空の質を長期的
に維持するため、前記フェースプレート,基板,スペー
サーの外囲器全体を加熱脱ガス処理後あるいは処理をし
ながら行う。低融点ガラスフリットの軟化後封着して冷
却し真空排気部を封止して終了する。即ち、フェースプ
レート19とスペーサー13と基板11との間は、融着した低
融点ガラスにより密着し、気密構造になっている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来、この表面伝導形電子放出素子を
利用した平面型ディスプレイを製造する際には、表面伝
導形電子放出素子に通電処理(フォーミング処理)を施
して電子放出部を形成した後、かかる電子放出素子を形
成した基板,フェースプレート,スペーサーを加熱して
脱ガス処理しつつあるいは脱ガス処理後に、これらの部
材を低融点ガラスフリットで封着して外囲器を作製して
いた。その結果、通電処理によって得られていた素子の
電子放出特性が劣化し易く、時には電子放出しなくなる
場合もあった。この様な問題点があるため、表面伝導形
電子放出素子を利用した平面型ディスプレイにおいて
は、素子構造が簡単という利点があるにもかかわらず、
素子特性を生かしきれず、同特性の複数の素子を使う場
合でも、製造した平面型ディスプレイは、輝度ムラが生
じるなど応用上信頼性の点で困難を生じていた。
[課題を解決するための手段] 上記のような問題点を解決すべく成された本発明は、
電極間に電子放出部を含む薄膜を有する電子放出素子を
設けた基板と、蛍光体を設けたフェースプレートとをス
ペーサーを介して対向配置して構成される外囲器を気密
封止して得られる平面型ディスプレイの製造方法におい
て、 前記外囲器を構成する部材を封着して外囲器を構成す
る封着工程の後に、前記電子放出素子の電極間に通電し
て電子放出部を形成することを特徴とする平面型ディス
プレイの製造方法にある。
本発明は、さらにその特徴として、 「前記封着工程の前に、前記外囲器を構成する部材を
加熱する脱ガス工程を行う」こと、 「前記封着工程の際に、前記外囲器を構成する部材を
加熱する脱ガス工程を行う」こと、 「前記電子放出素子は、表面伝導形電子放出素子であ
る」こと、 をも含むものである。
本発明によれば、電子放出素子の特性を損なうことが
なく、信頼性のある平面型ディスプレイ装置の作製が可
能になる。
本発明の製造方法で性能が損われなくなる理由は、未
だ明確ではないが、通電処理により生じる島状構造体の
形成,微小粒子移動再配列等に起因した、表面へのガス
吸着,表面化学結合の変化,物理形状の変化等の影響を
低減させるものと考えられる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 清浄な石英基板1上にNiを3000Å蒸着しフォトリソグ
ラフィーの手法を使って電極パターン2,2′を第1図の
如く形成する。第1図中のLは10μm,Wは250μmとし
た。次に試料基板を第4図に示した微粒子堆積用の真空
装置にセットする。第4図に示した装置は微粒子生成室
41と微粒子堆積室42及びその2室をつなぐノズル43から
構成され、試料は同図中44の位置にセットされる。排気
系45で真空度を5×10-7Torrまで排気した後、Arガス46
を微粒子生成室41へ60SCCM流した。作成条件は微粒子生
成室41の圧力5×10-2Torr,微粒子堆積室42の圧力1×1
0-4Torr,ノズル径5φ,ノズル−基板間距離150mmとし
た。次にカーボン製ルツボの蒸発源47よりAuを前述条件
下で蒸発させて生成したAu微粒子をノズル43より吹き出
させ、シャッター48の開閉により、所定量堆積させる。
このときAu微粒子の堆積厚は80Åである。微粒子は試料
全面に配置されるが形成される電子放出部以外のAu微粒
子は実質的に電圧が印加されない為何らの支障もない。
Au微粒子の径は約40〜150Åで中心粒径は80Åであり、A
u微粒子は基板上で島状に散在していた。このとき素子
のシート抵抗は数100kΩ程度であった。次に第2図に示
した様に基板とスペーサーとフェースプレートを400℃
で脱ガス処理した後、真空引きしながら低融点ガラス,
コーニング社半田ガラス7570を用いて封着し外囲器を構
成した。その後真空引きしつつ冷却して、電極2,2′に
1〜15Vの電圧を印加し(通電処理)素子のシート抵抗
が数10kΩ以下になった時点で電圧印加をやめ真空排気
部を封止する。このときの真空度は3×10-6Torr以上で
あった。
こうして、本発明の製造方法で作製した素子と脱ガス
・封着前に電通処理して作製した素子(比較例)を10点
ずつ作製して比較した特性結果を表1に示す。結果をみ
てもわかるとおり、本実施例の電子放出特性が劣化せ
ず、バラツキも小さく保っているのがわかる。
実施例2 第3図の如く、白板ガラス基板からなる絶縁性基板1
上に膜厚1000ÅのAgからなる薄膜4と膜厚1000ÅのAlか
らなる電極2,2′をフォトリソグラフィーの手法を使っ
て形成した。次いで、実施例1と同じように脱ガス処理
しつつ、低融点ガラスで封着して外囲器を構成し、真空
度1×10-5Torr以上で電極間に約30Vの電圧を印加し、
薄膜4に通電し、これにより発生するジュール熱で薄膜
4を局所的に電気的に高抵抗な状態数kΩ〜数10kΩに
した電子放出部5を形成し、真空排気部を封止した。表
1に結果を示したが本実施例の電子放出特性は劣化があ
まり見られず、バラツキも小さく保っているのがわか
る。
なお、本電子放出素子における電極材やその厚み、素
子の形状、電極ギャップ部の幅W、ギャップ間隔L、微
粒子材料とその形成方法(例えば塗布ディッピング法や
蒸着法)は、本実施例に限定されるものでなく公知のも
のが使用できるのはいうまでもない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、電子放出素子
を設けた基板、蛍光体を設けたフェースプレート、スペ
ーサー等の部材を封着して外囲器を構成した後に、電子
放出素子の電極間に通電して電子放出部を形成すること
により、電子放出素子の電子放出特性の劣化を防止でき
る。これにより、複数の電子放出素子を形成して用いる
場合でも、各素子間での電子放出特性のバラツキを低減
でき、その応用上信頼性の高い平面型ディスプレイを提
供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を表わす電子放出素子の模式
的平面図、第2図は平面型ディスプレイの構造を説明す
る見取図、第3図は本発明の別の実施例に用いた電子放
出素子の模式的平面図、第4図は電極間に微粒子を堆積
させる一実施例の真空装置図である。 1……絶縁基板、2,2′……電極 3,5……電子放出部、4……薄膜 11……背面基板、12……電子放出素子 13,17……スペーサー、14……制御電極 15……電極基板、16……集束電極 18……蛍光体、19……フェースプレート 20……真空排気管、41……微粒子生成室 42……微粒子堆積室、43……ノズル 44……試料素子、45……排気系 46……導入ガス(Ar)47……蒸発源 48……シャッター
フロントページの続き (72)発明者 野村 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 武田 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 宇田 芳巳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−55841(JP,A) 特開 昭60−218738(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極間に電子放出部を含む薄膜を有する電
    子放出素子を設けた基板と、蛍光体を設けたフェースプ
    レートとをスペーサーを介して対向配置して構成される
    外囲器を気密封止して得られる平面型ディスプレイの製
    造方法において、 前記外囲器を構成する部材を封着して外囲器を構成する
    封着工程の後に、前記電子放出素子の電極間に通電して
    電子放出部を形成することを特徴とする平面型ディスプ
    レイの製造方法。
  2. 【請求項2】前記封着工程の前に、前記外囲器を構成す
    る部材を加熱する脱ガス工程を行うことを特徴とする請
    求項1に記載の平面型ディスプレイの製造方法。
  3. 【請求項3】前記封着工程の際に、前記外囲器を構成す
    る部材を加熱する脱ガス工程を行うことを特徴とする請
    求項1に記載の平面型ディスプレイの製造方法。
  4. 【請求項4】前記電子放出素子は、表面伝導形電子放出
    素子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の平面型ディスプレイの製造方法。
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