JPH0883578A - 画像形成装置およびその製造方法 - Google Patents

画像形成装置およびその製造方法

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JPH0883578A
JPH0883578A JP21586594A JP21586594A JPH0883578A JP H0883578 A JPH0883578 A JP H0883578A JP 21586594 A JP21586594 A JP 21586594A JP 21586594 A JP21586594 A JP 21586594A JP H0883578 A JPH0883578 A JP H0883578A
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JP
Japan
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electron
outer frame
image forming
frit glass
emitting device
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JP21586594A
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Inventor
Kumiko Kaneko
久美子 金子
Shinichi Kawate
信一 河手
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フリットガラスの使用量を厳しく管理しなく
ても不必要な部位へのフリットガラスの流れ出しをなく
する。 【構成】 電子放出素子5が設けられたリアプレート1
には、外枠3を介してフェースプレート2が対向配置さ
れる。フェースプレート2は、電子放出素子5から放出
された電子が衝突することにより発光する蛍光膜9を有
する。リアプレート1と外枠3およびフェースプレー2
トと外枠3とは、互いにフリットガラス11により気密
固着される。リアプレート1の、外枠3との固着部と、
電子放出素子5が設けられた領域との間には、溝6が形
成される。リアプレート1と外枠3との固着の際には、
固着に使用されるフリットガラス11の量が多くても、
溶融したフリットガラス11は溝6で留まり、電子放出
素子5までは流れ込まない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子を画像形成部材に
衝突させることで生じる発光や帯電を利用して画像を形
成する画像形成装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子を用いた画像形成装置にお
いて、真空雰囲気を維持する外囲器、電子を放出する為
の電子源とその駆動回路、電子の衝突により発光する蛍
光体等を有する画像形成部材、電子を画像形成部材に向
けて加速するための加速電極とその電圧電源等が必要で
ある。
【0003】画像形成装置の電子源に用いられる電子放
出素子として、従来からCRT等で用いられてきた熱陰
極の他に冷陰極が知られている。冷陰極には電界放出型
(FE型)、金属/絶縁層/金属型(MIM型)や表面
伝導型電子放出素子(Surface Conduct
ive Emitter、)等がある。
【0004】FE型の例としてはW.P.Dyke&
W.W.Dolan、“Fieldemissio
n”、Advance in Electron Ph
ysics、8、89(1956)あるいはC.A.S
pindt、“PhysicalProperties
of Thin−film Field Emiss
ion Cathodes with Molybde
nium Cones”、J.Appl.Phys.、
47、5248(1976)等が知られている。
【0005】MIM型の例としてはC.A.Mead、
“The tunnel−emission ampl
ifier”、J.Appl.Phys.、32、64
6(1961)等が知られている。
【0006】表面伝導型電子放出素子の例としては、
M.I.Elinson、RadioEng.Elec
tron Phys.、10、1290,(1965)
等がある。
【0007】表面伝導型電子放出素子は基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”、9、317(1972)]、In23 /S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.”、519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0008】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図8に示す。同図においては絶縁性基板3001には、
H型形状のパターンに、スパッタで形成された金属酸化
物薄膜等からなる電子放出部形成用薄膜3002が形成
されている。電子放出部形成用薄膜3002には、後述
のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部3
003が形成される。
【0009】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜を
予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出
部3003を形成するのが一般的であった。即ち、フォ
ーミングとは電子放出部形成用薄膜3002の両端に電
圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜3002を局所
的に破壊、変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状
態にした電子放出部3003を形成することである。以
下、フォーミングにより形成した電子放出部3003を
含む電子放出素子形成用薄膜3002を、電子放出部を
含む薄膜3004と呼ぶ。そして、電子放出部を含む薄
膜に電圧を印加し、素子に電流を流すことにより、電子
放出部3003から電子が放出される。
【0010】このような表面伝導型電子放出素子を用い
た従来の画像形成装置について図9を参照して説明す
る。
【0011】図9において、リアプレート101には、
外枠103を介してフェースプレート102が対向配置
される。リアプレート101は、青板ガラス等の絶縁性
基板104の表面に、複数の表面伝導型の電子放出素子
105をマトリックス状に配置したものである。各電子
放出素子105は、それぞれ上述したように薄膜からな
る一対の素子電極105aと、この素子電極105a間
にフォーミング処理を行なうことによって形成された電
子放出部105bとで構成される。また、フェースプレ
ート102とリアプレート101との間には、各電子放
出素子105から放出された電子を制御するための、放
出電子が通過する孔107aが形成された変調電極10
7が配置されている。
【0012】フェースプレート102は、青板ガラスか
らなるガラス基板108と、ガラス基板108のリアプ
レート101との対向面に形成され、電子放出素子10
5から放出された電子が衝突することで発光する蛍光体
よりなる蛍光膜109と、蛍光膜109を覆うAl薄膜
製のメタルバック110とからなる。蛍光膜109をメ
タルバック110でコートする目的は、比抵抗が一般に
1010〜1012Ω・cmと高い蛍光体に電荷(電子)が
溜り電位の低下を防ぐことと、電子ビーム加速用の電圧
を印加するための電極として作用することと、蛍光体の
発光の内側への光を反射し輝度を向上させることと、負
イオンの衝突から蛍光体を保護すること等である。
【0013】そして、外枠103とリアプレート101
との固着および外枠103とフェースプレート102と
の固着には、フリットガラス111が用いられる。電子
放出素子105は真空中で動作させるので、フェースプ
レート102と外枠103とリアプレート101とで構
成される外囲器内は真空に保たれなければならない。そ
のため、フェースプレート102と外枠103との固着
およびリアプレート101と外枠103との固着は、真
空もれがなく、しかも強固に行なう必要がある。
【0014】フリットガラス111による固着は、ま
ず、フェースプレート102およびリアプレート101
の外枠103との固着面に、有機溶剤あるいはニトロセ
ルロースやアクリル等のバインダーで粘度を調製した有
機溶剤と混合させ、ペースト状となったフリットガラス
111を塗布する。そして、蛍光体の位置と電子放出部
105との位置合わせを行ない治具等で固定した後、電
気炉に入れてフリットガラス111の融点以上の温度に
加熱し、フェースプレート102と外枠103およびリ
アプレート101と外枠103とを固着する。
【0015】フリットガラス111による固着が終了し
たら、フェースプレート102とリアプレート101と
の間の空間を、排気管(不図示)を通して真空ポンプに
より1×10-6Torr以下に真空排気する。
【0016】次に、各素子電極105aに電圧を印加し
て上記フォーミング処理を行ない、電子放出部105b
を形成する。さらに、このフェースプレート102と外
枠103とリアプレート101とで構成される外囲器全
体をベーキングし脱ガスを十分に行なった後、ゲッター
処理を行ない、最後に排気管を封じ切り、画像形成装置
が完成する。ゲッター処理は、フェースプレート102
と外枠103とリアプレート101の固着後の外囲器の
真空度を維持するために行なうもので、抵抗加熱あるい
は高周波加熱等により、外囲器内の所定の位置に配置さ
れたゲッター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する処
理である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の画像形成装置では、フェースプレートと外枠との固着
およびリアプレートと外枠との固着をフリットガラスに
より行なっていた。しかしながら、フリットガラスは温
度が上昇するにつれて粘度が低下し液状化するので、フ
リットガラスが溶融することによってフリットガラスは
外枠からはみ出てしまう場合がある。そして、フリット
ガラスのはみ出す量が多くなると、リアプレート側にお
いては、フリットガラスが電子放出素子まで流れ出し、
電子の正常な放出を妨げてしまうおそれがある。一方、
フェースプレート側においては、電子放出素子から放出
された電子が衝突する位置までフリットガラスが流れ出
し、蛍光体の発光が妨げられてしまうおそれがある。
【0018】このような問題点を解消するためには、フ
リットガラスの使用量を少なくする方法や、電子放出素
子に対して十分に距離をおいて外枠を配置する方法が考
えられる。しかし、フリットガラスの使用量を少なくす
る方法では、逆にフリットガラスが少なすぎると、固着
状態が不十分になったり外囲器内の真空度が維持できな
くなったりする等の問題を生じるので、フリットガラス
の使用量を厳しく管理しなければならなくなり、生産性
が低下してしまう。一方、電子放出素子から外枠までの
距離を十分に離す方法では、外枠の大きさに対して有効
素子面積が小さくなってしまうことになる。すなわち、
装置全体に対する画面面積が小さくなり、無駄な空間が
多くなってしまう。
【0019】そこで本発明は、フリットガラスの使用量
を厳しく管理しなくても不必要な部位へのフリットガラ
スの流れ出しがない画像形成装置およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の画像形成装置は、電子を放出する電子放出素子
が設けられたリアプレートと、前記電子放出素子から放
出された電子が衝突することにより画像が形成される画
像形成部材が設けられ、外枠を介して前記リアプレート
に対向配置されたフェースプレートとを有し、前記リア
プレートと前記外枠、および前記フェースプレートと前
記外枠とが、互いにフリットガラスにより気密固着され
た画像形成装置において、前記リアプレートの、前記外
枠が固着される部位と前記電子放出素子が設けられる領
域との間、および前記フェースプレートの、前記外枠が
固着される部位と前記電子放出素子からの電子が衝突さ
れる領域との間のうち、少なくとも一方に、前記フリッ
トガラスの流れを規制する規制構造を有することを特徴
とする。
【0021】前記規制構造は、溝、突起、段差、または
傾斜で構成することができる。
【0022】また、前記画像形成部材は、電子が衝突す
ることにより発光する蛍光体であってもよい。
【0023】さらに、前記電子放出素子は、冷陰極型電
子放出素子を用いてもよく、その中でも特に、表面伝導
型電子放出素子を用いることが好ましい。
【0024】本発明の画像形成装置の製造方法は、電子
が放出される電子放出素子が設けられたリアプレート
に、外枠を挟んで、電子放出素子から放出された電子が
衝突することにより画像が形成される画像形成部材が設
けられたフェースプレートを対向させ、前記リアプレー
トと前記外枠、および前記フェースプレートと前記外枠
とを、互いにフリットガラスにより気密固着する画像形
成装置の製造方法において、前記リアプレートとして、
前記外枠が固着される部位と前記電子放出素子が設けら
れる領域との間に、前記フリットガラスの流れを規制す
る規制構造を有するリアプレート、および前記フェース
プレートとして、前記外枠が固着される部位と前記電子
放出素子からの電子が衝突される領域との間に、前記フ
リットガラスの流れを規制する規制構造を有するフェー
スプレートのうち、少なくとも一方を用い、前記リアプ
レートと前記外枠、および前記フェースプレートと前記
外枠とを互いに前記フリットガラスにより気密固着する
ことを特徴とする。
【0025】
【作用】上記のとおり構成された本発明の画像形成装置
では、リアプレートにフリットガラスの流れを規制する
規制構造を有する場合は、リアプレートと外枠とは、フ
リットガラスにより互いに固着される。リアプレートと
外枠との固着に際しては、フリットガラスを溶融させて
行なう。このとき、リアプレートの、外枠が固着される
部位と電子放出素子が設けられる領域との間に規制構造
を有するので、溶融したフリットガラスは、流れが規制
構造により規制され、電子放出素子が設けられている領
域には到達しない。その結果、外枠とリアプレートとの
固着に用いられるフリットガラスの量が多くてもフリッ
トガラスは電子放出素子には付着せず、電子放出素子の
機能が損なわれることはない。
【0026】また、フェースプレートにフリットガラス
の流れを規制する規制構造を有する場合は、フェースプ
レートと外枠との固着に際して、溶融したフリットガラ
スは、流れが規制構造により規制され、電子放出素子か
ら放出された電子が衝突される領域には到達しない。そ
の結果、外枠とフェースプレートとの固着に用いられる
フリットガラスの量が多くてもフリットガラスはフェー
スプレートの電子が衝突される領域には付着せず、画像
形成部材の画像形成機能が損なわれることはない。
【0027】本発明の画像形成装置の製造方法では、フ
リットガラスの流れを規制する規制構造を有するリアプ
レートを用いた場合は、リアプレートと外枠との固着に
使用するフリットガラスの量が多くても、フリットガラ
スは規制構造で規制され、電子放出素子に付着しない。
その結果、外枠とリアプレートとの固着に用いられるフ
リットガラスの量を厳密に管理しなくてもよくなり、生
産性および歩留りが向上する。
【0028】また、フリットガラスの流れを規制する規
制構造を有するフェースプレートを用いた場合は、フェ
ースプレートと外枠との固着に使用するフリットガラス
の量が多くても、フリットガラスは規制構造で規制さ
れ、電子放出素子からの電子が衝突される領域に付着し
ない。その結果、外枠とフェースプレートとの固着に用
いられるフリットガラスの量を厳密に管理しなくてもよ
くなり、生産性および歩留りが向上する。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0030】(第1実施例)図1は、本発明の画像形成
装置の第1実施例の一部を破断した概略斜視図であり、
図2は、図1に示した画像形成装置の外枠とリアプレー
トとの固着部近傍の断面図である。
【0031】本実施例の画像形成装置は、電子放出素子
5から放出された電子を、画像形成部材としての蛍光膜
9に衝突させることで画像を表示する画像表示装置であ
り、電子放出素子5が設けられたリアプレート1と、電
子放出素子5から放出された電子が衝突されるフェース
プレート2とが、外枠3を介して対向配置されている。
外枠3とフェースプレート2および外枠3とリアプレー
ト1とは、互いにフリットガラス11により気密固着さ
れており、リアプレート1と外枠3とフェースプレート
2とで構成される外囲器内は、1×10-6Torr程度
以下の真空に保たれている。
【0032】リアプレート1は、ガラスあるいはセラミ
ック等の絶縁性基板4と、この絶縁性基板4のフェース
プレート2との対向面にマトリックス状に配置された複
数の表面伝導型の電子放出素子5とを有する。各電子放
出素子5は、それぞれ一対の素子電極5aと、素子電極
5aの間を連絡する薄膜に形成された電子放出部5bと
で構成される。
【0033】表面伝導型の電子放出素子5は、素子電極
5a間にある程度(しきい値電圧)以上の電圧を印加す
ることにより急激に放出電流が増加して電子放出部5b
から電子を放出し、一方、上記しきい値電圧未満では放
出電流がほとんど検出されない非線形素子である。表面
伝導型の電子放出素子5の放出電流は素子電極5a間に
印加する電圧で制御でき、また、放出電荷はこの電圧の
印加時間により制御できる。
【0034】電子放出部5bは、先述したように素子電
極5a間にフォーミングと呼ばれる通電処理を施すこと
によって、素子電極5a間を連絡する薄膜を局所的に破
壊、変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状態にし
たもので、粒径が数十オングストロームの導電性微粒子
からなる。素子電極5a間を連絡する薄膜のうち、電子
放出部5bを除く部位は、微粒子膜からなる。なお、こ
こで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜で
あり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置し
た状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは重な
り合った状態(島状も含む)の膜をさす。また、これと
は別に、素子電極5a間を連絡する薄膜は、導電性微粒
子が分散されたカーボン薄膜等の場合がある。
【0035】本出願人は、表面伝導型の電子放出素子5
のなかでは電子放出部5bもしくはその周辺部を微粒子
膜から形成したものが特性上、あるいは大面積化する上
で好ましいことを見出している。
【0036】素子電極5a間を連絡する薄膜の具体例と
しては、Pd、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、
Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、P
dO、SnO2 、In2 3 、PbO、Sb2 3 等の
酸化物、HfB2 、ZrB2、LaB6 、CeB6 、Y
4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、
TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、H
fN、等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン、
AgMg、NiCu、Pb、Sn等が挙げられる。
【0037】電子放出素子5の表面には、絶縁材(不図
示)を介して、Au、Al、Cu等の金属からなる変調
電極7が形成されている。変調電極7には、電子放出素
子5の電子放出部5bから放出された電子が通過する孔
7aが形成されている。
【0038】また、絶縁性基板4の電子放出素子5が形
成されている面の、電子放出素子5が形成されている領
域と外枠3が固着されている領域との間には、その全周
にわたって、フリットガラス11の流れを規制する規制
構造としての溝6が形成されている。溝6の形状は、本
実施例では図2に示すように断面が角形であるが、丸形
でもよく、特に限定されるものではない。
【0039】一方、フェースプレート2は、ガラス基板
8の内面に蛍光体を塗布して蛍光膜9を形成し、さらに
蛍光膜9の表面に導電性を有するメタルバック10を形
成したもので、電子放出素子5から放出された電子を加
速するために、メタルバック10には高圧電源(不図
示)により高電圧が印加される。
【0040】蛍光膜9は、モノクロームの場合は蛍光体
のみから成るが、カラーの場合は、三原色(R、G、
B)等の蛍光体の配列により構成され、各蛍光体を囲む
ように格子状の黒色導電体が配される。この黒色導電体
は、各蛍光体間の塗り分け部を黒くすることで混色を目
立たなくすることと、蛍光膜9における外光反射による
コントラストの低下を抑制することである。黒色導電体
の材料としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分
とする材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反
射が少ない材料であれば適用できる。また、ガラス基板
8に蛍光体を塗布する方法はモノクローム、カラーによ
らず、沈殿法や印刷法が用いられる。
【0041】メタルバックの目的は、蛍光膜9の発光の
うち内面側への光をフェースプレート2側へ鏡面反射す
ることにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧
を印加するための加速電極として作用すること、フェー
スプレート1とリアプレート1と外枠3とで構成される
外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから
の蛍光体の保護等である。メタルバック10は、蛍光膜
9を作製後、蛍光膜9の内側表面の平滑化処理(通常フ
ィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着
等で堆積することで作製できる。フェースプレート2に
は、さらに蛍光膜9の導電性を高めるため、蛍光膜9と
ガラス基板8との間にITO等の透明電極(不図示)を
設けてもよいが、メタルバック10のみで十分な導電性
が得られる場合には必ずしも必要ない。
【0042】次に、本実施例の画像形成装置の製造工程
について説明する。
【0043】まず、絶縁性基板4を洗剤、純水および有
機溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等
により素子電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技
術により絶縁性基板4の面上に素子電極5aを形成す
る。本実施例では、リフトオフ法によって、間隙幅2μ
m、間隙長さ400μm、厚さ1000オングストロー
ムのAuの素子電極5aを600×400対作製した。
【0044】次いで、絶縁性基板4上に設けられた素子
電極5aの間に、素子電極5aを連絡する薄膜を形成す
る。この薄膜は、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相
堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピナー法等に
よって形成される。本実施例では、絶縁性基板4上に有
機Pd溶液(奥野製薬(株)製 CCP4230)を塗
布し、300℃で15分間焼成した後、レジストパター
ンをパターニングし、エッチングを行なうことで形成し
た。この薄膜の大きさは、素子電極5aの間隙方向の長
さが280μm、幅が30μmである。
【0045】さらに、各電子放出素子5の外部との電気
的接続のために、絶縁性基板4上にレジストをパターニ
ングしエッチングを行ない、例えば厚さ1μmのAu配
線を形成する。
【0046】その後、電子放出素子5上に絶縁材とし
て、例えばSiO2 膜をスパッタ等により形成し、さら
に絶縁材上にAu、Al、Cu等の金属を蒸着して所定
の部位をエッチングにより除去し、孔7aを有する変調
電極7を形成する。これにより、リアプレート1が作製
される。
【0047】また、絶縁性基板4には、電子放出素子5
の形成されている領域を取り囲む溝6を形成する。この
溝6は、電子放出素子5を形成する前に、グラインダ
ー、ダイシングソー等の切削方法により形成してもよい
し、電子放出素子5の形成プロセスの途中で、ウエット
エッチングあるいはドライエッチングにより形成しても
よい。溝6を形成する方法については特に限定されるも
のではない。
【0048】一方、ガラス基板8の内側表面に、蛍光体
を塗布して蛍光膜9を形成し、さらに蛍光膜9の表面に
導電性を持たせたメタルバック10を形成してフェース
プレート2を作製する。
【0049】そして、フェースプレート2、外枠3およ
びリアプレート1の互いの固着部位にフリットガラス1
1(日本電気硝子(株)製 LS−3081)を塗布す
る。フリットガラス11には、結晶性のものや非結晶性
のもの、さらには成分の違いにより数種類あり、固着温
度や使用部材の熱膨張係数に応じて適宜選択することが
できる。フリットガラス単体は粉体なので、塗布する場
合は有機溶剤あるいはニトロセルロースやアクリル等の
バインダーで粘度を調製した有機溶剤と混合させてペー
スト状とし、少なくとも塗布作業温度では粘着性を持た
せる。また、フリットガラス11の塗布方法としては、
印刷法、スプレー法、ディスペンサ法による注入法等を
用いることができる。
【0050】フリットガラス11を塗布したら、フェー
スプレート2およびリアプレート1を治具等で固定し、
電気炉(不図示)に入れる。このとき、必要に応じてフ
ェースプレート2側もしくはリアプレート1側から加圧
してもよい。そして、電気炉をフリットガラス11の固
着熱処理温度、例えば300〜650℃まで上昇させて
フリットガラスを溶融させる。本実施例では、410℃
で1時間加熱した。
【0051】このとき、フリットガラス11の溶融によ
りフリットガラス11の粘性が低下し、フリットガラス
11は液化するが、リアプレート1には電子放出素子5
との間に溝6が形成されているので、液化したフリット
ガラス11が流れ出ても溝6に流入し、フリットガラス
11が電子放出素子5に付着することはない。
【0052】その後、電気炉をゆっくり冷却して室温に
戻し、電気炉から取り出す。これによりフリットガラス
11が固化し、フェースプレート2と外枠3およびリア
プレート1と外枠3とは、真空漏れもなく強固に固着さ
れる。
【0053】次いで、フェースプレート2、外枠3およ
びリアプレート1で構成される外囲器に取り付けられた
排気管(不図示)から、真空ポンプにより外囲器の内部
を10-6Torr以下に真空排気する。その後、配線を
通して素子電極5a間に数V〜十数Vの電圧を印加して
フォーミングと呼ばれる通電処理を施し、電子放出素子
5に電子放出部5bを形成する。
【0054】続いて、ホットプレートによって外囲器を
約130℃に加熱して外囲器内の脱ガスを行ない、上記
排気管をガスバーナーで加熱して封じ切る。最後に、外
囲器の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理
を行なう。これは、抵抗加熱あるいは高周波加熱等によ
り、外囲器内の所定の位置に配置されたゲッター(不図
示)を加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッター
は通常Baが主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により
外囲器の真空度が維持される。
【0055】以上説明したように、絶縁性基板4に、電
子放出素子5が形成されている領域を取り囲む溝6が形
成されているので、外枠3とリアプレート1との固着に
用いるフリットガラス11の量が多くても、フリットガ
ラス11が電子放出素子5に付着することはなく、フリ
ットガラス11の付着による電子放出素子5の機能低下
は発生しない。その結果、フリットガラス11の使用量
を厳密に管理しなくてもよくなり、品質のよい画像形成
装置を、生産性および歩留りを向上しつつ作製すること
ができるようになる。また、フリットガラス11の使用
量が多すぎてフリットガラス11が外枠3からはみ出て
も、図3の平面図に示すように、外枠3からはみ出たフ
リットガラス11は溝6で直線上に留まり、見た目にも
きれいになる。さらに、フリットガラス11が電子放出
素子5まで流れ出なくなることにより、外枠3と電子放
出素子5間の距離を小さくできるので、装置全体の面積
に占める画像面積を大きくすることができる。すなわ
ち、同じ大きさの画像面積で、従来よりも小型の画像形
成装置を作製することができる。
【0056】本実施例では、リアプレート1を構成する
絶縁性基板4に溝6を形成した例を示したが、フェース
プレート2に溝(不図示)を形成してもよい。この場合
の溝は、フェースプレート2の、外枠3と固着される部
位と電子放出素子5から放出された電子が衝突する領域
との間に、全周にわたって形成される。これにより、フ
ェースプレート2と外枠3とを固着するフリットガラス
11の量が多くても、フリットガラス11がフェースプ
レート2の電子が衝突される領域に付着しなくなるの
で、蛍光体への電子の衝突が妨げられない。また、フリ
ットガラス11の流れを規制する規制構造としての溝を
フェースプレート2側およびリアプレート1側に設ける
ことにより、両者の効果が生かされ、より品質のよい画
像形成装置を作製することができる。さらに、フリット
ガラス11の流れを規制する規制構造として溝を例に挙
げて説明したが、溝に代えて突起としてもよい。
【0057】また、本実施例では表面伝導型の電子放出
素子5を用いた例を示したが、それに限らず、熱陰極を
用いた熱電子源、あるいは、電界放出型(FE型)電子
放出素子、金属/絶縁層/金属型(MIM型)電子放出
素子といった、表面伝導型の電子放出素子5以外の冷陰
極素子を用いてもよい。
【0058】冷陰極素子は、たとえばフォトリソグラフ
ィーやエッチングのような製造技術を用いれば基板上に
精密に位置決めして形成できるため、微小な間隔で多数
個を配列することが可能である。しかも、従来からCR
T等で用いられてきた熱陰極と比較すると、陰極自身や
周辺部が比較的低温の状態で駆動できるため、より微細
な配列ピッチのマルチ電子源を容易に実現することがで
きる。
【0059】また、冷陰極素子のなかでもとりわけ好ま
しいのは、表面伝導型の電子放出素子5である。すなわ
ち、前記MIM型素子は絶縁層や上部電極の厚さを比較
的精密に制御する必要があり、またFE型は針状の電子
放出部の先端形状を精密に制御する必要がある。そのた
め、これらの素子は比較的製造コストが高くなったり、
製造プロセス上の制限から大面積のものを作製するのが
困難となる場合があった。これに対して表面伝導型の電
子放出素子5は、構造が単純で製造が簡単であり、大面
積のものを容易に作製できる。近年、特に大画面で安価
な表示装置が求められている状況においては、とりわけ
好適な冷陰極素子であるといえる。
【0060】(第2実施例)図4は、本発明の画像形成
装置の第2実施例を示す図で、同図(a)はその平面
図、同図(b)はその断面図である。
【0061】本実施例の画像形成装置は蛍光表示装置で
あり、図4に示すように、表示面となるガラス板等の透
明基板22には、その周縁部においてカップ状の上板2
1が固着されている。透明基板22と上板21とは、フ
リットガラス31により気密固着され、透明基板22と
上板21とで構成される外囲器の内部は真空に保たれて
いる。
【0062】この外囲器の内部において、透明基板22
には陽極30が設けられている。陽極30には蛍光体が
塗布され、表示すべきパターンに応じて所定の位置に配
置される。上板21の立面部の中央部には、電子放出素
子であるフィラメント25が点溶接またはろう付けによ
り固着され、陽極30と対向している。また、陽極30
とフィラメント25との間には、フィラメント25から
放出された電子を制御するための変調電極27が設けら
れている。さらに、透明基板22の陽極30の外周部に
は、その全周にわたって、フリットガラス31の流れを
規制する規制構造としての突起26が一体的に設けられ
ている。
【0063】上記構成に基づき、フィラメント25は、
真空中で加熱されることにより電子を放出し、変調電極
27と陽極30に適当な電圧を印加することにより、フ
ィラメント25から放出された電子が陽極30に衝突
し、陽極30上に塗布された蛍光体が発光する。これに
より、透明基板22を通して画像を表示することができ
る。
【0064】次に、本実施例の画像形成装置の製造工程
について説明する。
【0065】まず、透明基板22に、陽極30、変調電
極27およびフィラメント25を設けて表示部を作製
し、次いで、ディスペンサー法により突起26を形成す
る。表示部の作製方法については従来行なわれている方
法でよいので、説明は省略する。
【0066】その後、ゲッター(不図示)および排気管
(不図示)を配置し、上板21との固着部にフリットガ
ラス31を塗布し、上板21を透明基板22に重ね合わ
せて治具等で固定する。そして、透明基板22と上板2
1とで構成される外囲器を電気炉に入れ、電気炉をフリ
ットガラス31の固着処理温度まで上昇させる。これに
よりフリットガラス31が溶融し液状化して流れ出す
が、透明基板22には突起26が形成されているので、
液状化したフリットガラス31は突起26で止まる。そ
のため、フリットガラス31が陽極30に到達すること
はない。
【0067】フリットガラス31が溶融したら、電気炉
をゆっくり冷却し、外囲器を電気炉から取り出す。外囲
器を電気炉から取り出したら、ホットプレート等の加熱
手段によって外囲器を加熱して外囲器内の脱ガスを行な
い排気管をガスバーナーで封じ切り、ゲッター処理を行
なう。
【0068】このように、透明基板22に形成した突起
26により、溶融したフリットガラス31の陽極30へ
の流れ出しが防止されるので、フリットガラス31の使
用量を厳密に管理しなくてもよくなり、品質のよい画像
形成装置を、生産性および歩留りを向上しつつ作製する
ことができる。また、フリットガラス31が陽極30ま
で流れ出なくなることにより、上板21の立面部と陽極
30間の距離を小さくできるので、装置全体の面積に占
める画像面積を大きくすることができる。すなわち、同
じ大きさの画像面積で、従来よりも小型の画像形成装置
を作製することができる。
【0069】本実施例では、ディスペンサー法により突
起26を形成した例を示したが、印刷法により突起26
を形成してもよく、突起26の形成方法については特に
限定されるものではない。また、フリットガラス31の
流れを規制する規制構造として、突起26に代えて、第
1実施例に示したものと同様に溝を形成してもよい。
【0070】(第3実施例)図5は、本発明の画像形成
装置の第3実施例の外枠とリアプレートとの固着部近傍
の断面図である。
【0071】本実施例では、補強板53の表面に、電子
放出素子45が設けられた絶縁性基板44が固着された
構造となっている。絶縁性基板44の大きさは補強板5
3の大きさよりも一回り小さく、外枠43は補強板53
にフリットガラス51により固着されている。すなわち
絶縁性基板44により、第1実施例で示した溝に代る規
制機構となる段が構成され、電子放出素子45が設けら
れている位置は外枠43の固着部よりも1段高い位置と
なっている。その他の構成については第1実施例と同様
であるので、その説明は省略する。
【0072】また、本実施例の画像形成装置の製造工程
についても、電子放出素子45等が設けられた絶縁性基
板44を補強板53に固着する工程が追加される点と、
絶縁性基板44に溝を形成する工程が削除される点とを
除いて、第1実施例と同様であるので、その説明は省略
する。
【0073】このように、補強板53よりも一回り小さ
い絶縁性基板44に電子放出素子45を設けることで、
外枠43の固着部と電子放出素子45との間には電子放
出素子45の位置が高くなる段が構成される。これによ
り、補強板53に外枠43を固着する際にフリットガラ
ス51が電子放出素子45側に流れ出しても、フリット
ガラス51は絶縁性基板44の端面で留まり、電子放出
素子45まで流れ出すのを防止できる。
【0074】その結果、フリットガラス51の使用量を
厳密に管理しなくてもよくなり、品質のよい画像形成装
置を、生産性および歩留りを向上しつつ作製することが
できる。また、外枠43と電子放出素子45との間の距
離を小さくできるので、装置全体の大きさに対して画像
面積の大きな画像形成装置を作製することができる。
【0075】本実施例では、リアプレート側に段を構成
した例を示したが、同様の構成をフェースプレート側に
適用することもできる。この場合、フェースプレートの
ガラス基板を通して画像が表示されるので、補強板とし
ては透明な部材を用いる必要がある。さらに、リアプレ
ート側およびフェースプレート側の双方に段を構成すれ
ば、双方の効果が生かされ、より品質のよい画像形成装
置を作製することができ、また、装置全体の大きさに対
してより画像面積の大きな画像形成装置を作製すること
ができる。
【0076】(第4実施例)図6は、本発明の画像形成
装置の第4実施例の外枠とリアプレートとの固着部近傍
の断面図である。
【0077】本実施例は、絶縁性基板64自体に、フリ
ットガラス71の流れを規制する規制構造としての段6
4aを形成し、外枠63の固着部よりも電子放出素子6
5が設けられている部位を高くしている点が、第1実施
例と異なる。その他の構成は第1実施例と同様である。
また、本実施例の画像形成装置の製造工程についても、
溝を形成する工程に代えて段64aを形成する工程とし
た点を除いて、第1実施例と同様である。なお、絶縁性
基板64に形成される段64aは、第1実施例で述べた
溝の形成方法と同様の方法で形成できる。
【0078】このように、絶縁性基板64に段64aを
形成し、外枠63の固着部よりも電子放出素子65が設
けられている部位を高くすることで、第3実施例と同様
に、外枠63の固着の際にフリットガラス71が電子放
出素子65まで流れ出すのを防止できる。
【0079】その結果、フリットガラス71の使用量を
厳密に管理しなくてもよくなり、品質のよい画像形成装
置を、生産性および歩留りを向上しつつ作製することが
できる。また、外枠63と電子放出素子65との間の距
離を小さくできるので、装置全体の大きさに対して画像
面積の大きな画像形成装置を作製することができる。
【0080】本実施例では、リアプレート側に段を形成
した例を示したが、同様の構成をフェースプレート側に
適用することもできる。また、リアプレート側およびフ
ェースプレート側の双方に段を形成すれば、双方の効果
が生かされ、より品質のよい画像形成装置を作製するこ
とができ、また、装置全体の大きさに対してより画像面
積の大きな画像形成装置を作製することができる。
【0081】(第5実施例)図7は、本発明の画像形成
装置の第5実施例の外枠とリアプレートとの固着部近傍
の断面図である。
【0082】本実施例は、絶縁性基板84自体に、フリ
ットガラス91の流れを規制する規制構造としての傾斜
84aを形成し、外枠83の固着部よりも電子放出素子
85が設けられている部位を高くしている点が、第1実
施例と異なる。その他の構成は第1実施例と同様であ
る。また、本実施例の画像形成装置の製造工程について
も、溝を形成する工程に代えて傾斜84aを形成する工
程とした点を除いて、第1実施例と同様である。なお、
絶縁性基板84に形成される傾斜84aは、第1実施例
で述べた溝の形成方法と同様の方法で形成できる。
【0083】このように、絶縁性基板84に傾斜84a
を形成し、外枠83の固着部よりも電子放出素子85が
設けられている部位を高くすることで、第3実施例と同
様に、外枠83の固着の際にフリットガラス91が電子
放出素子85まで流れ出すのを防止できる。
【0084】その結果、フリットガラス91の使用量を
厳密に管理しなくてもよくなり、品質のよい画像形成装
置を、生産性および歩留りを向上しつつ作製することが
できる。また、外枠83と電子放出素子85との間の距
離を小さくできるので、装置全体の大きさに対して画像
面積の大きな画像形成装置を作製することができる。
【0085】本実施例では、リアプレート側に傾斜を形
成した例を示したが、同様の構成をフェースプレート側
に適用することもできる。また、リアプレート側および
フェースプレート側の双方に傾斜を形成すれば、双方の
効果が生かされ、より品質のよい画像形成装置を作製す
ることができ、また、装置全体の大きさに対してより画
像面積の大きな画像形成装置を作製することができる。
【0086】上述した各実施例では、本発明の画像形成
装置を画像表示装置に応用した例で示したが、本発明は
この範囲に限られるものではなく、光プリンタの画像形
成用発光ユニットとして用いるなど、記録装置への応用
も可能である。この場合、通常の形態としては1次元的
に配列された画像形成ユニットを用いることが多いが、
m本の行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択する
ことで、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源
としても応用できる。また、画像形成部材としては、以
上の実施例で用いた蛍光体のように直接発光する物質を
有するものに限らず、電子の帯電による潜像画像が形成
されるような部材等を有するものであってもよい。
【0087】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0088】本発明の画像形成装置は、リアプレートお
よびフェースプレートの少なくとも一方に、フリットガ
ラスの流れを規制する規制構造を有することにより、リ
アプレートと外枠との固着や、フェースプレートと外枠
との固着に際し、電子放出素子が設けられる領域や電子
が衝突される領域へのフリットガラスの付着を防止する
ことができる。その結果、上記領域と外枠との間の距離
を小さくすることができ、装置全体の大きさに対する画
像面積を大きくすることができる。
【0089】また、画像形部材として蛍光体を用いるこ
とで、本発明の画像形成装置を画像表示装置として利用
することができる。
【0090】さらに、電子放出素子として冷陰極型電子
放出素子を用いることで、省電力で応答速度が速く、し
かも大型の画像形成装置を構成することができる。その
中でも特に表面伝導型電子放出素子は、素子構造が簡単
で、かつ複数の素子を容易に配置することができるの
で、表面伝導型電子放出素子を用いることによって、構
造が簡単で、しかも大型の画像形成装置が達成できる。
【0091】本発明の画像形成装置の製造方法は、フリ
ットガラスの流れを規制する規制構造を有するリアプレ
ート、およびフリットガラスの流れを規制する規制構造
を有するフェースプレートのうち少なくとも一方を用い
ることにより、フリットガラスの電子放出素子や電子が
衝突される領域への付着を防止することができる。その
結果、フリットガラスの量を厳密に管理しなくてもよく
なり、生産性および歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施例の一部を破
断した概略斜視図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の外枠とリアプレー
トとの固着部近傍の断面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置の外枠とリアプレー
トとの固着部近傍の平面図である。
【図4】本発明の画像形成装置の第2実施例を示す図
で、同図(a)はその平面図、同図(b)はその断面図
である。
【図5】本発明の画像形成装置の第3実施例の外枠とリ
アプレートとの固着部近傍の断面図である。
【図6】本発明の画像形成装置の第4実施例の外枠とリ
アプレートとの固着部近傍の断面図である。
【図7】本発明の画像形成装置の第5実施例の外枠とリ
アプレートとの固着部近傍の断面図である。
【図8】表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成を
示す平面図である。
【図9】表面伝導型電子放出素子を用いた従来の画像形
成装置の一部を破断した概略斜視図である。
【符号の説明】
1 リアプレート 2 フェースプレート 3、43、63、83 外枠 4、44、64、84 絶縁性基板 5、45、65、85 電子放出素子 5a 素子電極 5b 電子放出部 6 溝 7、27 変調電極 7a 孔 8 ガラス基板 9 蛍光膜 10 メタルバック 11、31、51、71、91 フリットガラス 21 上板 22 透明基板 25 フィラメント 26 突起 30 陽極 53 補強板 64a 段 84a 傾斜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子を放出する電子放出素子が設けられ
    たリアプレートと、前記電子放出素子から放出された電
    子が衝突することにより画像が形成される画像形成部材
    が設けられ、外枠を介して前記リアプレートに対向配置
    されたフェースプレートとを有し、前記リアプレートと
    前記外枠、および前記フェースプレートと前記外枠と
    が、互いにフリットガラスにより気密固着された画像形
    成装置において、 前記リアプレートの、前記外枠が固着される部位と前記
    電子放出素子が設けられる領域との間、および前記フェ
    ースプレートの、前記外枠が固着される部位と前記電子
    放出素子からの電子が衝突される領域との間のうち、少
    なくとも一方に、前記フリットガラスの流れを規制する
    規制構造を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記規制構造は溝で構成されている請求
    項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記規制構造は突起で構成されている請
    求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記規制構造は段差で構成されている請
    求項1に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記規制構造は傾斜で構成されている請
    求項1に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記画像形成部材は、電子が衝突するこ
    とにより発光する蛍光体である請求項1ないし5のいず
    れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記電子放出素子は、冷陰極型電子放出
    素子である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画
    像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記冷陰極型電子放出素子は表面伝導型
    電子放出素子である請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 電子が放出される電子放出素子が設けら
    れたリアプレートに、外枠を挟んで、電子放出素子から
    放出された電子が衝突することにより画像が形成される
    画像形成部材が設けられたフェースプレートを対向さ
    せ、前記リアプレートと前記外枠、および前記フェース
    プレートと前記外枠とを、互いにフリットガラスにより
    気密固着する画像形成装置の製造方法において、 前記リアプレートとして、前記外枠が固着される部位と
    前記電子放出素子が設けられる領域との間に、前記フリ
    ットガラスの流れを規制する規制構造を有するリアプレ
    ート、および前記フェースプレートとして、前記外枠が
    固着される部位と前記電子放出素子からの電子が衝突さ
    れる領域との間に、前記フリットガラスの流れを規制す
    る規制構造を有するフェースプレートのうち、少なくと
    も一方を用い、 前記リアプレートと前記外枠、および前記フェースプレ
    ートと前記外枠とを互いに前記フリットガラスにより気
    密固着することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6621220B1 (en) 1999-02-25 2003-09-16 Canon Kabushiki Kaisha Envelope and image-forming apparatus using the same
JP2004513473A (ja) * 2000-07-31 2004-04-30 キャンデセント・インテレクチュアル・プロパティ・サービシーズ・インコーポレイテッド フラットパネルデバイスのシーリング方法
US7029358B2 (en) 2002-06-28 2006-04-18 Canon Kabushiki Kaisha Hermetic container and image display apparatus using the same
US7214970B2 (en) 2003-09-10 2007-05-08 Canon Kabushiki Kaisha Hermetic container and image display apparatus

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