JP2714862B2 - 免疫学的測定法 - Google Patents

免疫学的測定法

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JP2714862B2 JP1209389A JP20938989A JP2714862B2 JP 2714862 B2 JP2714862 B2 JP 2714862B2 JP 1209389 A JP1209389 A JP 1209389A JP 20938989 A JP20938989 A JP 20938989A JP 2714862 B2 JP2714862 B2 JP 2714862B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、抗原抗体反応を利用する免疫学的測定法に
関し、詳しくは、特に、簡単確実にB/F分離を行なつ
て、短時間に簡単に且つ高感度高精度にて被検液中に含
まれる所定の免疫活性物質を検出することができる免疫
学的測定法に関する。
従来の技術 体液に含まれる所定の被検物質を免疫学的手法によつ
て測定する方法としては、従来、この被検物質に特異的
な抗原又は抗体を担持させた赤血球やポリスチレン粒子
と被検物質を接触させて、その凝集反応を目視にて、又
は光学的若しくは機械的に測定する方法が知られている
が、しかし、この方法によれば、一般に、高感度にて所
定の被検物質を検出することが困難であるので、従来、
更に、高感度の方法として、酵素免疫測定法(EIA)や
放射性免疫測定法(RIA)が利用されている。
これらの方法においては、被検物質に特異的に反応す
る所定の免疫活性物質を水不溶性の担体に結合してなる
固相を用いる固相法が好適に利用されており、特に、サ
ンドイツチ法や競合法がよく知られている。
例えば、サンドイツチ法において、被検物質が所定の
抗原であるときは、不活性固相担体に所定の抗体を結合
させて固相化抗体とし、これに被検物質である抗原を加
えて、抗原抗体反応(一次反応)を行なわせる。次い
で、固相に過剰の標識化抗体を加え、固相化抗体に結合
した抗原に更に標識化抗体を抗原抗体反応(二次反応)
にて特異的に結合させる。かくして、被検物質である抗
原は、固相化抗体と標識化抗体との間にサンドイツチ状
に結合される。
そこで、次いで、上記反応に関与しなかつた余剰の標
識化抗体を洗浄等の手段によつて、固相から除去した後
(B/F分離)、固相上の標識化抗体を検出することによ
つて、被検物質である抗原を定量する。
かかるサンドイツチ法において、EIAの場合には、上
記標識化抗体として酵素にて標識化した抗体が用いられ
る。従つて、かかる酵素標識化抗体の定量には、標識物
質である酵素に基質を反応させ、その酵素反応による反
応結果を例えば比色定量する。
このように、免疫学的測定において、固相法を採用す
るときは、特に、固相に結合した標識化抗体と、固相に
結合しなかつた標識化抗体とを分離、即ち、B/F分離す
るために煩雑な操作を必要とし、従つて、測定に長時間
を必要とする。
発明が解決しようとする課題 そこで、例えば、特開昭62-98258号公報や特開昭62-9
8259号公報には、粒子径0.02μm乃至1mmの高分子重合
体粒子に抗体を結合させた重合体粒子の固相の水性分散
液を調製し、これに過剰の標識化抗体を反応させた後、
多孔質膜を用いてB/F分離し、この後、多孔質膜上の固
相の標識を検出する方法が提案されている。
この方法によれば、B/F分離は簡単化されるものの、
用いる前記粒子状固相が、一般にラテツクス免疫凝集法
にて用いられる抗体固定化ラテツクスに似るため、被検
物質との反応時に固相化粒子の凝集が生じ、かかる膜面
での固相の不均一性に起因するとみられる非特異反応が
生じることがあり、かくして、測定の定量性や再現性
に、尚、幾つかの問題が残されており、更に、定量域が
比較的限られる等の問題もある。
本発明は、従来の免疫学的測定法における上記した問
題を解決するためになされたものであつて、特に、固相
法によるEIAやRIAにおいて、簡単な操作にて短時間に高
感度高精度にて所定の被検物質を検出し得る免疫学的測
定法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明による免疫学的測定法は、 表面にスルホン酸基を0.001〜10μモル/m2の範囲で有
すると共に、カルボキシル基を0.3〜30μモル/m2の範囲
で有する粒子径0.5〜500μmの重合体粒子に上記カルボ
キシル基を介して免疫活性物質を共有結合にて結合させ
てなる免疫活性物質固相化粒子の水性分散液に被検液を
加えて、この被検液中の所定の被検物質を上記免疫活性
物質に特異的に結合させる第1工程、及び 上記被検物質に特異的に結合する標識化物質を上記被
検物質に特異的に結合させる第2工程を含み、 次いで、このようにして得た固相化粒子の分散液を上
記固相化粒子の粒子径の2倍以上の平均保留粒子径を有
する第1の濾材にて濾過する第3工程、 得られた濾液を前記固相化粒子の粒子径以下で、且
つ、0.2μm以上の平均保留粒子径を有する第2の濾材
にて濾過する第4工程、 次いで、上記第2の濾材上に捕捉した固相化粒子に結
合した標識を検出する第5工程 からなることを特徴とする。
本発明による免疫学的測定法においては、表面にスル
ホン酸基及びカルボキシル基を有する粒子径0.5〜500μ
mの重合体粒子に上記カルボキシル基を介して免疫活性
物質を共有結合にて結合させてなる固相化粒子が固相と
して用いられる。
上記重合体粒子は、スルホン酸基を有する単量体とカ
ルボキシル基を有する単量体、又はスルホン酸基とカル
ボキシル基を併せ有する単量体を、必要に応じてこれら
単量体と共重合し得るビニル単量体と共に、乳化(共)
重合させることによつて得ることができる。このような
スルホン酸基を有する単量体やカルボキシル基を有する
単量体、及びこれらに共重合し得るビニル単量体は、既
に種々のものが知られており、また、かかる単量体の乳
化(共)重合も既に知られている。
上記スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、
一般式 CH2=CR1COOR2SO3M (式中、R1は水素又はアルキル基を示し、R2はアルキ
レン基を示し、Mは水素又はアルカリ金属を示す。) で表わされるスルホアルキルアクリレートやそのアルカ
リ金属塩、一般式 (式中、R3はアルキル基、Mは水素又はアルカリ金属
を示す。) で表わされるスチレンスルホン酸誘導体やそのアルカリ
金属塩、一般式 CH2=CR4CONHR5SO3M (式中、R4はアルキル基、R5はアルキレン基示し、M
は水素又はアルカリ金属を示す。) で表わされるアクリルアミドアルカンスルホン酸やその
アルカリ金属塩を挙げることができる。
従つて、スルホン酸基を有するビニル単量体の具体例
として、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウムやナト
リウムスルホプロピルメタクリレート等を挙げることが
できる。
かかるスルホン酸基を有するビニル単量体は、乳化剤
の不存在下での乳化共重合によつて生成する共重合体粒
子の分散安定性を高める。
また、カルボキシル基を有するビニル単量体として
は、好ましくは、一般式 R6CH=CR7COOH (式中、R6及びR7はそれぞれ独立にアルキル基を示
す。) で表わされるアクリル酸誘導体が用いられる。具体例と
しては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸を挙げるこ
とができる。また、ビニル酢酸やフマル酸、マレイン酸
等もカルボキシル基を有するビニル単量体として用いる
ことができる。
かかるアクリル酸誘導体は、得られる乳化共重合体粒
子に免疫活性物質を共有結合にて固定化するための官能
基であるカルボキシル基を与えるために必須であると共
に、得られる乳化共重合体粒子の分散安定性を高める効
果も有する。
これらスルホン酸基やカルボキシル基を有する単量体
に共重合性を有するビニル単量体としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、スチレン、ビニルトルエ
ン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、ブ
タジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル等を
挙げることができる。
更に、上記共重合性ビニル単量体としては、併せて、
多官能性単量体も同時に用いることが好ましい。このよ
うな多官能性単量体を用いることによつて、内部架橋に
よつて、得られる共重合粒子のガラス転移点を高めるこ
とができる。また、前述したようなスルホン酸基やカル
ボキシル基を有する単量体を乳化共重合させるとき、好
ましくない水溶性の重合体が副生されることがあるが、
乳化重合時、かかる官能性単量体を併用することによつ
て、好ましくない水溶性重合体の副生を抑制することが
できる。
このような多官能性単量体としては、例えば、エチレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、ジビニルベンゼン、グリセリントリア
クリレート等を挙げることができる。
本発明において用いるかかる重合体粒子は、粒子径が
0.5〜500μmの範囲にあることが必要である。重合体粒
子の粒子径が0.5μmよりも小さいときは、後述する第
4工程の濾過時に、濾材上に重合体粒子を捕捉すること
が困難である。また、かかる重合体粒子を捕捉し得る濾
材を用いても、濾過が極めて遅く、また、標識化物質が
濾過され難くなるため、非特異反応の原因となるので、
好ましくない。
他方、重合体粒子が粒子径が500μmよりも大きいと
きは、単位容量当りの粒子の総表面積が小さく、感度が
低い。また、保存中に粒子が沈降し、均一分散し難いた
め、保存安定性と測定の再現性が悪化する。
本発明においては、このようにして得られる乳化共重
合体粒子は、その表面にカルボキシル基を0.3〜30μモ
ル/m2の範囲で有することが好ましく、特に、1〜20モ
ル/m2の範囲で有することが好ましい。乳化共重合体粒
子表面におけるカルボキシル基が0.3モル/m2よりも少な
いときは、これに結合し得る抗体量が少なすぎて、感度
が低く、更に、かかる固相化粒子に被検液を加えたとき
に、固相化粒子に凝集が生じ、測定制度を低くする。他
方、乳化共重合体粒子表面におけるカルボキシル基が30
μモル/m2よりも多いときは、固相化粒子が分散安定性
に劣るようになり、測定の再現性が損なわれることとな
る。
また、本発明において用いる重合体粒子は、その表面
にスルホン酸基を0.001〜10μモル/m2の範囲にて有する
ことが好ましく、特に、0.01〜1.0μモル/m2の範囲にて
有することが好ましい。重合体粒子の有するスルホン酸
基量が上記よりも少ないときは、重合体粒子の分散安定
性が悪く、第1及び第2工程において凝集を生じやす
い。他方、上記よりも多いときは、粒子が膨潤しやす
く、保存安定性に劣ることとなると共に、第1及び第2
工程において、十分に高い反応性を有しないこととな
る。
本発明において用いる固相化粒子は、このように、表
面にカルボキシル基と共にスルホン酸基を有するので、
例えば、抗体を水溶性カルボジイミドを用いえ、粒子の
有するカルボキシル基を利用して、粒子に固定化すると
き、スルホン酸基は、遊離のままにて残存するので、固
相化粒子の分散安定性を保持しつつ、抗体を高密度にて
粒子に結合することができる。上記カルボジイミドとし
ては、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)アルボジイミド塩酸塩、1−シクロヘキシル
−3−(2−モノホリノエチル)カルボジイミド−メト
−p−トルエンスルホネート等が好ましく用いられる。
本発明の方法は、常法に従つて、第1工程として、か
かる固相化粒子の水性分散液に所定の被検物質を含む尿
素、適宜の被検液を加え、数分から数十分、反応させ
て、上記被検物質を上記固相化粒子に特異的に結合さ
せ、次いで、第2工程として、上記被検物質に特異的に
反応する標識化免疫活性物質を加えて、同様に、数分か
ら数十分、反応させて、上記標識化免疫活性物質を被検
物質に特異的に結合させる。
次いで、第3工程として、かかる反応後の固相化粒子
の水性分散液をこの固相化粒子の粒子径の2倍以上の平
均保留粒子径を有する第1の濾材にて濾過する。しか
し、本発明によれば、前記第1及び第2の工程はほぼ同
時に行なつてもよい。即ち、固相化粒子に水分散液に被
検物質と標識化物質とをほぼ同時に加えて、数分から数
十分、反応させた後、分散液を第1の濾材にて濾過して
もよい。
本発明において、平均保留粒子径とは、ポリスチレン
粒子懸濁液の希釈液を調製し、これを濾過して、その漏
洩度を顕微鏡計測法にて調べて、濾過されなつた最小の
粒子径をいう。
本発明においては、第1の濾材は、固相粒子を透過さ
せるように、固相化粒子の粒子径の2倍以上の平均保留
粒子径を有することが必要であり、10倍以上の平均保留
粒子径を有することが好ましい。第1の濾材の平均保留
粒子径が固相化粒子の粒子径の2倍よりも小さいとき
は、保留される粒子量が多くなるからである。しかし、
20倍を越えるときは、後述するように、被検物質中に共
存する微粒子状物質やコロイド状物質等を濾過する効果
が少なくなる。
本発明によれば、このような第3工程によつて、非特
異反応を著しく減少させることができる。特に、被検物
質中に所定の免疫活性物質を含まない陰性検体における
擬陽性化がなく、ブランクの値を極めて低くすることが
できる。このような理由は必ずしも明らかではないが、
被検物質中に共存する微粒子状物質やコロイド状物質が
濾別されることや、ミクロ凝集した固相粒子間に標識化
抗体が存在し、この状態でミクロン凝集が第1の濾材に
て除去されるためであるとみられる。
第1の濾材は、被検液中の抗原や抗体等のタンパク質
を非特異的に吸着してはならないので、親水性材料、例
えば、再生セルロース、濾紙、ガラス繊維フイルター等
からなるのが好ましい。
次いで、本発明の方法によれば、第4工程として、得
られた濾液を第2の濾材にて濾過して、固相化粒子を第
2の濾材上に捕捉する。従つて、第2の濾材は、固相化
粒子の粒径以下であつて、且つ、0.2μm以上の平均保
留粒子径を有することが必要である。第2の濾材の平均
保留粒子径が0.2μmよりも小さいときは、非特異反応
が増したり、或いは濾過に不必要に長時間を要する。ま
た、第2の濾材の平均保留粒子径が固相化粒子の粒子径
よりも大きいときは、固相化粒子が濾材を透過する。第
2の濾材の平均保留粒子径は、好ましくは、固相化粒子
の粒径の80%以下である。
第2の濾材も、第1の濾材と同様に、被検液中の抗原
や抗体等のタンパク質を非特異的に吸着してはならない
ので、親水性材料、例えば、再生セルロース、濾紙、ガ
ラス繊維フイルター等からなるのが好ましい。
次に、本発明の方法を用いて、サンドイツチ法にて被
検物質を測定する場合を例として具体的に説明する。
先ず、被検物質に特異的な抗原又は抗体を調製し、こ
れを重合体粒子に固定化させる。例えば、被検物質がCR
Pであるときは、このCRPに特異的な抗体としての抗CRP
抗体を重合体粒子にそのカルボキシル基を介して共有結
合法にて結合させる。被検物質に特異的な抗原又は抗体
等の免疫活性物質の重合体粒子への結合量は、それら免
疫活性物質によつても異なるが、通常、重合体粒子1g当
りに1〜500mgの範囲である。このように、免疫活性物
質を固定化した重合体粒子は、免疫活性物質の失活がな
いように、適宜の緩衝液に0.5〜20重量%、好ましくは
1〜10重量%の濃度にて分散される。緩衝液としては、
通常、適当なpH及び濃度に調整したグリシン緩衝液、ホ
ウ酸緩衝液、リン酸緩衝液等が用いられる。例えば、前
記抗CRP抗体を重合体粒子に結合させたときは、重合体
粒子は、グリシン緩衝液中に分散されることが好まし
い。
次いで、抗CRP抗体固相化粒子を含むかかる分散液にC
RPを含有する被検液を加え、通常、1〜60分間反応さ
せ、被検液中のCRPを上記抗CRP抗体に特異的に結合させ
る。次に、アルカリホスフアターゼ等にて標識化した過
剰量の抗CRP抗体を加えて更に反応させ、標識化抗CRP抗
体を上記固相に結合したCRPに特異的に結合させる。
この反応系を前記第1の濾材にて濾過し、更に、得ら
れた濾液を第2の濾材にて濾過し、洗浄して、B/F分離
を行なう。ここに、第2の濾材は、自然濾過にて十分な
濾過性を有するので、吸引濾過等のような強制濾過は必
要でなく、むしろ、強制濾過は、目詰まりや凝集を生じ
させて、非特異反応の惹起やブランク値の上昇を招くの
で、好ましくない。
このようにして、第2の濾材上に残留した固相化粒子
の標識を検出することによつて、CRP量を求めることが
できる。例えば、アルカリホスフアターゼにて標識化し
た抗CRP抗体を用いたときは、アルカリホスフアターゼ
の基質であるニトロブルーテトラゾリウム、TNBS(5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフオスフエート−
p−トルイジン塩)及び塩化マグネシウムを含有するジ
エタノールアミン溶液を上記第2の濾材上の固相化粒子
に滴下すれば、約3分後には、固相化粒子が褐色に着色
するので、目視又は反射光を測定することによつて、標
識を検出することができる。
競合法によるときも、同様に、標識を検出することが
できる。
発明の効果 以上のように、本発明の方法によれば、用いる重合体
粒子が微粒子であるので、抗原又は抗体を結合し得る表
面積が非常に大きく、しかも、固相化粒子の分散性がよ
く、且つ、抗原抗体反応を阻害しないので、抗原抗体反
応は、均一系に近い状態にて行なわれる。また、仮にミ
クロ的な凝集反応が生じても、その凝集物は、第1の濾
材にて濾別され、更に、第2の濾材にて過剰の標識化抗
体が確実にB/F分離されるので、従来の固相EIA法に比べ
て、短時間にて、且つ、簡単な操作にて、高感度高精度
にて、しかも、非特異反応を抑制しつつ、再現性高く免
疫学的測定を行なうことができる。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
これら実施例により何ら限定されるものではない。
(a) ラテツクスの調製 スチレン100重量部、スチレンスルホン酸ナトリウム
2.0重量部、アクリル酸5.0重量部及びを蒸留水410重量
部を反応容器に仕込み、窒素ガスにて十分に置換した
後、70℃に昇温し、300rpmにて30分間攪拌した。
次いで、過硫酸アンモニウム0.5重量部を蒸留水20重
量部に溶解した重合開始剤水溶液を上記単量体混合物に
加え、攪拌下に70℃で8時間重合させた。
このようにして得られたラテツクスを蒸留水を用い
て、3回、遠心分離による精製を行なつた後、固形分濃
度10重量%に調整した。このラテツクスの平均粒径は、
0.15μmであつた。
次に、上記で得た精製ラテツクス15.0重量部、スチレ
ン100重量部、アクリル酸4.0重量部、ジビニルベンゼン
0.2重量部及びを蒸留水395重量部を反応容器に仕込み、
窒素ガスにて十分に置換した後、70℃に昇温し、300rpm
にて30分間攪拌した。
この後、過硫酸アンモニウム0.5重量部を蒸留水20重
量部に溶解した重合開始剤水溶液を上記ラテツクスと単
量体とを含む混合物に加え、攪拌下に70℃で12時間重合
させた。
このようにして得られたスルホン化カルボキシル化ポ
リスチレンラテツクスをホウ酸緩衝液(pH8.2、0.01モ
ル/l)を用いて、5回、遠心分離による精製を行なつた
後、固形分濃度5重量%に調整した。このラテツクスの
平均粒径は0.62μm、粒子表面のカルボキシル基量は9.
2μモル/m2、スルホン酸基量は0.13μモル/m2であつ
た。
(b) 抗体結合ラテツクスの調製 上記(a)にて得たスルホン化カルボキシル化ポリス
チレンラテツクス溶液5mlにホウ酸緩衝液(pH8.2、0.1
モル/l)2ml及び蒸留水11mlを混合し、これに1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド塩酸塩水溶液(2mg/ml)2mlを加え、10分後にhCG抗体
(4mg/ml)5mlを加え、10℃で24時間反応させた。
次に、得られた反応混合物に10重量%アルギニン水溶
液(pH8.2)5mlを加えて、反応混合物中に残存する過剰
の上記カルボジイミドを消費させ、1時間インキユベー
トした。この後、トリス緩衝液(pH8.2、0.01モル/l)
にて遠心洗浄を3回行なつた後、同じ緩衝液に再分散さ
せ、全量5mlとして、抗hCG抗体結合ラテツクスを得た。
このラテツクスにおいて、抗体結合量は35mg/gであつ
た。
(c) 酵素標識抗体の調製 ペルオキシダーゼ(シグマ社製、タイプVI)40mgを蒸
留水10mlに溶解させ、これにメタ過ヨウ素酸ナトリウム
水溶液(40mg/ml)0.5mlを加え、室温で10分間攪拌し
た。
この溶液をセフアデツクス(Sephadex)G−25に展開
し、ペルオキシダーゼ溶液を分画し、水酸化ナトリウム
にてpHを9.5に調整した。これに予め炭酸緩衝液(pH9.
5、0.01モル/l)にて透析した抗hCG抗体(ダコ(Dake)
社製、ウサギIgG、10mg/ml)10mlを加え、4℃にて24時
間静置した後、水素化ホウ素ナトリウム(5mg/ml)1ml
を加え、4℃で2時間静置した。その後、トリス緩衝液
(pH8.2、0.01モル/l)にて透析し、セフアクリル(Sep
hacryl)S−200に展開して、第1ピークを分取して、
酵素標識抗体分画を得た。上記第1ピーク中には、ペル
オキシダーゼと未反応の抗体とが残存するため、コンカ
ナバリンA−セフアローズ(Sepharose、フアルマシア
社製)によるアフイニティ・クロマトグラフイーにて精
製して、ペルオキシダーゼ標識抗hCG抗体を得た。
(d) hCGの測定 抗hCG抗体結合スルホン化カルボキシル化ポリスチレ
ン系ラテツクス(5重量%)溶液50μlに健常男子尿で
希釈したhCG標準品(コントロール)450μlを加え、室
温にて2分間混和した。次いで、ペルオキシダーゼ標識
抗hCG抗体(0.1%ウシ血清アルブミン、0.9%食塩含
有、0.01モル/lトリス緩衝液(pH8.2)にて5000倍に希
釈したもの。)500μlを加え、室温にて1分間混和し
た。
下層から濾過板(アドバンテツク社製ノンアスベスト
濾過板)、メンブレンフイルター(同上、ニトロセルロ
ース、孔径0.45μm)及びメンブレンフイルター(同
上、ニトロセルロース、孔径3μm)の順序にて3層に
重ね、これをホルダーに取付け、前記反応溶液をスポイ
ドにてフイルターの中心部に滴下した。
反応液が浸透した後、孔径3μmのフイルターを取り
除き、トリス緩衝液(0.2%ウシ血清アルブミン、0.9%
食塩含有、pH8.2)500μlにて洗浄した。
次いで、酵素基質溶液(1mMo−フエニレンジアミン、
0.05%過酸化水素水含有、0.1モル/lリン酸−クエン酸
緩衝液、pH6.0)200μlを滴下し、2分間静置して、そ
の際に出現する色の有無を肉眼にて判定した。
比較例1 (a) hCGの測定 実施例1にて調整した抗hCG抗体結合ラテツクス及び
ペルオキシダーゼ標識抗hCG抗体を用いて、hCGを測定し
た。
濾材の構成を下層に濾過板、上層にメンブレンフイル
ター(孔径0.45μm)に変更し、孔径3μmのメンブレ
ンフイルターを用いない以外は、実施例1と同様にして
測定した。
比較例2 (a) ラテツクスの調製 スチレン100重量部、アクリル酸5.0重量部及びを蒸留
水410部を反応容器に仕込み、窒素ガスにて十分に置換
した後、70℃に昇温し、300rpmにて30分間攪拌した。
次いで、過硫酸アンモニウム0.5重量部を蒸留水20重
量部に溶解した重合開始剤水溶液を上記単量体混合物に
加え、攪拌下に70℃で12時間重合させた。
このようにして得られたラテツクスを蒸留水を用い
て、3回、遠心分離による精製を行なつた後、固形分濃
度10重量%に調整した。このラテツクスの平均粒子径
は、0.31μmであつた。
次に、上記で得た精製ラテツクス100重量部、スチレ
ン85重量部、アクリル酸1重量部、ジビニルベンゼン0.
2重量部及びを蒸留水325重量部を反応容器に仕込み、窒
素ガスにて十分に置換した後、70℃に昇温し、300rpmに
て1時間攪拌した。
この後、過硫酸アンモニウム0.5重量部を蒸留水20重
量部に溶解した重合開始剤水溶液を上記ラテツクスと単
量体とを含む混合物に加え、攪拌下に70℃で12時間重合
させた。
このようにして得られたカルボキシル化ポリスチレン
ラテツクスをホウ酸緩衝液(pH8.2、0.01モル/l)を用
いて、5回、遠心分離による精製を行なつた後、固形分
濃度5重量%に調整した。このラテツクスの平均粒径は
0.68μm、粒子表面のカルボキシル基量は5.3μモル/m2
であつた。
(b) 抗体結合ラテツクスの調製 実施例1と同様にして、抗hCG抗体結合カルボキシル
化ラテツクスを調製した。抗体結合量は、3mg/gであつ
た。
(c) hCGの測定 抗hCG抗体結合カルボキシル化ラテツクスを用いて、
実施例1と同様にして、hCGを測定した。
実施例2 (a) 抗体結合ラテツクスの調製 実施例1にて調製したスルホン化カルボキシル化ポリ
スチレンラテツクスに実施例1と同様にして抗ヒトCRP
抗体(ダコ社製)を結合させた。最終分散媒は、グリシ
ン緩衝液(pH8.2、0.1モル/l)とした。抗体結合量は38
mg/gであつた。
(b) 酵素標識抗体の調製 アルカリフフオスフアターゼ(シグマ社製)0.2mgを
リン酸緩衝液(pH6.8、0.1モル/l)0.5ml中に溶解さ
せ、更に、抗ヒトCRP抗体(ダコ社製、上記緩衝液にて5
mg/mlに調整したもの。)0.1mlを混合した。混合液中に
上記緩衝液にて0.1%に調整したグルタルアルデヒド0.1
mlを攪拌下にゆつくりと加え、室温で3時間静置した。
次いで、セフアクリルS−200に展開して、アルカリフ
ホスターゼ標識抗ヒトCRP抗体を得た。
(c) CRPの測定 抗ヒトCRP抗体結合スルホン化カルボキシル化ポリス
チレン系ラテウクス溶液(5重量%)50μlに被検血清
10μl及びグリシン緩衝液(pH8.2、0.2%ウシ血清アル
ブミン、0.9%食塩含有)400μlを加え、室温にて3分
間混和した。
次いで、アルカリホスフアターゼ標識抗ヒトCRP抗体
(上記緩衝液にて100倍に希釈したもの。)500μlを加
え、室温で2分間混和した。
酵素基質発色液として、2mM濃度の5−ブロモ−4−
クロロ−3−インドリルリン酸p−トルイジン塩をジエ
タノールアミン緩衝液(pH9.0、0.1モル/l)に溶解させ
た溶液を用いた以外は、実施例1と同様して測定した。
比較例3 比較例2にて調製したカルボキシル化ポリスチレンラ
テツクスに比較例2と同様にして抗ヒトCRP抗体を結合
させた。最終分散媒はグリシン緩衝液(pH8.2、0.1モル
/l)とした。抗体結合量は、40mg/gであつた。
(d) CRPの測定 上記抗ヒトCRP抗体結合カルボキシルかポリスチレン
ラテツクスを用いて、実施例2と同様にして、CRPを測
定した。
以上の結果を第1表及び第2表に示す。比較例1にお
いては、第1濾過工程がないために、非特異凝集が生
じ、比較例2及び3においては、ラテツクス粒子がスル
ホン酸基をもたないので、ラテツクスの凝集によつて、
感度が低下した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 哲男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−98257(JP,A) 特開 昭63−273060(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にスルホン酸基を0.001〜10μモル/m2
    の範囲で有すると共に、カルボキシル基を0.3〜30μモ
    ル/m2の範囲で有する粒子径0.5〜500μmの重合体粒子
    に上記カルボキシル基を介して免疫活性物質を共有結合
    にて結合させてなる免疫活性物質固相化粒子の水性分散
    液に被検液を加えて、この被検液中の所定の被検物質を
    上記免疫活性物質に特異的に結合させる第1工程、及び 上記被検物質に特異的に結合する標識化物質を上記被検
    物質に特異的に結合させる第2工程 を含み、 次いで、このようにして得た固相化粒子の分散液を上記
    固相化粒子の粒子径の2倍以上の平均保留粒子径を有す
    る第1の濾材にて濾過する第3工程、 得られた濾液を前記固相化粒子の粒子径以下で、且つ、
    0.2μm以上の平均保留粒子径を有する第2の濾材にて
    濾過する第4工程、 次いで、上記第2の濾材上に捕捉した固相化粒子に結合
    した標識を検出する第5工程 からなることを特徴とする免疫学的測定法。
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